はろうぃん
「とりっくおあとりーと」
ある秋の日、土方は巨大カボチャを持った沖田に襲撃された。
「何の真似だ、総悟」
「今日は『はろうぃん』とかいうお祭りらしいでさあ。お菓子をくれないならイタズラしていいんです、って!」
言い終わった途端遅いかかってきたカボチャを土方は鞘で必死に受け止めた。
「ちっ」
「イタズラのわりには殺意こもってねぇか」
「カリカリしてるとハゲますぜ。ってもう手遅れか」
「安心しろ。先にお前の頭をハゲにしてやる」
膠着状態で舌戦を続けている所へ近藤が顔を出した。
「どうしたんだ。何か面白そうな事をやってるな」
「とりっくおあとりーと」
「はっはっは。何言ってんだ総ごふっ」
前触れなくされたカボチャ攻撃に近藤はあっけなく撃沈した。沖田が飄々とのたまう。
「お菓子をくれなきゃイタズラしますぜ」
「殴った後で言うんじゃねえー!」
土方が力の限りつっこみを入れていると、タイミング悪く山崎が通りかかった。頭から血を流して倒れている近藤を見て、顔を強ばらせる。
「局長!一体誰がこんな事を。さては敵か…!?」
その言葉を最後に山崎は昏倒した。
「お菓子をくれな…」
「だから先に攻撃してどうするんだよ!何か、お前が敵なのか。ラスボスか。そうか、俺も薄々は思ってたんだ。苦しまずに済ませてやるからそこに座れ」
目を据えて刀を抜く土方を見て沖田はぼそっと言った。
「ハゲる日も近そうだ」
「上等だコラァ!」
降り下ろされる刀がカボチャにめりこむ。そのまま周りを巻き込んで大乱闘が発生し、隊士達の間でハロウィンは悪夢の代名詞となった。
とりあえず相方をGXにハメたので、私も一つ読んでみようと全巻読んで書いたのがコレ。とりあえず沖田=ドSの認識は正しかったようです。