元のスレッド
男装少女萌え【4】
- 1 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2005/09/15(木) 17:42:33 ID:kfCugOyW
- 早くも4スレ目
- 2 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2005/09/15(木) 17:43:47 ID:kfCugOyW
- 男装してる美少女にハァハァするスレ
http://idol.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1020794488/
男装してる美少女にハァハァするスレ Part2
http://idol.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1103457853/
男装少女萌え
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1114770971/
男装少女萌え【2】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1123336678/
男装少女萌え【3】(前スレ)
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1124861558/
*****
男装少女萌え仮倉庫
ttp://dansou.atspace.com/
2chエロパロ板SS保管庫
ttp://sslibrary.arings2.com/
- 3 名前: ◆z1nMDKRu0s 投稿日:2005/09/15(木) 18:19:10 ID:fjWkO/hj
- またかよwww
嬉しい悲鳴が聞こえるぜ
主に俺の口から
>>1乙!!
- 4 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2005/09/15(木) 19:29:09 ID:TSORqm3X
- >>1華麗に乙!
相変わらず、スレの消費早いっすね〜。
- 5 名前: ◆aPPPu8oul. 投稿日:2005/09/15(木) 20:12:35 ID:Q+2pVlyp
- >>1乙!
即死回避に投下したいんだけどエロがない…。
許してもらえるかな?
- 6 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2005/09/15(木) 20:28:55 ID:TSORqm3X
- >>5
是 非 !
- 7 名前:司8.7 ◆aPPPu8oul. 投稿日:2005/09/15(木) 20:35:44 ID:Q+2pVlyp
- >>6d
そろそろ食傷気味だろうけど懲りずに投下。
甘いだけ。エロはなし。それでもよい方のみどうぞ↓
* * * * *
人目を気にして少し遠出をした司と隆也は、雰囲気のいい雑貨屋でカップを選んでいた。
はたから見ると二十代半ばと高校生くらいの男の二人組みはちょっとばかり異様だが、
二人は実に自然に寄り添っている。
「でもさ、ティーカップよりマグカップの方が使えない? 」
ティーカップをじっと見つめていた司は唐突に隆也に向き直る。
確かに、わざわざお茶を入れる機会はそう多くないなと隆也も頷く。
「そーだな。これからの季節はたしかに…」
「んじゃ変更。これとか良くない? 」
あっさりと意見を変えた司が手にしたのはシンプルな紺のマグカップ。まったくの無地だ。
「それじゃいくらなんでも色気がないだろ。もーちょっと派手なのでもいいんじゃないか? 」
言って隆也は素地になんだかよくわからない模様のつけられたカップを手に取る。
それを見た司は一言。
「趣味悪い」
「うるせー。…じゃあこれでどうだ! 」
ぱっと隆也が見せたのは、くっつけるとハートの模様になる対のマグカップ。ベタすぎる。
「…馬鹿? 」
そして司の反応は冷たすぎる。
馬鹿って、と言い返そうとした隆也にはお構いなしに、司は他のカップを物色している。
「あ、これは? 」
司が見せたのも対のカップだが、これは色違いのようだ。
片方は紺地に白、もう一方は白地に紺で猫のシルエットがかかれている。
隆也が選んだカップよりかはよっぽどセンスがいい。
「…いいな」
「でしょ? じゃあ決まり! 」
嬉しそうに笑う司は可愛い。少なくとも仏頂面で冷たすぎるツッコミを入れているよりはずっと可愛い。
思わず頭をなでようとしたら、あっさりと逃げられた。
「せんせー、サイフ」
逃げた上に振り返って言う台詞があまりに可愛げがないので、満面の笑みで無理やり捕まえる。
「ぐ、あ、ちょ、ちょっと! 」
もがく司の首をホールドして頭をこねくりまわす。
「はっはっは。おごってもらうのにその態度は何だ? ん? 」
「これは俺への謝礼でしょ! しかも半分先生のだし! 」
と、言われるとちょっと弱いが。
「あ、だから猫なのか」
わざと言ってやると、ぱっと司の頬が染まる。
「違うっ!」
大声に慌てて司の口を塞いで首を解放する。
「しー。あんま目立つなって」
掌の中で柔らかな唇がもごもごと、多分聞きたくないような汚い言葉を叫んでいる。
「…せっかくだからカップの他にも何か買おうぜ」
言ってから手を離すと、司は唇を尖らせつつも頷く。
「…うん」
隆也はよし、と笑ってカゴを手に取る。
「とりあえずは…グラスとクッションと…YESNO枕でも買うか? 」
「それ古い。あ、抱き枕ほしい、抱き枕! 」
いくら冗談でも、古い、とか言われるとジェネレーションギャップを感じてしまうのがまた辛い。
「必要ないだろ、それ」
「…家で使うの。だめ? 」
それでも夜の香りを匂わせると少し女の子らしくなる司には、微笑を向ける。
「だーめ。家では寂しい思いをしなさい」
- 8 名前:司8.7 ◆aPPPu8oul. 投稿日:2005/09/15(木) 20:36:40 ID:Q+2pVlyp
- 「何で」
まっとうな質問に、隆也は胸を張って答える。
「その方が燃えるから」
また馬鹿、とでも言い出しそうにむくれた司の口からは、意外な文章が出てくる。
「嘆きつつ一人寝る夜の明くる間はいかに久しきものとかは知る…とか? そこまで乙女じゃねーし」
すらすらと出てきた百人一首に関心すると同時に、そっけない司の様子が気になる。
「なんだ、一人で夜中に俺のこと思い出したりしないのか? 」
「…そーゆーこともある、けど」
ふい、と顔を背けて司は歩き出す。
「寝れないほどじゃないし」
後を追いかけながら、隆也は悲しそうな声を出してみる。
「冷たいなぁ」
言った途端に司がくるりと振り返って、半ばにらみつけるように隆也の顔を覗き込む。
「じゃあ先生は?俺のこと思い出して不眠症になる? 」
「…ならないな」
「でしょ」
ドラマのような恋愛に幻想を抱いていないだけ現実的と思うべきか、歳のわりには悟っていると思うべきか。
「だから抱き枕」
さっさと物色した抱き枕を抱えあげている司の頭を小突く。
「だーめだって。俺の部屋に置くものだけ! 」
「……むぅ」
不満そうな声をあげつつも抱き枕を棚に戻す司に声をかけ、クッションを見て回る。
ソファの上で膝を抱えたりあぐらをかいたりと姿勢の悪い司にはクッションは必須だ。
「ん、これイイ! 手触り最高! 」
「どれどれ…うん、いいな。決定」
「決定。で、次は? 」
女との買い物は時間がかかるものだと思っていたが、司は即断即決で男らしい。
こういう男らしさは大歓迎だ。
「グラスも欲しいよな、どうせなら」
カップを見つけた食器のコーナーに戻り、グラスを物色する。
「んー…そんなに凝ったのじゃなくていいんだよなぁ…これは? 」
透明なグラスに僅かにエッジで模様が描かれている雰囲気のあるグラスだ。
「うん。いいな。…こんなもんか? 」
クッションの上に安定するようグラスを置いて、司に笑みを向ける。
「うん。…こんなに、いいの? 」
わずかに見上げるような目線の司の頭を撫で回す。
「いーんだよ。俺は大人なんだから」
「……うん」
くすぐったそうに笑う司の頬をなでると、首をすくめる。
笑みを返し背中を押して、今を惜しむようにゆっくりと歩を進めた。
部屋に戻りさっそくお湯を沸かして嬉しそうにお茶を入れる司の後姿を見ながら、
隆也はソファにクッションを据えてみる。
ベージュのソファに濃い赤のクッションはしっくりハマる。
「しかしセンスいいなぁ、司は」
お揃いのマグカップを手にソファに歩み寄る司に声をかけると、キョトンとし顔をしてみせる。
「そう? 直感だよ? 」
木で出来たテーブルにおかれた紺と白のカップも、違和感なく部屋に溶け込んでいる、
「それが羨ましいんだよ。で、どっちにする? 」
『こっち』
二人同時に、紺のマグカップを指差す。
顔を見合わせて笑い、隆也が白いカップを手に取ると、司がその腕を引く。
「…いいの? 」
「いいぞ〜、司猫ちゃんへのご褒美だからな」
にやりと笑うと、頬を染めてそっぽを向く。
「モノでつられたわけじゃないもん…」
そのまま隆也の肩に背中を預けるようにソファの上で膝を抱える。
「ん…じゃあ、司もしたかったってことか? 」
顔を寄せて耳元で言うが、返事がない。カップを置いて司のほうに体を向けて、ぎゅうと抱きしめる。
「……司? 」
- 9 名前:司8.7 ◆aPPPu8oul. 投稿日:2005/09/15(木) 20:37:50 ID:Q+2pVlyp
- う〜、と小さなうめき声がして、ようやく答えが出てくる。
「…だって先生がしたいって、言うから…嫌じゃないし…だから」
「俺に付き合ってくれた、ってことか。それじゃやっぱご褒美だな」
ぐりぐりと頭をなでて笑うと、またうめき声が聞こえる。
「でも…恥ずかしいから、ちゃんと…いいよ、って、言えないし…」
うじうじと何を言っているのか必死で解読してみると、どうもモノを強請ったことが本意ではないらしい。
「…素直じゃなくても、それが可愛いんだから気にするな」
「……先生さ、なんでそんな簡単に可愛いとか言えんの? 」
ちゅ、と耳に口付ける隆也に、司は恥ずかしい、とお決まりの台詞を返す。
「俺だって恥ずかしいさ。でも事実だからしょうがないだろ? 」
司の身体は熱い。こういう些細なやりとりでもドキドキと胸が鳴って、頬が熱くなってしまう。
「…うん。嬉しい…」
それでもこう素直に反応を返せるようになったのは、成長した証だろう。
隆也の満足げな笑顔が目に浮かぶ。
「お茶冷めるぞ」
隆也の腕から開放されて、司は正面を向いて座りなおす。
ちらりと横を見ると、予想通りの穏やかな笑顔が司を見つめている。
見つめ返すのも気恥ずかしくて、紺のカップに口をつける。
少しぬるくなってしまったお茶を口に含むと、隆也が耳元に口を寄せる。
「…好きだぞ」
そのまま耳に口付けられて、思わずむせ返る。隆也はけろりとした顔で司の背をなでる。
「大丈夫か? …あーもー、雰囲気台無しだな」
「…っ、だ、誰のせいっ…!? 」
睨み返した司の剣幕に手を上げて、隆也は席を立つ。
「俺だな。よしよし、お茶入れ直してきてやるから」
「…いらない」
むくれた司の一言に笑みをひっこめて、隆也はすとんと腰を下ろす。
「どうした、そんなに怒ることないだろ? 」
「怒ってない…」
言う口調がどうにも怒って聞こえるので、困惑しつつお茶を口に運んだ隆也の耳に、司が口を寄せる。
「お茶より先生が欲しい」
ぶは、と今度は隆也が吹き出して咳き込む。司はしてやったり、という笑顔で済ましてお茶を飲んでいる。
見事な報復に、笑うしかない。
「あー、俺の負けだ。…けどまさか、これで終りじゃないよな? 」
じっと顔を覗き込むと、司はカップを傾けて空にする。
「……うん。おかわり、ください」
染まった頬に口付けて、隆也もカップを空ける。
「俺もおかわりだ。…熱いのを、な」
先生くさい、と笑う司の口を塞いで抱えあげ、ベッドに向かう。
テーブルには空になった紺と白のカップが、仲良く並んでいた。
* * * * *
前スレでカップ高いよ!とか話題になったのでこっそりと。
結局計一万円くらいの予感。
- 10 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2005/09/15(木) 21:51:27 ID:TSORqm3X
- >>9
GJ〜!
雑貨屋でペアカップを買う、(見た目)男二人…店員さんの反応が気になるw
- 11 名前: ◆z1nMDKRu0s 投稿日:2005/09/15(木) 22:28:02 ID:fjWkO/hj
- これで隆也はホモに思われると見た
男装してんだからイチャつくときは人目気にしろよ司
GJ!!
- 12 名前: ◆DNhFr3L39M 投稿日:2005/09/15(木) 23:14:52 ID:j0+JpDQ5
- やばい。
今すぐ男装っ娘を見つけ出して買い物デートしたくなりました。
GJ!!
- 13 名前:実験屋 投稿日:2005/09/16(金) 00:04:18 ID:M9I3qNDB
- >>1に乙!!そして投下。
気揚々と乗り込んだものの、すっかり返り討ちである。
升沢はトボトボと帰宅の徒についていた。
「よう啓じゃん。退院したんだ。」
声をかけられた升沢は振り向いた。
「・・・レオか。」
橘レオ。升沢の幼馴染兼セフレである。ちなみに彼女も升沢と
同じ穴のムジナで、男をつかまえてはオケラになるまで
弄ぶ為”サキュバス”の異名をもつ悪女である。
「ナニ辛気臭い顔してんの?」
「・・まぁ、いろいろあんだよ。」
「ついこの間はミイラ男だったモンな。」
「そのことに触れるんじゃねー!!殺すぞ。」
- 14 名前:実験屋 投稿日:2005/09/16(金) 00:05:23 ID:M9I3qNDB
- 狂介にやられて運良く死なずにすんだ事は今思っても奇跡に近い。
あいつにとって何よりも大切であろう有紀を傷つけたのだ。
今自分が生きてるだけでも慈悲がもらえたのだろうか・・・。
「啓、ホントにどうしたの?」
レオが訝しげに顔を覗いてくる。
「イヤ・・・クスリ・・・毒が抜けたのかな、ってな。」
「毒?」
「真面目に働こうかなって思ってる。」
「・・・熱があるんじゃない?」
そういってレオは升沢のデコに手を当てた。
ドキッ
(なに!?)
眼前に迫ったレオの顔を見た瞬間、升沢の・・・啓の中に不思議な感情が生まれた。
- 15 名前:実験屋 投稿日:2005/09/16(金) 00:06:11 ID:BlOwm5Ku
- 「ぅむ!!」
気が付けば啓はレオの唇を奪っていた。
「んんっ、くぅ・・・ぷはっ」
たっぷりとレオの口腔を堪能し口を開放する。
「啓・・・」
バチィィ!!
いきなり頬を平手打ちされた。
「何すんだよいきなり!!」
レオは顔を高潮させ啓を睨み付けた。
「あ・・・その・・・スマン。」
啓は何も言えずにただ謝った。
- 16 名前:実験屋 投稿日:2005/09/16(金) 00:07:15 ID:BlOwm5Ku
- 「・・・啓。ホントどうしたの?絶対におかしいよ。」
「あぁ。・・・・そうだな。」
自分でも分らなかった。ただ、あの瞬間にレオを
自分のものにしたい衝動に駆られて・・・。
「はぁ〜。まったく・・・しょうがないなぁ。」
ため息をついたかと思うとレオは啓と腕組みをした。
「・・・・レオ?」
「溜まってるんだろ?解消してやるよ。」
そういうと啓とレオは連れ立って歩いていった。
(・・・コイツといる事がこんなにもいいもんだとはな。)
肉体関係でしかなかったレオを愛しく感じた自分に自嘲しながらも
啓はすべてを失った今の自分に初めて満足を感じた。
- 17 名前:実験屋 投稿日:2005/09/16(金) 00:08:20 ID:M9I3qNDB
- 「なんでココなの?ホテルじゃないのかよ?」
「金が無いんだ。文句言うなよ。」
ココとは啓のアパート。啓の全財産は10万円チョイ、家賃や
食費、その他につぎ込んでも1ヶ月がギリギリの金額である。
「いいよ。ココで勘弁してやる。」
「どうも。」
そういうと啓はレオに口付けた。さっきは途中で中断した感があった為
今度は徹底的にレオの口内を貪り尽くす。
「ふぁ・・・んんぁ・・・あっ、ん!!」
レオに口付けながら、啓はある物に目をやった。
(アレは・・・・)
「はぁ・・・はぁ・・・。」
強烈に口腔内を吸い尽くされたレオは息を乱しながら横に目をやった
啓に声をかける。
「・・・啓?」
「レオ。・・・・頼みがあるんだけど。」
啓のまなざしは真剣そのものだった。
- 18 名前:実験屋 投稿日:2005/09/16(金) 00:10:21 ID:M9I3qNDB
-
で?感想は?」
「マジサイコー!!」
そう叫ぶ啓の前にはかつて自分が通っていた学校、つまりは狂介と有紀が
着ている物と同じ制服に身を包んだレオがいた。
チェックのズボンにグレーのブレザー、有紀とは違い胸を隠していない為
ワイシャツはムネのふくらみでパンパンである。
「何がしたいんだか・・・」
レオといえば呆れ顔を見せていた。読者的にみれば狂介と有紀に触発された
事が丸分りだが、そんなことを知らないレオにしてみれば一風変った趣向を
取り出した啓に違和感むき出しである。
「何がしたいって・・・ナニがしたいのさ。」
言うが早く啓はレオに飛びついた。
「ちょ・・・啓やっぱりおかしい・・・」
「レオ!!好きだ!!」
- 19 名前:実験屋 投稿日:2005/09/16(金) 00:11:15 ID:M9I3qNDB
- その一言が発せられた瞬間、周囲の音が一斉に無くなった。
「な・・何言って・・・」
「俺にはもうレオしか・・・レオしか!!」
今までのすべてを失った啓。当然、レオも自分を捨てるのが当然と思っていた。
「でも、レオはいなくならなかった・・・。」
「当たり前じゃん。」
「え?」
さも当然のように言うレオに啓は唖然とした。
「啓みたいなジャンキー放っておいたら、絶対にのたれ死ぬにきまってるし。」
「それは言いすぎだろ。」
「啓〜。いい事教えようか?」
「いい事?」
「アタシってさ〜。アンタとしかヤってないんだよね〜。」
「・・・・マジで?」
「マジ。」
さあ、ご都合主義の時間ですよ。
- 20 名前:実験屋 投稿日:2005/09/16(金) 00:12:11 ID:M9I3qNDB
- 「付き合った男は星の数だけど、そう簡単に股は開かないさ。」
「それはそれは。」
「それに、アタシもスキだよ・・・アンタのこと。」
「・・それこそマジで!?」
「だてに幼馴染なんて臭い関係続けてまで嫌いな男の傍にはいないさ。」
「・・・ドウモ。」
「あばずれてるとは思うけど・・・」
「カラダはアンタの物って決めてるんだよ。」
「れーーーーーーおーーーーーー!!!!!!」
喚起に包まれた啓はレオに飛びつくと胸に顔を埋めて泣き付いた。
「ったく・・・。よしよし。」
レオは啓の頭を抱きとめるとそう言って優しく撫で下ろした。
- 21 名前:実験屋 投稿日:2005/09/16(金) 00:19:04 ID:M9I3qNDB
- スイマセン!!今はココまでです。明日は一身上の都合で
投下できないので、何とか完成させようと思ったんですけど・・・。
次回は最後まで投下します。どうかご勘弁を。
升沢・・・捨てる気だったのにこの先どうしよう。
・・・皆さんにお任せします。
>>aPPPu8oul.様
GJ!!!です。デートか・・・・ハッ!!
対抗してデートもの書こうと思った無礼をお許しください。
- 22 名前:実験屋 投稿日:2005/09/16(金) 00:30:06 ID:M9I3qNDB
- 連投スイマセン。
ちなみに今回、男装はレオのプレイの一環でしか出てこないんですけど
スレ的によかったでしょうか?
- 23 名前: ◆z1nMDKRu0s 投稿日:2005/09/16(金) 00:33:28 ID:daUeVJV/
- すっかり主人公だなコイツはwwww
ご都合主義でもがんがってくだちい
- 24 名前: ◆aPPPu8oul. 投稿日:2005/09/16(金) 00:47:58 ID:+7eFaK9F
- レスありがd。エロがなくてもGJをくれる皆が好きだ。大好きだ。
店に入るまでに司が恥ずかしがって先生が説得する、という一幕があったりなかったり。
いや、書けって話ですが。
店員さんは「見ちゃいけないものを見ちゃった」好奇の目で見ていたことでしょう。
>>実験屋氏
升沢の人気を考えればOKではないかとw
どうぞ対抗してデートネタ書いて下さい!
なんならちゃんと女の子のかっこをさせ(ry
- 25 名前: ◆.Xo1qLEnC. 投稿日:2005/09/16(金) 01:57:02 ID:1PFXcw2H
- 前スレ467-474です。レス有難う御座いました。
スレも新しくなったトコで、間が開かない内にの続き解答編いきます。
- 26 名前:R.m.G ◆.Xo1qLEnC. 投稿日:2005/09/16(金) 01:59:42 ID:1PFXcw2H
- 夜は意外なほど、平和に明けた。
朝霧が晴れるのを待って、れっつらごーだ。
* * *
山中はガキの頃の記憶と違わず、奇妙な静けさを保っていた。
木々を掻き分け、ただ黙々と進む。
目的のクレバスに辿り着ける自信は無かった。
何せチビっこい頃、偶然みつけただけで、その後一回も
行っていないのだから。だが…
その場所はあっさりと見つかった。
鬱蒼とした木々が開け、突然に鼠色の岩盤が細長く、おそらく数キロに
渡って広がっている。
いつか見た景色。
岩の大地のその真ん中を横切る深い亀裂。
「ここ…?」
突然歩みを止めた俺の背後から、クリスがそっと顔を覗かせる。
「ああ…こんなあっさり辿り着けるとはな…気味悪いぜ」
開けた場所なのに、薄暗さを感じる。
何か、得体の知れない気配が漂い、冷や汗が出る。
「ねえ、途中からさ、ここを知らないボクでさえ、道を知ってる
気分になったんだけど」
「…オレもだ」
リドも同意する。二人とも顔色が消えていた。
呼ばれた…?『何か』が居る。それは確かだ。
「リド、ホーク、これを持ってて」
クリスに、何かが描かれた長方形の赤い紙を渡される。
「これ、幻惑の術を跳ね返して、正気を保つためのお守り。
なんか、この空気ヤバいから…絶対落とさないでね」
それを受け取ると、嫌な気配が少し遠ざかった気がした。
ゆっくりと岩盤に踏み出し、亀裂の淵にしゃがみ込む。
対岸までは十数mといった所か。
下を見渡すが、底は見えない。左右を見渡しても、どこまでこの亀裂が
広がっているのやら…
小石を拾い、落としてみる。暫らくしてから、コーン…と、微かな
音が聞こえた。
地獄にでも続いてそうな深淵だが、底は一応あるらしい。
次は、地図に印されていた木を探す。
適当に方向を決めてクレバス沿いに歩きだすと、すぐ見つかった。
樹齢千年は越えると思われる大樹が、岩盤を割り、亀裂の底へと根を
伸ばしている。
そこから下を覗くと少し降りた所に小さな岩棚があり、底へと続く
細い石階段が岩壁沿いに伸びていた。
「あそこまでなら、木の根を伝って降りれるな…行くか?」
二人が頷く。
- 27 名前:R.m.G ◆.Xo1qLEnC. 投稿日:2005/09/16(金) 02:01:28 ID:1PFXcw2H
-
細く長い階段には柵なんて親切なモノは無い。足を滑らせれば、
谷底へ一直線だ。
慎重に降りていく中、疑問が過る。
クリスとリドが襲われたのは、ここへ来させない為では無かったのか?
何故、山に入ってから、いいや、昨夜ですら襲撃が無い…?
ヒカリ苔が照らす、薄暗い底に到達する。
見上げると、光の筋が遥か遠い。
苔むした岩が転がる谷底。階段と反対側の岩壁には、ポッカリと開いた
洞窟の入り口。
その洞窟を塞ぐように、獣の牙のような尖った岩が地面から突き出ている。
「…ッ!?」
俺とリドが同時に武器を構える。
洞窟から、何かが出てくる気配がしたのだ。
「あと、一つの血が必要だ…」
そいつは言った。
岩の横に立つ影は、この場に不釣り合いな純白のスーツ。
やや、ずんぐりとした中年ジジイは、俺が見知ったボブ・テイラー
本人だった。
だが、その全身から立ち上る妙な気配は、さっきから辺りを漂う、嫌な
空気を凝縮したような、酷く凶々しいモノ。
違う。こいつは、俺が知ってるチンピラじゃない…
「ボブ…いったい何があった?」
短剣を構えたまま、リドとクリスを庇える位置へと移動する。
「何も。今も昔も、変わっちゃいないさ。トビーんトコの坊や」
ヤツは特に構えることも無く、隙だらけの格好で話し続ける。
その顔に笑みすら浮かべて。
「そうだな、昔話をしようか。今から、二十年は前になるか…。
私も冒険者として、鳴らした時代もあったのだよ。君の父親達と共にね」
親父達と…?
「確か、うちの親父とこいつらの親父達は旅仲間だったと聞いたが?」
「そう。君たちの父親と4人で組んでいた。…危険溢れる未開の山は、
若い私たちの心を、捉えた。神隠しの謎は、自分達が解いて見せる、
と無謀にもこの山へ踏み込んだのさ」
―そして見つけたのは古代の魔法陣。そこからは、迷い込んだ人間を
喰らい、力を付けた魔物が今や現われんとしていた。
適わないと悟った親父達は、強力な封印を施し、この場を去ったという―
「だが、そいつは私に囁きかけたのさ。そいつの解放と共に富を
約束するってな」
「へぇー。で、そのお約束なお誘いに乗っちまった、と。その手の話で、
美味しい思いした奴、居ないぜ〜?」
「そんな事は無いさ。現に私は力を手に入れた。この力があれば
なんだって出来る!」
ボブが腕を振ると、光が一閃し、谷底に転がる岩の一つが砕け散る。
あーあ、狂っちまってんな。高笑いとかしちゃって。
始めに甘い汁吸わせんの、詐欺の常套手段じゃん。
- 28 名前:R.m.G ◆.Xo1qLEnC. 投稿日:2005/09/16(金) 02:03:14 ID:1PFXcw2H
-
「あの場に居た4人の血により、封印は施された。解放にはその4人、
もしくはその血族の血液が必要だ」
「じゃあ僕の家を襲ったのは…」
押し殺した声が震えている。
「封印を解くためさ。それをトビーに感付かれてな。神出鬼没の
アイツが、自ら出て来てくれるんだから、手間が省けた」
親父も!?まさか…
「だから、君には用は無いんだよ、ぼうや。そこを退いてくれるかな」
「だーれが」
リドの家族は、皆亡くなったと聞いた。
狙いは…リド、か。
襲撃がなかったのはリドをここに来させる為…
ボブがにじり寄る。
その瞬間、何かが横を擦り抜ける。…って、またか!おい!!
「リド!!」
俺とクリスの声が重なる。
バサリとコートが投げられ、ボブの顔面にヒットする。
そのまま走り抜け、斬りかかるリド。
速い。が、その瞬間にボブから一筋の光が奔る。
少年の小さな体は光に貫かれ、剣と共に地に落ちた。
クリスが半狂乱でリドを呼ぶ。
一瞬肝が冷えたが、それでも必死に立ち上がろうとする姿に
少しホッとした。
しかし。
「飛び込んで来てくれるとは。本当ツイてるね。」
ぶつけられたコートを放り投げ、ボブが鼻歌混じりにリドを抱え上げる。
その右肩は、真っ赤に染まっていた。
「こんな変装までしたのに、残念だったね。お嬢さん」
へ?お嬢…?
間の抜けた俺の顔を見て、ボブが鼻で笑う。
「おや、知らなかったのかね?この子は、女の子だよ」
「ぅ…やめ…」
呻くリドのシャツを、ボブは強引に破る。
ボタンが弾け飛ぶ音がして、切り裂かれた肩があらわになる。
そして、サラシが巻かれ押し潰された胸、腹から腰へのなだらかなライン。
それは、確かに女の…
「く…くりす?」
思わず、背後の少年に振り返る。
「あ。えーと、そのぉー…後で説明するから。あんまり見ないで
あげてよね!」
否定無しっすか。あー…なんかパニクってきた。
でも、今はそれどころじゃない。
こっちの動揺を余所に、ボブはリドを抱えたまま牙のような岩に
近づいていく。
そして、リドの肩から流れ落ちる鮮血をその根元に落とし、何かを呟く。
―パンッ…―
意外と軽い音を発てて岩が弾けた。
ゾクリ
悪寒が背中を這い上り、吐き気がする。
- 29 名前:R.m.G ◆.Xo1qLEnC. 投稿日:2005/09/16(金) 02:05:05 ID:1PFXcw2H
- 濃い瘴気に意識を失いそうになった時、クリスに腕を捕まれた。
「ホーク、僕の傍から離れないで!結界を張るから!」
目に見えない何かが広がり、吐き気が止まる。
「これは、魔物が出てくんのか?」
「たぶん。さっさと、父様の術を仕掛けたいんだけど…あの男が…」
ボブはリドを抱えたまま、洞窟の入り口につっ立っている。
「あのままじゃ、リドを巻き込んじゃう…」
苦しげに震えるリドが見える。
くっそー。俺が何か仕掛けても、リドを盾にする気らしい。
その時。
「ホォークーッ!!!!」
俺にとっちゃ、聞き慣れたダミ声が響き渡る。
反射的に走りだすと、上方より飛来した矢が、ボブの額に命中する。
グラリと揺れた体から、リドを奪取。
そのまま、奴に蹴を入れながら、横に思い切り跳ぶ。
くそ、またクラクラして来た。ヤバい…
瞬間、赤い光が辺りを照らした。激しい爆音が続く。
砕かれた石がつぶてとなり、跳ね回る。
もはや意識を失ってるリドを庇い、伏せて静かになるのを待った。
やがて光が止む。
顔を上げると、さっきまでの様な静けさが戻っていた。
但し、妙な気味の悪さは無く、広がるのは両側の絶壁に薄明かり差す、
神秘的な風景だった。
「リディー…っ!ホーク、リディはっ」
クリスが駆け寄ってくる。リディ…が本名なのか?
リドを抱き起こすが、意識を失ったまま微かな呼吸を繰り返すだけ。
血を流しすぎたのかも知れない。その肌は青ざめて見えた。
「リディ…リディッ!」
クリスが治癒の魔術を発動させる。
今は任せるしか無い。
俺は、少し離れて立ち上がる。
「親父、居るんだろ?」
呼ぶと、5m程頭上の岩棚から、ボブより遥かにずんぐりむっくりな
うちの親父が落ちて…もとい、飛び降りてきた。
うわー、ここ岩場なのに…
「足痛そー。なにカッコつけてんだ、このジジイ」
「おい、思ってる事、そのまま口に出てるぞ」
あ、しまった。(棒読)
「生きてたんだな。残念。」
「そう、簡単にくたばるかよ。まあ、ちぃとばかし帰るのが遅れたがな…」
まったくだ。
と、クリスがおもむろに立ち上がる。
「ホーク…リディの顔色が戻らない…。急いで帰るよ」
ああ、と返事をしかけた瞬間。ぐにゃりと、風景が歪んだ。
気が付くと、親父が消え、俺達は見慣れた我が家の前に立っていた。
「へ?え?何が起った!?」
「空間、歪めて、跳んだ…。ゴメン、後、お願い…」
え、空間歪めて…って、大技じゃないのか!?
「おい!」
クリスまで真っ青になって、倒れこんでしまう。
騒がしさに駆け付けたローズに、慌てて医者を呼んでもらった。
…一件落着…かな。はぁ。
- 30 名前:R.m.G ◆.Xo1qLEnC. 投稿日:2005/09/16(金) 02:07:27 ID:1PFXcw2H
- ―親父達はその昔、この山の魔物を封印した後、解散する事となる。
この山の危険性を、充分理解していたクリスの父、レオンは退魔の研究を、
親父はここに居を構え、山を見張り続けていた。(ほとんど留守
だったくせに)
リドの父、ペルジオは平和に農家を営んでいたらしいが、武術訓練は
怠らなかったとか。
そして…一人。魔物の声に耳を傾け、暗躍していたのがボブだった。
強請りだなんだとする傍ら、親父の目を盗んでは山に入り込み、
誘拐した人間を、魔物の贄としていたらしい。
医者を見送った後、山から戻って来た親父と、三人で事の顛末を話す。
「リドちゃん、女の子だったんだね」
「ショックか?お前、リドがお気に入りだったろー」
「まあね。でも、それはそれでカッコイイじゃない?憧れちゃうな〜」
………。将来、ローズが間違った道に入ったら、責任取ってもらおう。
親父がぽつりと零す。
「昔、ツァーザビル周辺にゃ、セコい盗賊団がいてな。」
…確か、クリス達の故郷の村だ。
「近くの町に行商に行った奴らが、被害に合っていた。
それをペルジオが、痛め付けてやったらしいが、その逆恨みでな…
リディ嬢ちゃんは、家族を亡くしたのさ。」
そして、ボブから守るって意味も含めて、クリスの家、ノーア家で
保護されたらしい。
「人生で二度も家族を失うなんて、辛すぎるだろう…?」
親父は、ボブのノーア家襲撃を嗅ぎつけ、急いで奴らを追い…結局、返り打ちにされた訳だが。
寸でのところで川に飛び込み、逃げたそうな。
……助かったのは、きっと立派な脂肪の所為だ。間違いない。
そして、そういった一連の事件は俺達、子供に
多くを語る事無く過ぎ行き、今に至ったのだ。
「そうだ、コレ。拾ってきたんだ。嬢ちゃんに渡しておいてくれ」
差し出されたのは、リドの剣だった。
「確か、嬢ちゃんの爺さんが、あの子のために選んだヤツだ。
大切なモンだろう。」
俺がそれを受け取る。
「さて、オレはそろそろ行くよ」
「えーっ、もう行っちゃうのー?」
「ま、イロイロ仕事も溜まってるしな。そのうちノンビリしに帰ってくるさ」
惜し気なローズの頭を軽く叩き、親父はまたどっかへ旅立った。
「クリスちゃん達の家族…皆、無事だといいね」
「ああ…」
あとは、アイツらを無事、家に戻すだけ…。
- 31 名前:白雀 ◆T2r0Kg7rmQ 投稿日:2005/09/16(金) 02:07:40 ID:zsdba7+e
- >>前スレの◆DNhFr3L39M氏
GJでした。私もまさか最初は両方だとは思わず、最初はジュンのほうが女の子かなと思ったらトモヤの方で驚き、
さらに両方と知ってもう一度驚きました。
こういういい意味で読者の予想を裏切る展開はすばらしいと思います。
また是非作品出来たら投下してください。
>>司
いや、実にほのぼのとする(?)デート風景です。
エロだけじゃなく、こういう日常の風景もやはりいいものです。
>>升沢
いや、まさか彼が主役になる日が来るとはっ! 大歓迎で続きを楽しみにさせていただきます。
考えてみれば、プレイの上での男装というのはあまりなかったシチュですから全然OKではないかと。ご都合主義万歳。
>>全スレでちょっと話題になったサラシ
女性が男装する上で、胸を隠すサラシは必須ですからね。
男装少女固有装備であるサラシはやはり人気が高いのかも。
それを解いて、男から女にする一瞬というのには私も萌えます。
しかしこのスレでも、サラシつけてないのはつける必要ないくらいぺったんこのうちのレンくらいじゃうわなにをするその奥義はやめくぁwせdrftgyふじこ
- 32 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2005/09/16(金) 02:09:00 ID:zsdba7+e
- あああリロードせずに書き込んでしまったorz
邪魔してしまって本当にすみませんっ
- 33 名前:R.m.G ◆.Xo1qLEnC. 投稿日:2005/09/16(金) 02:09:00 ID:1PFXcw2H
- * * *
二人は眠り続けていた。
クリスは魔術の大技連発による疲労。リドは出血多量によるものらしいが、
リドは、クリスの治療のおかげで、回復は早いだろう、と医者は言ってた。
親父の部屋で眠るクリスを覗く。スースーと寝息をたてている。
客間のリドは…。こちらも、静かに寝ている。
下ろした長い髪。白い頬に、影を落とす長い睫毛。
その姿は紛れも無い女性で…戦ってる時の、やや猪突猛進気味の少年と
同一人物とは思えない。
男装してたのは追っ手の目を紛らす為、てなトコだろう。
俺達にも隠してたのは…やっぱ信用されてなかったのかな…。
こうして見ると、結構大人びて見える。
「……クリスっ!」
びっくりしたぁ〜。
いきなり叫んで、起き上がるんだもんな。
その声も既に、女性のものだった。
「…クリス…?」
目眩がするんだろう。頭を押さえて、ゆっくり視線をめぐらす。
そして、目が合った。
…何か気まずい。
「よ、よお…大丈夫か?えーと…リ、リディ?」
「あ…う、うん」
向こうもバツが悪そうに俯く。
「クリスはまだ寝てる。命に別状はないよ。頑張りすぎて、疲れた
みたいだ。リディも丸一日寝てたんだぜ?」
な、なんか、女だと思うと緊張する…。へたれだな、俺。
「あ、あの…私…」
必死に何かを喋ろうとするが、混乱してるみたいだ。
今にも泣きそうな顔になる。
やっべぇ、可愛い。
小生意気なリドの欠片も見えない、おとなしそうな女の子。
今まで縁が無かったタイプで、どうしたらいいのか判らない。
「あ〜、今はいいから休んどけよ。食欲はあるか?スープ作ってあるから、
いつでも言えよ。取り敢えず、ローズ呼んでくるわ。なんかあったら
アイツに言え。じゃ」
一気にまくしたてて、部屋をでる。
ええい、後はローズに丸投げしてやるっ!
* * *
夜、部屋でのんびりしてると、ノックの音が聞こえた。
「………ッ!?」
鼻血吹くかと。扉を開けると、そこにはリド…いや、リディが立っていた。
着ているのは俺の寝巻。
…着替えが見当たらなかったから、ローズが適当に着せたんだよな…
俺の寝巻は、リディには当然デカ過ぎて…
肩も袖も、幅は余ってるし、ズボンの裾なんか折ってあっても、
引きずってるし…
あの、かわいーんですけど。
- 34 名前:R.m.G ◆.Xo1qLEnC. 投稿日:2005/09/16(金) 02:10:41 ID:1PFXcw2H
-
「あの、少しお話ししても、いい?」
真っすぐ目を見られる。
「あ、ああ…」
そして、俺はリディを部屋に招き入れ………
て、いいのか!?いいのか、俺!
しかし、なんか不安気な視線を受けると追い返せない。
…てか、そんな格好で男の部屋に入っちゃいかんって…。
「その辺、適当に座れよ」
「うん」
嬉しさと辛さで混乱したまま、俺は絨毯の上にあぐらをかく。
リディも向かい合うような位置に、正座する。…その姿勢は素か。
やっぱ、男らすぃー。
「リディってのが、本名?」
沈黙はヤバい気がして、俺から喋りだす。
「アイリーディアていうの。皆にはリディって呼ばれてる」
「へ〜…あ、そうだ、コレ」
親父から預かった、剣を差し出す。
「これ…!持ってきてくれたの?」
「親父がな。帰りも、あった方がいいだろ?」
「…ありがとう…」
嬉しそうに剣を抱えて微笑む。
「や、俺は何にもしてねーし…」
な、なんか照れる…
「あの時、助けに来てくれたのがトビーさん?」
捕まってた時の格好を思い出したのか、そう言う彼女の頬が
微かに赤い。…多分俺も、赤い。
「そう。覚えてた?さっさとまた出掛けちまったけどな」
「残念ね。でも、トビーさん、生きてて良かった。」
「ああ」
まあ、生きてたのは喜ぶべきかなあー。
と、整った顔に一瞬影が射す。
「私の家族ね、昔、野盗に殺されたの。だから、盗賊の類は大嫌いだった。
だから、あなたに酷い態度をとってしまって…ごめんなさい…」
「気にして無いよ」
それこそ仕方ないじゃないか。
「…本当に…ごめんなさい。こんな事に巻き込んだ上に騙してて…」
言葉が終わる頃には、すっかり俯いてしまった。
「気にすんなって!無関係だった訳ではないし…。あの『リド』が、
女の子だったのは驚いたけどな」
笑って言うと、リディがホッとしたような笑顔を返す。
あー…直視出来ない。
「ありがとう。怪我…してない?」
「すっげー元気だよ。こっちこそ、すまない。結局、二人が
こんな事になっちまって…」
実際けっこー悔しくて、床を見てしまう。
「そ、そんな、謝らないで。私達が勝手に、やったんだからっ」
慌てたように、リディが手を振る。
顔を上げると、目が合う。
「じゃ、お互い様、という事で」
と、言えば彼女に笑顔が戻り、俺はホッとする。
…なんか、コイツの笑顔、好きかもしれない…
- 35 名前:R.m.G ◆.Xo1qLEnC. 投稿日:2005/09/16(金) 02:12:07 ID:1PFXcw2H
-
もっと笑って欲しくて、話題を変える。
「クリスとは、幼馴染みつったっけ」
「ええ。あの子は4つも年下だけど、いつも一緒だった。
大切な友人で…家族だわ」
二人は結構なイタズラ者だったらしい。
森で迷ってたき火をし、ボヤ起こしかけたり、ヘビを捕まえて見せて、
クリスの母親を失神させたり…。
結構ワイルドだね、お嬢さん…。
イタズラの首謀者はリディだろ、とからかうと拗ねた様にそっぽを向く。
そんな様子が可笑しくて、思わず吹き出した。
「私は、森を探険するのが好きだっただけで、イタズラはクリスの専門よ。
私が男の子のフリしてたのだって、あの子が言い出した事なんだから。」
彼女達は、この町に来る途中の襲撃で、狙いはリディだと薄々感付いていた。
だから襲撃を避ける為に、クリスに言われて男装していたらしい。
「まぁ、動きやすかったから、良かったけど」
「そっかー、なかなか様になってたぜ。ローズなんか、惚れそうなくらい。」
「あはは…」
リディが苦笑する。
俺は、移り変わる彼女の表情をずっと見つめていた事に気付く。
夜も更けて、空気が冷たくなってきた。
そろそろ時間だな。
「冷えてきたな。もう、部屋に戻った方がいい。」
なるべく、何気なく切り出す。
「うん…」
返事はするが動こうとしない。
「傷、痛むのか?」
「ううん。傷はクリスのおかげで、完全に塞がってる。
…もうちょっと、ここに居ちゃ…駄目?」
ぐあ。俯き加減の上目遣いは天然ですか?落ち着け!落ち着くんだ、俺!
「じゃ、じゃあ茶、煎れてくるよ。寒いだろ?」
この場を離れろ。危険だ!(リディの身が)
立ち上がりかけた体がカクン、と止まる。
リディが俺のシャツの裾を掴んでいた。
少女は表情が見えないほど俯き、震える声で呟いた。
「いっちゃ、やだ…」
そのままリディの体が寄せられ、突然の出来事に俺はヘナヘナと
また座り込んでしまった。
「リ…ディ?」
折った袖から伸びた、細い腕。その先の小さな手が、俺の胸元を
ガッチリ掴む。
幅が余った寝巻の下の、薄い肩が震えている。
顔は俺の胸に埋められて見えない。
泣いてるのか…?
その肩に手を置くと、温もりと柔らかさが布越しに伝わってくる。
- 36 名前:R.m.G ◆.Xo1qLEnC. 投稿日:2005/09/16(金) 02:14:26 ID:1PFXcw2H
-
「終わったんだよね…全部…」
リディから吐き出される息で胸元が温かい。
「ああ、もう危険はねえさ。だから…」
部屋に戻れ、と言い掛けるのを小さな呟きが阻止した。
「…かったの。」
「ん?」
「恐かったの…おじ様達が、無事かもわからないし…」
「うん」
声も震えてる。
リディの頭を撫でてやると、彼女の腕が俺の背中に回される。
「…皆、死んじゃうかも、しれないって…」
張り詰めていた気が解け、押さえていた感情が暴走しているんだろう。
俺は相槌を打ち、話を聞いてやるしか出来ない。
「私…狙われてるって、知って…ホッとした。…また、一人に
なるなら、先に…死んじゃ…たかっ…た」
嗚咽が混じり始めた。
「もう、大丈夫だよ。クリスは無事だ。…それに、俺達だっているから」
「っ…ん…」
彼女は泣き続ける。
考えてみれば、実戦経験も無いような女の子が、ここまで戦ってきた
のはスゴい。
寄り添っていたクリスも優秀な魔術士とはいえ、彼女にとっては無事が
確認できる唯一の家族。
相当なプレッシャーだったろう。
頭を撫でていた手を、背中に下ろす。そっと抱き締めれば、
安心した様に体を預けてくる。
ヤバイヤバイヤバイ!
さっきから気になってはいたんだが…腹の上らへんに当たる、
やーらかい感触が…布一枚越しに…その…
「今日はもう寝ろよ」
泣き終わるまで、そばに居てやりたいが…そろそろ平静を装うのも限界。
不謹慎にも、下半身が重いです…。
「やだ。………迷惑?」
こ、コイツは自分の言ってること、判ってんでしょーか。
もはや、俺の理性を繋ぎ止めるのは、素人童貞である事実のみ!
(…なんか虚しい…)
「いや、迷惑なんかじゃ、全然。むしろ、迷惑かけるのは俺の方で…」
「……?」
不思議そうな顔で、俺を見上げる青い目は、紫を帯びた綺麗な色だった。
あぁ、こんな色だったんだ…気付かなかった。
つい、見つめてしまう。
あぁ〜っ、こうなりゃ、最後の賭けだ!
俺はリディの唇に、静かに自分のを重ねる。
お、押し倒してしまいたいが…が、我慢だ。
これで逃げてくれれば良いが、逃げなければもう止まり様が無い。
顔を離して目を開けると、涙渇ききらぬ瞳がが見開かれ、俺をじっと
みつめている。
そして、やっと状況に気付いたのか、顔を真っ赤にして、再び
俺の胸に押し当て、呟いた。
「いいよ…。迷惑かけても…」
- 37 名前: ◆.Xo1qLEnC. 投稿日:2005/09/16(金) 02:20:51 ID:1PFXcw2H
- 今夜は以上で。
>>31-32氏
お気になさらず〜!
やっとエロ展開持っていけた…。脱力
結構、当たった方が多いかとw
チラ裏ですが、入れ忘れたフェイクもあったしなーorz
では、エロ編でいずれ…
- 38 名前:白雀 ◆T2r0Kg7rmQ 投稿日:2005/09/16(金) 02:30:54 ID:zsdba7+e
- いえ、ホント割り込んでしまいすみませんでした…コメント書くのに夢中でリロードし忘れたのは失敗でした。この失敗は次回作で償います。
そしてGJでした。素直になったリディたんの可愛さに完全ノックアウトされましたっ。
頑張れホーク、いっぱい迷惑かけちゃえ。(笑)
- 39 名前:名無しのアヒル 投稿日:2005/09/16(金) 02:37:02 ID:W65bMfrk
- >>Xo1qLEnC.さん
GJです!!リディ可愛いです。男装少女当て、正解しました。
>>実験屋さん
升沢編面白いです!最初狂介にボコられたイヤーな奴だったとは思えませんね。
レオとシリアスにいちゃつくのかと思いきや・・・。コスプレ男装とは。
>>aPPPu8oulさん
ショッピングいいですね。マグカップを選ぶやりとりが微笑ましいです。でも男同士に見られてる・・。
50にも満たないのに豊作ですね!
- 40 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2005/09/16(金) 03:48:20 ID:2jgBqmV2
- スレ立てありがとうございました。
ところで
まとめサイトさんって
http://www.usamimi.info/~dansou/
名前は「男装少女萌え倉庫」
ですよね?
(現在なぜかアクセスできないんですが)
次のテンプレは間違えないようにしましょー
- 41 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2005/09/16(金) 04:15:02 ID:2jgBqmV2
- >「だーめ。家では寂しい思いをしなさい」
この台詞にやられた…
先生いいよまじいいよ
司タソは男っぽくなったり女っぽくなったりのギャップがたまりません〜
「…馬鹿?」と言い放つ司にも萌えです!
- 42 名前: ◆vr7MlHhdvc 投稿日:2005/09/16(金) 07:04:37 ID:ncpD1DkB
- お久しぶりです。
しばらく留守にした間に新スレが立ってたー皆様GJです!
ホント豊作ですね〜
えーと、かなり間があいたような気がしますが……
前スレ>>365の「トラウマ飽きた」発言を受け、突発的にネタが浮かんだので投下。
前よりエロ分は厚くなったハズ……
- 43 名前:1素直 ◆vr7MlHhdvc 投稿日:2005/09/16(金) 07:05:31 ID:ncpD1DkB
-
「今ヒマ?」
「……」
平日の昼日中、不意にかけられた声。
声をかけられた方は全体的に色素の薄い、清楚とか清純、楚々といった言葉が似合う可憐な美少女。
お嬢様学校として有名なミッション系女子高のセーラー服を崩すことなく着こなしている。
肩にかかる程度のセミロングの髪が風に揺れて、ほのかに花の香りが鼻腔をくすぐっていった。
そして声をかけた方は、黒髪でレンズの形が長方形をしたハーフリムの眼鏡をかけた青年。
柔和な、優しげな笑みを浮かべているが、学生なのか社会人なのか判別は難しい。
恐らく十代ではないだろう。二十代前半から半ば……後半? ちょっと見は年齢不詳である。
「少し話聞きたいだけなんだけど」
「……」
歩むスピードは緩めずに、少女の目が青年を無表情で一瞥。
すぐに視線を前方へ戻してその後は徹底した完全無視。
「俺の話だけでも聞いてくれないかな」
声の調子に、必死にナンパしているような響きは感じ取れない。今日の天気でも話すような口ぶりだ。
全く反応を返さない少女の様子に諦めたのか、青年は短く息をつくと名刺を取り出し、少女の鞄にすっと差し込んだ。
「俺、佐十 千秋(サトウ チアキ)。気が向いたら声かけて、大抵このへんにいるから」
そして立ち止まり、ひと言も発することなく歩み去っていく少女を見送る。
しばらく見ていると、友人だろうか、同じ制服の少女が彼女に近づいてきた。
1人が彼女へ声をかける。
「スズ!」
「スズちゃんね……」
千秋は胸ポケットから煙草を取り出しくわえると、紫煙を吐きながら少女とは逆方向へ歩いて行った。
数日後の夜。
路上で1人の少年が体育会系の高校生数人に囲まれていた。
とても和やかな雰囲気には見えない。どう見たってカツアゲだろう。
その中心にいるのは中学生くらい、女の子と見紛いそうな繊細な顔立ちの少年だ。
サイズが大きめのフードパーカーは裾がお尻の下まであり、更に長い袖からかろうじてのぞく指先が、今は口元を覆っている。上とは逆に細身のハーフパンツは膝下丈で、そこから折れそうなほど細くて白い足が伸びていた。
たまたま立ち寄ったコンビニを出たところで、千秋はそんな現場に遭遇する。
「……?」
脳裏に一瞬の違和感。
しかし、千秋がその違和感の正体を突き止める前に、事態は進展。
高校生がとうとう手を出したのだ。
「お巡りさんっ! こっちです、こっち!」
千秋が発した言葉で、高校生たちが一瞬ひるんだ。
そのスキを逃さず少年の手首のあたりを掴んで走り出す。
「──っ!!」
背後から何か叫んでいるのが聞こえる。
だが、そんなものには構わずに千秋は走った。
「ね、ちょっ……ま、待って……」
見ると、少年は頬を上気させ、空気を求めて苦しげに喘いでいる。
「あ、悪い」
「はっ……はぁ……」
手を離すと、少年はしゃがみこんでしまった。
振り返っても、そこにはただ闇があるだけ。追ってはこなかったらしい。
少し離れたところに自販機があった。
千秋はコーヒーを2つ買って戻ってくると、1つを少年に差し出した。
「っ……あ、りがと……」
コーヒーを受け取って、少年はよろよろと立ち上がり手近なガードレールに腰かける。
それを見て、千秋も少年の隣に座った。
並んでみると華奢なのがよくわかる。
ほんのり赤く染まった頬が妙な色気を醸しだしている。
かわいい男の子もいるもんだ、とその横顔を無遠慮に観察しつつ話しかけた。
- 44 名前:2素直 ◆vr7MlHhdvc 投稿日:2005/09/16(金) 07:06:00 ID:ncpD1DkB
-
「俺は佐十 千秋。お前は?」
「リク」
リクはコーヒーを一口飲むと、眉間にシワを寄せた。
「にが……こんなの美味しいの?」
「缶コーヒーはピンキリだな。これはマシな方」
「ふぅん」
意を決したのか、リクは手の中の飲みかけコーヒーを一気に飲み干す。
「うぇぇ……ごちそうさま……」
「無理しなくていいのに」
「一度口つけたものを残さないのが僕の主義」
座ったまま、カラになった缶をゴミ箱に投げ込む。
それは見事な放物線を描いて、ビンカンの「カン」の方へ吸い込まれていった。
「興味深いな」
「は?」
「ところでお前いっつもこんな時間に1人で出歩いてるのか?」
「何、説教でも始める気?」
コーヒーの時よりも苦々しげな渋面になってリクが言った。
「いや、興味関心に基づく純粋な好奇心」
「ええと……千秋だったっけ。変わってるね」
「褒め言葉として受け取っておこう。で、答えは?」
リクの表情から、警戒心が消えていた。
「夜は珍しいよ。さっきみたいのが増えるし」
「いっつも1人で?」
「うん。1人じゃなきゃ意味ないから」
「理由を聞いても?」
「いいよ」
リクは、規則でガチガチに固められた生活に押し潰されそうになると、1人で街を歩くのだという。
問題が解決するワケではないが、少しばかり余裕ができるのだと。
「ただの気分転換。こんな話聞いて何か楽しい?」
「あぁ。参考になった」
「参考?」
と、首をかしげる姿はそこらの女の子よりよほどかわいらしい。
「俺、本書く人なんだ」
「なりたい、とかじゃなくて書いてるの?」
「そ」
意外なモノでも見るようにリクは目を見開いた。
そして、頭のてっぺんからつま先まで、2往復は視線を動かす。
「サトウって、にんべんに左の佐に漢数字の十って書く……?」
「チアキは千の秋だ」
「じゃあ千秋の本読んだことあるよ。でも『サジュウ』だと思ってた」
「よく言われるよ」
千秋は苦笑しつつも缶コーヒーを口に運んだ。
最後の一口だったのか、立ち上がって空き缶をゴミ箱まで捨てに行く。
「さて、お前1人で帰れるか?」
「帰るトコない」
「おいおい……」
まさか家出?
喉元まで出かかった言葉を飲み込む。
リクの大きな瞳が千秋を見つめていた。
「家出じゃないよ。寮監に外泊届け出してきたし」
聞けば、リクは学校の寮に入っているらしい。
「ただ、家には帰りたくないだけ」
それを家出というんじゃないか、と千秋は思ったが口から出たのは別の言葉だった。
「じゃあ、ウチ来るか?」
「いいの?」
「公園で野宿されるよりマシだからな」
「ありがとう」
リクのある種殺人的な微笑みに、千秋は軽い眩暈を覚えた。
- 45 名前:3素直 ◆vr7MlHhdvc 投稿日:2005/09/16(金) 07:06:35 ID:ncpD1DkB
-
しばらく夜道を歩くと、千秋が1軒の家の前で立ち止まる。
「ここ?」
「ああ」
外見は平屋の和風家屋。
今は暗くてよく見えないが、立派な日本庭園付きだ。
門を入ると玉砂利が敷き詰められたアプローチ。
踏み石を辿った先の玄関には、立派な表札がかけられていた。
「お屋敷だぁ……」
「広いだけがとりえの家だよ」
鍵を開けて中に入ると玄関とは思えないほど広い空間。
リクは興味津々で目を輝かせている。
「おじゃましまーす」
「こらこら、勝手に入ってくな」
玄関を入ってすぐの襖をあけようとしているリクをフードパーカーの帽子を掴んで引き止める。
「えー見たいー」
「そこは客間、入っても何もない。で、左側がトイレで右側が居間だ」
居間へ続くドアを開けると、和風の佇まいから一転してフローリングの洋室だった。
ローソファーと天板がガラスのローテーブル。
黒いリビングボードの上には、50インチ以上はあろうかというプラズマテレビが鎮座していた。
余計なものは一切置いていない、生活感のない部屋とかいうやつなのだろう。
「中は洋風なんだ……」
先ほどのはしゃぎようはどこへ行ったのか、リクはぽかんと立ち尽くしている。
「そのへん適当に座って。何か食うか?」
居間から仕切りなく続くキッチンで、千秋はやかんを火にかけながら問う。
リクは言われたとおりにソファーに座るが、落ち着かないのか膝を抱えて小さくなっている。
「ううん……ねぇ」
「何だ?」
「千秋ここに一人暮らしなの?」
「そうだよ」
「寂しくない?」
「寂しい……かな。どうだろう、寂しそうに見えるか?」
問われたリクは首を横に振る。
そしてそのまま黙り込んでしまった。
「何考えてる?」
声とともに差し出されたのは、ココアの入ったカップ。
リクの鼻先で甘い香りが漂う。
おずおずと受け取って、抱えた膝の上に置く。
「熱いから気をつけろよ」
「……うん」
千秋はリクから距離を取り、キッチンのスツールに座って煙草に火をつけた。
換気扇の回る音が低く唸っている。
「僕だったら……こんな広い家に1人で住んでたら寂しくて死んじゃうかも」
「想像して怖くなってたのか?」
「……バカみたいだって言うんでしょ」
「言わないよ。言ったら俺がバカみたいだろ」
煙草の灰を灰皿に落とし、押しつぶして火を消す。
「かっこつけ……」
「何だって?」
「何でもない。ココアごちそうさま」
「何か言っただろ」
「また、来てもいい?」
「……ああ、いいよ」
この日から、リクは千秋の家に遊びに来るようになった。
たいていは日中で、泊まったのは最初の1回きりだったが、ふらりとやってきては大画面で映画を見たり、千秋の本を黙々と読んだりして、来た時と同じようにふらりと帰っていく。
千秋も弟ができた気分で、たまにやってくるリクを待ちどおしく思うようになっていた。
- 46 名前:4素直 ◆vr7MlHhdvc 投稿日:2005/09/16(金) 07:07:09 ID:ncpD1DkB
-
ある日。
千秋は久々に趣味の人間観察へやってきた。
初めて『スズちゃん』なる美少女と出逢った駅前である。
待ち合わせの人ごみからは離れた位置のベンチに座り、行き交う人々を観察。
気になった人物へは声をかける。
よくナンパと間違われるが、決して好みの女の子にだけ声をかけているワケではない……らしい。
「また後でねスズ」
かすかに耳に入った声に振り返ると、『スズちゃん』が駅に入って行くところだった。
相変わらずの美少女ぶりだが、もちろん千秋に気づくはずもない。
千秋もベンチから動くことはないが、目は駅舎から出てくる人々を追っている。
そこへ、見覚えのある顔が現れた。
今日は帽子を被っているが、見間違うハズもない。見慣れた顔だ。
「リク!」
歩み寄りながら、声をかける。
笑顔を返してくれると思った少年は、なぜか一瞬ビクッと体を強張らせた。少し顔色が悪い。
「千秋……?」
「どうした? 具合でも悪いのか?」
「ずっと、ここにいた?」
「あ、ああ」
「僕に、何か言うことは……?」
「久しぶり……?」
話が全く読めていない千秋は、半疑問系で言った。
リクは瞬きを繰り返している。
「それだけ?」
「あー、今のところは」
その表情から、それ以上のことは本当に考えていないようだと悟ったリクは、考え込むようなポーズでブツブツと呟いている。
「鈍い……いくらなんでも鈍すぎじゃあ……」
「あ?」
「や、こっちの話」
問題を提起、検討、導き出された解を多角的に検証、誤差修正、最終的な解答を提示、納得。
納得、のあたりでリクはコクンと小さく頷き、千秋に向き直る。
その様子はいつもどおり、千秋が期待した笑顔になっていた。
「今日はどうしたの? あ、もしかしてナンパ?」
「ナンパじゃない。人間観察だ」
疎外感を感じ、千秋は憮然とした表情を隠さない。
「カワイイ子いた?」
「……」
無防備に千秋の顔を覗きこむリク。
今、目の前に。と答えそうになり、今度は動揺を隠せない千秋。
脳内をキーワード『カワイイ子』でサーチ。1件ヒット。
「……スズちゃん」
「えっ!?」
「いや、知り合いじゃないんだけど……この間見かけた時にスズって呼ばれてたんだ」
千秋は自分の動揺に手一杯で、リクの過敏すぎる反応を見過ごしていた。
「なんだ……気付いたワケじゃないんだ。天然にも程があるよ」
「──純粋な知的好奇心から声をかけるのであって、決してナンパでは……って何か言ったか?」
「言い訳してる時点でアウトぉ」
野球の審判のジェスチャーで、高く右手を掲げる。
「アウトっすか……」
「うん。観念した?」
「……お前、今日ウチ来るのか?」
「はい? あ、うん、そのつもりだったケド……都合悪い?」
急に話の方向を変えられて、戸惑いながらも答える。
「いや、むしろ好都合。すぐ帰るぞ」
「う、うん……」
千秋は全然あきらめていない目をしていた。
むしろ、闘志に燃えているような、熱血少年漫画の主人公のような目だ。
- 47 名前:5素直 ◆vr7MlHhdvc 投稿日:2005/09/16(金) 07:07:49 ID:ncpD1DkB
-
どこにも寄り道せずに、かつ無言で千秋の家に到着。
帰った途端、千秋は仕事部屋に直行し、リクは完全に放置されていた。
仕方ないので、いつもどおりにお茶を入れ、読みかけだった千秋の本を読み始めるが、文字を追っているだけで、内容が頭に入っていかない。
「怒らせた……かな」
本を閉じて、ソファーにころんと寝転がる。
その目に涙がたまっていく。
リクは涙を零さぬように瞼を閉じた。
「千秋が出てきたら、ちゃんと、謝ろう……」
しばらくすると、規則的な呼吸音が聞こえてくる。どうやら眠ってしまったらしい。
閉めきられていた仕事部屋から千秋が出てきたのは、それから数十分後のことだった。
仕事部屋側からは、ローソファーの背もたれに遮られて、横になっているリクの姿は見えない。
「……リク?」
千秋は、ゆっくりとソファに歩み寄り、猫のように丸くなって寝ているリクを見つけた。
そのまま、寝顔にじっと見入ってしまう。
「眉間にシワ寄せて……美人が台無しだな」
人差し指でリクの眉間をぐりぐりとほぐすが起きる気配がない。
千秋は時計を見て、寮の門限まで時間があるのを確認すると、ブランケットをかけてやる。
そして、キッチンで換気扇のスイッチを入れ、煙草を吸い始めた。
リクがいる時は、換気扇の下での喫煙が通例になっている。
リクぐらいの年頃なら、煙草や酒に興味を持ちそうなものだが、リクは煙草も酒もついでにコーヒーも苦手らしい。
お子ちゃま舌だとからかったら、顔を真っ赤にして怒っていたっけ……思い出しながら、千秋はにやける口元を煙草を持った手で隠した。
別に見られているワケではないが、積極的に見せたいものでもない。
「変態……」
「ぶふっ、リ、リク? 起きてたのか?」
「ん……今、何時?」
「5時」
「うわ、門限ぎりぎりだ」
がばっと起き上がると、かけられていたブランケットが滑り落ちる。
「千秋がかけてくれたの? ありがとう」
ブランケットをたたんでソファーの背もたれにかけると、リクは身支度を整えて立ち上がった。
「車で送っていこうか」
「じゃあ、駅まで」
「駅まででいいのか?」
「うん、荷物置いてあるんだ」
「わかった。表に車回してくる」
リクが玄関から出るのと、千秋が車を門前に寄せたのはほぼ同時だった。
車はリクを乗せて滑らかに走り出す。
徒歩なら15分はかかる道のりだが、車なら信号待ちを入れても10分とかからない。
ほどなく、車は駅へ到着し、それまで沈黙を守っていたリクがようやく口を開いた。
「千秋、今日は、その……ごめんなさい」
「何が?」
「何がって……怒ってたでしょ? 僕がナンパだってからかったから……」
「あー……、いや、怒ってない」
「本当に?」
「ああ、本当だ。ほっぽって悪かったな」
「ううん、怒ってないならいいや。送ってくれてありがとう」
「あ、リク」
「何?」
「コレ、持ってけ」
手渡されたのは大きい茶封筒。
中身は原稿用紙だった。
「読んだら、感想を聞かせてほしい。いつでもいいから」
「……うん、わかった。それじゃ」
リクがいなくなった助手席は、何だか少し寂しげだった……。
- 48 名前:6素直 ◆vr7MlHhdvc 投稿日:2005/09/16(金) 07:08:20 ID:ncpD1DkB
-
それからしばらく、千秋の家にリクの姿はなかった。
そういえば、携帯電話番号も、メアドも知らない。
1人で考える時間が長くなり、千秋はリクのことを何も知らない自分に気づく。
覚えているのは、自分を呼ぶ声と、少し照れたようなはにかむような笑顔。
いつの間にか、煙草を吸う時は換気扇を回すのが、すっかり習慣づいてしまった。
「まるで恋だな」
自分で呟いておきながら、千秋は言葉を失っている。
己の言葉にショックを受けているようだ。
ピンポーン──
突如響いた呼び鈴の音に、千秋は持っていた煙草を落としそうになる。
それは、殆ど口をつけないまま、中ほどまで灰になっていた。
慌てて灰皿へ灰を落として、そのまま火も消してしまう。
この家には、インターフォンがない。
だから、玄関へ直接向かう。
「はい」
「僕……」
「今開ける」
千秋は、2度、深呼吸をしてから鍵を開け、もう1度大きく息を吸い込んで止めた。
「いらっしゃ──」
引き戸を横へ滑らすと、そこにいたのは思いがけない人物だった。
見覚えのあるセミロングにセーラー服の少女。
「スズ、ちゃん……?」
「こんにちは」
こころなし緊張した面持ちの少女は、そう言って微笑んだ。
その笑顔が脳裏で別の誰かの笑顔と重なる。
「リク……?」
「やっと気づいた……」
リクは嬉しそうに、それこそ花が咲くような笑顔になって千秋に抱きついた。
千秋はまとまらない思考のまま、そっとリクの体を抱きしめる。
男ではあり得ない、柔らかい感触は、紛れもなくリクが女であることを伝えてきた。
「リク、おま……女?」
「うん。ごめんね今まで黙ってて」
「でも……何で、急に?」
「千秋のせいだよ」
そう言って、リクは千秋の腕の中から抜け出して、鞄から数日前に手渡した茶封筒を取り出した。
色気のない茶封筒を愛しげに抱きしめて、千秋へ差し出す。
「これ、僕のこと書いてくれたんでしょ?」
「……」
「違った?」
「……違わない」
「良かった」
その笑顔はもう少年には見えなかった。
今まで、リクのどこを見て少年だと思っていたのか、千秋にはわからない。
「あのね……これ読んで、自分の気持ちに素直になれって言われたみたいな気がして、それで──」
そこで一旦言葉をきり、リクは言葉を探しているようだった。
「それで、僕は千秋に弟じゃなくて、妹でもなくて……女として見てもらいたいって思ったから」
「だからスズの格好で来たのか?」
「うん……千秋はスズの方が好きでしょう?」
「バカだな」
苦笑して、千秋はリクを抱き寄せる。
「バカって──」
「俺がいつスズの方が好きだなんて言ったよ」
「でも、かわいいって……」
「かわいいって言っただけだろ」
抱きしめる腕に力を込める。
「俺は、そのままのリクが好きだよ」
- 49 名前:7素直 ◆vr7MlHhdvc 投稿日:2005/09/16(金) 07:08:56 ID:ncpD1DkB
-
「男でも?」
「男でも。リクならその道に転んでもいいとさっき思った」
「さっきって……もう、千秋らしいからいいや」
「ところで、いつまでも玄関で抱き合ってるのもなんだし、中入らないか?」
「うん」
2人はどちらからともなく、手を繋ぐ。お互いの手が熱い。
「あの……」
「ん?」
「着替えてきてもいい?」
着替え? とは思ったものの、別に止める理由も思いつかなかった千秋は頷いた。
リクは客間へ大きめの鞄を持って入っていく。
ソファーに座っておとなしく待つことにしたが、着替えにしては長く待たされた。
待ちくたびれて覗きに行こうかと思った頃、ようやくリクが客間から出てきた。
「お待たせー」
そこにはスズではなくて、リクがいた。
髪が短くなって、男物のワークシャツにカーゴパンツをはいているが、やっぱり男には見えない。
「はぁ、こっちの方が落ち着く」
「ヅラ?」
「せめて、ウィッグって言ってよ。こっちが地毛だし」
「何で着替えてきたんだ?」
千秋は座ったまま、立っているリクの手を取り引き寄せる。
「え? べ、別に?」
「本当に?」
千秋は引き寄せる手に力を込めて、自分の胡坐の上にリクを座らせる。
後ろから抱きかかえるような格好だ。
「素直になるんじゃなかったのか?」
耳元に低い声でささやくと、リクは小さく体を震わせた。
その反応に気を良くした千秋は耳たぶを舐めてみる。
「ひゃっ、ち、千秋?」
「甘いな」
「なっ、バカ!」
手足をバタバタと動かして暴れるリクを逃がさないようにきつく抱きしめる。
そして、千秋はあることに気がついた。
「固い……」
「今度は何?」
「なんか、お前さっきと抱き心地が違うんだけど……」
さわさわと手を動かす。あきらかに、スズの時とは感触が違った。
「やっ、ちょっ、くすぐったいぃ……」
「何か巻いてるのか?」
「さらし。スズじゃない時はいつも巻いてるからクセで……」
「へぇ、それで?」
「?」
「着替えた理由は?」
「もうっ、しつこいよ千秋っ」
リクが体を捩って振り向くと、すぐ目の前に千秋の顔があった。
改めて近くで見ると、眼鏡の奥の瞳は優しげで、整った顔をしている。
至近距離で見つめあっていた2人の距離がさらに縮まり、唇が触れ合った。
上半身を捻った体勢のリクは、すぐに苦しくなり空気を求めて喘ぐ。
「ふぅっ……ん、ぁ……」
その隙を逃さず、千秋はリクの口へ舌を潜りこませる。
「んちゅ、ふぁ……んくっ」
拙いながらもリクが舌を絡めてきた。細い腕が千秋の首の後ろに回されて、体が密着する。
境界線がわからなくなるほど貪り合って、唇が離れると光る糸が伸びて切れた。
「はぁ、んっ……は、はぁ」
「怒った?」
千秋の問いかけに、リクは首を振って答える。
その目は熱っぽく潤んでいて、濡れた唇は半開きになっていた。目元がほんのり赤く染まってなんともいえない趣だ。
- 50 名前:8素直 ◆vr7MlHhdvc 投稿日:2005/09/16(金) 07:10:10 ID:ncpD1DkB
-
キスだけで終わろうと思っていた千秋だったが、下半身の欲望がむくりと頭をもたげ始めているのを感じて逡巡する。
「千秋?」
「リクが欲しい」
思考するより先に、言葉が出ていた。
頭の中では常識人ぶった思考がやめておけと言っているが、欲望を止められそうもない。
「ダメか?」
「……いいよ。千秋に僕をあげる」
首に回された腕に力がこもる。
千秋もそれに応えて強く抱きしめる。そして、リクを対面座位の状態に座りなおさせた。
背中側の裾から手を入れるが、さらしが邪魔して肌に触れられない。
ワークシャツのボタンを下からはずしていく、上の2つを残してできた隙間から手で探ってさらしをほどく。きつく幾重にも巻かれたそれを巻き取るたびにリクが震えるのが愛しかった。
締め付けから開放された膨らみが、ワークシャツの布地を押し上げている。
千秋は、シャツのあわせから覗く谷間の中心に口づけた。
「んぅっ……」
白い肌に赤く所有の印をつける。
背中に手をまわし、中心を中指で縦になぞると、リクはのけぞって可愛く喘いだ。
「あっ」
そのまま滑らかな肌の感触を楽しみながら背中をなでる。
右の肩甲骨の下あたりをなでると小さいながら反応があった。
「やぁっ、そこくすぐったい……だめぇ」
「くすぐったいところが気持ちよくなるんだよ」
「そ、なことっ……あ、んっ、知らな──ひぁ」
空いている左手で膨らみを包み込み、ゆっくりした動作で揉みしだく。
手に余るほどではないが、しっとりと手に吸い付いてくるような感触に夢中になっている内、乳首がその存在を主張しはじめていた。
人差し指と中指ではさんで同じペースで揉み続ける。
「あっ、や、ち、千秋ぃ……あんっ」
「ホラ気持ち良くなってきた」
「う、嘘……あ、あぁ……ぃ」
「いい?」
おもむろに残り2つのボタンをはずし、肌を露にすると、触っていない方の乳首もぴんと固くなって、愛撫を待っていた。
千秋は躊躇うことなく乳首を口に含む。
「ひやぁっ! あっ、はぁ、千秋……それ、変に、なりそっ……ああっ」
「リク、ちょっと膝で立って」
「うん……」
素直に膝立ちになるリク。バランスを取るため、千秋の肩に手を乗せる。
千秋はカーゴパンツと無地のショーツを一緒に膝まで下げてしまった。
ショーツは濡れてシミになっていた。
「きゃっ、千秋! 恥ずかしいよぉ……」
見せまいとしているのか、リクは千秋の顔を自らの胸に押し付けるように抱きしめる。
「こら、眼鏡が潰れる」
「あ、ごめ……はぅっ、も、やだぁ、千秋が、ん、触るトコ、全部熱い……」
くびれから続く形のよいヒップを両手で大きく揉みほぐす。
随分と感度が上がってきたらしいリクは、ゆるく腰を動かし始めていた。
ヒップの割れ目を伝って右手を蜜で溢れるソコへ進めていく。
くちゅっ
「あぁんっ! な、なに? あっ、千秋っ……ちあ、き……」
充分に潤んだソコは、千秋の指をいとも簡単に飲み込み、中指を出し入れするたびに湿った淫靡な水音をたてた。
内股を指でかき出された愛液がつたっていく。
胸を舌で愛撫し、右手で蜜壺をほぐすようにかき回す。左手は、蜜を掬い取って前からリクの陰核を捕えた。
「ああぁぁっ!!」
- 51 名前:9素直 ◆vr7MlHhdvc 投稿日:2005/09/16(金) 07:10:42 ID:ncpD1DkB
-
一際甘く高い声をあげ、千秋の肩を掴む手に力が入る。
微かに震えてリクは初めて他人の手でイった。
くたっと力が抜けて、腰を落とす。
「はっ、はぁっ……はぁ、はぁ、ん……」
リクが力の入らない腕でぎゅっと千秋に抱きつくと、その下腹部に固い何かがあたった。
それが何か思い当たり、一瞬腰を引くが、千秋の腕に逆に強く抱き寄せられてしまう。
「今ので、終わりじゃ……ないんだよね?」
「無理しなくていいんだぞ?」
「ムリなんてしてないよ。僕も、千秋が欲しいから……」
リクは、その言葉を証明するかのように千秋のシャツのボタンをはずし、引き締まった胸板にたくさんのキスを降らせた。
そして、白い細い指がベルトをゆるめ、ズボンのファスナーを苦労して下げていく。
「うっ……」
下着越しに撫でられ思わず声が出た。
「すごいね、こんなに固くなるんだ……」
千秋の欲望は、すでに雫を零していて、リクが触れるたびにビクビクと震えた。
「……リクの中に入りたい」
「うん……」
リクの背中に腕を回し、ゆっくりとソファーに押し倒す。
膝に手をかけて大きく割り開くと、濡れそぼったソコはひくひくと喘いでいた。
ズボンと下着を一気に下ろす。たくましくそそり立った千秋自身は重力に抗って天を仰いでいる。
「おっきい……」
「悪いけど、そんなに大きいワケじゃない」
「そうなの?」
「そこをあんまり突っ込んでくれるな。入れるぞ」
「う、うん……」
リクはぎゅっと目をつむり、くるであろう衝撃に備える。
千秋は、己に手を添えて、狙いを定め腰を進めた。
くぷっ……
「くっ……リク、ゆっくり息吐いて……体の力抜け」
「はぅっ……うん」
先端を入れただけで、強烈な締め付けが千秋を襲う。
千秋は、リクの様子を見ながら、少しずつ、ゆっくりゆっくり奥へと分け入っていくよう心がけた。
「痛いよな……ゴメン」
「っ、千秋は? 気持ち、いい……?」
「ああ、すごく気持ちいいよ」
大きく胸を上下させながら、痛みに耐えて微笑むリクが愛しくて、抱きしめる。
「千秋……好き、大好き……」
「俺もリクが好きだ」
「も、平気だから、千秋動いて……いいよ」
千秋はおでこに鼻に、頬に、瞼に、唇にキスを落とし、じんわりと腰を動かし始める。
「ふあっ、あっ、つ……千秋……」
「リク……」
名前を呼び、キスをして、少しでも痛みが和らぐように乳首や陰核を愛撫した。
「ひゃん、あふっ、いっ、あぁっ……あん、あっ……ぇ? あ、はぁん!」
「リク?」
「くぅん……千秋ぃ、気持ちいっ……ああっ、んっ」
リクの喘ぎ声にそれまでなかった快感の響きが混じり、千秋の動きに合わせるようにして華奢な腰を揺らし始めた。
「千秋、もっと──て……っと、して……っ」
意外と大胆な発言に千秋は腰の動きを大きくし、激しくなり過ぎないように調節しながら、高みに向かって昇りつめていく。
「……リク、もうそろそろ、イキそ……くっ」
「ああぁっ、んんっ、んっ……はぁっ、僕も、あっ、も……ダメ、っ────」
ドクン──
- 52 名前:10素直 ◆vr7MlHhdvc 投稿日:2005/09/16(金) 07:11:42 ID:ncpD1DkB
-
千秋は果てる直前、リクから己を引き抜き、膣外に精を放った。
白濁が、リクの下腹部から胸にかけて白い花を散らしていく。
そのままでは気持ち悪かろうと、千秋はウェットティッシュを持ってきて、リクの体を清める。
「千秋……ありがと」
「礼を言うのは俺の方だよ」
ソファーに2人で横になるのは無理なので、リクを抱いて背もたれによりかかる。
髪を撫でている内にリクは寝息をたてはじめていた。
リクが起きたら何て言おう。
そんなことを考えながら、千秋も一緒に眠りに落ちていった。
おわり
* * * * * *
おまけ
「で、結局何で着替えたんだ?」
「まだ言ってるの?」
「言うさ」
「……笑わない?」
「約束する」
大人の口約束ほどあてにはならないものだが、リクはそのことばを信じてとうとう口を開く。
「スズの姿で千秋に好きって言われるのは何かイヤだったから……」
「スズもお前だろ?」
「そうだけど! だって、千秋が……リクが好きって言ってくれたんだもん」
「そっか、自分で自分に嫉妬したのか。かわいいな」
ちゅ、と頬にキスされてリクが赤くなる。
「そういえば……」
「まだ何かあるの?」
「何で女の時は『スズ』で男の時は『リク』なんだ?」
「あぁ、そのこと。簡単だよ、どっちも僕の名前」
「まさか……多重人格とか?」
「違うよ。そういえばフルネーム名乗ったことなかったっけ?」
「聞いた覚えがないな」
「僕の名前、須々木 理久(スズキ リク)っていうんだ」
「あー……蓋を開ければたいしたことなかったな」
「千秋が聞いてきたのに」
「いや、本編で明かされなかったから、気になるだろ普通」
「何の話……?」
きょとんとした表情でリクが首を傾げる。
千秋は、声は出さずに『あ』という顔をしてから首を振った。
「なんでもない」
「怪しいなぁ……」
自分たちのあんなコトやこんなコトがまさかどこかの誰かに公開されているなんて、全く思いも寄らないリクだった。
今度こそおしまい
- 53 名前: ◆vr7MlHhdvc 投稿日:2005/09/16(金) 07:13:46 ID:ncpD1DkB
- 以上です。
トラウマ、じゃないけど妙におとなしい話に……
おかしいな、明るい話を書きたかったはずなのに。
和モノをお待ちの方にはお待たせして申し訳ない。もちっと時間をください。
それでは、仕事に行ってきます。
- 54 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2005/09/16(金) 07:44:37 ID:+650PXQu
- お仕事前に投下乙です
GJ!!! 朝からハァハァ
- 55 名前: ◆DNhFr3L39M 投稿日:2005/09/16(金) 09:21:50 ID:KTgbM8qD
- も、萌えの嵐だ!
