終幕フェイズ/詩玲音

GM 終幕フェイズ。詩玲音ちゃんからだね

詩玲音 茅乃は井上家の地下に勾留しておきます

茅乃 魔女騒動の時のように烈火のごとく騒いだりはせず、大人しく繋がれてますよ

詩玲音 ピチョーン、ピチョーン(水が滴る音)
「どうっすか? 落ち着きました?」 トレイごはんを差し出して

茅乃 「…… ……ええ」動かない片足だけ伸ばし、体育座りでもしてじっとしてました

あんり この女、どうしてくれようかしら

詩玲音 あんりちゃん……?

里奈 「井上家の地下牢……久しぶりに来たよ」入ってくる。

詩玲音 「こいつどうします? いつまでも拘束しておくのも予算の無駄なんすけど」

里奈 「さんくちゅありに協力を仰ぐのが筋ではあるんだけれど……彼女の振る舞い次第ではあるね」

詩玲音 「どうっす? 反省してます?」 パイプ椅子に座って茅乃氏に向き直る

里奈 「そもそも、どうしてフォロワーになったか、だよね。アザラシの女王のときも、文化祭のときも、今回も」

詩玲音 なんでだっけ……?

里奈 カード使いに便利だからか?

茅乃 色々……色々あった茅乃は、もう抵抗の意思も高飛車な態度も見る影はありませんね。多分今回操られてあんななってた反動です

あんり まああれだけ恥をかいたもんね 当然だよね

茅乃 おいジャンガリアン!

詩玲音 ステイッ

里奈 「報告を受けている範囲では……」ちらっと詩玲音を見て「キミは魔女に協力する理由があったからだと聞いてるけど」アザラシのときは

茅乃 「…… ……そもそも……」膝に顔を半分埋めて
「……わたくしは、そもそも……狩人になれなくて……」ぽつぽつ 整理が自分でもついてないので遡るように
「どれだけ頑張っても、お金をかけても……才能は、変わらなくって……」
「才能がないから、だめだった…… ……だって、わたくしがなりたかったのは……」
「……わたくしは……昔、助けてくれた狩人みたいに……なりたかったのに……」
「才能があって……なんでもないように戦えて…… …… ……」
顔をそのまま俯かせて、表情がみえなくなります

詩玲音 (顔を見合わせる)

里奈 (見合わせる)

あんり 文脈から誰だか察した?ちゃんと察した?

詩玲音 さすがに察しました
「もっとこう……あるでしょ……」顔を覆う

里奈 「人の心につけいるのが魔女だからね。願いや、想いが、それだけ強いということ」

茅乃 「……それだけ、それが全部……」

詩玲音 じゃあしばらく考えたあと……おもむろに立ち上がって。拘束されたままの茅乃を蹴り飛ばします。

里奈 「詩玲音!」取り押さえようとする

詩玲音 「構ってほしいんでしょう? いくらでも構ってあげますよ。こんな風に」

茅乃 じゃあ衝撃でそのまま後ろの壁にぶつかります ごすん

詩玲音 取り押さえられながら唾を吐きかける。

茅乃 「ぐっ…… ……、ぅ……」むせたりはするし苦しがったりはしますけど、抵抗はしませんよ

詩玲音 「知ってました? ボクは弱っちいやつを甚振ったり手篭めにしたりするのが大好きなんですよ」

あんり 「…………」 とばっちりに言葉を失ってる小さいのもいますよ。

詩玲音 「なんですかその負け犬みたいな格好は? 犬ならせめて吠えたり噛み付いてみたらどうです?」

茅乃 「……けほっ…… ……それが、何になるというのよ……」
「……知っていますわよ、そのくらい……でも…… …… ……それで失望できるなら、こうはならなかったのに!」
!はついてるけど声自体はか細いですわよ

里奈 「……憧れを抱くのは重要なことだ。そうした尊いものがなければ狩人は務まらない。
 キミは狩人にとって必要なものの一つを確かに持っていた。だがそれを持っていたが故に、道を誤ったんだね」
モブになれないくらいに意志があり、狩人にはなれないくらいに強くなかった。

詩玲音 「……離してください、里奈先輩」

里奈 「手を出してはだめだよ」 離す

詩玲音 「ええ。これ以上は靴が汚れますからね」
「勝手ばっかりっすね。魔女も人間も」
「……そいつの処遇は先輩に任せます。野に放つなりさんくちゅありに預けるなり、お好きにどうぞ」
足早に地下を去っていきます。

里奈 「キミはどうしたいのかな。狩人をあらためて目指すつもりはある? それとも想いにケリをつけて、新しい道を?」

茅乃 「……今の通りですわよ。……諦められたら、こうはならなかった」
「……だけど……」
「今更……ずっとダメで……挙句に、魔女にこれだけ使われて、どの面下げろって……っ!」

