10月26日(木)、夕日な時間帯の渡廊下にて ♪♪♪ メールを一件、受信しました。 うり「お?従姉か」 送信者:従姉 件名:お願い! 今日これから肝試しに行くらしいんだけどね。 危ないから付いてきてほしいの・・・だめ? 肝試し。 世間一般じゃ「幽霊が出る」と言われている場所に己の恐怖心と戦いつつ 興味本心の軽い気持ちで、元は人であったモノなどを視に行く、体験すること。 ※本文を読まれても、絶対にスポットに行く事はオススメ致しません。 ※行かれる場合は自己責任でお願いします。行ってどうだの苦情も受け付けません。 返信:場所は?別に構わないが・・・ カチカチカチ・・・・・・・ 送信者:従姉 件名:えっと 旧小峰トンネル。 はーい!皆には言っておくね♪ おー。きたきた。 関東の超有名「吹上トンネル3連続」×「旧、小峰トンネル」 吹雪には昔行って霧に邪魔されて途中断念した記憶はあるものの、 旧小峰・・・あの【宮●勤】の事件と関連のある場所。 まぁ、簡単に話せば殺害した幼女のバラバラ死体を遺棄した場所でもる。 通称、赤いトンネルな? うり「旧小峰・・・肝試しには少々ハードル高いだろ」 姉御{せめて逗子のトンネルか踏み切りがいい所} うり「あぁ、あそこなら―――っていつからそこに?」 姉御{今} 姉御は時たまに存在消してんじゃないかってぐらい解らん時がある。 このドミナントである私が気付かないとは・・・恐ろしい子!!! うり「で、どうした?」 姉御{何でもない。ただ廊下につっ立っていたお前がいたから} 気付かない俺も俺なんだけどね。 うり「とまぁ。コホン、今回の任務は護衛という話だ」 姉御{なら私も行こう} うり「ん?平気なのか?家とかあのじっちゃんとかさー」 最寄駅から黒い外車でお迎えですもの。 姉御{・・・大丈夫。何かあったらお前に守ってもらう} うり「なして俺がですか?」 姉御{契約しだろう} うり「ふむ。まぁ連絡取る」 契約でFateを連想したのは内緒だ。 ―――お前が、私のマスターか なんて言わせるつもりも御座いません。 パピポピっとメール送信、従姉すんなり承諾。 (スレ15)>>732書き込み中に従姉よりメール受信。 送信者:従姉 件名:ごめん 私は行かないの。 aちゃん(先輩)やbちゃん(先輩)をお願いね!! 完全なるチキンハート! ゲームや漫画は平気なクセに・・・あ、映画とか駄目だっけ。 うり「逝くか・・・」 姉御{・・・・・} 18:40 某駅前バスターミナルにて集合、 軽く挨拶をした後、座席はこんな感じに。 1号車 運転手(男) 運転手の彼女    姉御 俺 c先輩 2号車 運転手(女) a先輩  b先輩 従姉の代理(女) ※スレで運転手(男) 男 と書いておりましたが、間違いです。すみません。 一号車内会話(音声のみでお楽しみ下さい) 人物説明:運男(運転手の男) 彼女(運転手の彼女) 姉御 うり(俺) しぃ(c先輩) 運男「うり君はどこまで見えるの?」 うり「どこまで・・・やー、視えるモンは視えますけどねぇ」 彼女[え?え?じゃぁ私ってすごい守護霊いる?!] ・・・出た。 守護霊付いてますかパターン。すごい守護霊ってどんなのですか。 このワタシにオシエテクダサーイ。 うり「あー。わかんないッス」 彼女[えー?ほんとにみえんのー?] うり「とりあえず、現場到着しても勝手な行動だけはしないで下さいッス^^;」 彼女[ねぇねぇ?キミタチ(うり&姉御)にはどんなの憑いてるの?いるの??] 煩いな、オーラの●でも観て真似事してろボケナス その後も運転手の彼女(らしい)はお菓子バリボリ食って騒いで・・・ ―――爆睡なされました。 