ここには萌えの嵐が吹き荒れておるッ!
>>13
実験屋さんGJ!!
升沢がまるでベジータのようなポジションに!
普通の女の子に男装させるのもエロくってGJ!!です。
>>25
Xo1qLEnCさんGJ!!
お風呂上がりのシーンで男装っ娘はクリスだと思ってたけど、まさかリドだったとは!
だぶだぶの寝巻きとか、あの甘え方とか、可愛くてGJ!!です。
>>42
vr7MlHhdvcさんGJ!!
真尋も可愛かったけど、リクもイイ!
しかも朝から前屈みにさせてくれる文章に高まったパトスをどうすればいいんですか!
とにかくGJ!!です。
- 56 名前: ◆z1nMDKRu0s 投稿日:2005/09/16(金) 10:15:26 ID:daUeVJV/
- 神の大行進の続くスレはここですか?
しっかしなんだろうねこの細かい描写
本職何?
- 57 名前:秀穂ゴッドファーザーズ ◆z1nMDKRu0s 投稿日:2005/09/16(金) 17:19:59 ID:daUeVJV/
- 保管庫の管理人様
これを前に投下したヤツに繋げて下さい
「「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」」
ギター背負って走る男二人とがっしりした体にブラをつけた男の追いかけっこ
う……想像しただけでキモチワルイ
しかもシャルロットのショーツの間から金玉はみ出てるしな
町中でこんなことやってよく警察が来ないな
「待ちなさ〜〜〜い」
その格好で女声出すな、周りの人間が一斉に吐き始めたぞ
ある意味タイラントよりも恐ろしいやつだシャルロット
「おいユウ、こっちだ!!」
そう言って近くの路地に入る真、それを追うユウ
「あ、うん!!」
不幸は突然訪れる
「ぐぇっ!!」
あーあ、ユウのやつギターがつっかかって入れなくなってやがんの
狭っこい路地に入るからこうなるんだ
「うわぁぁぁぁぁ!!!!」
後ろから迫るシャルロットのすさまじい気配を感じ必死でもがくユウタン
なにボーゼンとしてんだ真!! おまいそんなヘタレだったか!!?
「伏せろ!!」
「え?」
真の叫びにユウタンはとっさに従う
「オラァァァァァァァァァァァァァ!!!!」
ちょうどやってきたシャルロットに真
会心のドロップキィィィィィィィック!!!!
シャルロットは255のダメージをうけた
「今だ走れ!!」
真、お前今モーレツにカッコイイぞ
- 58 名前: ◆z1nMDKRu0s 投稿日:2005/09/16(金) 17:22:13 ID:daUeVJV/
- とりあえず前の投下分終了
ホフゥ、神たちの投下が続きまくってタイミングがつかめなかったぜ
- 59 名前:姦理人 投稿日:2005/09/16(金) 21:31:28 ID:Q8vy+G0j
- >>40
申し訳ありません、サーバーが落ちていました。
現在は繋がると思います。
>>42
時間が無くて作品を読まずに収録しています、申し訳ありません。
素直は課外授業とは別作品でしょうか?
課外授業から素直へnext(つづく)系のリンクを貼った方が良いでしょうか?
>>52
おまけを分離しました。
そのままの状態で収録の方が良ければ仰ってください。
>>57
ttp://www.usamimi.info/~dansou/ss/03_431.html
3スレ431に繋げました。こうでよろしかったでしょうか?
キャッシュが残っているかもしれないのでリロードした上で
ご確認お願いします。
3スレから全然読めていません。
おかしな所があったら遠慮無く指摘してください。
仕事終わったらまとめ読みじゃーーー!!(まとめサイト作ってて良かった)
- 60 名前: ◆vr7MlHhdvc 投稿日:2005/09/16(金) 21:43:21 ID:ncpD1DkB
- ただいま〜
>>54
ありがとうございます。
今週は土日仕事のクセに完徹……眠い。
>>55
DNhFr3L39Mさん
感想どもです。お気に召していただいたようで。
さぷらいず〜
ジュンが女の子っぽいなぁと思ってたところにあれトモヤ女の子なんだ、うはーな展開でした
>>56
z1nMDKRu0sさん
しがない契約社員っす。
いやぁ、真とうとうやったね。
これからの展開が楽しみですー
>>59
男装少女萌え倉庫 管理人様
収録してくださってありがとうございます!
「課外〜」と「素直」は別モノです。リンクはなしで、おまけは分離されたままでお願いします。
ついでに予告しておくと、次も続き物ではなく、新作の予定です。
まとめサイトってステキだ……
- 61 名前: ◆z1nMDKRu0s 投稿日:2005/09/16(金) 23:05:30 ID:daUeVJV/
- >>59
ありがとうございます!!
これから居眠りには細心の注意をはらいますんであの件は許して下さい
- 62 名前: ◆.Xo1qLEnC. 投稿日:2005/09/17(土) 04:18:58 ID:6rBRAPwG
- 酒の勢いで寝ちまったぜ投下、逝きます。
- 63 名前:R.m.G. ◆.Xo1qLEnC. 投稿日:2005/09/17(土) 04:21:48 ID:6rBRAPwG
- 多分、感情がスパークして、混乱してるのだと思う。
泣いてる女を抱いて慰める、なんて卑怯だと思ってた。
けれど、腕の中の少女を放したくは、無い。
「リディ…」
名を呼ぶと、体が少し離れる。
俯いたままの顎を、上に向かせ、もう一度唇を重ねる。
柔らかく薄い唇を吸い、軽く噛むと、驚いた様に肩がビクリと震えた。
その体を捕らえるように強く抱き締める。
剣で鍛えられてる筈の体は、俺と比べたら全然小さい。
舌を差し入れ、頑なに閉じられた歯列を往復すると、怖ず怖ずと
開かれる。
暖かい口腔を、ぎこちなく掻き回す。
「ふぁ…っ、ん…」
やがて熱い息が漏れ始めると、逃げていた舌が、不器用に絡み付いてきた。
背中に回された手が、ギュッと服を握る。
必死に応えてくれるのが嬉しくて、可愛くて。更に激しく舌を
吸い、絡め合っていく。
くちゅくちゅと淫猥な音と、荒い息の音にどんどん煽られる。
服が引っ張られたので、顔を離す。濡れた口元から、零れ、伝う唾液を親指で拭う。
恥ずかしげに目を逸らすリディの頬は、紅潮し、息が少し荒い。
「初めて?」
尋ねると、無言で頷いた。
「俺も、大して変わんない」
大して、の部分にツッコまれないうちに、さっさとリディを抱き上げ
ベッドにそっと降ろす。
胴に巻き付いていた手が、ゆっくり離れていく。
「傷、痛むんだったら言えよ」
ん、と伏せ目がちに頷く少女の、寝巻のボタンを一つずつ外す。
リディは…息止めて固まってるし。
「そんな緊張するなよ」
こっちまで緊張する。
「ッ!やだ、くすぐったい…」
苦笑して首筋にキスすると、リディは身を捩りながらクスクス笑う。
普通の女の子の笑顔。
舌を出して、首筋から耳元まで滑らせ、甘噛みする。耳の複雑な形を
確認するように舌を這わすと、少し余裕を無くした声が聞こえる。
「ぁ…ん、ん、はぁっ…やっ…」
小さな体がピクピクと震える。逃げようとする頭を片手で抱え、耳穴に
舌を突っ込んでは抜き、耳たぶを甘噛みし、弄ぶ。
俺の息が吐き出される度に、薄い肩が浮く。
その隙に、もう片方の手で残りのボタンを、全て外してしまう。
「…っ!」
上着をはだけさせ、あらわれた白い膨らみに触れる。
…期待してたよか、大きいかも…。
手にギリギリ収まるくらいの、それの感触を楽しむ。
「あっ…んん…や、んっ」
唇を耳元から首筋、鎖骨、胸元と移動させ、上着を脱がせていく。
すると、リディが俺の服をひっぱる。
「灯り…消して…」
ちっ。気付いたか。
「あれー、迷惑かけてもいーんじゃないのー?」
わざと、ニヤニヤした顔を見せてみる。
「……………ばか」
そこまで剥かれて、そんな赤い顔で睨まれても、逆効果なんだが。
- 64 名前:R.m.G. ◆.Xo1qLEnC. 投稿日:2005/09/17(土) 04:23:41 ID:6rBRAPwG
- あまりに可愛いから言う事聞いてやろう。夜目は効くし。
灯りを消しに行くついでに、自分も脱いでしまえ。
素裸の俺の、肝心な場所が見えないよう、目を逸らしている必死さが、
ちょっと淋しい。
いや、見られたい訳じゃないケド。
月明かりを照らし返す淡い肌。細い肩に巻かれた包帯の白さは冷たい。
胸を隠すように組んだ腕の肘の辺りに、脱がせかけた寝巻が絡みつく。
「リディ…」
名を呼び、邪魔な腕をひっぺがして両脇に押さえ込む。
抗議の声が聞こえるが、無遠慮にそれに釘付けになってしまう。
形の整った白い双丘。
引き寄せられる様に頬を寄せると、ビクッと体が跳ね、その柔らかさが
一瞬だけ押しつけられる。肌理細かい肌が気持ちいい。
シミ一つ無い肌を唾液で汚していく。
「ふっ…ン…ぁ…」
少女の息は序々に乱れ、押さえきれない息が声と共に漏れ出る。
片手を解放して膨らみを掴むと、阻止するように
細い指が俺のゴツい手を掴む。
気にせず揉みしだけば、汗ばんだ肌が手に吸い付く。
「やっ、あんっ…ふ…」
零れだす声を、甘い息を閉じ込める様に口を閉じて耐えている。
もっとやらしい声が聞きたくて、硬く立ち上がった先端を、軽く噛んだ。
体が跳ね、高い嬌声があがる。
いつしか揺らめき始めた腰は、逃げたがってるようにも、誘ってる
ようにも見える。
ブカブカのウエストを纏めていた紐を解く。
胸への愛撫はそのままに、隙間から手を忍び込ませ、下着の上から秘部を擦る。
「あっ、や、やだぁ…っ」
反射的に足がぴったりと閉じられる。
そんな反応に嗜虐心が煽られ、閉じられた脚の付け根に指をねじ込み、
さらにソコを擦りあげる。
「やぁっ…あぁ…っ!」
「可愛いな…」
耳元で囁くと、両手で顔を覆ってしまった。
「あぁっ、んっ…っ、はぁっ…あっ」
波打つ体。指が芽をかする度に、波が大きくなる。
脚を閉じる力が緩くなったのを感じ、そのまま下着ごとズボンを
引きずり降ろす。
「ああっ…ダメっ」
引き締まった白い腿、その根元の淡い茂みが晒される。
ズボンも下着も引き抜いて適当に放り、起き上がりかけたリディの
上半身を抱える。力があまり入らないらしく、そのまま俺の腕に
もたれかかる。
顔を覗き込むと
「恥ずかしい…よ…」
耳まで真っ赤にして呟いく。
噛んで声を押さえてたのだろうか。その唇に僅かな血が滲む。
「気にしない気にしない」
「んんっ…」
赤い唇を犬の様に舐めながら、擽ったそうに震える上半身に絡む
上着も取り去る。
- 65 名前:R.m.G. ◆.Xo1qLEnC. 投稿日:2005/09/17(土) 04:25:14 ID:6rBRAPwG
-
…これであの剣の腕前は納得いかん…
ベッドに、華奢な体が横たわる。
その体を隠す包帯も、その下の細い線を浮かび上がらせていた。
無駄な筋肉の無い、少年のような四肢と、胸や腰のなめらかな
ラインが、アンバランスな色香を放つ。
「や…見な、いで」
体を隠そうと動く腕を捕らえる。
「綺麗だから、もっと見たい」
抵抗は無くなったけど再び、ばか、と呟やかれ、顔を背けられてしまった。
脚を開かせ、間に自分の体を挟む。
「もっと声、聞かせて?」
耳元で言うと、頬の赤みが増すのが見えた。
体の中心に指を這わせ、茂みの中へ押し込む。
「はぁっ!…あ、ん、んん…」
奥の秘裂をなぞると、ぬるりとした液が溢れてくる。
その液を塗りたくるように掻き回すと、腰が動く。
「ふっ…んっ…う…」
「我慢すんなってば」
口を塞ごうとするリディの右手をとる。
その繊細な手には不釣り合いに、剣を使う者特有のタコが浮かぶ。
「汚い…手、で…ごめん…」
「そう?」
この、剣を頑張った手みたいに、家族のために頑張りすぎて、
泣き崩れた女の子。
汚いのは、それにつけ入ってる俺の方です。はい。
その手の平をベロリと舐めると、悲鳴とも喘ぎともつかない声が上がる。
シーツをギュッと握る左手も取り、口付けて両手とも頭上に上げさせる。
引き締まった腕を下り、胸の膨らみを感じさせる脇を、括れた
脇腹を、細い腰を両手で辿る。
秘部をいじった指に絡み付く愛液が、光る筋を描く。
「はっ…あ、あぁ、んっ…ふ…」
戸惑いがちな嬌声が零れ、もどかしそうに体が揺れる。
乱れてシーツに広がる黒髪が、汗ばむ肌に絡み付く。
せつなげに眉根を寄せる、その表情がなんかエロい。
入れたい。
無意識のうちに、先走りで濡れた自身を、リディの下腹に擦りつけていた。
クリスが目覚めたら…
ふと、思う。
二人で故郷へと帰ってしまうだろう。
そうしたら、もう会うことも無くなるかもしれない。
一夜の慰み。それで良いと思っていた。
いつかは、この夜はただの思い出となり、風化していく。
それで良いと思っていた。
なのに、なんで…
その事を思うと、胸が締め付けられ、息苦しい。
- 66 名前:R.m.G. ◆.Xo1qLEnC. 投稿日:2005/09/17(土) 04:27:45 ID:6rBRAPwG
-
熱に浮かされたように朦朧と、豊かな胸元に唇を落とす。何度も何度も。
吸い付く度に敏感になってきた彼女の体は反応を返す。
体中を目茶苦茶に触りながら。
すぐに消えてしまうのは解っている。でも、少しでも長く残るよう、
二の腕に、首筋に、腹に。初めての感覚に翻弄され、揺らめく体に
痕を残していく。
左の腿を、その感触を味わいながら持ち上げる。内側の付け根に近い、
薄い皮膚にも痕を刻む。
両足を肩に担ぎ上げ、腰を高く持ち上げ脚の間に顔を埋める。
「え…や、やめっ…」
慌てて起き上がろうとするが、この体勢では起き上がれない。
―ピチャ
「ひぁっ!」
舌を伸ばすと一際高い嬌声が上がり、背が反り返る。
小さな尻を掴み、舌を深く這わすと腰がもじもじと動くが、逃がさない。
秘部を両手で押し広げ、赤い芽を、絡みついた液を剥ぐように舐める。
「あっああっ、ん、やっ、そこ、や、だぁっ…っ」
俺の髪に絡み付く力の入らない指が、必死に閉じようとする両足が、
もっと、とねだっているようだ。
人差し指を、ヒクつく穴に入れる。
「はぁぁっ!あ…ん、ふぁっ、やっ」
熱い肉が、指を飲み込もうと蠢く。舐め取っても、とめどなく液が湧き出る。
指を動かしながら、芽を吸い、舌で転がす。ビクビクと跳ねる腰を抱き締め、
指を二本に増やし、存分に中をいじる。
溢れ出る液が、俺の手も口の周りもベタベタにしていく。
「あ、あ…やああぁっ!」
芽を吸い、軽く噛むと、全身が震え大きく跳ねた。
指がキツく絞られる。
クタリと細い腕が落ち、小さく震えていた。
リディの頭の横に片手を着く。
入り口に自身をあてがい、リディの目を覗き込むと、熱を帯びた碧眼が俺をみつめ返す。
―好きだ―
出かけた言葉を飲み込む。
言わなくていい。
これが一夜の夢ならば。いつか幻と消える言葉ならば…
首筋の赤いしみをなぞる。
「ホーク…」
腕の中の少女が俺の名を呼ぶ。その腕が首に絡み、引き寄せられる。
そして、耳元でピチャと小さな音。舌の感触。
ゾクリとして思わず体を退けば
「仕返し」
と、イタズラっぽくリディが笑う。
その笑顔に、少し救われた気がした。
「――…んっ!ふっ…ぅ…」
ゆっくり腰を押し進めると、辛そうな呻きが漏れる。
キッツい…熱くて、狭い。ぎゅうぎゅうと締め付けられて、
精を吐き出しそうになる。
「力…抜いて…」
瞼に、頬に、耳に唇を落とす。
「ん、くっ…んんっ…っ」
ギュッと瞑り痛みに耐える目尻から、涙とも汗ともつかない雫が伝う。
全て入れきり、動きを止めた。
- 67 名前:R.m.G. ◆.Xo1qLEnC. 投稿日:2005/09/17(土) 04:30:35 ID:6rBRAPwG
- 「大丈夫…?」
「ん…へい…き…」
目に涙を浮かべたまま微笑む。
平気そうじゃねーよ。
「だから…おにーさんの、前で、強がるなって…」
髪を梳く様に頭を撫でてやると、気持ち良さそうに目を閉じる。
指に絡む柔らかな髪の感触が心地良い。
「動くぞ…」
自身の要求に耐えられなくなり、でもゆっくり、腰を動かし始める。
「っ…く、あ、あっ…」
辛そうで、でもどこか甘さを含んだ声が聞こえる。
その甘さが脳に染み込み、残った僅かな理性を浸食していく。
俺の動きに合わせ、妖しく揺れ始める腰。
ただ本能に突き動かされ、"女"を貪っていく。
「はっ、ん…はぁっ、あぁ、ぁんっ」
グチュグチュと互いが交わる音に、誘うような声が混じる。
肩から背中に回された腕に力が籠もる。
中の締め付けはどんどん強くなり、欲望が加速していく。
溢れ零れる声すら愛しく、荒い息の中ついばむように口付けた。
一夜の夢なんて嫌だ…。放したくない。欲しいんだ…!
どんなに深く繋がっていても、それが手に入いることが無いような焦燥感。
ただ目の前の女を欲し、好き勝手に突き上げる。
体が離れた一瞬に目が合う。
同じ想いを、その青の中に見た気がした。
「リディ…!」
その体を強く掻き抱き、深く貫く。
「はぁっ…!ホー…クぅ、あ、あぁっ!!!」
小さな体が跳ね、中の肉がキツく、キツく絡み付く。
俺は自分の中の全てを吐き出すように、リディの中で果てた。
………しまった。
悦楽の余韻から覚め、海よりも深く反省した。
力の入らない手がかろうじて俺の肩に引っ掛かっている。
反対に締め付けの止まない中に長居は危険と悟り、自身を引き抜く。
「あ…ん…」
肩からパタリと手が落ちる。
「すまない」
少し惚けた瞳が俺を見据える。
「…え?」
「外に出すつもり、だったんだが…」
「あ…」
ぶん殴られるか、泣かれるか。それこそ悪口雑言で罵られるのは
当然と覚悟していた。が、
「ホーク…」
腕が伸び、先程の様に引き寄せられ、軽いキスをされる。
「リディ…?」
彼女はただ、優しく微笑むだけだった。
- 68 名前:R.m.G. ◆.Xo1qLEnC. 投稿日:2005/09/17(土) 04:32:52 ID:6rBRAPwG
- * * *
水気を含ませたタオルを用意し、体を拭いてやろうとしたが、
恥ずかしいと拒まれた。
彼女が自分で拭き終わるのを待ち、包帯を巻き直してやる。
「傷、本当に塞がってるな…よし、これでOK!」
「ありがとう」
恥ずかしそうに、そそくさと上着を羽織り、リディが振り向く。
「眠そう」
笑われた。
「ちょっとな」
「じゃあ、ホークが寝るまで一緒に居る」
おーい、また襲うぞ。
半ば強引にベッドに横にされると、意識がどんどん遠くなる。
その中で、俺の髪に何かが触れる感触と、耳元で囁くリディの声が
聞こえた気がした。
* * *
「リディちゃーん、シャツ、乾いてるよー」
ローズの声。そして、廊下を行く足音。
『リディ』
その名に反応して飛び起きる。
日は高く昇っていた。
部屋にはもちろん俺一人。あれは夢だったのかと疑うが、
ベッドには生々しく、情交の紅い跡が残っていた。
昨夜を思い出し、多少自己嫌悪に陥りつつ、シーツを丸めてベッドの
下に放り込む。
後で、ローズにみつからないように処理しなければ。
……取り敢えず、一風呂浴びよ。
風呂場の鏡に映る、自分に目が止まる。胸元に、赤黒い痣。
「これも仕返し…か?」
俺が寝付いた後に付けたのだろうか。
昨夜の笑顔が浮かび、笑いが込み上げる。
…嫌われてはいないみたいだ…
* * *
台所では、ローズとリディ、それにいつ起きたのか、クリスが食卓に
ついて茶を濁していた。
「おう、おはよー」
冷静を装い、踏み込んでいく。
内心は昨夜の物音に気付かれてやしないかと、ビクビクしていた。
皆それぞれが挨拶を返してくる。リディは心なしかぎこちない。
「クリス、起きたんだな。」
「今朝、目が覚めたんだ。おかげ様で元気だよ。」
よし、クリスにはバレて無い。
「でも、珍しいね。ホークが朝寝坊なんて。いっつも早起きなのに」
と、ローズ。
「まーたまにわな」
痛いトコ突かれて、棒読みだ…。
「朝の水撒きはやっといたわよ。リディちゃんも手伝ってくれたんだから。
ねっ」
「あ、まじ?サンキュな。」
「あ、ううん」
目を合わせるのがやたら気恥ずかしい。
昨夜絡み合った少女は、出会った時の様な少年の格好に戻っている。
平然としてるかと見え、頬が微かに赤い。
- 69 名前:R.m.G. ◆.Xo1qLEnC. 投稿日:2005/09/17(土) 04:34:41 ID:6rBRAPwG
-
水を汲んで、一気に飲み干す。
「あのさ、ホーク。」クリスが口を開く。
「僕達、今日帰ろうと思うんだ。」
「えっ、クリスちゃん達までもう行っちゃうの!?」
俺の心を代弁するかのようにローズが叫ぶ。
「二人とも体調は大丈夫なのか?」
「ボクはもう全然平気だよ」
「私も、傷は全部塞がって…痛みも、大丈夫」
言葉を選びながら喋ってる風なのは俺への気遣いだろうか。
「そっか。…ローズ、仕方ないだろ。こいつらだって、自分達の家
が心配だろうし…」
ローズに向かっての台詞も、実は自分に言い聞かせてのもの。
幻の様な情事の中の、気の迷いだと。朝になれば消えてると、
期待した想いは、今もなお残り続けていた。
* * *
結局、互いに特別な言葉を交わすこと無く、出発の時刻を迎える。
なくしたコートの代わりに、俺の使い古しのジャケットをリディに
提供したが、やっぱデカかったようだ。
袖を折って無理に着てる姿が(略)。
「ホーク、ローズ、本当にありがとう」
馬を引きながら、クリスが言う。
「大した事してねーけどよ」
「ううん。今度、何かお礼するよ。そうだ!園芸好きなんだよね。
今度、リディに処女地の開拓でも教えてもらう?あ、もう教えて
もらった後かな?」
…その声と表情はからかいに満ちている…。
俺は顔が引きつるのを感じた。
あ、リディが固まってる。
「どぉゆー意味かな?」
笑顔は絶やさない。
「山も平和になったんだし、開拓して農業も始めてみれば?」
互いに、笑顔のまま睨み合う。
「クリス…なんか性格変わってないか?」
喋り方も、なんか微妙にエラそうだ。
「ああ、こっちが素だよ。リディの男らしさが引き立つよう、
おとなしいフリしてたんだけど。もう、バレちゃったから、
意味ないでしょ?」
おい。
「…クリス」
リディがゆっくり口を開き、
―ゴスッ
クリスの後頭に、拳をヒットさせる。
「さ、行くわよ」
痛そうに頭を抱え、しゃがみ込むクリスを余所に、さっさと馬に
飛び乗ってしまった。
あっはっはっ、恐ぇー…
「ホーク…。リディの素は、コレだから」
「肝に命じとくよ…」
- 70 名前:R.m.G. ◆.Xo1qLEnC. 投稿日:2005/09/17(土) 04:35:52 ID:6rBRAPwG
-
「今度はゆっくり遊びに来てね。絶対よ!」
見送りに立つ俺らに、馬上の二人が笑顔を返す。
リディと目が合う。
「何かあったら、いつでも来いよ」
いや、ホントにね…
「うん!」
嬉しそうな笑顔。あー、やっぱ帰したくない。
「こっちが落ち着いたら、家にも来てよ。トビーさんも一緒にね」
「ああ、そうだな」
ま、会いに行く口実もいくらでもあるな…。
二人は元気良く挨拶し、馬を走らせる。
これで、本当に全てが終わった。
「…で、ホーク?」
二人が見えなくなり、振っていた手を降ろし、ローズが言う。
「ん?」
「リディちゃんと、何があったのかな〜?」
ニヤついた顔がこっちを向く。
こ、コノヤロウ。なに楽しそうにしてんだ、こら。
「別にー」
なんとかシラを切るが…
「ふ〜ん…リディちゃん達に会いに行く時は、私も連れてってね!
クリスちゃんは私が遠ざけといてあげるから♪」
「どういう意味だ!それは!」
「別にー」
さっきの俺を真似して、逃げるように家に入るローズを追い掛ける。
これで全ては終わった。けど、また彼らに会える事を願い…扉を閉めた。
R.m.G.
-Robber meets Girl-
THE END.
- 71 名前: ◆.Xo1qLEnC. 投稿日:2005/09/17(土) 04:44:27 ID:6rBRAPwG
- 以上、本当に終了です。
レス下さった方々、お付き合い頂いた皆様、まことに有難うございました。
これで名無しに戻り、神がいらっしゃるのを待ち続けますよー。
特に、
>白雀氏
>次回作で挽回
ヨダレ出ました。ワクテカダラダラ
では、またいつの日か〜
チラシの裏
クリスが風呂場前で待機してたのは、間違って誰かが風呂に
入らないよう見張ってただけでしたーw
- 72 名前: ◆z1nMDKRu0s 投稿日:2005/09/17(土) 07:17:41 ID:tXs5PIZF
- 生き生きとしたキャラ
かーいい反応をバンバン見せつけるリディタン
そしてチラシの裏でわかった新事実
もうGJ!!としか言えませんがな
俺のチラシの裏
クリスが風呂場に座っているとき裸だったんですか?
- 73 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2005/09/17(土) 08:59:07 ID:FnUINHrV
- >>71
土曜の朝から良いものを拝ませてもらったぜ……
GJ!!
ところで俺のチラシの裏
実はリディばかりではなくクリスも女の子で、怒涛の3Pに突入ッ!
という展開を期待した俺は勝ち組?
- 74 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2005/09/17(土) 09:49:09 ID:tXs5PIZF
- >>73
お前、頭いいな
- 75 名前:名無しのアヒル 投稿日:2005/09/17(土) 16:39:39 ID:JaA8XGq2
- 前スレの埋め立てにダメ元で新作投下したところ、名前忘れた上、間違って上げてしまいました、すみません。
小説の投下で前スレが完全に書き込めなくなったのでこちらに・・。
後、新作のタイトル「遠井家の人々」で。
- 76 名前: ◆aPPPu8oul. 投稿日:2005/09/17(土) 17:54:40 ID:fe273v2C
- >75
自分の投下終了時でのこり1kbだったんで書いておくべきでしたね
管理人さんが拾ってくださるといいんですが…
- 77 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2005/09/17(土) 18:02:14 ID:fdk9WjCs
- いまはまだ前スレを見ることができるみたいですが…
>名無しのアヒル様
同じものをこちらにも投稿なさってはいかがでしょう。
せっかくの作品がもったいないです。
- 78 名前:遠井家の人々 投稿日:2005/09/17(土) 18:18:47 ID:JaA8XGq2
- 【アドバイスの通りこちらに投稿することにしました。ご迷惑掛けてすみません。容量を抑えるために隙間を開けるのをやめました。
内容も少し直しました。「鬼道」もちゃんと続けます。】
ここは遠井城という遠井家の居城である。城主遠井真琴とその一人息子絢夫が暮らしているが最近城主の真琴の様子がおかしい。
「一体どうしたんだろう。健康が取り柄の父様が今日も体調が思わしくないなんて・・。」
そう絢夫は三人の従者に話し掛ける。絢夫は明るく人なつっこい印象が特徴の可愛らしい少年である。
その父真琴はそんな息子に似ても似つかず、可愛い名前もまた似合ってない見るからに健康で逞しい男性である。
見た目通り豪胆で、毎朝の乾布摩擦と武術の鍛錬は毎日欠かさない、身も心も逞しい男である。
そんな真琴がここ数日熱っぽく布団から出ることが出来ないでいる。40何年間生きてきて、風邪一つ引いたことないと自慢してたのに。
しかも医者に見せても原因が不明であった。
「きっと大丈夫ですよ。あの真琴様が病気なんかに負けませんよ。」
そういって従者の一人、春希が慰める。控えめで利発な性格で繊細な容姿をしている。
「大丈夫など状況も掴めぬのに軽々しく口にするものではないぞ。」
「そんな言い方ないだろ!!夕顔丸!!兄貴は絢様を慰めようとしてんのに!!!」
夏希が怒りの声を上げる。夏希は春彦の双子の弟である。容姿は兄に瓜二つの優男だが
負けん気が強い性格で雰囲気はかなり違っていた。その夏希が怒った相手、夕顔丸は春希、夏希兄弟とは違い、
半年程前遠井家に仕え始めた。辛辣な口を利く上、素性を話さない。楽観的な性格の真琴と絢夫はそんなこと気にしないが
夏希はことあるごとに夕顔丸につっかかていた。
「・・慰めたところで病気が治るわけでもあるまい。」
「てめぇ!!!」
夏希が夕顔丸に掴みかかろうとしたところ
「夏希!!やめるんだ!!」 「やめなよ!!」
春希と絢夫が同時に制止の声を上げる。その二つの声に夏希の動きが止まる。
「春希も絢様もなんでこんな奴かばうんだよ!!」
「今、喧嘩する様な状況じゃないだろ。」
春希が諭す。その説得に夏希が引き下がる。
「ちっ、春希と絢様に感謝するんだな、夕顔丸。」
「別に貴様と喧嘩したところで負ける気はしない。ま、面倒ごとは避けられただけよいが。」
夏希はその言葉に再び怒りを覚えたが仕方なく抑えている。
「・・・一応言い過ぎたとは言っておこう。」
『なら余計なこと言うな!!』 夏希は内心怒声を上げた。
その状況に少し困りつつも絢夫は父の心配をした。
「父上・・。」
- 79 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2005/09/17(土) 21:50:01 ID:KiJ1T8PL
- 皆さん毎度毎度神作品GJ!
今まで飢えていた男装萌えが満たされます。
ところで土曜日の情事の続きは…楽しみに待ってます。
- 80 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2005/09/17(土) 22:00:35 ID:OXkvw6Rk
- >>前スレ515
衆人環視の中で天然娘に言葉責めされて、赤面してる司が可愛い!
是非とも、そのM性につっこませ(ry
>>78
待望の和風新作が!
この先の展開が楽しみです!
良作SSを投下される神々にGJ!!
- 81 名前:8838 投稿日:2005/09/17(土) 23:19:53 ID:6Hih6bIC
- >>79
スマソ、まとまらなくて。でももうすぐ出来そう。
これまでのカキコ全部読んでます。もちろんSSも。
時々自分が書くのも忘れて保管庫でもう一度全部読みまくります。
萌えます。素晴らしいです。新作の嵐最高です。
自分のSS待ってくれてるカキコも全部読んでます。
ちょっとリアルが忙しくてレスは付けられないけど
本当にありがたいです。ありがとう。
- 82 名前: ◆.Xo1qLEnC. 投稿日:2005/09/18(日) 00:16:51 ID:yAofpYg/
- レスありがとですた。
>>72
考えてなかった…
男らしく裸も良いですが、行儀が悪い、とリディさんの鉄拳制裁が
入るでしょうから、何か着てたと思われます。
怒る気も無くすような、素裸説も捨てがたいですがw
やっぱ、ショタさん悩殺ダブシャツが有力かなぁ…
お好みで脳内補整して下さいw
>>73
エロ初書きなんで、無難な感じにまとめましたが、一時ソレも
考えてました。
よって、勝ち組とゆーよりエスパー認定!
- 83 名前:名無しのアヒル 投稿日:2005/09/18(日) 03:00:29 ID:+PwOa+Em
- >>実はクリスも女の子設定
自分もそれ考えてました。エッチシーンGJでした!
>>80さん
応援ありがたいです。「遠井家」は最近流行りの男装少女が複数だったり
誰が男装少女か当てるネタに触発されて書きました。
>>前スレの百合司
天然羞恥攻めいいです!男同士だとホモに思われ女同士だと羞恥攻めされる。司大変ですね。
>>白雀さん
自分も前スレの埋め立てしようと新作投下したところ名前もタイトルも忘れるは、上げてしまうは
埋まったのはいいけどあとがきが書けなくて結局このスレに投下し直すという失敗を犯してしまったので
落ち込まないで下さい。次回作頑張って下さい。このスレでは中華物は貴重なので。
>>vr7MlHhdvcさん
しっとりとした雰囲気でよかったです!和物も頑張って下さい。図々しく二作も書いてる自分の作品だけでは
もったいないですから。
>>z1nMDKRu0sさん
いつも通り笑わせてもらいました。真がいつになくかっこいいですね。
>>姦理人さん
いつも仕事ご苦労さまです。「遠井家」も収納されてますね。紛らわしいことしてほんと申し訳ありません。
>>8838さん
自分も「土曜日の情事」楽しみにしてます!自分のペースで頑張って下さい。
- 84 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2005/09/19(月) 00:10:58 ID:gWVRTBM8
- チラ裏だが
漏れが最初に読んだ男装少女モノは
手塚治虫の「リボンの騎士」だ!
次は
池田理代子の「ベルサイユのバラ」だ!
「とりかえばや」なんて古典もあるし
シェイクスピアだって「十二夜」を書いてる。
あ、「ベニスの商人」もびみょーも男装ネタありだ。
男装少女モノは古今東西共通の萌えなのだ!
と
投下の間に叫んでみる。
神々よありがとう!
- 85 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2005/09/19(月) 00:38:05 ID:VQBP0JmE
- リボンの騎士もいいがどろろもいいぞ!
自分の始まりはおそらく名探偵ホームズ(犬)の青いルビーだな。
ケモノ萌えもあってまじオススメ
- 86 名前: ◆DNhFr3L39M 投稿日:2005/09/19(月) 00:44:02 ID:v1fh6Hn7
- 便乗してチラシの裏
自分が最初に見た男装少女キャラは、
NHKのアニメ三銃士に出てきたアラミスでした。
しかも行水シーンだったから、激しく印象に残ってますよ。
次に印象に残ってるのは、FF5のファリス。
あの3頭身のデフォルメ絵にすら萌えまくってました。
あと、チラシの隅っこ
こないだの百合の続きを書いとります。
出来上がったら批評ヨロ
- 87 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2005/09/19(月) 00:49:48 ID:81IRHwCT
- 突然すいません!
古典なら「有明の別れ」がオススメですよ
自分が読んだのは南条範夫版で
話は「とりかえばや」と似ていますが
悩める男装の姫君がまた艶っぽくてたまりません
平安時代から男装少女萌え文学…凄いですね
- 88 名前: ◆z1nMDKRu0s 投稿日:2005/09/19(月) 00:51:25 ID:oqqzo9Rs
- >>86
がんがれ
俺の男装少女萌えの祖先はクーデルカのヨシュアタンだな
ただの正義感の強い少年だと思ってたのに……
- 89 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2005/09/19(月) 00:57:12 ID:WWT+ncnP
- 俺の最初は男装少女じゃないけど、じゃじゃ馬グルーミングUPのひびきだな。あのショートカットに惚れた。
…んで中2の時に見たウテナで完璧に止め刺されると
- 90 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2005/09/19(月) 01:19:22 ID:Lbp/UpuL
- 私の原点はPiaキャロ2の神楽坂潤…と流れに乗ってみる。
- 91 名前:実験屋 投稿日:2005/09/19(月) 02:00:40 ID:YNN7xv7N
- 完成しました。
−−−−−−−−−−−−−−
「啓ってさ・・・」
「ん?」
「カワイイ。」
そう言うと啓は顔を真っ赤にさせた。
「何言ってんだよ!」
「ホントのことじゃん。」
胸に顔をうずめて擦り寄ってる姿は確かに格好いいとは言えない。
「アタシ母性本能が豊富だから、その方が良いんだけどね。」
そういった途端に二人の体はベッドに沈み込んだ。
「んふっ、あぁむ・・んん」
二人は抱き合いながら激しいキスを交わす。互いの舌が絡み合い
涎が零れ落ちても二人は互いをむさぼり続けた。
- 92 名前:実験屋 投稿日:2005/09/19(月) 02:01:27 ID:YNN7xv7N
- 啓はレオの制服に手を掛けワイシャツのボタンを外す。ブラをしていなかった
シャツの中からはレオの胸があらわになる。
「綺麗な胸だな。」
言うと同時に啓はレオの胸にむしゃぶりつく。
「あぁ、うっ・・・うぁ!!」
あまりに強く吸い付かれる刺激にレオは思わず叫んだ。
「悪りぃ、大丈夫か?」
「あ・・大丈夫だから・・・続けて。」
レオの許可が下りた為、啓は再び胸に吸い付く。
「うぅん・・・あっ!!・・・いいよ啓。」
レオの声が徐々に熱を帯びてきたのを感じる。
「あぁ・・んっ・・・やっぱり・・・カワイイよ・・啓って」
啓の頭を撫でるように触れながらレオが呟く。
「なんでだ?」
「だって・・・さっき・・から・・オッパイばかり・・・赤ちゃんみたい」
- 93 名前:実験屋 投稿日:2005/09/19(月) 02:02:43 ID:YNN7xv7N
- 「う、うるせぇ!!!」
羞恥で顔を高潮させた啓は仕返しとばかりに胸への刺激を強める。
「あぅっ!!・・・ちょ・・ちょっと!!」
「胸以外にもやってやろうか?」
啓の右手がレオの股間に伸びる。
ジイィィィと社会の窓を開放し指を送り込んでいく。
「ああぁ!!!!」
「濡れてるな。」
ショーツ越しにも分るほどにレオの秘所は濡れていた。啓はそのまま下着越しに
愛撫を繰り返す。
「はぁっ!!・・そんなに・・一気に・・・あっ!!」
右胸は啓の左手で胸を揉まれ、左胸は啓に舐め回され、秘所は啓の右手に翻弄される。
休む間もない三点攻めにレオは快感の声を荒げた。
「どうだ!?レオ?・・参ったか?」
「うぁ・・あっ、うぅん・・・まだまだ。」
- 94 名前:実験屋 投稿日:2005/09/19(月) 02:03:57 ID:YNN7xv7N
- (!!・・・・レオ)
啓の執拗な攻撃に耐え微笑むレオ。その姿は、ダダをこねる子供を
あやす母親のように啓には映った。
「・・・・挿れたい。」
「え?」
「レオに挿れたい・・・いい?」
啓の顔から先ほどの荒々しさは消えていた。代わりに許しを請い、
縋る様な視線を向けてレオを見つめる啓。
「・・ウン。おいで。」
レオは優しく微笑み啓を促した。
「レオ・・・・」
ズボンを脱がさないようにショーツをずらす。本来なら肉棒を出す社会の窓に
それを差し込もうとは・・・。
「啓・・・・きて。」
- 95 名前:実験屋 投稿日:2005/09/19(月) 02:05:18 ID:YNN7xv7N
- 啓はレオに覆いかぶさり、勃起した自分の肉棒を秘口にねじり込む。
「んっ・・ぅあぁぁ!!!・・・啓・・・あぁ!!」
自分の中に異物が進入する感覚にレオはゾクリを背中を仰け反らせながら
体を振るわせた。
「啓ぃ・・・気持ち良いよ・・・動いて・・・」
「わかった。」
啓はゆっくりと腰を動かしながらそれに答える。少しずつスピードをあげ
何度もレオの身体を貫く。
「いい・・いいよ・・・啓・・・もっと・・もっと」
レオの要望に答えさらに突き上げる啓。ふと、横に目を見やる啓。
その視線の先にはサイズの大きい啓のブレザーの袖をシッカリを握り締める
レオの手があった。
「レオ・・・・」
啓をレオの手をゆっくりと持ち上げると自分の背中に回した。
「啓・・・」
「俺だって、そこまで甘えん坊じゃない。レオも俺に甘えろって。」
- 96 名前:実験屋 投稿日:2005/09/19(月) 02:06:43 ID:YNN7xv7N
- 「啓!!」
レオの啓を抱きしめる力が大きくなる。そんなレオを離さないように
啓は二人の接合点に力を入れ、大きく打ち付けた。
「ああぁ・・・啓・・・」
レオが快感に身体を震わせる。レオの仕種に限界を感じた啓。
自分にも限界が迫っていた。
「レオ・・・イきそうだ。」
「いいよ・・・アタシも・・・もう!!」
ラストスパートに大きくレオを貫く啓。それにレオも応え腰を
動かし乱れる。
「あぁ!!・・・啓・・・イク・・・イっちゃう!!」
小さな震えだったレオの中の振動が大きく蠢き、まるで触手が生えたかのように
啓の肉棒に絡みつく。
「レオ・・・レオォォ!!」
蠢きに完敗した啓は自分の中にあった全てをレオに解き放った。
- 97 名前:実験屋 投稿日:2005/09/19(月) 02:08:11 ID:YNN7xv7N
- 「なぁ・・・レオ。」
「なに?」
一仕事終え、同じ布団の中で語り合う啓とレオ。
レオの腰の当たりに縋るように巻きつく啓。完全に親に泣きつく子供だ。
「もう男を引っ掛けるの辞めろ。」
「どうしたの・・・いきなり。」
「俺・・・働くから・・・真面目に働くから・・・」
「啓・・・」
レオは啓の顔を両手で包み、その顔を見つめる。
「初めてヤキモチ妬いたんじゃない?」
「それは・・・だって・・・」
「いいよ。心配しないで。もうしないから。」
「ホントか!?」
「ウソ言ってどうする。」
「ゴメン。」
「まったく・・・啓はカワイすぎ!!」
そういいながら、そのまま二人は布団に潜り込んでいった。
- 98 名前:実験屋 投稿日:2005/09/19(月) 02:09:54 ID:YNN7xv7N
- −半年後−
啓のアパート・・・
「ただいま〜」
「お帰り。」
「ジャジャ〜ン。はいボーナス!!」
「おぉ〜!!本当に賞与って書いてある。」
「俺って結構有能なんだぜ。」
「エライエライ。」
そういって啓の頭を撫でるレオ。その手の薬指にはシルバーのリングが・・・・
「怠けてらんねぇからな。」
「そうだね。」
啓がレオのお腹に優しく触れた。よく見るとレオのお腹は膨らんでいる。
「パパは頑張ります!!」
「いいぞ、頑張れパパ。」
〜おしまい〜
- 99 名前:実験屋 投稿日:2005/09/19(月) 02:10:54 ID:YNN7xv7N
- 〜おまけ〜
有紀「僕たち出番少なかったね。」
狂介「俺なんかセリフ無いぜ。」
有紀「エッチしてるとこ、みんなに見られたし・・・」
狂介「それは違うぞ有紀。」
有紀「え?」
狂介「見せてんのさ!!エッヘン!!」
有紀「狂介のバカーーーーー!!」
有紀の攻撃!! 狂介に999999のダメージ
狂介「グフッ・・・・・・イグナイテッド」
〜ほんとにおしまい〜
- 100 名前:実験屋 投稿日:2005/09/19(月) 02:17:57 ID:YNN7xv7N
- 以上、番外編になります。時間かかりましてスイマセン。
本来はこの話、全くの別物で途中で挫折したのを
番外編で書き直したんですが、おかげで升沢が別人になってしまった。
この二人この後チョイ役で出そうかと思ってます。
ではどうぞ。
- 101 名前:名無しのアヒル 投稿日:2005/09/19(月) 02:51:25 ID:vwwCm2kg
- >>実験屋さん
GJです!ある意味漫画キャラのお約束をいってますね、升沢。
狂介と有紀と再会したらどうなるか気になるのでぜひまた登場させて下さい!
オチ担当も引き続き見たいです。おまけも面白かったです。この小説の登場人物は
並大抵の神経じゃやってけないですね。
>>男装少女の原点
自分は覚えてないです。気がつけば男装萌えになってたって感じです。
新作の「遠井家」、男装少女は誰だと思いますか、と.Xo1qLEnc.さんの受け売りな質問してみます。
- 102 名前: ◆z1nMDKRu0s 投稿日:2005/09/19(月) 03:01:39 ID:oqqzo9Rs
- おい升沢
お前いじられ役だろ!!?
なに幸せ掴んでんだコノヤロー!!
GJ!!
- 103 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2005/09/19(月) 06:39:23 ID:YpE3eeVG
- >>101
夕顔丸。男装&ツンデレで一粒で二度おいしいw
- 104 名前: ◆DNhFr3L39M 投稿日:2005/09/19(月) 12:04:29 ID:zOGA8PWN
- >>100
実験屋さんGJ!!
小悪党→出オチ担当→主人公格
という見事な出世&幸せGETで美味しい奴だぜ升沢ぁ!
>>101
まったく予想がつきませぬ。
>>83で『男装少女が複数に触発された』と仰ってましたから、
一人という可能性は格段に低いのでしょうが、これ自体がミスリードのような気も。
ほとんど勘だけで、春夏の双子が女の子と予想してみまつ。
- 105 名前:遠井家の人々 投稿日:2005/09/19(月) 14:56:51 ID:vwwCm2kg
- 【続きです。まだエロにも行き着いてなければ確信にも迫ってません。「鬼道」と違ってかなりノリ軽いです。】
「絢様!優秀な医者の情報掴みました!」
普段落ち着いている春希が珍しく快活な声を上げた。
「本当!どこにいるの?どんな人?」
絢夫がそれに合わせる様に声を上げた。春希とは違い、いつも元気な絢夫だがここ最近は真琴の病気のせいで
元気がなかった為、久しぶりの快活な声。それを聞いた春希は嬉しげな顔をする。
「甥鳴山(おいなりさん)の深くに済む白々斎(はくはくさい)という者です。」
「なんか美味そうな名前づくしだな・・。」
夏希が何気なく言うと
「すぐ食べ物のことを連想するなど本能丸出しで動物の様だな。」
夕顔丸がイヤミを言う。
「てめぇ!またか!!」
いつもの通りそのイヤミに夏希が怒声を上げる。
「夏希!やめるんだ!!」
そしていつもの通り春希が制する。
「夕顔丸さんもこんな時くらいイヤミなことを言うのはをやめて下さい!」
いつもは夏希を制して終わるのだが医者の情報を掴み絢夫が久しぶりに元気を取り戻した状況なので
夕顔丸にもきつく言いつける。穏やかで女性的な風貌の春希だがその様子は妙に迫力があった。
「・・・・悪かった。」
「わかればいいんですよ。」
さっきとはうって変わって少女の様な愛らしい笑顔を浮かべる春希。その笑顔を見た夏希は
「春希の兄貴には敵わないな・・・。」
と困った顔をした。性格は短気だが顔立ちは春希同様女顔な為、春希の笑顔とは違ってはいるものの
普段とは違い可愛らしい表情だった。
「ふふふふふ。」
そんな光景に不思議と微笑ましさを感じたのか絢夫が笑う。
「いつもなら父様もここで一緒に笑うんだけどな。ガハハハハハって。あー早く父様の笑い声が聞きたいなぁ。」
絢夫は父の豪快な姿を思い出して子供の様にはしゃいだ。それに乗る様に春希が答える。
「きっとすぐ聞ける様になりますよ。」
引き続き愛らしい笑顔を浮かべる春希を見てそれに負けず劣らず可愛い笑顔を浮かべる絢夫。
やれやれといった感じの表情を浮かべる夏希。さっきと変わらぬその表情は笑顔とは違うものの可愛らしい雰囲気だ。
そんな三人とは違い、夕顔丸はいたって無表情であった。
- 106 名前:遠井家の人々 投稿日:2005/09/19(月) 15:00:24 ID:vwwCm2kg
- 「で、その白々斎とやらはどの様な男なんだ。」
夕顔丸が口を開く。彼がイヤミ以外で口を開くのは珍しいのだがその声には苛立ちが含まれていた。
緊張感がないゆえに話が進まない三人に苛立ちを感じてる様だ。その様子に気がついた春希が答えた。
「なんでも山に隠れ住んでるだけあって非常に変わり者らしくて・・。たまに仕事の為に山を降りてきては
法外な収入を請求するそうです。」
「よくいるよな、そういう奴。半分白髪で顔に傷ある奴とか。」
夏希が突っ込みを入れる。
「へえー。お金は、大丈夫だけど・・。」
「そんな偏屈者、信頼できるのか?」
絢夫の言葉に夕顔丸が割って入る様に話す。
「それは行ってみないとわかりませんよ。」 「またお前はそう水を差すようなことを!」
穏やかに受け答える春希と怒りながら声を上げる夏希の対称的な声が同時に響いた。
「ちょ、ちょっとなっちゃん!そんな言い方はないでしょ!」
今回は絢夫が夏希を制した。
「でも、はーちゃんの行ってみないとわからないってのはごもっともだよね。よし!思い立ったら吉日!
早く行く準備しよ!!今日は無理だけど。」
見た目は似ても似つかないものの父ゆずりの前向きさで決意する絢夫。それに夕顔丸が口を挟む。
「絢夫様が行くことはあるまい。真琴様の為とはいえ若様が城を簡単に空けるのは感心しませんな。」
「えー。父様の為なんだよ。こう見えてもボク結構腕には自信あるし。」
父、真琴とは違い華奢な絢夫だが、槍術に嗜んでいて本人の言う通り結構強い。
「どんなに武芸がたっても何が起こるかわからぬものです。それがわからないのですか。」
依然夕顔丸はきつい態度を崩さない。
「絢様が行きたいっていってるんだ!お前なんかに決められてたまるか!」
夏希が怒声を上げる。
「従者のくせに主君の謝った行動を制することもできないのか。そういう甘えが絢夫様を付け上がらせるんだ。」
「てんめぇぇ!!!オレどころか絢様まで悪く言うな!!!」
夏希が夕顔丸の胸倉を掴む。頭に血が登った夏希は気付かなかったが普段では考えられない程夕顔丸は動揺の表情をした。
「夏希!!!やめるんだ!!!」
春希がいつになく大きな怒声を上げる。
「あ、兄貴・・・。」
その声に驚き拍子抜けした夏希は夕顔丸の胸倉から手を放した。夕顔丸は最初は少々あわてた様子で少し乱れた小袖を直したが
それが終わるといつもの冷静な表情に戻った。その夕顔丸に春希が話しかける。
「夕顔丸さんの言い分はごもっともです。でも・・・真琴様と絢様の仲のよさはご存知ですよね?無茶なのはわかってます。
でも・・、真琴様のことだから・・、絢様に行かせてあげたいんです。それに絢様が一度言い出したら聞かない性格ですし。」
「・・・わかった。お前ら兄弟も俺同様絢様に同行するつもりなのだろ?」
「もちろんです。」 「当たり前だろ!お前に言われるまでもない!」
またもや二人同時に声を上げる。正反対だが双子だけあって息が合っている。
「・・・そうと決まったら、行く日程決めたり場所の確認でもするか。」
「はぁい!」
絢夫が陽気な声を上げる。事態がわかっているのかと夕顔丸は思ったが文句を言っても仕方ないし絢夫の能天気さが
嫌いではなかったのでとりあえず場所確認と日程決めを始めた。
続く
【104と105でえらく文字数が違いますね・・。】
- 107 名前:8838 投稿日:2005/09/19(月) 20:54:52 ID:diCl1DJQ
- ひゃっほう第二話だ。
ここはひとつ夏季タソが男装少女で夕顔丸といちゃいちゃらぶらぶで。
ツンデレカポーマンセー。
ところでやっと出来たので連続ですみませんがいきます。
前回の二倍以上ありますので規制に引っ掛かったら二度に分けます。
>保管庫姦理人様
お手数ですが、今回のものを四週間目として、
一回目を一週間目、二回目を二週間目、三回目を三週間目と
サブタイを変えていただけませんでしょうか?
もともと一話で一週間と決めて書いていたくせに今まで忘れてました…
- 108 名前:四週間目 投稿日:2005/09/19(月) 21:00:16 ID:diCl1DJQ
- 四週間目。
事が始まって約一ヶ月だ。
瑞希は部屋の中心で静かに正座していた。
先週よりは幾分落ち着いた。彼女は瞑想でもするかのようにじっと動かずにいた。
朝日は顔を出してから数時間が過ぎ、時計は九時を刻んでいた。瑞希は七時に起き出し、食事と簡単な身づくろいだけ済ませて、
あとはひたすらそうして過ごしていた。
彼女が考えているのはこれから会う相手――龍司のことだった。
今の瑞希には龍司がどんな人物なのか、完全にわからなくなっていた。先週などは最早理解の範疇を超えている。何が楽しくて
貧乏食を要求し、食べて、ただ帰るだけなのか。
もちろん、嫌悪しているあの男に抱かれないに越したことはない。先週の展開に彼女が安堵したことも事実だ。
だが訳のわからない態度を取られても、それはそれで困るのだ。いや。
怖いのだ。彼女は訂正した。行動が読めなければ彼が次に何をするのか全くわからない。穏やかに話をしていた次の瞬間、
掌を返すように襲われ、奪い尽くされるかもしれない。だから怖い。
しかし同時に、彼女は自分が元から彼に対して持っていた嫌悪の感情が薄らいできていることも感じていた。嫌悪しても
嫌悪しても、そのわけのわからない言動に相殺されていってしまう。密接な関係になればなるほど、そのキャラクターが
わからなくなるのだ。
嫌悪感は彼女が自分の中に必死に保とうとしているものだった――最初に抱かれたときからずっと。彼女は彼に
心を開かないことで自分を守ろうとした。それには彼を嫌うのが一番いい。そうすればいくら犯されても心だけは守れる。
だから自分が彼を「嫌い」でなくなることが怖い。
しかし龍司は彼女の最後の防波堤すら超えようとしてきている。最近の彼はあまりに人間的に過ぎた。無理矢理女を犯すような
人間ならそれらしく、もっと暴力的で直接的でわかりやすい人間であって良さそうなものだし、そうあって欲しい。そうであれば、
今頃はとっくに彼を嫌いになれていただろうに。
玄関の鍵を開ける音が聞こえた。瑞希はゆっくりと立ち上がった。笑いそうになる膝を制する。嫌い続ければ、あんな人は
怖くない。そう言い聞かせて立ち上がる。
だが膝は一向に言うことを聞いてくれなかった。
亀のような速度で玄関先に出て行くと、既に靴を脱いで玄関を上がっていた龍司と目が合った。
「な、何ですか」
いつもの癖で、つい反抗するように視線を向ける。その反抗心にも翳りが見えているのが自分でもわかる。それをむきになって
補強するように、彼女は語調を荒くした。
彼は普段どおりに、こちらの抗議を気にもしなかった。
「来い、瑞希」
「え?」
その声は瑞希の目を丸くさせた。龍司はさっと手を伸ばして瑞希が拒否する間もなくその手を取った。どこか子供のような
瞳を見せて彼は言った。
「出掛けるぞ」
「待って、こんな格好で」
瑞希は上着を肩に掛けただけの部屋着のままで連れ出された。ブランドスーツを着こなす男のプライベートカーは綺麗な流線型を
描いたスポーツカーだった。こんなところだけは非常に解りやすいキャラクターだ。
強引に招き入れられ、仕方なく助手席に乗り込む(本当は隣同士なんて嫌なのだが、残念ながらその車に席は二つしかなかった)。
自分の格好とのそぐわなさにそんな必要も無いのになんとなく肩身の狭い思いをしながら、この絵って何だか警察に連行される
犯人みたい、と彼女は半ば現実逃避した思いを抱えた。
今現在彼女は何も持っていない。普段なら外出の際には必ず見につける、中身の心もとない財布すら手許にないのだ。
そのことに急に心細さを感じる。
「どこに行くんですか?」
「着いてからのお楽しみだ」
これだ。瑞希はむっとして言葉を止めた。こちらの不安をわかろうともしない。意地だけで心細さを吹き飛ばす。
「どうして教えてくれないんですか。窓から飛び降りますよっ」
「それは困る」
「なら教えてください」
「教えたらたぶん怒る」
「……」
黙って窓の開閉ボタンに手を掛ける瑞希に、龍司は運転席に座る人間の特権である全座席ウインドウの開閉ボタンで対抗した。
「まあ落ち着け。大丈夫だから」
「龍司さん!」
「そう金切り声を出すな」
ハンドルを握っていて耳が塞げない彼は顔をしかめて答えた。
- 109 名前:四週間目 投稿日:2005/09/19(月) 21:17:24 ID:diCl1DJQ
-
しかしこんなところを知人に、特に大鐘家の関係者に見られたらおしまいである。ありがたいことに車体が低いので窓の位置が
低く車内が見えにくいのでよほど身を乗り出さなければはっきりと姿を見られることも無いだろうが、彼女としては気が気で
しょうがない。身を縮めてそろりそろりと窓の外を窺いながら、彼女は「まだですか」と定期的に繰り返した。
彼女がそろそろその台詞の回数を忘れかけてきたころ、車はようやく一軒の店舗前で止まった。一目見てファッション関係の
店舗とわかった。ショーウインドウには明らかに高級なものとわかる凝ったスーツやジャケットが連なっている。未だかつて
縁の無かった様相の店に、瑞希はいささか気後れした。
しかし龍司は気楽な様子でひょいと運転席を出ると、車を回りこんで助手席のドアを開けた。
「出ろ。入るぞ」
「な、何!?」
何で私がこんなところへ入るんだと言外に主張するが、それはそれとして彼女には他にどうすることもできない。仕方なく
車の外へ足を踏み出す。
「入ったら店員の指示に従えよ。いいな、瑞希」
「どうしてっ」
「どうしても」
「あ、貴方は?」
「俺が何かすることあるのか、こんなところで」
「……」
その店はメンズを扱っているようには見えなかったので、彼女は沈黙した。駐車場から店へのわずかな距離でも誰かに見られは
しないだろうかと冷や冷やする。
「いらっしゃいませ」
見事に唱和した挨拶が彼らを迎えた。その挨拶に一種圧迫感すら覚えて瑞希は怯んだ。サービス業というある種画一的な響きの
それにここまで訓練された応対を受けることは未だかつて無かった。自分の格好を改めて場違いなものと認識し、彼女はあまりの
恥ずかしさに半歩後ろに下がった。
だが龍司はその彼女の肩を押し、あろうことか店員の真ん中に放り込んだ。女性の店員に「こちらへどうぞ」と奥のドアへ招かれ、
こんなときばかり店の外で言われたことを思い出しておろおろする。
「ちょ、ちょっと、龍司さんっ」
瑞希はあせって後ろを振り返ったが、龍司はそ知らぬ顔で店員の一人に「適当に」などと告げ、あとは自身も適当にぶらつき始めた。
瑞希はぽかんとした。やはり自分はここで服を買う、ということになるのだろうか。
買う?彼女は頭の中だけで首をかしげた。
――ちょっと待て。彼女はやはり頭の中だけで絶叫した。
(お金は!?)