里奈 「なるほどね。それ相応の処遇なら、純潔騎士団での会議にて、一つ決まっていることはある」
「キミはこの六分儀市から出なさい。そして大人になるまで、戻ってこない。ま、言ってみれば追放だね」

茅乃 「……昔と同じですわね」

里奈 「幸いキミのお家は立派な家だから、余所で高校に行くことはできるだろうし、そのまま大学にだって行ける」
「感情に決着をつけるのはキミの仕事だ。それは私の役割でも、詩玲音の役割でもない」

茅乃 「…………分からないわ、わたくしにできることなんて……」 そう言いますけど、否定はしませんよ

里奈 「それをちゃんと引き受けることが……キミが受ける罰だ」

GM 地下牢からカメラは離れ

詩玲音 井上邸の庭まで出てきます

里奈 里奈も、地上に出てくる。「茅乃は、六分儀市から追放する」

詩玲音 「そう」振り返らずに小さく答える。

里奈 「この一連の事件で、随分と変わったね。……元々のキミも、よく知らなかったけれどね」
最近、冷え込んできた。重く色彩に欠けた空を見上げる。

詩玲音 「ボクはいつもどおりっすよ。多分ね。少なくともいつもどおりであろうとはしてきたつもりですけど」

里奈 「そうかい? そうならきっと、そうなんだろうね」

詩玲音 「そうっすよ~。いつだって高校一年生のかわいいかわいい後輩系キャラっすよ~」

里奈 「そうそう、そういう感じだった」

詩玲音 「それだけでいいじゃないっすか。ねぇ?なんでそれ以上のものをボクに求めようとするんですかねぇ……?」

里奈 「高校一年生にしては、達観した振る舞いをするから、つい忘れてしまうけれど……それはよくないことだな」
「キミは十分よくやってる。この上なく、誰よりも」
「日野子先輩が亡くなって、井上家の期待を背負って、あんりちゃんを守って……私もキミに助けられてきた」
「ちょっと……甘えすぎていたくらいだ。ここまで一緒に戦ってきてくれて、ありがとう。詩玲音」

詩玲音 「…………。」
「みんな頼りないっすからね~。ちょっと余計に張り切りすぎちゃったかもっす!」
「里奈先輩にしてはいい心がけっす! もうちょっとみんな詩玲音ちゃんのことをうやまえばいいっすよ」

里奈 「詩玲音ちゃん最高~、詩玲音ちゃんすごーい」棒

詩玲音 「ひかえおろ~ひかえおろ~」
「今日はお世話になったっす。それじゃ、また学校で」
微笑みを見せて井上邸を去り……ちらちらと雪が降り始めます。

里奈 「うん。じゃあね」去る後ろ姿を見送りながら、空を見上げる

詩玲音 秋の終わりですね

GM 井上邸から帰宅した詩玲音ですが……その間に日紗子さんが来て待っていたようですね。例のアイテムを頂きます
挑戦ハード 窮乏で12点で2個手に入りますね。これで3つ、あと1つで完成します
散水機・聖水・鏡 最後に儀式用の聖剣とかそういうのがあるらしいです
空いてたマスに聖水と鏡のイラストが嵌って、キラーンッ!

詩玲音 カシーン

GM 流れるメインテーマ

詩玲音 残り 1 つ


終幕フェイズ/里奈

GM では、里奈先輩のシーン。依頼について話すなら、学校の応接室ですね

里奈 応接間に座っている。初めて座ったときは緊張したものだけれど、今となってはもうなれたものだ。

開花 私もいるわね。合間に事務的な話を挟んだり、まあ基本的にはお好きにどうぞ!

里奈 「というわけで、今回の顛末は以上です。魔女は無事討伐できましたし、人的被害は……遊園地の方では、とくにありませんでした」

相槌を打ちながら、しっかりと伺いましょう

里奈 「巣くっていた魔女は、これは私見ですけれど、それほど邪悪なものではありませんでした」
「言ってしまえば、善良な魔女です。いえ、魔女というのはすべからく邪悪なものですが……悪意はなかった」
「楽しく遊ぶほど、帰るのが名残惜しくなる。もっとずっとこうしていれたらいいのに、と思う」
「そんな思いが形になったような魔女でした」

「……そうなの、でしょうね……。私も、魔女がどういう存在かは聞いていたけれど……」
「きっと、あなた達はとても辛い事をしているのね。……それでも、果たしてくれた」
「その魔女を、終わらない夢から醒ましてあげた。……ありがとう、狩人さん」
手を握って頭を下げます