姉御{・・・一番臆病なタイプ(小声)} うり「肝試しなんざ怖いめに遭わないとずっと甘く見るだけだもんな(小声)」 姉御{それが人間(小声)} うり「そして目の前の二人(小声)」 と、あと20分ぐらいで到着という所で 姉御{・・・ねえ} うり「わかってる」 その顔はアレですね。 今回は ヤ バ イ 時期に着ちゃったね、いや感じからして・・・あー・・・ しぃ{ちょっと寒くないですか?} 運男「暖房付けよう」 しぃ{ありがとうございます} 暖房は暖かいよ・・・けど、逆にどんどん生温い世界に近づいてんだわ 姉御{・・・長居は無用} うり「何処まで聞こえる」 姉御{ここまで来るのにゾッとするのが幾つか} うり「時期が時期か・・・」 しぃ{・・・・・・?} うり「大丈夫ですよw」 しぃ{は、はひ・・・} 不安そうな上目使いは禁止です。しぃ先輩。 トンネル付近に到着。車停車。 運男「じゃ、こっから歩くからねー」 公園にあるような自動車進入禁止の柵があり、 旧小峰トンネルまでは少々歩かなければならない。 しかも道は暗い上にすでにもう・・・何体か見えたりヤバいのがいたり。 姉御{・・・・・・} ぎゅ 左腕の服の裾を思いっきり捕まれる うり「車で待ってるか?」 姉御{・・・大丈夫} 大丈夫とは思えません。イエッサー。 貴女の身に何かあれば某早朝の人とか色々な人に・・・(ガクガクブルブル 二号車のメンバーとも合流。運男が調子に乗って先陣へ。 見えてきた見えてきた・・・ オレンジのライトが赤く血の色に見えるトンネル。 旧小峰トンネル 前よりも空気が濃いし、やっぱりなんか違うねぇ・・・ 姉御{・・・・・ッ} ぎゅっ 服から腕を掴む感じへ。 うり「何が聞こえる?」 姉御{・・・赤} 細かく説明出来ないぐらい酷い時、 姉御は色で教える。その色が濃い色ほど危険なのだが、特に赤はまれのまれと言うか・・・ うり「うーむ。得体が知れないのから・・・トンネル内で妙なのが居るな」 とか観察していたら 運男「おーい!先に向こう側行くからなー!」 彼女[ヤダー!コワーイ!キャ〜!!] と、勝手に二人がトンネル内へ。 うり「馬鹿・・・あれ程勝手な事はするなと車内で・・・」 姉御{・・・・・・} うり「どうした?つか、連れ戻してくる・・・ん?」 ぎゅっ  姉御{・・・駄目} うり「いや、引き返させるだけだから・・・何、どしたよ?」 姉御{・・・行ったら駄目} ここまで臆病な姉御は久しぶりだな・・・ とりあえずあの二人を呼び戻すのに大声で叫んでもマズィし どうする・・・どうする・・・どうす・・・ あれ? 運男「帰る帰る。戻るって!」 彼女[イヤ・・・・ヤダ・・・・イヤ・・・・] 青白い顔で戻ってきた。 abしぃ先輩達も駆け寄り、車へ一旦避難する際にだが・・・ チラッとトンネルを睨むように見やると ひぃ、ふぅ、み・・・あ・・・こっちに来てるな。 言葉じゃ説明出来ないモノ多数確認。あー、鎧?落武者か? 姉御{・・・ん} 耳鳴り通り越して頭痛か・・・ しかしトンネルが何かのゲートみたくワラワラ出てくるな。いや、これは・・・ まずい。 うり「車まで走れ!」 バタン。ガチャ・・・・ウィィィィィィ・・・・・ウィィィィィィ・・・・ エンジンが掛かりません。まぁ、デフォだな。慌てることも怖がることもない。 彼女[ヤダヨ・・・もうイヤ・・・・] 運男「くそっ!かかれ!何でだよ!」 エンジンはどうでもいい。むしろアンタ等には見えてない目の前のアレらがマズィんだ。 