こんな高価なものしか置いていないと確信できる場所でものを身につけるということがどれだけの自殺行為かということは、
金銭というものを人より持ち合わせていない彼女にとって非常に現実的な危機として身に迫ってきた。それもよりによって、
薄っぺらい財布すら持っていない状態で。
真っ青になった矢先、こちらを向いた龍司と視線がぶつかった。
その瞳は確かに彼女のうろたえを楽しんでいた。彼は自分を、彼にものを買ってもらうしかない状況に追い込んだのだ。
「――――――!」
瑞希は憤激し、炎のような怒りを全身に纏わせて仁王立ちになった。その形相は般若を超えて蛇になりかかっていた。
龍司の笑った瞳が一瞬ひきつった。
瑞希はばっと身を翻した。同じく異様な雰囲気にわけがわからないながら身を引いていた女性店員に、切腹する武士の表情で
「どうすればいいんですかっ」と据わった視線をぶつけた。
数十分後、彼女はようやく解放され、ほうほうの体でまろび出た。
足元が覚束ない。履きなれないものを履いていることもあり、足首ががくんと折れるように曲がる。前のめりに転倒しそうに
なったところを大きな手が支えた。
「きゃ」
思わず小さく声を上げてしまい、しかもそれがどう聞いても少女のような悲鳴になってしまったことに赤面しながら顔を上げると、
細められた黒い瞳と目が合った。
「化けたな。想像以上だ」
その顔には抑えきれない笑みが零れていた。声もいかにも楽しそうな調子がにじみ出ている。
「は、放して」
恥ずかしさに慌てて立ち上がり龍司の手を振り払う。彼女の意思と関係なくこうなったこととはいえ、彼を喜ばせてしまうなど
甚だ不本意だ。瑞希は不安定な足元で必死にしゃんと立って見せた。
- 110 名前:四週間目 投稿日:2005/09/19(月) 21:19:06 ID:diCl1DJQ
- 生まれてからこっち、こんなに高い踵の靴は履いたことがない。というかミュールと言うもの自体に彼女は縁が無かった。もし
まだ祖母が生きていて今の彼女の格好を見たら、彼女はたった一人の孫娘がとうとう不良になってしまったかと泡を吹いて
卒倒するかもしれない。まず髪の毛は通常ではあり得ない状態に、つまりは数十分で数十センチ伸びていた。まあ簡潔に言えば
付け毛だということだ。オールタイプのウイッグである。毛先だけが不規則に巻いている鳶色のブリーズヘアは彼女自身としては
甚だ自分に合わないという感想を持ってはいたが、鏡を見た限りでは今のこの格好とあわせれば意外とそうでもなかったように思う。
サイドの巻き毛が内巻きなので多少頬を隠してくれていて知人と会ったとしてもそれほど気付かなさそうだということも救いだった。
上半身を覆うデコラティブなキャミソールはその上にジャケットが存在しているおかげで何とか自己主張が抑えられている。膝丈の
ティアードスカートは今年の流行なんですよとコーディネートをしてくれた女性が言っていたが、彼女には「はあ、そうですか」と
あいまいに応じるくらいしかできなかった――ファッション誌など年に数回しか立ち読みしない。化粧が地味めだったのが不幸中の
幸いだと思ったが(これが「ナチュラル」と呼ばれているのを聞いたとき、それってただの地味なお化粧とどういう風に
違うのだろう?と彼女は思った)、それでも化粧など殆どしたことの無い彼女にとっては幾重にも重ねられたファンデーションは
微妙に気持ち悪いものという感触がある。ファンデーションだけでなくグロスというものは彼女にとっては初めてで、口紅と違って
えらくべたべたしているのが気になって仕方無い。左耳にも違和感があった。彼女はそれに手で触れた。耳のやや上方に付けられた
輪から石の付いた鎖が同じく下方に付けられた輪へ繋がっている。指先で弾くと鎖が石の重みでゆらゆらと揺れた。イヤーカフスと
言うらしい。おそらく彼女がピアスを開けていないので耳飾りはこういうものになったのだろう。耳につけるものと言えば
イヤリングかピアスしか知らない彼女としてはまったく斬新なものだった。これだけには多少面白みを感じるが、それ以上に彼女は
この状況に戸惑っていて、それを単純に面白がることは出来なかった。
綺麗なものは好きだ。こういう服やアクセサリーを可愛いと思ったこともある。先々週の件がいい例だ。でもいきなりここまで
やられてしまうと戸惑うしかない。だってこうして鏡に映っているのはどう見ても全く知らない人間なのだ。
瑞希は眩暈さえ覚えてかぶりを振った。一体何がどうしてこんなことになってしまったのか……
「ありがとうございます」
「ああ。じゃあ」
一時的に遠いところまで行っていた彼女の脳を現実に引き戻したのは龍司と店員の交わした言葉だった。店員から龍司が紙袋を
渡されているのを見てその中身が何であるか本能的に閃く。
「あ」
私の服!その服装のままで外に出るのは恥ずかしかったそれに急激に執着を覚えて足を踏み出しかけるが、いかんせん人を
転倒させることに特化したという意味でそこには悪意があるとしか思えないヒールが彼女の行く手を阻む。
「くっ」
苛立ちを抑えて声を上げようと息を吸ったところで、
「ほら、行くぞ」
絶妙のタイミングで声をかけられ、吸った息は声になることも無く霧散した。手を引かれ、ろくに歩行もできない幼児のような
有様で後に続く。
店を出たあたりでやっと自分で歩くということを(まだぎこちなくはあったが)習得し、彼女は掴みかからんばかりの勢いで尋ねた。
「龍司さん!どういうことです、これっ」
瑞希としては龍司の意図を測るための問いかけだったが、龍司は別の意味に取ったようだった。
「心配するな。ここはよくわきまえてる店でな、客のプライベートを口外しないことは暗黙の了解だ。ましてや俺は上客だからな」
「そうじゃなくて……上客?」
明らかに女性のためのその店を振り返ると、龍司はこともなげに言った。
「毎度違う女を連れて行ってるから」
「最っ低」
紙袋を奪い取る。足首が悲鳴を上げるのも構わず先にたつと、引き離してやろうと(それも車までのことに過ぎないが)彼女は
ずんずんと歩を進めた。
車の前まで来た時肩に手を掛けられ、憤然と振り返る。
「触らないで、この女たらしっ」
その拍子に長いウイッグの毛先が跳ねた。彼女としては精一杯の凄みをきかせて睨みつけたつもりだったが、龍司に対しては
例によって全く効果をあげなかった。
「しかし」
嫌味の無い口調で龍司は言った。
- 111 名前:四週間目 投稿日:2005/09/19(月) 21:20:20 ID:diCl1DJQ
- 「そうしてると女に見えるな」
「――!」
咄嗟に言葉が浮かばず、瑞希は押し黙った。本当ならこの男に女扱いされるのは嫌で嫌でたまらない。それも無理矢理女の格好を
させられてこんなことを言われるなど、普段であれば頬のひとつも張ってやりたくなるところだった――だが、こうまで率直に
言われたことはこれまで無く、彼女は何も言い返せなくなった。思ったより間近に相手の顔があることに気付き、慌てて顔を背ける。
だから不意に手を伸ばされても気付かなかった。
急にむき出しの鎖骨に触れられる。彼女は驚いて飛び上がりそうになった。龍司は彼女の反応を気にもせず、指先で触れた場所を
見つめた。
「ここに」
身動きできない彼女に言う。
「あれがあったらいいと思うんだがな。ほら、こないだ買ってやったやつ」
「――」
ダブルリングのペンダントのことを言っているとわかった。それが腑に落ちたところで急に、かなり際どい部分に触れられ、
あまつさえそこを間近でじっと見られていることに気付き、彼女はぱっと赤面した。
弾かれたように後ずさる。背中が車のドアにぶつかった。
龍司は何事も無かったかのように長身を起こした。「その袋はトランクに入れろよ」と指示して運転席に回る。トランクが
ぱかりと口を開いた。瑞希はしばらく戸惑うように運転席を見つめていたが、結局紙袋を放り込み、トランクを閉めた。
助手席に乗り込み、やけになって叫ぶ。
「服のお金、帰ったら必ずお返ししますからっ。おいくらですか?」
「馬鹿言うな、女に金出させられるか」
「おいくらですかっ!?」
「後悔するぞ」
龍司は肩をすくめて金額を口にした。瑞希はひどく遠い目をしてそれを聞いた。具体的に言うと、六桁に乗っていた。
「……分割でもいいですか」
「だから気にするなってのに」
その言い分にはとてもではないが同意する気にはなれなかった。少し青くなった顔を左右に振り、彼女は広く厚い背もたれに
身を預けた。
「で」
瑞希は頬を膨らませた。最初の一時間で既に、もう何でも来いという気分になっていた。
「これからどうするんですか?一日と言っていたけど、何をする気ですか」
龍司は車のハンドルを握ったまま、しかし発車はせずこう言った。
「別に決めてない」
「は?じゃあどうするんですか」
「行きたいところはあるか」
「えっ」
唐突な台詞に、瑞希は首をかしげた。
「どこでもいい。遊ぶところ。連れてってやる」
「はあ」
言葉の意味を飲み込めずあいまいな返事をする。
「遊ぶ、ですか」
男女二人で遊びにいく。それは一般で言うところのデートというやつではないだろうか。そこまで考えたとき急に疑問符が
脳裏で急激に増殖し、彼女は目を白黒させた。
「ど、どうして!?」
声を裏返して尋ねると、龍司は彼にしては珍しく「ん。ああ」と言葉を濁した後、
「別に。面白いかな、と」
言葉少なに言った。
「……」
瑞希は呆気に取られ、やがて憤慨した。この男は無理やり陵辱した女を捕まえていったい何様のつもりだろう。
「恋人ごっこですか?意外に女々しいんですね、龍司さん」
あてつけるように言うと龍司は視線だけでこちらを見、やがて前を向いた。
「ごっこか。そうかもな」
わずかに苦笑したその顔を見て、瑞希は少し身を引くようにした。私は何か悪い事を言ってしまっただろうかと同情する必要の
無いはずの相手に対して思う。誤魔化すように彼女は言った。
「――ええと。こういう時はやっぱり、あれなんじゃないでしょうか。遊園地とか」
「お前はいったいいつの時代の人間だ。いや、間違っちゃいないが。ディズニーシーとかならまあ、つりあうかな」
その言葉に瑞希は厳しい視線をどこへとも無く投げた。
- 112 名前:四週間目 投稿日:2005/09/19(月) 21:21:21 ID:diCl1DJQ
- 「……あそこだけは駄目。あそこは恐ろしいところよ」
「何故」
「お金が掛かるから」
彼女は間髪入れず即答した。徹底した貧乏性に龍司は呆れきった様子で目を閉じた。
「その思考は何とかならないのか。いじましいぞ」
「いじましくなければやって来れない環境だったもので」
彼女はすっかりと開き直って強い口調で言った。
「貴方にはわからないかもしれないけどっ。私はとにかく後腐れの無いようにしたいのっ。貴方がいつこれに飽きてもいいようにっ」
これ、というのは、龍司が彼女を好きにすることだ。瑞希は責める口ぶりで彼を睨みつけた。
「――」
龍司は尋ねてきた。
「飽きると思うか?」
「ええ。近いうちに」
彼女はつんと顎を上げて答えた。
「貴方みたいな人が女性に困ってるとは思えないし。私のことなんてどうせ一時の気まぐれなんでしょ」
そう言ってから龍司を見、普段と違う視線に気付いて思わず身を引く。
「な、何です」
「別に」
彼は何故かふいと視線をそらした。
「ほら、さっさと行きたいところを言え。無いんなら俺が決めるぞ」
「あっ……えーと」
変なところに連れて行かれては大変だと彼に対する疑問をあっさりと放り出し、彼女は必死で脳を回転させた。
「と、とりあえず景色の綺麗なところ」
そう言った後、それだけでは不十分だと思い慌てて付け加える。
「後、えーと、開放されたところ。人がたくさんいるところがいいですっ」
「嫌われたもんだな」
とにかく二人きりは嫌だという彼女の意図を簡単に読み取ったらしく龍司は笑った。
「ま、いいさ」
そう言うとゆっくりと発車する。瑞希は憮然とした表情で窓を開け、車内に風を入れた。
「公園ですか」
瑞希は広い芝生を見て唸った。芝生では子供や犬がフリスビーをして遊んでいる。周囲には杉が植えられていたが、まだ
作られて日が浅い公園なのか、背は低い。
「デートスポットとしては遊園地よりさらに古風なんじゃないでしょうか」
「条件を付けたのはお前だろう。人が多い、金が掛からない、後は出来るだけ知り合いに会わないような場所となると――って
お前、これがデートだって自覚はあるんだな」
「やめてください、状況的にそうなっているから便宜的に使っただけで、厳密には違いますから。少なくとも私には」
きっぱりとはねつけると瑞希は歩きなれない踵を気にしながら、龍司と三十センチ以上の間を取り、石畳を踏みしめた。
多少よたよたとしながらも普通のスピードで歩けるようになり、彼女はなんとか龍司との距離を維持できるようになっていた。
少し近づくと全く同じ距離だけすっと退く潔癖さに龍司は呆れたように肩をすくめて見せたが、強引に近づくことはしなかった。
ポケットに手を突っ込みサングラスをかける。
「似合わないわ」
「お前はその格好だからいいだろうが俺はこのままじゃ困る」
半分本気、半分からかい交じりで瑞希が指摘すると、彼は真面目な口調で言った。
「誰に見られるかわからないからな。せめて遠目からならわからないくらいにしておかないと」
確かに彼の場合会社の中での位置を考えれば顔を知っている人間に会ってもおかしくは無い。彼女は納得すると同時に、
もしかしたら今まで付き合った女性(もしくは現在進行形)に見咎められることで発生するトラブル避けでもあるんじゃ
ないだろうかと穿った見方もしてみた。
休日だったが人はそれほど多くなく、静かに散歩が出来そうだった。瑞希はとなりの龍司を見上げた。この男と二人で
こうしているというのは瑞希にとってとてもとても気に食わなくはあったが、彼女しだいでそれなりとは言えないものの、
見返りもある。
- 113 名前:四週間目 投稿日:2005/09/19(月) 21:22:28 ID:diCl1DJQ
- それは家に関する細かい情報を比較的簡単に得られることだ。もっともこういった古い家をろくに理解できない彼女の場合、
質問は自然と限られてくるが。
「お爺さまの容態、どうなんですか?」
歩きながら彼女はそう尋ねた。
「いつもなら貴方に会う前に病院に行くけど、今日はこんな格好だし、行けないでしょう。明日行こうと思うけれど、
さすがにお会いしてからもう一週間経っているし。貴方が知っているなら聞きたいの」
「曲がりなりにも親族なら、噂のひとつやふたつ聞いてないのか?」
瑞希は龍司から視線をそらした。
「家の中で、私が普通にお付き合いできるのは妙さまだけだわ」
彼女は大鐘家の中では孤立している。もともと立場からして危ういところを、男として名乗り出たことで末席に
おいてもらっている状態だ。
「よほどの事があれば妙様も連絡をくださるでしょうけど、毎日通えない以上、私には普段はお爺様の細かい容態はわからないの」
「まあ、そんなもんか」
龍司はそう言った後、それほどもったいぶることも無く質問に答えた。
「俺は担当医と連絡が付く。今は心配ないだろうと言われてる。小康状態だ」
「そう」
瑞希は微笑んだ。
「よかったわ」
「……」
龍司はそんな彼女を見て眉を少し上げた。
「お前が叔父さんのところへ見舞いに行ってるっていうのは知ってる。だが」
煙草を取り出し、火をつける。煙をくゆらせて彼は言った。
「財産目当てなら、お前のその行動はおかしいだろう。目をつけてもらうにはいい方法だが」
「そんな。別に亡くなる事を望んでいるわけじゃないわ」
瑞希は髪を揺らして振り返った。
「貴方こそどうなの?貴方だってお爺様の財産が欲しいんでしょう?前に私にはっきりそう言ったわ」
「そうだな。欲しいな」
龍司は煙草を咥えたまま、言葉遊びでもしているかのような表情で答えた。「真面目に答えてっ」と言うと、
あっさりとした口調で彼は言った。
「金は欲しいさ。だがまあ、叔父さんが生きていてくれるなら、それはそれでいい。叔父さんがいなきゃ俺は会社で
あれだけの地位には就けなかっただろうからな」
「……」
瑞希は瞬きをした。その返答の意外さにぽかんと龍司を見上げる。彼女は無意識に立ち止まろうとし、踵を石畳の隙間に引っ掛けた。
「おい」
警告とともに肘を支えられる。煙草のにおいがわずかに届いた。
瑞希は支えられた手に反射的にすがってしまい、直後「しまった」という顔をした。またしても助けられてしまった。
彼女は憤慨を通り越して自分の情けなさにかぶりを振った。
「気をつけろよ」
「わ、わかってます」
動揺が声に出ていた。それはそのまま彼女の心境を表していた。龍司は煙草を口から離した。
「俺に、誰かに感謝するっていう人並みの感情があるなんて思っていなかったんだろう」
「いえ、別に、何と言うか、まあ」
図星を指されたので、彼女は誤魔化すように繋がらない単語をもにょもにょと口の中でつぶやいた。彼女はスカートを翻して
逃げるように龍司から離れた。もともと煙草の匂いはあまり好きではない。そういえばこの人は煙草を吸うのかと彼女は
煙草をふかす彼を見た。これまでのキスでは気がつかなかったことを思うとヘビースモーカーではないだろうが――
彼とのキスを思い出して急に赤面し、彼女は慌ててそっぽを向いた。龍司に表情を見られないように背中を向け、先を歩いて
周りの緑に視線を戻す。都内とはいえ景色はそれなりなのだから、楽しんでいかないと勿体ない。
石畳の道の両脇に針葉樹が植えられ、その向こうに多少背の高い芝生が広がっている。ほぼ貸しきり状態で、男の子が大きな犬と
フリスビーをやり取りしている。
少年がフリスビーを投げた。が、失敗したらしく、フリスビーは見当違いの方向へ――こちらの左手へと向かってきた。
「あれっ」
フリスビーがすーっと近づいてきた。彼女は立ち止まり、それを目で追った。フリスビーは向きを変えわずかにこちらに
方向転換をしたので、彼女は二、三歩近づき、手を伸ばした。
キャッチすると声が聞こえた。
「すいませーん!取ってくださいー!」
芝生を見ると、遠目に手を振る十歳くらいの少年と真っ黒い大型犬がこちらを見ていた。彼女は手元のフリスビーを見、
それからもう一度彼らを見て、ぱっと目を輝かせた。
高校卒業して以来彼女は運動というものに縁が無く、さりとてバイト三昧だったため考えるより身体を動かすことが好きな彼女は、
よってこれといったストレス発散も出来なかった。絶好の機会である。
- 114 名前:四週間目 投稿日:2005/09/19(月) 21:23:42 ID:diCl1DJQ
- 迷うことなく邪魔なミュールを脱ぎ、石畳にストッキングだけの足をつける。「おいっ」という龍司の声も効かず、
彼女は助走をつけて右腕を薙いだ。ウエーブがかった鳶色の毛先が弾み、上体がしなった。足の運びについていけなかった
ティアードスカートの裾が遅れてその脚に纏わり付いた。
投げ放たれたフリスビーは見事な放物線を描いてまっすぐ宙を飛んだ。少年がさっと指を振る。主人の号令を受けた
ブラックラブラドールと思しき犬はこちらに走り、フリスビーにあわせて位置を調整し、タイミングを図って身をたわめ、跳んだ。
着地した時には、彼はしっかりと投げ返されたフリスビーを口に咥えていた。
「すっげー!ねえちゃんやったことあんのー?」
屈んで犬を褒めながら、少年が人懐っこそうな声を上げた。立ち上がり歩いてくる。瑞希もミュールを拾い上げると芝生に歩を進めた。
「無いけどー?」
「マジー?すげえじゃん」
「いいなーって思ってたの、フリスビー。だってカッコイイじゃない」
「うん、カッコイイだろ」
少年は得意げに胸をそらした。よく訓練されたラブラドールが後ろに控えた。瑞希は芝生の上では流石に足が痛かったのか、
ミュールを履きなおした。
「上手いのね。大会とか出てるの?」
「ちょっとだけね。姉ちゃん、もっかい投げてみる?」
「え、いいの?やりたいっ」
瑞希は手を叩いて喝采を上げた。彼女に完全に構われなくなった龍司はつまらなそうな表情で吸い終わりもしない煙草を
携帯灰皿に押し付け、勢いよく蓋を閉じた。衝撃で灰が舞った。サングラスを少し上げてそちらを見やる。
「新手のナンパじゃねえだろうな、ガキ」
不機嫌に口を尖らせて彼はそうつぶやいた。
公園での散歩を終えた二人は再び車上の人となっていた。龍司は車内の時計を見て唸った。
「あー」
ラジオの中でLinkinParkが歌っている。
「飯時か。どうするかな」
龍司は窓辺に頬杖をつきながら片手だけでハンドルを操作していた。横に座った瑞希は生死を共にする同乗者として再三
「危ないから両手で運転してください!」と訴えたが、一向に聞き入れてもらえなかった。
龍司は車を繁華街に入れるとスピードを緩め、流れる景色に視線をやりながら運転を続けていたが、ある一点で視線を完全に横に向けた。
「俺の知ってるところでいいか?ここは美味い」
「ええっと、別にどこでも――あ、でも、高そうなところは嫌!」
瑞希がそう叫んだときには、龍司はハンドルを切りその駐車場へと車を滑り込ませていた。大きな車体を一度で白線の中に
するりと収め、エンジンを切る。外観から既に高級ですと言わんばかりのフレンチらしきレストランを見上げ、彼女は呻いた。
「……高そうなところは嫌……」
「諦めろ」
眉を八の字にしてぼそぼそと述べる瑞希を一瞥し、龍司はドアを開けてさっさと車外へ出た。瑞希も仕方なく車から降りながらも彼に追いすがる。
「待ってください。私フランス料理のテーブルマナーなんて知りませんよっ」
「ナイフとフォークは外側から使え。以上」
「そんなっ」
そこまで言ったとき、龍司が突然立ち止まった。動かなくなる。いぶかしんだ瑞希が彼を見上げると、
その視線が一点で止まっていた。
彼の視線の先を追った瑞希は一台の赤い車を見た。龍司がぼそりと言った。
「……ここはやめる」
「え?」
言うなり身を翻す。龍司は瑞希の手を掴み、車へと戻りかけた。そして立ち止まった。
「龍司!」
赤い車から降りた年配の女性の声が龍司を呼び止めた。
「お待ち」
命令的な口調だった。
龍司は観念したようにうつむき、声のしたほうに向き直った。瑞希は掴まれていた手を強く引かれ、たたらを踏んで龍司の背中
――声をかけられた女性から向かって後ろ――に下がった。
瑞希は誰何の声を上げかけ、声の主を見て慌てて口を閉じた。龍司の意図を悟り、彼の影に隠れて身を縮める。数えるほどしか
会ったことはなかったが、知った顔だった。そして彼女の顔は龍司のほうが遥かによく知っているだろう。
- 115 名前:四週間目 投稿日:2005/09/19(月) 21:24:35 ID:diCl1DJQ
- 「……おふくろ」
龍司の声がわずかに低くなった。
その女性は吾妻麻紀枝といった。彼女は瑞希にとっては祖父である征二郎の妹、龍司にとっては母親である。少々ふくよかな
体系を値の張りそうなブラウススーツに身を包み、髪形はパーマを掛けたショートヘアだった。身につけているものの値を除けば
典型的な中年婦人といった様相の女性だ。
麻紀枝が厳しい目線でこちらを見たので、瑞希は必死に顔を伏せ、なるべく顔を正面から見られないようにした。ただそう
警戒しなくとも、幸いこの格好の所為で少なくとも見破られそうにはなかった。まさか目の前の女を、男(と思っている人間)と
繋げて考えることは無いだろう。しかし瑞希はその視線を受けて背筋が寒くなった。他人に対してとても冷たい目をしていると感じた。
彼女はこちらを一瞥するとそれきり瑞希には興味をなくしたようで、龍司に向き直った。
「また女遊びかい。全く、お前はろくでなしの父親そっくりだよ」
「――」
開口一番のその台詞に、瑞希は困惑して目の前の龍司を見上げた。龍司はその顔から一切の表情を消していた。麻紀枝は
それを見てひとつ鼻を鳴らした。
「遊んでばかりじゃ困るよ、龍司。わかってるんだろうね?あたしがあんたの遊び癖を許してやってるのも全部――」
「わかってるさ。こんなところでまで話さなくてもいいことだろう、そんなこと」
龍司の遮る声を無視して麻紀枝は言った。
「ろくに家にも帰ってこない放蕩息子とはこんな時でなきゃ話も出来ないじゃないか!どうせわかってないだろうから、
ようく言っとくよ!あの瑞希をどうにかしないことには、兄さんの財産はそっくり半分、もしかしたらそれ以上あのガキに
持っていかれちまうんだ!あんたがしっかりしなきゃならないんだよ!」
「――――」
瑞希は突然出てきた自分の名前に漏れかけた声を押し殺した。麻紀枝は当然のことながら龍司が後ろに庇った少女が
瑞希本人だとは露にも思わない様子で続けた。
「いくら直系だって所詮は愛人の孫なんだ、やりようはいくらでもあるだろ!いつまでものさばらせておくんじゃないよっ」
「――黙れっ」
龍司は堪忍袋の尾を切らせた表情ではっきりと言った。
「俺の金で食ってるくせに、俺のことに口を出すなっ。叔父さんの財産はあんたが受け取るんじゃない、俺が受け取るんだ。
あんたには関係ない」
「いいや、あるね。あたしの老後はあんたに掛かってるんだ。口出すななんてよく偉そうにいえたもんだよ、お前をここまで
育ててやったのは誰だい」
麻紀枝は苛立ちを吐き出すようにして喋りたてた。
「兄さんもどうして愛人の孫なんか認めちまったんだか!面倒なことになるのはわかりきってるだろうに、どうせ入院して
気弱になって、孫の一人も欲しくなったんだろうさ。馬鹿な兄貴だよ」
「叔父さんをどうこう言うんじゃねえ!」
征二郎の名前が上がると、龍司はそれまで抑え気味だった口調を突然荒げた。
「あの状況だったら叔父さんだって認めざるを得なかったさ!それこそ何も理解してないあんたが口を出す問題じゃないっ」
「――」
それには反論が出来なかったのか、彼女は押し黙った。それでもやがてついと顎を上げると背筋を伸ばし、龍司に嘲るような視線を向けた。
「本当に、生意気な子だよ!」
「……」
龍司は尚も言いつのりたいのをぐっと抑えた様子だった。そのまま、踵を鳴らして店へ入っていく彼女を黙って見送る。
麻紀枝が店に入ってしまってもしばらくの間、龍司はそこに留まったままだった。そのやりとりだけでまるでひとつやふたつ
年をとってしまったかのような表情で、彼は立ち尽くした。
瑞希はゆっくりと横に回りこみ、その腕にそっと手を置いた。
「……龍司、さん」
遠慮がちに声をかけると龍司は弾かれたようにこちらを見た。建物を見ると、
「――そういやここ、おふくろも知ってる飯屋だったか」
そうつぶやいて彼はこちらを向いた。何を言おうかわずかに迷った様子だったが、結局、
「悪かったな」
と言って降りたばかりの自分の車に向かって歩いた。瑞希は何も言えずに後を追った。
瑞希が彼女に会ったときの状況はいずれも親族がまとまって集まった時ばかりだったため、龍司と麻紀枝の仲が
良いか悪いかなどということは全く知らなかったし、想像もしたことが無かった。ごく普通の親子とばかり思っていた。
- 116 名前:四週間目 投稿日:2005/09/19(月) 21:25:36 ID:diCl1DJQ
- 逆にあまり接点のなさそうな祖父と彼の関係がどうなっているのかも、彼女はまったく知らなかった。彼が祖父の
仕事を継いでいることくらいしか聞いたことはなかったし、それほど興味も無かった。瑞希は急に彼が祖父の病室に
定期的に花を贈っていることを思い出した。
この人はいったいどんな人間関係の中で暮らしているんだろうか。初めてそんなことを疑問に思い、
彼女は歩きにくいヒールの靴で必死に駆け寄った。
「待って、龍司さん」
瑞希は車に乗ろうとした龍司の腕を取った。本当の恋人のように腕を絡める。面食らう龍司に彼女は笑いかけた。
「せっかくだからとことん安いもの、食べましょう。七十円引きですって」
通りを曲がってすぐのところにある牛丼チェーン店を指差し、彼女は言った。
食事を終えて車に戻ると、瑞希は切り出した。
「午後も、私の好きなところに行ってくれるなら――」
彼女はそれまでよりは幾分柔らかい調子で言った。
「祖母の家に連れて行ってもらえますか?」
龍司の視線に気付くと、わずかに照れた表情で顔を逸らす。
「以前は毎週戻って掃除をしていたけど、最近はなかなか帰れないの。その……土曜日がふさがってしまったから」
「……」
龍司は一瞬黙した。瑞希の言葉はその内容にもかかわらずそれまでの険も皮肉っぽさも無かった。
「いいだろう」
答えると彼は彼女にナビゲーションを促し、彼女はそれに応じて道順を示した。それほど近くない場所らしく、
スポーツカーは一時間ほど走り続けた。
やがて、彼らはいかにも下町然とした界隈にたどり着いた。車が入れるかどうかの狭い道に、龍司は縫うように車体を入れた。
「うわあ」
彼女は開けていた窓から三十センチ先に迫った木の塀に手を伸ばして感嘆の声を上げた。
「よく通れますね、こんなところ」
「必要なとき以外は自分で運転するからな」
「ふうん」
無邪気な声だった。肉体関係が絡まなければ普段はこんなものらしい――もしかしたら彼女にあそこまで冷たい態度を
取られているのは自分ひとりではなかろうか。それもまた一興の自分にとってそれがいいことか悪いことかはわからないが。
しかしその柔らかい反応も悪くない。
裏路地に入り込んで二十分もしたころ、彼女の「とめてください」という声にブレーキを踏み、龍司は左に見える古い建物を見上げた。
木造の小さな、もしかしたら見る人によっては小屋と形容することもあるかもしれないくらいぼろぼろの、二階建ての建物だった。
「ここか」
「はい」
瑞希は答えて「先に降りますね」とドアを開けた。家の前にある庭とも呼べないスペースを示し、
「ここ、車の一台くらいならなんとか止められますからどうぞ。私、先に行かせてもらいます」
そう言い、待ち切れなかったかのように駆け出そうとし、踵の高い靴で庭の砂利にひっかかって難渋を始めた。
笑いを堪えながら、龍司は慎重に車をバックさせて植え込みと塀の間に車を止めた。
玄関もやはり古く、彼女のアパートほどではないが狭かった。玄関先には例のミュールがきちんと踵をそろえて行儀よく
置かれている。龍司も倣って靴を脱ぎかけ、ふと自分が上がってもいいものかと躊躇したところへ、奥から声が聞こえた。
「どうぞ。上がってください」
「いいのか?」
「連れて来て貰いましたから」
意外にあっさりとした返事に内心安堵して靴を脱ぐ。ここまできて彼女が掃除をしている間中車の中か家の外で
待っているというのはさすがにつまらない。
足を踏み出すと、木製の床はぎしぎしと音を鳴らして彼を出迎えた。天井が低く、背の高い龍司は廊下と部屋との境にある
梁に幾度か頭をぶつけそうになった。内観は古くシンプルで、古きよき下町の古家を代表するような
もっともこの家はその中でも特に古く小さいものという印象はあったが)建物だった。
- 117 名前:四週間目 投稿日:2005/09/19(月) 21:26:17 ID:diCl1DJQ
- 「どこだ」
「ここです」
声に導かれて進むと台所らしき部屋へ出た。らしきというのはあるべき調理器具一式が見当たらなかったため、
構造だけで判断するしかなかったからだ。
彼女は既に掃除に取り掛かっていた。ジャケットの裾を捲り上げて勇ましく埃に立ち向かっている。
箒と雑巾と水を入れたバケツ、そんなものが何も無い部屋の真ん中にまとめて置かれている。
彼女は踏み台に乗り布巾で上のほうの棚を拭いていた。一通り拭き終わると布巾を他の面を出して畳みなおす。
「一ヶ月も放ったらかしだと少し埃が溜まってますね」
龍司には家の中が特に汚れているようには見えなかったが、邪魔をしないように黙っていることにした。
瑞希は棚を拭き終わると龍司を居間へ案内した。やはり何も無かった。否、たったひとつ、備え付けられるように存在しているものがあった。
仏壇だった。小さいがれっきとした黒塗りの仏壇で、観音像が最も高い段の中心に悠然と立っている。
その横には小さな写真立てがあり、老婆の写真が置かれていた。笑い皺の強く出た、ふくよかな顔をしていた。
彼女がおそらく瑞希の祖母だろう。
「座っててください。何も出ませんけど」
バケツを持って通り過ぎざま彼女はそう言ってよこした。龍司は彼女を見送り、仏壇へ視線を戻した。
一ヶ月経っていると言っても、人が住んでいないのだから埃だけの汚れなど可愛いものだ。さほど時間をかけず家中の掃除を終え、
瑞希が居間に戻ろうとしたとき、かすかに煙のにおいがした。
「……?」
居間に入ると龍司が部屋の隅に立っていた。彼は目の前の仏壇に手を合わせていた。手前の灰受けには一本の線香が立てられていた。
煙の元はそれだった。
「――」
思わず立ち止まり、彼女はその姿を食い入るように見つめた。していることと彼のイメージが繋がらず、一瞬これはだれだろう、
などとおかしな事を考えた。
その横顔には戯れや気紛れの気配は一切無く、一種の真摯さすら見て取れた。瑞希は戸惑い、足を止めたまま声をかけようとした。
その時龍司が動いた。彼はおそろしくスマートな動作で合わせていた手を下ろし、目を開けた。こちらを向く。
その表情からは彼女の目を引いた何かは消えて、すっかり元に戻っていた。
瑞希は現実に引き戻され、目を瞬かせた。
「なんだ。掃除、もう終わったのか」
「え、ええ」
どもってしまった。
「どうした」
「……いいえ、ただちょっと」
こちらを向いている龍司と目が合う。瑞希は先ほどの彼の顔を思い出してしまい、目を逸らしつつ答えた。
「龍司さんがそんなことをするとは思わなかったので」
彼女は、今度は午前中のように誤魔化すことはしなかった。歯に衣を着せずに正直に言うと龍司は彼にしては素直な疑問の表情を浮かべた。
「普通はこうするものだろう。おかしいか」
「いいえ」
無難にそう答えると彼女も龍司の横に並んで同様にし、手を合わせる。たっぷり一分はそうした後、彼女は顔を上げて龍司を見た。
「でも、あまり、その」
「どうした」
「……何でもないわ」
彼女はそう言って踵を返した。本当は、嫌いな龍司にあまりこういうことはしてほしくなかった。だが今の彼女はなんとなく
それをはっきりと言うことができなかった。
いかに一ヶ月程度の埃が可愛いものだとはいえ、瑞希が掃除を終えるまでには三十分の間があった。しかし思わぬ龍司の態度に驚き、
彼女はその間龍司が何をしていたかまでに思いが至らなかった。だから三十分もの間ずっと、龍司が彼には似合わぬ仏頂面をして、
仏壇に手を合わせるべきかどうか悩んでいたということも知らなかった。
- 118 名前:四週間目 投稿日:2005/09/19(月) 21:27:02 ID:diCl1DJQ
-
戻るころには日はすっかり沈んで、電灯が夜の車道をくっきりと照らし出していた。連なっている無機質な機械の群れを
無意識に視界に入れながら、龍司はハンドルに肘を置いて身をもたせかけ正面の信号機が青になるのを待っていた。
助手席の瑞希はうとうととして、小さく舟を漕いでいた。
「大丈夫か?」
声をかけると彼女ははっと目を覚ました。我にかえったように真っ赤になり、口元に手を当てて恥ずかしそうにうつむく。
「あ……ごめんなさ……」
目頭を押さえて彼女は必死に落ちかけた瞼を元に戻そうとした。相当疲れている様子だった。無理も無いだろうと龍司は思った。
俺と一緒にいるだけでもこの娘には結構な負担のはずだ。それを丸一日一緒にいたのだから仕方が無い。龍司は少し悲しくその事実を認めた。
「いいさ。寝ろよ。着いたら起こしてやる」
「……はい……」
彼女は素直に頷き、その瞼を完全に落とした。すぐに寝息を立て始める。龍司はそれきり彼女に話し掛けないようにした。
「……」
その寝顔を見つめる。
薄くマスカラの塗られた長い睫が白い頬に影を落としている。頬に掛かったウイッグの毛先はわずかに散らばって彼女の頬を縁取り
見る者に普段とは全く別の印象を与えていた。オレンジのグロスが艶かしく彼女の唇を彩っているのに気付き、彼は硬直した。
これ以上見ているのはまずい。そう直感しながら、視線はまるで縫いとめられたように彼女の顔から動かなかった。
そんな彼をいらついた様子のクラクションが直撃した。はっと顔を上げると信号機が青に変わっていて、目の前までの車は既に遠ざかり始めている。
「――あ、やべ」
間抜けな声を漏らし、彼はギアを入れなおした。慌てて発車する。
彼女の六畳間のアパートはもうすぐそこだった。線路沿いにこのまま直進すればもう十分と掛からず彼女は布団の上でゆっくりと
眠れるだろう。無論当初はそうさせるつもりはなかったが、あまりに安らかに眠っている彼女を見ていると、彼の強引さは
わずかばかり鳴りを潜めた。
これから先、このまま無理に関係を強いたりしなければ、もしかしたら今日のように、彼女の態度は軟化していくかもしれない。
もし――もしだが、こちらがじっと耐えていれば、彼女はいつかこちらの思いを理解してくれるかもしれない。それに期待して――
あるいは純粋に彼女のためにそうすることも、彼の視野には既に入っていた。むしろそれが本来のやりかたで、正しい方法だということも理解していた。
どうする、龍司。彼は自分に問いかけた。このまま何もせず彼女を帰すのか?まっすぐ彼女を家に送り返し、自分はこの思いを抱えたまま退散するのか?
彼は一瞬目を閉じた。結論付ける。
――無理だ。
彼は右へとウインカーを出した。車線を変える。
悪い、瑞希。
その謝罪は声にならず、結局彼の喉元に留まっただけだった。
瑞希はゆっくりと目を開けた。
「――」
見慣れない天井があった。クリーム色の天井の真ん中にある、丸く大きいランプカバーに覆われた白色灯が目に入った。
そのまま周囲を見る。彼女はキングサイズの広いベッドに寝かされていた。ミュールは履いておらず、ベッドの下に並べてあった。
ジャケットも着ていない。ベッドの近くにある椅子の背に掛けられていた。おそらく身体にぴったりとしたタイプの、
リラックスして眠るには邪魔なそれを龍司が脱がせてくれたのだろう。ミュールも同様に違いない。ただ、上半身につけているものが
下着のほかには胸元から上が肩紐だけのキャミソール一枚というのには多少の不安を覚え、彼女はすこし冷えた剥き出しの肩をさすりながら身を起こした。
「……」
知らない場所に自然に身体が緊張を始めて、彼女は視線を動かした。観葉植物や文机、いかにも普通のホテルですといった内装だった。
違うのはベッドがたった一つで、そこには枕が二つ。どういうホテルかは一目瞭然だった。
「起きたか」
声をかけられ、瑞希は後ろを向いた。
龍司がいた。ペットボトルを片手に持ち、もう片手には紙のコップを手にしていた。彼はコップを瑞希に渡した。瑞希は受け取り、
コップの中にミネラルウォーターが注がれるのを見つめた。
- 119 名前:四週間目 投稿日:2005/09/19(月) 21:27:41 ID:diCl1DJQ
- 「ここ……どこですか?」
「想像はつくだろ?」
龍司は水を注ぎ終わるとボトルの蓋を閉め、そう言った。
「……」
彼女はコップを手にしたまま黙りこくった。答えるのはためらわれた。想像通りなら、これから彼女はまた、
望まない行為に身を投じなければならない。もちろんあのまま龍司がおとなしく自分を帰してくれるとは思っていなかった。
しかし先週のことと最近の龍司の人物像から、彼女が油断していたことは明白だった。だから無防備にこんなところへ
連れ込まれてしまった。彼女は自分の不明を恥じた。もっとも彼女が聡明だったとして、この展開を避けられたかどうかは疑わしいが。
瑞希の手にしているコップに注がれたミネラルウォーターの水面が細かくさざなみを立て始めた。龍司はそれを目聡く認めた。
「瑞希」
彼は言った。
「俺が怖いか?」
「……」
瑞希はカップをサイドテーブルに置いた。
「私、貴方がわかりません」
瑞希は自分の腕を握り締めるようにしてそう言った。
「貴方がお爺様の財産を欲しがるのはお母さんのためなの?それとも自分のため?」
「自分のためさ」
龍司は即答した。
「……」
瑞希は再び沈黙した。いくら目をすがめても、瑞希にはその心中はわからなかった。彼の内面を推し量ることは、彼女には到底無理な話だった。
一部の設備を除けば一見ただのリゾートホテルに見えるその部屋のベッドに腰掛け、彼女は言葉をつむいだ。
「私をこんなところへ連れてきて何がしたいのかはわかります……」
一呼吸置いた後、意を決したように続ける。
「貴方のことは――怖い。でも、今日の貴方を見てたら、私」
彼女はそこまで言って言葉を切った。
「私……」
言葉を続けられなくなり口ごもる。自分が何を言いたいのか急にわからなくなり、彼女はひとつ頭を振った。しばらく考え、彼女は顔を上げた。
「貴方が」
別の言葉を口にする。
「貴方がこれから私にもう何もしないって言うなら、これまでのことは――水に流すとは言えないけど、少なくとも誰にも口外しません。私が女に戻ることになってもずっと、一生私の心の中だけに仕舞っておくわ」
「……」
龍司の動きが止まった。瑞希はそれを見逃さなかった。身を乗り出す。
「約束します。だからもうこんなことは」
瑞希はそう訴えた。
彼が今現在行っていることはれっきとした犯罪だ。
彼女はこの状況に流されかけている自分がいることに気付いていた。もしかしたらいつかこんな異常な状態を受け入れてしまえるかも
しれないという想像もしていた。もしかしたらそれは、いったん受け入れてしまえば一概に不幸とも言い切れないかもしれない。
だがやはり、こんなことはやめるべきだろう。
彼女の言外に含んだその結論は龍司にも伝わったようだった。人を見る目の疎い瑞希でも、龍司の他人の考えを推し量る能力については
よくわかっていた。たったこれだけの言葉の間からでも、こちらの考えは汲み取ってくれるだろう。
龍司も瑞希に倣い、ボトルをサイドテーブルに置いた。
「本気か?」
「本気です」
彼女は顔を上げて龍司を見た。龍司はこちらを覗き込むようにして立っていた。瑞希からはちょうど逆行になり、彼女は彼の顔をよく見ようと目を細めた。
彼は身体を折って瑞希に向かい手を伸ばした。彼女が膝の上に置いていた手にそっと触れ、
「悪いな」
そう言ってその手を取った。
「……?」
彼の言っている意味がわからず、瑞希はぱちりと目を瞬いた。取られた手を見つめ、もう一度龍司を見る。
逆光とはいえ、間近であるために龍司がどんな表情をしているかはわかった。
龍司は全くの無表情だった。
「龍司さん?」
ふと不安を感じ、彼女はそう呼びかけた。
- 120 名前:四週間目 投稿日:2005/09/19(月) 21:28:25 ID:diCl1DJQ
- 急に手首に圧迫感を感じ、彼女はそちらを見た。両手首を掴まれ持ち上げられているのを視認し、ぽかんと龍司を見上げる。
ぐっと押される感覚の後、身体が一瞬無重力状態になり、天井が見えた。気が付くと背中を良質のベッドにふわりと受け止められていた。
長い毛先がベッドの上に散ってでたらめな模様を描いているだろうことがわかった。
「――」
その状態のまま、瑞希は随分とながいこと呆けていた。そしてやっと自分の提案が拒否されたことに気付いた。
かっと頭に血が上った。
「龍司さん!」
悲鳴に近い声を上げ、瑞希は龍司の手を跳ね除けようと滅茶苦茶に暴れた。しかし手首を押さえつける手は万力のように動かず、
最後には彼女のほうが息が上がり、自らベッドの上に沈み込む形になった。
「おかしいわ、こんなの!」
彼女は鳶色の付け毛を振り乱して怒鳴った。
「私が財産を放棄して告発するって言っても?お爺さまが亡くなったら全部暴露するって言っても?」
「ああ」
「――」
彼女は耳にした返答が信じられずに呆然と目を見開いた。わからない。彼がわからない。彼にとって自分との関係が彼の人生と
釣り合うものだとは、瑞希には到底思えなかった。こんな馬鹿なことをしでかして、彼はいったい何がしたいのか。何を求めているのか。
そのわからなさが苛立ちや腹立たしさを超えた何かを爆発させ、彼女は半狂乱になった。
「どうして!どうして、ねえっ」
「その質問に答えてやるつもりはない」
龍司は低い声で強く言った。瑞希が暴れ、叫んでいる間、彼はただじっと瑞希の動きを制限しているだけだった。彼は瑞希の腕は
押さえつけていても足まで自由を奪うことはできなかった。そのため暴れまわった彼女の脚が何度も彼の脇腹や脚にぶつかっていた。
女の力とはいえ瑞希は全力で暴れていたのだから、その衝撃はなまなかなものではなかっただろう。それでも彼はそうしていた。
その辛抱強さが彼の声にただの言葉にはない全く別のものを付与していた。
「本当の事を言っても、多分お前は信じないだろう」
「そんなことっ」
聞いてみなければわからないわ。そう言おうとした矢先、彼女は唇を奪われ、その奥の舌をも奪われていた。口内に入り込んだ
龍司の舌は的確に彼女の舌に絡みつき、人間の舌ではない、独立したひとつの生き物を連想させた。
「っ――」
彼女はぎゅっと目を閉じたが、以前までは拒否しようと思えば出来たそのことが、今はまるでできなくなっていた。
顎を掴まれてもいないのに彼女の舌は一向に龍司から逃れることが出来ず、ついにはせめて耐えやすいようにと自分から首を傾けてキスを受けてしまう形になった。
「んー……ふ……」
鼻にかかった吐息だけが薄暗い部屋にこだました。龍司の厚い掌が掴まれていた手首から彼女の掌へと移動し、
手と手が組み合わせられても、瑞希には何もできなかった。
キスは以前よりも更に執拗になっていた。歯から歯へと順々に移動し、そのたびに歯の表から裏まで舐め尽くす。
瑞希には到底耐えられなかった。流し込まれて何度目かの唾液をとうとう飲み下し、彼女は背中を大きく震わせた。
飲みきれなかった涎が幾筋も流れ落ちてベッドの上に落ち、染みをつくった。唇が離れると、瑞希は大きく喘いで深く息を吸い込んだ。
「あ……あ」
彼女の心境の微妙な変化が、身体の反応にも如実にあらわれていた。憎みきれない相手が思わぬ形で心に入り込んできたこと、
それ以上に理由はどうあれ女としてここまで求められているという事実が、彼女が必死に築こうとしていた壁を極端に脆くさせていた。
息が熱かった。目が潤み、涎を垂らした口がだらしなく半開きになって酸素を求めた。付けていたリップグロスは殆ど舐めとられてしまっていた。
彼女の表情を見た龍司の目に危険な光が灯った。瑞希はそれに気が付かないままひたすら空気を貪った。
龍司は完全に開き直った口調で言った。
「暴露だろうがなんだろうがすればいいさ」
組まれた手に力が込められるのを感じて瑞希は我にかえった。
「代わりに俺の気が済むまで付き合って貰うぞ。泣こうがわめこうが、もう俺の知ったことじゃない」
「――」
瑞希はさっと青ざめた。心臓に氷でも落とし込まれたような心持ちになる。それでも彼女は言った。
「私、泣いたりわめいたりしないわ」
龍司はふと目を細めた。
- 121 名前:四週間目 投稿日:2005/09/19(月) 21:29:11 ID:diCl1DJQ
- 「そうか」
彼は眩しいものでも目に入ったような表情をして言った。
「ならそうさせてやる。別の意味でな」
乱れた着衣の隙間を縫って、何度もキスが落とされた。特に鎖骨には端から端まで、線をひくように舌が這わされた。
「……!」
瑞希はぎゅっと目を閉じ、声を上げるのを堪えた。声を上げたら負けだと思った。しかしそれも長く続きそうに無かった。
その根拠は確かにあった。組み合っていた右手を外されても、自分は一向に彼に抵抗できないのだ。
開放された右手は弱弱しく龍司の肩を押しただけに留まった。その手は龍司の舌が身体の上を動き回るたびにその肩を強く握りしめ、
彼女の敏感さをダイレクトに伝えてしまうことになった。唇を離すと、龍司は離した片手で瑞希の髪を撫でるように梳いた。
「いい反応だ」
「やめ……」
髪を梳き続ける龍司の腕に必死に制止のための右手を伸ばして瑞希は呻いたが、その手が彼の腕を捉える前に彼の腕は彼女の髪からするりと逃げていた。
逃げられた手にキャミソールを胸元までたくし上げられ、彼女は身体を強張らせた。
「こんなの付けてたのか。まあまあのセンスだ」
龍司はそう言って小花柄の刺繍が施された淡いブルーのブラジャーの縁を指でなぞった。
「似合ってるな」
「――!」
頬に朱を散らし、瑞希は反射的に横を向いて視線を逸らした。龍司の顔を直視できなかった。その手が背中に回された。
ホックを外される感触に背筋が粟立つ。
「駄目っ」
制止の言葉は受け入れられなかった。ゆるんだブラジャーがずり上げられ、彼女の上半身が露わになった。
咄嗟に隠そうとした右手は押しのけられた。
乳房を揉みあげられると背中が勝手に反った。その姿は腕を捻って逃げ出そうとしているようにも見えたが、
同時に快感に悦んでいるようにも見えた。
「っ、くぅ……」
切なげに眉根を寄せて彼女は耐えた。恥ずかしさに身悶えする。柔らかいベッドは憎らしいほどに音を立てず、その行為を
何ら邪魔しようとしなかった。
「いいんだろう」
言われて瑞希は頬を染めた。目を閉じ、咄嗟に頭を横に振る。
嘘だった。龍司の手つきは優しかった。以前のように乱暴なことも無く、快感だけを引き出そうとする動きだった。
経験の少ない彼女はその狙い通りに快感だけを増幅させてしまっていた。
否定すると、すでに薔薇色に染まりきっていた頂点を突然指で弾かれた。
「ひぁんっ」
苦痛と快感をないまぜにした声が唇から漏れた。声を上げてしまったことに後悔しながらうっすらと目を開くと、龍司と目が合った。
「ほら。いいんだろう?」
「あ……はぁ……ちがっ……」
蕩けかけた声は何の否定にもならなかった。胸の谷間から身体の中心に沿って指が下ろされていくと、彼女は耐え切れずにまた声を上げた。
「可愛いな」
その言葉に、瑞希は反発すらできなかった。降りてきた指がへその上まで来て、おぞましさとそれを上回る感覚に彼女は慄いた。
「もっと声出せ。ここなら、周りに気を遣う必要も無いからな」
「嫌、嫌」
辛うじて理性を保つと彼女はかすれた声で言った。
「もうやめて……」
泣くこともわめくこともしないと言った手前、叫ぶことは出来なかった。一度は散っていった冷静さをかき集めて彼女はようやく一言二言言葉を発した。
「駄目」
かすかに首を振る。
「だってこんなの、違うでしょう……?こんなこと、続けてたらいけない――」
「俺が今ここでやめたとして」
龍司の声が急に硬いものに変じたのを彼女は聞いた。
彼は彼女の腹に置いていた手を握り締めた。強張った拳を腹部に感じ、彼女は全身を硬直させた。
- 122 名前:四週間目 投稿日:2005/09/19(月) 21:30:19 ID:diCl1DJQ
- 「お前は俺のものになるのか?」
瑞希は靄の掛かった頭でその言葉を聞いたために、深い意味にとることは無かった。ただ、それでも解らない言葉だとは感じた。
何を言っているの?彼女は問い返そうとしたが、その前に龍司が断定の口調で言った。
「ならないだろう」
「……」
彼女は答えなかった。何故そんな事を聞くのか、その詰問の意味が彼女には全くわからなかった。なにより嘘のつけない彼女は
口をつぐむ以外にとる術がなかった。それでも龍司は数秒の間、まるで否定の言葉を待つような沈黙を彼女に提供した。無慈悲に沈黙が終わると龍司はただ目を伏せた。
「だったらもう何もいうな」
短くそう言われて、瑞希はこれまで自分が必死に紡いできた全ての言葉を一蹴されたのを感じた。
今度こそどうしていいかわからなくなり、彼女は上げていた頭をすとんとベッドの上に落とした。
「――」
全身の力が抜けた。左手が解放され、龍司の手がスカートに潜って太腿を這うのを感じても、瑞希にはどうすることもできなかった。
「あっ……あ」
龍司の広く大きな手が内腿を撫でさするたびに彼女は震えて声を上げた。あれほど声を出すまいと思っていた気持ちが完全に萎えていた。
内腿に触れていた手が外側に回りショーツに手が掛けられた。彼女は反射的に脚を閉じようとしたが、こんな状態ではろくに
太腿に力を込められず、下着は徐々に抜かれていった。ブラと揃いのブルーのショーツがスカートから覗いた。
それが湿っているのを見たとき、彼女は死にたくなって顔を逸らした。
面倒だったのか、龍司は片足だけを抜かせると、後はほうっておいた。片方の足首だけにショーツが引っかかった形になり、
瑞希は羞恥に全身を赤く染めた。
男性特有のごつごつした指が秘裂をなぞり、湧き出していた蜜を掬い取った。
「あ」
瑞希は呻いて喉を反らせた。
「濡れてるな。キスが良かったか?それとも胸か」
「――あ――」
どんなに恥ずかしいことを言われても、彼女には何も言えなかった。唇をぱくぱくと開閉させ、彼女は胸をかきむしるようにして
鎖骨にわだかまっていたキャミソールを引き下ろそうとした。せめて胸くらいは隠したい――これ以上の辱めは耐えがたかった。
しかし龍司はそれすら許さなかった。隠そうとした彼女の手に片手を添え、キャミソールから引き剥がす。彼はその手をそのまま彼女の顔の横へ押さえつけた。
「隠すなよ」
「っ――」
涙目になって彼女は歯噛みした。敢えて抵抗するほどの気概は今の彼女には無かった。
ぐちゅ、と指の腹が花弁の中心に当てられた。しかしそれはすぐに侵入せず、入り口のあたりで蠢き始めた。
「っは、あう、あっ」
入り口と花弁を丁寧になぞられ、彼女は押さえられた手にすがりつくようにして声を上げた。強いわけでもない刺激にいちいち
腰が反応する。愛撫で蜜が溢れてくるのを感じ、羞恥心でさらに濡らす。それを自覚し、彼女は自分が知らない自分になって
しまったかのような錯覚に逃避しそうになったが、そうなる前に別の刺激が送り込まれてきた。
「ん、くう、あ!」
急に別の部分に触れられ、彼女は腰を跳ねさせた。秘部の中でも最も敏感であろうそこを、二本の指が割るようにして顔を出させた。
触れるか触れないかのところでゆっくりと擦られる。瞼の裏側に火花が散った。
「あああ、あっ、あ」
これまでの愛撫など比べ物にならないそれに彼女はただ身悶えた。
「や、やめ、やめっ」
悲鳴のように繰り返す。太腿に挟み込まれた龍司の手は位置をずらすことも無くそこに触れ続けた。
快感を超えて刺すような刺激が彼女を襲った。瑞希は自分の身が依るものが無いこの状況に大きな不安を抱えたまま、強制的に高みへと登らされていった。
「まだ剥くのは可哀想だから、擦るだけにしておいてやる」
龍司の声がひどく遠くに聞こえた。急にその身体にすがりたくなり、彼女は押さえられていない手を宙に泳がせたが、何も掴むことはできなかった。
そこを摘まれ、擦るようにざらりと捻られた瞬間、瑞希は大きく身を仰け反らせて息を呑んだ。
「っ、ひ―――!」
目の前が白く染まる。天まで持ち上げられた身体が地に落ちるように、彼女は達した。
毛穴という毛穴から汗がどっと吹き出た。体中の緊張が切れ、限界まで反った背中が柔らかなベッドに着地する。
「あ……」
沈み込んで、彼女はかすかに喉を震わせた。付け毛が汗を吸って頬に張り付いていた。あまりに悶えたのでウイッグが
外れかけているのではないかとぼうっと思ったが、髪はまだ地毛のように彼女の輪郭を縁取っていた。
- 123 名前:四週間目 投稿日:2005/09/19(月) 21:30:59 ID:diCl1DJQ
- (また……)
彼女は観念したように睫を伏せた。呆けてはいたが、そこに酷い羞恥心はあっても以前ほどの嫌悪はなかった。
わずかに残った理性はそれがいかに危険なことかを懸命に訴えていたが、身体はその理性を無視して快楽の余韻に浸っていた。
伸びてきた大きな手が頬の毛を払った。
「良かったか?」
その質問にはとても答える気になれなかった。瑞希は潤んだ瞳だけを動かして龍司を見上げた。龍司は覆いかぶさるようにして
じっとこちらを窺っていたが、やがて安堵の表情を見せた。
瑞希がその表情の意味をつかめないうちに、彼は身をたわめた。片足を持ち上げられる。龍司はその脚を自分の肩に掛けた。
「あっ」
彼女は大きく脚を広げさせられた格好にたまらなく恥ずかしさを覚えて身じろぎしたが、身体を横にされ持ち上げられて
不安定な格好になっているために、両手をベッドの上について身体を支えるので精一杯だった。スカートが捲れかけて
いることにも気付いていたがどうしようもない。龍司の位置からは既にスカートの中は見えてしまっているだろう。
「……!」
彼女はベッドに顔を埋めるようにして視姦に耐えた。やがてそこに指が入ってくると、彼女はシーツを噛み締めて声を押し殺した。
人差し指らしき指はまず浅い部分から触れ、彼女の中を愉しむように一周した。それから一段階深いところへ潜り込み、
また探り始める。指はひどくしつこく彼女の中を掻き回した。一度達した身体は否応無く熾火を煽られ再び燻り始めた。
「ん……!」
最も弱い部分に触れられ彼女は大きく反応した。そこを責められ続ければまた達してしまいそうだった。やめて、という意思表示に、
彼女はおおきくかぶりを振った。
指はやめなかった。その代わりに動きがひどく緩慢になった。
「――」
まだ感じさせられてはいるが、達するほどの刺激ではなかった。瑞希はほっとして身体の力を抜いた。
その時、まさにそのタイミングで、入り込んだ指が一瞬くの字に折れ曲がった。
「ん、うう!」
彼女はびくんと身を仰け反らせた。全身に緊張が戻る。
「やっ……」
嫌、と言おうとして、彼女は咥えていたシーツを口から離してしまった。自分がわざと苛められていると気付いたときには
既に二本目の指が入ってきていた。
「あうっ、くぅ」
圧迫感にすこし性感が薄れる。しかしその圧迫感に慣れ始めると身体の中心はまた疼いてきた。彼女の身じろぎを合図ととったか、
龍司はまた指を動かし始めた。ただし、あくまでゆっくりとした動きだった。
二本の指を少し角度を変えて捻られるだけで、彼女の全身に耐え難い快感が走った。
「あ、ああ……」
彼女は呻いて抱えられた脚をがくがくと震わせた。指はそれ以上の大きな動きを見せなかった。ゆるゆると抜き差しするが、
強い刺激は全く与えてこない。焦らされているのは明白だった。
「龍司、さ……」
どういうつもり――何とか問いただそうとした時、声が降ってきた。
「辛いか?」
「――」
瑞希は大きく肩を震わせた。
無表情な声だった。一切の感覚を排除した抑揚の無い声だ。
彼は言った。
「欲しいか」
「な――何、を……」
一瞬は本当に何のことか解らなかった。瑞希は混乱しながら言いかけ、そこではっと気付いた。
嫌な予感を証明するように龍司は続けた。
「俺が欲しいと言え。そうしたら挿れてやる」
「――――――」
彼女は絶句して視線を彷徨わせた。
今の今まで想像もしなかった台詞に何も考えられなくなる。言う?欲しいと。私が?
頭の中が真っ白になった。彼女は動揺のあまり睫を細かく震わせた。
突然指を抜かれる。その感触に彼女は身震いした。龍司は手早くベルトを外し、屹立した怒張を彼女の目にさらした。
「欲しいだろう?」
「やっ……」
思わず悲鳴に近い声を上げる。自分がこの行為に慣れて行くことは想像できていた。だがあれを、自分から求めるなど
考えもしなかった。急に恐ろしくなり、彼女は身を引こうとし、そしてできなかった。身動きするだけで身体の芯に甘い痺れが走った。
- 124 名前:四週間目 投稿日:2005/09/19(月) 21:32:28 ID:diCl1DJQ
- 「はあ、あっ……」
再び指を入れられる。今度は二本一緒にゆっくりと埋められ、望まない快楽を彼女に与えた。今度は少し強く、
内壁を撫でるように円を描く。担ぎ上げられた脚を撫でられ彼女は悶えた。微弱な刺激は彼女の痛痒を長引かせるだけだった。
「やめ……」
やめて。その言葉は続かなかった。ひくりと震える自分自身の四肢に彼女は絶望した。
身体全体が汗ばみ、桜色に染まっていた。どこを触れられても快感を得られるくらいに感度が高くなり、
胸の先端は特に濃く色付いてつんと上を向き、どう見ても貞淑な娘の身体ではなかった。何より身体の中心。
燃えるように熱く、どれだけ喘いでも収まらない。
欲しがっている。心はどうあれ、身体は誤魔化しようもなく、あれを欲しがっている。
涙が溢れた。泣きも叫びもしないという自分自身の誓いを破って彼女は泣いた。掠れた声で繰り返す。
「ひどい……ひど、い……」
「そうだな」
龍司は泣きじゃくる小柄な身体に覆いかぶさった。
「俺は酷い男だ」
その言葉にそぐわない優しい仕草で彼女の涙を拭う。頬に手の甲を当て、髪を梳き、首筋にキスをし、ささやく。
「言うんだ」
瑞希は長く口を閉ざした末、唇をかすかに震わせた。
「駄目……言えな、い……」
彼女はぎゅっと目を閉じた。それは信念やあるいはそういった強いものからではなく、ただ羞恥心から出た言葉だった。
「……」
龍司は一瞬だけ、その表情にわずかな怒りの色を覗かせた。
「強情だな」
また少し指を動かす。瑞希はされるがままで、それでも頑なに口を割ろうとしなかった。
「あまり我慢してると本当にイけなくなるぞ」
「はあっ、あ……」
彼は膣からは指を抜かないまま、一旦は責めを止めた陰核に指を這わせた。
「んん、はぁあっ!」
瑞希は喘いだ。身体が驚き、咥え込んだ指を締め付けた。
再び大量の愛液が分泌され始める。それは滴るほどに零れ落ち、龍司の指を伝ってシーツの上に落ちた。
「あぁ……やあぁ……」
「認めろ」
厳然と彼は言った。
「一言でいい。俺が欲しいと言え」
「あ、あ――――」
今や何も答えられず、瑞希はあまりのもどかしさに身を捻るだけだった。散々焦らされ苛められて、
彼女は肉体的にだけでなく精神的にも追い詰められていた。もう何も考えられない。
おこりのように震えながら呻く。とても耐えられなかった。
「……し……の……」
涙を流しながら、瑞希は懇願した。狂ったような声だった。
「龍司さんが、欲しいの……!お願いっ――」
瞬間、指が抜かれ、直後に待ちかねたように秘肉を割り、猛々しいものが突き立てられた。
「ん、ぁあああぁあんっ――――!」
それだけで彼女は達した。衝撃に強く背中を仰け反らせ、彼女は叫んだ。悲鳴のような声は長く響いた。
自分でも信じられないくらい、それは嫌らしい声だった。
彼女には恥辱を感じる暇さえ与えられなかった。熱い塊はすぐにぎりぎりまで引き抜かれ、また勢い良く打ち付けられた。
それが何度も繰り返された。
「んは、あ、あん、あ、あ、あっ、あ」
腰が叩きつけられるたび、肌を打ち付けあう音と水音、そして瑞希の嬌声が部屋中に響いた。ベッドが大きく軋み、
辛うじて彼女の身体を守った。
「あん、あう、くぅ、あっ」
「いい声だ……!」
龍司は貫いている彼女を組み敷くように圧し掛かり声を上げた。瑞希にはもうその声を聞く余裕もなかった。
彼女の中心は咥え込んだものからひたすら欲望の証を取り込もうと収縮を続け、その代償としておびただしいまでの快楽を得た。
間をおかず、彼女はまたのぼりつめていった。
「ああっ、だ、だめっ、ダメ、私っ」
これまでは考えられなかった艶かしい声音と台詞が口をついた。同時に龍司がさらに強く彼女の中に押し入ってきた。
龍司が彼女の声や姿に誘われてそうしたのだということが彼女自身にも解った。
自分が男を誘うことが出来るということ自体が彼女にはショックだった。龍司は彼女の言葉に最奥まで突き入れることで応じた。
「いいぞ、イけ、瑞希っ――」
「あっ――――――!」
- 125 名前:四週間目 投稿日:2005/09/19(月) 21:33:46 ID:diCl1DJQ
- 瑞希は背筋をぴんと仰け反らせた。同時に身体の中で熱いものが爆ぜた。
限界を迎え、彼女はつくりものの髪を肌に纏わり付かせてびくびくと痙攣した。彼女の中心は一度だけとても強く
龍司のものを締め付けた後、ゆっくりと確実に蠢き吐き出され続ける液体を飲み込んでいった。
時計を見ると夜中の二時だった。瑞希はただ黙って、眠っている龍司の顔を見つめた。
情事では女のほうが体力を使うとはいえ、彼女は一度睡眠をとっていたので龍司よりも先に目が覚めた。彼女は起き上がろうとして、
三度目なのに今まででもっともひどい腰の痛みに愕然とし、しばらく考えたが結局横たわったままで身体の回復を待った。
そういえば一緒にこうして眠ったのは初めてだったか――
気怠さを追いやり手を伸ばす。その指先が多少こわごわと、龍司の髪に触れ、頬に触れた。最後に瞼に触れようとし、彼女ははっと手を引っ込めた。
「……」
私はいったい何をしてるんだろう。
彼女は不安に瞠目した。ミュールは脱いでいるのに、それ以前に横になっているのに、急に自分の足元が覚束なくなったかのように
感じて落ち着かなくなり、彼女はゆるんで外れかけていたウイッグをめちゃくちゃな手順ではずし始めた。
本当なら、私は彼を拒否しなくてはいけないのだ。嫌わなくてはならないのだ。道義的にも、それから理屈としても。
それが、それが強制されたとはいえ、自分から求めてしまうなんて、私はなんてことをしてしまったんだろう――!彼女は自分が
いかに恥ずかしいことを叫び、ねだってしまったかを思い出して赤面した。頬の熱さは羞恥のためだけではなく、怒りのためでもあった。
鳶色の髪をむしり取るとようやく本来の髪型と色に戻った彼女は、自分の女の部分を振り払うつもりですこし身体を起こして
いちど頭を振り、そこで力尽きてまたベッドに沈んだ。もともと体力は使い切っていたので、そこまでが限界だった。
なんとか動けるようになるにはもう一度眠らなくてはならないだろう。
彼女はもう一度目の前で眠る龍司の顔を見た。
彼は瑞希の苦悩も知らぬげに穏やかに寝息を立てていた。その顔を見ていても怒りも嫌悪もろくに沸いてこない自分自身に、
彼女はいらだった。
「――――!」
悔しさに歯軋りし、彼女は両手で顔を覆った。こんなのは間違っている。なのにどうして私はこの男を拒否しきれないのだろう。
目尻に涙が滲んだ。わかっている。――彼女は顔を覆う手に知らず知らず力を込めてそれを認めた。
自分は自分が求められているという嬉しさから抜け出せないだけだ。その理由もわからないのに、それに溺れてしまっているだけだ。
だったら私がこんな思いをするのは自分の所為だ。私が弱いだけじゃないか。情けなくて涙が出てくる。道理も貫けずに、
私は何をやっているんだろう。
そしてそれ以上に気にかかることがあった。
それは会うたびに彼という人間の素顔を見てしまうことだった。どんな人間でも少なからず他人に隠している部分があるが、
龍司にはそれが特に多いように思う。彼がそうしてしまうのは何故だろう。いったいどんな理由があるのだろう。
「……」
彼女はその考えを振り払った。だからといってこんなことを続けて良いはずがない。こんなふらふらした気持ちは
持ち続けるべきではない。彼女は断じた。偶然彼の内面に触れることの多かった自分が彼に勝手に同調しているだけだ。
自分があんな提案をしたこと自体が馬鹿げていると彼女は思った。受け入れてしまえるかもしれないが、やはり受け入れるべきではない。
今夜だって結局、その折衷案を蹴られて、あれだけ好き勝手されて辱められた。彼がひどい人間であることに代わりは無い。
しかしそれでは、と彼女は思った。
祖母の遺骨に手を合わせてくれた彼は誰なのだろう。祖父に花を贈り、擁護した彼は誰なのだろう。
わからない。これだけ一緒にいても、結局何もわからない。彼女は朝と全く同じ事を心中で繰り返した。
彼女はしばらくそのまま涙を堪えていたが、それも長くは続かなかった。嗚咽を抑えることにも疲れ果て、彼女は再び深い眠りの中へ落ち込んだ。
- 126 名前:8838 投稿日:2005/09/19(月) 21:38:28 ID:diCl1DJQ
- 終わりです。全部いけました。なんか二万字超えました。長くてスマソ。
改行に関しては出来るだけ気を遣いましたが、やはり
携帯の方には読みにくいかと思います…すんません。
- 127 名前:名無しのアヒル 投稿日:2005/09/19(月) 22:18:14 ID:vwwCm2kg
- >>8838さん
大作GJです!!すごいです!男装少女のお約束シチュ女性らしいかっこをさせられる瑞希いいですね!
龍司のバックグラウンドが見えてきてるけど二人の仲はかなり微妙ですね。とにかく気になって仕方ないです。
たった2レスしかない上エロないはそれどころか男装少女が明かされないすらいない
自分の作品に意見してくれてありがたいです。今のところ
夏希 2票
春希 1票
夕顔丸 1票
ですか。実は大穴で真琴か白々斎が・・・ってことはないです(笑)。
- 128 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2005/09/19(月) 22:24:03 ID:xZ7JtNSJ
- >>126
8838さんGJ!
リアルタイムキター
がっつり読ませていただきました!
言わされちゃう瑞希に激しく萌えました。
五週目の2人は一体どうなっているのか・・・
- 129 名前: ◆z1nMDKRu0s 投稿日:2005/09/19(月) 22:37:55 ID:oqqzo9Rs
- 8838神のモビルスーツはバケモノか!!?
このままテレビで放映できそうなこのストーリーを考えた8838神は何者だ!!?
GJ!!
- 130 名前: ◆DNhFr3L39M 投稿日:2005/09/19(月) 22:51:14 ID:Qy2/OZUp
- >>126
8838様GJ!!
ええい、この現人神め!
濃厚でエチーだけにとどまらず、深いストーリーを見せ付けてくれるとは!
徹底的に倹約しようとする瑞希に萌えました……
- 131 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2005/09/19(月) 23:10:29 ID:WCIOXQoD
- >>126
なんていうか、このスレに来ている俺は幸せモンだと思った。
人物が深くて萌えられてさらにぇぅぃ。そして続きが待ち遠しい。これ以上なくGJ!
- 132 名前:実験屋 投稿日:2005/09/19(月) 23:20:42 ID:YNN7xv7N
- >>126
8838様GJ&乙です。
じっくり、バッチリ食い入る様に拝ませていただきました。
途中ですが自分も投下します。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
「パパですよ〜」
「いやいや、俺がパパですよ〜」
「お前ら出ていけーーーーーーー!!!!!」
『対決 異常者VS犯罪者』
藤澤の旦那の知り合いのカミさんが妊娠したらしいので
有紀と三人でお祝いに行った。俺たちは関係ないのにと思っていたら
俺と有紀も知っている人らしい。
ってな訳であってみたら、なんと相手はあの升沢だった。
殺しそこなったのは知っていたけど、まさか結婚してるとは・・・。
嫌がらせに、胎内教育の一環として結婚相手のレオさんのお腹に向けて
「俺がパパ」と吹き込んでやろうとしたら、升沢がキレて追い出された。
家族が出来たからか以前よりヤケに強くてビビッた。
巣穴をつつかれた獣は強いというが本当らしい。
- 133 名前:狂介と有紀 投稿日:2005/09/19(月) 23:21:46 ID:YNN7xv7N
- 「バカじゃないの二人とも?」
有紀にそういわれて少しヘコむ。
「この世界で正常で幸せな家庭を築くからさ。」
と旦那。
「そうなの?」
「俺に振るなよ。」
少なくとも正常ではない俺に言われても返答できかねん。
「まぁいいや。早く学校いこ。」
「そういえば学校行くんだった。忘れてた。」
「もぅ〜。」
「それより有紀。俺たちも負けずにベイビーを・・・」
「狂介のバカーーーー!!!!」
有紀の攻撃。狂介に999999999×3のダメージ。
「グフッ・・・・・・・・・フライトタイプ。」
- 134 名前:狂介と有紀 投稿日:2005/09/19(月) 23:23:00 ID:YNN7xv7N
- 有紀と旦那に置いて行かれた俺はしばらくその場で悶絶していた。
しかし、遅刻するわけにもいかず、なんとか復活した俺は足取り重く
教室に駆け込んだ。
「おはようって、どうしたんだ?」
教室に出来た人だかりに声かける。
「あぁ、おはよう。ドロボウだってさ。」
「ドロボウ?」
「五日くらい前から家の学校狙いで盗みに入ってる奴がいるらしくて
結構被害が出てるんだって。」
「へぇ〜」
「宿直の先生が見つけて追いかけたらしいけど、かなり強くて返り討ちにあったんだと。」
「マジっすか?・・・で、誰よ物盗られた奴って?」
「南だけど。」
「どけぇぇぇぇ!!!!!!」
人だかりをかき分け有紀の元に向かう。
- 135 名前:狂介と有紀 投稿日:2005/09/19(月) 23:24:22 ID:YNN7xv7N
- 人だかりの中心で有紀は悲しげな表情をしていた。
「有紀!!」
「あっ!!狂介・・・。」
「何を盗られた!?」
「体操着・・・・買ったばっかりだったのに・・・。」
「泣かないでユーちゃん。」
有紀を慰める旦那。
(体操着、体操着・・・・・有紀の体操着・・・・(怒))
「ヒッ!!」
「ゲッ!!!」
「ヤバッ!!」
「ウホッいい男。」
クラスメートが俺に怯えているようだが関係ない。
俺は完全にダークサイドに堕ちてしまったようだ。
「シ●の暗黒卿:ダース・狂介」として犯人を・・・・・・・・
「八つ裂きにしてやる!!」
- 136 名前:実験屋 投稿日:2005/09/19(月) 23:29:28 ID:YNN7xv7N
- 本日はここで打ち止めです。
今週は投下のスピードが遅くなると思いますが
どうかご勘弁ください。
升沢が悪役として使えなくなったので
新しい敵が完成するまで何かと子悪党が登場すると思います。
- 137 名前:姦理人 投稿日:2005/09/20(火) 00:19:17 ID:DgOudq/q
- >>107
大量投下、乙であります。
タイトルを「土曜日の情事・一週間目」というように中黒を入れて
対処しましたが、「一週間目」のみということでしたでしょうか?
このままで良ければ、レスは結構です。
8838さまも、他の作者さまも、ちょっと違うよコレってのが
ありましたらご遠慮なくドゾー
- 138 名前:8838 投稿日:2005/09/20(火) 00:24:32 ID:PXmIRm6d
- いただけたレスににやにやし通しです。皆様マジでdクスです。にやにや。
>姦理人様
はい、タイトルが「土曜日の情事」、サブタイが「〜週間目」のみに
していただけると嬉しいです。我侭ですみません。
- 139 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2005/09/20(火) 00:36:37 ID:ri5PDvf6
- ミャウリン○ルで、ネコ様にかまけてる間に…
神 降 臨 !
>アヒル氏
鬼道ともにワクドキしてます!
遅れ馳せながら、絢タソに一票。とか言いつつ、本命は真k(ry
>8838氏
ぐっじょおぉぉぉぉぶっっ!
ストーリーは面白いし、エロはエロいし!
改行も気になりませんでしたよ〜。
悪い漢、龍司もGJ!w
>実験屋氏
升沢氏…幸せそうだ…(*ノД`)ホロリ
この世界で悪党ゆーたら、そうとうキャラ濃くないと飲まれちゃいそうw
小悪党さんの活躍も期待してます!
- 140 名前:名無しのアヒル 投稿日:2005/09/20(火) 00:59:23 ID:zvdXFnMa
- >>実験屋さん
今までと違って冒頭出演の升沢。強くなりましたねー。でも獣扱いですか(笑)。
有紀も以前にも増して強くなってますね。狂介、「殺しそこなったのは知ってたけど」
って問題発言。でもこの発言が薄れてしまいそうな展開になりそうですね。
タイトルの異常者と犯罪者、どっちが狂介のことなんですか?
升沢に続く名(変態)悪役を期待してます。
>>139さん
真琴は40代のマッスル親父設定です(笑)。
- 141 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2005/09/20(火) 01:26:28 ID:QJNVbSW8
- いやもう、良作の多いスレですね(*´д`)ハァハァ
- 142 名前:白雀 ◆T2r0Kg7rmQ 投稿日:2005/09/20(火) 02:29:57 ID:qETe/c5i
- ダメだ……この神投下の後ではとても今日は投下できる自信は無い……。
私は出来たとこまで明日以降に投下することにします。しばしお待ちを。
>>8838さん
もうすごすぎです。ただ長いだけではなく、キャラを立たせて背景も少しずつ明らかにして、キャラの微妙な心情の変化を丁寧に書き出しているからこそ名作になっています。
どんどん女らしくなっていく瑞希萌えです。
>>名無しのアヒル氏
ありがとうございます。次回作も相変わらず前編はエロなしになりそうですが、がんばって見ます。
ちなみに、私はあえて絢夫が女の子と予想。
え? ちゃんと「息子」って描写されてるって? いえいえ、それでも大穴を狙うのが私です(爆)
鬼道ともども頑張ってください。
>>実験屋氏
升沢がどんどんと丸くなっていきますねー。それと反比例するように有紀がだんだんと暴力的になっているようなうわなにをするやめくぁwせdrftgyふじこ
狂介と升沢が協力して悪党に立ち向かう話なんかもそのうち読んでみたかったりします。
- 143 名前: ◆z1nMDKRu0s 投稿日:2005/09/20(火) 03:23:26 ID:tOo7NBmZ
- いやはや、升沢クン
当初のぶっとびっぷりはどこなの!!?
このままだと小悪党にポンジョン取られちゃうよ
展開がものっごい楽しみ
GJ!!
- 144 名前:秀穂ゴッドファーザーズ ◆z1nMDKRu0s 投稿日:2005/09/20(火) 04:10:00 ID:tOo7NBmZ
- 白雀さんが8838神の後だと投下できない!!?
ならコイツを挟むから投下してくれ
「はぁ…はぁ…なんとか巻けたな」
ホント運がよかったなおまいら
途中で平成教育委員会のマスコット夏服バージョンみたいなヤツがいなけりゃ今頃どうなってたか
あいつをシャルロットに押し付けて逃げて来れてよかよか
「もうダメ……死ぬ……」
ユウタンは既にバテてこの汚い部屋の畳に寝っ転がってゼェゼェ言ってます
寝てもいいからギター下ろした方が良いぞ
「なんか飲むか?」
真は冷たいものが欲しいのか冷蔵庫の中身をゴソゴソ
「あ、僕にも……」
ユウタンうつぶせのまま手を真のほうに差し出してる
もはや起きる気力も無いと見た
「ほれ」
真、おまいなんだかんだで優しいな
その冷たいミディアムボトルをユウに渡したらあと飲み物何も無いじゃん
「ありがと」
ミディアムボトルを受け取って中身をすごい勢いで減らすユウタン
よっぽど喉渇いていたのか
「俺手洗ってくる」
そう言ってのそのそと台所に向かう真。意外と清潔には気を使ってるみたいだな
この汚い部屋を見てると想像つかんけど
「ん?」
真の視線の先には洗いかけのパンツ
そういや洗ってる途中淳一に拉致されて駅に行ったんだっけ
「アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!」
あごはずれ荘にひびく真のムンクの叫び
ようやく気付いたみたいだな
男装してるとはいえ「女の子を部屋に連れ込んじまった」ことに
- 145 名前:秀穂ゴッドファーザーズ ◆z1nMDKRu0s 投稿日:2005/09/20(火) 04:33:14 ID:tOo7NBmZ
- みるみる顔が赤くなる真
例のあの夢がフラッシュバック!! フラッシュバック!!
苦しんでます! 苦しんでます真!!
一体何が彼を苦しめる!!
「どうしたの?」
いきなり真の顔をのぞきこむように現れるユウの顔
「どわぁ!!」
あと数センチでキス突入って距離に意識してる女の子の顔が現れたら確かにビビる
だけどそこまで大袈裟にやるこた無いだろ?
なんだかよくわかりませんな表情でその場に固まるユウタン
「終わったでしょ?
手洗わせて」
そう言って蛇口をひねり、手を洗うユウ
その後ろで悶々とする真
こいつ結構バカだな
とりあえず気付に冷たいものでも飲んどけ
「あ、それ僕の飲みかけ!」
「ごぷぁ!!」
汚ったねーなー、一度口に含んだモン吐き出すなよ
ユウタンの唾が入っているかもしれん水だぞ!!?
ちゃんと飲み込んどけバカガァー
- 146 名前: ◆z1nMDKRu0s 投稿日:2005/09/20(火) 04:34:20 ID:tOo7NBmZ
- で中断
さぁ皆さん投 下 し て く だ ち い
- 147 名前:名無しのアヒル 投稿日:2005/09/20(火) 20:51:52 ID:zvdXFnMa
- >>z1nMDKRu0sさん
ユウが真琴の部屋に訪れる展開乙です!進展見られるか!?
さぁ投 下 さ せ て も ら い ま す
- 148 名前:鬼道の末に・壱拾 投稿日:2005/09/20(火) 20:54:49 ID:zvdXFnMa
- 【陵辱ものです。御注意を。】
「ひあん!ひゃあん!あっ、あっ・・。そ、そんなとこ・・。ひやあん!!」
瑞穂が今までになく大きな嬌声を上げる。今まで濡れていなかった恥部は成幸の舌の感触に愛液で満たされていく。
「ようやく濡れてきたな。今までの分を補う様な勢いだ。こんなに濡れるなんて・・やっぱ淫乱・・だな。」
再び瑞穂を淫乱扱いする口を利いてはいるがその表情はさっきの困惑したような顔のままである。
「ひぃん・・・・。ひゃあん・・・。そんなこと・・・言わないで・・・。」
女陰が湿っていく感触に弱弱しい声を上げる。
「ああん!!ひあ!!!やめてぇ!!」
望まないのに耐え難い快楽に大きな悲鳴と嬌声を上げ鎖で繋がれた身体を暴れさせる。
「・・気持ち・・・いいか?」
成幸が聞いてくる。その言い方は今までの様に瑞穂を辱める為の言葉とは違う。瑞穂の今までになく大きな悲鳴と嬌声が
気になったがゆえといった感じであった。
「こんなの・・・違う・・・。気持ちよくなんか・・ああ!ひやあ!!違う、違う・・・・。」
望まぬ快楽に必死で耐える今の瑞穂には成幸の変化など考えてる余裕はない。あまりにも弱弱しい否定の声の中にも
嬌声が混じっていた。そんな瑞穂の意志に逆らう様にその女陰は成幸が強制的に与える快楽に反応し
愛液を絶え間なく溢れさせる。陵辱行為に快楽を覚えるのは仕方ないとわかっている。巌達に陵辱され
快楽を感じていた女性も多くいた。彼女らにいやらしさを感じたことはない。しかし、瑞穂にとって今の自分は
いやらしくて仕方なかった。
『こんなこと・・・いやなのに・・・どうして、どうして!』
快楽を受け入れている己の身体への嫌悪と悔しさから涙が出そうになるが堪えている。
その代償の様に愛液は容赦なく溢れ続け、成幸の舌を満たす。
「いい味だぞ・・。お前のここ。」
「やめてぇ!!そんなこと・・・。い、言わないで!!」
成幸の言葉に瑞穂はこれまでにない恥ずかしさを覚えた。それとは裏腹に快楽はどんどん大きくなっていく。
「ああ!!ああん!!も、もう・・・・。」
弱弱しい声を上げたその直後
「あああああ!!!」
一際大きな嬌声を上げ、瑞穂は絶頂に達した。
- 149 名前:鬼道の末に・壱拾壱 投稿日:2005/09/20(火) 20:57:40 ID:zvdXFnMa
- 「・・・・・・・。」
初めての絶頂に頭が真っ白になり、呆然とする瑞穂。愛液が膣から滴り床を濡らしている。
「・・・・。」
これまでなら瑞穂に辱めの言葉をあびせたであろう成幸も放心する瑞穂を前に口を閉ざしている。
「どうして・・・・。どうして・・・。こんな・・・。」
瑞穂がようやく声を開く。その声はほぼ泣き声であり目に涙が浮かんでいたが意地でもそれを流そうとはしない。
彼女の女陰はまだ絶頂の余韻に浸っている。
「舐めただけでこんなになるなんて・・。これから本番なのに・・。」
――本番・・・・・。
成幸の男根は相変わらず萎えておらずそそり勃ったままだ。成幸の言う本番とは、それを膣内に入れ
先程口腔内に放出した精液を出すこと・・。瑞穂の頭に再び過去の陵辱の光景の記憶がよぎった。
自分が訪れた直後、巌に射精されたあの女性・・。母親であるその女性の目の前で巌に処女を散らされた初音・・。
そして巌に陵辱される夢・・・。
「もう・・・・やめて・・・。お願い・・・。」
あまりにも悲痛な記憶を思い出し、哀願する瑞穂。
「・・・・今更・・そういうわけにもいかないんでね・・。」
瑞穂に同情はしている様だが哀願は聞き入れない。
「・・・・・・。」
言葉を失う瑞穂。まだ余韻に浸っている女陰が瑞穂の心を更に弱らせた。
「イッたばかりですぐは流石に可哀想だから、少し待ってやるよ・・。」
成幸はせめてもの情けなのか瑞穂に束の間の休息を与えた。しかし瑞穂にとってそれがいいことなのかわからない。
「うっ・・・・。」
瑞穂が呻き声を上げる。今にも泣きそうな声だったがそれでもやはり涙だけは流さない。
【成幸がだいぶ丸くなってますね。】
- 150 名前: ◆z1nMDKRu0s 投稿日:2005/09/20(火) 21:27:06 ID:tOo7NBmZ
- え? 終わり?
