行為の時に、ごめん、と言うのが彼女の癖だ。
奥まで埋め込まれた機械が振動する度に、敏感な箇所が刺激される。嬌声をあげながら身体をよじらせる自分を、まるで他人事のように感じていた。
「ふ…っぁ、んっ…」
股間からはコードが伸びて、彼女の手に握られたリモコンに繋がっている。長い指が動くと機械の動きが変化して、一定でない責めに翻弄される。ベッドの上で悶える自分を見下ろして、彼女は言った。
「覇王、気持ちいい?」
「あ、んっ…ぁあっ」
嬌声に遮られて、上手く言葉が作れない。なんとか首を縦に振ると、彼女は表情を緩めて、良かった、と呟いた。
「こっちも、感じてるみたいだし」
「ひゃんっ」
いつの間にか硬くなっていた乳首を摘まれると、身体が竦む。刺激にも随分慣れて、もっと欲しい、と身体が疼き始める。もどかしさに腰を揺らすと、彼女は独り言のように言った。
「…ごめん」
どこか暗い口調を不思議に思って問いかける。何か気に障る事をしてしまったのだろうか。
「なぜ」
「だって、嫌だろ。大事な所に変な機械突っ込まれて、いい様にされてさ」
「嫌なら、きちんと言う」
少し嘘だ。実際、異物を挿入される時はさすがに不快だった。ただ、彼女が望んでいると思えば快感に変わる程度のものであったが。
「でも…」
「大丈夫」
そう言って彼女の手を取ると、自分の秘部に導く。羞恥に顔が赤くなるのを感じながら、明らかに濡れた箇所に触れさせて、笑みを作る。
「…気持ちいいから」
そう言うと、十代は一瞬顔を歪めた。何が辛いのかと尋ねる前に、中にあるものが激しく動き始めた。痛みと快感が無秩序に襲ってきて、何も考えられずに叫ぶ。
「ぁあああああああああっ」
ぐっと機械を奥まで押し込まれると、意識が持って行かれそうになる。それを引き止めるように胸を刺激されて、どうしていいか分からずに声を上げ続けた。
「そこひっかいちゃ、あんっ、うごいてっ」
指で秘部を掻き回されながら、入り口のあたりを刺激される。全身が性感帯になってしまったようで、彼女に触れられる度に快感を覚えた。
「中がおかしっ、ちくびもっ、ぜんぶいいのっ…よくて、おかしくなるっ」
あまりの痴態に軽蔑されるのではないかと思う。不安になって彼女を見上げると、明らかに欲情した瞳に見つめられて、酷く感じた。
「覇王…えろい」
「ぅん、じゅうだいっもっと、いいっ」
一層の責めに、限界を越えた身体が悲鳴を上げて、精神が焼き切れる。
「だめっ、も、いく―――っ」
自分が自分でなくなってしまうような感覚。絶頂の瞬間だけはどうしても慣れない。霞んだ視界に彼女が映ると、安堵のため息と同時に涙が零れた。
「良かった?」
「…あぁ」
微細に振動する機械に達したばかりの身体を緩やかに刺激されながら、ぼんやりと彼女が覆い被さってくるのを見上げる。まだ彼女に愛してもらえるのだと思って、喜んだ秘部が愛液を溢れさせた。触れるだけの口付けにすら感じてしまう。強請るように手を伸ばした自分を見て、彼女は目を伏せた。
「ごめ―」
言葉を遮るように唇を奪う。舌を絡めて、足を絡めて、どうしようもなく濡れた秘部を彼女のものに擦り付けながら、甘えた口調で強請る。
「十代…一つだけ、頼んでもいいか」
「何だ?」
顔を覗き込まれて、思わず彼女に縋りそうになった自分を抑えながら、股間から出ているコードを摘み上げる。引っ張った瞬間に中を擦ってしまい、息が詰まった。
「これを、抜いて欲しい」
「…やっぱり…嫌、だったか?」
「いや。確かに異物感はあるが…悪くない」
「本当に?」
問いかけに頷く。
「だったら、どうして抜いて欲しいなんて」
「…十代だけを感じたくて」
そう告げると、彼女に不意に抱き締められた。耳元にかけられる言葉は熱くて、それだけで理性を失いそうだ。
「ごめん…今日は抑えられないかも」
「ん…嬉しい」
機械を抜き取られた後に入ってきた指を締め付けて、頭を胸元に引き寄せる。もう一度謝ってくる律儀な彼女に少し笑って、全てを委ねた。
道具…かなあ←
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