あー・・・多少の精神的苦痛覚悟して出るか・・・追い払いますか・・・? 姉御{・・・だめ} うり「いや、大丈夫大丈夫。サクッと」 ウィィィィィウォン! 運男「掛かった!」 彼女[早く出て!!!] ブォーン・・・・・ 走って30分ぐらい。来た道を戻るだけなのだが、 先程の生温い空気は余計に重くなるばかり。 運男「・・・・・・・・」 しぃ{あの・・・} 彼女[・・・・・・・・] しぃ{何が見えたんですか?} 運男彼女「・・・・・・・・・」 そりゃ言えないだろ。 彼女[ヤダ・・・ヤダ・・・] 運男「何なんだよあれ?!」 うり「だから勝手な行動するなと言ったのに・・・」 運男「けど何だよあれ?!あれって―――」 びたん!       ぺちぺち・・・    べちんっ! 彼女[・・・・・・?!] 運男「・・・・・・?!」 しぃ{・・・・・・?}←わかってない うり「あー。付いて来ちゃったねぇ」←お茶飲みながらやんわりと 姉御{そのようだな}←天井を見ながらさらっと 運男「何のんきに言ってんだよ?!」 彼女[早く何とかしてよ?!ねぇ?!] だからオーラの●でも観てろって。 うり「えー、まず。窓は開けない事。ラジオはトラウマになるから付けないで下さ」 彼女[ねぇ!!早く何とかしてy] うり「アンタ、行く前も思ったがゴチャゴチャ煩い。悪いが助けるつもりはない」 姉御{・・・同意} しぃ{車の中なら安全なのですか?} うり{ええ、一応は} ちゃっかりしぃ先輩が腕組んで肩に頭乗せていますね。 前席はヒステリーホラーパニック状態 後席はベタベタクールハーレム状態 いや凄まじい次元の違いだよねコレ。 彼女[・・・ひっ・・・・・・・いやっ・・・・・・・・ううっ・・・・] 頭上を叩かれる度にビクビクしてるアホ彼女。 まぁコレに懲りてもう二度と肝試しには行かないこったねー 余談だが、霊能力が全く無いメンバーの二号車は帰り道。 謎のカーナビエラー×勝手に再検索の謎現象、クーラーの熱冷熱冷・・・などの怪奇現象に見舞われた。 そして今回の原因だが、どうやら運転手の彼女が何も見えない、感じない事に苛つき 【トンネル内の端に石で山積みにされた何かを蹴っ飛ばした】と言っていた。 この行為の後、物凄い寒気と唸り声と「何かが」見えたそうな。 当然、長い説教はしたが・・・ガチ泣きでごめんなさい連発 仕方が無いので二度と心霊スポットや肝試しには近付くなと念を押し、 ―――解散。 運転手男は自分の車なので、彼女と帰宅路へ。 つーか明らかにまだあなたたちの車に付いてますのよ。言ったからいいよね。 【悪いが助けるつもりはない】って。 しぃ先輩は二号車に合流して先輩方と。 しぃ{またね} うり「ええ、次回はミニテストですよ?」 しぃ{練習しときます。今日はありがとうございました。} ・・・意外とビビってないと言うか、結構落ち着いてるな。 そして姉御と俺は駅に・・・ん? キキッ、ガチャ・・・バタン。 運転「お待たせ致しました。お嬢様・・・」 姉御{・・・乗ってくか?} うり「うーむ、そうしよう」 ふかふか。 何この外車?いくらすんの? つーか運転手はてっきりお爺さん系かと思ったら社長秘書みたいな人だよ・・・ 運転「●●様(姉御)。本日は如何でしたか?」 姉御{散々} うり「腹減った」 姉御{お前・・・} うり「いやだって」 姉御{・・・なら出汁撒き食べてくか?} うり「あーいいねぇ・・・いや、いいの?」 運転「では帰りましたら準備を―――」 姉御{・・・いい、私がする} 運転「かしこまりました。●●様(姉御)。」 Another Episode −姉御編U(前編)− 了