- 151 名前:名無しのアヒル 投稿日:2005/09/20(火) 22:01:45 ID:zvdXFnMa
- はい、今回はここまでです。短いですけど。
- 152 名前:姦理人 投稿日:2005/09/20(火) 22:18:12 ID:+nzNHg6h
- >>138
ttp://www.usamimi.info/~dansou/
こんな感じでしょうか?
小説本文ページの方は、とりあえず他の方の番号区切りと同様
スラッシュでタイトル/サブタイトルと並べました。
これもイメージ違いましたら、サイトに記載してあるアドレスまで
メールをください。
>実験屋さん
以前『』がタイトルだと仰っていましたが、
上の8838土曜日さんのような記載の仕方を望まれてのことでしたか?
お二方とも現状維持でよろしければ、レスは結構です。
- 153 名前: ◆z1nMDKRu0s 投稿日:2005/09/20(火) 22:38:47 ID:tOo7NBmZ
- >>151
そうですか、気を悪くさせたのならすみません
なんかもう後には退けなくて仕方なく犯すって感じになってきましたね
心情の変化が感じられて良いです
GJ!!
- 154 名前:実験屋 投稿日:2005/09/20(火) 23:22:52 ID:Nyw3twAD
- 放課後
「番号!!」
「いち」(藤澤)
「に〜」(有紀)
「3・・・あの」
「どうした!?つーか誰だオマエ?」
「誰も何もさっきそこで拉致られた者ですけど、何で僕が・・・」
「今後の展開上の数あわせだ!!気にすんな。」
「はぁ・・・(帰りたいけど怖い)」
「とりあえず名前は?」
「苑田園太郎(そのたそのたろう)です。」
「エキストラ臭がプンプンだな。活躍を期待する。」
「はぁ・・・・。」
腕ッぷし以外何一つ期待できない4人組がここに誕生した。
- 155 名前:実験屋 投稿日:2005/09/20(火) 23:23:56 ID:Nyw3twAD
- 「さて・・・・」
俺は腕組みしながら今回の作戦の概要を説明する。
「調べによると犯人は男子生徒の衣類を中心に盗んでいるらしい。」
「え?・・・男子。」
旦那が怪訝な顔を浮かべた。そう、苑田は知らないだろうが有紀はれっきとした
女の子である。つまり犯人は有紀を女と知らず犯行に及んだわけだ・・・ププッ
「これより犯人を捜索、捕獲し亡き者にする。」
「な・・亡き者って・・・」
苑田は怯えた表情を俺に向ける。だがここはそんな事を気にしている状況ではない。
「犯人は生徒(と書いて愛しの有紀)から物盗りをする糞外道だ。生かしておく必要は無い。
見つけ次第殺すつもりで攻撃し、生かした状態で俺に差し出せ・・・トドメは俺が刺す!!」
俺は模造刀(を研いでマジモノにした刀)。
藤澤の旦那は釘バット。
有紀はデッキブラシ。(有紀に野蛮な武器は持たせません。)
を各自装備した。
「あの〜」
「何だ苑田?」
「僕は武器を持ってないのですけど。」
「これを使え」
苑田には予備として持っていた木刀(鉄板仕込み)を手渡した。
「これより!!作戦名『オペレーション・ネバダ』を開始する!!」
- 156 名前:実験屋 投稿日:2005/09/20(火) 23:32:43 ID:Nyw3twAD
- 仕事が忙しくてここまでしか投下できません。
今週から来週にかけての投下で完成させます。
本当にスイマセン。
>>姦理人様
出来ればその形の方が嬉しいです。
注文ばかりでスイマセンがお願いします。(1話はそのままでいいです。)
>>z1nMDKRu0s様
乙です。自分も水を噴き出しました。
どうして俺は不謹慎&ダークなギャグしか書けないのだろうと自問自答。
>>名無しのアヒル様
GJ!!陵辱とは言いながらも愛が見え隠れしてますね。
続きを期待してます。
- 157 名前: ◆z1nMDKRu0s 投稿日:2005/09/20(火) 23:39:51 ID:tOo7NBmZ
- どんどんギャグ臭が強くなってきましたなwww
エキストラ君の活躍に期待
仕事頑張って下さい!!!!
- 158 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2005/09/21(水) 00:18:32 ID:KhAFabvY
- >>155
ちょっと待て。ネバダかよ。
- 159 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2005/09/21(水) 00:20:12 ID:nMyMf+0j
- それを言うならこの間のグフイグナイテッドにつっこみたかった
- 160 名前:名無しのアヒル 投稿日:2005/09/21(水) 00:29:31 ID:1NhKvhSu
- >>実験屋さん
ダークギャグナイスです!苑田園太郎笑えますね。超地味顔なイメージが。へのへの顔とかでもおかしくなさそう。
でも貴重な人材になりそうな予感。何故ならこの小説の中ではまともそうだから(笑)。
超がつく位有紀バカな狂介が怖くも面白いですね。ネバダってもしかしてあの長・・(以下自主規制)。
私事ですけど遠井家男装少女投票。ちなみに続きはまだです。
絢夫 2票
夏希 2票
春希 1票
夕顔丸 1票
(真k(ry) 1票)
絢夫一気に伸びましたね。投票してくれた方ありがたいです。しかも職人さんが御三方も・・。
さて、今まで何人騙せたかな(にやり)。
- 161 名前:白雀 ◆T2r0Kg7rmQ 投稿日:2005/09/21(水) 01:00:18 ID:0z7VFoWB
- やっと家に帰れたので投下ー。
ちなみに昨日投下しなかったのは「今夜はもうみんな8838氏の神作品でおなかいっぱいだろう」と思ってのことなので、
誰の後だろうが私はやっぱり緊張しますよ。皆さん私より遥かに神がかった職人さんばかりですから。
今回のタイトルは「福星遊戯」(ふうしんゆうぎ)で。レンとファンのお話の続きです。
前編は相変わらずエロのない無駄に長い話ですが、よろしければしばしお付き合いください。
- 162 名前:福星遊戯1 投稿日:2005/09/21(水) 01:02:52 ID:0z7VFoWB
- 「あ」
市の隅に陣取った小さな露店の前で、立ち止まったレンは意外そうな声を上げた。
「……おう、らっしゃい」
気だるそうな顔で品物の山の中にぽつんとたたずんでいたその店主は、レンがよく知る男……ライバルであり恋人(どっちもレンの自称だが)・緑風(リューファン)だったからだ。
福星遊戯
「ファン? こんなとこで何してるんだよ」
さも意外そうに尋ねるレン。
彼女はいつものように、使い古した男性用の武道着を着こなしていた。
一見すると愛らしい少年のようにしか見えないが、本当は小柄な少女である彼女。父のお古である男性用の武道着は大きいのか、手足の裾が長くて少々ぶかぶかであった。
「見てのとおり、店出してんだ。俺もたまには町に下りてくるんだぜこう見えても」
無愛想な顔をちょっとだけ緩め、レンにしか分からない程度に微笑みながらファンが言う。
粗末な布が敷かれただけのそのファンの店とやらには、薪や木の実、獣の肉や毛皮などが所狭しと並んでいた。
「すごい、これ全部あの山から持ってきたの?」
「ああ。俺だって仙人じゃねぇからな。必要なもん買うために金はいるさ」
そういえば、とレンは先日通ったときにファンが薪割りをしていたのを思い出す。確かにあの時、ファンは「市が近い」というようなことを言っていた。
この町では、一月に一度市が開かれる。
このときは町の内外から商人たちが集まり、町は珍しい品物や安いものを買おうと集まる人々で大賑わいとなる。
レンも実は母から買い物を頼まれ、食材や薪を買出しに市に来ているところであった。
男装してまで拳を志しているとはいえ、やはりレンも年頃の少女。珍しい品物や美味そうな食材が多数集まる市は何度来ても魅力的で、彼女の目には何もかもが新鮮に映っていた。
そんな中、まさかファンに会えるなんて、とレンは内心バンザイをしたいくらい嬉しかったのだが、彼の手前そんな恥ずかしい姿を見せられるはずもなく、なるべく普通にと頑張って振舞うレンであった。
「そーいえば、母様から買出し頼まれていたんだっけ……ねえファン、これいくら?」
脇に積んであった薪の山を指差すと、ファンは値段を言う。レンの予想以上に安かった。
「いいの?」
「ああ。どうせ元から大儲けしようなんて思っちゃいねぇし、お前なら特別価格だ」
レンの顔がぱっと明るくなる。自分を特別扱いしてくれたことがよほど彼女にとっては嬉しかったのだろう。
「じゃあ、ついでに食べ物も買っていい? うちの道場、門下生のみんなと一緒に食事することもあるからたくさん買わなくちゃいけないんだ」
「……じゃあ、ここにあるモノ全部まとめてこの値段でどうだ」
棒を使って地面に値段を記すファン。きちんとレンの買い物の予算内で収まった上に、予定より多くの量を買うことができる最高の条件だった。
ファンとしては本当はレンから金を取りたくはなかったのだが、親の使いで来たのならばまさか無料で持っていかせるわけにも行かなかったので苦肉の策ではあったのだが、レンはことのほか喜んだ。
「ありがとうっ! ファン大好きっ」
「だっ!? おいこらレン、抱きつくなっ! 人が見てるだろ人がっ!」
少年(にしか見えない)が大の男に抱きつく光景はさすがに目につくのか、通り過ぎる人々も怪訝そうに二人の様子を横目で見ながら通り過ぎていく。
ぎゅーっと思わずファンに飛びついたレンだったが、その一言で我に返ると素早くファンから離れる。ファンに抱きついた感触で赤くなっていた顔がちょっぴり残念そうだった。
- 163 名前:福星遊戯2 投稿日:2005/09/21(水) 01:05:28 ID:0z7VFoWB
- 「うーん、でもさすがにこの量はボクだけじゃ持って帰れないかも」
ファンが店を畳んだ後に残ったのは、レンに格安で売った大量の商品。どうやってファン一人で町まで運んだのかってくらいの量は、小柄どころか幼児体系のレン一人で持つには不可能な量である。
「ちょっと待ってね、先にうちに帰って、応援呼んでくるから」
「あー、いやいいよ。俺が運ぶの手伝ってやる」
そう言うと、山ほどもある薪を軽々と片手で持ち上げるファン。さらに背中には果物や木の実の入った籠を背負い、もう片方の手で毛皮や肉の包みを持つ。
いつにも増して、レンにとってはファンが大きく頼もしく、そして優しく見えた。
「いいのっ? ありがとうファンっ♪」
ぎゅ――――っと抱きつき、ファンの胸の辺りに頬ずりするレン。
「だーっ! だから抱きつくな! 両手塞がってるし! 人見てるし!」
すりすりと小動物のように懐くレンを、両手の塞がっているファンは身体を回転させて必死に振りほどくのだった……。
「着いたよっ」
歩くこと半刻、二人は町の中央からやや離れた所にある道場にたどり着いた。風格の漂う立派な門構えは、その道場が歴史と伝統ある所であることを匂わせる。
「ああ。品物はどこに置けばいいんだ?」
「裏口のあたりに置いておけばいいと思うよ」
裏口へと向かう二人。道場脇の壁を通る途中、中から威勢のいい掛け声が滞ることなく聞こえてくる。中で厳しい稽古が行われている証拠であった。
裏口で荷物を降ろし、レンはファンに袋から取り出した銅貨を渡す。格安料金にしたとはいえ、2、3日ならちょっとした贅沢ができるだけの金額である。
「ん、まいど」
「こっちこそありがとう。……ねえ、ファンはこれからどうするの?」
微笑んで礼を言った後、少し考えるように沈黙してからレンは尋ねる。
「ん? まあ売るもんは売ったし……あとはまた市に戻って、必要なもん買って帰るつもりだな」
「そっか……だったら、すこしうちに寄ってお茶でも飲んでいかない? ファンがうちに来るのって初めてでしょ?」
このチャンスを逃すか、とばかりにレンが誘う。期待で少年のような大きな瞳がきらきらと輝いているかのようだ。
「……いや、やめとく」
「えー、なんでだよっ」
急に不満げにファンの服の袖を引っ張るレン。右腕の裾だけちょっと長くなりそうな勢いである。
「話がややこしくなりそうだからな……俺とお前のことを一から説明するのとか」
「……ぶしょーものー」
別に面倒くさいわけではないのだが、家に上がるとなればやはり両親にも紹介されるだろうことはファンにも予想がつく。
ファンとしてはやはり、すでに嫁入り前のレンに手を出してしまっている以上レンの両親に顔を合わせづらいのは責められるものでもないだろう。
ましてや一度手合わせ済みとはいえ、レンの父親はこの町最強の名だたる拳法家。下手をしたら……
(よくもまだこんな小さなうちの娘を傷物にしおったな! 牙心流超奥義!)
(あべしっ!!)
(わー! たった一撃でファンがお星様にっ!?)
なんてことになるんじゃないか、とはファンでなくても思うところだろう……。
「とにかく、俺はいい。市が終わる前に買い物済ませて帰らないといけないしな」
「うー…………じゃあ、値段まけてくれたお礼にボクが買い物付き合ってあげる! そ、それならいいでしょ?」
レンも食い下がる。せっかく予定外の所でファンに会えたのだ。このまま帰すのはやっぱり寂しい。
「お前は稽古、いいのか?」
「うん。今日は買い物とか掃除とか、家の手伝いをする日って決まってたからボクはお休みの日だから……それとも、ボクと一緒じゃ邪魔……?」
寂しそうな瞳で上目遣いにファンに訴えるレン。まるで主人を見失った仔犬のようなその上目遣いはもう可愛すぎて男女問わず一撃で倒せるほどの破壊力を秘めていた。
「い、いや……分かった、付き合ってくれ」
「うんっ、任されたよっ。それじゃ父様に連絡だけ入れてくるね」
裏口を開け、靴を脱ぎ散らかして家の中に入っていくレン。ドタドタと床を鳴らしながら駆けていく音が外にまで聞こえ、ファンは思わず可笑しそうに苦笑いを浮かべる。
- 164 名前:福星遊戯3 投稿日:2005/09/21(水) 01:08:13 ID:0z7VFoWB
- 「お待たせ、許可もらってきたよ」
あわただしく戻ってきたレンは、一秒でも早く行こうとばかりにファンの左手の袖を引っ張る。よかったなファン、これで両方の腕の裾の長さが同じになるぞ。
「分かった、分かったから引っ張るなっての……」
ファンの苦笑しながらの注意も聞かず、レンはファンの服の裾を引っ張ったまま、再び来た道を戻っていくのであった。
一方その頃。
「よーし、素振り終了! みんな、私はちょっと家庭の事情で出かけてくるから、私が帰ってこなかったら適当にやっているように!」
「え? ちょっと師範? どこ行くんですか……ってもういないし!? はやっ!!」
人でごった返す市を、人の波間を縫うように二人は歩いていた。
大柄なファンと、道着のままで来た為に見た目は小柄な少年にしか見えないレンの二人連れは普段なら一風人目を引く組み合わせなのだが、どこを見ても人と物にあふれた今日は二人に注目する通行人はいない。
みんなそれぞれが自分の目的の買い物を十二分に果たそうと、所狭しと道の両脇に出ている露店をひっきりなしにのぞきながら歩いていく。
「ほらほら、この町は海からちょっと遠いから、こういう市の時じゃないと新鮮なお魚が手に入りにくいんだよ」
ちょっと生臭い匂いを気にすることも無く、大小さまざまな魚を売っている露店を指差すレン。
「確かに、普段は干物が主なようだしな」
「あ、見て見て! あの布、すごく綺麗な色だよ」
衣服用の生地を売っている店に駆け寄るレン。見た目は少年のような活発な姿をしていても、赤、黄、白、桃色と極彩色に彩られた生地を桃源郷にあこがれる様な目で眺めるその表情は、やはり綺麗なものに憧れる少女そのものである。
「しかし高いな……だが、こういうので服作ったらいいものが出来るんだろうな」
「うん。ボクも一度は着てみたいな……でも、もう少し大きくなったらかな」
「もう少しなぁ……もっともっとの間違いじゃないのか?」
「むー、ひどいよっ」
非難するような視線を向けるレン。しかし二人の体格差のせいか、どうしても上目遣いに見上げる感じにしかならず、むしろ拗ねた顔が可愛らしくもある。
「あ、いい匂い。ほらあれ、山鳥の丸焼きはこの町で人気のある料理の一つなんだよ。ボクもたまに家で食べるんだけど、こういう外で食べるのも美味しいんだよね」
「……食うか?」
「え? いいの!?」
目を輝かせるレン。前言撤回。やはりまだまだ色気より食い気なレンであった。
店主から受け取った焼き鳥に笑顔でかぶりつくレン。さっきファンに身長のことでからかわれたことなどもう忘れたかのように上機嫌で歩き出す。
「ねーファン、この野菜なんていうの?」
「……空心菜だな。中が空洞になってるからこの名前がついたそうだ」
興味深そうに売り物の一つを手にとってみるレン。太陽に透かしてみるが、中身まではさすがに分からないようだった。
「へぇー、意外と物知りなんだね」
「……意外とは余計だ」
「ところで、ファンの服もけっこうボロボロだよ。新しいの買わなくていいの?」
衣服を売る店の前でレンが立ち止まると、ファンの全身を上下に眺めながら言う。
生まれてこの方服装には気を遣ってこなかったファンの服は、服としての機能はとりあえず果たしながらもところどころほつれたり色あせたりしていた。
「服は直せば使えるから必要ないな。つーかお前に言われたくないぞ……」
「ボクのは父様からもらった大切な道着だからいいのっ」
えっへん、と無い胸を張るレン。
「……普段からそのカッコなのか? 町に出るときくらい少しは女らしくしてもいいんじゃないか? 前着てきた服とかもあるんだし」
先日レンが着たチャイナ服を思い出しながらファンが尋ねる。やはりどんなに男の姿をしても元は女の子、女性用の服もよく似合うはずだ、とファンは思う。
思えばあのチャイナ服は良かった。幼児体系なのが惜しいが、あれはぜひまた着せてしよう……いかんファンの思考が変な方向に行きかけているぞ逃げろレン。
「いつもこんなだよ。父様から拳を教えてもらうって決めたときから、ボクはいつもこうだもん。ボクは普段は男の子。家の中でも、外でも、今日みたいな日も。でないと、ボクの決意は本物じゃなくなっちゃうもん。
だからボクが女の子に戻れるのは、その……ファンと二人っきりのときだけなんだからね」
照れくさそうにうつむきながら、顔を赤くして独り言のように呟く。自覚してるかレン? 今のは人に聞かれてたらものすごく恥ずかしい台詞だったぞ。ほら、ファンも不意の告白に思いっきり動揺してる。
- 165 名前:福星遊戯4 投稿日:2005/09/21(水) 01:12:40 ID:0z7VFoWB
- 「……まあ、こんなもんだな」
籠に入った物を確認するファン。野菜や魚、調味料や下着用の白い布など購入した生活用品を満足そうに指を折って数を確認する。
市が行われている大通りの端から端まで歩いたせいか、十分に鍛えている二人でも少し足が疲れ始めていた。
「この先は店もないようだな。とりあえず引き返すか」
「そうだね。帰るにしてもこっちは反対方向だしね」
中央の賑わいが信じられないほど、店の姿もほとんどなくなった通りには彼ら以外の人影はほとんどない。二人は市の中央まで戻ろうと、同時にきびすを返す。
「……ん? なんだろあれ」
やや戻ったところで、レンが何かに気付いたように立ち止まる。その視線の先には小さな店らしきものが広げられており、数人の人だかりができていた。
「見てみてもいいかな?」
「ああ」
二人が近づく。どうやら物売りではなく、何かの見世物のようだ。市ともなると人が大勢集まる。単に物を売るだけではなく、賭け事や大道芸、見世物や闘鶏など様々なものが出されることは珍しいものではない。
「はい、残念ー」
「あー!」「そこだったか!」「くそっ、ついてねぇな」
店の周りにいた人々が口々に残念そうなため息を漏らすのが聞こえる。各々が銅貨を一枚、忌々しそうに放り投げながら去っていくのを二人は不思議そうに見送った。
「なんの出し物だろ?」
「なんかの賭け事のようだな」
人々が立ち去って、見やすくなった店をファンが覗き込みながら答える。
「おおっと、そこのお二人さん! ちょうどいいところに来たアル! ちょっと寄ってかないアルか?」
「……」
「……」
((怪しい――――!!))
二人の姿を見つけたのか気さくに話しかけて来る店主に気付き、警戒の……というより引きつった表情を浮かべちょっと後ずさる二人。
なんで露店の店主にそこまで怪しむかと言うと、この店主らしきオッサンまず黒塗りの眼鏡かけてる。頭も帽子で隠してる。しかも作り物っぽい怪しい口髭。見るからに胡散臭い。
そして極めつけに、語尾に「アル」が付く中国人なんて実際にいやしない。無理して語尾に「アル」付けてたとしたらそりゃ偽者だよ兄さん。
(ね、ねえ……見るからに怪しいんだけど)
(い、いや。こういう路上の見世物ではむしろああいうカッコのほうが客受けするのかもしれないぞ)
「何小声で相談してるアルか。それより美形のお兄さんと可愛らしいお坊ちゃん。買い物終わったとこならちょっとウチで遊んでいかないアルか? うまく行けば儲かるアルよー」
即効で離れるか見ていくか迷う二人だったが、好奇心に負けたのかレンが店主の方へと寄っていく。ファンもやれやれ、と言いたげな表情で付き従った。
「ふーん、それでおじさん、何をするの?」
「お、おじさ……! ……簡単な遊びアルよ。けっこう有名な賭け事の一つアルね……おじさん……」
おじさんと呼ばれたのがよほど衝撃的だったのか、地に両手をついて落ち込む店主。見た目から年齢が読み取れない以上、お子様のレンにとってはたいていがおじさんなんだ、頑張れ店主。
「5つの椀か……もしかして五福星か?」
レンの上から、背の高いファンが覗き込む。レンの目の辺りまである高さの木の台の上には、無地の小さな茶碗が5つ乗っていた。
「おお、その通りアルお兄さん」
「知ってるのファン? 五福星ってどんな遊び?」
「まあ遊びっちゃ遊びだし、こうして賭け事にも出来る単純な遊戯なんだが……」
- 166 名前:福星遊戯5 投稿日:2005/09/21(水) 01:16:23 ID:0z7VFoWB
- 五福星(ウーフーシン)
中国では、大物として大成するには努力もさることながら天に運命を祝福された星の下に生まれるのも大切であるという見解が一般的であった。
すなわち、天命を授かった者ほど将来は大成功する運命にある、という考えが広く広まっていたのである。
すると当然、人々は食事や酒の場などで自分のほうが良い星の下に生まれてきていると自慢しあうことがたびたび起こり、時にはプライドの高い客同士の間で殴り合いの争いにも発展してしまった。
それを解決したのが当時庶民から絶大な人気を誇っていたラーメン屋店主・陳周民(チャンシュウミン)である。
彼は自分の授かった天命こそが一番という争いを始めた五人の客に5杯のラーメンを出し、その中の1杯にだけ他のと見分けがつかないように激辛豆板醤をたっぷりと入れた。
こうして、その激辛ラーメンにあたってしまいそれを完食することが出来た人間こそが『厳しい試練にも臆すことなく立ち向かった、真の大物となるべく定められた者』として認められたのである。
それにより店内での喧嘩はなくなり、『五福星』として名付けられたラーメンにより店の売り上げもあがり、万事は丸く収まることとなった。
今となってはこの伝説を元にしたゲームの方が有名であるが、このゲームに勝てる者もまた天命を受けた大物であると自覚を持つことはなんら恥ずかしいことではないだろう。
なお、現代におけるロシアンルーレットの由来はこの五福星であるという説が最近発表され、学会やマフィアの間で注目を集めている。
ちなみに現代においてもこの伝説と陳周民にちなみ、『五福星』という名のチャーシューメンの店が全国にあるが、激辛豆板醤などは入っていないので安心して食べてもらいたい。
民明書房刊 「見上げてごらん夜空の星を〜君にも見えるさ死兆星!!〜」より
「……とまあ背景はおいといて、そこにある5つの椀のどれかにモノ……まあ金貨でも木の実でもなんでもいいんだが、それを入れてよく混ぜ、どの椀の中にあたりが入っているかを当てる遊戯だ」
「その通り。参加料は一回1文。外れたら私がもらうけど、見事当てた人には3文にして返すアルよ」
「なるほど。うまく当てられればお金が増えるんだね」
「もちろん、私も当てられないように巧く混ぜるけどね。どうかな、少しやっていかないアルか?」
ファンの方を見上げるレン。好奇心旺盛なレンらしく、顔には「やってみたい」と書いてあるかのように期待でいっぱいの表情をしており、ファンから思わず笑みがこぼれる。
「まあいいだろ。買い物も済んだしな」
「じゃあ、せっかくだから別々に答えようよ。それでたくさん当てたほうの勝ち!」
人差し指をびしっ! と立て、自信ありげな表情を見せるレン。
「おいおい、こんなとこまで来てまた勝負か?」
苦笑しながらも、気が乗らないわけではなさそうなのかどこか楽しそうなファン。
「いいじゃない、たまには拳以外での勝負も面白そうだよー」
「ま、いいけどな。それで負けたらどうなるんだ?」
「うーん……じゃあ、勝ったほうのいう事を一つ聞くってことでどうかな。あ、もちろんボクが勝ったからって、次の手合わせでファンにわざと負けろなんて言わないから安心していいよ」
「おいおい……後悔しても知らねぇからな。じゃあ店主、始めてくれ」
レンとファンはそれぞれ自分の財布から銅貨を一枚取り出し、台の上に置いた。参加料兼掛け金である。
「まいど。それじゃ、始めるアルよー」
店主は一枚の金貨を取り出し、胸の高さあたりまである木製の台の上に乗せる。その上から素焼きの茶碗をかぶせると、その周囲に同じ形の茶碗4つを置いた。これで5個の星が出来たことになる。
そのうち当たりは一つ。その真の福星を当てるのが客であるレンとファンの目標である。
店主が腕を動かし始める。最初に金貨を隠した茶碗が、隣の茶碗と、そしてまた隣の茶碗と、今度は逆隣の茶碗と、そして関係ない茶碗同士が、とみるみるうちに入れ替わっていく。素人目に見ても、店主の腕は手馴れていた。
15秒ほど動かしたところで店主が腕を止めた。台の上にあった5つの茶碗はすでにどれがどの茶碗なのか、素人にはまるで分からない配置に変わってしまっている。もちろん、当たりなど簡単には分からない。
- 167 名前:福星遊戯6 投稿日:2005/09/21(水) 01:19:59 ID:0z7VFoWB
- 「それじゃあファン、せーの、で一緒に指差すよ」
「分かった。どっちが当たっても外れても恨みっこなしってことだな」
「そういうこと。それじゃあ……せーのっ」
レンとファンは同時に、右から二番目の茶碗を指差した。一瞬顔を見合わせ、レンはにっこりと嬉しそうな笑みを浮かべる。
「それじゃあ、開けるアルよ…………おおっ、お見事っ」
二人が一緒に指差した茶碗を店主が開けると、中からは最初に隠した金貨が出てきた。
「アイヤー、二人ともなかなかやるアルね」
「よーし、もう一回挑戦しよっと」
「望むところアル」
店主が賞金を払い、再び二人が参加料を払うと、店主はさっきよりも若干速い手つきで茶碗を混ぜ始めた。
その後も二人は連続で正解し続けた。店主も正解されるたびに速度を上げていくのだが、相手が悪かった。
レンは小柄な少年のように見えても、最強をうたう牙心流の師範代。獣のように研ぎ澄まされた動体視力の前では、どんな素早い動きも見逃さない。一方のファンも生まれてからずっと自然の中で育ってきた超人的な感覚の持ち主である。
動体視力に加えて、風や気の流れから当たりの茶碗の動きを追いかけることは造作も無い。
二人とも外すことなく正解を続ける様に、店主も最初は二人を讃えていたが次第に本気を出してくるようになっていた。
それでも10回ほどが終わり、二人とも10回連続正解。二人の財布は来たときよりも大きくなっていた。完敗だと言わんばかりに店主が力なくかぶりを振る。
「アイヤー、ホントに強いアルねお二人とも。油断した私の負けアルよ……」
「えへへー。子供だからと侮ったらダメだよ」
「……子供って自覚はあったんだな」
「ファンの意地悪……」
「このままじゃ私の稼ぎ無くなっちゃうアルよ。ねぇお客さん、あと3回だけで勘弁してくれないアルか?」
「もー、しょうがないな。このままじゃファンとの勝負引き分けに終わっちゃいそうだねー♪」
連勝続きですっかり調子に乗っているレンは、気の緩んだ明るい笑顔を浮かべながら上機嫌で答える。一方のファンは無愛想げな顔をそのままに、レンに同意するように軽く頷いた。
「じゃあ行くアルよー」
店主の気配が、先ほどまでの人のいい道化師の気配から獲物を狙う鷹の気配へと変貌したのに気がついたのはファンだけであった。
当たりを隠した茶碗が動いた。
動かされた、のではない。ひとりでに動いた――――そう表現するしかないほどに、店主の手の動きは速かった。
今までの動きと次元の違うその手つきは、巧いとか速いとかそういうもので計れるものではなかった。
目にも留まらぬ速さで手の残像だけが幾重にも巻き起こるかと思えば、その間に置かれた5つの茶碗は次々と位置を買え、まるで触れもせずにひとりでに動いたかのごとく錯覚させられそうな速度で移動していく。
中央にあった椀が、隣の椀と入れ替わり、さらに二つ離れた端の椀と入れ替わり、続けてその椀と反対の端の椀が、同時に中央3つの椀が、二度三度と入れ替わっていく。恐るべきことにそれらはほんの瞬き一つする間に起きた刹那の出来事であった。
しかもその手つきの何と鮮やかなことか。ただ速く手を動かすだけでは勢い余って手で茶碗を弾き飛ばしてしまう。それなのに、動き続ける5つの椀はまるで見えない力に引き寄せられるが如く、ぶれもせず、宙に浮きもせず、極めて滑らかに台の上を滑っていくのであった。
よほどの力加減と手先の器用さも併せ持たないと出来ない、まさに神業である。
(う、嘘……!)
レンもようやく、隠されていた店主の本気に気付く。鍛え抜かれた動体視力でかろうじて目で追っているものの、少しでも長く瞬きをしてしまってはその瞬間に当たりを見落としてしまいかねないスピードに戸惑っていた。
永遠にも思える15秒。大きな瞳で穴が開くほど凝視し続けたレンは、店主の動きが止まるとほっとしたように息をついた。
- 168 名前:福星遊戯7 投稿日:2005/09/21(水) 01:23:41 ID:0z7VFoWB
- 「さて、これはさすがに難しいアルよ。どれか分かるアルか?」
「……うん。確かにものすごく速かったけど、ボクだって今までいっぱい修行してきたんだもん。あのくらいの動きにはついていけるよ」
「じゃ、せーの、でだな」
せーのっ、という二人の掛け声で、レンとファンは同時に指で椀を刺した。
レンは真ん中、ファンは左端……初めて二人の選択が分かれた。
「お、分かれたアルね。そっちのお兄さんか、そっちのお嬢ちゃんか……それともどっちも外れかね?」
もったいぶった手振りを交えながら、正解発表に溜めを作ってじらす店主。「最終回答?」とでも言いそうな言わなそうなそんな気配である。
レンの緊張がピークに達しようとした頃、店主はレンとファンが選んだ二つの椀を同時に持ち上げた。
当たりが入っていたのはファンが選んだ椀だった。
「そ、そんな……! 確かにこのお椀だったはずなのにっ」
速さと手つきの見事さに驚嘆してはいたが、レンは自分の選択に自信があった。どんなに速く動かし、どんなに巧みに引っかけを織り交ぜようと、確かに当たりの椀は真ん中のだったはずだ。
どうしても釈然としない気持ちを抱きながら、それでもケチをつけるわけにもいかずレンは心中で地団太を踏む。
「気にする必要ないね。まだ2回残ってるから機会は有るよ」
「だな。俺が残り二回はずしてお前が二回当てればお前の勝ちだぞ」
「そ、そうだよね。次は絶対当てて見せるんだから」
だが、その後の二回ともレンは外し、ファンは当てた。
総合的にはレンもファンも掛け金以上の配当を稼ぐことが出来たが、五福星での勝負はレンの完全敗北であった。
「そんなぁ〜」
深いため息をつきながらその場にへたり込むレン。しおしおと力なくうなだれる様は、威勢よく挑戦した最初の勢いをまるで失っていた。
「……ま、後でゆっくり解説してやるよ。店主、なかなか楽しかったぞ」
「あいよ、それじゃ私はそろそろ店閉めるから、二人とも頑張ってね」
手を振る店主を背に、ファンとレンは再び歩き出す。
三連続で外したことがショックだったのか、レンの足取りは重い。市の雰囲気とファンとの逢引で晴れ渡っていた心に一気に暗雲が立ち込めてしまったかのようである。
「おかしいなぁ〜、ぜったい自信あったのに……はぁ……」
「なあ、レン」
「……なに?」
弱々しい表情でレンが見上げると、ファンは顎で脇の裏路地へと続く小道をしゃくって見せた。
そちらに目を向ける。華やいだ大通りから一歩裏へと入るその先はおそらく人気の無い裏通り、あるいは郊外への小道。
普段ならぜったい立ち寄らない裏道を指すファンの意図がつかめず、レンは頭の上に疑問符を浮かべながら首をかしげる。
「とりあえず人気の無いとこ行ってゆっくり話そう。なんでお前が最後自信あったのに外したのか、その説明してやるから」
「……うん」
華やいだ大通りから、人気の無い寂しげな裏路地に入るのを一瞬躊躇うようなそぶりを見せたレンだが、ファンの言うことなら、とすぐに首を縦に振り、とてとてとファンの後に続いて小道へと入っていった。
レンは気付かない。別に話をするだけならわざわざ人気の無い裏通りに行く必要はなく、その辺の茶屋でもいいということに。
それに気がついていれば、あるいはこの後彼女を待ち受ける過酷なお仕置きを逃れられたのかもしれないが、もう遅い。頑張れレン。
- 169 名前:白雀 ◆T2r0Kg7rmQ 投稿日:2005/09/21(水) 01:32:06 ID:0z7VFoWB
- というわけで前編終了。
わーい、デートですよデート。(本文では雰囲気上なるべく横文字使わないようにしてるので、『逢引』と表現してますが)
やはり二人が仲良くなっていく展開を入れるならば、デートイベントは外せませんよねっ!(力説)
でもエロ無かったな、と言われると……うぐぅ、耳の痛い話です……後編こそは期待に応えて見せます。
ちょっと小ネタ解説を。
「五福星(うーふーしん)」なんていうゲームは実在はしません。まあ、紙コップの中にコイン入れて正解を当てる、とかのゲームはどこでもありそうなありふれた遊びですが。
五福星の名前の由来はサモ・ハン・キンポー脚本の映画……ではなく、実は私がお気に入りのラーメン屋の名前からです。(もちろんその店とこの話は何の関係もありません)
ここの濃厚なスープにチャーシューがたっぷり入った肉そばが非常に美味しいのですよ。テレビや雑誌で紹介されたこともあります。
もちろん男塾ファンにはおなじみの民明書房もデタラメですので、実際にラーメン屋に行って店主に確認しないようにお願いします。(笑)
それでは後編執筆頑張ります。
- 170 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2005/09/21(水) 01:35:55 ID:nMyMf+0j
- 実はリアルタイムで追ってたよGJ!
レンはどうしてこんなに可愛いんだろうなぁもぅ!
お仕置きという単語に禿しく期待。焦らされつつ待ってまつ。
- 171 名前:名無しのアヒル 投稿日:2005/09/21(水) 01:57:25 ID:1NhKvhSu
- >>白雀さん
萌えで燃えなデートいいです!自分も本文で横文字使用禁止にしてます。
エロがすべてじゃありませんよ!ってエロパロ板で言うことか!・・ですよね。
自分も「遠井家」だとエロまだですから・・・。切腹!
200にも満たないのにもう半分近くスレ消費してるなんて恵まれてるんでしょうね。
- 172 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2005/09/21(水) 03:29:27 ID:DXrDdTdm
- >土曜日の情事
遅レスですまんです。
何度も読み直しました。
情事に流されてしまいそうになる自分を冷静に自己分析できるあたり
瑞希に惚れ直しちまったですよ。
分割でいいですかのくだり、笑わせていただきまつた。
まじやばい。
関係ないが先週おそろしいと評判のディズニーシー行ってきたw
- 173 名前:(*´Д`) ◆z1nMDKRu0s 投稿日:2005/09/21(水) 05:45:47 ID:WG65ELXT
- ム、ムハァ(*´Д`)
レンたんかわいいよレンたん
お仕置き楽しみだぁ(*´Д`*)
GJ!!
- 174 名前:遠井家の人々 投稿日:2005/09/21(水) 19:18:47 ID:1NhKvhSu
- 【エロはまだですが確信に迫ってます。】
話し合いの結果、翌日、白々斎の元に行くことになった。早い方がいいという絢夫の意見からだった。
その夜。
「父様の病気が原因とはいえ外に出るの久しぶりー。父様もお土産買ってこいって言ってたから何買おうかなぁ。」
その場に夕顔丸が居れば間違いなく叱られたであろう能天気な会話。
「そうですねぇ。真琴様は食欲旺盛ですからやはり食べ物でしょうかね。でも、傷みが心配ですね。」
能天気な会話に受け答えたのは春希。今、二人っきりである。
絢夫が春希の顔に近づく。
「甥鳴山って結構距離あるんだよね?」
「そうですね。明日は甥鳴山までは行けないと思います。帰るのは・・4、5日後ってとこでしょうね。」
「やっぱ早く行くことにしてよかったー。もう数日も寝込んでるからね、父様。」
「真琴様があんな風になるのは初めて・・・・んっ。」
春希の言葉を遮る様に絢夫がその唇を合わせた。二人の口付けは慣れた様子だった。
「はあっ。絢様、どうしたんですか。」
唇が離れると春希は口で言う程驚いた様子はないものの絢夫に問いかけた。
「はーちゃんの顔見てて抑えられなくなったの。」
「そういえば口付けもご無沙汰でしたね。」
「父様が倒れて心配でそれどころじゃなかったから・・。」
絢夫が心配げな表情をする。春希の方も真琴の心配と絢夫への気遣いで口付けや・・・それ以上の行為は慎んでいた。
「でも、父様は元気になる!だからボクも落ち込むのやめる!だから・・・はーちゃん、アレしない?」
「えっアレ・・・ですか。私も真琴様が寝込んで、する心境になれなかったんですが・・、絢様がしたいなら・・。」
「いいの?よかった!だから甥鳴山行くのにどれくらいかかるか聞いたんだよ。」
絢夫の言葉に春希が問いかける。
「何故ですか?」
「だって・・・・旅の最中だったらできないもん、アレ。だから行く前に今したいなって・・。」
絢夫の言い分に春希は納得する。
「成程・・。そうですね。じゃあ始めましょうか。」
「はーちゃん行動早ーい。」
「思い立ったら吉日ですよ。受け売りですけど。」
「成程ねぇ。うふふふ。」
二人は再び口付けをする。先程と比べて濃厚だった。一見美少年同士の絡みの光景だがこの直後、一変する。
がそれを見ている者はいない。と言うより見られない様気遣っていた上での行為であった。
- 175 名前:遠井家の人々 投稿日:2005/09/21(水) 19:22:26 ID:1NhKvhSu
- 「はーっ。」
準備を終え一人でくつろいでいた夏希はため息をついた。
「・・・・・・。」
ため息の後は黙り込む。そんな夏希が考えていたのはある人物のことだった。
「・・・夕顔丸のヤロー。」
小声で毒気づく夏希。くやしそうに頭を掻く。短気な夏希を挑発する様にイヤミを言う夕顔丸。
そんな彼についつっかかてしまう夏希。しかし夏希が夕顔丸につっかかる理由はそれだけではない。
「あんな奴に負けたなんて・・。あー!」
実は夏希は夕顔丸が遠井家に仕える為、腕試しした時、彼の相手をしたのだがその勝負に負けてしまったのである。
見た目は優男だが夏希は剣術が得意でかなりの腕前を誇っていた。その兄、春希も負けず劣らずの剣の達人だが
彼は荒っぽい弟とは違い、すぐ武力を持ち出すことは好まない為あまり表には知られてない。
その為挑戦者だった夕顔丸の相手は夏希がした。そのとき初めて夕顔丸を見たとき負けるはずないと思い込んでいた。
「あんな華奢っぽい奴に負けたなんて・・・。」
夕顔丸はしなやかで細身の体躯で背丈もそれほど夏希と差はない。顔も整った綺麗な造りをしている。
細身で女顔なのは夏希もだけど、そのときは自分のことを棚に上げてあんな華奢な優男に負けるはずないと心底思った。
それが敗因となってしまった。見た目とは裏腹に夕顔丸は夏希に負けず劣らずの実力の持ち主だった。
それまで夏希は自分と同世代の者との勝負は無敗だった。それまでの彼と互角だったのは兄、春希位なものだった。
自分と兄の例があるといえども自分より体格のいい男も簡単に倒してきた夏希は夕顔丸の様な華奢な外見の者が
自分に匹敵する実力を持っているはずなどないとなめてかかっていた。そんな夏希とは違い全力でかかってきた夕顔丸の
意外な強さに気圧されてしまい普段ではありえない位簡単に隙ができ、そこを衝かれ敗北。
そのとき夕顔丸に言われたことが忘れられない。
『お前・・・。手を抜いていただろ。俺が弱いと勝手に判断してな。こんな勝負するだけ無駄だったな。
己を過信し相手の力量もわからない奴なんか勝負する前から敗北してる様なもんだ。』
軽率な自分が恥ずかしかった。後々春希にも叱られた。夕顔丸の最初の毒舌は完全に夏希を打ちのめした。
その夜は悔しくて眠れなかった。それ以来夕顔丸との再戦の為それまで以上に稽古に打ち込んだ。
しかし、実はその敗北以上に夕顔丸にこだわる理由があった。絢夫や春希にさえ話したことのない理由・・。
『・・・今となっちゃ信じられねぇ。初めて夕顔丸見たとき惚れちまったなんて・・。」
そう、夏希は夕顔丸の繊細で優美な容姿に一目ぼれしてたのである。敗北と極端に人当たりの悪い性格だったことがわかると
可愛さ余って憎さ百倍とでもいうのだろうか、とにかく夕顔丸につっかかった。
「あんなイヤな奴なのに・・。あーもう!すっきりしねぇ!風呂にでも入って頭切り替えよう!」
そう言うと夏希は風呂場に向かう。遅い時間なので他に入る人はもういないだろう、だから行こうと思ったのに
思いがけない、しかも今もっとも見たくない人物を見つけてしまった。
『ゆ、夕顔丸!』
続く
- 176 名前:実験屋 投稿日:2005/09/21(水) 22:13:45 ID:+JnwmYfc
- 「二手に分かれて校内を探索する・・・そこで作者!!」
は・・・ハイなんでしょう?
「俺語りだと無理が出てくる。ナレをやれ。」
・・・・分りました(怖)ガクガクブルブル
こうして作者まで脅すと言う二次元キャラ史上初の暴挙に出た
狂介は有紀と、藤澤は苑田とペアになり捜索を開始した。
−藤澤&苑田−
「あの〜藤澤先輩?」
「どうした?つーか俺は確かに年上だが先輩なんて・・・」
「僕、一個下ですよ。」
「ゲッ!!知らなかった・・・てっきり同じクラスかと。」
「僕もその流れでイケそうだと思ってましたよ。」
現在の捜索状況・・・・・・苑田園太郎は一個下。
- 177 名前:実験屋 投稿日:2005/09/21(水) 22:14:58 ID:+JnwmYfc
- ―狂介・有紀サイド―
「狂介?」
「なんだ有紀?」
「別に無理して犯人探さなくても、体操着なら新しいのを・・」
「有紀がよくても俺が嫌なの!!!!!」
狂介は語る。
「こんな行為を許したらまた同じ悲劇(有紀に)が起きたらどうする?
犯罪の増長を防ぐためにもココで始末することが平和(有紀に)なんだ!!」
力説する狂介。聞いているうちに有紀は狂介が正しいと思ってきた。
サギはこうして人を騙すので皆さん気をつけるように。
- 178 名前:実験屋 投稿日:2005/09/21(水) 22:16:56 ID:+JnwmYfc
- 「そこの二人、何やってるんだ?」
と、そこに宿直の先生が見回りにやってきた。
「ヤバッ!!先生だよ。」
有紀はあせった。
「ドロボウ騒ぎがあるんだ,早く帰りなさ・・・・」
「やかましゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!」
狂介は手に持った刀を振る。
ブオッ!!!
「ギャヒ・・・」
刀から放たれた真空の波動によって宿直の先生は斬鉄剣で斬られた様に
パンツ一丁になって吹き飛ばされた。
「・・・・邪魔をするな。」
「やりすぎだよ狂介。・・・ていうか風神波?」
「『YAIBA』を見てて良かったぜ!!」
現在の捜索状況・・・え?犯人狂介?
- 179 名前:実験屋 投稿日:2005/09/21(水) 22:18:11 ID:+JnwmYfc
- ―藤澤&苑田―
「いませんね、犯人?」
「だろうな。まだ明るいし。」
現在、7時18分。しかし、日にちが9月上旬の設定のためまだ明るい。
「だってさ。」
「はぁ・・・ご都合主義ですか?」
「あぁ、でも気をつけろ。エキストラなお前がそんなこと気にしてると
出番なくなるぜ。」
「・・・気をつけます。」
作者の伝家の宝刀『ご都合主義』にケチをつけ存在を消されるトコだった苑田。
福田負債と違って中身は詰めてるんだ。文句言うな!!
- 180 名前:実験屋 投稿日:2005/09/21(水) 22:19:15 ID:+JnwmYfc
- 「失礼、通りますよ?」
「おっと、申し訳ない。」
「すいません。」
通りかかった人に道を譲る二人。
「・・・そういえばあんな奴学校にいたか?」
「保護者の方じゃないですか・・・?」
「ほっかむりして、カラクサ模様の風呂敷を担いで・・・」
「・・・・・・・・」
「・・・・・・・・」
「「出たぁぁぁぁ!!!!!!」」
現在の捜索状況・・・犯人現る。
- 181 名前:実験屋 投稿日:2005/09/21(水) 22:21:28 ID:+JnwmYfc
- 他の神投下がどれもGJ!!なのに
俺は何やってるんだろう・・・。
今日はココまでです。もう少しお付き合いください。
- 182 名前: ◆z1nMDKRu0s 投稿日:2005/09/21(水) 22:28:51 ID:WG65ELXT
- おぉ……
>>実験屋氏
なんだこのアフォなノリ……伊右衛門吹いたwwww
狂介テラコワス((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル
>>アヒル氏
とうとう誰が男装少女かわかりましたな
エロ期待してまつ
- 183 名前:名無しのアヒル 投稿日:2005/09/22(木) 01:33:30 ID:+bxrLdro
- 前スレより低いのでageときます。前スレ上げたの自分なので責任ついでに。ほんとに申し訳ありませんせした。orz
>>実験屋さん
いつも通り笑えました。正義感が強い様で有紀のことしか考えてない上先生を襲う狂介の方が
犯人より迷惑っぽいですね(笑)。犯人の格好がベタすぎるのも笑えますね。狂介側に現れなかった辺り幸運?
>>z1nMDKRu0sさん
えっ!ばれましたか!?まだ想像の余地がある書き方にしたつもりだったんですけどね。ちょっと敗北感orz
- 184 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2005/09/22(木) 23:51:44 ID:CearllBn
- 時期を読まずにチラ裏
このスレに常駐していながら、過去男装少女に萌えた!というはっきりした記憶はないんだよなぁ…
そういった願望は昔から持ってたのでウテナとか少女漫画の「風光る」は好きだったが
それでもこのスレに日参するようになったのはやはり職人さんたちのおかげだな
数えるとすごいことになってるよなぁ……
- 185 名前:遠井家の人々 投稿日:2005/09/23(金) 08:19:25 ID:c6dUQZWX
- 【絢、春希編】
「はーちゃん・・。脱がして・・くれる?」
絢夫、いや絢は春希におねだりする様な甘えた声を出した。
「あ、はい・・。」
絢の甘え声に春希は穏やかな声で返事をすると絢の着物に手を伸ばしゆっくり脱がし始めた。
「はーちゃんの手、大好き。暖かくて優しくて・・。」
着物を脱がされながらも絢や春希の手をいとおしげに撫でる。繊細な容貌に相応しい長くすらっとした指。
それでいてどこともなく力強い。
「私も絢の手・・大好きですよ。」
自分の手を撫でる絢の手の感触に嬉しげな表情をする春希。小さめでぽちゃっとした子供の様な可愛らしい手。
「やっと言わなくてもボクのこと呼び捨てに出来る様になったね、はーちゃん。」
自然に呼び捨てにされたことを心底喜ぶ絢。
「はい・・。でも大変だったんですよ。十六年間様付けだったんですから・・。」
「ふふふ。」
絢と春希、夏希兄弟は乳兄弟で俗にいう幼馴染という関係である。真琴には子供が絢しか生まれなかった。
その為息子として育てられた。その事実は絢の両親と乳母一家、つまり春希達のみが知っていた。
その為着替えや風呂などの世話はいつも春希と夏希が行っていた。ある程度の年齢になってからは
一人で行える様になったが気がつけば恋人関係になっていた春希に甘える様に時々世話を頼んでいる。
それゆえ絢の着物を脱がせる春希の手つきは手慣れている。ちなみに真琴や夏希には二人の関係は秘密にしている。
「あ・・・。」
小袖を脱がされた絢の上半身はさらしのみになった。裸を見られるのは初めてではないとはいえ顔を赤らめる。
「さらし、ほどきますよ・・。」
そういうと春希はゆっくりとだが慣れた手つきでさらしをほどく。さらしがほどけていくたび絢の顔が赤くなる。
ぱさっと音がして完全にほどけたさらしが行為の為に敷かれた布団の上に落ちる。
「・・・・・。」
久しぶりゆえに緊張している絢は露わになった胸を隠そうと腕を上げたが春希の優しげな顔を見て決意した様に腕を下ろす。
さらしがないとごまかせない程度のふくらみはあるがさほど大きくはない乳房。それが絢の可愛らしさを引き立ててる様に見える。
「やっぱ何度目でも恥ずかしいな・・・。あんまり大きくないし・・。」
「でも・・・綺麗だと思いますよ・・。可愛いです・・・。」
「えっ!!そ、そんな・・・・。」
臆面もなくほめる春希の言葉に照れる絢。春希はその様子に微笑みを浮かべながら自分の着物を脱ぎ始めた。
見た目よりしっかりした上半身をしている。
「絢だけを一方的に脱がせるわけにはいきませんから・・。」
「はーちゃんって着痩せする方だよね。」
見た目よりたくましい身体つきを見て絢は素直な感想を述べた。
- 186 名前:遠井家の人々 投稿日:2005/09/23(金) 08:21:53 ID:c6dUQZWX
- お互い上半身裸になった二人。
「絢・・。」
春希は絢を優しく抱きしめる。
「はーちゃん・・・。」
春希の腕の感触に安心した様な声を上げる絢。
「下も脱がせますよ・・。いいですか・・?」
「うん、早くやりたいもん。でも・・・今日もまだ本番はやらないんだよね?」
「はい・・・。嫁入り前の姫様は処女を大切にしないと・・。それに妊娠させるわけにもいきませんから・・。」
「旦那ははーちゃんしか考えられないけどなーボク。でも、妊娠とかはまだ・・。でも、はーちゃんとなら・・。」
「嬉しいです、絢・・。実は避妊が確実で一緒になれる方法・・見つけたんです。」
「えっ!!ほんと!!じゃあ今それしようよ。」
「申し訳ないけど今はまだ出来ないんです。くわしいことは終わってからでいいですか。」
そう言いながら絢の袴に手を伸ばす。
「あっ!どさくさに紛れて!はーちゃんの助平ー。」
「ふふ、じゃあやめてもいいんですよ。」
穏やかな物言いでからかう。
「やめろなんて言ってないもん。助平上等だよ。」
対抗する様に言う絢。
「ふふふ、じゃ、脱がせますよ。」
春希は絢の袴を掴みゆっくりと下ろし始める。
白くわりと肉付きのいい脚がすべて露わになり絢が褌のみの姿になる。
「・・・今更だけどなんか恥ずかしいな・・。」
絢は恥ずかしげに身体を縮めてそう言う。
「大丈夫ですよ・・。褌も下ろしますよ。」
春希の優しい声に安心し心の準備が出来た絢。
「うん、いいよ・・。ボクの本当の姿・・ちゃんと見てね・・。」
「はい・・・。」
春希は穏やかに返事をするとゆっくりと絢の恥部を守る褌を下ろした。
「あっ・・・。」
覚悟はしていても一糸纏わぬ姿になり恥ずかしげな声を上げる絢。
陰毛も薄く処女特有の初々しい女陰が春希によって露わにされる。
「いつ見ても綺麗ですよ・・。絢のここ・・・。」
「もう!恥ずかしいからそんなこと言わないで!!」
照れる様な喜んでる様な声を上げる絢。
「はーちゃんにしか見せたことないし、はーちゃん以外の男の人には見せないんだから・・。」
「私だけのの特権ってことですか。光栄です。」
春希が笑顔を見せる。
- 187 名前:遠井家の人々 投稿日:2005/09/23(金) 08:23:09 ID:c6dUQZWX
- 【夏希、夕顔編】
どうやら夕顔丸は夏希同様風呂場に向かってる様だ。やけに周囲に警戒している。その様子を見て夏希は見つからないよう隠れた。
『そーいやあいつ、人前で風呂どころか薄着になろうとすらしないよな。
確か身体に傷があるから人に肌は見せない様にしてるって言ってたよな。』
その話を聞いて痕が残る様な怪我をするなんてマヌケとからかってそのマヌケに負けたのはどこの誰だって反撃されて
喧嘩になったのを思い出した。今思うと言いすぎだったかなと思ったが夕顔丸の弱点と言えるだろうその傷を見てやりたいという
心境に駆られた。ばれない様こっそり後を付ける。すると案の定風呂場に入った。
『よし!』
周囲に誰もいないことを確認するとわずかな隙間から夕顔丸の姿を捉え観察した。
風呂場に入ってからも夕顔丸はどこともなく警戒した様子だ。夏希が覗いてるとも知らず少し警戒を解き服を脱ぎ始めた。
その様子は妙に色っぽく、夏希は自分の心臓の鼓動が速まるのをはっきり感じた。
『な、何考えてんだ!オレ!!男が服脱ぐ姿に・・、それも夕顔丸に・・・。』
そうは思っても夕顔丸が服を脱いでいくにつれ興奮し、その姿に釘付けになっている。夕顔丸が髪を下ろす。
下の方で一本に束ねられていた腰まである艶やかな黒髪が広がる。その姿に夏希は思わず息を飲む。
『本当にどうしちまったんだ、オレ・・。男色の趣味はないはずなのに・・。』
夕顔丸は上半身の着物の中で最後の一枚である襦袢を脱ぎ始めた。
『そ、そうだ!オレはあいつの身体の傷を見てやろうと・・。』
ほぼ忘れていた目的を思い出し夕顔丸の姿を凝視した。すぐ肌が現れるのかと思いきや胸に白い包帯の様な物が巻かれていた。
『あれで隠しているのか?でも、ああやって胸に布を巻くってどっかで見たことが・・・!!?」
夏希は思い出した。その「どっか」とは・・・絢が男装の為胸を隠す際巻くさらし。絢が十三くらいまで着替えの世話をしてたので
胸を隠す為にはさらしを使うことは知っていた。尚、春希が今でも時々着替えを手伝ってることや絢と春希が恋人関係であることを
夏希は知らない。
『さらしを巻いてるってことはあいつ・・・もしや・・・!?』
そう思うと色々納得がいく。自分が夕顔丸が服を脱ぐ姿に興奮してしまったことも、さらしのみの夕顔丸の上半身が
あまりにも色白で華奢なことも・・。夕顔丸がさらしを解いていく。それがすべてほどかれたとき予想してはいたものの
驚きを隠せなかった。傷などどこにもない。あるのは華奢な身体には不釣合いな豊かな双丘。女性の胸を見たことなどない
夏希はその光景に今まで以上に釘付けになる。そして思い立った様に風呂場に入り、夕顔丸の前に姿を現した。
「!!!い、いや!!」
驚いた夕顔丸は普段とは全く違う女の悲鳴を上げ、胸を隠す。しばらく沈黙が続いたが夕顔丸が口を開く。
「あ、あの・・・。騙してたのは謝ります・・。どうか、わたしが女だってことは秘密にしてください・・。」
今までの低めに作ってたのであろう声とは全然違う澄んだ声。口調もあのきつい言い方が嘘の様にしとやかでしおらしい。
きっとこれが彼女の本性なのだろう。
「黙っててやるけどその代わり・・・服を着直してオレの部屋に来てくれ。」
「えっ・・・。」
思いがけない要求に声を上げる夕顔丸。しかし逆らうわけにはいかない。
「わかりました・・・。」
「じゃあ、俺は部屋で待ってるから・・。」
そういって風呂場を後にする。
「・・・・・・。」
その場に残された夕顔丸は少しぎこちない手つきで服を着直し始めた。
- 188 名前:遠井家の人々 投稿日:2005/09/23(金) 08:26:19 ID:c6dUQZWX
- 部屋に戻った夏希は興奮が治まらない。まだ閉ざされている襖を見つめている。長い様な短い様な時間。
・・・襖がゆっくりと開いた。そこから姿を現す夕顔丸。その表情にはいつもの冷静で愛想のないものではない。
困惑した様な不安そうな表情。その顔は間違いなく少女の顔だった。
「座りなよ。」
布団の上であぐらをかく夏希は夕顔丸を見上げながらそう言った。
「は、はい・・・。」
その言葉を聞いて布団の前に正座する夕顔丸。
「あの・・わたし、何をすれば・・・。」
夕顔丸が聞いてくる。部屋に呼び出された時点で何かを要求されると思ったらしい。
「察しがいいな・・。流石だな。」
夕顔丸の予感の通り夏希は夕顔丸の正体を誰にも言わない代わりに要求を出すつもりだった。
「こっちに来な、夕顔丸。」
夏希は夕顔丸に自分の方に寄ってくる様言った。少しずつ近づく夕顔丸を待ちきれないといわんばかりに抱き寄せた。
「・・・・!?」
いきなり抱き寄せられ夕顔丸は驚きの表情をする。自分とさして身長差がないはずなのに
華奢な柔らかの身体の感触に夕顔丸が男でないことを再認識する。
「ほんとに・・女なんだな・・。」
「・・・・・・。」
夏希の行動に戸惑いを隠せない夕顔丸。自分を抱きしめる夏希の身体は春希同様見た目の割にがっちりしている様だ。
「お前の正体、黙ってる代わりに・・・。」
そう言い掛けると思い立った様に夕顔丸に口付けをした。
「・・・・!!?」
あまりにも思いがけない事態に目を開けたまま夏希の唇の感触を味あわさせられる夕顔丸。
「口付けしたの・・初めてだよ・・。夕顔丸もか?」
夕顔丸の唇から自分の唇を離すと真っ先にそう言った。
「あ、初めてです・・。あの・・。」
「月並みだけど・・、身体で払ってもらう。」
夕顔丸が言い掛けた黙ってもらう代わりに何をすればいいのかという問いに答えた。
「身体・・・!?」
夕顔丸が驚きの声を上げる。意味を理解したのだろう。そんな夕顔丸を布団の上に押し倒した。
服は着直していたが髪はおろしたままだったので美しい黒髪が布団の上に広がる。
「あ・・・。」
少し怯えた表情になる夕顔丸。
「なるべく・・・優しくするから・・・。」
夏希は怯える夕顔丸を優しく諭す様に言いながら彼女の着直された着物に手を伸ばす。
続く
【ようやく解答&エロまでこぎつけました。二つの章で展開に差がありますね。】
- 189 名前: ◆z1nMDKRu0s 投稿日:2005/09/23(金) 11:39:26 ID:DoH7Ft9B
- 予想とまったく逆な展開に敗北感orz
次回からのエロ、楽しみにしてます
- 190 名前:名無しのアヒル 投稿日:2005/09/23(金) 21:12:45 ID:c6dUQZWX
- >>z1nMDKRu0sさん
春夏兄弟が男装と思ったんですか?結果として三人(四人?)騙せましたね。しかも全員職人さん。
絢はばればれだと思ったんですけどいきなり夕顔丸に一票入ったときは負けた!って思いました。
応援&投票してくださった皆さんありがとうございました。正解は三人(二人?)でした。
ゴットファーザーズの続きも早く見たいです。真の部屋に来てしまったユウ、どうなる!?
ここ二、三日以前と比べて静かな気がするのは気のせいでしょうか?今までが恵まれすぎてた?
- 191 名前:103 投稿日:2005/09/23(金) 21:26:42 ID:wb3ZmVuw
- >>190
もう一人は夏かな?と思っていたのでやられました。GJ!!
- 192 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2005/09/23(金) 22:35:35 ID:ohwSQqfr
- 静かなタイミングとはあるものだから、そんなのを気にするな。
厨房っぽく思えるし。
- 193 名前:実験屋 投稿日:2005/09/23(金) 22:57:05 ID:pXCH9GT8
- 続きを投下します。
−−−−−−−−−−−−
―その頃バカップルは―
「チョ・・ちょっと狂介!!」
「いいだろ別に。誰もいないんだし。」
狂介は自分たちの教室で有紀に迫っていた。
「秀さん達が来たらどうす・・んんっ!!」
有紀の抵抗を押える為に有紀にキスをする狂介。
「前にも言ったろ・・・見せ付ければいい。」
「でも・・・」
「いいだろ?・・・・なぁ?」
狂介はアイフルな視線を有紀に向ける。
「・・・・もぅ。」
渋々という声で答えながらも有紀の瞳の奥には期待の光が伺えた。
- 194 名前:実験屋 投稿日:2005/09/23(金) 22:57:44 ID:pXCH9GT8
-
二人は再び見つめあいながらキスを交わす。
すぐには離さず、強く舌を絡ませながらお互いを吸い合う。
「んっ、うぅん・・・ふぅむ・・・」
その声に触発された狂介は有紀を抱きしめる。
腕の中で身じろぎしながらも有紀は嫌がる事無くキスに没頭する。
「あっ・・・」
次の瞬間、有紀から力が抜け、狂介の胸に倒れ掛かる。
狂介はそれを受け止める。
キスによる興奮からか有紀の身体からは甘い香りが流れていた。
有紀の身体の向きを変え、狂介は有紀を背中から抱きしめる。
ワイシャツのボタンを外し、その豊満な胸を押さえつけるさらしを退かし
さらけ出された有紀の胸を片手で包む。反対の手は有紀のズボンからベルトを外して
そのまま下ろした。
「あんっ!!」
有紀の秘所を隠すショーツがあらわになった。
「もう・・・。」
荒々しい狂介に怒った様な視線をぶつける有紀。しかし、その口調は
本心ではないことを狂介は知っている。
- 195 名前:実験屋 投稿日:2005/09/23(金) 22:58:39 ID:pXCH9GT8
- 「有紀が可愛すぎるんだ。」
狂介は当然と言わんばかりに言い放つ。
「・・・・バカ。」
有紀は顔を真っ赤にして答えた。
「有紀。」
「狂介。」
見詰め合った二人はそのままキスを再開する。
「うぅん・・・・んくっ・・・あぁむ」
クチャクチャと舌が絡み合う卑猥な音が教室に響く。
有紀の身体が熟れていくのを感じた狂介はそのまま有紀の股間に手を伸ばす。
「あっ・・」
有紀のデルタをショーツごとなぞりあげる。有紀は熱と艶を含ませた声をあげた。
「感じてる?」
「・・・ウン」
有紀は狂介の意地の悪い質問に恥かしげに俯きながら答えた。
- 196 名前:実験屋 投稿日:2005/09/23(金) 22:59:31 ID:pXCH9GT8
- 有紀の股間をなぞるうちに股間が湿り気を帯びるのを感じる。
「代えがある訳じゃ無いしな・・・脱がすぞ。」
狂介は有紀のショーツをずり下げた。
「あぁ・・んっ」
外気に触れ、有紀のアソコは敏感に反応した。
「挿れるよ・・・?」
「イイよ・・・挿れて。」
狂介は有紀を後から抱えあげると、太腿を鷲掴みにするように持ち
イスに腰掛けながら有紀に自分の分身を深く差し込んだ。
「うぅん・・・狂介の・・・熱いよぉ〜」
有紀は狂介の肉棒の熱さに身悶える。
「有紀・・・気持ちいいよ。」
狂介は後ろから有紀の頬に口付けし有紀を安心させる。
「あぁぁ・・・僕も・・・僕も気持ちいい・・・」
有紀は狂介に貫かれる快感、狂介は有紀に包み込まれる快感に酔いしれる。
- 197 名前:実験屋 投稿日:2005/09/23(金) 23:00:12 ID:pXCH9GT8
- 「動かすぞ」
狂介はゆっくり腰を動かし始めた。
「ぼ・・・僕も・・・んんっ!!」
有紀も負けじと腰を振り乱しはじめた。
「うっ・・有紀・・・」
自分の肉棒が有紀の膣壁に擦れる心地のよさに狂介は
思わず声を上げた。
「いい・・・気持ちいい・・・気持ちよすぎるよぉ!!」
有紀はすでに快感の虜となって激しく腰を振り乱す。
「・・くっ・・・有紀!!」
快感に飲み込まれぬようにと狂介もピストン運動を強化する。
「ダメ・・・僕・・・イク・・イっちゃう!!」
有紀の中が熱くうねりを上げて狂介の肉棒を締め付ける。
「有紀!!」
そのあまりの激しさに狂介も抵抗できずに溜め込んだ欲望の塊を
有紀へと送り込んでいった。
- 198 名前:実験屋 投稿日:2005/09/23(金) 23:00:45 ID:pXCH9GT8
- コトを終えた狂介は有紀に謝り倒していた。
「悪りぃ・・・有紀の事ばっかり考えてたらガマンできなくて。」
怒りやなにやらドス黒い感情が限界を超えたのだろう。その感情は
狂介を発情に追い込んだのだ。
「気にしないで。僕も感じちゃったし・・・。」
有紀はあえて怒らなかった。本来なら狂介を責め立てる事も出来るはずだが
狂介の一心不乱(他人目に見れば狂気)な瞳に有紀は根負けしてしまったのだ。
身づくろいを終えた有紀は正面から狂介に抱きつきキスをする。
「有紀・・・」
「犯人捜そ?」
そんな有紀の笑顔に狂介は心から癒されていった。
- 199 名前:実験屋 投稿日:2005/09/23(金) 23:02:03 ID:pXCH9GT8
- 「「出たぁぁぁぁ!!!!!!」」
「何!!」
「え!?」
突然の叫び声に二人は現実へと引き戻される。
「旦那たちの声だ。」
「犯人見つけたんだ・・・。」
「行こう!!」
「うん。」
二人は連れ立って教室から出て行った。
- 200 名前:実験屋 投稿日:2005/09/23(金) 23:05:52 ID:pXCH9GT8
- よく考えたらエロを入れることをスッカリ忘れてたりします。
無理矢理組み込んだ感が否めないですが、悪い方向に
上がった狂介のテンションを下げるイベントの一つとして
お楽しみください。
次の投下は犯人との対決中心で終わりにしたいと思います。
どうぞお付き合いください。
- 201 名前:秀穂ゴッドファーザーズ ◆z1nMDKRu0s 投稿日:2005/09/24(土) 01:51:44 ID:R9bRw4zb
- 無理矢理エロ入れなくても狂介の暴走が見れればそれでよかったのに
でもこういう時にヤッちまうのも狂介たる由縁ですなwww
GJ!!
あとこれから忙しくなると思うので更に更新遅くなるかも投下
「……死ぬかと思った…」
いっそ死ね真
この程度のシュチュに慣れてなくてエロパロ板のSSの主人公が勤まると思っちょるか?
「大丈夫?」
ユウタン、こんなヘタレの心配なんかしなくっていいんだよ
この調子じゃいつ死んでもおかしくないからな
「あぁ…平気」
ユウに背中をさすられながら死にそうな顔でそう答える真
「そう言えばさ
あの……バーにいたキレイな方が言ってたアレって何?」
「キレイ?
あぁ、ヒビキちゃんね、耳コピのことだ」
「耳コピ?」
説明しよう!!
耳コピとはその名の通り
耳で聞いてその曲の雰囲気、ノリ、音階をコピること
指使いの訓練、音階の開発、テクニックの収得など得るものは多い
「それ、出来るの?」
やれやれ、ユウタン既に諦めモード突入だよ
「俺ができた
一応やってみ」
そういってMDプレイヤーをユウに渡すと、恐る恐るそれを装着
「んじゃいくぞ」
真はコントローラを操作
さ〜〜〜いっくよ〜〜〜
- 202 名前:秀穂ゴッドファーザーズ ◆z1nMDKRu0s 投稿日:2005/09/24(土) 02:22:51 ID:R9bRw4zb
- 現在演奏中、しばらくお待ちください
「で、どうだった?」
あのヒビキちゃんからもらった曲が終わったのを見計らい、真が声をかけてみる
さぁ、ユウはこれが出来るのでしょうか!!?
「すごくいい曲だね!!」
ユウ……貴様それ本気で言ってんのか?
元々耳 コ ピ す る た め に 聞いてたんだろが
誰も感想なんざ聞いてねぇよ
「………orz」
おい見てみろ、真がリアルでorzやってんぞ
最早ツッコミ入れる気も失せたか
「よーしわかった
とりあえずお前ここに正座」
真が呆れながら言っても、えーもんみっけたニコニコ顔を崩さないユウタン
「で、何?」
ユウ、お前その行動はわざとかい?
「真面目にやろうよ」
ユウの正面でがっくりとうなだれながらそう言う
そこで初めてユウは自分の失敗に気付いた様子
「え? あ… ご、ごめん!!
ギター聞いて無かった!! ホントごめん!!!!
って真? お〜い」
もうダメだこいつ
リングのコーナーでパイプ椅子に座って燃え尽きてやがる
- 203 名前: ◆z1nMDKRu0s 投稿日:2005/09/24(土) 02:24:34 ID:R9bRw4zb
- 今日は笑える場所少ないし質も悪いし……
一体どうした俺orz
次出来るだけ早く書いてみます
- 204 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2005/09/24(土) 02:35:56 ID:ODrZeOQb
- 急いで書いて気に入らないものあげるより、自分のペースで書きなよ。
それはそうとユウたんカワイス。
あんまりバンドもの読んだことないし、そういう方面でも楽しみです。
- 205 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2005/09/24(土) 02:54:31 ID:SA3KCbLT
- >203
焦ることはない、このスレはいつでもあんたを待ってるぜ!
- 206 名前: ◆z1nMDKRu0s 投稿日:2005/09/24(土) 03:06:01 ID:R9bRw4zb
- みんなありがとう(つД`)
キャラをもっと暴走させられるように精進いたします
- 207 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2005/09/24(土) 04:12:05 ID:RcZi0CJ3
- 僕は、男装した女と普通の女のカップルも、ありなんじゃないかなと、言ってみる
- 208 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2005/09/24(土) 06:08:13 ID:kOfWPOoQ
- >>207
そんなもの誰も見ないよ
- 209 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2005/09/24(土) 07:17:34 ID:jCQAxfdN
- いや、俺は有りだと思うぞ。男装少女の方はレズなんだが女の格好じゃガチでつき合えない。
だから男の格好をして好きな女の子を口説き、ついに恋人同士になる。
で、えちシーンで実は女だということを暴露。もちろんドン引きの彼女。
しかし男装少女の女をわかり尽くしたテクと、男の荒々しいテクの二つを同時に使われて彼女は骨抜きにされハッピーエンド、と。
なによりこれなら受けが多かった男装少女が攻めに回れる。というか攻められたい(;´Д`)ハァハァ
- 210 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2005/09/24(土) 07:18:18 ID:RtFov74G
- >>207
『百合司』みたいに、男装娘が責められるのがいいなぁ。
百合モノは、知識ないから書けないけど…
男装娘が受側じゃないと、萌えにくい気はするが…
女と自覚の少ない男装娘が、百合娘に襲われ、女として目覚めてく
…みたいな感じか?
- 211 名前:208 投稿日:2005/09/24(土) 07:21:52 ID:RtFov74G
- おぉ、リロってから書き込めば良かった。
萌の開拓には前向きなので、男装娘責でも読むぞう!!
- 212 名前:名無しのアヒル 投稿日:2005/09/24(土) 15:38:14 ID:QTBivpJT
- そもそも男装娘が受けが多いのは男として毅然と振る舞うも、女であることがばれ、女の快楽を目覚めさせられるってのが
基本的なシチュだからなんでようね。ばらされたくなかったらって脅すとかもよくあるし(うちの夏希と夕顔がまんまそれだ)。
自分はノーマル専門なので百合や男装少女受けを書くのはちょっと無理ですが、見るのならなんでもありですね。
かつてこれまで男装少女のエロシチュが開拓されていくのは見たことないです。
男装女性が攻めのレズものといえば昨日立ち読みしたレディコミでありました。
婚約者もいるお嬢様が女性を骨抜きにする謎の美男子に最初はレイプ同然で手をつけられバイブで処女喪失。
それからも犯され続けるのだけど美男子との関係に目覚めたお嬢様は彼の物でしてもらうことを望むのだけど
美男子の正体を知っているお嬢様の父は乱入。それで初めて服を脱ぐと幼い頃母親に胸を刺されたのが原因で
片方の胸が発育してないのだけど紛れもなく女の身体。しかもお嬢様の父の愛人の子でお嬢様の妹であることが
父の告白で判明。お嬢様の婚約者は失脚させられてたのだけど実はお嬢様が知らないところで父が手を回して
いたことが判明。そんな中美男子に骨抜きにされるも関係を断られたお嬢様の叔母が乱入し美男子を刺す。
命拾いして退院後どこかに去ろうとする美男子にお嬢様はついていくといって終わり。
思いのほか長くなってすみません。
- 213 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2005/09/24(土) 17:02:34 ID:w9wyv7xO
- 凄いなレディコミ。
- 214 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2005/09/24(土) 17:25:08 ID:RtFov74G
- 今更だが、>>211の書き込み、名前欄は208じゃなくて210の間違いな…
寝 呆 け て た
スマソ
この前見たレディコミは、エロいってよりギャグか?とツッコミたい表現が
多かった…
しかし、そんなトコまで男装娘出現とは。
おそるべし。
- 215 名前: ◆z1nMDKRu0s 投稿日:2005/09/24(土) 17:57:55 ID:R9bRw4zb
- 平安時代からある最古の萌えを舐めるな
- 216 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2005/09/24(土) 18:23:31 ID:RtFov74G
- >>215
押忍!
