ユベルといっしょ☆四月馬鹿編
ヨハンは起きぬけに十代から真剣な表情で言われた。
「実は俺、ユベルと超融合したんだ」
「…はあ?」
寝起きだから頭がぼんやりしていたのかと思い、再度確認する。
「…超融合?」
「ああ」
「お前と…ユベルが?」
「ああ。ゲンミツに言うなら魂だけど」
聞き間違いではなかったらしい。徐々に痛みが増してくる頭と戦いつつ、ヨハンは尋ねた。
「…原因も聞きたいけど、その前に一つ」
「何だ?」
「超融合って、カードだよな」
「カードじゃなかったら何なんだよ」
「…カード、なんだよな」
「しつこいな」
「…それが、何で現実世界で効果が発動するんだよ」
「発動しちゃったもんは仕方ないだろ」
肩をすくめる十代に肩を落とすヨハン。
「仕方ないってなあ。そんなので俺が納得すると…」
「往生際が悪いよ」
「なっ…」
「随分とご挨拶だね。キミとは体まで共有した仲なのに」
薄く笑う声は十代そのものだが、口調や仕草はユベルそのものだ。
「まさか、本当に…」
その時、十代がいきなり指を差して笑い始めた。
「…ははは、ひっかかった!」
「…へ?」
口を開けたまま固まるヨハンにいたずらっぽく言う。
「今日は何月何日だ?」
「四月一日…って」
「そう!エイプリルフールだぜ」
「じゃあ、さっきの話は…」
「そんな事ある訳ないだろ。全部嘘!俺の演技もなかなかだったろ」
至極自慢気な十代と対照的にヨハンはしばらくぽかんとしていたが、怒りと共に拳を固める。
「それにしても、嘘だと分かった時のヨハンの顔、すっげー面白かった!写真にでも取っておけば良かったな。…って、どうした?」
「お前…言っていい事と悪い事があるだろうがー!」
それ以来、十代が嘘をつく事はなかった…かは定かではない。
嘘をついてもいいけど、バレた時の事もきちんと考えましょうという教訓話(嘘)。パラレルだと季節ネタが出来ていいですね☆
実はこの(私の思考回路が)謎シリーズ、三期終了直前からパラレル設定なので、魂超融合はなかった事にされてます。そのあたりを逆手にとってみました。何の逆手かは不明。