- 217 名前:名無しのアヒル 投稿日:2005/09/24(土) 18:27:52 ID:QTBivpJT
- >>z1nMDKRu0sさん
平安どころか古事記で天照大御神が高天ヶ原に訪れようとする弟のスサノオを見て高天ヶ原を乗っ取ろうとしてると
思って男の格好に武装したって話がありました。他にも武装して遠征した皇后(しかも妊娠中)の話もあったはずです。
手塚作品でも古代が舞台で男装ネタがあった気が。古代から男装ネタは存在してたんですね(古事記が書かれたのは
奈良時代だったはずだけど)。
それと、ゴットファーザーズ面白かったです。「真がリアルでorzやってんぞ 」と「もうダメだこいつ
リングのコーナーでパイプ椅子に座って燃え尽きてやがる 」で笑いました。マイペースがz1nMDKRu0sさんの持ち味だと
思いますのでほんとに頑張って下さい。初代スレから投下し続けているあなたには頭が下がります。
- 218 名前: ◆z1nMDKRu0s 投稿日:2005/09/24(土) 20:03:52 ID:R9bRw4zb
- いえいえこちらこそ
ゴッドファーザーズの次は和風もの書くので激しく参考になります
- 219 名前:白雀 ◆T2r0Kg7rmQ 投稿日:2005/09/25(日) 00:33:55 ID:ut6iaG2W
- お待たせしました。急いで後編書きあがったので「福星遊戯後編」投下します。
注:今回、ちょっと特殊な性行為描写があります。普通のHにしか興味の無い方はスルーしてください。(※鬼畜・スカ系ではありません)
「まあ簡単に言うとだな、引っかかったんだよお前は」
壁に寄りかかりながら、レンの頭に軽く手を乗せくしゃくしゃと髪を撫でるファン。やや乱雑に撫でられるその感触に半分身をゆだねながらも、レンはファンの解説にもう半分の身を強張らせる。
裏道を少し進んだ先は行き止まりであり、今はみんな市に出かけているのか粗末な家々にも人気は感じられなかった。
「引っかかった?」
「つまりだ、イカサマっつー奴。お前が選んだのは間違いなく最初に当たりを隠した茶碗だったけど、途中で答えをすり変えるとか金貨をもう一枚袖に隠すとか、あの店主、最後の三回とも正攻法以外でお前を煙に巻いたってことだ」
「……むー、それってずるいよっ」
単純といえば単純な真実に、レンは唇を尖らせて不満を露わにする。
「ずるくない。ああいう賭け事では胴元は絶対損しないような技を身に着けるのは当然のことだ」
「でも……うー、悔しいよっ」
本当なら今すぐに戻って文句の一つでも言いたいところであったが、渋々レンはその気持ちを押さえ込む。ファンは見破っていたのだから要するに、見破れなかった方が悪いのだと認めざるを得ない。
「前にも言ったように、そこがお前の弱点なワケだ。確かに実力はすごいが、正攻法以外の手で来られても馬鹿正直に突っ込んでいくだけで変化に対応しきれない」
「でもボクは……!」
何かを言いかけたレンを、ファンは黙って手のひらを突き出して静止させる。その顔には、なぜか喜んでいるような微笑が浮かんでいた。
「分かってる。何も、どんな卑怯な手を使ってでも勝てって言ってるわけじゃない。
どんな状況、どんな戦法にも流されること無く対応できるだけの広い視野と、たとえ自分が有利に見えても最後まで油断しない心構えと、常に相手の裏の裏を読めるようになる経験を持てるようになれってことだ。
お前はまだこれからいくらでも強くなれるんだから、ただ肉体を鍛えるだけじゃない。時には一歩引いた視点から相手の本質を見抜ける器量ってやつも、お前ならきっとでかくできるはずだ」
「…………う、うんっ!」
染み入るようにファンの言葉を頭の中で反芻した後、勢いよくレンが頷く。その瞳にはやる気を取り戻した精気が満ち溢れていた。
レンにとっては、ただ心の中の靄が晴れただけではない。ファンが、初めて自分を認めるようなことを言ってくれたのが嬉しかった。
ファンが自分の成長に期待していることをハッキリと告げてくれたことが何よりも嬉しかった。改めて、レンは自分の父にすら勝ったこのファンと言う男の器の大きさを垣間見たような気がした。
- 220 名前:福星遊戯8 投稿日:2005/09/25(日) 00:37:21 ID:ut6iaG2W
- 「ボク、今日からまた頑張るよ。まっすぐ突撃するだけじゃなく、いろんな戦い方が出来るように」
「よし、その意気だ。なら俺が一発元気をつけてやろう」
「え、何を……」
「確か、勝負に負けたお前は俺の言うこと何でも一つきくんだったよな?」
普段の無愛想な表情からは想像もつかない、妙に楽しそうなファンの声色に冷や汗が一筋流れるレン。
「あの、ボクなんだか嫌な予感がしてきたんだけど……」
「さて、あんな単純なイカサマに引っかかる子にはお仕置きだな」
籠を地面に下ろすと、ファンは背後からレンを抱きしめるように羽交い絞めにした。とっさのことで逃げられもせず、レンの小柄な身体はすっぽりとファンの腕の中に埋まってしまう。
「うわーん! こんなところでなんて、けーだーもーのー!!」
じたばたともがきながらレンが非難するような叫びを上げるが、人気の無い裏通りでは誰もその声を聞くものはいない。
もっとも人気が無いだけであって、いつ人がこの通りに通りかかるか分かったものではない。もし誰かに見られたら……と思うと、レンはいつもの期待に加え、いつも以上の緊張で胸が激しく脈打つのであった。
「だ、誰か来ちゃったらどうするの……んんっ」
最後まで言わせず、ファンはレンの唇を奪う。
むさぼるように唇を押し付け、舌でレンの唇をこじ開け口内へと侵入する。生えそろった小さな前歯を舌先で舐め、歯茎をつつく。
おずおずと口を開き伸ばしてきたレンの小さな舌を感じると、それに舌を絡ませる。お互いの唾液を交換するように二つの舌が絡み合い、身を躍らせながらぬるぬるとした感触を楽しむ。
しばらくお互いの舌同士を刺激しあった後にようやくファンが口を離すと、舌先から伸びる唾液が二人の間に一本の透明な糸を引いた。
「大丈夫だ、誰か来たら俺が気配で分かる」
「そ、そういう問題じゃなくて……」
すでに熱に冒されたかのようにレンの頬は真っ赤に染まっており、目つきもどこかとろん、とし始めていた。街中でする、という予想外の展開への不安に、ファンへの愛おしさが徐々に勝利しつつあった。
ふくらみの無い胸の部分が、荒いだ息に呼応するかのように激しく上下する。
「なら手早く終わらせるさ。レン、壁に手をつけ。そうだ、そのまま腰を突き出すように……うん、可愛いぞ」
ファンの言うまま、壁に手をつき腰をファンのほうに突き出すようにするレン。元の小柄な体格もあいまってか、まるで子馬が四つんばいになるような体勢でレンは壁に体重を預ける姿勢になった。
正面には壁があり、背後に回ったファンの姿はレンには見えない。この姿勢から何をされるんだろう、と不安げな表情を浮かべ首を後ろに向けるレン。
レンと目が合うと、ファンは安心させるようにその無愛想な顔に微笑を浮かべる。そしてそのまま一気にレンのズボンを下ろす。
「ひゃあぁっ!?」
一気に膝元までずり下ろされる道着のズボン。レンの可愛い尻と未成熟な秘所が露わになった。恥ずかしさから思わずまた声を上げてしまうレン。
動物のように腰を大きく折り曲げて尻を突き出す姿勢になっているせいか、外気に晒され尻の中央でひくひくと動いている菊門もファンからは丸見えであった。
そこを間近で見るのは初めてのファン。もっとよく見ようと顔を近付ける。汗の匂いとかすかなアンモニアの匂い、それに少女の甘い匂いの混じった不思議な匂いを微かに鼻で感じながら、今はぴったりと閉じているそのもう一つの穴を凝視する。
周囲のまだ熟れていない桃のような白い尻の双丘と比べるとやや濃い色をしたその小さな穴にはいくつもの皺があった。
- 221 名前:福星遊戯9 投稿日:2005/09/25(日) 00:39:03 ID:ut6iaG2W
- 「や、そんなとこ見たらダメだってばっ」
「大丈夫だ、可愛いから」
「そういう問題じゃなくて、恥ずかしいんだよ……んあっ」
つん、とその窄まった穴にファンの指先が触れる。指先よりもさらに小さな菊門をつつかれ、思わず悲鳴に似た声が出てしまう。
「さ、触っちゃダメだってばぁ……汚いよ」
抗議を無視し、人差し指をさらに前に押し出していくファン。狭い穴をこじあけるように、つぷ、と先っぽだけがお尻の中に吸い込まれた。
「やっんぁっ……だ、ダメだってばっ」
おかまいなしに指を進めようとするが、本来入れるために出来ていないそちらの穴はかなりきつい。異物の侵入を拒むかのように押し出そうと収縮する内壁が、ファンの太い指をきつく締め付ける。
「はぁっ、んんっ……だ、だめ……動かさないでよぉ」
仕方なく、奥への侵入はひとまず預ける。そのかわりに侵入した指先だけをぐりぐりとほじくるようにかき回す。
菊門の周りをかき回される刺激に、レンは力が抜けたかのような甘い声を上げる。
「ダメとか言ってる割には気持ちよさそうだな」
「気持ちいいけど、でも、恥ずかしいんだよっ」
「まあそうかもしれないな。普段はこっちを使ってるしな」
「あうっ!」
空いていた左手の人差し指を前の穴へと入れる。いきなりの不意打ちに嬌声を上げるレンだが、すでにその中はしっとりと濡れていた。
左手の指を抜くと、全体には幼い秘所から分泌されていた愛液がとろりと絡みついていた。
「けど知ってるか? こっちでもできるんだぞいちおう」
「んっ……ひゃんっ」
右手人差し指を引きちぎらんほどに締め付けていた菊門から指を抜くと、今度は愛液の絡み付いた左人差し指を即座に差し込む。
そして、柔らかい菊門の周りにレン自身の愛液をぬりたくるようにまた指をぐるぐると回してかき混ぜていく。
「ん――っ、んあっ、で、できるってまさか……」
「……なあレン、お前が女の子に戻れるのは俺と二人っきりのときだけとか言ってたが……いつ誰か人がくるか分からないこの状況だと、お前は男なのか女なのかどっちなんだろうな?」
「え? 急にそんなこと言われても……」
「ああ。つまりこんな所で女になるのはまずいよな。女じゃないなら、『する』時はこっちでするものだろう」
「わ――――っ! お、女の子でいいから、普通にして欲しいよ――っ」
「だが断る。何事も強くなるための経験だ。こっちの穴でするのもな」
「ぜったい違う――っ!」
抵抗するように下半身を激しく振るレン。しかし菊門に刺さったままの指は、下半身が揺れる振動で小刻みに震えさらにレンに刺激を加えてしまい逆効果である。
やがて、緊張がほぐれてきたのかしだいに菊門の収縮が若干弱まってくる。少し強く力を入れると、ファンの指はもう少し奥へと進んだ。
初めて侵入するレンの後ろの穴は膣内のように濡れてはいないものの、お腹の中の温かさが直接指へと伝わってきて非常に温かかった。
- 222 名前:福星遊戯10 投稿日:2005/09/25(日) 00:41:37 ID:ut6iaG2W
- 「まあ、お前がどうしても嫌だってんなら、もちろん無理にとは言わないけどな」
「……い、いじわる……ボクだって、そんな優しいこと言われたらイヤなんて言えないよ」
「ん、いい子だ。緊張してると痛いから、力抜いてな」
一度指を入り口付近まで引き抜くと、菊門から指が抜けるか抜けないかの寸前でまた中へと指を推し進める。
「っあああぁぁっ」
今度は一気に、第二関節のあたりまで埋没する。無意識に反応してしまうレンの身体は侵入物を排除しようと再び収縮し、指全体に強烈な圧力がかかる。
「すごいな……お前の中、きつくてあったかくて……」
また引き戻し、押し進み、戻し、進み、と前後に指を何度も何度も動かす。
「あっ、んっ、やっ、ふあぁ……」
指の動きに合わせ、レンが切なそうに声を漏らす。元々が排出のための器官なせいだろうか、入れるときよりも引き抜くときのほうが若干気持ちよさそうな声のように思えた。
「……」
ファンは無言で、今度は空いていた右手人差し指をレンの秘所へと伸ばす。
菊門の周辺と内部を攻められて感じていたのか、既に外側まであふれた愛液によりそこはぐっしょりと濡れていた。
「ん――っ、くっ、はぁぁっ!」
縦のスジをなぞりながら、大量の蜜を指に絡めて行く。指の腹が敏感になっているレンの小陰茎をこすると、さらに指をくわえている菊門の締め付けが強まった。
十分に指に愛液を絡め取ると、また攻める指を左から右へと交代させ、新鮮な蜜を再びレンの小さな菊門へと塗りこんでいく。今度はさらに第二関節を越えて奥まで指が入っていった。
「くぅぅぅっ、んっ!」
ファンはだいぶ余裕の出来た指を、直腸内部で折り曲げる。外からの侵入を許したことの無い未開の直腸内を、指で押したり擦ったりしながら刺激していく。
「だ、ダメだよぉ……お腹のなか、すごい……」
身体の内部を直接攻められる刺激にレンはがくがくと膝を揺らしながら耐える。少しでも気を緩めればその場に立っていられないほど、初めて味わう肛虐の刺激は新鮮で、強烈だった。
「ひゃんっ」
にゅぽっという小気味良い音を立てて指が引き抜かれる。レンの後ろの穴は、小さな穴をぽっかりと開けながらひくひくと攻めの余韻に浸っていた。
だが、それでも前の穴と同じようにファンの男性器を受け入れるかと言うと、後ろから観察しているファンには疑問だった。
(このまま入れたら相当苦しいか……いや、その前に入んないだろうな)
「ひっ?」
顔を近付け、両手で左右のお尻を掴むとそのまま左右へと広げる。大きくレンの尻を割るようにしてから、ファンは少しずつもとの小さな穴に戻っていく菊門へと顔を近付けた。
そのまま舌を出すと、舌先で穴の中心をつつく。
「やぁっ、舐めちゃダメだよ、汚いよっ」
「レンのなら汚くなんかないさ」
つつ、と唾液をたっぷり絡ませながら、菊門の皺を一本一本数え上げるように舐め上げていく。
「やぁ……恥ずかしいよぉ……」
「恥ずかしいだけか? 気持ち悪いならやめるが」
「……くすぐったいけど……少し気持ちいい」
「ん、素直でよろしい」
菊門の周囲をすっかり舐め終えると、舌先を尖らせ中心部の奥の見えない穴へとねじこんでいく。入り口から少し奥までしか入らなかったが、外側と内側のちょうど境となる部分を重点的に舌で攻め、濡らしていく。
「ああっ、ファンん……」
レンが下半身をさらに後ろへと突き出す。ファンの鼻先までが柔らかい小桃のようなレンの尻にはさまれ、気持ちが良かった。
- 223 名前:福星遊戯11 投稿日:2005/09/25(日) 00:45:17 ID:ut6iaG2W
- 舌ですっかりねぶり上げても、レンは健気に壁に手をついたままの姿勢を保っていた。
すでに菊門の周囲は前の秘所と変わらないくらいに濡れててかてかと光っていた。
(……まあ大丈夫だと思うが……念には念だな)
ファンは懐から小さな竹筒を取り出す。その筒の栓を開け、中身を手のひらに出すとその中からは黄金色をした液体がとろりと流れてきた。
それを指先に塗ると、またレンの菊門へと塗りつける。
「ひっ? な、なに?」
唾液でも愛液でもない、冷たく粘りのある奇妙な感触が体内に流し込まれる感触に驚いてレンが声を上げる。驚いて振り向くが、レンの体勢ではファンがなにかごそごそとやっているところしか見えない。
「いや、こういうこともあろうかとさっき買っておいた蜂蜜だが」
「……ま、まさか」
「少しでも滑らかに入れやすくするようにと思ってな」
……ファン、食べ物は大切にしよう。
「にゃっ、つめたっ……」
筒から直接、菊門の周りへと蜂蜜を豪勢に垂らす。動物が喜んでむしゃぶりつきそうなほど、レンの菊門の回りは唾液と愛液と蜂蜜が混じって甘い匂いを放っていた。
残りの蜂蜜をファンは自身の陰茎へと垂らす。これまたレンが喜んでしゃぶりそうな甘い匂いを放ちながら、十分すぎるほど屹立した陰茎は黄金色に輝いていた。
「それじゃ、そろそろ入れるぞ……力抜けよ」
「う、うん」
ファンにしてもらうのは嬉しいが、やっぱり尻に入れるなど初めてである。レンも期待以上に不安の混じった声で、後ろを振り向きながらこくんと頷いた。
「んっ……」
現代の加工された蜂蜜よりはややサラサラとした蜂蜜は、潤滑油代わりとなって侵入を楽にさせる。
それでも、異物を受け入れたことの無いレンの小さな後ろの穴は堅く侵入を拒んでいた。
陰茎の先端だけがゆっくりと菊門に埋没していく。
力をこめて、腰を前に押し出すファン。少しずつ、指よりも遥かに太い陰茎が奥へと入っていく。
「レン、大きく息を吸って吐いてみろ」
「ん……すぅ……はぁ――――――――はあぁぁぁっ!!」
レンの身体から一瞬力が抜けた瞬間、一気に根元まで侵入させる。一瞬遅れて、レンはすさまじい圧迫感を腹の中に感じた。
肺の中の空気を全て出しつくさんばかりに息を吐き、酸素を求めて苦しそうに喘ぐレンの頭をファンは愛おしそうに撫でた。
- 224 名前:福星遊戯12 投稿日:2005/09/25(日) 00:47:28 ID:ut6iaG2W
- 「全部……入ったぞ」
「うん。おなかが……すごい……いっぱいだよ」
異物の侵入を許したレンの腸内は激しく収縮し、強くファンの陰茎を締め付ける。
まだ幼いレンの膣とすら比較にならないほどの締め付けが亀頭の先から陰茎の根元まで全体を痛いほど刺激し、気を抜いたらすぐにでも果ててしまいかねないほどの射精感がファンを襲う。
「ゆっくり……動くぞ」
「う、うん」
奥まで入った陰茎を、ゆっくりと引き抜く。
そしてまた、狭い腸内を押し広げるように中へと戻っていく。
十分にほぐし、濡らしたおかげで思ったよりはスムーズに動くことが出来た。
「はっ、んんっ、くうんっ」
前後にゆっくりと動くたびにレンの口から声が漏れる。
「すげぇ……お前の中、気持ちいいぞっ……!」
「う、うん。ボクも、気持ちいいのっ」
くちゅ、くちゅと卑猥な音を上げながら、次第に腰を動かす速度が早くなっていく。ファンの腰の動きに合わせるように、レンも自分で下半身をファンの方へと突き出す。
「ダメだよぉ……お尻で気持ちよくなっちゃうなんて、ボク、ヘンになりそうだよっ」
パン、パンと肉がぶつかり合う音が響く。
お尻でしていること、外でしていること、さらにいつ誰か人が来るか分からないこと。
後ろから突かれるたびに緊張感と背徳感がレンを襲い、それがさらに快感を倍増させる。
ファンの陰茎を締め付ける力もどんどん強くなり、まるでファンのモノを根元から引きちぎらんばかりである。
「あっ、はっ、あっ、はあぁ……ぼ、ボク……もう……っ!」
「くっ……そろそろ、いくぞっ」
予想以上に早く、互いの限界が近づく。獣のような勢いでさらに動きを早める二人。
太い陰茎が腸内を奥まで擦り、菊門を押し広げ、柔らかい尻の双丘を激しく叩きつける。
幼い菊門が根元までくわえ込み、絞り上げるように強く締め付ける。
「うおっ……出るっ!」
「ファンっ、んっ……んあああ――――っ!!」
果てる寸前、ファンはレンの中から急いで陰茎を引き抜いた。
強烈な締め付けから陰茎が開放されると同時に、恐ろしい勢いで精液が放出される。
溜まっていた分を全て吐き出すかのように、尿道のすぐ前にあるレンの尻めがけ大量の精液が飛んでいく。
(あ……熱い……よぉ)
薄い桃色をしたレンの可愛らしい尻がみるみるうちに白濁液で汚されていく。
その様は、まるでもぎたての桃にたっぷりの牛乳をかけた美味しそうな食後の点心のようであった。
やがて尻の割れ目を伝い、ぽっかりと空いた菊門にも少し入っていきながら流れ落ちる精液はレンの秘所から溢れる愛液と交じり合い、地面に行く筋もの染みを作りながらぽたぽたとこぼれて行くのだった。
まだ何かが入っているような異物感と下半身に伝わる熱を感じつつ、緊張の糸が切れたのかレンはそのままずるずると崩れ落ちるように気を失った。
- 225 名前:福星遊戯13 投稿日:2005/09/25(日) 00:50:43 ID:ut6iaG2W
- 「あー、ちょっとやりすぎた……かもな」
「く〜」
帰り道。激しい運動とはじめての後ろでの性交を終え疲れたのか、レンは気を失ったまま寝入ってしまっていた。そのくったりとした様子に少しだけ罪悪感を感じるファン。
仕方なくレンを背負い、道場へと足を向けるファン。買い物の荷物に加えレンという荷物が増えたものだから、彼をもってしてもなかなか大変だった。
と、何かを見つけたように彼が足を止めた。
「あいやー、お兄さん奇遇アルね。今帰りアルか?」
彼がレンとヤっちゃうきっかけになった遊戯の主催者、怪しさ爆発の露店の店主もファンを見つけたのか、気さくそうに話しかけてくる。
だが、ファンから感じる敵意にも似た警戒心を感じ取ると店主は歩みを止めた。
「……なあオッサン、あんた何モンだ? レンが起きてるときは追求するつもりはなかったが、今こうしてあんたから近づいてきたのは偶然じゃねぇよな?」
「え? 見ての通り、私はちょっとした遊戯で稼いでる露店の……」
レンを背負ったまま、ファンは斬るような視線で店主を見据える。
「普通の奴じゃ、あんな見事な手さばきは出来ねぇさ。あれは間違いなく達人級の手つきだ。そもそも、ちょっと腕のいい程度ならいくらなんでもレンがイカサマを見破れないわけねぇしな」
「いやいや、それは買いかぶりすぎアルよ」
「……決定的な証拠として、あんた一度だけ口が滑ってたぞ。レンをうっかり『お嬢ちゃん』と呼んでた……普通の露店の店主が、どう見ても男のカッコにしか見えないやつの正体を見ただけで見破れるのか?」
あ、しまったとでも言いたげに慌てて口を塞ぐ店主。
「あんた何モンだ? もし俺たち……いや、レンに危害を加えるようなつもりなら、乗り気じゃないが容赦はしな……」
「いやいやいや、それは大丈夫アル……いや、大丈夫だってば!」
一生懸命、否定するように手を振る店主。作り物のような陽気な声も、自然のままの声に戻したせいか途中からやや低い中年の声へと変わる。
「危害を加えるなんてとんでもない。なぜなら私はいつだってレンを影から見守る存在だからね。そう、ある時は露店の店主、またあるときは町一番の道場の師範……しかしその正体は!」
帽子とメガネを放り投げる元店主。その下からは、若干年季は入っているがまだまだ若者には劣らない鋭い眼光と短く切りそろえられた髪、そしてつけ髭の下からはぼさぼさの無精髭が現れた。
その逞しそうな顔つきにどこか子供らしさを残した顔をファンはすぐに思い出し、一気に警戒心が薄れ……どころか呆れ顔になる。
「そう、その正体はレンの父、虎中(フーチュン)ここにあり! なのだよはっはっはっ」
「…………どうも、お久しぶりっす……」
ファンは過去一度、町の武道大会の決勝でチュンと対戦している。そのときの勝利が縁でレンと今の関係に至るのだが、まさかレンの父親が露天商に化けてレンを見守っていたなどファンですら夢にも思わなかった。
(つーか……こんな人だったのかよおい……俺と戦ったときはもっと厳格で激しい気性の人だった気がするが)
あまりの予想外の正体と、自分の記憶と現実との差に思わず丁寧語になってしまうファン。
「うん、それは君も子を持ってみれば分かるぞファン君。武道家としての顔だけでは子育ては出来ないんだよ」
「……人の心読まないでください」
ため息をつきながら、とりあえずレンを背負いなおすファン。
(やれやれ、まさかこんな人だとは……大方レンが出かけると言った時に、気になって後をつけてきたのか……ってちょっと待てよオイ?)
- 226 名前:福星遊戯14 投稿日:2005/09/25(日) 00:52:43 ID:ut6iaG2W
- 「おっさ……じゃなかったチュン師範、あんたどこから見てたんすか、俺とレンのこと。というか知ってたんすね、俺とレンの関係」
「はは、これでも父親だからね。娘の変化を見れば色恋を知る年になったんだ、くらいは分かるよ。それでええと、君とレンが楽しく市を歩いているところからかな。あれだけ人ごみが多いと後をつけるのも楽だよね。
あとは先回りして、あらかじめ用意しておいた変装をしてあたかも最初からいたかのように五福星の出し物露店を開いていただけだよ」
「なんでそこまで? 別にあんな店開かなくても尾行続ければよかったんじゃ?」
「ん、やっぱり間近で君とレンの関係を確かめてみたかったし、それに」
「それに?」
「私の仕掛けた遊戯のおかげで、レンとあんなことできるきっかけが出来たじゃないか」
ふぁんは せきか してしまった!
「いやぁ、若いっていいねぇ。それでもレンを気遣って優しくしてくれたから私も見ていて安心したよ。
君相手じゃ気配を消してこっそり覗けるか心配だったけど、あの子にぞっこんになるとやっぱり周囲への警戒心は君といえど薄れるみたいだね。あ、私以外には覗いてはいないから安心してくれ。
いやいや、怒ってなどいないよ。むしろ私としてはレンには女の子としての幸せを掴んでほしいからね。男として拳の道に生きるとあの子が言ったときはどうしたものかと思っていたが、君のおかげでレンもあんなに女の子らしい表情をするようになってくれて感謝してるよ。
レンを泣かせるようなことさえしなければ多少の無茶は許すから心配しなくてもいいよ」
ふぁんは まだ せきかしている!
「……ありゃ、驚かせすぎてしまったかな……まあともかく、私は君たちの仲は認めているからそれだけは覚えておいてくれ。今回みたいなこともあまりしないようにするから……たぶん。
じゃあ、レンは目を覚まさないうちに私が背負って帰ったほうがいいかもしれないね。……よいしょっと」
すやすやと寝息を立てたままのレンをファンの背中から離すと、その大きな背中に背負うチュン。それだけ見れば、立派な父親の姿なのだが……。
「それじゃあ、今日はレンの面倒を見てくれてありがとう。これからもレンをよろしくお願いするよ」
道場で厳しく指導する師範の顔とはうって変わっての優しい笑顔をファンに向け、チュンは立ち去った。
今背負われているのが父親の背中とは知らず眠ったままのレンが満足そうな寝息を立てていた。
ふぁんの せきかが とけた!
あたりは すっかり くらくなっていた!
「……はぁ…………」
これから大変なことになりそうだ…………とめんどくさそうに大きなため息を吐くと、ファンは購入した荷物を持って山へと戻っていくのであった。
終
- 227 名前:白雀 ◆T2r0Kg7rmQ 投稿日:2005/09/25(日) 01:02:47 ID:ut6iaG2W
- はい、というわけでレンたんアナル初挑戦の回でした。
私自身には別にそっちの趣味は無いんですけどね。このスレではまだ後ろでするのは見たこと無い(はず)だから一度くらいやってみようかなーと思いまして。
>>ゴッドファーザーズ
毎回楽しめるノリのよさとユウたんの可愛さは誇っていいものですから、マイペースでお続けになるのが一番だと思います。
そしてなにやら和風モノまで考案されているとか……非常に期待大です。
>>名無しのアヒル氏
お、絢ちゃんだけ半分正解ですね。やったと思う反面、夕顔丸も当てたかったなーとちょっと残念です。
タイプの違う二つの話の同時進行はすごいですね。大変かもしれませんが頑張ってください。
>>実験屋氏
こんなとこで襲っちゃう狂介さすがです。
エロ無くても狂介と有紀の話は十分楽しめるので気にする必要はあまりないと思いますが、学校でもやっちゃう二人はやはりGJでした。
これからですが、実は、レンたんの話を書くと決めた時点で考えていたネタはここまでで、これ以降は何も考えていないのですよ。
リアルの生活も忙しくなってきそうですし、これで終わるのかまだ続けるのかはちょっと分からない状況ですが、このスレはこれからも楽しみにさせていただきます。
- 228 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2005/09/25(日) 01:09:55 ID:qbnGHJCW
- >白雀氏
GJ!
後ろでも感じちゃうレンタソハァハァ……
前編で「お嬢ちゃん」って言ってたからもしやと思ったらやっぱりでしたか。
いや、いい親父だ。キャラとしてはw
リアルに支障が出ない程度にでよいので是非書いて下さい。
控えめに投下待ってます!
- 229 名前: ◆.Xo1qLEnC. 投稿日:2005/09/25(日) 01:38:43 ID:CPS/mWE4
- >白雀氏
ぐっじょぶだ!ぐっじょぶだ!
蜂蜜がけのレンたん、美味しそう…じゅるり
お仕事大変そうですが、もしお暇を見いだせるようでしたら、
またいつか貴方の作品を、拝見したいと思います!
ああ、馴れない敬語で文がメチャクチャだ…
要するに白雀氏の作品が好き、ってー事で…お仕事がんばって下さい!
- 230 名前:実験屋 投稿日:2005/09/25(日) 01:39:01 ID:leWSd0uP
- >>白雀様
待ってました!!!個人的に後ろはグロいシチュしか思い浮かばなく
避け気味だったんですがレンとファンのおかげで脱却できそうです。
自分の方も完成間近ですので完成次第、投下します。
キーワードは『犯人はヤス!!(嘘)』
- 231 名前:名無しのアヒル 投稿日:2005/09/25(日) 02:06:47 ID:Lvy+YTC3
- >>白雀さん
GJです!アナル攻めが新鮮な上、かなりエロかったです!蜂蜜を塗って使うのとか特にエロいですね。
まさかレンの父が変装してたとは思いませんでした。コスプレ、素敵な親キャラに続いて覗きネタが次のブーム?
一人だけですが正解おめでとうございます。鬼道と遠井家を同時にやってる上、遠井家で絢・春希編と夏希・夕顔編が
さらに同時進行ですから実質三つやってるようなもんですね。しかも今三つともエロまっただなか(笑)。
>>191さん
その予想だとカップリングが気になりますね。春希と夏希はくっつけないから夕顔丸の相手は春希?
もしかしてレズか近親相姦ネタ・・!?
>>192さん
申し訳ありません。orz 皆さん都合ってもんがあるんですよね。いつも盛り上がってる分たまに静かだと気になって・・。
>>実験屋さん
ここでエロがくるとは思いませんでした!流石バカップル!ラブホに教室にやってる場所もバカップルのお約束ですね。
レンの父の変装ネタといい騙してる様で騙されてるな自分。次の展開は升沢のときを上回る暴力シーン展開なんでしょうか?
よく考えたら全身の骨折られて川に放り投げられて生きてた升沢ってその時点でかなりすごいですね。
>>z1nMDKRu0sさん
SSの大先輩に参考にしてもらってるなんて恐縮です。吉良ークイーンも頑張ってください。
- 232 名前: ◆z1nMDKRu0s 投稿日:2005/09/25(日) 09:35:50 ID:gKZs4nt2
- 親父のキャラがナイスですね
おしりでも感じるレンタンかわいいよレンタン
蜂蜜をぬたくってアナルセクースとは……
羨ましいぞファンめ!!
GJ!!
- 233 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2005/09/25(日) 13:50:46 ID:5b2vCV51
- おなかに精液がかかってるより
おしりに精液がかかってるほうがビジュアル的には イ イ !
萌えました!
桃のコンデンスミルクがけ蜂蜜風味ってアマー!ウマー!
男に見立てるって発想がなかなか新しかったです。
おちり・・・指だけでモノでは挑戦したことないんだけど・・・
試してみたくなった漏れがここにいます。
GJですた。
- 234 名前:実験屋 投稿日:2005/09/25(日) 17:39:07 ID:leWSd0uP
- ―藤澤と苑田サイド―
「待てコラァァァ!!!!」
「待って・・・速すぎ・・・。」
藤澤は犯人を追跡していた。苑田も常人レベルで必死についてきている。
「待てって・・・」
釘バットを構える藤澤。
「言ってるだろうがぁ!!!」
言うと同時にバットを投げつける。
サッ!!
「何!?」
頭のほっかむりにカスりはしたが、とてつもないスピードの
バットをかわした犯人。
「よくもやってくれたわね・・・。」
犯人はほっかむりを取り外し、風呂敷をわきに置く。
その姿をよく見ると・・・・
藤澤「・・・・・・」
苑田「・・・・・・」
「「ぎゃぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」」
そこにはとてつもなく恐ろしい姿があったのだ!!
- 235 名前:実験屋 投稿日:2005/09/25(日) 17:40:10 ID:leWSd0uP
- 「先輩・・・キモいっす。」
犯人の素顔、見た目40代の女性でブサイクではない。しかしその姿が恐ろしい。
スクール水着(旧型)
ルーズソックス
と言ういでたちだった。
これが同世代程度ならむしろ「犯してください。」と言っただろうが
40代では逆セクハラである。
「目に毒だ。このバケモノをさっさと倒すぞ。」
「分りました。」
「失礼なボウヤ達ね!!」
犯人は彼らのあまりの言い方に怒った。(イヤ誰でもキモいとは思うが。)
「私を誰だと思ってるの!?」
藤澤「歳を考えないクソババァ。」
苑田「ドロボウでしょ?」
「まっ(怒)!!礼儀知らずね。いいわ、聞いて驚きなさい!!
私は世紀の大泥棒・・・・」
「ジョセフィーヌ・ヤスコよ!!」
- 236 名前:実験屋 投稿日:2005/09/25(日) 17:41:13 ID:leWSd0uP
- 「『犯人はヤス』だったな。」
「偽名にしろイタい名前っすね。」
たいして驚いてない二人。
「何よ、もっと驚きなさい!!」
「ジョセフィーヌなんてしらねーんだよ!!だいたい世紀の大泥棒が
なんで男子生徒の服を盗んでるんだ!?アフォかキサマは!?」
「ホホホ。凡人には分らないでしょうね。」
「分ってたまるか!!」
「まぁいいわ。教えてあげる。」
「聞きたくないわ。んなモン!!」
しかしヤスコは無視して話を続ける。
「私は・・・・・・美少年好きなの!!」
理由は下らなく、イタいカミングアウトだった。
- 237 名前:実験屋 投稿日:2005/09/25(日) 17:42:14 ID:leWSd0uP
- 「テメェみたいなババァに好かれたくないわ!!」
「彼方はムサいから範囲外だけどねウフッ。」
「好都合だ。ぶっ潰す!!」
釘バットを拾い上げ構える藤澤。
「かかってらっしゃい、ボウヤ。」
藤澤秀平VSジョセフィーヌ・ヤスコの戦いが始まった。
「オラァァ!!」
振りかぶってそのままバットで殴りつける藤澤。
「甘い!!」
藤澤の攻撃をサラリとかわすヤスコ。
「これでもくらいなさい!!」
ヤスコは強烈なキックを放った。
「グッ・・・はっ・・・」
ガードはしたが、それを突き抜けてきた衝撃に目眩を起こす。
- 238 名前:実験屋 投稿日:2005/09/25(日) 17:45:36 ID:leWSd0uP
- 「私ね、カポエラを嗜んでたの・・・だから足技は凄いわよ。」
物凄いキックの雨が藤澤を襲う。
「藤澤先輩!!」
苑田は反撃しない藤澤を案じた。
「ナメるな!!」
藤澤の回し蹴りがヤスコの脇腹に命中した。
「クッ・・・やるわね。」
「まだまだぁ!!」
跳び蹴りを繰り出す藤澤。
「なんの!!」
それを難なくかわすヤスコ。
「隙あり!!」
「しまった!!」
着地と同時に自分の上着でヤスコを絡めとり投げつける。
「クゥ・・・痛いじゃない!!女に乱暴するなんて最低よ!!」
「都合の良い時だけ女を出すな!!これでも譲歩したんだぞ!!」
着衣がスクール水着(旧型)だけの為、ヘタに触ろうものなら
見なくてもいいものまでさらけ出してしまう。
あえて藤澤が自分の上着を使ったのにはそういった意味があった。
キモイよね年増の裸は。(趣味によるけど)
- 239 名前:実験屋 投稿日:2005/09/25(日) 17:46:33 ID:leWSd0uP
- 「まぁいい。こうなったら秘密兵器だ!!」
藤澤は廊下の照明のスイッチを一定のリズムで押し始める。
すると。
ヒュン!!
「キャッ!!」
ヤスコの頭上からマジックハンドのボクシンググローブが襲い掛かった。
「何よコレ!?」
「学校中にブービートラップを日頃から仕掛けていたのだ。
まさかババァに使うことになるとは思わんかったがな。」
言いながら次々とトラップを発動する藤澤。
降り注ぐ槍、火炎放射器、100tハンマー、
お決まりだが威力抜群のトラップがヤスコを襲う。
- 240 名前:実験屋 投稿日:2005/09/25(日) 17:47:41 ID:leWSd0uP
- 「殺すなといわれてるしな・・・・コレで最後だ。」
藤澤は最後のトラップを発動した。
パカッ
「あーーーーーーーれーーーーーーーーー」
藤澤自身の足元に開いた落とし穴に消えていく藤澤。
「ハァ・・・ハァ・・・どうやら自滅したようね。」
全てのトラップをかわしきったヤスコが穴の底を見つめた。
「いい気味だわ!!オーホホホホホホホ!!」
勝利の高笑いを叫ぶヤスコ。
「せ・・先輩・・・」
「さぁ〜て・・・あとはアタナだけよ。」
ヤスコの狂気の瞳は苑田に向けられた。
「うっ・・・ワァァァァ!!」
木刀を構え斬り付ける苑田。
「ザコね・・・」
苑田の下腹部に蹴りをお見舞いするヤスコ。
「グハッ・・・・」
- 241 名前:実験屋 投稿日:2005/09/25(日) 17:48:48 ID:leWSd0uP
- 「私を倒そうとするなんて無駄なのよ!!オーホホホホホ!!」
「クソー・・・僕じゃ・・・勝てないのか・・・」
「ボウヤ・・へのへのもへじみたいな顔ね?
趣味じゃないわ・・・。」
ヤスコが足を振り上げる。
「ヒッ・・・!!」
「トドメよ!!」
ヤスコの蹴りが苑田に直撃しようとしたその時!!
ブオッ!!
真空の波動がヤスコに襲い掛かる。
「何!?」
間一髪、波動を避けたヤスコ。
「誰なの!?」
「・・・・・真打登場」
待ってましたぁ狂介到着!!!!
- 242 名前:実験屋 投稿日:2005/09/25(日) 17:59:23 ID:leWSd0uP
- 最後まで書ききるはずが藤澤VS犯人編でイッパイイッパイに・・・
狂介との対決はまた次回ということで・・・スイマセン。
『犯人はヤス』と大嘘ぶっこいたんですが、犯人の名前を
考えてなかったのでヤスコにしました。
まさか、犯人を女にするなんて自分で書いてて泣きたくなった。
では次回をお楽しみに。キーワードは『道頓堀』!!
- 243 名前:名無しのアヒル 投稿日:2005/09/25(日) 18:46:01 ID:Lvy+YTC3
- >>実験屋さん
ひたすらうけました。四十代のスクール水着ババアが犯人・・。予想だにしませんでした。また騙されました。
なんで学校にトラップを仕掛けてるんだ、藤澤。しかも自滅してしまった・・。どうなってしまったんでしょう(無事だろうけど)。
苑田、ほんとにへのへの顔なんですね。真打登場って辺り主役っぽいですね、狂介。(愛する)有紀の体操服を盗んだ
犯人がスク水ババアと知った狂介がはやく見たいです!
- 244 名前:鬼道の末に・壱拾弐 投稿日:2005/09/25(日) 19:31:40 ID:Lvy+YTC3
- 【陵辱もの・・なはずなんですけどそう言えなくなってきたような・・。】
ほんの数分間だったが成幸は瑞穂に手をつけることなく無言で見つめ続けていた。
「・・・・・。」
その顔に当初の意地悪い表情はどこにもない。謝る様でいていとおしげでもある表情。
「・・・・・。」
快楽の余韻が少しずつ治まってきた瑞穂はその表情を見て不思議に思った。
――今更・・・なんでそんな顔・・するんだよ・・。
女性を陵辱してた巌達が今の成幸の様な表情をすることなど絶対にない。いや、女性を陵辱するときに限らず
巌が優しい表情をした顔など一度も見たことがない。
――こいつは・・あの男と同じ・・、女を犯して愉しむ様な最低な奴なんだ・・。
そう自分に言い聞かせていたが目の前の成幸の顔を見ると嫌悪が薄れていく。
――違う・・。あんな顔・・嘘に決まってる・・。
瑞穂は心の中で成幸への嫌悪とそれが薄れていく葛藤と戦う。
「・・・そろそろ・・・かな・・。」
成幸が戸惑う様に迷う様にそう言いながら瑞穂の足を拡げ再三その恥部を露わにする。
絶頂の余韻はだいぶ治まっていたが挿入には十分な湿り気が残っている。
「・・・・。」
それを見て一瞬成幸は目をつぶりためらう様に動きを止めたが思い立った様に目を開くと
そそり勃った男根を瑞穂の女陰に近づけた。そこでまた動きが止まる。
「・・・・・・。」
十分濡れているとはいえその狭い入り口に男根を挿し込むなどできるのかという心境にでも駆られた雰囲気だ。
ためらう成幸の姿を見て瑞穂が思わず口を開いた。
「なんで・・・こんなことするの?」
その言葉に成幸ははっとした様な表情になる。
「ねえ・・・なんで?」
悲しげな顔で成幸に問いかける瑞穂。彼女はずっと知りたかった。どうして男は女を辱めて喜ぶのか。愉しむのか。
しかし今の成幸の表情はこの辱めを愉しんではいない。それなのに何故最後までしようとするのか。
「・・・わからない・・。」
成幸は小さくそう言う。嘘偽りない本音。何故を陵辱をやめるつもりになれないのか。彼自身にもわからなくなっていた。
「・・・・・・。」
「・・・・・・。」
二人は沈黙ししばらく時間が止まった様に静止してしまった。それは長くもあり一瞬でもあった。
「ごめん・・・。」
小さくそう言いながら静止していた身体を動かしあまりにも狭いその女陰に男根を挿れ始めた。
「い、痛い・・。」
瑞穂が小さく呻いた。
- 245 名前:鬼道の末に・壱拾参 投稿日:2005/09/25(日) 19:36:01 ID:Lvy+YTC3
- 濡れているとはいえ狭い膣腔と成幸のためらいで彼の男根は非常にゆっくりと瑞穂の膣の中を進んでいく。
「い、痛い!いた・・。」
そのたび瑞穂が痛がる声を上げる。そうしているうちに侵入を拒む何かの感触に気付く。
その場を守るにはいささか頼りない薄い・・膜の様なもの。
――これは・・。
成幸は気がついた。それが処女膜なのだろうと。瑞穂は目をつぶり痛みと処女を奪われる直前の恥辱に耐えている。
「・・・・・。」
再び成幸の動きが止まる。目をつぶり苦悩の表情を浮かべた。
「・・・・・。」
その表情に瑞穂が気付く。今更やめるはずがないのはわかりきっている。なのに何故そんな表情をするのか。
「・・・ごめん、ほんとにごめんな・・。」
そう言いながら止まっていた男根を押し進め処女膜を破る。
「――――!!!」
瑞穂の身体にこれまで味わったことのない裂ける様な強烈な激痛が走った。同時に男根で支配された膣から破瓜の血が流れる。
「あああああ!!いた、痛い!!うああ!!」
瑞穂が絶叫を上げた。痛みと喪失感に絶望的な心境になるがそれでもやはり涙だけは堪える。
いつの間にか成幸の男根が瑞穂の最奥まで辿り着く。痛みは一切やまない。
「痛い・・・。痛い・・・。」
痛々しい瑞穂の呻き声に合わせる様に膣から破瓜の血が流れ続ける。
――やっぱり処女だったのか・・。
瑞穂の苦しむ表情と破瓜の血を見て再認識した。
「力を抜くんだ。少しは楽になるはずだ。」
その言葉を素直に聞き入れ瑞穂は身体の力を抜いた。少しだけ楽になったが耐え難い痛みは治まらない。
「動かすぞ・・。」
そう言って腰を降り始める。瑞穂の処女の膣は本人の意思に反して成幸の男根をきつく締め付ける。
「痛い!痛い!もうやめて・・。」
瑞穂が悲鳴を上げる。締め付ける膣の感触のよさに思わず貪りたくなる程の快感を覚えた成幸だが痛がる瑞穂を気遣い
優しくゆっくりとした動きをする。それでも瑞穂が味わっているのは耐え難い苦痛のみだった。しかし・・・。
「・・・!?あっ!ひゃん!!」
瑞穂が悲鳴ではなく嬌声を上げた。成幸の腰の動きに次第に痛みが薄れ快楽が生まれ始めた。
【ようやく処女喪失までいきました。成幸にはもっとサドでいてもらうつもりだったのですけど。】
- 246 名前: ◆z1nMDKRu0s 投稿日:2005/09/26(月) 01:36:03 ID:Z60fngw0
- 実験屋氏よ
四十代スク水ババァの泥棒とは一体誰に洗脳されてこんなキャラ思いついたのだ
キモすぎて想像できん……
最早完全なギャグ路線ですな
アヒル氏
とうとう処女喪失きましたか
二人とも後戻りはできないようになってしまいましたね
今後どうなるかに期待
二人ともまとめてGJ!!
ここは天国じゃ…………
- 247 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2005/09/26(月) 03:06:37 ID:jkGjJufd
- >スク水
由美かおるなら…まあ…
GJ!
- 248 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2005/09/26(月) 22:19:52 ID:d95xg4FS
- 今日、病院に行ったら(心療内科にあらず)50代くらいのオバちゃんが
ミニスカ&黒い編みタイツにウェッジソールのサンダル着用して採血待ちしてた。
以外と貴方の後ろにも40代スク水ババァ い る か も よ
- 249 名前: ◆z1nMDKRu0s 投稿日:2005/09/26(月) 22:43:38 ID:Z60fngw0
- >>248
恐いこと言うなボケ!!!!
今日一人でトイレいけなくなるだろ!!
しっかし実験屋氏も恐ろしい怪物を登場させたもんだ
- 250 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2005/09/26(月) 23:42:55 ID:XJqMZ+7f
- スクール水着でなんとなく思い出したこと。
私立通ってた中学時代の学校指定の水着は
そこそこハイレグな明るい水色だった。
ちょっとパール入ってて。
それが普通だと思ってたら
高校で共学の都立に行ってみんなの着てるのが紺のじみーなヤツで
急遽買い替え。
競泳用の黒いのを買ったけど
それもまたけっこうハイレグで結局目立たざるを得なかった。
学校指定でもないのにスクール水着って売ってないのかも。
てか、あまりにださい水着を買う気はしなかった。
しかし
後年スクール水着が世の男性の萌えを誘うということが判明。
・・・ちょっと着てみたかったかも。
スクール水着の中にひとりそれが似合わないほどグラマラスな子がいたりしたらいい。
で、その子は普段男装だったりするといい。
あ、なんか思いつきそうだ・・・
うだうだスマソ。
- 251 名前: ◆z1nMDKRu0s 投稿日:2005/09/27(火) 19:48:55 ID:pL8VU1Mr
- 遅くなりましたがぜひそれで一本お願いします!!!!
- 252 名前:実験屋 投稿日:2005/09/27(火) 23:09:15 ID:fnj/EXSO
- 最後まで完成!!投下します。
「まだ仲間がいたのね・・・無駄なこと。」
ヤスコは余裕の笑みで狂介を見つめる。
「・・・・。」
しかし狂介は動じない。深く何かを考えているようだ。
「シカト?いい気になってるんじゃないわよ。私が本気になれば
彼方なんて屁でもないのよ。」
「・・・・ひとついいか?」
「なに?」
「・・・・・・・・死ね。」
狂介は言うが早くヤスコに斬りつける。
「なっ・・・・!!」
何とかかわすヤスコ。しかし避け損ねた二の腕に
切り傷が付いた。
「何するのよイキナリ!!って言うかソレ本物じゃない!!」
「買ったときはニセモノだった。・・・問題ない。」
「何が問題ないのよ!?」
「貴様を八つ裂きにする事だが?」
ヤスコはまだ分っていなかった・・・・・狂介を敵にまわす怖さを。
- 253 名前:実験屋 投稿日:2005/09/27(火) 23:09:49 ID:fnj/EXSO
- 「苑田君、大丈夫?」
「南先輩。スイマセンっす。」
遅れて駆けつけた有紀が苑田を介抱する。
「アレが犯人?・・・・ウヘェ・・・」
有紀は何ともいえない顔をした。
「心中お察しします。」
苑田に言える事はそれだけだった。
「私をナメないで!!」
そう言うとヤスコは股間に手を伸ばした。そのまま旧型スク水特有の
股間の穴をまさぐっていると、なんと股間からチタンの警棒が2本出てきた。
(↑書いてて気持ち悪くなった。)
「貴様みたいなババ臭い奴を舐めるか。」
「叩き潰すわ!!」
狂介の暴言にキレたヤスコは警棒二刀流で襲い掛かってきた。
- 254 名前:実験屋 投稿日:2005/09/27(火) 23:10:55 ID:fnj/EXSO
-
−−−−−−−−−−−−−−−−−−
狂介とヤスコの戦いが始まって10分。両者一歩も引かない
戦いを繰り広げる。
「はぁ・・・はぁ・・・やるわねボウヤ。」
「・・・ふぅ・・・黙れ殺す。」
会話は成立していなかった。
「終わりにするわ。これを喰らいなさい!!」
ヤスコは再び股間の穴からボール状の固体を取り出す。
「それがどうした!!」
構わず斬り付けようとする狂介。
「甘いわ!!」
ヤスコはボールを投げる。
「ふんっ!!」
狂介はボールを切り捨てた。しかし!!
パシャ!!
「なに!!・・・グワッ!!」
ボールの中から出てきた液体が狂介の顔面を襲う。
- 255 名前:実験屋 投稿日:2005/09/27(火) 23:11:54 ID:fnj/EXSO
- 「ホホホホホ。掛かったわね!!」
勝利を確信したヤスコは高笑いを浮かべる。
「それは痴漢撃退用のスプレーに使う刺激性の高い香辛料よ!!」
「チィ!!」
「どう?イタイでしょ?ナメたマネしてくれたお返しをしてあげるわ!!」
ヤスコが蹴りの体制になる。
「クソッ!!」
狂介は液体の痛みからまだ抜け出せない!!
「死になさい!!」
狂介にヤスコの蹴りが迫る。
その時!!
「狂介に何するんだ!!」
有紀がデッキブラシでヤスコを殴りつけた。
ガツンとニブイ音を立てブラシがヤスコの頭部に命中する。
「ガッ・・・・」
ヤスコは頭を抱えてうずくまった。
- 256 名前:実験屋 投稿日:2005/09/27(火) 23:12:58 ID:fnj/EXSO
- 「小賢しいマネを・・・アラ?」
ヤスコは有紀を見るなり目の色を変えた。
「なんだよ!?」
「アナタ、私が盗んだジャージの持ち主ね?」
ヤスコの顔が獲物を捕らえたケダモノの目にかわる。
「カワイイじゃない。気に入ったわ、アナタも私のものにするわ!!」
舌をナメずりながら有紀に迫るヤスコ。
「く・・来るな!!」
「遠慮しないで・・・ボ・ウ・ヤvv」
このままでは有紀に変態年増ババァの毒がが掛かってしまう。
「テメェェェ!!!!!!!!」
狂介が立ち上がり、ヤスコの顔面に一発お見舞いした。
「ギョペ!!」
奇怪な声を上げながら噴き飛ぶヤスコ。
- 257 名前:実験屋 投稿日:2005/09/27(火) 23:14:08 ID:fnj/EXSO
- 「有紀に手を出したな・・・・・有紀に手を出したな・・・・」
狂介の目は液体にやられ赤く充血していた。しかし、その目は
まるで悪魔の赤い瞳のようにも見える。
「イキナリひどいじゃない!!女を殴るなんてサイテーよ!!」
頬を押えながら訴えるヤスコ。
「俺は男女差別はしない・・・女でも本気で殴る。」
「なんですって!?」
女という性を盾にする卑屈な女の対処法として最も効果的な
男女平等作戦を狂介は発動した。
「そんな事してたら女の子に嫌われるわよ?」
「・・・・別に構わん。」
「なっ!?」
「そんな俺でも愛してくれる女性に既に会ってるからだ。」
あっ!?これってノロケじゃない?
- 258 名前:実験屋 投稿日:2005/09/27(火) 23:14:57 ID:fnj/EXSO
- 「苑田!!木刀返せ!!」
「はっはい!!」
苑田から受け取った木刀と手持ちの元・模造刀の二刀流で狂介も反撃に出る。
「バカにしないで!!こっちはチタンよ!?勝てるとでも・・・」
「だったら試してみるか?」
「こ・・・・のクソガキィ!!!!」
ヤスコは警棒を振りかざし襲いかかる。
「オラァァ!!」
狂介も気合十分応戦する。
勝負は一瞬!!
メキィィィ!!
「キャアァァァ!!!!!!!!!」
ヤスコは大股開きでぶっ飛んだ。(ウゲッ気持ちワル!!)
- 259 名前:実験屋 投稿日:2005/09/27(火) 23:16:04 ID:fnj/EXSO
- 何とヤスコの武器である警棒はどちらも折れ曲がり
狂介の武器は傷ひとつ付いていなかった。
「なぜなの・・・チタンの警棒が折れるなんて」
「知らなかったのか?・・・チタンって柔らかいんだぜ。」
(↑そんな事は無いと思います by升沢)
折れた警棒を手で握りクシャクシャと簡単に丸める狂介。
「ヒッ・・・そんな!!」
全身打撲で満身創痍のヤスコ。もはや戦うことはできない。
「さて・・・」
狂介はヤスコの喉元を片手で掴みあげると簡単に持ち上げた。
「グッ・・・放しなさい!!・・・下ろせぇ!!」
大した抵抗もできずにのたうつヤスコ。
(なんか嫌な予感がします by升沢)
- 260 名前:実験屋 投稿日:2005/09/27(火) 23:17:15 ID:fnj/EXSO
- そのまま狂介は歩き出した。その先には『学習ルーム』と
書かれた教室が待ち受けていた。
狂介は学習ルームに入るとすぐさま窓を開けた。
「うむ・・・ココだ。」
狂介の視線の先にはプールがあった。
「まさか・・・イヤ・・・やめてちょうだい!!」
必死の哀願をするヤスコ。結果から言うとムリだよね。
「・・・・いい事を教えてやる。」
狂介は赤く灼ける瞳でヤスコを見た。
「ヒソヒソ・・・お前が服盗んだ有紀って女なんだぜ。」
「なんですって!?」
驚愕の事実に唖然とするヤスコ。
「男に色目使うくせに女の服盗んでサカるなんて・・・・プギャー。」
なんとも乾いた笑いを見せる狂介。
「そんな・・・そんなことって・・・」
今までの自分を全て否定され虚ろな表情を受かべるヤスコ。
- 261 名前:実験屋 投稿日:2005/09/27(火) 23:18:33 ID:fnj/EXSO
- 「トドメだ・・・。」
狂介が大きく振りかぶった。
「道頓堀カーネル!!」
説明しよう。『道頓堀カーネル』とは・・・
技自体はシンプルに水面に高所から叩きつけるものである。
しかし、技名からも分るようにこの技を叫ぶことによって
かつて道頓堀に沈められたカーネル・サンダース人形の呪いっぽい
モノがかかれば良いなという都市伝説チックな技なのである。
[経験者は語る]
升沢「水に落ちるのはね・・・良いんですけど。
僕の場合、骨がね、四肢砕けてましたんで。」
山崎父「あれは息子が6年生のときでした。室内プールに行ったとき
故意に海パンを下ろしてやったんです。そしたらキレて
飛び込み台から落とされましてね。イヤー困った息子ですよ。」
以上。
- 262 名前:実験屋 投稿日:2005/09/27(火) 23:20:55 ID:fnj/EXSO
- 「イヤァァァァ!!!!!!!!」
ザパァァァァァン!!!!
絶叫を上げてヤスコはプールに沈んでいった。
「・・・・勝った。」
「狂介。」
「先輩。」
学習ルームに駆けつけた有紀と苑田。
「殺ったぜ!!」
赤い瞳のまま満面の笑みでピースした。
「狂介コワいよ。」
「ひ〜〜〜〜〜。」
二人の感想は当然だった。
『オペレーション・ネバダ』はこうして成功に終わった。
- 263 名前:実験屋 投稿日:2005/09/27(火) 23:21:49 ID:fnj/EXSO
- 〜複線消化〜
「旦那〜生きてるか〜」
藤澤が消えていった穴に向かって叫ぶ狂介。
「秀さん無事かな・・・。」
「藤澤先輩・・。」
「大丈夫だ。旦那は殺しても死なない。」
心配する二人とは違って狂介は楽観的だ。
「・・・それは言いすぎだぞ・・・どっこいしょ。」
藤澤が穴から出てきた。
「ホラね。」
狂介はさも当然に言い放つ。
「助かったぜ。サンキュ〜な。」
穴に向かって話しかける藤澤。
「イエイエドウイタシマシテ。」
返事が返ってきた。
「へ?」
「秀さん。今の誰?」
- 264 名前:実験屋 投稿日:2005/09/27(火) 23:23:05 ID:fnj/EXSO
- 藤澤「ん?あぁ、穴の底を貸してくれって言うんで貸してる奴。」
苑田「そうっすか・・・(嫌な予感)」
狂介「旦那・・・ナニモノか分って貸したか?」
狂介までも顔を引きつらせている。
藤澤「少しは聞いてるよ。なんかビデオ中心で活動してるらしい。アイドルかな?」
有紀「ビデオ・・・(まさかね。)」
藤澤「でも嫌がらせがあったみたいでな。彼女が出てるビデオが一斉に処分されたらしい。」
三人「「「(もしかして!!)」」」
藤澤「だから今度、自分とこの井戸で撮影するから手伝ってって頼まれてるんだ。」
狂介「旦那・・・・彼女の名前って・・・・」
藤澤「えっ?・・・・・・・貞子だけど」
三人「「「ギャァァァァァ!!!!!!!!!」」」
升沢「くる〜きっと来る!!・・・・ナンチャッテ。」
〜おしまい〜
- 265 名前:実験屋 投稿日:2005/09/27(火) 23:24:17 ID:fnj/EXSO
- 〜おまけ〜
この後、藤澤の隠蔽細工により、校舎をメチャクチャに壊したり、宿直の先生を襲ったり
教室に”性的汚物”をブチまけたりしたのはジョセフィーヌ・ヤスコ容疑者(48)
の仕業として決着が付いた。
そしてヤスコが所属していた腐女子集団『腐女子のフはショタコンのシ』との
戦いや、狂介の母がその集団と30年以上も戦い続けている伝説のアウトロー腐女子
だったなんて話もあるんだけど
それは別のお話で・・・・・
〜今度こそおしまい〜
- 266 名前:実験屋 投稿日:2005/09/27(火) 23:28:01 ID:fnj/EXSO
- 以上です。
・・・・長かった。書いてて何回か嫌になった。
ギャグ色強めの話を作ろうとしてみたらこの結果・・・。
エロが霞んで、ギャグばかり・・・・疲れた。
おまけに書いてある別の話は気が向いたら書きます。(多分書かないっす。)
- 267 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2005/09/27(火) 23:36:34 ID:UFCqarGg
- >実験屋氏
GJ!笑わせて頂きました!
…そして乙ですw
藤澤君の大物さ加減が最高にワロタwww
貞子とまでコミュニケーションとれるなんて…
そして、こっそり解説員の升沢氏も、乙w
- 268 名前:名無しのアヒル 投稿日:2005/09/27(火) 23:40:42 ID:iersp7Cl
- >>実験屋さん
リアルタイムGJです!爆笑もんでした!狂介やっぱりいうかコワ!!
ところどころで出てきた升沢、やっぱりオチ担当でしたね!藤澤の旦那は何者なんですか・・。貞子・・。
ぶちまけられた“性的汚物”が地味に笑えました。おまけ話も気になります。狂介の母も何気にすごいですね。
- 269 名前: ◆z1nMDKRu0s 投稿日:2005/09/27(火) 23:48:40 ID:pL8VU1Mr
- 実験屋氏グ……グッジョブ
ヤスコよ、もう二度と戻って来ないで……
キモすぎて……死ぬ……
貞……子より……恐……い
藤……澤……も狂介も………ヤバ……すぎ…………
ガクッ
- 270 名前:遠井家の人々 投稿日:2005/09/28(水) 01:30:11 ID:nGsKffTr
- 【z1nMDKRu0sさんを甦らせるためにも投下させてもらいます。】
「えっと・・私も脱ぎますよ・・。」
そう言って春希は流石にぎこちない動きで袴を脱ぎ始める。女顔には不釣合いなそそり勃った男根が現れた。
「わっ・・。すごい。」
おもわず声を上げる絢。
「ふふ、今更何を言ってるんですか。絢はいつもこれに・・。」
からかう様に言う春希。
「もう!言わないで!恥ずかしくなっちゃう!」
春希のからかいに思わず声を上げる絢。
「そんな声出したら誰かに聞こえちゃいますよ。でも私も調子に乗り過ぎましたね。申し訳ありません。
こんなもの、女性が慣れなくて当然ですよね。異様な形ですから。」
「確かに・・何度見ても最初は驚いちゃうけど・・。はーちゃんのだと思うと可愛いよ!だから・・・。」
そう言うと絢は春希の男根を咥え始める。
「あ、絢!?そんないきなり!あっ・・・。」
絢の突然の行動に驚くも慣れた舌使いに思わず声を上げる春希。
「気持ちいい?はーちゃん。」
春希に質問する絢。上目使いのその姿は普段の子供っぽさとは違う色気の様なものがあった。
「は、はい・・・。んっ!」
春希の返事を聞いて絢はより舌使いを激しくする。
「あっ・・・。んっ!あ・・絢・・。上手くなりましたね・・。」
「だって久しぶりとはいえ結構やってるもん。そんなに気持ちいい?」
「は、はい・・・。あ!」
「ふふー。嬉しいな。そーんなにいいんだ。」
「は、はい・・。最初は少し噛まれたのに・・。ほんと・・上手くなりましたね。」
「あー!それ言わないで!だから頑張ったんだよ!ボクもはーちゃんを気持ちよくしてあげたかったから・・。」
「私の為に・・。嬉しいです、絢・・。そろそろ限界が・・。」
「いいよ・・。はーちゃん・・。ボクの口に出して・・。」
「は、はい・・あっ!!」
春希が声を上げると同時に彼は絢の口目がけて射精をした。絢の小さな口が精液で満たされる。
「あ・・・・、すごい・・。はーちゃんのが・・いっぱい・・。」
久しぶりのせいか濃い目の精液を必死で飲む絢。
「大丈夫ですか・・。いやなら無理しなくてもいいんですよ。」
「へーきだよ。確かにおいしくはないけど・・、はーちゃんが気持ちよくなってくれた証拠だもん。」
「絢・・・。」
明るく受け答える絢に春希は改めていとおしさを覚えた。口を白濁液でいっぱいにした絢の姿は
普段の少年の姿からは想像もつかないことと幼い容姿が相俟って官能的なものに見えた。そんな絢に再び口付けする春希。
「んっ!!」
予想外の感触に思わず声を上げる絢だったが春希の唇に遮られた。
「・・・確かに自分が出したものとはいえ、おいしくないですね・・。」
春希は絢の唇から離れると真っ先にそう言った。
「だったら口付けしなきゃいいのに。」
「したくなってしまったんですから仕方ないですよ。」
「もー。はーちゃんってば。って、わっ!」
絢は一気に布団の上に押し倒された。
「次は私が絢を気持ちよくする番です・・。」
- 271 名前:遠井家の人々 投稿日:2005/09/28(水) 01:31:58 ID:nGsKffTr
- 夏希の手は夕顔丸の着物を掴むが困惑した様に動きが止まる。扱い方がわからないゆえだったが、
意を決した様に再び手を動かし少々乱暴に夕顔丸の小袖を押し広げた。
「きゃっ!!い、いや!」
乱暴な手つきに驚いたらしく夕顔丸が悲鳴を上げ、少し涙を浮かべる。普段からは想像もつかないか弱い少女の顔。
「あっ!ご、ごめん・・。こんなこと初めてだから・・よくわかんなくて・・。」
怯える夕顔丸の表情を見て必死で弁解する夏希。
「い、いいんです・・。わたしなんか、好きにしていいですから・・・。」
騙してたという負い目からか怯えを隠す様に言う夕顔丸。しかし夏希は夕顔丸を怯えさせたり怖がらせたりしたくはない。
――あんなに憎たらしいと思ってたのに・・。
これまでが嘘の様に夕顔丸に愛しさを感じる夏希。はだけた着物から覗く上半身を見つめた。
さらしで隠されてはいるもののはっきりとしたふくらみのある胸。くびれた腰。華奢で狭い肩。
どこをどう見てもそれは紛れもない女の身体。
――もっと・・じっくり見たい・・・。
衝動に駆られた夏希は夕顔丸の着崩れた小袖と襦袢を一気に剥ぎ取った。
「あっ!や・・・。」
夕顔丸が再び声を上げ怯えた表情になる。腕を前にし身体を隠そうとする。
「あ、ごめん・・。つい・・・。」
「気にしないでください・・。平気ですから・・。」
そう言う表情は怯えその目はさっきに引き続き涙が浮かんでいる。夏希にとって軽い気持ちで
夕顔丸の身体を要求したわけではない。しかし夕顔丸にとっては望まぬ行為。いうなれば強姦も同然だろう。
「オレ、お前のこと、辱めたいとか・・・怖がらせたいとか・・思ってるわけじゃないんだ・・。
でも、初めてだから・・上手くできなくて・・。」
自分の気持ちに正直な夏希は自分の思いを隠さず話す。そんな夏希を涙を浮かべた目で見上げる夕顔丸。
「・・・わたし、夏希さんに酷い態度だったのに・・。そんな風に思ってくれるんですか?」
「無理矢理やってさ、説得力ないけどさ・・。」
「続けてください。もう怯えたりしませんから。」
その言葉の通り夕顔丸の表情は男として振舞ってたときとは違うものの毅然としていた。
「わかった・・。ありがとな、夕顔丸。」
「夕顔って呼んでください。」
夕顔丸という呼ばれ方に反応する・・・夕顔。
「夕顔?それが本名なのか・・?」
「はい、本当の・・、女の名前で呼んでほしいんです・・。」
「わかったよ、夕顔・・。」
いとおしげに、教えてもらった夕顔という名前を呼ぶとさらしに手を掛けた。
続く
【展開というより技術の差って感じですね・・。】
- 272 名前: ◆z1nMDKRu0s 投稿日:2005/09/28(水) 03:15:30 ID:d07VJcld
- なんのこれしき!!!!
アヒル氏のおかげで復活!!!! &投下ァ!!!!
「おーい、生きてる?」
相変わらずパイプ椅子の上で灰になってる真
いい加減起きろこのバカ野郎、ユウタン心配してんぞ
「どうしよ……」
ほっとけほっとけ、こんなのすぐ直る
「お腹すいたなぁ……」
いろいろあってすっかり忘れてたが世間では既に昼飯過ぎて街で遊んでる時間か
腹の虫が悲鳴を上げてもおかしくないな
ユウタンの食い物探しに緊急冷蔵庫調査開始!!
え〜と、卵にビールにおいしいワイン(商品名)に鬼殺し(商品名)に醤油に吉田ソース
中濃ソースに醂にのり缶鯖缶、氷とリモコン
調味料と酒と卵しか入ってねぇ……
今まで何食って生活してたんだコイツ
諦めて他を捜索すると電子レンジに異物を発見
でも出してみりゃ昨日のラ王の残りスープ
ホントにこれで生活できてたのか?
流しも七輪とヤカンとマメタンが置いてあるだけだし
流しの下の棚には普通フライパンとか置いてあるもんだが、あったのはパンパンになったゴミ袋
「なにこれ……」
ユウタンが呆れるのも無理はねーな
- 273 名前:秀穂ゴッドファーザーズ ◆z1nMDKRu0s 投稿日:2005/09/28(水) 03:34:30 ID:d07VJcld
- さてどうしたものかね
台所の近くには食べ物らしい食べ物はない
ユウタンはギター買ってお金がない
真を現実に引き戻すより他無いな
「真〜〜?
真〜〜〜!
真〜〜〜〜!!」
ダメです!! 夢幻空間に取り込まれていて意識がありません!!!!
真を呼ぶ声にだんだん怒りが混じり始めたユウタン
「いい加減にしろ!!!!」
あーあ、そろそろキレ始めたな
真の頭を思いっきりぶっ叩いても起きる気配は無いし
「そろそろ起きろこのバカァ!!!!」
ユウタン渾身の回し蹴りが真の足りない頭にヒット!!
あの体制のままぶっとび、押し入れの戸に頭を突っ込んで止まる
それでも真は起きない
「んあーーーーこのバカはぁ!!!!」
キレたってしょうがないよユウタン
今の気絶の原因はさっきの回し蹴りだもん
- 274 名前: ◆z1nMDKRu0s 投稿日:2005/09/28(水) 03:35:54 ID:d07VJcld
- 眠いのでここまで
激しく時間の流れ遅いのはキニシナイ(でください)
- 275 名前:秀穂ゴッドファーザーズ ◆z1nMDKRu0s 投稿日:2005/09/28(水) 17:48:30 ID:d07VJcld
- なんだか中途半端感が否めないので追加
さて、状況を整理してみようか
まず腹が減った
しかし台所付近には食べ物らしい食べ物は無い
真を叩き起こそうとしたら押し入れの引き戸に頭突っ込んで撃沈
この部屋の構造は真しか知らない
中途半端な終わり方でスマソ
こんなところか
「ぬぎぎぎぎぎぎぎぎ」
で、ユウタンは今真の足を引っ張って押し入れから出そうとしているわけか
真ってそんなに重いわけじゃないのに何故か抜けない
何かに突っかかってんのかコイツ
これから押し入れと格闘すること5分、ようやく真がすっぽ抜けますた
「な……」
真と一緒に出てきたのはエロ本の山、山、山
これ全部押し入れの中に入ってたのかよ……
こんなボロアパートの中にこんだけ詰め込んでよく底が抜けなかったな
「……ん……あぁ……」
お、ようやく起きたかこのエロ本の主
覚醒してきた頭で周りを見渡す
床に堆積したエロ本の一冊を手に取り、ゆっくりページをめくるユウタンを視認するのに約1秒
ブッ壊れた押し入れを確認するのに2秒
ユウタンの性別を思い出すのに3秒
この惨状に呆然とするのに20秒
「ヌァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!」
- 276 名前:秀穂ゴッドファーザーズ ◆z1nMDKRu0s 投稿日:2005/09/28(水) 18:03:35 ID:d07VJcld
- ソニック並のスピードでエロ本をかき集めて押し入れに突っ込んで引き戸をはめる真
「やっと起きたか……」
「どどどどどどうしてこんなことになっているんディスカーーーーー!!!!」
あれだけやらないと起きない真に呆れるユウタン
ユウタンにものっごい剣幕で迫る真
「それより何か食べもn……」
「コタエテクダサイ!!!!」
恥ずかしさ故か目に涙貯めて裏声で叫ぶ真
泣きたいのはユウのほうだこのバーロー岬
「くいもん」
このアヤシイ気迫に負けずに食い物をねだるユウタン
意外と豪傑
「話が先」
「食い物が先」
「話」「食い物」「話!」「食い物」「話!!」「食い物!!」
さぁ勝つのはどっちか!!
非常に楽しくないです!!!!
- 277 名前: ◆z1nMDKRu0s 投稿日:2005/09/28(水) 18:04:46 ID:d07VJcld
- いちおキリのいいところまで投下
最近バカ度数が減った気ガス
- 278 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2005/09/28(水) 18:39:15 ID:GLC/f1As
- …ヨダレ出ちまったよ。(いろんな意味で)
>>277
バカ度は下がってもエロへの期待は上昇中!がんがれ、超がんがれ真!
あー、腹減った…
- 279 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2005/09/28(水) 20:47:51 ID:FvXTYW08
- イラスト書いてくれる絵師さん現れてくんないかな?
って思ったけんどもどうですか?
- 280 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2005/09/28(水) 22:01:53 ID:pAiYMP70
- >279
自分も思った。しかし文章を絵にするとイメージ壊れそうで怖いしな…
それでも見たいわけだが
- 281 名前:名無しのアヒル 投稿日:2005/09/30(金) 03:54:43 ID:lvsxS1Ox
- ttp://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/ascii2d/1091238478/l50
こちらに行ってみては。過疎気味ですけど・・。
- 282 名前: ◆z1nMDKRu0s 投稿日:2005/09/30(金) 07:26:57 ID:ShpUSsWF
- こんなスレあったんだ……
相互でテンプレ入りさせます?
- 283 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2005/09/30(金) 18:53:43 ID:ZCmr1RN0
- 実験屋殿、面白いしエロいし最高(ToT)
- 284 名前:実験屋 投稿日:2005/10/01(土) 00:09:55 ID:rGQYU13+
- 〜三日前〜
「狂介、コレ持ってて。」
「鍵?何の鍵だコレ?」
「ヒ・ミ・ツ」
『この鍵を開けるのは貴方』
「何の鍵なんだろ?」
突然有紀から預かった鍵。コレがいったい何の鍵なのか、
すごく気になる。
「家や車の類じゃないしな〜・・・。」
大きさは小指程度で形状はロープレに出てきそうな形をしている。
「近場から聞き込みするかな。」
- 285 名前:実験屋 投稿日:2005/10/01(土) 00:10:35 ID:rGQYU13+
-
ピンポ〜ン
有紀の家のインターホンを押す。
「ハイハ〜イ・・・アラ、狂介クン。」
出てきたのは有紀のお母さんだ。
「ドモッ。すいません、聞きたいことがあるんスけど・・・」
「なにかしら?」
「この鍵有紀から預かってるんですけど、何の鍵かわかります?」
そういって俺は鍵を見せた。
「ドレドレ・・・・まぁ!!」
どうやら心当たりがあるようだ。
「教えてもらえますか?」
「フフフ。それじゃあ反則になっちゃうわ。」
「え?」
「こういうのは身内に聞くのはイケナイと思うの。」
「はぁ〜・・・」
「自分で調べて御覧なさい。有紀はそれを望んでるハズよ。」
「・・・分りました。」
何の鍵か知ってるコトは分った。でも、それを教えてはくれなかった。
一体何の鍵なんだ???
- 286 名前:実験屋 投稿日:2005/10/01(土) 00:11:21 ID:rGQYU13+
-
〜次の日〜
俺は1年生の教室に向かった。
「園太郎。いるか〜。」
「あっ!!狂介先輩。」
とりあえず知ってる奴から聞き込み作戦を展開していくことにした。
「なんでしょう?」
「この鍵何に使うかわかるか?」
そう言って園太郎に鍵を見せる。
「う〜〜〜ん・・・わかんないッスね〜。」
「そうか・・・。」
「でもこのサイズなら日記帳とか小型の南京錠に使う奴かもしれませんよ。」
「なるほどね。」
「役に立てなくてスイマセン。」
「イヤ・・・サンキュー。」
そう言って俺は再び捜査を開始した。
授業?もちサボりですよ〜。
- 287 名前:実験屋 投稿日:2005/10/01(土) 00:11:58 ID:rGQYU13+
- 園太郎のおかげで、大きさから用途を調べる作戦を思いついた。
早速、近所のホームセンターへ行き調べることにした。
「違う・・・違う・・・コレも違う。」
しかし中々見つからない。
とそこへ。
「何かお探しで?」
「えぇ、この鍵に合うのを・・・って旦那!?」
店員かと思って気にしていなかったが、その店員は藤澤の旦那だった。
「何してんの?」
「バイト。」
「学校は?」
「サボリ。」
学校サボってまでバイトなんて学生の本分そっちのけかよ・・・俺もか。
「お前こそどうしたのよ?」
「あぁ、実は・・・」
俺は事の経緯を旦那に話した。
- 288 名前:実験屋 投稿日:2005/10/01(土) 00:13:17 ID:rGQYU13+
- 「なるほどねぇ。」
「旦那知らないか?」
「悪いが今回はオレも範囲外だ。」
「そうか・・・。」
旦那も力になれないなんて、いよいよもってキツくなってきた。
「その代わりと言っちゃなんだが、役に立ちそうな男を紹介しよう。」
「で、俺の所に来たわけか。」
「・・・・よろしく。」
旦那が紹介してくれたのは升沢だった。正直、二人きりだと
すっげぇ居心地が悪い。
「・・・たぶん俺はお前さんと同じ事を思っている。」
升沢も同じ事を思っていたようだ。
ボコった(殺そうとした)側とボコられた(殺されかけた)側だもんな。
- 289 名前:実験屋 投稿日:2005/10/01(土) 00:14:18 ID:rGQYU13+
- 「とりあえず見せてみ。」
そう言われて俺は升沢に鍵を手渡す。
「フムフム・・・・ん?」
「どうした?」
「このロゴ、見たことがあってな・・・なんだっけ?」
俺も鍵を見る。そこにはリンゴに蛇が巻きついた模様のロゴが刻まれていた。
「まてよ・・・確か。」
そう言って押入れに向かう升沢。何か心当たりがあるようだ。
「あった。これだ・・・。」
何かを手に持った升沢が戻ってくる。
〜しばらくして〜
「すまねぇ。助かったぜ。」
「気にすんな、カリがあったしな。」
「そういえば奥さんは?」
「入院中、・・・予定日来週なんだ。」
「そっか・・おめでとう。」
「ありがとう。」
そのまま出て行こうとする俺。
「山崎!!」
呼び止められて振り返る。
「・・・・南と仲良くな。」
「あぁ。」
俺は有紀の所へと向かった。
- 290 名前:実験屋 投稿日:2005/10/01(土) 00:18:30 ID:rGQYU13+
- とりあえずここまでになります。
何の鍵かは次の投下までに明らかにさせますんで、お楽しみに。
>>279
書いて頂けるなら喜んで。自分的には特に問題ナッシング!!
- 291 名前: ◆z1nMDKRu0s 投稿日:2005/10/01(土) 08:22:32 ID:EaJCHPkZ
- 何の鍵? ねぇ何の鍵ぃぃぃぃぃぃぃ!!!!?
まさかt(道頓堀カーネル
- 292 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2005/10/01(土) 16:56:37 ID:z1mLwlHp
- どっかのフェンスに、つけてある鍵か?
恋人同士で、そういう儀式をするところがあると聞いた。
- 293 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2005/10/01(土) 23:56:19 ID:xD377rtu
- >292
あれはいっしょにつけることで永遠の愛を誓うものであって、鍵は必要ない、はず。
林檎に蛇といえばアダムとイブだな。
ってことは……いやごめん、正直ワカンネ
- 294 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2005/10/02(日) 01:12:42 ID:7hKx7pW9
- 夏は心の鍵〜を〜軽くするのよ、ご用心♪
て、歌が昔あったよな…。
関係無いだろけどさ。
- 295 名前:実験屋 投稿日:2005/10/02(日) 02:53:45 ID:P6b0ocqn
- 続きいきます。
−−−−−−−−−−−−−−−
有紀を探そうと学校に戻ってきた。つーかまだ授業中だった。
「有紀!!」
ドアを開けて一番に大声で叫んだ。
「狂介!!」
「ちょっと来い。」
俺は有紀の手を掴み連れ出そうとする。
「コラ山崎!!授業サボってナニやって・・・」
「やかましぁぁぁぁぁ!!!!」
横から口を出してきた教師の股間スレスレに100円ショップで買った折りたたみ果物ナイフを
投げつけてやった。
「ヒィ・・・・ガクッ」
教師は驚いた後、気絶した。
「・・・いくぞ。」
教師のことなどそっちのけで俺は有紀と出て行った。
「ヤッタ。自習じゃん。」
「それより先生を保健室に・・・あっ!!漏らしてる」
「山崎様々だな。」
「ウホッ狂介君イイ男vv」
ぶっちゃけ、最後のウホッって言ってくる奴がレギュラー化しそうで怖い。
(今のところ、このセリフの為だけの存在です。by実験屋)
- 296 名前:実験屋 投稿日:2005/10/02(日) 02:54:42 ID:P6b0ocqn
- 俺は有紀を自分の部屋に連れて込んだ。
「狂介・・どうしたの?」
「どうしたのってのは俺のセリフだと思うんだが・・・。」
「えっ!?」
「コレ。」
俺は有紀から預かってる鍵を差し出した。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
升沢「コレを見てみろ。」
狂介「なんだ・・・首輪。」
升沢「それとココのロゴも・・・」
狂介「鍵と同じだ。」
升沢「そう。つまりはその鍵、大人のオモチャの鍵って訳だ。」
狂介「マジかよ・・・。」
升沢「まぁ、何のアイテムかは知らないけど鍵付ける位だ、拘束具とか
の鍵じゃないのか?」
狂介「・・・・・・」
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
「有紀・・・。」
俺は有紀に問いかけた。
- 297 名前:実験屋 投稿日:2005/10/02(日) 02:55:34 ID:P6b0ocqn
- 「狂介・・。」
有紀はなにやら不安げにこちらを見つめてくる。
「・・・辛くないか?」
「え?」
「いや・・・なんだ、何かつけてるんだろ?」
升沢が拘束具と言っていた。もしその通りなら有紀は三日間
何かに自由を奪われていることになる。
「痛かったりするのか?」
ココだけの話、大人のオモチャには疎いので何がどうなってるのか
分らないぶん不安が募る一方だ。
「んーーー・・・そんなにキツクは無かったよ。」
そう言うと有紀はおもむろに服を脱ぎ始めた。
「オ・・オイ?」
「いいから、いいから。」
そんなに時間も掛からない内に有紀は一糸纏わぬ・・・・ん?
「なにそれ?」
「・・・貞操帯。」
「・・・・グフッ・・・・ノリスカスタム・・・・」
俺は鼻血まみれの表情で倒れた。
- 298 名前:実験屋 投稿日:2005/10/02(日) 02:56:20 ID:P6b0ocqn
- 「大丈夫?」
「まぁ・・・なんとか・・・」
期せずしてアッチの世界に旅たつとこだったが復活に成功した。
「しかし・・・ねぇ。」
俺は有紀を改めて見回した。
そんなに下着と変らない形状ではあるが、おそらくはゴムでできている
尻紐と腰紐以外は金属で作られていた。女性器を包み込んでいる部分は更に
金属板が張られていてヘソの下の部分には鍵穴が・・・。
「ソコの鍵か・・・?」
「ウン。そうだよ。」
有紀は笑顔で答える。
「しましまた有紀、どうしてこんな・・・。」
「・・・・不安だったの・・・」
- 299 名前:実験屋 投稿日:2005/10/02(日) 02:57:40 ID:P6b0ocqn
- 「ん?」
「最近さ・・・マンネリじゃない・・・・エッチ・・」
有紀は顔を真っ赤にして答える。
「んーーーーーーー?」
まぁ公に知られてる以外にも俺と有紀はシてる訳だが・・・。
ホテルにも行ったし、コスプレだってしたし、先日は教室でも
致しっちゃった訳で・・・。
「だからさ・・・狂介が僕に・・・飽きるかな・・・って・・。」
「ちょっと待て。・・・それは無い。」
俺が有紀に飽きるなんて、この先一生無いことだ。
「それに・・・」
「それに?」
「僕ももっと狂介に求めていきたかったから。」
つまりこういう事ですか。マンネリ化防止と自身の欲求増加のために
貞操帯をつけたって事ですか?
と、有紀の顔が次第に暗くなっているのに気付く。
「でも・・・こんな事しちゃって・・・僕・・・変態だよね?」
「有紀?」
有紀の声に嗚咽が混じってくる。そして目尻には涙が。
「こんな僕は・・・嫌いだよね」
- 300 名前:実験屋 投稿日:2005/10/02(日) 02:58:49 ID:P6b0ocqn
- 「有紀ぃぃ!!!」
俺は有紀に抱きついた。
男のためにココまでしてくれる女はそうはいないぜ。
「狂介・・落ち着いて・・んんっ!!」
言い切る前に有紀の唇をキスで塞いだ。
「んっ、うぅん・・・はぅ・・む」
有紀への想いが抑えきれなくなり、キスは徐々に荒々しくなっていく。
「ぷはっ・・・はぁ・・・はぁ・・・」
解放された有紀は息も絶え絶えにこちらを見つめてくる。
「有紀・・・。」
「狂介・・・。」
「いつも言ってるだろ、俺は有紀を愛してるって。」
「でも・・・」
「男は自分から求めてくる女が大好きアルヨ。コレ常識ネ。」
あやしい中国語を喋りながら俺は有紀を布団に押し倒していった。
- 301 名前:実験屋 投稿日:2005/10/02(日) 03:05:18 ID:P6b0ocqn
- とりあえずここまでになります。
正直、貞操帯プレイを書きたかっただけです。
色々思わせぶりな書き方してスイマセンデシタ。
ちなみにロゴに関しては昔見たアマゾネス映画で奴隷が
付けさせられてた貞操帯がそのロゴだったののオマージュ(と書いてパクり)
です。
あと構想を練ってる最中なんですが、ファンタジー系で
一本考えてます。でも、自分が書いてるんでマヌケ話に
なってますが・・・・スンマソン。
- 302 名前: ◆z1nMDKRu0s 投稿日:2005/10/02(日) 08:17:40 ID:YXNqyS+x
- いょっォシ!!(予想クリーンヒット)
しっかしここまでしてくれる女はそういませんな
有紀タンかわいいよ有記タン
- 303 名前:司9-1 ◆aPPPu8oul. 投稿日:2005/10/02(日) 23:19:46 ID:uuRj7YlC
- ユウタソは男の願望を具現化したようないい子だな……
さて。願望とは微妙にずれてる話、まったくエロなしの前半参ります
修学旅行一日目です。
* * * * *
リアルタイム投下にこだわっていた作者が頭を悩ませた約二ヶ月間を経過し、やっときました修学旅行当日。
十月の上旬、私立高のくせに行き先は広島・京都の定番コース。ちょっとばっかりマンネリじゃなかろうか。
いや多分、テロとかSARSとか、なんかそのへんの影響に違いない。
そんな設定の無理さとは無関係に、生徒達は楽しそうに電車の中で会話している。
「なー、UNOやろーぜUNO〜」
昼食も終ってぐちゃぐちゃした席を片付けながら、司が周囲に声をかける。
「やばい、デカイ荷物の方にいれちゃった」
「はぁ〜?」
ありがちなミスを犯したのは、散々話題に出てきていた司の親友だ。
「悪い。トランプやろーぜ。正直あの荷物開ける勇気は俺にはない」
色んな意味でな、と笑う親友の名は田宮健。
司との付き合いは一年半で、そのうち数ヶ月は男と女の付き合いをしていたという、不思議な関係だ。
「しょーがねーな。んじゃ何やる?」
「ババ抜き」
「大富豪」
「株は?」
和やかな空気の数メートル先では、隆也が女子生徒に囲まれて同じくカードゲームに興じている。
司がこのくらいのことで嫉妬することはないだろうが、どうも様子が気にかかる。
…いや、正確には司と健の様子が気にかかるのだ。
二学期が始まってからも気にしてはいたが、高校では担任とはいえ生徒と接触する機会は少ない。
そのただでさえ少ない機会を修学旅行の準備に奪われて、隆也は司を観察することができなかったのだ。
結局、夏休みがあけてからこの日まで、司が隆也の家に来たのは三回だけだった。
「……まぁ、それでも十分か……」
その三回分の司の甘え方を思い出すと、疑心暗鬼も顔を引っ込める。
生徒達に聞こえないように呟いて腕時計を見ると、到着予定時刻が迫っているのに気付く。
「ほい、そろそろ着くから終りにしような。荷物まとめておけよ」
「えー、先生ずるいっ!勝ち逃げじゃん」
「あと一回だけやろ〜よ〜」
勝負の途中で立ち上がった隆也には女子生徒の非難が集中するが、そこは笑顔でかわす。
通路を歩いて生徒達に声をかけ、司たちに近付く。
「そろそろ着くから片付けろよ〜」
何気なく言いつつも、視線は司に向いてしまう。"目が合うと照れるから"司はあまりこちらを向いてくれない。
- 304 名前:司9-1 ◆aPPPu8oul. 投稿日:2005/10/02(日) 23:20:23 ID:uuRj7YlC
- 曖昧な笑みを浮べて横を通り過ぎようとして、視線を感じた。健だ。
「どうした?田宮。俺の顔に何かついてるか?」
視線に敵意はなかったが、どこかいぶかしむ様な気配を感じた。
「いえ…なんでもないですよ」
口の悪い司と丁々発止のやり取りをしている健にしては歯切れが悪い。
しかし隆也は、今それを追及できる立場ではない。教師としてやるべきことをしなければ。
広島駅に降り立った一同は、バスで平和記念資料館へと移動した。
何度もここを訪れている教師の中には、資料館を足早に過ぎ去るものも多いが、隆也はしっかりと見て回った。
他の教師に比べ来た回数が少ないというのもあるが、そもそも彼は日本史の教師である。
ここにある情報を全て頭に入れても無駄になるということはない。
一階の展示を見ながら、ふと司を探す。やはり健と歩いているが、真剣に展示物を見ているようだ。
安心した隆也は自分のペースで館内を見学していたが、二階の展示を見ている途中で健に声をかけられた。
周囲を気にしながら言った健の言葉は、隆也の期待を見事に裏切った。
「…先生。俺、ちゃんと協力しますから……その、バレそうですよ、あんまり司見てるから」
「…そ、そっか…悪いな…」
恋敵かも知れないという疑いをかけていた自分が恥ずかしい。
頭をかく隆也に、健は笑う。
「頑張ってくださいよ、先生。じゃ、俺は行きますね」
「おお、ありがとな……」
司たちのところに向かう健を見送って、ため息をつく。そもそも健を信用するという前提で予定をたててきたのだ。
「今さら、か…しかしあいつもいい奴だな…」
自分だったらどうだろう。司を手放して、他の男に任せて、それを応援するなんて。
「……無理だな」
今は想像もつかない。手放したくない。
「………」
ため息をついて、足を進める。理由はともかくこの資料館には似合いの表情だ。
細心の注意を払って距離を保っている司を、視界の隅に収める。展示を見ながら、今度はゆいと何か話している。
何気なく足を向けようとして、さきほどの健の忠告を思い出す。
「……諦めるか」
今日は一言も話せないかもしれない。
後ろを通り過ぎる隆也の気配を感じて、司も同じことを思っていた。
平和資料館から宮島を回って、ホテルについたのは五時過ぎだった。
「六時から大食堂で被爆者の体験談を聞いてそのまま夕食だからな。遅れるなよ〜。あと広いから迷子になるなよ。
夕食の後は自由行動だからな。他のお客さんに迷惑かけないように!」
- 305 名前:司9-1 ◆aPPPu8oul. 投稿日:2005/10/02(日) 23:21:30 ID:uuRj7YlC
- クラス全体へのこの忠告を、司は数日前に聞いている。
一泊目だけ豪華なホテルをとった学校側の考えはよくわからないが、部屋ごとに風呂がついているのは嬉しい。
司の部屋は四人部屋の洋室だった。夕食後はほとんどの生徒がホテル内を散策していた。
土産物屋の数も多く、ゲームセンターも広い。
就寝は10時と決められているが、それまでに部屋に戻ればいいだけの話で、皆はぎりぎりまで遊ぶ気だ。
例に漏れずウロウロしていた司に、声がかかる。時刻は8時半だ。
「向こうにビリヤードあるらしいぜ」
「マジで?おい司、健、行こうぜ!」
同室の友人の誘いに、司は健に目配せして答える。
「悪い、俺ら後で行くわ」
「ちょっと用事があってな」
息ピッタリに言われると怪しむ余地はない。
「ん?そうか。じゃーな。後から来るならメールしろよ」
「おう」
そのまま二人で部屋に帰り、ドアの閉まる音にほっと胸をなでおろして、司は健に向き直る。
「…サンキュ。とりあえず第一関門突破かな」
「まぁな……サラシ巻いたまま寝るのか?苦しくね?」
司は苦笑するしかない。
「ま、そこは我慢だろ。じゃあ風呂入ってくるな」
「おー。お前が出たら俺も入るわ」
荷物を整理して風呂に向かった司に明るく言って、健はテレビをつける。
荷物を開ける度に注意しなければならないというのはだいぶ厄介だろう。
とはいえ実際、見つかれば言い逃れは難しい。
「……俺まで疲れるな、こりゃ……」
苦笑してベッドに倒れこむ。テレビは見たこともないローカル番組をやっているが、特に見たいとも思わない。
テレビを消すと、風呂場の音が響いてくる。
司の裸を最後に見たのはいつだろうか―きっちり半年前だ。健が知っているたった一人の女。
「いや……まぁ、終ったことだしな……」
きちんと付き合っていたわけではない。体は知っているけれど、司が女になってくれたのは抱いていたときだけだ。
終ればすぐに男に戻って、だから二人の関係はいつまでも親友だったし、そのまま何も変ってはいない。
それでも未練が断ち切れないのは、女々しすぎるだろうか。
「お先に失礼ーっと、なんだボーっとして。テレビなんかやってないの?」
頭をがしがしと乱暴に拭きながら出てきた司は、黒いTシャツにジャージ姿だ。
そのまま健の横に腰を下ろして、リモコンをいじり始める。
「あー、なんかやってたけど面白そうじゃなかったな……さて。んじゃ俺も入るかな」
体を起こした健の横で、司は顔をテレビに向けたまま答える。
- 306 名前:司9-1 ◆aPPPu8oul. 投稿日:2005/10/02(日) 23:22:04 ID:uuRj7YlC
- 「ほい、いってらっしゃい」
健が風呂に入っている間に、司は修学旅行のしおりと手帳をひっぱりだして今後の予定を確認する。
隆也は今は明日の打ち合わせをしているらしい。
そのまま教師連中は酒を飲むんだと言っていたが、酒に弱い彼がいつまでも飲んでいるとは思えない。
ホテルの中を歩き回って生徒の様子を見ているか、早々に部屋にひきこもっているのだろう。
「……来てもいいぞ、っつってもな……」
行っても隆也がいなければ気まずいし、行くところを誰かにみられるのもマズイ。行くなら深夜だ。
ごろごろとベッドの上を転がる。そばにいても触れられないのは寂しい。寄り添って、話をしたい。
「………」
ため息をつき、もう一度予定を確認する。明日はこの部屋で一番に起きて着替えなければ。
「…いや、その前に」
問題は例のビデオ鑑賞会だ。隆也に頼んで手に入れた動画の入ったCDをひっぱりだしてため息をつく。
「なんだ暗い顔して」
司と似たような格好の健に声をかけられ、顔を上げる。
「いや…鑑賞会をどう逃げようかなぁと」
「なんだ、見ないのかよ?この間は平気だったじゃないか」
健は平然と言うが、司は眉をひそめてわずかに頬を赤くする。
「……あれでもヤバかったんだよ。触られたらすぐバレるし……」
そう言われると、健の顔も赤くなる。
「そ…そっか。仮病でも使えよ。俺が口裏合わせといてやるからさ」
「うん、そうする…で、何持ってきた?」
こういうところが司だ。健の照れはどこかに消えてしまう。
「俺?俺をナメんなよ〜、絶対かぶんないようなの持ってきたぞ。そういう司は何だ、それ?」
不適に笑う健に、こちらも不適に笑う。
「ふふん。俺のは正直凡人には理解できないぞ。むしろ俺にも理解できん」
「なんだそれw」
こうなるともう、お互いの性別はどうでもよくなる。
「つっても中身まだ確認してないんだよな。先生に焼いてもらったから」
「はぁ!?お前チャレンジャーだな…先生引いただろ?」
「いや、引いても押し切るのが俺の信条」
あっさりと言い切る司に、健は関心したようなため息を漏らす。
「…わかんねーな、お前と先生の関係……いや、話聞いてるとベタ惚れなのはわかるんだけどさ…」
「まぁな。…ちょっと見てみるか?」
照れたように笑った司が、ひらひらとディスクを振ってみせる。
「お。興味津々、って感じだな。よし、んじゃちょっと見るか……」
健はノートパソコンを取り出し、司の持ってきた映像を再生する。
- 307 名前:司9-1 ◆aPPPu8oul. 投稿日:2005/10/02(日) 23:22:36 ID:uuRj7YlC
- 「そうだ。見てない」
がば、と起き上がった司の反応の速さはちょっと意外だ。
「見るのか?」
「見る。お前のあの自信が果たして俺に勝てるだけのもんだったのかを確かめたい」
「…わかったよ。ほら、これだ」
あの映像には勝てる自信はないが、それなりのものは用意してきた。
ファイルを再生すると、いきなり安っぽいCGアニメーションが始まる。そこに映し出された文字は
『ガチャピンvsムック』
「……タイトルからして嫌な予感なんだが」
「うん、その予感は裏切らないぞ」
ガチャピンの頭をかぶったねーちゃんとムックの頭をかぶったにーちゃんがプロレスを始めたんですが。全裸で。
そして負けたねーちゃんが犯されてるんですが。ガチャピンかぶったまま。
「……くだらねー」
「うん。その反応が欲しかった」
「こんにちはー」
ノックの音とともにいきなり聞こえてきたのは可愛らしい声。
「み、三崎さんだ!」
「やべ、隠せ」
よりによって三崎ゆいか!と叫びたい気持ちを抑え、司はベッドにもぐりこむ。
「いいか、打ち合わせどおりいくぞ!」
「お、おう」
慌てて片付けた健が深呼吸してドアを開けると、純真無垢を絵に描いた様な笑顔のゆいがいた。
「こんにちはー。あ、こんばんはかな?田宮君がいるってことは司君もいるよね?お邪魔しまーす」
「え、あ、うん…って、あ、三崎さん?」
一人でにこにこ話して一人で納得して、健の返答など待たずに遠慮なく部屋に入り込む。
後を追う様に中に入った健は、なんとか打ち合わせどおり話を進めたい。
「あ、司はなんか気分が悪いって言って……」
「え、大丈夫?先生には言ったの?」
ベッドで寝たふりをしていた司の眉がぴくりと動く。
「いや、まだ……」
「だめだよちゃんと報告しなきゃ!あたし行ってくるね!」
真面目なゆいのもっともな台詞に、健は止める術を持たない。
「え、あ、ちょっと、三崎さん」
「お薬ももらってくるね!ちょっと待ってて!」
ゆいは健の制止を物ともせず部屋を後にする。ドアの閉まる音と同時に、司が跳ね起きた。
「何してんだよ健っ!」
- 308 名前:司9-1 ◆aPPPu8oul. 投稿日:2005/10/02(日) 23:23:40 ID:uuRj7YlC
- 「うるせー、だったらお前が起きて止めろよ!俺じゃ三崎さん止められねーよ!」
「俺だって止められねーよ!」
本当は起きて事情を説明すればいいのだが、そうなると今度は健にゆいとのことを説明しなければならない。
そうなるとまた話がややこしくなるのは目に見えている。
「…とにかく俺は仮病を続行するぞ。口裏合わせろよ?」
「わかった…うわー。考えてなかったな。このタイミングで三崎さんが来るとは…」
司も再びベッドにもぐりこんでため息をつく。とんでもない伏兵がいたものだ。仮病がホンモノになりそうだ。
じゃんけんで負けた司が副班長にされたので、大方明日の打ち合わせに来たのだろう。
時計は九時半を回っている。幸いなことに、同室の友人達が帰って来る前にゆいが隆也を連れてきた。
感情はそれほどでもないが肉体的な四角関係が構成されていることが恐ろしい。
「…田宮。高槻どうしたんだ?三崎は焦ってよく聞かないで俺を呼びに来たらしくってな…」
「……ごめんなさい」
うなだれるゆいは本当に可愛らしいのだ。だから許されるのだろう。
「いや、いいよ。三崎さんは悪くないって。えーと、なんか夕飯食った後から気持ち悪いっつって…」
健の話を聞きながら隆也は司に歩み寄って、寝顔を覗き込む。
「そっか。つ…高槻、起きてるか?」
ゆいと健が同時に「あ」という顔をして、はっとしてお互いの顔を見る。視線が交錯してまた目をそらす。
面倒なことこの上ない関係だ。
「…はい…」
司は演技力満点の弱弱しい声を出す。額に隆也の手が当てられると、嬉しくて笑ってしまいそうになる。
「……熱、はないな。まだ気分悪いか?」
隆也は隆也で、そのまま頭を撫でてやりたくなる。ボロが出る前に、と手を離す。
「……はい……気持ち悪いのと、頭が痛くて……」
「そうか……」
じっと司の顔を見入っていた隆也はふと健に向き直る。
「どうせお前ら今日は騒ぐんだろ?」
「え、あ…はい」
騒ぐどころか…とか言わなくてもこれから何が起きるのかを知っている隆也に嘘をつく必要はない。
「じゃあここにいたら治るモンも治らないな。病人用の部屋があるのは知ってるよな?そこに移動するか?」
再び司に向き直った隆也の台詞は実に用意周到だ。その他三人がそろって感心する。
「…あ、はい。もう少ししたら動けそうなんで…」
「うん。無理はしなくていいぞ。じゃあ田宮、後は任せたぞ。俺も後で様子見に行くからな。
あと三崎、あんまり男子の部屋に出入りしないように。そろそろ就寝時間だぞ。じゃあな」
教師らしい発言の中に色んな思惑がこもっている、ような気がする。
『はい……』
その辺を敏感に感じ取ったゆいと健の声が揃う。
- 309 名前:司9-1 ◆aPPPu8oul. 投稿日:2005/10/02(日) 23:24:21 ID:uuRj7YlC
- 『………』
隆也が出て行くのを確認して、三者三様のため息をつく。最初に口を開いたのはゆいだった。
「えーと、ね。司君と明日の予定、話しておこうかなって思ったんだけど…体調悪いなら無理しちゃだめだよね
特に予定と変ったことはないから、安心してゆっくり休んでね?」
ほんとうに真面目で優しくて、いい子だ。ただどうにも天然で、頑固なのが困りものだが。
「うん。わざわざごめん……」
「あいつらが帰ってきたら俺が連れてくから、三崎さんはもう大丈夫だよ」
健にそう言われても心配そうに見つめるゆいと目が合って、司は笑ってみせる。
「うん。早く部屋帰りなよ。三崎さんの彼氏に誤解されるのもヤだしなw」
ぱっと頬を染めたゆいは、やっぱり可愛い。
「つ、司君っ!」
「あはは、じょーだん……あ、やっぱ駄目ぽい。ごめん、少し休むわ…」
司とゆいのやり取りを見ていた健はどこかぽかんとしている。
「もう……じゃあね、田宮君、よろしくね?」
「あ、うん…じゃあ、おやすみ」
声をかけられ我に返った健に、ゆいは笑顔を返す。
「おやすみ。また明日ね」
「おやすみ」
一通りの挨拶が済んでゆいが部屋を出ると、健が口を開く。
「お前、いつのまに三崎さんと仲良くなったんだ?司君、とか言ってたぞ」
「あぁ…夏休み中に色々あってな。しっかしタナボタだな。これで今日は安心して寝られそうだ」
「まぁな……」
ふいに健は黙り込む。頭だけ起こした司が声をかけようとすると、絶妙なタイミングで友人達が帰ってきた。
色々の質問を持ち前の演技力でカヴァーした司は、健の肩を借りて病人専用部屋に移動する。
そこにはすでに、隆也が待っていた。
「よ。ご苦労さん。どうせ仮病だろ?」
第一声でそう言い切る隆也の表情は、どこか嬉しさを隠しきれていないようだ。
「…どうせって、先生心配してくんなかったの?」
拗ねたような口調の司の声にもどこか嬉しさがにじんでいる。甘やかな空気の中は、居心地が悪い。
健は努めて平静の声をだす。
「…じゃ、俺はこれで……」
部屋を出て行こうとする健に、慌てて二人が声をかける。
「お、おう。田宮、ありがとな」
「サンキュ。また明日な」
どことなく無理をした笑顔を浮べて、健は部屋を後にした。
残された二人は並んでベッドに腰を下ろし、何故か黙り込んでいる。
- 310 名前: ◆aPPPu8oul. 投稿日:2005/10/02(日) 23:28:51 ID:uuRj7YlC
- とりあえずここまで。無駄に長くてすまん
- 311 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2005/10/03(月) 01:03:39 ID:WBI7ap2x
- >>310
肉体的四角関係にワラタ
続き期待してます!
GJ!!
- 312 名前: ◆aPPPu8oul. 投稿日:2005/10/03(月) 01:07:45 ID:zkDFHRYe
- うわ、306と307の間抜けてました。
↓のが入ります。マジごめん。せっかくのアレなシーンなのに!
* * * * *
ノートパソコンを持っているもう一人とのジャンケンに負けて、わざわざ荷物を重くしてきたのだ。
「お、はじまっ…………」
健は絶句する。それに対して司は真顔で親指を立てる。
「………予想通り。先生グッジョブ」
しかも発言が半角だ。ねらーだ。いや、ドワンゴのCMの影響か?
「…いや…グッジョブってお前…」
目の前の映像と音声は、真顔というより表情が固まってしまうようなものだった。
*作者の都合により音声のみでお楽しみください
『ほら…このままお前の薄汚れた肌を全部剥いでやろうか…?』
『いや……いやぁ……お願い…やめてぇ』
『…動くなよ……ちゅ……ふふ、うまいぞ、お前の血は甘い……』
『あ、あぁ……あ……』
『いやらしい雌だな……傷つけられて感じるんだろう?……この変態が!』
『いや……そんな……あ』
『嘘をつくな。汚らわしいここをこうして欲しいんだろう?』
『だめ、だめ……そこは……あぁっ……』
「…これはほんとに……理解できんな……」
ドン引きの健の台詞に、司は深くうなずく。
「よし、いい引き具合だ。(先生が)厳選した甲斐があった」
「いや……なんでこれを選ぶ、お前は」
思わず停止ボタンを押した健の声は完全に呆れている。
ディスクを受け取った司は顔色一つ変っていない…ように見えるが。
「いや…下ネタ振りにくくなるかぁ、と思って。これでも、下ネタ話すたびに内心ドキドキだったし」
ちょっと困ったような表情は、女の子らしく見えないこともない。
「……そーか。…なんだその……今後気をつける」
ぽりぽりと頬をかく健の顔を横目に、司はベッドにもぐりこむ。
「いーよ。それよりそろそろアイツら帰って来るだろ。頭痛と吐き気がするってことにしといて
これはお前が預かっといて。皆に見せてドン引きさせてくれ」
健は預けられた映像をもう一回見なければならないことに気付いて肩を落とす。
「あ、あぁ……」
「んじゃおやすみ……」
「…おやすみ」
力なく答えた健は、手元のディスクを弄びながらぼんやりしている。
「…そーいや俺の見せてなかったな。ま、いっか……」
* * * * *
うわー、凹む。ほんとにスマン
- 313 名前:311 投稿日:2005/10/03(月) 01:28:00 ID:WBI7ap2x
- 前の話で、エッジプレイのトンでもねえ動画を持っていくと言ってたから、
あえて割愛されたのかと思ってました。
やっぱり司キュンは可愛いなーと思いつつ読み返してきます。
- 314 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2005/10/03(月) 09:18:16 ID:/s0ErumN
- しかし、貞操帯じゃねえよなあと思いながら読んでて
貞操帯だったのは笑った。
- 315 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2005/10/03(月) 14:22:16 ID:t8Fdb84c
- 司タソキテタ!
修学旅行とか聞くと、訳もなくウキウキしますな。
隠し通さねばならない秘密付きとなると、余計ムネドキだあ。
あー、学生時代が懐かしい…
>>314
同じく。
なんか凄い敗北感…orz
- 316 名前: ◆z1nMDKRu0s 投稿日:2005/10/03(月) 17:42:55 ID:ir6XXsdQ
- 司タンキタ━━(゚∀゚)━━!!
相変わらずかーいいなぁ(*´Д`)ハァハァ
ゆいに撃沈されかけたり同室のみんながいないときにしか風呂入れないとか苦労しっぱなしだけどガンガレ司タン
俺も応援しとるぞ
- 317 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2005/10/03(月) 23:33:19 ID:+ZCnKBPD
- 司かわいいー
教師と生徒、同じ宿で違う部屋、
この距離感がたまりません〜
期待のボルテージ上がりまくり
臨界値ぎりぎりですわ
うれしはずかし修学旅行、グッジョブ!
- 318 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2005/10/04(火) 01:53:05 ID:h9CWPgnB
- 投下が少ない。職人さん達忙しいのか?
- 319 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2005/10/04(火) 02:03:15 ID:hiGdWfBx
- >318
ageる奴には教えない
つーか普通に多い。今までのが異常だっただけだ
- 320 名前:秀穂ゴッドファーザーズ ◆z1nMDKRu0s 投稿日:2005/10/04(火) 02:47:56 ID:vsclfB+J
- 何時までもそんな異常な状態が続きよう祈願投下
あの戦いから約10分
さて、どっちが勝ったのでしょうか!!
おーっと、真が台所に立っている!!
七輪にマメタンを入れる入れる一個二個三個四個
どうやら真が折れたようです!! 溢れる涙が真の悔しさをもの語る!!
と実況もどきやってみたがそんなにインパクト無いなと反省
まぁ今真が七輪なんぞでお湯を沸かしてカップ麺の準備をしているわけで
ちなみにこのあごはずれ荘でガスが通ってるのは住人全員が共同で使う風呂だけ
個人でガス使いたいなら自分で買ってこいという酷いアパートなのが家賃二万円の実態
「お湯マダーーーーー?」
「まだだ、少し待ってろ」
あれあれ? どうしちゃったのかな真クン
火つけたばっかなのに何で顔が真っ赤なの?
ひょっとして無防備に近づいてくるユウタンにドキがムネムネですか〜?
手ぇ繋いでその柔らかさにドキドキ
ミディペット越しの間接キッスにドギマギ
止めにユウタンの手入れされたサラサラヘアーから漏れるシャンプーのかをりにドッキュん
カカカカカ、青いぜよ青いぜよ青春は青いぜよ
- 321 名前:秀穂ゴッドファーザーズ ◆z1nMDKRu0s 投稿日:2005/10/04(火) 07:31:53 ID:vsclfB+J
- ようやく沸いたお湯をそれぞれのカップ麺に流しこんで蓋をする
で、食うまでの間に三分ほど時間ができた訳だが
「で、何で押し入れが大破してエロ本がバラまかれたか説明してもらおうか」
その話題かよ
すっかり忘れてたがお前らバンドやるんだからその話しだろ普通は
「ん? あぁアレのこと
ただ押し入れに突っ込んだ真を引っ張り出そうとしただけだよ」
「俺が死んで(?)たときそんなバカなことがあったんかい」
「うん、そうだけどさ……
ねぇ真」
「うん?」
「やっぱり女はおっぱい大きい方が好き?」
ばばば爆弾発言キタ━━(゚∀゚)━━!!
「いいいいいいいきなり何を言い出すんですかアンタぁぁぁぁ!!!!」
おいおい真、絶叫は構わんがそんなに顔赤くしているのだ
「すき?」
「うぐぅぅぅぅ……」
しっかり汁真!!!!
男のみせどころだぞ
- 322 名前: ◆z1nMDKRu0s 投稿日:2005/10/04(火) 07:33:16 ID:vsclfB+J
- ね、寝過ごした……
orz
- 323 名前:デバガメサン 投稿日:2005/10/04(火) 09:01:28 ID:W5atYOeq
- >322
寝過ごした罰として、今夜も投下しる!
いやいやいや、ゴッドファーザーズいつも楽しみにしております。
適度に睡眠とりつつがんばってください。
ちなみに私めは大きすぎず小さすぎずな胸の女性が好みですよ。
ここで本題に入るのですが、明け方「狂介VSヤスコ実写版制作決定!」という夢を見ました。実写ヤスコは以外と美人でした。
- 324 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2005/10/04(火) 14:37:40 ID:FPg7A6mk
- ゴッドファーザーズキタ━━(゚∀゚)━━!!
あぁん、イイふいんき(なz(ryでお預け…
ユウたんは大きいの?小さいの?
私は乳なら、どっちも好きだーッ!
続き、マターリ待ってます。
- 325 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2005/10/04(火) 17:07:31 ID:h9CWPgnB
- >>323
狂介VSヤスコ実写版。オイオイなんつー恐ろしいものを。
- 326 名前:鬼道の末に・壱拾四 投稿日:2005/10/04(火) 19:11:02 ID:Sn9BbEUi
- 【同じく異常な状態が続くよう祈願投下。陵辱ものです。・・・一応】
――う、嘘!な、なんで・・・。あっ!
初めてなのに快楽が生じた自分の身体が信じられない瑞穂。陵辱劇を見せ付けられたとき処女だった女性も少なくなかったが
快楽を感じていた女性は少なかった。それなのに瑞穂の身体からは舐められたとき以上の快楽が起こっていた。
「あっ!あっ!嘘だ!こんなの・・、ひああ!!違う・・。ああん!!」
望まないのに抑えがたい快楽に腰が動いてしまう。成幸の動作も痛みが和らぎ快楽が芽生えた瑞穂を見て
貪る様な激しい動きに切り替わっていた。それに合わせる様に瑞穂の膣は成幸の男根をひたすら締め付ける。
「あん!あ!あん!!」
これまで味わったことのない強い快楽は瑞穂に嬌声を上げさせ膣から滴るのが破瓜の血から愛液に切り替わらせた。
「み、瑞穂・・・。」
成幸は腰を振る動作を続けながらも瑞穂の名を呼びその後頭部に抱く様に手を這わせいとおしげに撫でる。
その表情は快楽で満たされていながらどこともなく悲しげだった。
「違う・・。違う・・・・。」
その表情に気付いた瑞穂は再び否定の声を上げる。自分の身体に生じた快楽を否定するため。
陵辱者とはほど遠い、成幸の表情を否定するため。肉がこすれる感触がパンッパンッと音をたて
滴る愛液がクチュックチュっと音をたて狭い牢屋に響く。巌に見せ付けられた陵辱劇でいやってほど
聞かされた瑞穂にとって忌々しい音が男根で満たされた自分の膣から生じている。
性欲からくる快楽だけでなく聴覚でも犯されている現実を味あわされている。
味覚と嗅覚も口腔内に放出されたあまりにも苦い精液の味と臭いが陵辱の現実を伝える。そして視覚。
下を見下ろすと成幸の男根で満たされた自分の女陰が見える。そこから破瓜の血、そして愛液が滴っている。
しかも愛液は受けつけたくない快楽によって膣壁から絶え間なく溢れ、純潔の証を薄めている。
――いやっ!!こんなの見たくない!!こんないやらしい自分・・。
そう思い顔を上げると成幸の顔が見える。快楽に夢中になっていながらもそれが辛い様な後悔してる様な表情。
――見たくない・・。こんな顔・・。今までのあの男みたいな顔の方が・・。
悲しみを帯びた成幸の顔を見ると嫌悪や憎しみが薄れてしまう。
それだと陵辱を喜び、心から快楽を受けつけてしまった様な気がして、どうしても成幸を憎いままでいたかった。
それなら忌々しくても陵辱を愉しみ、自分を辱めることを喜んでいた意地悪い顔でいてほしかった。
「・・・・。」
犯される現実も犯している男が辛そうな顔をしているのも見たくない。そう思った瑞穂は目を閉じ視覚を絶った。
「瑞穂・・・。」
目を閉じた姿から瑞穂の気持ちに気付いたのか成幸は悲しげな声を上げる。視覚と違い絶つことの出来ない聴覚。
肉がこすれる音も愛液がいやらしく滴る音も容赦なく耳に入ってくる。
「・・・そんな声出さないで!!聞きたくない!!」
絶ったはずの視覚で知った成幸の悲しみが今度は塞ぎようがない聴覚で知らされたことに思わず大声で叫んでしまった。
「・・・・・。」
成幸が口を閉ざす。目を閉じたままだが瑞穂には成幸が今までになく悲しい顔をしていることがわかった。
「あっ・・・。ひあ!あん・・。」
成幸が無言になっても肉がこすれる音といやらしい水音、そして瑞穂の喘ぎ声は牢屋に響き続ける。
- 327 名前:鬼道の末に・壱拾五 投稿日:2005/10/04(火) 19:12:12 ID:Sn9BbEUi
- 「ああ!!あん!!ひあ・・。」
瑞穂の嬌声は本人の意思に反して絶え間なく出続ける。膣も成幸の男根をきつく締め付け、彼に快楽を与え
同時に膣壁も快楽を貪り続け、愛液を溢れさせる。瑞穂の顔も快楽に溺れとろんとした表情になっていた。
目が潤んでいるがそれでも涙だけは流さない。快楽を全身で絶え間なく感じ続ける身体とは裏腹に心は沈んでいた。
――どうして・・こんなこと受けつけるの・・?身体が俺のものじゃなくなったみたい・・。
自分の意思に全くそぐわない身体がいやで仕方ない。そんな瑞穂の意思に徹底的に逆らう様に快楽が更に大きくなっていく。
「ああん!!!あっ!!!な、なに・・・!?ひああ!!!」
瑞穂が大声を上げる。それに合わせて膣の締め付けも快楽を貪る様に成幸の男根を更に締め付ける。
突然快楽の大きさに絶叫を上げる状況。瑞穂はそれを陵辱劇で見覚えがあった。
――ま、まさか・・絶頂!?う、嘘だ・・・!
そんな思いとは裏腹に快楽はどんどん大きくなっていく。
「あっ!ひあっ!!ああん!!!」
あまりにも大きな快楽に身体が激しく動き、豊満な乳房が大きく上下する。
成幸の動きも瑞穂の膣の締め付けに反応し、より激しさを増す。それが瑞穂にさらなる快楽を与えていた。
「あ・・・・。」
瑞穂がいままでになく力のない声を上げた直後
「あっ―――――!!!」
激しい嬌声を上げついに絶頂に達した。
――嘘だ・・・。嘘!!どうして・・・・。
瑞穂が悲しみと快楽の余韻にひたっていると、
「オ、オレももう・・限界だ・・・。膣内(なか)に・・出すぞ・・。」
そう成幸に告げられた。
「・・・・・。」
拒絶の声すら上げられない瑞穂。絶頂に達してしまい思考が鈍り、絶望と諦めが生じたからだった。
――自分を陵辱した男に子種を植え付けられる・・。妊娠するかもな・・。でももうどうでもいい・・。
元々自分が助かることなど考えていない。助かったとしてもこの先どうすればいいのかわからない。
そんな身の上で妊娠したとしてももはや関係ない。絶望と諦めが瑞穂の心を支配していた。
「うあ!!あ!!はあ・・・。はあ・・・。」
成幸が声を上げると同時に瑞穂の子宮の奥に男の欲望が勢いよく放出された。
「あ・・・・。」
自分の膣内(なか)に植え付けられた白濁液の熱い感触に瑞穂が力ない声を上げる。
「・・・・・・。」
成幸は無言でようやく萎えた自分の物を抜いた。
「あ・・・。あ・・・・。」
瑞穂は絶頂の余韻からぼんやりとした顔で呻いている。その女陰からは自らの愛液と成幸の精液、
そして愛液と精液に薄められてしまってはいたが破瓜の血が流れ出ていた。
- 328 名前:鬼道の末に・壱拾六 投稿日:2005/10/04(火) 19:14:49 ID:Sn9BbEUi
- ・・・・・・。」
辛そうな顔で瑞穂を見下ろしながら袴を着直す成幸。今までなら初めてのくせに絶頂に達するなんてやっぱり淫乱、と
嘲笑ったことだろうが今の成幸の表情は嘲笑うどころか後悔している様だった。
「ごめん・・・・・。」
聞こえるかわからない様な小声で謝るといたたまれなくなった様にその場から立ち去った。
拘束されたまま取り残された瑞穂。虚ろな目で自分の下腹部を見つめた。その膣は絶頂を喜ぶ様に余韻に浸っている。
純潔の証は女の悦びと男の欲望から生じた二つの白濁液により薄められていた。
その男の欲望は口にも放出され苦々しい味が今なお口腔内に広まっている。吐いてしまったため
その欲望は大振りな乳房にもこぼれていた。その先端の乳首は女陰同様、快楽の余韻に浸る様につんと立っている。
まるで全身で今まで味わったことのない快楽に悦んでいる様な瑞穂の女体。
「・・・・・・うっ。」
今まで堪えていた涙が流れ、太ももに落ちる。
「わああああん!!うっ・・・・!!ひっ・・・。ううっ!!!」
初めて陵辱劇を見せつけられたとき以上の激しい嗚咽を漏らしながら号泣する。堪えていた分、勢いよく流れる涙は
絶え間なく瑞穂の太ももに当たり続ける。
「うわあああん!!ううっ!!ひっく・・・ひっく・・・。」
覚悟はしていた。いつか自分が陵辱されることを。多くの女性を救えなかった報いとして。
そうなっても、女を捨てたも同然な自分が女として辱められても平気だと考える様にしていた。それなのに・・・。
「ひっく・・・、ひっく・・・。」
涙が止まらない目で自分の恥部を見つめた。快楽を悦ぶそこが汚らわしくて仕方ない。恥部だけではない。
乳房も成幸を悦ばせ、また乳房自体も愛撫を悦んでいた。今までも隠すのに邪魔、女らしくなどなれないから
要らないと思っていたが、今は更に女性器共々抉り取ってしまいたい位、自分の女体が憎かった。
その反面、犯した張本人である成幸を心底憎めないのが、また腹立たしかった。立ち去る直前
成幸が微かに漏らした謝罪の言葉は瑞穂の耳にも届いていた。
「謝る位なら・・ひっく、なんで・・あんなこと・・・するんだよ・・・・。」
泣きながらもその場にいない成幸に訴えた。鎖で手足を拘束された身体は止め処なく溢れる涙を拭うことも
裸身を隠すことも出来ない。今の瑞穂に出来ることはただ泣き続けることだけだった。
「・・・・・・。」
成幸は瑞穂から死角の位置で瑞穂の泣き声を聞いていた。瑞穂の、自分を見たくないであろうという気持ちを察して
立ち去りはしたものの彼女を放って、上に戻ることは出来なかった。そんな成幸の耳に入った瑞穂の自分への訴え。
瑞穂が堪えていた涙を出したのは自分がいなくなったからだと気付いた成幸は地下から外に出た。
罪悪感に押し潰されそうになった成幸は自分を罵った。
「・・・・ばかやろう・・。なんで・・あんなことしちまったんだよ・・。」
【陵辱が終わって第一部完って感じですね。】
- 329 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2005/10/04(火) 19:51:50 ID:IDGLDWG1
- せ、切ない……
瑞穂の男言葉なのにひたすら女の子な泣き方に萌えてしまう自分に
罪悪感を感じてしまいマツ。
エチは一段落だと思うけど
物語はこれからどんどん深くなっていくヨカン。
成幸の優しさが届くといいなぁ。
GJでしたっ!
- 330 名前:司9-1 ◆aPPPu8oul. 投稿日:2005/10/04(火) 20:22:16 ID:hiGdWfBx
- ふと、隆也の手が動いた。
「……司」
身体を横から挟むように腕を回して抱きしめ、耳元で呼ぶ。
「……うん」
司は少し体を傾け体重を預けて、それだけを口にする。
「…………だめだ。我慢できない」
触れたかった、と搾り出すように言って、隆也が司の唇を塞ぐ。司もそれに答えて、次第に激しく舌を絡めあう。
「……んむ……ん……ふ……」
隆也の腕に力が入る。司の腕も隆也の背に回る。
「ん…は、はぁ……はは、なんか、夏休みの最終日思い出すな」
恥ずかしげに笑って、さっきも触れたかった頭を撫でる。
「うん…ずっと、一緒にいたのにね」
こうやってキスの後に笑う司の目は、とても優しい。
セックスの最中の熱っぽい目もいいが、やはりこの表情が一番幸せを感じさせてくれる。
「なんかな……話せなくて悪かったな」
「ううん。俺も人前だと恥ずかしいし。しょうがないよ。……それより、ここにいていいの?」
「ん。明日の朝までに部屋に戻れば問題ない。まぁ、ほんとに病人が出て担ぎ込まれたらそうもいかないけどな」
苦笑する隆也に、司も笑いかける。
「出ないといいね。いろんな意味で」
「うん。そうだな……それと一つ問題なんだが」
色々と問題が多い中でこう切り出され、自然と司は緊張の面持ちになる。
「……何?」
隆也も、至極真面目な表情で言う。
「流石にここを汚すのはマズイんで風呂に行きたいんだが……ダメか? 」
風呂で何をするのか容易に想像ができて、ぱっと司の頬に朱が散る。
それを見て、隆也は笑い出しそうになるのを堪える。
「だっ……だめ、って…だって……誰か来るかもしれないんでしょ? 」
「来るとしても勝手には入れないぞ。オートロックだし鍵はここにある」
隆也の手元で鍵が鳴る。司の視線が呆れているが、まぁその辺はいまさらなので気にしない。
「……職権濫用、って言うんだよね、そういうの……」
「まぁそう言うな。これも段取りの鬼と呼ばれた男ならではの所業だ」
誇らしげな隆也に、冷静な突っ込みが入る。
「いや、胸張られても。……でも、じゃあ……ほんとに、大丈夫? 」
突っ込みは冷静だったのに、一度口ごもって頬を染めた司は、ひどく可愛い。
「もちろん。そうだな。風呂に入ってるときに誰か入ってきたら、司がもどしたことにするか。それと…」
「それと? 」
- 331 名前:司9-1 ◆aPPPu8oul. 投稿日:2005/10/04(火) 20:23:05 ID:hiGdWfBx
- 小首をかしげる動作に笑みをこぼして、ふざけた台詞を口にする。
「俺も酔っ払ってるから、一種の病人だから問題ないな」
「……それは教師として問題でしょ……」
苦笑した司の頭を撫でて、額に口付ける。
隆也は本当に少し酔いが回っているようで、よくよく見れば頬は赤く体も熱い。
ゆいや健の前で冷静に振舞えたのは教師としての体面というやつだろうか。
「二人っきりのときは教師も生徒もないだろ? …って、修学旅行先で言っても説得力ないな」
「ふふ。そーだね……せんせ? 」
少し語尾を強調する。本当に小生意気で、可愛い。
「ん……んじゃ、行くか? 」
「うん」
手を取って、風呂場に直行する。
脱衣所に入るなり隆也は服を脱ぎだし、司は背を向け、服に手をかける。
「……いい加減そこは恥ずかしがらなくてもいいと思うんだけどな」
早々と裸になった隆也は腰にタオルを巻きながら、サラシを解いている司に声をかける。
「……って、言われても……恥ずかしいモンは恥ずかしいし……」
見られていることにはいちいち文句を言わなくなっただけマシかもしれない。
頬を染めたまま、色気のないジャージと男物の下着から脚を抜く。
それでも身体を隠そうと司がタオルを探している間に、何の気なしに小振りな尻に手を伸ばす。
撫で回し尻肉をつかむと、びくんと背を反らす。
「ひゃっ!?せ、先生……や……」
「ん?いやいや、気にせずタオルを探してくれたまえ」
かくいう隆也の横にある棚にタオルがまとめられているのだが、気付かぬ振りで尻を撫で回し、指先で揉んでみる。
「で、できるわけ……ちょ、くすぐったい……」
耐え切れず振り向いた司に腕をつかまれ、ぐるりと手首をひねられる。
「いてててて、悪い、悪かったって」
あまり罪悪感のなさそうな隆也の謝罪を胡散臭げに聞きながら、司はさっさとタオルで前を隠す。
「先生、そこにタオルあるのわかってたでしょ」
視線が痛い。ここでご機嫌を損ねたらこの絶好の機会が無駄になる。
「いや、知らなかった。そっちにもあるもんだとばかり」
なのにふざけてしまう自分のうかつさが恨めしい。
「しらじらしい。素直に謝ってください」
司は少々高圧的な態度だ。これではどちらが大人だかわからない。二重の意味でうなだれる。
「…ごめんなさい。わかってて悪戯しました」
ほとんど裸で頭を下げている自分の情けなさに涙がちょちょぎれそうな隆也に、今度は満足げな声がかかる。
「よろしい。……じゃ、はい」
- 332 名前:司9-1 ◆aPPPu8oul. 投稿日:2005/10/04(火) 20:23:40 ID:hiGdWfBx
- 浴室の戸をあけた司が、さっき払いのけた手を引く。表情は、照れているようだが、明るい。つられて笑う。
「はい」
手を引かれるまま浴室に足を踏み入れ、戸を閉めるとすぐに、後ろから司を抱きしめる。
抱きしめて、体を隠しているタオルを引っ張る。
「ん、先生……」
まだタオルを抑えている司の首筋に口付け、耳元でささやく。
「……見せてくれないのか?司の体……」
「う……だって……明るいし……」
だからこれが初めてじゃないだろう、と言いそうになるが、この恥じらいがあるうちが華だ。
過去の女性経験から言って、恥じらいがなくなるにつれ女は可愛くなくなる。間違いない。
「でも……じゃあ、このままするか?」
タオルを胸の辺りで抑える腕をよけて、下乳を軽く揉む。
「ふっ……んふ……やだっ……」
漏らす吐息が甘い。
よし、と心の中でガッツポーズ。少し力が抜けた隙に、無理矢理タオルをひっぱって剥がす。
「あ……」
「隠すなんてもったいないだろ……せっかく最近締まってきたのに」
そう、何故か司は最近体を鍛え始めたのだ。もとからそういう願望はあったらしく、なかなか熱心にやっている。
司の腕をとって耳たぶを甘噛みし、その成果の現れ始めた腹部をゆっくりなでる。
「ひゃ、ん……ん……」
「ここも……触り心地最高だし……」
最近少し大きくなった、気がする胸を下から持ち上げるように揉むと、司がみじろぐ。
「は……あ、んんっ……」
数時間前までの司からは想像もつかない甘い息が漏れる。
硬くなりかけた乳首を摘むと、ひときわ高い声とともに体が震える。
「ひやぁっ……あ、はぁ……あん……」
うなじを舐めあげて、司の髪が短いのに感謝する。手は乳首を弄び続けている。
「ふ、あぁ……せんせぇ……」
ふるふると震える体を支えようと片手で腰を抱く。ふと視線を動かすと、鏡が目に入る。
その中にある司の表情は、ひどく扇情的だ。
「ん……可愛いぞ、司……」
体を抱き寄せると、尻の割れ目に猛ったものが当たる。
「あ……せん、せぇ……」
それに気付いたのか、顔がこちらを向こうとする。
「……まだ、だろ?」
鏡の中の司を視姦しながら、右手を茂みの奥へと滑らせる。柔らかな花弁を撫で、揉む。
- 333 名前:司9-1 ◆aPPPu8oul. 投稿日:2005/10/04(火) 20:24:17 ID:hiGdWfBx
- 「……ん、は……はぁ……」
「脚……もう少し、開いてくれるか?」
ぴったりと閉じられていた脚が、僅かに開く。その隙に花弁を割り膣口に指を押し込む。
まだ濡れ方が十分ではないが、ここからは簡単だ。
ゆっくりと中をかき回し、抜き差ししながら陰核を撫でる。
「んふ……は、あ……はぁ……あんっ……」
司の体が前かがみになる。膝に力が入らないらしい。鏡に手をついて、ようやく隆也の視線に気付く。
「あっ……せんせっ……や、やだ……ぁ」
泣きそうな顔を見ながら、くちゅくちゅと水音をたてて抜き差しを繰り返す。
「いや、可愛いぞ、司……ここも喜んでるし……」
だいぶほぐれてきた膣内にもう一本指を押し込む。膣口と奥の締め付けがたまらない。
絡みつく柔らかな肉壁の感触に、尻に押し当てた肉棒が跳ねる。
「んあっ……あ、やぁあっ……だめ、だめっ……」
首を振る司の中で、二本の指を曲げ、かき回し、引き抜いては指の根元まで押し込む。片手は胸を揉み続ける。
「は、だめ…せんせぇっ……やぁ……ん」
鏡の中の自分から目をそむけるように、司は目を閉じて首を振っている。
ふいに隆也は指を引き抜き、両手で司の腰を掴む。右手が愛液で滑った。
「司……」
「ふ、はぁ……は……」
ようやく顔を上げた司と鏡越しに視線を絡ませて、膣口に先端を押し当てる。
ゆっくり上下していた肩が、僅か震える。潤んだ瞳が閉じられるのを見て、声をかける。
「……いくぞ……」
ゆっくりと押し込み、絡みつく膣壁をおしわけて、奥へと進む。
「ん、あ……は……う……っく……」
いつもとは違う角度で挿入したせいか、司の声が少し苦しげに聞こえる。
「んっ……司、痛いか……?」
首を振る。痛くないと言うのなら、何をそんなに声を押し殺す必要があるのだろう。
「ひょっとして……声が響くから我慢してる?」
「それも、あるけど……目、開けられないから……よけい……」
言われてみれば司は目を閉じたままだ。視界を奪われると、他の感覚が鋭くなるらしい。
感度が良くなるのはいいことだが、と隆也は思う。
「……目、開けろって。ちゃんと見てみろよ、自分の体……綺麗だぞ……」
「やだぁ……」
声に甘えが残っている。恥ずかしいのは本心だろうが、絶対にいや、というわけでもなさそうだ。
司の性癖を考えると、もう少し意地悪してもいいかもしれない。
「開けないと、このまま動かないぞ。それでもいい?」
- 334 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2005/10/04(火) 20:24:26 ID:Zy30PyRm
- ……成幸も瑞穂も、なんか悲しいな(´・ω・`)
二人には幸せになってほしいもんだな。
第二部と遠井家にも期待しつつGJ!!
- 335 名前:司9-1 ◆aPPPu8oul. 投稿日:2005/10/04(火) 20:24:49 ID:hiGdWfBx
- きゅう、と膣が締まる。わかりやすい反応に、苦笑する。
「……先生、ずるい……」
司自身も自分が喜んでいることを自覚したのだろう。それ以上は何も言わずに、きつく閉じていた目を開ける。
鏡に手をついて尻を突き出したような格好はひどく恥ずかしい。恥ずかしいのに、その羞恥が快感になる。
眉を曇らせているのに嬉しそうな自分の顔を、これ以上は見たくない。視線を上に上げると、隆也と目が合う。
その表情はと、じっと見つめようとした瞬間、繋がった箇所から卑猥な音が零れて、快感が走る。
「あっ……は、ん……っ」
「綺麗だぜ、司……それにすごく、可愛い声だ……」
ゆっくりと腰を動かして、いやらしく絡みつく中を抉る。
「や、あんっ……ああっ……ふぁ……」
膝ががくがくと震えて、支えてやらなければ崩れ落ちそうに見える。
「……司……いいか……?」
「あ、ふっ……いい、よっ……んっ、いつもと……違うとこ、が……あ」
いつもと違う場所を擦りあげるたびに、喘ぎ声が響き、膣内は不規則に収縮を繰り返す。
「…は…司……つかさ……」
「あ、あぁっ……は、んっ……せんせぇっ……」
喘ぐ女の顔は決して美しくはないと思う。ただそれが、自分を滾らせるのだから仕方がない。
司の腰を支えたまま、夢中になって腰を打ちつける。快感が高まるにつれ、技巧を凝らす余裕がなくなってくる。
「んんっ……はぅ……は、あっ……」
「司……いい、声だ……」
噴出す汗が足元にまで流れ着いた。腕にかかる体重が重く感じられる。腰が立たないのだろう。
落ちそうな腰を突き上げると、上体が揺れる。薄く開いた唇から漏れる息が荒い。
「せんせ……は……せんせぇっ……あ……」
かすれた声に呼ばれながら、限界に近付いた肉棒をめちゃくちゃに抜き差しして膣壁をえぐる。
犯しても犯しても締め付けるそこに、自分も犯されているに違いない。
快感の奔流が体中をかけめぐって、頭の中を空にする。
ぷつんと何かが決壊するのを感じて、熱く狭い司の最奥につきたてた。
「あ、あっ……は……はぁ……」
かすれた喘ぎ声を聞きながら、しまった、と思ったときにはすでに遅かった。
弛緩した司の体が腕から滑り落ちようとしている。
射精の快感でぼおっとしていた隆也は慌てて腕に力を込めて、司の体を支えてゆっくりと床に腰を下ろす。
「…は……悪い、司……俺だけイっちまったな」
とりあえず精を出しつくした肉棒を引き抜いて、後ろから抱きしめる。
鏡の中をうかがうと、司は息を乱しながらも笑っている。
「は、はぁ……ううん……いいよ……俺も、気持ちよかったし……」
「そうか?……できれば司もいかせてやりたいんだけど…」
- 336 名前:司9-1 ◆aPPPu8oul. 投稿日:2005/10/04(火) 20:25:35 ID:hiGdWfBx
- くしゅん、と可愛らしいくしゃみが台詞を中断する。
苦笑して頭を撫で、司の体をこちらに向かせる。汚れた腿に手を滑らせると、ぴくりと肩が跳ねた。
「んっ……」
「…流すか」
隆也はシャワーを手に取りお互いの下半身を流す。濁った水が排水溝に流れ込む。
証拠はしっかり隠滅しなければ、と床を流していると、されるがままになっていた司が、隆也の髪に手を伸ばした。
「……ね、先生……」
顔を上げると、じっとこちらを見ていたはずの視線が逃げる。
「……腰立たないん、だけど……」
言われなくても、それはわかっていた。最後はほとんど隆也の腕で支えていたのだから。
それでも、その事実を伝えるのが恥ずかしいのだろう。笑ってがしゃがしゃと髪をまぜてやる。
「……そんなこと気にすんなって。お姫様は黙ってりゃなんだってしてもらえるんだぜ? 」
「そっか。ふふ……じゃあ、黙ってる」
もうお姫様という単語にもいちいち噛み付かなくなった。慣れというものは少し寂しく、嬉しい。
笑う司の脚をふいてやりながら、少し甘やかしすぎているかな、と不安になる。
だがそれも、悪い気分ではないしむしろ快い。それも司が甘えるのが自分だけだとわかっているからだが。
「よし、ではお召しを」
ふざけた口を叩きながら司を抱え上げ、脱衣所で服を着せる。
「サラシはいいな、あとで」
「うん」
体を支えて服を着せてしまうと、やはりほとんど男子高校生に戻る。
その表情だとか小さいなりに自己主張している胸だとかを視界に収めると、今更ながら不思議な気持になる。
自分の衣服を整えながら、隆也は思う。
どの司が素なのだろう。すべてがすべてホンモノで、偽りなどないと言い切ってしまいたいのだが。
「さて姫。それでは寝所にお連れしましょう」
「はいはい。よきにはからえ」
頭を振って思考を切り替え、無邪気に笑う司を抱えあげる。行為の直後の重労働は少し腰に響きそうだ。
シングルベッドに司を下ろして腰を伸ばし、体の向きを変えようとして―抵抗を感じた。
「…………」
司の手が隆也の服を掴んでいた。無言のまま振り返って表情を探ると、寂しそうな目がじっと見つめている。
「……一緒に寝たい」
そういえば、司と朝まで一緒に過ごせたのは初めて抱いたときだけだった。
どうも男というのは即物的な生き物のようで、隆也はそれでも充分満足していたのだが、司は違ったらしい。
甘えた声で小首をかしげるという、即効性のある確実な技術も忘れてじっと隆也をみつめている。真剣なのだ。
「……うん。そうだな……」
知らず笑みがこぼれる。頭を撫で顔を両手で包んで、横に腰を下ろす。
- 337 名前:司9-1 ◆aPPPu8oul. 投稿日:2005/10/04(火) 20:26:47 ID:hiGdWfBx
- 「一緒に寝るか」
花もこぼれんばかりの笑顔を浮べる司は、何一つ偽ってなどいないだろう。
「うん」
半月を描いた柔らかな唇を塞いで、悲鳴を上げるベッドに倒れこむ。
口を離した途端、明日の起床時間は何時だっけ、と同じことをお互いに聞いて笑う。
修学旅行は一日目が終ろうとしている。蜜月旅行のような甘い夜は、さて、明日もあるのかどうか。
* * * * *
>保管庫管理人さま
前回投下分と今回投下分をいっしょに掲載していただけると嬉しいです。
あと、以前投下したものの誤字脱字を発見しましたのであとでメールさせていただくかもしれません。
- 338 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2005/10/04(火) 20:32:50 ID:Zy30PyRm
- 投稿する前にリロードするべきだった……orz
>>337
邪魔してスミマセン。
保存庫の司タンの1から萌え直してきます。
- 339 名前: ◆aPPPu8oul. 投稿日:2005/10/04(火) 20:35:59 ID:hiGdWfBx
- >338
気にするな!と言いたいが萌え直しは嬉しいのでその方向で。
あ、でも誤字脱字があるのでやっぱナシで。
- 340 名前: ◆z1nMDKRu0s 投稿日:2005/10/04(火) 21:00:58 ID:vsclfB+J
- 第一部完乙&GJ!!
こんなにエロくても瑞穂と成幸が哀れすぎて抜けない(つД`)
これからどうなっていくか非常に楽しみです
- 341 名前: ◆z1nMDKRu0s 投稿日:2005/10/04(火) 21:13:46 ID:vsclfB+J
- リロードしてない内に司キテタ━━(゚∀゚)━━!!
服脱ぐ姿を恥ずかしがったりいやぁとか言いつつ感じてたり
トドメは一緒に寝たい
司タンはスレ住人を萌え殺す気か?
GJ!!
- 342 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2005/10/04(火) 22:15:56 ID:Z6hxEQ3S
- ナタリーさんもまた来ないかナ・・
- 343 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2005/10/04(火) 22:19:34 ID:IDGLDWG1
- せ、切ない……
瑞穂の男言葉なのにひたすら女の子な泣き方に萌えてしまう自分に
罪悪感を感じてしまいマツ。
エチは一段落だと思うけど
物語はこれからどんどん深くなっていくヨカン。
成幸の優しさが届くといいなぁ。
GJでしたっ!
- 344 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2005/10/04(火) 23:13:31 ID:IDGLDWG1
- ↑再投稿すまんorz
ブラウザで変なことしたらしい。
- 345 名前:姦理人 投稿日:2005/10/05(水) 00:05:22 ID:ldoSTsqg
- >>337
了解しました。
もしかして現状の
・司9
01 | 02 | 03
という区分ではなく、
・司9-1
・司9-2
・司9-3
という区分(あるいは・司9-1日目)の方が良かったですか?
現状のままで良ければ、レスは結構です。
- 346 名前:実験屋 投稿日:2005/10/05(水) 00:34:15 ID:yhVWPrkn
- 異常な状態継続のため投下します。
−−−−−−−−−−−−−−−−−
「開けるぞ。」
ついに鍵を開ける瞬間がやってきた。少なからぬ期待と
興奮が鍵を握る手を震わせる。
カチャリ・・・
金属同士が擦れ合う音が響き、有紀の股間から秘所を
封印していた貞操帯が取り払われる。
「おぉ!!」
俺は思わず声を荒げた。有紀の秘所は既に愛液を噴き出し、
ヒクヒクを刺激を求めていた。
「あぁ・・・恥かしいよぉ」
有紀は羞恥に顔を染める。
「三日間、ずっとこうだったのか?」
だとすれば有紀の苦しみは相当のものだ。
「少しだけ、でもこんなになっちゃうのは初めて。」
有紀は顔を俯かせながら答える。
- 347 名前:実験屋 投稿日:2005/10/05(水) 00:35:43 ID:yhVWPrkn
- 「じゃあ、お詫びの意味も込めてココをキレイにしてやるよ。」
俺は有紀の股間に顔をうずめる。
「ダメッ!!汚いし・・・臭いよ・・・」
三日間もの間外界から遮断されていた有紀のソコからは確かに
臭いがプンプンする。しかし・・・
「コレがいいのさ・・・それにしても」
有紀の股間を凝視する。
「キレイなアソコだ・・・舐め回したくなるぜ。」
言うと同時に有紀のソコを思い切り舐め回す。
「はぁぁぁん!!」
脳から全身に駆け抜ける衝撃が有紀を襲う。
「あぁ・・ダメ・・そんなに・・あぁん!!」
「ダメ?・・・じゃあやめようか?」
「やめないで!!・・・あっ・・はぅ・・うぅん!!」
有紀は徐々に快感に酔いしれ、自ら腰をくねらせ俺に秘所を
押し付けてきた。
「ここはどうかな?」
有紀のクリトリスを咥え強く吸い立てる。
「ひぃぃん!!・・・あっ・・あん!!」
「ワリィ。痛かったな。」
今度は優しく舌先で撫でるように吸い立て、舌の表面のザラつきで
快感を与える。
- 348 名前:実験屋 投稿日:2005/10/05(水) 00:37:00 ID:yhVWPrkn
- 「んぅ・・・やぁん・・」
有紀の声が落ち着きを取り戻し、悩ましげな色香を魅せ始める。
「き、きちゃう・・・きょ・・狂介・・・ボク・・イッちゃう!!」
有紀は腰を大きく突き上げのけぞった。
「はぁぁぁん、あぁぁぁぁん!!」
有紀は身体を震わせたかと思うと秘裂から飛沫をほとばしらせた。
「はぁ・・はぁ・・・」
三日ぶりの絶頂に有紀は身体を震わせ布団にうずくまった。
「大丈夫か?」
「ウン・・平気だよ・・・あっ!!」
有紀は何かに気付いた様に身体を起き上がらせた。
「オッ・・オイ・・」
「ゴメンね・・・狂介の顔・・汚しちゃった。」
有紀の愛液で濡れた俺の顔を有紀がペロペロと舐め取る。有紀の小さな舌が口元や
頬を通るたびにムズ痒い刺激が襲ってくる。一心不乱に舐めてくる有紀を見て
興奮した俺はそのまま有紀の唇に吸い付いた。
「ん!!・・・ふぅむ・・んぅ・・んっ」
有紀の舌が俺の舌に負けじと絡みつきお互いの唾液がクチャクチャと音を立てて
部屋の中に鳴り響いた。
「うっ・・ん・・・・はぅ・・ん!!」
有紀は必死になりながら俺の舌に絡み付いてくる。
「ぷぁ・・・はぁ・・・はぁ」
「きつかったろ?無理しなくてもいいんだぞ?」
「僕がしたいの・・・平気だよ。」
- 349 名前:実験屋 投稿日:2005/10/05(水) 00:38:09 ID:yhVWPrkn
- 有紀が見せたカワイイ笑顔が俺に強烈なパンチを撃ってくる。
「有紀は本当にカワイイな。」
有紀にキスしながらその身体を抱きしめる。
「もう・・・」
少し怒った顔を見せながらも有紀は嬉しそうに俺を抱き返す。
「狂介・・・しよ?」
「あぁ。」
有紀を横たえると俺は大きく反り上がった自分の肉棒を有紀の秘裂に
差し込んだ。
「あぁ・・・くっ・・・入ったぁ。」
有紀は苦悶の表情を浮かべるもすぐに笑顔を俺に向ける。
その表情に安心した俺はゆっくりと腰を動かす。
「うぁ・・うぅん・・狂介・・・もっと、もっとしてぇ!!」
有紀の声に呼応したかのように有紀の膣は俺の肉棒をしっかりと咥え込み
離すまいと絡み付いてくる。
「有紀、気持ちいいよ。」
「ぼ、僕も・・・あうっ!!」
腰の動きを早め別の角度からも突き上げる。有紀はそれを全身で受け止めるように
俺の背中に手をまわし力を込めた。
- 350 名前:実験屋 投稿日:2005/10/05(水) 00:39:33 ID:yhVWPrkn
- 「狂介、お願いきて・・・。」
「行くぜ。」
有紀の両足を抱え上げ奥底まで突き入れる。ギリギリまで差し込み
引き抜く、そんな激しい動きに有紀は悩乱したように身悶えた。
「いい!!・・・いいよ狂介・・・もっと来て!!」
俺を求めながら有紀は腰を振り乱し、しがみつく手に力をこめる。
「あぁぁ!!・・狂介・・狂介!!」
俺の名前を叫ぶ有紀に俺は刺激され限界が近づいてくる。
「有紀・・・俺もう・・・」
「きて・・・僕を狂介でいっぱいにして!!」
力を振り絞りラストスパートをかける。
「いくぞ・・・・有紀・・・有紀!!」
限界に達した俺は膨張したモノを有紀の中に突き入れ、
溜め込んだ全てを解き放った。
「あ・・・・あぁ・・・狂介・・・。」
俺の全てを受け止め有紀は脱力したように俺にもたれ掛かってきた。
「おっと!!」
有紀を受け止め抱きしめる。
「有紀!!大丈夫か!?」
「ウン。・・・・ねぇ狂介?」
「なんだ?」
「・・・・・・もっとしよ?」
俺はこぼれ出るニヤケ顔を抑え切れなかった。
- 351 名前:実験屋 投稿日:2005/10/05(水) 00:40:33 ID:yhVWPrkn
- 「まいったねぇ。」
俺の横で寝る有紀を見つめる。自分から求めてくる有紀の
可愛さ、愛おしさに俺はすっかり打ちのめされてしまった。
あの後、3回の絶頂を向かえ有紀も俺もさすがに限界だ。
おそらく有紀は動くことも叶わないだろう。
「こりゃ一緒にサボるかな?」
そう考えながら俺も有紀と一緒に眠りに落ちていった。
〜おまけ〜
狂介「ところで?」
升沢「なんだよ?」
狂介「おたく何で首輪なんか持ってたの?」
升沢「ギクッ・・・・それはその・・・」
狂介「着けてるの?それとも着けさせてるの?」
升沢「・・・・・着けてます。」
狂介「おぉーやるー!!初めてアンタを尊敬したぜ升沢サンよ。」
升沢「何言わせるんだ!!キャー!!いやー!!ハズカシー!!!!!!!!」
〜おしまい〜
- 352 名前:実験屋 投稿日:2005/10/05(水) 00:47:11 ID:yhVWPrkn
- 以上です。何気に予想されまくってた貞操帯・・・。
>>328
GJ!!です。徐々に芽生えてきた愛情にそそられますね。
>>339
先生と生徒、そして修学旅行と禁断づくしでGJ!!!
自分を萌え殺してくれる神々に合掌です。
- 353 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2005/10/05(水) 01:38:13 ID:V4HvFZwB
- 思わずいろいろ調べちまった>貞操帯
いやー勉強になるなーこのスレ。
プレイ用じゃなくずっとつけてるタイプのは
心身ともにかなりハードとみた。
有紀タン、なんて情の深いコなんだ…
- 354 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2005/10/05(水) 07:06:47 ID:WTQwK/MY
- (トイレに行くときどうしてたんだろう…)
(美少女はトイレになんか行かないんだろうか…)
- 355 名前: ◆z1nMDKRu0s 投稿日:2005/10/05(水) 07:21:29 ID:ZpbVXwbA
- >>354
そんなときはここをドゾ
ttp://www.alles.or.jp/~ice/index.htm
- 356 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2005/10/05(水) 07:57:07 ID:FUPyDPNE
- 升沢さんがさりげなくGJ
- 357 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2005/10/05(水) 09:00:19 ID:ntwKaY2u
- レオ様もさりげなくGJ
- 358 名前: ◆.Xo1qLEnC. 投稿日:2005/10/06(木) 02:09:30 ID:rPT1q06y
- …時間が開いてしまいましたが、以前投下した物の続きというか番外編、
保守代わりにいかせて頂きます。
ほんのチビッとだけ、リンカーンやら暴力だったりしますので、注意です。
ほんのチビッとだけど。
オカマさん嫌いなヒトも、スルー超推奨。
- 359 名前:R.M.G.ー蝸牛と狼ー ◆.Xo1qLEnC. 投稿日:2005/10/06(木) 02:12:24 ID:rPT1q06y
- 俺は、体が人より大きいだけで、昔っから何をやっても駄目だった。
どんな職に就いても、結局最後は追い出された。
流れ着いたのは、盗賊団『玄狼』。
見かけだけが認められ、入団出来たはいいけれど…。
満足に出来るのは力仕事だけ。気の弱さに付け込まれ、結局は
留守番ばかりの使い走り。
それでも、団長が代替りしたばかりの混乱が続く今、もう少しここに
居られるかもしれない…
* * *
森の中、誰も居ないアジトで一人薪を割る。
遠くから多くの馬の足音が聞こえ、団員の帰還を知る。
先頭を走るのは新しく着任したばかりの団長、先代の息子ウルフ。
中性的な美しい顔立ちに、盗賊らしい痩躯の長身。まだ16歳というのに
いつでも自身に満ち、凛とした少年。
あんなふうに生きられたら、と願って止まない。
彼は俺の前で馬を止め
「留守番ごくろう」
と、だけ告げどこかへ消えた。
後に続く団員達はそれぞれの戦利品を抱え、俺のそばを通り抜ける。
「へへ…スネイル、留守番ごくろうだったな。お裾分けは居るかい?」
何人かの団員は、そう言って抱えた女や酒をチラつかせて行く。
絶望に満ちた女達の目。
それがどうにも気に障り、酒だけを頂戴することにしている。
「はっ、童貞め」
そんな蔑みも聞き飽きた。
『スネイル』とは、ガタイは良いが意気地が無くトロくさい、
カタツムリのようだ、と付けられた俺のあだ名。
町での仕事は、この外見のせいで問題が起これば全て擦り付けられた。
しかし、ここも自分には合って無いようだ。
一人溜息し、薪を物置へと運ぶ。
と、どこからか人の声が聞こえた気がした。
団員達は、今頃は戦利品の品定めをしている筈。いったい誰がこんな所に…
声は物置小屋の中からのようだ。
悲鳴のような高い声と、数人の男の笑い声。
小屋の扉を開けると、そこには三人の古参と、裸の女。
女は両手を縛られ、その細い体は壁に吊されていた。
乱れた黒い短髮。
その顔は…
「団長!?」
見まごうことない、団長ウルフだった。
「…なんだ、新入りか?」
「お前も仲間に入れて欲しいのか」
ウルフを囲む男達が口々に言う。
「なっ…」
ウルフが、女!?
驚きのあまり、何も言えない。
「ん?お前もしかして、団長が女だって知らなかったのか」
「あー、確かそいつが入ったのは、ウルフ様が団長におなりあそばせて
からだ。じゃあ、知らねぇかもな」
下品な笑いが響く。
- 360 名前:R.M.G.ー蝸牛と狼ー ◆.Xo1qLEnC. 投稿日:2005/10/06(木) 02:14:59 ID:rPT1q06y
-
「……ろ…」
か細い女の声に、男達の笑いがピタリと止まった。
「失せろ!」
もう一度、無い力を振り絞るように叫び、茶色の瞳が俺を睨む。
「団長〜、そりゃあ冷たいんじゃないですかい?」
「あの男、あんだけ体がデカけりゃ、きっとモノも立派ですぜ。
団長のココも喜ぶでしょうよ」
「うあぁっ!」
言いながら、一人の男が、ウルフの秘裂に指を差し込むと、その
痩躯は苦しげにしなる。
俺は、そんな光景に目の前が暗くなるのを感じ、薪を置いて黙って
その場を去った。
あの、ウルフが…女…。しかし、なんであんな事…
* * *
夜。アジトは女の悲鳴と嬌声が飛びかい、男達の怒声や笑いが入り交じる。
こんな夜は、川辺に降りて、一人月を見る。アジトから離れたこの場所なら、
陰欝な声も届かない。
―パシャン…―
水音が聞こえる。
誰かいるのか…?
そっと覗き込むと、そこには女の白い裸体が、月明かりに浮かび
上がっていた。
ウルフだ。
ただボーッと流れの中にたたずんでいる。
立ち去らなければ。
急いで踵を返す…が。
―カサッ
「誰か居るのか?」
慌て過ぎたか木葉を揺らしてしまい、気付かれてしまった。
「すいません。すぐ、消えますから…」
「その声、スネイルか?昼間の新人だろう?」
あんな場面を見られた相手と解っているのに、その声は相も変わらず
凛々しく、以前よりも親しげで俺は戸惑った。
「今、服を着るから。こっちへ来いよ」
「は、はい!」
一体、どういうつもりなんだ…
「昼間は、みっともない所を見せたな…」
「い、いいえ!」
川辺で焚き火を囲む。
炎の向こうに、ウルフの自嘲気味の笑顔が見え隠れする。
「お前は、私を抱こうとは思わないのか?」
いきなりの直接的な質問に思考が止まる。
「な、なな、何をっ!」
「フフ、顔、真っ赤だよ」
からかわれたのか…。
その楽しげな笑顔は齢相応に可愛らしく、昼間見た光景は夢だったのかと、
疑うほどに無邪気だ。
「…からかわんで下さい。俺は…どうも好かんのです。嫌がるのを
無理矢理というのは…」
『玄狼』に入って、初めて見た凌辱の光景。その臭い、悲鳴、笑い
、全て辛いものでしか無かった。
- 361 名前:R.M.G.ー蝸牛と狼ー ◆.Xo1qLEnC. 投稿日:2005/10/06(木) 02:16:46 ID:rPT1q06y
- 「お前は、盗賊には向いてないのかもな」
「自分でもそう思います。でも、他に行く場所も…」
「他に場所があれば、誰もこんな所には来ないだろうからな…」
炎は寂しげな顔を照らし出す。
「団長…」
「付き合わせて悪かったな。私はもう、行く」
彼…いや、彼女は足早に去った。
何だったのだろうか。
* * *
それから数日。
ウルフに対する輪姦は、影で日常的に行なわれている事を知った。
しかし皆、知らないフリを通すか、古参の三人に混じり…
俺が話を聞いた団員は、ここに居たければ知らないフリをする事だ、
と忠告していった。
今日も、物置小屋の中から不穏な声がする…
しばらく迷うが、意を決し、扉に手をかける。
「お前も参加すんのか?それとも、止める?」
急に声をかけられ、驚きながら振り返る。
そこに居たのは、赤茶の髪をバンダナでまとめた二十歳前後の青年。
確か、トビーとか呼ばれていたか。
飄々として何を考えているか解らず、しかし荒事に関して強いのは確かで、
俺とは違う意味でいつも孤立している。
「………」
解らない。この扉を開け、自分は何をしようとしていたのか。
扉の向こうから、艶を含んだ悲鳴が聞こえる。
「ウルフは先代が病で急死した後、自分の意志で団長を引き継いだ。
荒くれどもを統率するため、長かった髪も切り、男の格好をしてまでな」
トビーが無表情に語る。
「しかし実際は、ああだ。さっさとこんなトコ、捨てれば良いものを。
男達にいいようにされ、団員も纏められず…それでも親父さんへの
義理と、自分への意地に縛られ、逃げられない。可哀相な奴さ」
「あんたは何もしないのか」
「面倒事は嫌いでね」
トビーは、そう言い放つと、スタスタといってしまう。
あの夜の、寂しげな顔が浮かぶ。
俺は…
俺は扉を開け、中に踏み込んだ。
この前と同じ顔触れ。
床には、男達の欲望に塗れ横たわるウルフ。
特徴的な臭いが、鼻をつく。胃が、焼け付くように熱い。
気が付けば、男の一人を殴り飛ばしていた。
「テメェ、新人のクセしやがって…!」
殴り返されるが痛みは無い。
向けられる男達の憎悪。恐いけど、許せない。
どこかネジが、飛んでしまったのかもしれない。
ただ、ひたすら目の前の男達を、殴り、蹴り、踏み付ける。
「スネイル!止めろ!」
ウルフの声で我に返る。
「スネイル…もう、いいから…」
目の前には、ボロボロになった男達。
- 362 名前:R.M.G.ー蝸牛と狼ー ◆.Xo1qLEnC. 投稿日:2005/10/06(木) 02:18:32 ID:rPT1q06y
-
奴らはゆっくり立ち上がり、唾を吐きながら出ていった。
「団長…」
「スネイル、ありがとう」
一糸まとわぬ体を起こし、微笑む姿は潔白で、そして妖艶で…
顔を背け、自分のシャツを差し出すのが精一杯だった。
* * *
その夜。
「おい!」
誰かに脇腹を蹴られ、目を覚ます。
ここは下端の雑魚寝部屋。今は俺しか使っていないというのに…
「おい、スネイル!起きろ!」
「…なんだ?」
ぼやけた頭のまま起き上がると、トビーが緊迫した面持ちで立っていた。
「いいか?お前はすぐ、ウルフを連れて逃げるんだ!」
「いったい、どうしたんだ」
こいつがこんな表情をしてるのは、初めて見る。
「昼間、お前が痛め付けた三人が居るだろ?」
「…見てたのか。」
「あいつらがこのアジトを、近くの警備隊に投げ文でチクりやがったんだよ」
その言葉に、目が一気に冴える。
「何故!」
「あいつらは、先代には長く世話になったクセに、『玄狼』を自分達の
好きにする事しか考えてねぇんだ。だから、ウルフが奴らに従ってる
うちはおとなしかった…」
しかし、俺が…
「俺が…邪魔、したから…」
血の気が引くのを感じた。
「今はそれより逃げろ。奴らは西から来る。東へ行け」
「あんたは…」
「あいつらに付いてた奴らは、とうに逃げ出した。残ってる奴らを
起こしたら、オレも逃げるさ」
そう言って、彼は走っていった。
俺も急がなければ…
アジト内が騒がしくなる。
団長の部屋に着いた時には、ウルフはすでに目を覚ましていた。
身仕度を整え、いつでも出撃する態勢だ。
「なんの騒ぎだ!?報告しろ!」
「それは…」
俺はトビーに聞かされた話を、そのまま伝える。
「そうか…。」
頷くその顔に、絶望は無かった。むしろ嬉しそうですらある。
そして、あっさりと言い放った。
「では、逃げるとするか」
* * *
「皆、聞いてくれ!」
仕事が残っている、と歩きだしたウルフに黙って着いていくと、
そこは宝物庫。
先に逃げ出した輩が、良い値の物は大抵持ち出した後だったが、
残された物を物色してる奴らが多数いた。
「『玄狼』は解散する!」
一瞬、我が耳を疑う。しかし、それは確かにウルフ自身から発せられた。
いつものように凛と、胸を張って放たれた言葉。
辺りがどよめく。
- 363 名前:R.M.G.ー蝸牛と狼ー ◆.Xo1qLEnC. 投稿日:2005/10/06(木) 02:21:18 ID:rPT1q06y
- 「皆、好きな物を持って、好きな所に行くと良い。ここに居ない者には、
出会ったら伝えておけ。以上」
その言に、呆然とする者、我先にと宝を漁る者、ウルフを引き止めようと
する者。様々だったが、ウルフは全て無視し踵を返した。
「スネイル。何をボーッとしている。私を逃がしてくれるのだろう?」
言われハッとし、慌てて後を追う。
アジトの前では、トビーが馬を連れて待っていた。
「遅かったなぁ。ほらよ」
俺は手綱を渡される。
「ああ、団を解散させてきた」
そのウルフの清々しい笑顔に、トビーはヒュウと口笛をならす。
「随分と思い切ったな」
「裏切ったあいつらのお陰だ。…それに、コイツがいるしな」
ウルフが、俺の腕を掴む。
「あ?え?」
どういう事か、理解できない…
「フン、見せ付けんなよ」
………?
「トビー、本当にありがとう」
「どーいたしましてってな。スネイル、お前を信頼して、ウルフを
預けるんだ。頼んだよ」
そう言い放ち、彼はアジトへ入って行く。
「おい、トビー!?」
「彼の事だ。宝にかまけて逃げ遅れる奴が出ないよう、ギリギリまで
残るつもりだろう。…最後まで世話を焼きすぎだ」
俺達はただ黙って、彼を見送った。
* * *
馬は一頭のみ。
二人乗りでは速さが出ないが、出来るかぎり早くここを離れなければ。
信頼してる、なんて言われたのは初めてだ。
トビーのその言葉が、俺を奮い立たせる。
早く、速く。
全速力で森を駆ける。
夜空が白く変わり始めた頃。川辺の道で止まり、人も馬も水を飲む。
「この辺まで来れば大丈夫だろ。この近くに洞窟があった筈だ。
そこで休もう」
口元の水を拭いながら、ウルフが言う。
「はい」
「…そんなかしこまるなよ。」
拗ねた子供のような、不満げな目で睨まれた。
「し、しかし…」
「オレはもう団長じゃない。ただのウルフ…」
そこで、視線はそらされ、彼女は遠くを見て考える。
「いや、この名も捨てるか。メイと呼べ。メイ・クーンだ」
ビシリと、指を向け断言される。
「は、はあ…」
盗賊は、名前から素性が割れないよう、偽名を使ってる奴が多い。
俺がスネイルと呼ばれるよう、ウルフは彼女の偽名だったのだろうが…
「親から戴いた立派な名前だ。使わねば勿体ないだろ?」
「はあ」
本名をこう、あっさりバラされると拍子抜けする。
なんか、はしゃいでるように見えるのは気のせいだろうか。
- 364 名前:R.M.G.ー蝸牛と狼ー ◆.Xo1qLEnC. 投稿日:2005/10/06(木) 02:25:09 ID:rPT1q06y
- 「敬語も止めてほしいんだけどな〜」
ぼやきながら歩きだしたウルフ…もとい、メイは浅瀬を探し、
対岸に渡り始める。
ワンテンポ遅れて着いて行くと、土手の茂みに隠れるように洞穴があった。
道から見えない木陰に馬を繋ぎ、積んであった荷物を下ろす。
馬には毛布とともに、少量だが非常食まで積んであった。
「トビーか。あいつは本当に甲斐甲斐しいな…」
メイは苦笑しながら、荷を抱えた。
* * *
夜明け後でも、まだ少し冷える。
洞窟の中は少しジメついてはいるが、むき出しの土壁は休むに丁度良い。
「あー、疲れたー」
「そうですね」
やたら呑気なメイに適当に相槌を打ながら、休む場所を検討してると、
今度はメイが俺にくっついてくる。
適当な場所に腰を下ろすと、寄り添うようにメイも座り込んできた。
なんとなく距離をとる。
しかし、メイもその分距離を詰めてくる。
疑問の意を含めてその顔を見ても、どうかしたか、と軽くいなされた。
ランプの淡い光が辺りを包む中、黙々と干肉をかじる。
俺とメイの接点は、盗賊団の頭と下端という以外何も無い。
まともに言葉を交わしたのは、入団した日と、あの夜の川辺だけ。
彼女が陵辱されてる場面に踏み込んでしまったという事実も
思い出してしまい、余計気まずくなる。
当の本人は、そんな事は毛程も気にして無いようだが。
「楽しそうですね」
「そうか?」
団長として振る舞っていた時と、大して態度は変わって居ないが、
こんなあからさまに楽しげな彼女は初めてだ。
「ええ、とても」
「そうか。…やっと、重荷から解放されたからかな。こんな気分は
久しぶりだ」
「重荷…だったのですか」
いつも毅然として、そんな素振りは、少なくとも俺の目からは
見られなかった。
メイは苦笑で答える。
「他人の物を強奪するどうしようもない職柄だけど、『玄狼』は
行き場のない奴が辿り着いた場所なんだって、父はよく言っていた」
「………」
そういえば川辺でも、そんなような話をした。
「だから、守ってやらなきゃって。…私は父の遺志を継きたかった。
でも、私は頭として認めてはもらえなかった…」
メイの顔が悔しさに歪む。
食い縛られた歯の奥から、さらに言葉は紡がれる。
「父が生きていた頃はね、無差別に村を襲ったり、女をさらって
きたりなんかしなかったんだよ」
どこか遠くをみつめる瞳の奥に後悔、そして怒りの火が見えた。
しかし、それも悲しみの波に打ち消される。
「父亡き後…。私を好きに操るため、奴らはあんな事をした。
やがて、他の団員らも奴らに従うのが万全と、見て見ぬふりだ」
『奴ら』がメイを陵辱していた三人だと理解するまで、時間が少し掛かった。
「私があいつらを跳ね退けていれば、他の団員達に不安を与える事も無く、
『玄狼』の迷走は防げたのかもしれない。でも、それでも三人の暴走は
止められない。この状況がそれを物語っている」
目は伏せられ、表情は読めない。
- 365 名前:R.M.G.ー蝸牛と狼ー ◆.Xo1qLEnC. 投稿日:2005/10/06(木) 02:26:55 ID:rPT1q06y
- 急に自責の念に駆られる。
「申し訳ありません。俺が余計な事を…」
そう告げるのが精一杯だった。
「いいんだよ」
優しい声音が耳を包む。
「どうせ、そんな状況じゃ長続きしなかったんだ。…スネイルには
感謝している。奴らがしていた事は保身ではなく、ただ欲望に負け、
暴走していただけ。私がそれに気付くのが遅すぎたんだ…」
メイは優しく、悲しく笑う。
違う…!そうなのかもしれないけど、違う!
なんで、必死に盗賊団を守ろうとした、この人がこんなに苦しまなければ
ならないんだ…。
何故…
「彼らは自分で道を切り開くために、出ていった。一番臆病だった彼らに
それが出来たんだ。他の奴らも、きっと自分達の場所を探しにいけるさ」
そっと視線をメイに戻すと、彼女は明るい笑顔を向けてくれていた。
メイも…そして、俺も新しい場所を探さなければならない。
村を2つも抜ければ、逃げきれるだろうか。
そうすれば、この初めての大任も終わる。
俺は…これからどうしよう。
「ねえ、スネイル。あんたはこれからどうするんだい?」
心を読まれたようで、ドキリとする。
「何も…考えていません…」
こんな事ではメイに、余計な自責を負わせてしまうのではないだろうか。
「しばらくは旅でもしますよ」
なんとか、適当な進路を絞りだす。すると、
「ね、一緒に…着いて行っていいかな…」
「はっ、はいぃ!?」
びっくりした。声が上ずる。
「あたし…ずっと盗賊達の中で育ってきたから…。一人で外の世界に出るの、
不安なんだ。だから一緒に行っちゃ、駄目か?」
真直ぐな視線に貫かれ、混乱する。
「しっ、しかし、そんな大任、俺には…」
自分すらどうする事も出来ないのに…
しかし、メイの口からとんでもない言葉が飛び出る。
「じゃあ、抱いて」
その言葉を理解した瞬間、俺はその場を3mは飛び退いていた。
「なっ…何をっ!だ、ダメよ、なに言ってるのアナタ…」
…っ!しまった!
これが、俺の本性…。
いつだって、コレがバレると蔑まれ、嫌われた。
自分でだって、気持ち悪いのは解ってる。
だから、必死に隠し通してきたというのに…
恐る恐る、メイに視線を合わせると、ポカンと口を空けこちらを
みつめている。
「スネイル…?」
「あ、あの、ごめんなさ…いえ、すみません。あまりに驚いたもので…。
これが、アタ…俺の、本性…です」
動揺が尾を引き、女言葉を消しきれない。
でも、話すしかない。
深呼吸して、心臓を鎮めていると、メイが戸惑ったように尋ねてくる。
「女より、男が好きなのか?」
「違います!…男でいたくなかったんです。乱暴で粗野で汚い…」
俺は男が嫌いで、女に生まれたかったとずっと思ってた。
- 366 名前:R.M.G.ー蝸牛と狼ー ◆.Xo1qLEnC. 投稿日:2005/10/06(木) 02:29:28 ID:rPT1q06y
- 俗にいう『男らしく』生きれる自信も無かった。
「じゃあ、女が嫌いな訳じゃないんだな?」
メイが詰め寄ってくる。
勿論女は嫌いじゃない。
実際、メイが女と知ってから、その裸体がチラつき眠れない夜もあった。
近寄ってみつめられると、後ろめたさが込み上げてくる。
「え、ええ、まあ…」
しどろもどろのまま、答えると、メイの顔にホッとしたような笑みが浮かび、
じゃあ、と言って俺のベルトを外しにかかる。
「ちょっ…ちょっと待ちなさいヨっ!い、いったいどうしちゃった
のよぉっ!!」
心底慌てて制止すると、メイは少し離れて座り込む。
「あたしみたいな、汚れた女は嫌か…?」
叱られた子供のようにうなだれる彼女の身体が、いつもより小さく感じられる。
「そんな事ありません!」
力一杯否定すると、悲しみの陰を残したまま、メイは笑う。
「あたしだって女だ。初めては、好きな人としたかった…」
小さな声で、でもハッキリとメイは呟く。
「自分で納得して、この身を投げ出した。けれど、辛くなかった訳じゃない。
一度くらい、好きな人に抱かれたいじゃないか…」
「団長…?」
「トビーも、助けてくれようとしたんだ。…私はそれを拒んでしまった。
でも、本当はあの状況を無理にでも打ち壊してほしいって、頭の
どこかで考えてた。」
トビーが…。彼は、あの掴み所の無い言動の裏で、最も『玄狼』の
行く末を愁いていたのかもしれない。
「…だから、あんただって思った。あたしが待ってたのは、あんた
なんだって…」
溢れそうに涙を溜めた瞳が俺を見る。
「俺で、いいんですか…?俺は…トロくさいし、意気地も無くて、
オカマで…」
「好きだよ、スネイル」
―…意気地無しでは、なかったじゃないか…―
細い腕が首に巻き付き、耳元で囁きが聞こえる。
「メイ…」
自然と名前が呼べた。
「やっと名前、呼んでくれたね」
その身体を抱き締めると、嬉しそうな声と共に抱き締める返される。
「メイ」
もう一度名を呼び、みつめあい、口付けを交わす。
優しい感触に触れ、初めて男に生まれて良かったと思えた。
敷いた毛布の上に、裸の身体を重ねる。
何度も口付けを交わし、全身を弄った。
メイの手は俺の頬を挟み、耳から首筋、肩を撫でまわす。
彼女の心の傷は、振舞とは裏腹にかなり深いのだろう。
片手を小降りの胸に這わすと、大きく震え身体が固まった。
「恐いか?」
「大丈夫…。続けて」
そう言いながらも、顔は少し青ざめて見える。
しかし、ここで止めるのもメイは納得しなそうだ。ならばせめて、
優しくしてやりたい。
額に口付け、壊れ物を扱う気分でそっと手を動かしていく。
「ん…あ…あぁ…」
じっと目を閉じ、全てを俺に委ねるように、メイの力が抜けていく。
吐息が漏れだすのを確認し、手の動きを徐々に大きくしていく。
- 367 名前:R.M.G.ー蝸牛と狼ー ◆.Xo1qLEnC. 投稿日:2005/10/06(木) 02:31:16 ID:rPT1q06y
-
メイの身体には幾つもの痣と傷痕が見られた。
それが戦果に拠るものか、男達に拠るものなのか、俺は知らない。
細い身体にはあまりに痛々しいそれを、一つ一つ舐めていく。
時折、隆起した乳首を摘むと背がしなり、高い嬌声があがる。
煽情的にくねる身体に手を滑らせ、秘部に触れると、既に熱く
濡れそぼったそこからは水音が響く。
反射的に強ばる脚をさすり、力を抜かせる。
片膝を立たせ、腿の外側から内側へ手を移動させていく。
鍛えられた脚も手触りは滑らかに、内腿は女らしい柔らかさで俺を迎えた。
人差し指を秘裂に侵入させる。
「はぁっ…あっ、んっ」
メイはじっと目を閉じ、与えられる感覚に素直に、反応を返す。
「はっ…ス、ネイル…も…来て…」
「メイ…」
両手が差し出され、上気した瞳に情欲を掻き立てられる。
頷き、ゆっくりと己を誘惑の園へと、埋没させていく。
「ふっ…ああぁ…あ」
響く歓喜の声。
奥へと誘う肉の動きに、理性がブッ飛びそうになる。
でも、優しくしてやりたい。
「スネイル…ほんとに、大きいんだねぇ…」
メイが感心したように、どこかで聞いたような台詞を呟く。
「今は何も考えるな」
「んぁっ!…あっ、あぁっ…」
一言だけ告げ、抽送を始める。
照れ隠しもあるが、過去に下種共が吐いた言葉が思い出されたからだ。
全て忘れさせたい。嫌な記憶など、塵と消えてしまえばいい。
「あっ、あんっ、あぁ、んっ」
細い背が何度も浮き上がり、沈む。
その足が腰に絡み付いてくる。
メイの上半身を片手で抱え、そのまま起き上がる。
「きゃあっ…んっ…はあっ」
重力のままに結合は深くなり、そこをさらに下から突き上げる。
「スネイル…ぅ」
メイが腕を伸ばし、縋るように口付けてくる。
そのままきつく抱き合い、角度を変えながら、舌を絡め、互いを貪る。
体中が熱い。
上も下も深く繋がりあい、互いの身体の境界も判らなくなる。
「ふ…んあっ、スネイ…も…あ、はあぁぁぁっっっ…」
メイの身体がビクビクと震え、折れそうな程に背が反る。
締め付けが今まで以上に強まり、欲望の解放を促す。
再びメイを横たえ、急いで己を引き抜いた。
外に白濁を吐き出せたのは、本当にギリギリだった。
洞窟内には、荒い息の音だけが響く。
「中で出して良かったのに」
彼女の横に身を投げ出すと、ぴったり寄り添いながらメイが言った。
- 368 名前:R.M.G.ー蝸牛と狼ー ◆.Xo1qLEnC. 投稿日:2005/10/06(木) 02:32:52 ID:rPT1q06y
- 「そ、そんな事ッ!ダメに決まってるじゃない!」
ああ、まただ…。
まったく、この女は…
「ふふ…あんたのオカマ言葉、焦ると出てくるって事は、そっちが
本性なんじゃないの?」
「うっ…ま、まあ、それは…。でも、男は好きじゃない…」
「うん。解ってる。ねえ、あたしはもう男の振舞はしない。だって、
自由になったんだから。だからさ、アンタも無理しないで自由に、
二人で生きてみない?」
唖然とした。
俺の本性を知って退かないどころか、こんな事言う人間はいなかった。
どうやら俺には、この女以外ないようだ。
「そう…だな」
「うん、そうしようよ!」
ガバッと起き上がり、目を輝かせて俺の顔を覗き込む。
その頬に触れながら、確認する。
「本当に、俺でいいのか?」
「あたしもあんたも、器用な質じゃない。でも、二人なら大丈夫だよ」
メイは笑顔のまま、子供のようにコロンと隣に戻ってくる。
「敬語、消えたね。嬉しい…」
そういえばそうだ。
もう傍らに寄り添うのは、ただの女としか思えない。
自由…か。
何も道標が無いのは不安でもあるが、そう悪いものでも無いのかもしれない。
新たな旅立ちへ向け、俺達は瞳を閉じた。
- 369 名前:R.M.G.ー蝸牛と狼ー ◆.Xo1qLEnC. 投稿日:2005/10/06(木) 02:34:41 ID:rPT1q06y
- ―数十年後・とある酔っ払いの見る風景―
「りでぃ〜…」
自然とその名が口に出る。…酔いが回ってきたっぽい。
「ったく、情けないね。会いたけりゃ、さっさと会いに行けば
いいじゃないか」
メイさんが怒ってる…。
でもよー。
「あんな事した後じゃー、迷惑かもしれんし…」
「あんな事…?もしかして、アンタしっかり手ぇ出してたの!?」
しまった。
どうも、俺は酔うと口が軽くなるらしい。
「へぇ〜、あのホークが。成長したのねぇ〜」
妙な所に感心しないでくれ。あれは不可抗力だ。絶対。
「なんだ、お前。リディ襲っちまったのか?ペルジオに祟られるぞー」
急に親父が背後から現われる。…普段居ないクセになんでこーゆー時だけ…
厄介な人間の襲来に、俺はカウンターに沈む。
「…ほっとけよ。どーせ、そのうち忘れられちまうんだよ、俺は…」
あー、酒が回る。
「何言ってんだい!」
メイさんの喝で、遠退きかけた意識が戻る。
「あの子、初めてだったんだろ?女にとっちゃ、初めてってのは
一生の思い出なんだから」
「そなの?」
あ、なんか、メイさん以外からも冷たい視線感じる。なんで?
「本当にアンタって子は…。ま、アンタの事だから、酷いようには
してないんだろ?」
「…たぶん」
メイさんが溜息をつく。
「…初めてが、思い出したくも無いような経験だったら…その後、
いい思い出で塗り潰して行くしか、ないけどさ…」
悲しそうな顔。
しかしそれも一瞬。すぐにいつもの笑顔で、肩をバンバン叩いてくる。
「アンタが相手だったなら、きっと大丈夫だって!」
う…気持ち悪…
ママはさっきから、ずっと黙って皿を拭いている。
親父もただ煙草に火をつけ、遠くを見てる。
「今日はもう帰る」
このままじゃ、おもちゃにされるだけだ。逃げよう。
覚束ない足取りで馬を引き、通りを行く。
親父とママとメイさん。この三人は、古くからの付き合いらしいが、
今にいたる経緯は全く知らない。
さっきの、メイさんの悲しそうな顔の理由も、親父達は知ってるのだろうか。
まあ、今が幸せそうだから、それで良いのだろう。
あの仲良し夫婦を見てると、独り身が淋しくなるわ。
…何故、メイさんがママみたいなオカマと夫婦なのかは、激しく謎だが。
冷たい夜風に、体が震える。
酔いが醒めてきたので馬に乗り、家路を急いだ。
星空を見上げ、一人の少女の事を考えながら…
- 370 名前: ◆.Xo1qLEnC. 投稿日:2005/10/06(木) 02:35:46 ID:rPT1q06y
- 以上です。
御粗末さまでしたー。
- 371 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2005/10/06(木) 02:56:33 ID:07d8Yg7F
- はげしくGJ!
オカマと男装少女…いままでにない絡みでしたが美味しくいただきました!
自分らしく生きる二人に幸アレ。
- 372 名前: ◆z1nMDKRu0s 投稿日:2005/10/06(木) 08:05:52 ID:Pl33RNo4
- うおっ!?
R・M・Gの新作が来てる……
ホークの親父たちの過去ゴチになりました!!
そして最後の「りでぃ〜」に笑かせてもらいました
GJ!!
- 373 名前:実験屋 投稿日:2005/10/07(金) 00:06:25 ID:vBskRYOI
- どうもです。
以前に少しだけ触れたファンタジー物(モドキ)を
投下します。
- 374 名前:魔王の恋 投稿日:2005/10/07(金) 00:07:45 ID:vBskRYOI
- 勇者なんて所詮、その場限りのヒーローで平和な世の中には
不必要な存在だと思う。
『魔王の恋』
「はぁ〜。何でこんな事になるんだか・・・。」
俺はジェイド。何でも勇者らしい。らしいってのは俺の先祖が
昔、魔王をやっつけた勇者だったからだ。
ある日、お城の賢者が魔王が復活したと騒ぎ立てて「勇者の出番だ」と
騒ぎ立てた。当然俺は先祖が勇者なんて知らなかったんだけど、子孫ということで
「世界の運命は御主に掛かってる」と王様が魔王討伐を依頼してきた。
いい迷惑だ。
言っちゃあ何だが先祖が大層な事したからって俺もそうだという確証は無い。
一応、剣に自信はある。魔法も使えると便利程度には嗜んでいる。問題は
俺自身にやる気が無い、と言う事だ。
よくよく考えてみろ。魔王って言ったら魔の王様な訳だ。復活したって言うなら
国をあげて討伐するのがスジじゃない?それをたった一個人に押し付けるなんて・・・
本気で世界の平和なんて考えちゃいないな。むしろ、魔王に征服された方が平和かもね。
- 375 名前:魔王の恋 投稿日:2005/10/07(金) 00:08:46 ID:vBskRYOI
- 多額の報酬を約束してくれたので、とりあえず首を縦に振った。ちゅーか
振らざるを得なかった。屈強の兵士に囲まれてお願いと言われても世間じゃそれを”脅迫”と
言うことを王様は知らないみたいだ。
・・・魔王に寝返ろうかな?
むしろその方が俺は平和だと思う。あっ!!でも一度倒されてるからなぁ〜。
『いつぞやの礼をしてやる!!』と攻撃されるかも。
行くも戻るも地獄だな・・・ハァ。
・・・と、グチりながら出発したのが二日前、なんともう魔王が居るという城まで
到着した。
オイオイ、幾多の試練や障害はどうした?頼りになる旅の仲間や謎のライバル
との出会いも無かったじゃないの!!
ホントに魔王は復活したのか?もしや賢者のジジィの痴呆の始まりじゃないのか?
「まぁ、行って確かめるまでだな。」
復活がデマなら倒した事にして勇者として賞賛を受け、報酬をガッポリ・・・いいんじゃない!!
俺は意気揚々と城の中に入って行った。
「以外にキレイだな。」
数百年前から誰も近づかなかった割に魔王の城は傷みや老朽化の後が見られなかった。
「誰か手入れをしてるみたいな・・・。」
通路にはホコリも積もっていないし、蜘蛛の巣も貼っていない。明らかに掃除されている
赤絨毯やロウソクが交換されている照明、魔王かは分らないが誰かがいるのは明らかだった
- 376 名前:魔王の恋 投稿日:2005/10/07(金) 00:10:04 ID:7Bejz46i
- 「魔王が掃除・・・イメージできねぇ。」
魔王の城に住む物好きな人間はいないだろう。って事はココに住んでるのは
当の魔王、もしくはその眷属だろう。俺には理解できない不思議パワーかご都合主義パワーで
城を維持してるのだろう。いい事だ。
「問題は俺だよな〜」
少なくとも人外の存在がこの先には待ち構えているだろう。そこにノコノコ向かっている俺、
危険以外の何者でもない。なのに恐怖を感じないのは何でだろう。
自分の腕にそんなに自信があるからか?
もう命を諦めているからか?
もしかしたら先祖譲りのご加護があるのかもしれない。クサい台詞だけど
勇気とか愛が守ってくれているのを感じた。
ガラじゃないけどね。
- 377 名前:魔王の恋 投稿日:2005/10/07(金) 00:11:19 ID:7Bejz46i
- 城の一番奥までやってきた。途中モンスターの一匹も出てこないことを不思議に思ったが
この際、無視だ。
「とりあえず、挨拶してダメだったら死ぬ気で逃げよう。」
意を決し、俺は扉を開いた。
「おはこんばんちわぁ!!!!!」
入るなりアラレちゃん流のご挨拶をかました。インパクトは大だ。
「わぁぁ!!」
聞こえた第一声は何とも可愛いものだった。
「・・・・ん?」
部屋を見渡せば奥に玉座がある、部屋一面は赤い絨毯で覆われている。
おそらくは玉座の間か謁見の間と言った所だろうか?
玉座には誰も座っていなかった。
「あの・・・どちらさまでしょうか?」
部屋には一人、少年が腰を抜かして玉座の前に倒れてた。
「俺か?俺はジェイド。魔王さんに用があって来たんだけど?」
「はぁ。どのようなご用件で?」
「俺勇者なんだわ。魔王が復活したって言うんで様子を見に、場合によっちゃ倒しに。」
「えっ!!・・・あの・・・その・・・」
少年は口ごもる。
「で?魔王さんは?やるかやらないかハッキリと・・・」
「・・・しです。」
「うん?何だって?」
「だから、私が魔王なんです。」
「なななななな、なにぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!!!!!!」
秋風が寒くなった今日この頃、私は魔王に会いました。
- 378 名前:魔王の恋 投稿日:2005/10/07(金) 00:12:20 ID:7Bejz46i
- 応接室らしき部屋に通された。
「どうぞ。」
魔王がお茶を差し出した。
「どうぞお構いなく。」
魔王にお茶を勧められる勇者。・・・・なんか変な気分。
「で勇者様は・・・」
「ジェイドでいいよ。」
「はい。ジェイドさんは・・・その・・・私を倒しに?」
「あっ・・・いや・・場合によってはね・・・」
まるでこっちが悪者になったみたいだ。
「俺の言い分は昔、俺の先祖が倒した魔王が復活したので子孫の俺が
また魔王を倒せって言われて来たってトコかな。」
「はぁ・・・。」
「なんか俺、おかしい事言ってる。」
「いえ。そうじゃないです。ただ・・・」
「ただ?」
「ジェイドさんのご先祖様が倒したって言う魔王、私の父になるんですが・・」
「え?そうなの?」
「はい。ちょうどその時代・・・」
魔王は人間の世界には伝わっていない歴史を語った。
- 379 名前:魔王の恋 投稿日:2005/10/07(金) 00:13:49 ID:7Bejz46i
- 「私の父がまだ魔王として現役の頃でした。当時から人間界は魔族にとって
征服するとか、侵略するとか言ったものはありませんでした。無論今も・・・」
「ちょっと待て!!じゃあなんでオマエさんの親父さんとウチのご先祖は
戦ったのだ?」
「はい。こういう言い方はしたくないんですが、魔族だなんだで騒ぎ立てて
戦いを仕掛けてきたのは人間の方なんです。」
「なぬ?」
「本来魔族には魔界があります。何も異界に進出する必要は無いんです。」
「ごもっとも。」
「人間の神話や昔話で言われているほど魔族は悪い者たちではありません。
魔界に住む民だから魔族。それだけなんです。」
「その通りだ。じゃあなんで親父さんはココに城を。」
「魔界といっても一枚岩ではありません。私達は魔界からの移民の様なもの
なんです。」
「あぁ・・・なるほどね。」
「ですがこの世界のものにとって私たち魔族は異形の存在でしかありません。
そしてついに魔族を恐れた人間たちが武器を取り、襲い掛かってきたのです。」
俺はその話の内容に衝撃を受けるだけだった。つまり、魔族=悪と決め付けた人間
の方から戦いを仕掛けたのだ。
- 380 名前:魔王の恋 投稿日:2005/10/07(金) 00:15:09 ID:7Bejz46i
- 「私たちに戦う気はありませんでした。魔法であさっての方向を爆発させたり
炎を出して城の近くから追い払ったり、できるだけ危害を加えないよう徹底しました。
そしてある日、ジェイドさんのご先祖様が来られたのです。」
話は核心に迫る。
「ご先祖様は魔族が侵略目的で人間界に来たのではないとわかっていらっしゃいました。
ですが人間達もこのまま引き下がれないので・・・」
『倒された。と言う事にしてはくれないか?』
『いいだろう。』
『すまない。アナタ方の名誉を汚すような真似を。』
『気にするな。下手に争いを大きくするよりマシさ。』
『・・・ありがとう。』
「こうして、父は自分が倒されたことにして、魔族もひっそりではありますが
人間界で行動できるようになりました。」
「・・・すまない。」
俺は土下座した。こんな事をして許されることではない事は百も承知だ。
しかし、人間の価値観から魔族の尊厳を汚す行為を人間は行ってしまったのだ。
- 381 名前:魔王の恋 投稿日:2005/10/07(金) 00:16:51 ID:7Bejz46i
- 「いいんです。気にしないでください。」
魔王は笑顔を浮かべる。
「だが・・・」
「もし魔族が人間のような立場でも同じことが起こっていたかもしれません。
・・・それに私は人間が好きですから。」
魔族は残虐で恐ろしい連中と人は思うかもしれない、だが、人間の方が
本当は恐ろしい化け物なのでは、俺はそう思った。
「ところで親父さんは?ぜひ直接誤りたい。」
勇者の子孫として先代に謝罪しなければ・・・ガラじゃないが人間としての
義務が俺を今動かしている。
「・・・父は百年前になくなりました。」
「えっ!?」
「もう1500歳でしたから。長生きした方です。」
「そうだったのか。」
「城とは言いますがここはむしろ集会所みたいなところで
人間界に住む魔族は独自に村を作ったり、人間社会に
紛れ込んで生活しています。今では私が魔王として
そんなみんなの力になれるように頑張っているんです。」
目から鱗だ。俺に全てを押し付けて祈るだけの人間の王様に魔王の爪の垢を
煎じて飲ませてやりたい。
- 382 名前:魔王の恋 投稿日:2005/10/07(金) 00:17:58 ID:7Bejz46i
- 「偉いんだな。」
「そんな・・・。」
魔王は顔を赤くして俯いた。
(・・・おかしな気持ちだ。)
魔王の仕種に何故か俺の心が高鳴った。・・・・なぜだ?
「どうしました?」
「イヤ・・べつに・・・そうだ!!もうひとつ聞きたいんだが。」
「なんでしょう?」
「城の賢者が復活を預言したんだが・・・」
「それは多分、私の魔力が高まっているからだと思います。」
「どういうことだ?」
「1ヶ月後に私は成人を迎えます。成人になれば力も今の倍以上になります。
ここ2〜3日で急に魔力が上がりました。賢者の方はそれを感じられたのでは?」
「そういうことね。ボケじゃなかったのか。」
まぁ魔王が復活したわけではなかったのでもうろくはしてるけどな。
- 383 名前:魔王の恋 投稿日:2005/10/07(金) 00:19:31 ID:7Bejz46i
- 「じゃあ、俺はお暇させていただく。・・・迷惑かけたな。」
俺は席を立った。
「もうお帰りになるんですか?」
「あぁ。一応、バカ国王に報告な。安心してくれ、お前さん方を
危険に晒すようなことは言わないさ。」
「ありがとうございます。」
「じゃあな。」
そう言って俺は扉へと向かった。
「あの!!」
呼び止められて振り返る。魔王は悲しげな表情で俺を見ていた。
「どうした?」
「あの・・・この城・・・普段から私しかいなくて・・・・また来てくれませんか?」
「・・・・いいのか?」
「ハイ!!」
魔王はそう言って俺に満面の笑顔を見せた。
その後、国に凱旋した俺は国王に報告した。
”魔王の城には邪気が溜まっていて清めてきた”と。
約束の報酬を俺は手に入れた。他に何かあるかと思ったが、特になし。
用が済めばハイさよならってことだな。真実を知った今、そんな国王にヘドが
出そうになったがヘタに問題にするのもどうかと思ったので捨て置いた。
その後、俺は約束どおり、魔王の所に何度か行っている。
そして魔王が成人を迎える日、俺は衝撃の事実を知ることになった。
- 384 名前:実験屋 投稿日:2005/10/07(金) 00:22:35 ID:7Bejz46i
- とりあえずここまでです。あんましファンタジーになってませんね。
もうお分かりとは思いますが魔王は・・・・・です!!
ではどうぞご賞味ください。
- 385 名前: ◆DNhFr3L39M 投稿日:2005/10/07(金) 01:03:08 ID:wkQOOMic
- コンスタントに萌えSSが投下されるこのスレ凄すぎw
ハァハァしすぎて感想書いてる暇が無いくらいだよ。
つーわけで、神の皆様GJ!!
- 386 名前: ◆z1nMDKRu0s 投稿日:2005/10/07(金) 01:22:59 ID:WidleMXE
- 実験屋氏よ
またあんたは身悶えさせるようなSS書きおって……
さて、どんな笑いとエロが待ち受けているのやら
ちなみに魔物という単語はキリスト教の布教のために土着の神を悪魔扱いしたことが始めだとか
- 387 名前: ◆aPPPu8oul. 投稿日:2005/10/07(金) 01:32:11 ID:GVfXXLGz
- すっかり投下のタイミング逃しちまった…
魔王のビジュアルが勝手に生成されてるよ!
実験屋氏の書く男装少女は穏やかでいい子だなぁ
- 388 名前:名無しのアヒル 投稿日:2005/10/07(金) 02:18:03 ID:E6ce5N4b
- 職人さんが集結してなんか豪華ですね。
>>z1nMDKRu0s さん
真とユウの色気はなくとも微笑ましい会話がいいです。・・・と思ったらユウの爆弾発言、どうする、真!?
>>実験屋さん
貞操帯もファンタジーの新作の乙です!鍵の正体は大人のオモチャ絡みだとは思ったけど貞操帯だとは思いませんでした
(また騙されてる)。升沢の最後の台詞最高です。登場当初の悪党の面影皆無ですね。ところで藤澤の旦那と升沢って
なぜ知り合いなんでしょうか?魔王は成人して今までとは別の・・・な姿に変身!!な展開と予想してみます。
>>aPPPu8oul.さん
学生の夢、修学旅行GJです!!男装の司の場合エロ展開は二重にすごいですね。 ガチャピンvsムックが何気に笑えました。
>>.Xo1qLEnCさん
過去話乙です!!あのママにこんな過去が・・。おかまなのに妻がいる謎判明ですね。
ホークとリディの話も見てみたいですね。
- 389 名前:遠井家の人々 投稿日:2005/10/07(金) 02:26:39 ID:E6ce5N4b
- 【便乗して投下させてもらいます。こっちは陵辱じゃないのでちゃんと抜けるといいですが
果たして抜けるだけの文章が書けてるのか。】
春希は布団に押し倒した絢の上に乗るとそのやや小振りな乳房を揉み始めた。
「ひゃん!は、はーちゃん・・・。」
乳房を揉まれ声を上げる絢。大きくはないが形がよく、ちょうどいい柔らかさの乳房の気持ちよさに
夢中になった様に愛撫する春希の手だが絢が痛がらない為に優しい力加減で揉んでいる。慣れた手つきだ。
「絢の胸、気持ちいいです・・。」
そう言いながら片方の乳房に顔を近づけ小さな桃色の乳首を舐め始めた。
「ひやん!あ!は、はーちゃん・・・。んんっ!!」
感度がいい乳首を舐められ絢が嬌声を上げる。
「気持ちいいですか、絢?」
舐めながらも顔を上げ絢の目を見ながら問いかける。その顔は普段通りの女顔なのに男らしい雰囲気が醸し出されていた。
「んんっ!!き、気持ちいいよ、はーちゃんの舌・・。ひゃう!!あん・・・。もっと・・舐めて・・。」
嬌声を上げながら春希の問いに答える絢。快楽に目が潤んでいるその顔は春希とは対照的に女の顔をしている。
普段は男装の姫と女顔な少年従者で外見と性別が釣り合わない二人だが、
今の二人は本当の性の悦びを味わう男と女であった。
絢の言葉に合わせる様に春希の舌の動きは激しさを増す。
「ああん!!すごいよ、はーちゃん!!気持ちいい!!気持ちいいよ!!」
春希の激しい舌遣いに絢の声も大きくなる。
「そんなにいいんですか?ならこっちも・・。」
そう言って空いていたもう片方の乳首に指を這わせ撫で始める。
「ああん!!気持ちいい・・。気持ちいいよ・・。はーちゃん・・・、はーちゃん・・・・。」
快楽を心底悦び、嬌声を上げながらも春希のことを呼ぶ絢。
「あや・・・・。あや・・・・・・。」
絢が自分を呼ぶ声に答える様に乳首と乳房の愛撫を続けながらも絢のことを呼ぶ春希。
「絢・・・。胸・・少し大きくなったのでは?」
「えっ?そ、そうかな。嬉しい様な・・。さらしきつくなるから大変な様な・・。はーちゃんは・・大きい方がいいの?」
「どちらでも構いませんよ。大きくても小さくても絢の胸が好きですから・・。」
「もう!口達者なんだから!上手いことごまかしちゃって。」
「いやですか?今の解答。」
「うーうん。嬉しいよ。はーちゃんの口達者な誉め方。」
絢はからかう様に明るく言った。
「ふふ、素直じゃないですね。そんな絢にはこうですね。」
春希は絢の乳首を舐める舌遣いを激しくし、もう片方の乳首を指で痛くない程度に摘み、指を動かす。
「ひゃあん!!あっ!!あん!!」
急に激しさを増した乳首への愛撫に思わず大声を上げる絢。
「どうですか、絢。」
その声を聞き、からかう様に春希が聞いてきた。
「はーちゃんの・・意地悪ぅ・・。ひゃう!!」
「意地悪ってことは・・、やめてほしいんですか?」
「ううん!続けて!もっともっとボクのこと気持ちよくして!お願い・・。」
潤んだ目で哀願する絢。
「ようやく素直になりましたね。可愛いですよ、絢・・。」
「あん!!あん!!はーちゃぁん!!」
依然勢いの治まらない春希の愛撫に絢は一際大きな嬌声を上げる。
- 390 名前:遠井家の人々 投稿日:2005/10/07(金) 02:30:14 ID:E6ce5N4b
- 夏希は夕顔のさらしを掴んだがそこで手が止まる。
「あ・・・。ど、どうしたんですか・・・?」
夕顔は顔を赤らめながらも困惑した様子の夏希に問いかけた。
「どう外せばいいのか・・・わかんなくて・・。」
絢の世話を行ってはいたものの夏希は春希とは違いさらしの付け外しはやったことがない。
着物は男物なこともあって簡単に脱がせられたが付け外しを一切やったことがない
さらしの扱いは全くわからなかった。
夕顔は起き上がり夏希に告げた。
「なら・・・、自分で外します。恥ずかしいですけど・・・。」
「あ、待ってくれ・・・。少しほどくだけにしてくれ・・。オレが脱がせたい・・から・・・。」
自分で夕顔の身体を要求しながらも女性と関係を持ったことのない夏希は照れながらお願いした。
「わ、わかりました・・・。」
夕顔は風呂場の時とは違いぎこちない手つきでさらしをほどきすぎない様ゆっくり解く。
豊満なせいか少しほどいただけでふくらみや谷間が現れていく。
「それぐらいにしてくれ。」
夏希が制止する。手を離しても落ちない程度にしかほどかれてなかったが、
結び目が見えていた為さらしを解いたことがない夏希でもほどき易い状態になっていた。
覚悟を決めた様に目を閉じ顔を赤らめる夕顔の身体に手を掛けぎこちない手つきではあるが
さらしをゆっくりほどいていく。少しずつ見えてくる白い肌とは対照的にその顔は恥ずかしさから紅潮していく。
「あ・・・・。」
さらしがすべて解かれ布団の上に落ちるのと同時に夕顔が恥ずかしげなかすかな声を上げる。
夏希が風呂場で遠目に見た豊かな双丘が今、彼の目の前で晒け出されている。腕でその双丘を隠そうとしている夕顔を
夏希は再び押し倒す。寝ても形崩れなど一切ない形のよい乳房だったが、夕顔は恥ずかしさの余り腕を曲げ乳房を隠してしまう。
その恥ずかしげな表情がまた可愛らしい。夏希は夕顔の乳房を隠している両手首を軽く掴んだ。
「恥ずかしいのはわかるけど・・見せてほしいんだ・・。夕顔の・・胸。いいかな?」
照れながら夏希は夕顔にお願いをした。その照れ顔を見て夕顔は決意する。
「・・・は、はい・・。腕、よけてください・・・・。」
その言葉を聞いて夏希は掴んでいた夕顔の両手首をそっと動かす。その下にある乳房が今度こそ完全に晒け出される。
今まで夕顔を男と思い込んでいたのが信じられない程女性らしい豊かなふくらみ。それでいて形崩れもなく綺麗な形をしている。
その先端にある、乳房の大きさの割に小振りでやや濃い桃色の乳首が愛らしい。
「えっと・・。なんていうか・・。綺麗・・だな・・。」
その言葉を聞いた夕顔は今まで以上に顔が赤くなっていく。
「そ、そんなお世辞言わないでください・・。恥ずかしいです・・。」
「恥ずかしかった?ごめん・・。でも、お世辞で言ったんじゃないから・・・。」
そう言いながら露わになった乳房に手を這わせる。
「きゃっ!!な、夏希さん・・。」
「い、いいかな・・。触っても・・。」
夏希の手は夕顔の乳房の横側をかすかに触れている状態で止まっている。それだけでも柔らかで気持ちのいい感触が伝わってきた。
「・・・・・。いいです・・・。触って・・ください・・。」
そう言う夕顔の顔はこれ以上になく真っ赤で、固く目を瞑り、顔をそむけている。よほど恥ずかしいのだろう。
愛撫を許可した声も小さく、恥ずかしさが感じられるが偽りや強がりは感じられない。
それを聞いた夏希はかすかに触れてただけの手の指を動かし、夕顔の乳房を掴んだ。
【慣れの絢・春希、初心者同士の夏希・夕顔って感じですね。容量も400超えて次スレも近いですね。】
- 391 名前: ◆aPPPu8oul. 投稿日:2005/10/07(金) 19:11:48 ID:GVfXXLGz
- >名無しのアヒル氏
両極端なカポーですな
あとでエロだけまとめて読むのが楽しみですw
今夜投下するつもりでコテで現れたんだが…
すぐ投下したら迷惑そーなんでまた明日。その間に書き溜めてきますノシ
- 392 名前: ◆.Xo1qLEnC. 投稿日:2005/10/07(金) 21:02:27 ID:6zKarAYr
- やっちまったやっちまった!
>保管庫姦理人様
いつも更新ありがとうございます。
前回投下分の、タイトル修正お願い致します。
『R.M.G.』→『R.m.G.』
真ん中のM、小文字でした…orz
お手数おかけします。
>レス頂いた方々
ありがとうございました。
調子に乗って、若者達の再開編もそのうち投下させて頂きます!
>アヒル氏
夕顔タン達の初々しさが、可愛いですね〜っ。この子達の今後が楽しみです。
絢タン達は…どんどん暴走してくださいw
>aPPPu8oul.氏
続き、ワクテカして待ってます!
- 393 名前:姦理人 投稿日:2005/10/07(金) 22:46:15 ID:RrlBqCRv
- >>392
了解しました。訂正しましたのでご確認下さい。
ttp://www.usamimi.info/~dansou/
- 394 名前: ◆.Xo1qLEnC. 投稿日:2005/10/07(金) 22:55:20 ID:6zKarAYr
- >>393
ありがとうございました!
- 395 名前:魔王の恋 投稿日:2005/10/07(金) 23:23:14 ID:7Bejz46i
- スレ埋めに投下します。
−−−−−−−−−−−−−−−−
−成人になる前日−
「おぃーっす。」
「ジェイドさん!!」
遊びに来た俺を魔王は笑顔で出迎える。
「いい子にしていたか?」
「はい。・・あぅ。」
俺が頭を撫でてやると魔王はよく今のような声を上げる。感じやすい体質のようだ。
それを分っていながら可愛いと思いワザとやる俺、タチが悪いな。
そういう趣味はないんだが・・・。
「明日だろ?成人になる日は?」
「ハイそうです。」
「じゃあコレ、プレゼント。」
そう言いながらラッピングされた箱をさしだす。
「私にですか?」
「あぁ。」
「・・・・」
黙り込んだ魔王に不安になる。
「あれ?こういうのイヤだった?」
「ジェイドさん!!」
魔王は感極まった表情で俺に抱きついた。
- 396 名前:魔王の恋 投稿日:2005/10/07(金) 23:24:15 ID:7Bejz46i
- 「オイオイ。」
「ありがとうございます。私・・・すごくウレシイです!!」
「そうか、そう言ってもらえて俺もうれしいよ。」
「開けてみてもいいですか?」
「ドウゾ。」
「・・・・わぁ!!」
箱の中から出てきたのは翡翠で作られたブレスレット。
「本職は物造りなんでな。勇者じゃ生活はしていけない。」
「えっ!!じゃあコレ、ジェイドさんが?」
「・・・まあね。」
魔王は目を輝かせながら俺を見つめる。
「・・私、コレ大切にします。」
「そうか?サンキューな。」
ブレスレットをウットリと見つめる魔王にまた俺は胸の高鳴りを感じた。
(どうしたんだ俺は?ましてや子供、男だぞ。)
しかし、鳴り止むことのない高鳴りはいつまでも俺の心を締め付けた。
- 397 名前:魔王の恋 投稿日:2005/10/07(金) 23:25:22 ID:7Bejz46i
- 魔王の自室に通された俺は共に他愛の無い話を語り続ける。
ここに来るようになって俺がする事といえば、魔王と一緒にこうして
話をしたり、城の手入れを手伝ったり、ちなみに魔王は本当に城を
掃除していた。これには俺もビックリ。
無論、魔王としてちゃんと執務(?)もこなしている。
・奥さんとケンカして家から追い出されたベルゼバブのグチを聞いたり
・ヘルニアで満足に動けないベリアルの治療
・高所恐怖症のガルーダの克服大作戦
魔王はナンデモ相談室じゃ無いんだぞ!!と言いたくなったが親身になって
力になろうとしている魔王を見てそれを押しとどめた。
「ほんと、オマエさんは偉いよ。」
「そんな・・・私なんか父に比べたら・・・」
顔を真っ赤にしながら謙遜する魔王。人間の王様にもこの位真面目なら・・・。
「・・・話は変るけど、ひとつ聞いていいか?」
今更ながら俺はずっと気にしていた疑問を口にした。
- 398 名前:魔王の恋 投稿日:2005/10/07(金) 23:26:33 ID:7Bejz46i
- 「何でしょう?」
「あのさ、オマエ名前なんていうの?」
実は俺、魔王の名前を知らなかったりする。
『何じゃそりゃ』とツッコミたくなるかもしれないが聞く機会が無かったんだしょうがないじゃん。
「名前ですか・・・」
「そう。ずっと呼び方オマエばっかだったし・・・ね?」
よく考えたら名前も教えてない奴にオマエ扱いされて、俺って結構失礼だな。
「・・・・・・」
魔王は少し困った顔をして俺を見る。
「どうした?」
「あの〜・・・・」
「ん?」
「実は私・・・・名前が無いんです。」
「はっ?」
どういうことだ?
- 399 名前:魔王の恋 投稿日:2005/10/07(金) 23:28:13 ID:7Bejz46i
- 「生まれた時から父には『わが子』って言われてましたし、
魔族のみんなにも『二代目』とか『魔王様』としか言われてなくて。」
「親父さん、名前用意してなかったのか?」
「魔族は名前や家族の概念が薄いんです。なので名前はあとで自分でつける人の方が多いんです。
こっちで暮らしてる魔族くらいですね名前を生まれた時から持ってるのは。」
「呼びづらくない?」
「魔界の魔族は一人立ちが早いですから。群れで生活していても、大将がいて
『子分A』『愛人28号』みたいに大将が決めた役割が名前になるんです。
名前が欲しくなったら自分で考えて勝手に名乗ると言うのが現状なんです。」
「なるほどね〜。」
ちょっとしたカルチャーショックだ。名前の概念なんて考えもしなかった。
「でも、名前が無いのは呼んでもらうとき不便ですね。」
魔王は真剣に悩みだした。
「う〜ん・・・名前・・・名前。」
・・・10分
・・・20分
プシューーーーー!!
魔王の頭から湯気が噴き出した。オーバーヒートしたな。
- 400 名前:魔王の恋 投稿日:2005/10/07(金) 23:29:26 ID:7Bejz46i
- 「ジェイドさ〜ん、一緒に考えてくださいよ〜。」
魔王は半泣きになりながら俺に訴えかける。
「オイオイ、自分の名前だろ?」
「うぅ〜」
魔王の視線が痛い。
「あー!!分ったよ考えればいいんだろ!?」
「お願いします!!」
「とは言っても、ペットの名前考える訳じゃないんだし。」
まさか名付けをするなんて考えもしなかった。
名は個人をあらわすモノだ。適当に考えるわけにはいかない。
魔王の名前になるわけだしな〜・・・。
あー。俺もオーバーヒートしそう。
魔王だろ・・・
魔王・・・
まおう・・・
「・・・・・・・・・・・・・マオ?」
- 401 名前:魔王の恋 投稿日:2005/10/07(金) 23:31:01 ID:7Bejz46i
- 「え?」
「イヤ、魔王だから、あんまし弄ってもなと思ったんだが、ストレートすぎるな。」
「・・・マオ。」
「ワリィ、他のを考えるわ。」
「待ってください!!」
「え?」
「私、マオがいいです!!」
「・・・ホントに?」
「ハイ、ジェイドさんが付けてくれた名前です。そう呼んでもらいたいです。」
「いいのか?一応、一生モンなんだぞ?」
「一生マオって呼んでください。」
そう言う魔王の・・・いや、マオの瞳は真剣だった。
「・・・分ったよ。じゃあ、改めて・・・よろしくな、マオ。」
「ハイ、よろしくお願いします。」
マオは勢いよく頭を下げ・・・・
「わぁぁぁ!!」
そのまま転んだ。
「ったく。何やってるんだ。」
マオに手をさしだす。
「ゴメンなさい・・・。」
両手で握り返すマオ。立ち上がってもマオは手を離さない
「オイ・・・」
「ジェイドさんにはお世話になってばかりです。でも、私嬉しいです。」
マオが笑顔で俺を見つめる。胸の高鳴りがいっそう高く鳴り響いた。
(・・・心臓爆発するんじゃないか?)
- 402 名前:実験屋 投稿日:2005/10/07(金) 23:43:18 ID:7Bejz46i
- 本日は以上になります。
魔王の名前についてですが先にマオという名前を考えてからファンタジー物の構想を
考えたので構想的には逆だったりします。
次回の投下にはネタバレを行いたいと予定してます。
>>z1nMDKRu0s様
魔物=土着の神というのは知らなかったです。
モチーフにしてる魔界が”デビチル”に出てくる地獄チックじゃない魔界
なので、その当たりはご勘弁を。
>>Xo1qLEnC様
遅ればせながら乙です。本編もさることながら
過去話も最高です!!
>>アヒル様
待ってました!!絢と夕顔はタイプは違えど物凄い萌えを
お持ちのようで・・・GJ!!
- 403 名前: ◆z1nMDKRu0s 投稿日:2005/10/07(金) 23:57:29 ID:WidleMXE
- マオと名付けられて喜ぶ姿を想像しジェイドたちとは違う煙が頭から……
うん、あれだ
萌 え 死 に か け た
- 404 名前:名無しのアヒル 投稿日:2005/10/08(土) 02:29:53 ID:r8rl47Ke
- >>402
GJです!マオがとっても可愛いですね!名付けネタってなんか新鮮ですね。
ネタバレ楽しみです。マオの執務(?)笑えました。成人間近ってことは人間で言うと
18、9ってとこですか?真面目な子ですねwww
名付けと言えば男装少女の命名って結構大変ですよね。そのまま男でも使える様な
名前か偽名(大抵本名をもじってる)ですから。
- 405 名前: ◆aPPPu8oul. 投稿日:2005/10/08(土) 13:09:33 ID:Uc4hvmnu
- よく考えたら夜は用事があるんだった。
というわけで修学旅行二日目投下。
エロなし前半いきます。
* * * * *
少しずつ、意識が覚醒していく。音が耳に入って、瞼の裏からまぶしい光を感じて、うっすらと目を開ける。
すぐそばにあったはずの温もりがない。
カーテンを引く音が聞こえ、ゆっくりとそちらに顔を向ける。まだ、目が明るさに慣れない。
「……先生?」
影になっている人物に声をかけると、近寄ってきて頭をなでる。
「おはよう。俺は今から朝の打ち合わせ行ってくるからな。
起床時間までは余裕あるから、寝てていいぞ。ちゃんと起こしに来るから」
「うん……行ってらっしゃい」
寝ぼけたままの司の額に唇を落として、隆也は部屋を後にする。
司は言われるがままに目を閉じて、もう一度眠ろうと体を丸める。
意識がひきこまれていく感覚に陥った数分後、部屋のドアをノックする音がそれを邪魔した。
「司ー、起きてるかー?」
健の声だ。なんとか上体を起こして、出ない声を絞り出す。
「ちょっと待って…今開ける」
他の人間だったらサラシを巻き直して寝たふりをするところだが、とりあえずその必要はない。
頭を抱えふらつきながら立ち上がって、ドアを開ける。
「…よ。先生は?」
当たり前のように聞くその事実が、健には少し苦いものだというところまで頭が回らない。
「今、打ち合わせに行った……ふぁ……ねみー……」
色気も何もない大あくびも健には見慣れたものだ。
ただ、と健はふと考えてしまう。以前は健が司に起こされていたのだ。
寝ぼけた司の声で名前を呼ばれるのがくすぐったくて、寝たふりを続けて怒らせたこともあった。
もうそんなことはないんだろうなと、やや感傷的な気分を振りはらって本題にもどる。
「あぁ、そっか……いやいや、お前着替えどうすんだよ?今なら二人とも寝てるから大丈夫だぞ?」
「そーだな…んじゃ行くか…どーせ先生ここの鍵持ってるし、片付けなきゃいけないんだろーし……」
寝ぼけたままの司の足取りはあぶなっかしい。部屋を出ても周囲を気にするでもなくふらふらと歩いている。
人の気配がないのを確かめて、健は司の手を取る。細い指と手首。
男物の指輪や時計をすると、特にそれが目立ってしまう。
「さっさと歩けよ。見つかったらお前が困るんだろうが」
「うん……」
本来ならあそこでサラシを巻くよう言うべきだったのだが、寝起きで頭が働かないのはお互い様だ。
運良く誰にも見つからず部屋に戻り、司はごそごそと荷物を漁って脱衣所に向かう。
顔を洗って着替えをすませば、男に戻るのだろう。そういう切り替えの早さが、この関係を維持してくれている。
「よし。今日もよろしくな、健」
脱衣所から出てきた司の、予想通りのさっぱりした挨拶に笑って答える。
「おう。よろしくな」
パシン、と手を打ち合わせて、さっさとどうでもいい会話に移る。
- 406 名前:司9-2 ◆aPPPu8oul. 投稿日:2005/10/08(土) 13:10:40 ID:Uc4hvmnu
- 「んで、昨夜の鑑賞会どうだったよ」
言われて、健は昨夜の鑑賞会を思い出す。思い出すと、やはり司はいなくて良かった。
本人はなんてことはなく参加していたかもしれないが、健が司を意識してボロが出てしまっただろう。
よりによってショートカットのボーイッシュな女子高生モノなんて…と思い出しかけて、頭をネタに切り替える。
「あぁ…ドン引きだったぞ。予想どおり」
「よし。じゃあ後でそ知らぬふりで二人に話ふってみよう」
「…お前ほんと良い性格してるよな…」
ベッドの上に並んで腰掛けて、健の手からCD-Rを受け取る。
「あいつらは何持ってきたんだ? 」
ふいに司が健の顔を覗き込む。
答えようとした内容とかぶるような視線に、ぐ、と健は息を飲む。
「え、あぁ……」
どもりながら答えようとした健の声に、ドアをノックする音が重なる。
「高槻いるか? 」
「先生? 」
隆也の声に、司は跳ねるようにしてベッドから飛び降りる。
ドアに走りよる司の姿に、健はわずかに痛む胸をなでおろす。
「どーしたの先生? 」
「どーしたのじゃない、さらし置きっぱなしだったぞ。戻るって言ったのに勝手に部屋に帰るし…」
「あ…すいません」
隆也が司に紙袋を渡すのを見て、健が後ろから声をかける。
「すいません、俺が呼びに行ったんです。着替えどーすんのかと思って…」
「あぁ、気にすんな。何ともなかったならそれでいいんだ。じゃ、今日も気をつけて過ごせよ」
ぐしぐしと司の頭をなでる仕草が、やけに頭にこびりつく。同じような仕草を、自分もしたことがある。
隆也と同じような表情で。それはもう終ったことだと自分に言い聞かせて、忘れかけていたのに。
「わ、髪セットしたばっかなのに…先生も仕事頑張ってね」
お返しとばかりに隆也の髪をめちゃくちゃにして笑う司を目の当たりにすると、嫌でも思い出してしまう。
見ちゃいけない。
「じゃあな。そこの二人、朝飯に間に合うように起こしてやれよ」
「はい」
隆也が出て行って、ほっと息をつく。
何気なく健の横に座りなおした司と今日の予定を話しているうちに、妙な胸のざわつきは消えていった。
二日目は終日班行動だ。司たちの班は題して「先行逃げ切り型」で、この日の午前に土産物を全部買って
宿から家に郵送してしまい、三日目、四日目を身軽に好きに歩き回ろうという計画だ。
京都駅から商店街をうろうろして、昼食を取るころには全員の手に土産物の袋が握られていた。
しかし、これで十分と思っているのは男だけで、女子はまだまだ買いたいらしい。
あまり離れると教師に見つかったときに面倒なので、同じ商店街でそれぞれ好きに歩き回ることにした。
司は健とゲーセンに寄り、そこそこに遊んで外に出て、嫌な場面に遭遇した。
「おい、あれ」
デジャヴュ、というか、そのまま夏休みに見た光景だ。ゆいが地元の人間らしき男二人に絡まれている。
その横では、他の女子が口を出すこともできず肩をすくめている。
健と顔を見合わせて、ゆいの下へと駆け寄る。ゆいはすぐに二人に気付いた。
「司君。田宮君」
男たちは二人とも20前後で、いかにも柄が悪い。体格は並だが、まともにやりあって勝てる気はしない。
「手ェ離せ。嫌がってんだろ…修学旅行きてまで喧嘩なんてしたくねぇんだよ」
今回は彼氏ですとは偽れない。にらみつけても男はへらへらと笑っている。
「はっ、喧嘩はしたくないやて? 嫌やったらせぇへんかったらええやん、なぁ」
連れと顔を見合わせて笑う男の手はゆいの細い手首を掴んだままだ。
険悪な雰囲気にゆいは泣き出しそうな表情を浮べている。
「手を離せ。聞こえてないのか? 聞こえててやってんなら嫌だろうがなんだろうがやってやるよ」
「おい司…」
健は、一歩踏み出した司の肩に手を置き止めようとするが、相手は司の怒りをあおるようにふざけている。
「なんや田舎もんが気ぃ吐いてえらいやる気やんか。そんなムキにならんでもこの程度の女いくらでもおるや…」
司の拳が男の頬を殴り飛ばす。
ゆいや他の女子の悲鳴が聞こえたが、構わずもう一発打ち込もうとして殴り返され、ぐらりと体が傾く。
頬骨が痛む。それでも男をにらみつけ殴りかかろうとして―お互い、連れに押さえつけられた。
「離せよ健! こいつの口きけねぇようにしてやる…! 」
「落ち着けって! こんなことしても何にもなんねーよ! 」
「このガキ…っ! 」
「やめとけ、人が集まってきた」
- 407 名前:司9-2 ◆aPPPu8oul. 投稿日:2005/10/08(土) 13:11:53 ID:Uc4hvmnu
- 男たちは足早に立ち去り近くに止めてあった車でその場を離れる。健の腕を振り解いた司に、ゆいが駆け寄る。
「司君! 」
司はゆいに僅かに笑みを向ける。
「……大丈夫。三崎さんはなんともない? 」
「う、うん……」
「司。顔……」
触れようとする健の手を払いのけて、司は携帯を手に取る。
「……先生に連絡する。この顔じゃ黙ってられないし。ごめんな、こんなおおごとにして」
女子たちにそう言って無表情で連絡する司に、健はかける言葉が見つからない。
「ううん。ありがとう。あたしが連絡する…班長だから」
ゆいに止められ、司は携帯を下ろす。集まってきた人に手当てをしてもらう間も、司はにこりともしなかった。
よほど腹に据えかねたのだろう、その怒り方は、健の見たことのないものだった。
数時間後、隆也の部屋で、司と健は正座させられていた。
事の仔細を話すように言われて、司が憮然とした表情で話している。
「…三崎さんが男に絡まれてたんです。それで…」
「それで殴ったのか? 先に手を出したのはお前なんだな? 」
隆也は言外に司を責めている。当然のことではあるが、司は納得が行かない。
「だってアイツ、三崎さんのこと馬鹿にして…! 」
「それでも手は出すな。殴って済む問題じゃないだろう」
「………」
険悪な空気に耐え切れず、健が口を開く。
「……すいません、俺も、止められなくて」
いや、と言ったきり、隆也の言葉は続かない。司も口を開こうとはしない。
「……」
「……女子に話を聞いてくる。ここで待ってろ」
腰を上げた隆也の顔を見ようともせず、司はじっと畳の目をにらみつけている。
隆也が部屋を出て行ったのを確認して、健はため息をつく。が、ちょっと怖くて司の顔を見ることはできない。
「…司、どーすんだよ」
「どーもこーもねーよ。俺は悪くない」
いや、悪いだろ、と言える空気でもない。司もわかってはいるのだろう。
「頭下げれば許してもらえるんじゃねーの?」
言って聞くとは思えないが、それでもなんとか場を収めることを考えなければならない。
「かもしれない。でも、だからって頭下げる理由にはならない」
健は再びため息をついて足を崩す。
「その意地っ張りなとこどーにかしろよ。先生にも愛想つかされるぞ」
「……」
黙り込んだ司の顔をちらりと盗み見ると、ぐっと奥歯をかみ締めているのがわかった。
「……なんでそんなに怒ってんだ? たしかに頭にきたけどさ、手ぇだすことないんじゃねえの? 」
「……三崎さんは、人を殴れないから。あの場にいられなかった、三崎さんの彼氏の代わりに殴った」
たしかに、自分の彼女にああ言われたら手も出るかもしれない。
しかしそれをとっさにやったということは、やはり何か思い入れがあるのだろう。
それがまさか、ひょんなことから成立してしまった肉体関係の絡んだ友情だとは、健は思いつきもしなかったが。
しばらく無言だった二人の耳に隆也らしい足音が聞こえてきて、健は慌てて居住まいを正す。
「…詳しいことは三崎たちに聞いた。学年主任とも話したけど、二人は今日はこのまま夕食まで正座してろ。
明日以降の行動についてはその後決める」
夕食まで、と聞いて健の頬が引きつる。しかし健はそれで済むかもしれないが、問題は司だ。
ちらりと司の表情を盗み見るが、恐ろしいほど動揺の色が見えない。
「夕食まで一時間。俺もここにいるからな」
言葉どおりその場で隆也は仕事を始め、二人は延々と正座を続ける。
途中他の教師や生徒が出入りをしては二人の様子をうかがって微妙な表情とともに帰っていく。
一時間後ようやく立ち上がったときにはさすがに司も辛そうな顔をしたが、
それでも余計な言葉は一切口にしなかった。
健と隆也、二人そろって何度ため息をついたかわからない。
味もわからないんじゃないかと思えるほど無表情な司もいつもどおり(人より細い)夕食を終え、
健と二人でまた隆也の部屋に向かう。この間、司は「うん」と「いや」しか言っていない。
「さっき主任と話してきたんだけど…田宮は無罪放免。高槻は就寝時間まで正座、明日の午前中は宿で謹慎。
それと反省文を提出。で、明日の午後の班行動には俺がついてくことになった」
言い渡された罪状に、健は思わず司の顔を見る。
まったく折れる気配のない司が、おとなしく反省文を書くわけがない。
- 408 名前:司9-2 ◆aPPPu8oul. 投稿日:2005/10/08(土) 13:12:37 ID:Uc4hvmnu
- しかし司は憮然とした表情で、それでもわかりました、と言った。確かに言った。忘れるなよ。
「それで、だな。こっからはオフレコなんだが」
ふいに隆也が砕けた口調になり、健はほっとする。
「ぶっちゃけ正座はしなくてもな……いや、俺もやった経験があるから」
「あるんですか」
思わずつっこむ健に、隆也は苦々しく笑う。
「大きな声じゃ言えないけどな。でも部屋に返すわけにはいかないからここにはいてもらうぞ。
あと……風呂のことなんだけど」
延々と無表情で無言を続けていた司が、ようやく口を開く。
「いっそ入らなくてもいいです。午前中謹慎なら、その間に入れるし」
開いたが、よそよそしい口調はあからさまに不機嫌そうだ。
「いや、就寝時間以降は風呂は空いてるんだ。宿は貸切だし、先生連中は自分たちの部屋の風呂に入るから
男湯でも女湯でも、好きな方に入っていいぞ」
「……わかりました」
司がまだ足を崩さないので、なんとなく健もそのまま正座をして二人の表情を比べている。
隆也はすっかり砕けた雰囲気になっているのだが、どうも司は意固地になっているらしい。
「というわけで、田宮、協力ヨロシクな」
「あ、はい」
突然ふられた健は、ようやく足を崩す。
「えーと、じゃあ…」
ここにはもう用はない。自分は部屋に帰って、友人達に事の次第を説明しなければならない。
ただ、部屋に二人が残ることを思うと、それ以上かける言葉が見つからない。
「おう。あ、三崎にも伝えておいてくれな」
いっそ軽口でも叩きたかったのだが、司の無表情を見るとそうもいかない。
「はい。じゃあ……おやすみなさい」
「おやすみ。早めに寝ろよ」
まるで無反応な司に声をかけるのも気が引けて、結局隆也に声をかけて部屋を出る。
この状況は決していいものではない。なのに少し安心している自分がいた。
「……性格悪いな、俺」
司のことは応援するつもりだったのに、結局”良い奴"になりきれない。
今日何度目かわからないため息をついて、健は部屋に戻った。
「…こんなとこにアザ作りやがって…」
「……謝んないよ」
口を開いてもむっとしたままの司に、隆也は苦笑するしかない。この強情さは良い点でも悪い点でもある。
ただ、今回の行動は褒められたことではない。
膝を突き合わせて、じっと司の顔を見据える。
「わかってる。俺もお前が悪いとは思わない。
…ただこういうとこで喧嘩すると、学校側が困るからな、俺も一応教師だし…」
「……」
眉間に皺を寄せたままの司は口を開こうとはしない。教師としての説得では納得できないのはわかっている。
ため息とともに司の頬に手を伸ばす。
「そういう建前とは別に、危ないことはしてほしくない」
言って、痛々しく変色した頬をなでると、顔が歪み苦痛の声が漏れる。
顔に湿布を張るのを嫌がってそのままにしてあるのもやはり司の意地なのかもしれない。
「いっ……」
隆也の眉間にも皺がよる。
「…怪我させるのも嫌だし、痛い思いもさせたくない。教師じゃなきゃ相手のこと殴ってやりたい」
「…うん……」
うつむいて力なくつぶやいた司が、ぐっと声を振り絞る。
「……ごめんなさい」
ここ数時間言わせようと思って言わせられなかった単語がぽんと出てきて、隆也は目を丸くする。
「謝らないんじゃなかったのか? 」
「だって…先生、主任とか校長に怒られるでしょ? 」
つまるところ、迷惑をかけてごめんなさい、ということか。
その殊勝さは恋人としては嬉しいが、教師としては力量不足が露呈されてちょっと微妙だ。
「まぁ、な……でもそこは気にすんな。いや、気にして欲しいけど、それより…」
腰を上げて、司の身体を抱き寄せる。
「…ただ、俺が心配だから危ないことはするな」
「……うん」
- 409 名前:司9-2 ◆aPPPu8oul. 投稿日:2005/10/08(土) 13:14:02 ID:Uc4hvmnu
- 腕の中の司は、もうちゃんとほぐれただろうか。
「……このまま、いたいんだけどそうもいかないからな」
頭を撫でて体を離し、司の顔をのぞきこむ。
今までとはうってかわって弱弱しい、不安げな顔が隆也を見上げている。
「先生は……怒ってない? 」
流石に自分でも意固地になっていることは反省しているらしい。
だったら最初から素直になれと言いたいが、多分きっと、できれば苦労はしないと返されるのだろう。
「んー。危ないことをしたのにはちょっと怒ってるな。でもそれだけだ。あとは…」
「…あとは? 」
下から覗き込んでくる司の表情は不安げだ。無駄に心配させる気はないが、隆也も心配させられた身だ。
多少のお返しは許されるだろう。
「あとで、な。さ、反省文、ちゃんと書けよ」
にこりと笑って頭を撫でると、急に憮然とした表情に戻る。
「…嘘でいい? 」
この、教師と生徒というスタンスを維持するのがときどきやたらと難しい。
「…よくはないから黙って書け」
「書けました」
「ん、どれ」
職員の打ち合わせから帰ってきた隆也に提出された反省文は完璧だった。
やや字が雑だがその辺はまぁいいとして、内容は非の打ち所がないような反省文だった。
これが一つも本心ではないあたりがなによりも。
「……恐ろしいな」
思わずぽつりと漏らした隆也の横で、司はそ知らぬ顔であぐらをかいている。
「何が? 」
「いや、なんでもない……」
女ってのは平然と嘘をつける生き物なのかもしれない。
それとも司は悪女の素質があるんでしょうか。そうなんでしょうか皆さん。
思考が二次元からこっちに向かってしまった隆也は首を振って思考を切り替える。
「あとは明日の午前中の謹慎だな。暇つぶしに本でも……」
ぐい、と服の裾をひっぱられて、一拍置いて司に振り返る。
「先生、一緒にいてくれないの? 」
この攻撃力はけっこう卑怯だと思う。
「……いられるもんならいたい、けどな……」
このまま抱きしめていちゃいちゃしたいのだが、いつ他の教師や生徒が部屋にやってくるかわからない。
伸ばしたい手をぐっと握って我慢する。
「できるかどうかわかんないな。司みたいに問題起こす奴もいるかもしれないし」
少し棘を含ませて言ってやると、服を掴んでいた手が離れる。
司は黙り込んで部屋の隅で膝を抱える。
就寝時間まであと一時間。隆也はこのまま反省させることにした。
「よし、時間だな。風呂どうする? 」
目を合わせないように背を向けて仕事をしていた隆也が振り返り、司の表情をうかがう。
「どうする? って……一回くらい広いお風呂入りたい。空いてるんでしょ? 」
すっかり不機嫌のぬけた表情に安心して、自分の荷物を漁る。
「そうだな。じゃあ用意してこい。宿の人に言ってくるから……男湯でいいよな?」
* * * * *
最初タイトル入れ忘れましたorz
続きは二日後には。容量持つかなぁ…
- 410 名前:名無しのアヒル 投稿日:2005/10/08(土) 16:44:40 ID:r8rl47Ke
- http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1128756966/l50
次スレ立てておきました。
>>aPPPu8oul.さん
二日目GJです!お土産話で持ち運びや置き場所が大変だったことを思い出しました。
司、まちがいなく悪女ですね。
- 411 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2005/10/08(土) 17:32:07 ID:IvpeKqhJ
- >>410
乙でっす!
>実験屋氏
マオたんカワイイ(・∀・)!
ディスガイアの我儘魔王と大違いだw
>aPPPu8oul.氏
司タン、漢だなぁ。
後半、どんなシチュでくるのか楽しみにしてます。
- 412 名前: ◆z1nMDKRu0s 投稿日:2005/10/08(土) 21:31:01 ID:WIvrMenI
- 司キテル━━(゚∀゚)━━!!
いやはや、漢らしい行動にでましたな司タン
停学にならなくて良かったね、高校四年はつらいよ(経験者)
悪女体質のエロに激しく期待
- 413 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2005/10/08(土) 23:37:14 ID:x5FKa06+
- >>412
え〜と…修学旅行でオイタをして停学とかなるんですか?
- 414 名前: ◆z1nMDKRu0s 投稿日:2005/10/09(日) 00:25:36 ID:4uCsifuq
- 同級生殴って停学いたしました
- 415 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2005/10/09(日) 00:30:39 ID:YY80MOtO
- まあ普通、ケンカとかしたら可能性高いよね。
- 416 名前: ◆z1nMDKRu0s 投稿日:2005/10/09(日) 00:51:50 ID:4uCsifuq
- あのときは自分もバカだと思いましたよ
脱線したっぽいのでこの話題終了
で恒例のシュチュ語りいきませう!!
テーマは……
↓
- 417 名前:名無しのアヒル 投稿日:2005/10/09(日) 01:39:57 ID:2XI/5ah2
- 男装少女は純愛、陵辱、レズ(笑)どれが萌えるでしょう。
なんてどうですか?
- 418 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2005/10/09(日) 01:48:01 ID:uKNGc3iy
- 意外なことに転校生設定がない点について
- 419 名前:名無しのアヒル 投稿日:2005/10/09(日) 01:59:26 ID:2XI/5ah2
- >>418
言われてみれば・・。でもゴットファーザーズのユウは最初転校生設定だったような。
後、騎士団や道場なんかに入るのも学校じゃないから「転校生」という言葉は使えないけど
そういう系統なのでは。
- 420 名前: ◆DNhFr3L39M 投稿日:2005/10/09(日) 02:33:51 ID:qg0ulntZ
- >>417
純愛物がいいなぁ。自分が書いてるのはレズ物ですがw
男装少女が「10年……10年だよ。ずっと待ってたんだよ……」とか言ってキスしてきたら、そりゃ脳汁も沸騰しますって(ぉ
>>418
王道すぎて、逆に盲点だったり。
……言われて気づいて転校生ネタを思いついてしまいましたが、書けるかどうか微妙なとこですな。
書きたいネタのストックが3つほどあるし。>>250氏のネタに触発されたものとか、前に投下した奴の続きとか。
- 421 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2005/10/09(日) 05:37:16 ID:DJCQ8UQi
- 純愛
それぞれが他校の生徒で喧嘩友達。男側は男装少女の学校を知らない。
たまたま正体がばれて…
それで純愛とか。男装少女で喧嘩早いのあまりみないな、結構いそうなんだが。
まあつまりはレンたん萌え
- 422 名前:名無しのアヒル 投稿日:2005/10/09(日) 17:10:10 ID:2XI/5ah2
- つ司9-2
でも確かに男のカッコしてる設定な割にこのスレだと喧嘩好きな設定少ないですね。
>>417で自分でふっといて純愛好きが陵辱好きか書いてなかったけど
両方ですね。自分の場合。陵辱→純愛ってパターンが一番ツボですね。
- 423 名前: ◆z1nMDKRu0s 投稿日:2005/10/09(日) 17:38:00 ID:4uCsifuq
- 皆さん純愛がお好きなようで
俺?
もち純愛でつよ
自分を一人の女として見てくれる主人公を好きになってそして……
ウッ
- 424 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2005/10/09(日) 17:51:47 ID:YY80MOtO
- 陵辱ものムッハァー(*゚∀゚)
ですが、最近ハマってたCPがことごとく悲恋EDだったので、ラヴラヴ甘々に
飢えてますw
なお、うちの娘は喧嘩早いとゆーか、脊椎反射で生きてます。
その辺を追い追い、明らかにして…いけると良いなぁ。
.Xo1qLEnC.でした。
- 425 名前: ◆aPPPu8oul. 投稿日:2005/10/09(日) 21:56:23 ID:uKNGc3iy
- 449KB、ってことはまだ大丈夫だな
どっちに投下するかなぁ……
- 426 名前: ◆z1nMDKRu0s 投稿日:2005/10/09(日) 22:59:23 ID:4uCsifuq
- 残り449kbですと……
こっちに投下すれば良かったorz
- 427 名前: ◆aPPPu8oul. 投稿日:2005/10/09(日) 23:23:47 ID:uKNGc3iy
- もちつけ、残りは51だw
ちょっと新スレ早かったかもなぁ
- 428 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2005/10/10(月) 00:17:53 ID:MDyVwiIL
- まあ、この投下量ならすぐ埋まるんじゃない?
取り敢えず、新スレの保守にでも行こ………………ネタが無いorz
- 429 名前:偽りの城 投稿日:2005/10/10(月) 01:56:46 ID:Ts0/pDfB
- 【名無しのアヒルです。色々とほんとすみませんorz 450越えたのでスレ埋めに投下】
その日、大名同士の結婚が行われた。当然というか俗に言う政略結婚である。そのせいか新郎新婦は浮かない顔をしている。
しかし、この時代の大名身分のものが政略結婚するのはむしろ当たり前のことである。政略結婚が原因なのかはわからないが
とにかく二人は顔を下に向け、お互いの顔をろくに見ようとはしない。そんな二人とは裏腹に
周囲は松浦家と窪田家両家の縁組に浮かれ盛大に祝っている。二人にとって返ってそれが複雑な様だった。
花婿の松浦和海は十七歳。花嫁の窪田頼子は十九歳。
一見、今の二人には本人達の気持ちとは別に祝福の念のみが与えられてる様に見えるが
一角だけ別の激しい情念が渦まいていた。その主は和海の正妻、定子からだった。
和海はこの正妻の子ではない。和海の母はすでに亡くなっていた。彼女は元々松浦家の使用人だったが
和海の父、兵部に見初められ側室になった。その子の和海も非常に可愛がっていた。
そのことが女として、そして母として嫉妬や憎悪を芽生えさせた。定子の隣には彼女の息子、正澄がいる。
母によく似た長身痩躯の少年で十八歳なので和海の異母兄に当たる。兄で、正妻の子だが兵部はこの息子に冷たく、
家督の相続権も正澄にではなく和海に譲るのではと城内で噂になっていた。定子は狡猾な女で
とにかく自分の子が松浦家の長になることを野望にしていた。正澄は凡庸ではない。頭がよく勉強好きで
特に音楽や絵などの芸術面に優れていた。ただ、母に似たのか人当たりが悪く家中での評判はあまりよろしくない。
その点和海は明るく人当たりのいい性格で、しかも正澄同様優秀であった。
家督を譲られる点で正澄が有利なのは母が存命で、しかも正妻だからという点のみと言っていいだろう。
兵部は世間体を気にする、あまり器の広いとは言えない男だったので正妻の扱いをないがしろにできない。
しかし本当に気に入ってるのは溺愛した側室から生まれた和海だった為、彼の立場を大きくする為この縁談を決めたのである。
和海の立場が大きくなることで正澄の立場がなくなってしまう、定子はそのことで怒り、憤ってたのである。
そんな母の隣に座る正澄。母とは違い、憎悪や怒りの念は出しておらず、ただ淡々と宴を見つめている。
そんな定子の邪念に気付いていた者もいた。まず、頼子の妹、真子(まさこ)。
姉と仲のいい彼女は従者代わりに付いてきた。姉との仲のよさ以外にも深い理由はあるが。
穏やかな雰囲気の姉とは違い、凛々しく美形だが、背が高くて中性的な娘だった。聡明な彼女は定子の禍々しい邪念を感じ、
内心ぞっとしていた。この女は要注意だ、そう警戒していた。
真子以外には二人、和海の従者の竹彦と千里(せんり)。二人とも新参の従者で松彦も千里も身寄りはなく、
流れついてきたのだとか。竹彦は一年前、千里はその約二、三ヶ月後に窪田家に来た。
二人ともあまり自分の事情は話さないが、和海とも仲良くまた、お互い武芸の好敵手として、よき友としてよい関係を築いていた。
二人とも見目がよく城内ではちょっとした人気者だった。そんな二人は真子とは違い、定子の邪念には慣れていた。
今日の結婚式の定子の様子を見てもああやはり、と思ったが本日はひとしお強力だった。
今までも定子の様子に警戒し、和海を守ってきたが、これからは更なる注意が必要だろうと二人の従者は考えていた。
この晴れやかな様でそれに相応しくない考えが蠢く式は酉の刻(夕方五時ごろ)終了し、終始浮かぬ顔の新郎新婦は
二人っきりで夫婦の部屋へと向かった。
- 430 名前:実験屋 投稿日:2005/10/10(月) 12:34:44 ID:a20euF4Z
- 『スレ埋め緊急企画 実験屋名前有りキャラ緊急座談会』
”議題:作者のネタが切れた”
藤澤「と言うわけで司会の藤澤秀平です。イエーイ!!」
狂介「バカやってる場合かよ。」
藤澤「まぁまぁ。」
苑田「ネタが切れたということは、僕達どうなるんですか?」
藤澤「二次元キャラである以上、打ち止め!!つまり消えてしまいます。」
苑田「そ、そんな!!」
藤澤「それがイヤなら知恵を振り絞れってこってすたい。」
升沢「『魔王の恋』が完結していないくせにネタ切れとは・・・」
レオ「その当たり考えて話作れって感じだね。」
狂介「だが、差し迫った問題は彼らより俺たちだ。」
有紀「そうだね。」
狂介「ジェイドとマオはまだ本番がある以上心配ないが、俺たちは現時点で話が無い。」
藤澤「・・・・お前ら、適当に裸になってヤッちまえば・・・」
狂介の攻撃「道頓堀カーネル!!」
藤澤の攻撃「警棒百叩き!!」
有紀の攻撃「秀さんのバカーーー!!!!」
レオ「お腹に子供いるんでパス。」
藤澤「グフッ・・・・・・・・重装型」
- 431 名前:実験屋 投稿日:2005/10/10(月) 12:35:40 ID:a20euF4Z
- 山崎父「若いっていいな。なぁ母さん。」
山崎母「そうね。」
山崎父「よーし、ここは私たちが一肌脱いで・・・」
狂介「ここは男装が根底に無きゃダメだぜ。それにアンタ等には”萌え”がない。」
父・母「「ガビーン!!」」
狂介「だいたい、”男装少女萌え”スレに大人が出張ってどうする?」
山崎父「ヒドイ、ヒドイな母さん。狂介の反抗期だ。」
山崎母「昔はあんなにいい子だったのに・・・・・シクシク。」
狂介「アレはほっといて話進めよう。」
有紀「ホテル、コスプレ・・・・SMは?」
狂介「貞操帯はSMよりだべ。」
苑田「僕が言うのもなんですけど・・・3Pとかは?」
升沢「いいなソレ、よし南オレもお前らに混ざって・・・」
レオ「(ギロリ!!)」
升沢「・・・・・・・スイマセンデシタ。」
ヤスコ「やっぱり私がいないとダメダメね!!」
藤澤「トラップ発動。」
パカッ
ヤスコ「あーーーーーーーーーれーーーーーーーーーー!!!」
- 432 名前:実験屋 投稿日:2005/10/10(月) 12:37:35 ID:a20euF4Z
- 藤澤「カップリングを増やすってのはどうかな?」
苑田「凄い切り替え!!」
升沢「キャラを増やすって事?」
藤澤「イヤイヤ既存の連中でさ。」
狂介「既存?有紀、レオさん、うちのオフクロ、有紀の母さん・・・一応ヤスコ。」
藤澤「肝心なメンバー忘れてるぜ。」
有紀「?」
藤澤「しょうがねぇなー。俺たちがいるだろ・・・な、貞子?」
貞子「ハイ、秀平サン。」
一同「「「「「ギャァァァァァァ!!!!!!!!」」」」」
狂介「そ、それは版権上無理じゃ・・・」
有紀「そうだよ秀さん。」
苑田「訴えられたら負けっすよ?」
藤澤「そうか・・・残念だ(悲)」
貞子「ガッカリ」
- 433 名前:実験屋 投稿日:2005/10/10(月) 12:39:13 ID:a20euF4Z
- 升沢「(ホッ。)・・・そうだ!!」
狂介「何か案でも?」
升沢「今度、俺たちは親になるわけだが。」
狂介「ソレは知ってる。」
升沢「・・・・赤ちゃんプレイってのは?」
狂介・有紀「「なっ!!」」
藤澤「いいねそれ。」
苑田「・・・おもしろそうかも。」
狂介「必然的にやるのは俺と有紀だぞ!?」
山崎父「ハハハハハ。狂介がバブバブ・・・・ナハハハハハハ。」
山崎母「ユ〜ちゃんが赤ちゃんも可愛いと思うわ。」
藤澤「ではここに赤ちゃんプレイを可決します!!」
「「「「「異議なし!!!」」」」」
狂介「オイ!!」
有紀「ちょっとみんな・・・」
―あの〜〜〜〜〜〜〜・・・・・―
藤澤「あっ!?作者じゃないかどうした?」
―次のネタが決まったので話し合いはもういいです・・・。―
プチーーーーーーン!!(怒)(←キレた音)
「「「「「「「「作者コロス!!!」」」」」」」」
―ギャァァァァァァ!!!!!―
〜おしまい〜
- 434 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2005/10/10(月) 13:15:35 ID:+KvqV0HG
- 頑張ってくださ〜い(^O^)/
- 435 名前: ◆z1nMDKRu0s 投稿日:2005/10/10(月) 14:12:23 ID:csV4zFzZ
- 狂介たちも大変だwwwwww
- 436 名前:名無しのアヒル 投稿日:2005/10/10(月) 16:51:41 ID:Ts0/pDfB
- スレ埋め緊急座談会ナイスです。とりあえず、山崎夫妻と藤澤・貞子カップル(笑)の救済ネタ提供。
若かりし日の夫妻のネタをやってみるなんてどうですか?考えようによっては男装設定も絡められる!
藤澤と貞子は・・・定子とでも名前を変えてリ○グのとは別キャラ(のつもりで)・・、
ってこの名前↑の新作で使ってる。しかもこのキャラはすっごい悪女設定だったりする・・。
気持ち悪いと評判の(笑)ヤスコですが今考えてる定子の設定だとヤスコがかわいく感じる程です。自分で怖いこといっちまったよ・・('-'*)
ついでにヤスコも救済。彼女も若かりしネタで若い頃はまともで美人だったけど何かのきっかけで変態スク水女に・・・とか。
・・・色々とすみません。これからも頑張ってください。
- 437 名前:司9-2 ◆aPPPu8oul. 投稿日:2005/10/10(月) 20:37:26 ID:uggFBSrL
- 修学旅行二日目後半投下します。
* * * * *
「はい……え? ちょ、ちょっと待って! それってっ」
自分の着替えを手に言う隆也に、司はあっさり返事をしかかって慌てるが。
「一緒にはいろう……だめか? 司が嫌ならやめておくけど……」
今まで隆也の要求に司がNOと言えた試しがない。
困った、と顔に描いてある司は、それでもやはりNOとは言えない。
「……嫌じゃないけど……する、の? 」
何が? と聞いたら流石に怒るだろうか。
「それは嫌か? 」
「う……だってなんか、嫌な予感がする……」
ぴく、と隆也の眉が動いたが、運悪く司は気付いていない。
「まぁ、嫌なら我慢するさ…いいからはやく用意してこい。就寝時間過ぎたんだから静かにな」
そう担任に言われては従わないわけにはいかない。司はこっそりと自分たちの部屋に戻る。
「…司、これから風呂か?」
健に声をかけられ、思わずびくりと肩が跳ねる。
顔を見られなくて良かった。多分赤い。
「あぁ……」
「さっきな、三崎さんの彼氏が来たんだよ。お礼言いたいってよ
……お前が正座させられてるって言ったら、謝りたいって」
司はゆいの彼氏(多分)の顔を思い浮かべる。話したことはないが、生真面目で優しそうな奴だ。
「は……律儀な奴だな。俺と三崎さんのこと疑われたらどうしようかと思ってひやひやしてたのに」
「……な、お前と三崎さんって……」
「わり、もう行くわ。宿の人に迷惑かかるし」
健の追及から逃れるように、司は着替えを手に部屋を出た。
浴場までの道すがら、司はぶつぶつと隆也への不満を漏らす。
「……ってさ、この時間に出てって帰りが遅かったら怪しまれ……」
るどころではない。健は確実に気付くだろう。それがどうしょうもなく恥ずかしくて、気まずい。
「いや、待てよ? それを言うなら今朝の……うわ、そうだよバレて……あぁあぁぁ」
一人でブツブツ言いながら頬を染めて現れた司に、隆也は不審な目をむける。
「…どうかしたか? 」
「あ、いえ、なんでもないです」
浴場の入り口で向き合って、司はちらりと女湯の入口をみる。
そこにははっきりと使用中の札がかけられていた。
「従業員さんが使ってるそうだ。と、いうわけで俺たちはこっちな」
ぽん、と肩に手を置き有無を言わさず男湯にひっぱりこみ、隆也はさっさと服を脱ぎだす。
「う〜〜〜〜……仕込まれてる、絶対」
「仕込んでない仕込んでない。いいからさっさと…脱がせてやろうか? 」
腰にタオルをまいた隆也がわざとらしく手をワキワキさせている。
司は思いっきり、それはもう音がでそうなほど思いっきり首を振る。
「い、いいですっ! 先に入っててください! 」
「……昨日は一緒に入ったのに……」
「あつ、あれはっ……風呂に入ったんじゃなくてっ……」
口ごもった司の次の言葉を聞きたくて、隆也は何知らぬ顔で首をかしげる。
「じゃなくて? 」
「……する、ために…だったから……」
言いながら、司は再び嫌な予感に襲われる。
嫌な、と一言では言い切れないのだが、やっぱり嫌だ。
俯いた司のご機嫌があまりよろしくなさそうなので、隆也はあっさりと司いじりを中断(終了ではない)する。
「うん、そうだな。じゃあ先に入ってるから…さっさと来いよ? 」
「う、はい」
さっぱりした隆也の反応にほっとしつつも、司はどこか物足りなさを感じる。
- 438 名前:司9-2 ◆aPPPu8oul. 投稿日:2005/10/10(月) 20:38:16 ID:uggFBSrL
- 浴場で水音を響かせる隆也の心中を推し量りながら服を脱ぎ、
今日はしっかりタオルで前を隠して浴場に足を踏み入れる。
「……」
隆也は司が入ってきたのに気付かず、銭湯スタイルで頭を洗っている。
離れて座るのもおかしいし、かと言って隣に座るのもなんだか気が引けて、司は一つ置いた隣に腰を下ろす。
タオルを腰元に落として、手にしたスポンジを泡立て始めるとふいに隆也が口を開いた。
「司〜、シャワーとってくれ」
「……シャンプー目に入った? って、子供じゃないんだから……」
子供っぽい隆也の言いように苦笑しつつ隣に移動して、ウロウロしている手にシャワーのヘッドを握らせる。
「ついでに蛇口も」
「はいはい……」
隆也の前に手を伸ばして蛇口をひねると、隆也の悲鳴が聞こえる。
「つめたっ……! 」
司は慌てて温度を調節しようとつまみをひねるが。
「あ、ごめんなさい…っひゃあっ!? 」
その冷水を背中にかけられて高い声をあげる。
「ほい、早く温度調節してくれ」
「じ、自分でやればいいじゃないですかっ! 」
背中に当てられていた水流が下ろされ、なだらかな割れ目に当てられる。
前かがみになっていた司の肌を流れる水は、臀部から前へと流れ、秘部を冷やす。
「や、ぅっ……」
漏れた声の高さに赤面しつつ、つまみをひねり水をお湯へと変える。
「も、もう大丈夫ですからっ……」
生暖かい水流の感触に耐え切れず、隆也の手を掴み頭に向けさせる。
「ん?おー、ちょうどいい。ありがとな」
悪びれもせず言う隆也の態度に口を尖らせ、司はもといた場所に座りなおす。
「ありがとな、じゃないですよ……いいように悪戯してっ……」
「悪戯? つっても背中に当てただけだろ、何怒ってんだ? 」
頭を洗い終り、ようやく顔を上げて髪をなでつけている隆也に顔をむける気はない。
身体を洗いながら、強い語気で問い返す。
「…それ、本気で言ってるんですか? 」
ふざけてるんでしょ、と言外に言ってみたのだが、隆也の反応は思いのほか軽い。
「うん」
あっさりした返答には本当に悪気がなく、しばらく言葉に詰まってしまう。
その様子を不審に思った隆也の再度の呼びかけに、つぐんでいた口を開く。
「……背中じゃなくて、お尻です」
「え」
聞き返すような隆也の声に、自分が言っているのが恥ずかしいことだと認識させられる。
頬に血が上ったのに気付かないふりをして、むちゃくちゃに身体を洗う。
「だからっ……お尻ですっ! 」
言われた隆也は視線をそこにうつす。と同時に、その状態を思い浮かべて赤面する。
意識してやったならともかく、無意識に悪戯してしまったと考えると、恥ずかしい。
「わ、悪い……俺はてっきり……いや、すまんかった」
「もう、いいです……」
口を尖らせたまま頬を染めた司は腿を洗い始め、ちら、と隆也の表情を伺う。
本当にすまなそうな顔で、それでも凝視されると恥ずかしい。
「あんまり……見ないで下さい……」
「あ、あぁ……悪い……」
慌てて顔を背けて、隆也も身体を洗い始める。
司の手は腿から足首へと滑り、腰に戻る。ふと視線を横に移すと、隆也と目が合う。
「な、何ですか? 」
「あ、いや…背中、流そうかな〜、と…」
申し訳なさそうに言う隆也の様子がすこしおかしい。
同じような状況で、以前は悪びれもせずセクハラから最後まで遣りとおした男とは思えない。
「……悪戯しない? 」
「……しない。さっきのお詫びだ」
何故そこで少し言いよどむ、と追求したかったがそこは黙って背中を預ける。
隆也は言葉どおり、悪戯も何もせず背中を洗う。細く肉の薄い背はすぐに洗い終わってしまう。
その間司はこっそりと股間を洗い、背中の泡と一緒に流す。
「ありがとうございます…先生も」
- 439 名前:司9-2 ◆aPPPu8oul. 投稿日:2005/10/10(月) 20:39:18 ID:uggFBSrL
- 律儀にタオルで前を隠して振り返った司の表情がいつもどおりで、隆也はほっとする。
ついでに視線を少し下に動かすとなかなかエロティックなことになっているのだが、
凝視して叱られたくないので大人しく背中を向ける。
「うん。よろしく頼む」
自分で遠慮なく洗うのとは違って少し柔らかな手つきが、心身にこそばゆく感じられる。
「はい、お終い」
お湯をかけられ振り返って、隆也は心底嬉しそうに笑う。
「ありがとう……じゃ、風呂はいるか」
「うん」
つられたように司も笑みを浮べて、湯船に向かう。
桶でくみ上げたお湯は少し熱めで、勢い込んでお湯に浸かった隆也は、ぞわりと肌があわ立つ感触に声を漏らす。
「う〜、しみる〜」
思わず手足を伸ばして盛大なため息をつく。
「ジジくせーw うわ、ほんとに熱い…」
足を浸した司はなかなか湯船に浸かろうとしない。
「さっさと入れって。でかい風呂に入りたかったんだろ? 」
「うん、まぁ……」
腰を上げてそろそろと湯船に身を浸す司の傍によって、肩を並べる。
「……気持ち良いな」
「うん。こーゆーのも棚からボタ餅っつーのかな? 」
笑う司の顔にある痛々しいアザを見て、隆也はそうだ、と思い出す。
「司。反省してるか? 」
"先生"の台詞に、司は目を泳がせる。
「う……一応、してます。でも……」
「でもじゃない。暴力は絶対にだめだ」
うなだれた司の腰にふと手が回される。隆也の顔を見上げると、笑いを堪えているのがわかる。
「先生? 」
「反省の色がないようなので、お仕置きです」
言うなり司の腰を抱えあげ、浴槽のふちに腰掛けさせる。
「な、何? 何すんの!? 」
慌てた様子の司に思わず噴出し、隆也は司の膝に手を当てる。
「ま、お前の予想どおりだ。司がはずかし〜い言葉でおねだりしてくるまで、いじめてやるからな」
膝を開き間に頭を埋めて、鼻先を濡れた茂みにつっこみ舌を伸ばす。
「こ、これも性的暴りょ、く、うっ……やぁ……」
司の手が軽く隆也の頭を抑えるが、それにかまわず舌を動かす。
温泉の味がする秘裂を舌先で舐め、口をつけ水音を立てて弄ると、次第に味が変ってくる。
「ふぁ……はぁ、は……ん、は……はぅ、んっ」
乱れた息の合間に高い声が混じる。
塩気のある愛液を舐め取り、奥に舌を差込みさらに分泌をうながす。
膝を押さえていた手を臀部や腿に這わせ、つるつるとした感触を楽しむ。
「あ、あっ……ん、や……やだ、ぁ……先生、やだ、やめて……」
口を離すのも惜しく、隆也は答えず舌を動かし続ける。
頭を押さえつけていた手からも力が抜け、声もすっかり女のものに変っている。
ひたすら水音を立てて中央を舐め、膣口に舌先を入れ、陰核の付近をくすぐる。
「……っあ、あっ……そ、こぉ……」
司が身をよじり始める。このままではただの前戯と変らない。
膣口を刺激するのをやめ、陰核に舌をのばし、ざらざらと擦る。
「ひぁっ……だめ、そこ、やぁっ……」
隆也の顔を挟む腿が震える。かまわず、執拗に陰核を舐り、軽く歯を立て、舌で擦る。
「あっ、あぁっ、だ、だめぇっ! だめえぇっ! いっちゃう、よぉっ……! 」
切羽詰った声を聞いて、強く吸い付く。
「あっ、あ……あぁっ―――っ!」
こぷ、と愛液が溢れ、足がぴんとつる。一瞬の後、力の抜けた腿をなで愛液を舐め取る。
「ふぁ、ん、んんっ……せ、せんせぇっ……や、いやぁ……」
イったばかりの身体は敏感に反応し、泣き声が浴場に響く。
「や、だ……先生と、一緒にいく、ぅ……」
言われても、ここで折れては意味がない。
口を離したら司の泣き顔に負けてしまいそうなので、司の秘部を弄ることに集中する。
「やっ、あ、あぁっ、せんせっ……せんせぇの、ちょうだいっ……俺の、アソコにっ……」
この程度なら今でなくても引き出せる。もう少しだ。
- 440 名前:司9-2 ◆aPPPu8oul. 投稿日:2005/10/10(月) 20:40:16 ID:uggFBSrL
- 一人だけ長湯をして頭に血が上ってきたが、かまわず口を動かす。
再び陰核を刺激すると、今度こそ司が折れる。
後ろに手をつき震えの止まらない身体を支えたまま、腰を押し出し泣き声で強請る。
「んんっ! せ、せんせぇの、おちんちん、俺のおまんこに、入れてぇっ……」
高くかすれた、悲鳴のような声の紡いだ淫猥さに、堪えていたものがふきだす。
「司っ……」
ざば、と水面を波立たせてのびあがり、司を抱き寄せ湯の中に引き込む。
「先生、ひどいっ……」
予想通り潤んだ、どころか涙に濡れた瞳を目にすると、さすがに胸を掴まれる。
が、頭と下半身はまったく別のことを言っている。まずは下半身に我慢してもらって、頭の言うことをきく。
「ん、ごめんな……でも、喧嘩はだめだぞ? 」
「わかったから……ちゃんと言ったんだから、早く……」
言い掛けた司の唇を塞ぎ味わい、舌を絡めて、愛液の混じった唾液を注ぎ込む。
目元を赤くした司の喉が動いてそれを飲み下したのを確認して、体を離し浴槽の縁に腰掛ける。
「……ほら、司の欲しがってたもんだぞ」
自分で見るのも気恥ずかしいほどにやる気を出しているそれに、司の視線が刺さる。
「……おいで」
「うん……」
立ち上がり近付いてくる司の股間に目がいく。温水の滴るそこが、まるで違うもので濡れているように見える。
いや、実際そうだった。脚を開き隆也の腰にまたがった司の腿は、糸を引くような粘液に濡れていた。
「は……ぅ、ん……」
隆也が促すより先に、司は腰を揺らし膣口に先端を押し当てる。
「ん、いいぞ……」
びくんと喜ぶ分身が、濡れてひくつく場所に飲み込まれていく。
「くぅ、んっ……は、はぁ、んっ……んんっ……」
息の上がりきった司は、腰を落とすとそれだけで隆也にしなだれかかる。
「ん、どうした?」
「ん……だ、め……力、入んない……」
「……しょうがない、な」
タオルを敷き、繋がったまま司を組み敷く。
「いくぞ……っん……く」
足を抱え上げて、腰を打ち付ける。上気した司の体が揺れて、高い声が漏れる。
ようやく男を飲み込んだ膣は喜んで締め付け、はちきれそうな肉棒全体を刺激する。
引き抜く動きに絡みつく壁を、再び押し分け進む。
「ひ、あぁっ、んっ……あ、ぁっ……」
司の声が切羽詰っていて、性器とは別のところがぞくりと痺れる。
「司……もっと声、聞かせてくれ……」
「せん、せ……ぁ、せんせぇっ……ふぁ、んっ」
口元に手を当てた司は、涙に濡れた目をきつく閉じて首を振る。
「つかさっ……つか、さ、ぁっ……」
「あっ、あ、あぁっ……」
浴場に響く嬌声と水音を聞きながら、隆也はひたすら腰を振る。
びくびくと震える肉棒を打ち込み、頭まで走る快感に息を乱しながら、ひたすら。
「だめ、だめぇっ、せんせぇっ! 」
「んっ、もう……っ」
隆也が強烈な射精感に襲われ、鈴口が膨らむのと同時に、司が悲鳴をあげ絶頂を迎える。
急な締め付けに逆らわず際奥に熱い奔流を放ち、射精の快感に震える。
「っく、は……司……」
脱力しっぱなしの司の脚を下ろし、のびあがって目線を合わせる。
「は、はぁ…せん、せぇ……ん」
司の手が首に回り、頬に唇が押し当てられる。
思わず口元を緩めて、キスを返す。
「ちゅ、ん……今風呂入ったらのぼせそうだな」
「……シャワーにしとく?」
隆也は司の横に座りなおし、腕を引いて身体を起こさせる。
胸に抱きとめた体は滑らかで熱く、それを確かめるように背を撫でる。
「だな。よし、シャワー浴びたらもう一回あったまって…」
「うん……」
ゆっくりと息を整えていた司が、ぱっと顔を上げる。
「だめだ……やっぱ帰る……健に気付かれる。っつーか顔合わせられない」
- 441 名前:司9-2 ◆aPPPu8oul. 投稿日:2005/10/10(月) 20:41:02 ID:uggFBSrL
- もう気付かれてるんじゃないか、とかいうつっこみは心の中にしまっておくことにした。
司は隆也の胸を押し返し、立ち上がろうと膝を突いて、めまいを感じて重心を失い座り込む。
「よしよし。もう少し、な」
頭を撫でられ、司も諦めて目を閉じる。
「……もう少し、したら」
不意に開いた司の口から出てきた"もう少し"は、どうも声のトーンが普通でない。
「うん? 」
「一年半……したら」
その数字が何を示すのか、隆也にもすぐわかった。今高校二年生の司が高校を卒業するまで、一年半だ。
穏やかに、せかさないように、相槌を打つ。
「うん」
「…………やっぱなし。もう行く」
隆也の努力を一蹴して、司は立ち上がる。
「おいおい、なんだよその思わせぶり」
苦笑する隆也に背を向けて、司はシャワーを浴びている。
「知らない。そのうち……ちゃんと言う」
水音に消されそうなその言い方がおかしくて、今度こそ笑いがこみあげてくる。
そのうちがいつになるのかはわからないが、頬のアザが消えるまでに言ってくれるとは思えない。
気の長い話だが、それもいいだろう。
「はいはい、わかったわかった。
あ、そうだ。不機嫌な顔して帰れよ? あの司には田宮でも声かけられないだろうからな」
「……ほんとに不機嫌になってやる……」
宣言どおりむっすりと黙り込んで部屋に戻った司に、声をかけられるものはいなかった。
修学旅行は波乱含みの二日目を終えて、さらに怒涛の三日目を迎えようとしていた。
* * * * *
二日目終了。
怒涛の三日目は怒涛にする予定。まだ書けてないから間あきます。
- 442 名前: ◆aPPPu8oul. 投稿日:2005/10/10(月) 20:41:53 ID:uggFBSrL
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- 443 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2005/10/10(月) 21:57:55 ID:+KvqV0HG
- GJで〜す(^O^)/
ところで今身内以外でバレてるのって
先生
親友
女友達の三人か…
てーか先生はともかく親友と女友達
凄く口固いっすね
現実やったらすぐ広まりそうやけど
- 444 名前:実験屋 投稿日:2005/10/11(火) 00:33:41 ID:b1+jvmO+
- >>アヒル様
ご提供感謝です!!しばらくはネタ集めをして
作品に反映させていきたいと思います。
>>aPPPu8oul様
GJ!!!です。三日目、正座しながら待ってます!!!!
容量が容量なのでこの先の投下は次スレを使用いたします。
- 445 名前:姦理人 投稿日:2005/10/11(火) 01:52:39 ID:kYmibegg
- >>aPPPu8oul様
司9修学旅行2日目を、前回と合わせてひとつのファイルにまとめました。
分けた方が良ければその旨御連絡下さい。
このままで良ければレスは結構です。
ttp://www.usamimi.info/~dansou/ss/tsukasa/04_405.html
- 446 名前:鬼道の末に・零-弐 投稿日:2005/10/11(火) 02:49:28 ID:uSKYUi0U
- 【スレ埋めに投下。色々と失敗したんで一気に埋めさせてもらいます。申し訳ありませんorz
今回は成幸の過去編。鬼畜物な上、男装要素は最後申し訳程度です・・。一応成幸が最初サドだった理由がわかります。】
――あれじゃあオレ、あいつらと同類じゃないか・・・
成幸は過去を思い出した。十年前。まだ彼が八つだったときのことを。
その時期、鬼族と大きな戦があり、城主である成幸の父はたびたび戦に出陣しており成幸が今思い出してる十年前の『そのとき』も
父は野戦に出向いており幼い成幸は母と一緒に城の留守を守っていた。しかし、鬼族、つまり巌は野戦の為
手勢の少ない城に目を付けていた。野戦の軍とは別の軍を密かに城に送り込んだのである。
大規模な軍に対応できる軍力など持ち合わせていない城内は思いがけない事態に混乱し、あっという間に鬼族の軍に占領された。
「おいっ!ここに女とガキがいるぞ!!かっこからしてここの城主の妻子だな。」
成幸とその母、静はわずかに残っていた家臣に少しでも目のつかないところに逃げる様言われ、奥の部屋に隠れる様にしてたが
鬼の執拗な探索に逃れることはできなかった。鬼達は成幸と静を取り囲む。必死で抱き合う二人だったが鬼達は静から成幸を奪う。
「成幸!!か、返してください!!」
「ちきしょー!はなせ!!母上!!母上!!」
静が悲痛な声で哀願し、成幸は鬼の腕の中で小さな身体を必死で暴れさせる。
「うるせえガキだ!!静かにしやがれ!!」
「ここの城のガキってことは生かしとくとやばいな。殺しちまおうぜ。」
そう言って成幸の首筋に刀を近づける。恐怖に幼い成幸は涙を流す。
「母上!!母上ぇ!!」
「お願いです!息子を殺さないでください!!私が、私が何でもしますから!!!」
我が子の危機に静が必死で哀願する。
「何でも?」
静の哀願に反応した鬼達はいやらしい目で静の容姿を確認した。子持ちとは思えない位清楚で若々しく、
童顔で可愛らしい雰囲気の女性。成幸の首から刀が離れる。それと同時に鬼達は静を取り囲み、その小柄な身体を抑えつけた。
「きゃっ!!な、成幸!!」
「母上!!」
成幸を掴み抱え上げる鬼はその手を離そうとはせず、鬼達に抑えつけられた静を見せ付ける様にしている。
そんな成幸を見て鬼達はいやらしい笑みを浮かべながら静の上質で華やかな着物を乱暴に破りつける。
「きゃああ!!いやぁ!!」
悲鳴と共に静の白い肌が露わにされていく。
「何でもするって言っただろ。息子がかわいいならせいぜいおれ達を喜ばせるんだな。」
「・・・成幸・・。」
鬼に掴み上げられている成幸を見つめる静。陵辱されてでも息子を守りたい。
「せめて・・成幸を別の部屋に連れてってください・・。」
自分が陵辱される覚悟はできても息子に凄惨な陵辱の光景は見せたくないと思う親心から哀願する静。
「別の部屋に?あんたが見てなかったら成幸君に何するかわかんないぜ。やりたいのにガキのお守りじゃなー。」
成幸を掴み上げてる鬼がにやつきながら半ば脅す様に言ってきた。母の悲しい哀願は聞き入れられない。
静はこれから最愛の息子の前で犯されねばならない。
「成幸・・・。」
静の悲痛な声に反応した様に鬼達は彼女の着物を見るも無残に剥ぎ取る。
- 447 名前:鬼道の末に・零-弐 投稿日:2005/10/11(火) 02:50:16 ID:uSKYUi0U
- 「おお〜。」 「すげーな、おい。」 「こりゃ予想以上だな。」「幼く見えてもやっぱ子持ちの人妻だけあるな。」
露わにされた静の裸身をいやらしい目で食い入る様に視姦する鬼達。華奢で小柄だが乳房や尻の肉付きは発達していた。
「いいおっぱいしてやがるな。そこのガキや夫に吸わせるだけじゃもったいないぜ。」
そう言いながら鬼の一人が静の乳房を掴む。
「きゃっ!!いやぁ!!」
陵辱者のいやらしい手の感触に思わず悲鳴を上げる静。すると我先にと言わんばかりに鬼の手や舌が静の乳房や乳首に手を付ける。
「ひあっ!!いやあ!!やめ・・ああ!!」
「ひゃあー、柔らけぇ!」「乳首もいい味してるぜ。」「チ○コ挟ませたいぜ。」
静の乳房を成幸の目の前で堪能する鬼達。静の目からは涙が流れている。
「は、母上・・・・。」
成幸も泣き出す。八歳の彼に性行為の知識はなかったが、自分の母親が汚らわしいことをされているのはわかった。
「お前のかーちゃんのおっぱいは大人気だな。お前もちょっと前までよく吸ってたんだろ。いや、今も吸ってんのかな?
ガキだもんな。おれはしばらく楽しめないから、お前、かーちゃんのおっぱいの味教えろよ。」
成幸を掴み上げる鬼がからかう様に言ってくる。その言葉に成幸は怒りを覚えた。
「ふざけんな!!!バカ!!ヘンタイ!!母上に変なことするな!!」
幼い成幸にとっての精一杯の悪口を言いながら鬼の腕の中で暴れる。
「生意気なんだよ!!このガキ!!!」
成幸の抵抗に鬼は怒り、その頬を思いっきり叩く。パァンと大きな音がその場に響く。
「成幸!!」
息子が叩かれた音に静は思わず反応した。
「ふぇん・・。いたいよ・・。母上・・・。」
「ふん、クソガキが・・。いいか、お前のかーちゃんはお前の為に頑張ってるんだぞ。」
そう言って鬼は静と彼女を陵辱する仲間達の方に視線を向ける。その視線に合わせる様に鬼達は静への責めを激しくする。
「ああ!!ひあ!!きゃあ!!」
静が悲鳴と嬌声の混じった声を上げる。乳房への愛撫を続けたまま、それにあぶれた鬼が静の足を広げる。
かつて成幸を産んだ恥部が露わになる。
「ガキ一人産んだ割には狭そうなオマ○コだな。」
そう言って指を女陰に潜り込ませ、その膣壁を掻きたてる。
「いやっ!!!やあっ!!!そんな・・・ああっ!!!」
もっとも敏感な膣内を刺激され、静は更に声を上げる。鬼の巧みな指使いに
子を通した経験を持つ程使い込まれた膣から愛液が流れ出る。
「ガキ産んだだけあって感じやすいみたいだな!そのガキの前でこーんなに汁出しやがって、淫乱な雌だな。」
静の膣を掻きむしる鬼は静を淫乱扱いし、膣壁を刺激する指の動きを更に激しくする。
「ひあっ!!はぅ!!ああっ!!ああっ!!」
静の口から激しい嬌声が上がる。鬼の指で掻きむしられてる膣はその刺激に収縮運動をし、蜜壺から愛液が絶え間なく流れ続ける。
静から絶え間なく流れているのは愛液だけではない。涙も恥部を愛撫される前から流れ続けている。
いやなのに感じてしまう悔しさ。夫以外の、それも汚らわしい鬼畜共に汚される悲しさ。そして何より・・・。
「成幸・・・・・。」
「・・・・・・・・・・・。」
静が見た成幸はさっきとはうって変わっておとなしくなっており涙を流している。まだ頬が腫れている。
殴られた痛みと自分のせいで母が酷い目に遭ってることを思い知らされたことが彼から抵抗の気力を奪ったのだろう。
そんな息子の前で辱められる恥辱。しかし自分の身体で鬼達を悦ばせなければ息子は殺される。
どんなに恥ずかしくてもどんなに辛くても耐えねばならない。静は心の中で改めて悲愴すぎる決意をする。
――どんなことをされても耐えるのよ・・私・・。あの子の、成幸の為・・・。
- 448 名前:鬼道の末に・零-弐 投稿日:2005/10/11(火) 02:50:51 ID:uSKYUi0U
- 「あっ・・・!ひあっ!!あーーーー!!」
静が一際大きな嬌声を上げる。恥部への愛撫で絶頂に達した為だった。
「イキやがったぜ、この女。」「ほんとやらしい雌だな。」「そろそろチ○ポを慰めてもらわねえとな。」
絶頂に達し、余韻と絶望からぼんやりする静を休ませようとはせず新たな責めの為、四つん這いにする。
鬼達の無情な責めに涙する静の前で鬼達は一斉に袴をずり下ろし、そそり勃った肉棒を晒け出した。
「い、いやぁ!!」
その汚らわしさに静は思わず悲鳴を上げる。
「・・・・・。」
成幸はその光景に絶句した。幼い彼にとってその数本の肉棒はあまりにもおぞまじかった。
自分の物とはまるで違う、巨大で醜悪な形態。自分の物もその内あの様になってしまうのかと思うとぞっとした。
「そんな声上げるなんて雌のくせに失礼だな。旦那ので慣れてんだろ。」
鬼達は静の口や恥部に向けて肉棒を突き立てる。
「あ・・・、あ・・・、いや・・・・。」
静が微かな泣き声を上げる。顔を上げると鬼に掴み上げられた成幸が号泣しているのが見える。
――成幸・・・・。
息子を見て悲しみに暮れる静に当て付ける様に鬼達は一気に女陰と口に肉棒を挿し込んだ。
「ーーーーーー!!!」
思わず上げそうになった悲鳴も口内を塞ぎこんだ肉棒のせいでかき消される。
「ひゃあ!!ガキ産んだとは思えねぇ位締め付けてくるぜ!!」「おらっ!!ただ咥えてるだけじゃなくて舐めろ!!」
二人の鬼は静の膣内と口腔内をその肉棒で弄ぶ。あぶれた鬼達は休むつもりはなく静の身体の別の場所に目を付けていた。
「こっちの穴は処女か?」
そう言って一人の鬼が静の菊門を指で撫で回す。ただでさえ不味い肉棒を咥えさせられ、女陰にも挿入され
激しい腰の動きを味合わされてるのに、夫にさえ触れられたことのない菊門を撫でられる。その感触に大きく身体を反らす。
「処女みたいだな。よし、いただきだ!!」
鬼は容赦なく夫の物すら通したことがない菊門にその肉棒を突き挿す。
「ーーーーーーーーーー!!!!」
痛みに悲鳴が上がりそうになるがまたもや口腔内の肉棒にかき消される。代わりに涙がとめどなく溢れた。
「これでおれも初めての男だな。初貫通だけあってすげー締め付けだ。たまんねー。」
性行為に使うなど考えられないと思っていた排泄器官を貫かれ、痛みと悲しさに耐えかねている静のことなどおかまいなしに
鬼は菊門を責め立てる。口腔内と膣内を責め立てる肉棒も治まるところを知らない。箱入りの姫君で
夫との愛のある行為しか知らなかった静にとってこの様な乱暴な、女を踏み躙る乱交が存在するなど信じがたかった。
鬼達の欲望は止まるところを知らない。
「おれ達、口もオマ○コもこーもんもあぶれちゃったからさぁ、せめて手で掴んでくれよ。」
あぶれた二人の鬼が両側から肉棒を突き立て、手で掴む様、静に命じる。静は畳に付いていた片方の腕をゆっくり持ち上げ
ためらいながらも肉棒を掴み、もう片方の腕もゆっくりと持ち上げてもう一本の肉棒を掴む。
「おおっ、やるじゃねぇか!」「旦那のとどっちが大きい?そりゃおれらだよなー。」
ようやく肉棒への愛撫に辿り着けた鬼達はにやにやしながら静をからかった。
「あーあ、チ○ポ慰めてもらうのは後回しか。ま、いっか。ここも愉しめそうだし。」
そう言って残った一人の鬼は四つん這いになった静の下に潜り込み、先程散々弄ばれてた乳房を掴む。
合計六人の鬼畜共が静の身体を持て余すことなく輪姦する。
「あーいいなぁ、あいつら。早くおれと交代してほしいぜ。」
成幸を掴み上げてる鬼は輪姦を期待する無神経な発言をする。さっきと違い暴れる気力のなくなった成幸は
母の無残な姿にただ涙するしかなかった。
- 449 名前:鬼道の末に・零-弐 投稿日:2005/10/11(火) 02:51:24 ID:uSKYUi0U
- 六人の鬼達は静の身体を容赦なく責め立てる。女陰、菊門、口腔、両手、乳房・・。
「んっ・・・。んっ・・・。」
静は声すら出せないまま泣きじゃくる。
――あなた・・・・。成・・・幸・・・。
鬼達に輪姦され辱められながらも静が思い浮かべたのは戦地に身を置いている為、居城や妻子の惨状を知らない夫のことと
今、目の前で自分が輪姦される様を見せ付けられ泣きじゃくる息子のこと。そんな思いとは裏腹に静の身体は
鬼の乱暴な乱交によって耐え難い快楽が生じていた。
「ははっ、ほんとすげー締め付けだ!!こんなぐちょぐちょになりやがって、ほんといやらしい雌だな!!!」
「ケツの穴もさいこーだぜ!!この女の夫も馬鹿な奴だな、こんな名器を使わねぇなんて!!」
「やらしい舌使いだな。よっぽどおれのがおいしいのかな?それとも旦那のがまずかったのか?ぎゃはははは!!」
「指使いもすげーな。こんなにしっかり握るなんておれらのそんなに気に入ったのか?」
「旦那のが掴みがいなかったんじゃねぇの?」「成程な、ぎゃはははは!!」
「ひゃーほんと柔らけぇおっぱいしてやがるぜ。夫に揉まれてここまで柔らかくなったのか?」
鬼達は静をからかい嘲笑いながらその身体を徹底的に蹂躙する。
――やめて・・・、やめて・・・。あの人のことまで馬鹿にしないで・・・。
自分を淫乱扱いする言葉以上に夫を馬鹿にした言葉が辛かった。夫との愛の行為が汚された様な気がしたからだった。
しかしその言葉も汚らわしい肉棒のせいで発するころができない。
「そろそろ限界だな。」「お、おれもだ。」「おれもだな。」「おれもだ。」
「おれもだ。すげーな、この女。五人同時にイカせられるんじゃね?」
鬼達が口々に限界を報告する。その直後五人ほぼ同時にドプッと激しい音を立て射精した。
膣内に、腸内に、口腔内に、両腕に・・・。静の身体は一気に精液まみれにされる。
「うっ・・・、いや・・・。」
今まで味わったことのない大量の精液の感触。夫の物と同じ物とは思えない程汚らわしい感触に思わず号泣してしまう。
「ひっく・・・。ひっく・・・。」
「おいおい、泣く程気持ちよかったのかよ?」「そりゃそうだろ。いっぺんに六人も相手するなんてそうそうないぜ。」
「ははは!よかったな!!もう夫とだけなんてできないだろ!!」
鬼達は号泣する静を徹底的に嘲笑う。鬼達に激しい嫌悪があってもどうすることもできない。
もう泣く気力すらなくぼんやりと無残な光景を見つめるしかない成幸を助ける為には。
「さて、次はどこにしようかな。」「おれマ○コがいいな。」「ずりーぞ!」「まあまあ、ケツの穴も悪くないぜ。」
鬼達は再び静を輪姦しようとしている。
「おいっ!そろそろおれにも替われよ!!」
成幸を掴み上げる鬼が言った。
- 450 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2005/10/11(火) 02:52:11 ID:uSKYUi0U
- どれだけの時間が立っただろうか。静はまだ輪姦されている。何度射精されたかもわからない程に。
今の彼女は膣と菊門に挿入され、更に乳房で肉棒を挟まされながらその肉棒を舐めさせられている。
何人かの鬼は限界がきた為、人数が減っているが執拗な責めはまだ続いている。
「ひゃはは、この女、おっぱいも舌も最高だな!待ってた甲斐があったぜ!」
己の肉棒で静の乳房と舌を責めているのは最初に成幸を掴み上げていた鬼だった。
息子に暴力を振るった鬼畜に息子を育てた乳房を蹂躙される悲しさに静の目からは当初と変わらず涙が流れていた。
枯れそうな程泣いたのに止まらない涙。それは皮肉にも止まるところを知らない鬼達の情欲と比例していた。
「うおっ!!おおっ!!」「くうっ!!」「お、おおっ!!」
鬼達がそれぞれ掛け声を上げ、三人同時に射精する。静の裸体は精液のかかっていない場所がない程だった。
それでもその忌々しい感触に慣れることはなかった。鬼達の肉棒は全員萎えた為、静はようやく解放された。
その場に力なく倒れこむ静。精液や愛液が畳を更に汚した。
「ははうえ・・・、ははうえぇ・・・。うええん・・・。うええん・・・・。」
力なく倒れた母の姿を見て泣く気力すら失っていた成幸が関を切った様に再び泣き出す。
「それにしても最高だったな。」「全くだ。おれ達、城攻めの軍になって幸運だったな。」
鬼達は静と成幸にとどめを刺す様に輪姦の感想を漏らした。すると成幸を掴み上げてる鬼が刀を抜き始めた。
「な、何を!!?」
静がそれに気付くと弱った裸体を起き上げ、驚きの声を上げた。それに構わず鬼の刀は成幸の首に向けられる。
「ひぃ!!怖いよぉ!!ははうえぇ!!」
再び向けられた刀に成幸が悲痛な悲鳴を上げる。
「やめてください!!私があなた達を喜ばせれば成幸を助けてくれるって!!」
「このガキを助けるなんて一言も言ってないぜ。おれら。」
「そ、そんな・・・。お願いです!!成幸だけは・・・、成幸だけは殺さないで!!」
必死に哀願する静を鬼達は抑えつける。
「ほら、母親として息子をちゃんと見届けてあげなきゃ。」
静はにやにやしながら残酷なことを言う鬼の姿が信じられなかった。
「ははうえぇ!!!!」「なりゆきぃ!!!!」
二人の悲痛な声が響くのを合図にした様に鬼の刀が成幸の首に近づいていくそのとき・・・。
ガラッと襖が開いた。その音に驚いた鬼達が開かれた襖の方に目をやるとそこには軍勢がいた。
その先頭にいる一人の男性を見て成幸と静が声を上げる。
「あなた!!」「父上!!」
- 451 名前:鬼道の末に・零-弐 投稿日:2005/10/11(火) 02:52:57 ID:uSKYUi0U
- 軍勢を見て鬼達が顔色を変える。
「ま、まずい!」「勝ち目はねぇ!!逃げろ!!」
鬼達はその場から逃げ出そうとした。掴み上げていた成幸が放り投げられる。
「成幸!!」
静が投げ出された成幸を受け止める。
「よかった・・・ああ・・・。」
受け止めた成幸を強く抱きしめる。そんな静と成幸に静の夫で成幸の父である高茂が近づく。
「あ、あなた・・・。」
夫を見て悲しげな声を上げる静。輪姦が一目でわかる無残な姿。
「すまなかった、静、成幸・・。」
そう言って静に服を掛けると顔を上げ軍に命令した。
「逃がすな!しかし今は殺すな!捕まえるだけにしろ!」
既に軍は逃げる鬼達を容赦なく捕らえていたが、刀や槍を引く。
本当ならすぐにでも妻を輪姦し、息子を殺そうとした鬼達を八つ裂きにしてやりたいところだっただろうが
ただでさえ傷ついている妻子の前で残酷な光景は見せたくなかったという気遣いからした判断だった。
鬼達は多勢に無勢ですぐ全員が捕らえられた。それを見届けると高茂は静の前にしゃがむ。
「・・・静、成幸・・。」
高茂は優しく静の頭を撫でた。
「あなた・・・。ごめんなさい・・・。ごめんなさい・・・・。」
夫の優しい手の感触に静は泣きながら謝る。
「静は悪くないさ・・・。」
「ううっ!」
静はすがる様に高茂に抱きつく。高茂はそんな静を優しく抱きしめつつ傍らで泣く成幸の頭を撫でる。
「ちちうえぇ・・・。ちちうえぇ・・・・。」
父の力強い手の感触に安心した様に声を上げ涙を流す。
幸い、静は妊娠することはなく、静も成幸も少しずつ痛手から回復していった。この一件以来野戦のみの時でも
城を警備は怠らない様になった為、鬼族につけこまれることはなくなった。しかし成長し、戦にも参加する様になった
成幸に普段の彼らしくない変化があった。成幸は鬼達とその内友好な関係を取り戻そうとしていた高茂とは違い
鬼族を根絶させたいと主張した。父の説得で抑えてはいるものの、それでも鬼に対しての憎しみを隠そうとはせず
鬼を拷問する役割を自らかってでてあの離れを造らせた位だった。高茂も妻を陵辱されたことに
全く憎しみがないという訳ではなかったのでその辺は多目に見ていた。
そんな成幸だったが瑞穂を陵辱したことで変化が訪れた。
成長してからも成幸は性行為に興味を持とうとせず極力拒んでいた。跡継ぎ息子がそれでは困ると思った高茂は
性を仕事にしている女性、つまり遊女や娼婦を雇い、成幸を説得して性行為を教えさせた。
成幸は性行為による快楽を味わい、何故鬼達が愉しんでいたのかが初めて理解した。
それ以来やみつきになったが、遊女や娼婦としか関係を持たなかった。恋人や婚約者はまだ作る気にはなれず
陵辱行為もしたことがない。というより瑞穂を見るまでそんなことする気にはなれなかった。
- 452 名前:鬼道の末に・零-弐 投稿日:2005/10/11(火) 02:56:32 ID:uSKYUi0U
- 女の捕虜を捕らえたのは瑞穂が初めてだったし、民間人なら父の言いつけ通り、酷いことはしない様にしただろうが
残虐で有名な鬼の頭の娘で戦にもよく関わってたという話だ。男の振りをしてたとはいえかなりの美貌の持ち主だったので
性に関しても荒れてるに違いないと思い容赦しなかった。強気な表情を屈服させて快楽で溺れさせてやりたいと思った。
しかし、弄んでいく内に成幸の中で違和感が生じていった。演技でも堂に入りすぎている慣れていない反応。
本当は割と早い内から処女なのではと思ったが鬼族への憎しみからそんなはずはないと言い聞かせ
淫乱扱いしながら弄んだ。しかし弄んでいけば弄んでいく程、疑惑は確信に変わっていった。
それと同時に瑞穂への嗜虐心も薄れていった。しかし最後まで陵辱してしまい、瑞穂の純潔を奪ってしまった。
今思うと最初のときとは全く逆の意味で瑞穂と関係が持ちたかったのだと思う。しかし瑞穂を陵辱してたときは
まだそれに気付かなかった。更に言うとどんなに成幸が瑞穂に好意を持っても瑞穂にとって成幸は望まぬ行為を強制し
純潔を奪った外道でしかないのだろう。そんな考えが成幸の頭を巡っていた。純潔を奪われ、拘束されたまま
泣きじゃくる瑞穂の姿が鬼達に輪姦され、自分を見つめながら泣きじゃくる静の姿とだぶった。
――ここは?
成幸は暗闇を歩いている。すると彼の目に二度と見たくなかった光景が目に飛び込んできた。
輪姦される母の姿。その中に一人だけ見覚えのない、いかつい容姿で残虐な目をした男がいた。
――やめろぉ!!!
成幸は叫び、母を助けようとする。その目の前を小さな影がさえぎった。
その影は進もうとした成幸を静止させると輪姦の光景の前に突き進んでいった。
――瑞穂!!
その影の正体は瑞穂だった。しかし十三歳位の姿をしている。もちろん少年の装いだ。
――やめろっ!!こんなことはやめろ!!
瑞穂が叫ぶ。すると静も鬼達も消えたが、成幸の見覚えがない残虐な表情の男だけが残っていた。
その男は嗜虐心を浮かべた表情をすると一気に瑞穂に襲い掛かる。
――!?
――いやぁ!!
成幸が驚くと同時に瑞穂が悲鳴を上げる。その声に反応した様に男は瑞穂の男物の着物を破り捨てる。
――いやあああぁ!!
瑞穂が先程より更に大きな悲鳴を上げる。十三歳の瑞穂も裸体は今とは違い、ふくらみの少ない未成熟な身体をしていた。
男がそんな瑞穂の身体に己の肉棒を挿入しようとしたそのとき・・・。
――やめろ!!
成幸が声を上げた。その声に反応した男は苦しみ消滅した。その場には裸の瑞穂が取り残された。
瑞穂は起き上がると成幸に駆け寄り、抱きついてきた。涙を流し、成幸に感謝の言葉を口にした。
――ありがとう・・・。ありがとうね・・。ぼく・・・。
――ぼく?
まるで年下に対しての様な瑞穂の口ぶりを不思議に思っていると自分の体の状況に気付いた。
今の瑞穂より小さい姿をしていた。それは八歳の姿だった。八歳の成幸に十三歳の瑞穂がすがり泣いている。
不思議な・・不思議な光景・・・。
【今までで最長なのに鬼畜な上男装要素激薄ですみません。これを投下する前の残り容量は489だから残り10近くですね。】
- 453 名前:名無しのアヒル 投稿日:2005/10/11(火) 04:55:09 ID:uSKYUi0U
- 450だけタイトル入れ忘れた・・・。
後、451 「城を警備は」→「城の警備は」
452 「十三歳の瑞穂も裸体は」→「瑞穂の裸体は」
の間違いでした。すみません。orz
ちなみに高茂さんが城に戻ってきたのは運よく城攻めを知っていっそいで引き返してきたからです。
- 454 名前: ◆z1nMDKRu0s 投稿日:2005/10/11(火) 22:02:35 ID:9t8/yB7z
- 成幸も苦労してんだな(つД`)
もうこいつらエロい目で見れない
でもGJ!!
- 455 名前:実験屋 投稿日:2005/10/11(火) 22:07:21 ID:b1+jvmO+
- >>アヒル様
GJ!!!!っす。成幸の過去も分って面白さに
拍車がかかってきましたね。
- 456 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2005/10/11(火) 22:58:45 ID:c9jRG8Do
- 男前だよ、男も女も惚れちまうよ司ー。
見守る隆也も大人でいいなぁ。
続きが楽しみですよーGJ!
- 457 名前: ◆DNhFr3L39M 投稿日:2005/10/11(火) 23:30:16 ID:mR+ftKN0
- >>名無しアヒル様
成幸の過去話GJ!!でした。
目の前で母親がレイープされたら、そりゃ歪みもするなぁw
瑞穂とのエチで真っ当な道に目覚めてくれると良いですな。
ちなみに俺は、鬼道零に出てきた初音が成幸の許婚かなんかだったんじゃ……などと思ったりした負け組。
- 458 名前:R.m.G.ー帰り道ー ◆.Xo1qLEnC. 投稿日:2005/10/12(水) 21:56:14 ID:Bzy1QBV1
- 埋め支援、エロ無し散文投下。
~~~~~~~~~~~~~~~~
木漏れ日眩しい街道添いの木の下で、私達は休憩していた。
クリスは眠っている。
急いで出発したのはいいけど、この子もまだ疲れは残ってるんだろう。
ヒュージリアを出てからそれほど経ってもないのに、こんな事
してるのは私のせいだ。
馬のスピードを出せない私を心配して、クリスが休憩を提案してくれた。
クリスが早く村に戻りたいのは解ってるから、物凄く申し訳ない…。
私だって早く戻りたい。おじさま達の無事を、早く確認したい。
もしかしたら、もう遅いのかもしれないけど…
この不安を断ち切るためにも、早く村に帰りたい。だけど、その……痛くて。
昨夜のいわゆる、しょ…初体験とかゆーののために、歩くだけでも辛い。
馬に乗るなんて、とんでもなかった。
だから、スピードが出せなかったんだけど、それを怪我のせいかと、
クリスに心配されるのが、また辛い。
だって、どんなに心配されても、今は体は見せられないんだもの!
…体中、き、きすまーく…だらけで…
ホークにもう一回、馬鹿と言いたい。いいえ、何回でも言いたい。
…本当は、もっと一緒にいて欲しかった。
始めは、彼の盗賊という職業を毛嫌いして口も聞かなかったし、
かけられる言葉も全部突っぱねてたけど…
それでも親身になってくれたあの人に、気付かないうちに依存してた。
一気にいろんな事が起きすぎて、自分がそれらを恐れていた事にも
気付いてなかった。
やっと自分の中の恐怖心に気付いた時、ホークの事しか考えられなくなって…
自分でも信じられないくらい、大胆な事をしてしまった気がする。
まさか、あんな事になるなんて予想もしなかった。
でも、ずっと一緒にいられないって気付いたら、拒めなかった。
少しでも長く、同じ秘密を共有したくて、眠ってるあの人の体に
真似して痕を付けて来た。
…ずっと、覚えててくれるかなあ…
―何かあったらいつでも来いよ―
帰り掛けにくれた、あの言葉、信じていい?
村に帰って、最悪の事態になってたら…恐くて仕方なくなったら、
また抱き締めてくれる?
膝を抱える腕に力を入れ、身体に残るあの人の体温を思い出す。
この痛みこそが私に刻まれたあの人の存在であり、今の私の支え。
村でどんな現実が待っていても、きっと大丈夫…
クリスが隣で寝返りをうつ。
もう少ししたら、起こして出発しよう。
私は、もう充分元気だもの。
-END-
~~~~~~~~~~~~~~~~
双方の心情が書けないのが、一人称のジレンマで…。自己満スマソ。
なお携帯厨なので、残容量が解りませぬ…orz
- 459 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2005/10/12(水) 22:06:32 ID:4DcEc1fj
- ホークのことを想うリディは可愛いなGJ!!
現時点で残り12kbですよー
- 460 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2005/10/12(水) 22:08:08 ID:4DcEc1fj
- スマン。16kbだった。吊ってきます。
- 461 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2005/10/12(水) 23:01:44 ID:Kg+oAvKn
- あれ?残り4kbじゃないか?
何が違うんだ???
- 462 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2005/10/13(木) 02:18:01 ID:8j3I0+0h
- 512と言いつつ実際は500だからその差じゃないの?
- 463 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2005/10/13(木) 17:27:53 ID:XwSVwFTk
- 盗賊というからアレな訳で、スカウトと呼べばおkですよ!!!1!!!111
- 464 名前: ◆aPPPu8oul. 投稿日:2005/10/14(金) 00:30:33 ID:weH9/BYd
- ぴったりうめられそうなので投下。
独白パクりました。ごめんなさいorz
- 465 名前:独白 ◆aPPPu8oul. 投稿日:2005/10/14(金) 00:31:49 ID:weH9/BYd
- 先生が思ってるより、俺はいろんなことを知っている。
先生が俺のどういう仕草が好きなのか。どういう反応が嫌なのか。
どんなに先生が俺のことを好きなのか。
今がどんなに幸せなのか。
それがいつか消えてしまうってことも、俺は知っている。
どんなに激しくて、熱くて、強固な思いでも、いつかは消えてしまう。
ある日突然形を変えて、そこからは簡単に。
想いなんてものは、時間の波にさらわれる砂の城なんだ。
俺は知識ではなく、それを知っている。
だからときどき、泣きたくなる。
無性に泣きたくなる。
同じベッドで眠りについて、ふと目を覚ますと隣でタバコを吸っているその姿を見ると、泣きたくなる。
手を伸ばせば届くその距離がどうしようもなく遠くて、泣きたくなる。
それでも、泣けばきっと優しく慰めてくれるから、泣かずに目を閉じる。
優しくされたら、きっともう止まらないだろうから、目を閉じる。
俺はいろんなことを知っている。
隣で眠る司のあどけない寝顔を眺めていると、どうしようもない愛しさがこみ上げてくる。
誰かを愛しいと思うのはもちろん初めてではないし、いくつかの恋の終りも経験してきた。
ただ、いままでと違うのは保護者としての目が見せる部分があるところだ。
求めるというよりは、手元に置いておきたいと思う。
甘えて擦り寄ってくるくせに、時折ふと寂しそうな目をするから。
何かきっと大事な思いを隠しているから。
遠くに消えていくタバコの煙を眺めながら、ぼんやりと思う。
これからさき、自分と司はどうなるのだろうか。
半年後。自分は司の担任になれるだろうか。文型コースを志望しているから、その確立は高いだろう。
一年後。司は受験生で、お互いずっと忙しくなるのだろう。今のように会うことも出来なくなる。
二年後。司は大学生で、男装はやめているはずだ。どこか遠いところに行ってしまうかもしれない。
三年後まで考えて、自分の歳を数えなおす。
そのころには自分は三十手前で、司は二十歳。
今は現実味の薄い、結婚という単語がちらつき始める頃だ。
苦笑してタバコを灰皿におしつける。
幼い寝顔は、大人の事情など知らなくてもいい。
ただもうしばらく、自分の手元で笑っていてくれれば。
そして、惜しみない愛を注いで、それを少しでも返してくれれば。
あどけないはずの司の寝顔に、隆也が涙の跡を見つけることはない。
ただそっと頭を撫でて、細い身体を抱きしめる。
先のことはわからない。ただこの瞬間、目の前の相手だけを。
「愛してる」
耳をくすぐるその言葉が、どちらのものだったのかも判然としないまま。
二人は肌を重ねて、深く心地よい眠りへと落ちていった。
- 466 名前:名無しのアヒル 投稿日:2005/10/14(金) 02:25:30 ID:w2Qx5OWW
- >>aPPPu8oul.様
独白GJです!!二人の繊細な心理描写が素敵です!!
>>.Xo1qLEnC. 様
離れてても思い合ってるホークとリディがいいです!!
続編きたいしてます!
>>457のDNhFr3L39M様
考えもつかなかったです・・。でも成幸とではないけど許婚ネタ、話の展開的につじつまが合いそうなので
使わせてもらおうかなと思います。
これで500埋まったと思います。
- 467 名前:名無しのアヒル 投稿日:2005/10/14(金) 02:27:22 ID:w2Qx5OWW
- うわっ!しまった。余計な余白が・・・orz
- 468 名前:名無しのアヒル 投稿日:2005/10/14(金) 02:40:57 ID:w2Qx5OWW
- 版権物 二作 現代・学園物 十作 そのうちレズ 二作 洋風・ファンタジー 三作 中華物 一作
和風物 四作 そのうち三作が自分の・・(苦笑)
合計二十作
集計してみました。現代・学園物が圧倒的ですね。和風が吉良ークイーン以外自分のしかないのが悲しいですね・・。
- 469 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2005/10/14(金) 03:12:56 ID:R3v0MxjS
- 和風か〜。
ずっと前に上がってた剣術師範モノとか、良いなあ。
- 470 名前:名無しのアヒル 投稿日:2005/10/14(金) 03:22:18 ID:w2Qx5OWW
- 実は道場物も書いてみたんです・・。ただ、男装少女が師範じゃなくて前レスで話題に上がってた
転校生ネタな設定にしたんですけど。
- 471 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2005/10/14(金) 05:18:13 ID:jDKihiLp
- アヒル氏>
まとめGJです。
こうして見ると和洋中現代となんでも揃ってるんですねー。ご馳走様です。
男装少女の萌えの力には時代も国境も無いんですね(笑)
あとまだ書かれてないジャンルってなにがあるんだろうなぁ……。