里奈 「どうもありがとうございます」それに応える。

それから、暫く礼を伝えた後……
「もう一度、聞かせて欲しいの。……その魔女は……どんな人だったの?」

里奈 「一人は、マフラーを巻いた、おっとりとした女性でした」

「……」

里奈 髪は形までで、赤みがかかり、少しだけ跳ねていて、ロングスカートで……
「魔女じゃなかったら、あんなお姉さんがいたら、いっぱい甘えたくなるでしょうね」

「…… ……そう。そうなのね」少し、遠くを見るように
「……重ねて、お礼を言わせて。ありがとう、か……いえ……三ヶ月さん。……彼女を、夢から醒ましてあげて」

里奈 知り合い? と思ったけれど、言わないでおく
「どういたしまして。……久しぶりの遊園地、すごく、楽しかったです」

そうして、開花に二三話し……預けて置いた件のチケットのことですね
この場で渡すのもなんなので、後で開花が渡すでしょう

里奈 わーい

「ええ。そう言っていただけると、嬉しいわ」微笑みます
「出来れば、ゆっくり楽しんで欲しかったけれど……うふふ。楽しい事は、遊園地だけではないものね」

里奈 なんだかんだいってだいたい乗ったしなんならホテルでも泊まったぞ!とは言わないでおく

「月並みな言葉だけれど、あなた達のこれからに、たくさんの楽しい事が待っていますように」

里奈 「ええ、楓さんも。……あの魔女は、大人も童心にかえって、楽しんでほしがっていましたから」

そうして、お礼と、あなた達の幸せを祈って……そして…… 去り際に、小さな、穏やかな声が聞こえたかもしれません
「今まで、お疲れ様。……お姉ちゃん」


終幕フェイズ/いつか

いつか あの後、朋美さんをお寺に帰して……まあ、お寺にも報告とかしたわけです。

GM 和尚他坊主達が出迎えてくれるでしょう。小さな外傷はありましたが無事だったのでお礼を言われますよ

いつか それから、復学することにしました。
今回の狩りで手応えを感じたのもあり、ちょっと考えるところもあったので

GM 経験点10は達成してた筈なので、データ的にも悟りというか、仏の道に思う所はあったようですね

いつか また寮に戻って、そこから学校に通い、放課後、予定がなければお寺にお手伝いと修行に行く……
そんな感じでしょうか?

GM 良い感じのサイクルが出来ましたね。休学してケアしていた甲斐がありました

いつか まあ、これからはそんな感じの生活になるわけですけど
遊園地の事件から数日後。私はお寺に預けていた荷物を、寮のほうへ運ぶ事にしました。
学校の手続きとかでごたごたしていて、ちょっとなかなか引き取れなかったんですね。
それで、今日なんとかしたかったんですけど……里奈先輩にも手伝ってもらいたいな~

里奈 もちろん行きます

いつか ありがとうございます!
それで、時間的にはもう夕方。あらかた荷物は運び終わって、あとは少し大きな家具を受け取るために寮の部屋で待つぐらいです。

里奈 「なんとか夜までには済んだね」

いつか 「お忙しいところ、すみません。ありがとうございました」
里奈先輩はもう帰っても構わないのですが、お疲れでしょうから少し休んでいってもらおうと思いました。
「えーっと……」お茶を入れます。
「お茶菓子、確かあったはずなんですけど」ダンボールを引っ掻き回す

里奈 「いやいや、騎士団の方の引き継ぎもおおよそ済んだし、それほどだよ。何より、いつかちゃんの頼みだからね」
のんびりとそれを見てます。

いつか 「本当に助かりました……あ、あった!」 にこにこしながら、お茶請けのおまんじゅう(つぶあん)を持ってきます。

里奈 「その格好でおまんじゅう持ってるの、似合うね」

いつか 「えへへ……暫くこの格好でいたので、慣れてしまって。帰ったら最近はいつも、この服です」
自分も小さいちゃぶ台に落ち着きます。手元にお茶とおまんじゅう。

里奈 「いつかちゃんは何を着てもかわいいからね」ずずず……とお茶を飲む

いつか 照れ笑いしながら、おまんじゅうにかぶりつき……
「あの……里奈先輩、少し聞いてもらいたいことがあるんです」

里奈 「ん、なにかな」

いつか 「……少し、真面目なお話というか……どうしても、里奈先輩にはお話しておかなければいけない事というか……」
難しい顔になります。先輩は、実は今日自分が呼ばれたのはむしろこちらが本題であったと察しても構いません

里奈 「何でも聞くよ」 もともと姿勢のいい里奈ですが、改めて座り直します。

いつか 「学園祭の時の事です。私が里奈先輩の家を飛び出す前……」

里奈 「……うん」あのときの自分の体たらくを一瞬思い出しますが、今は忘れます。

いつか 「あのときの事、あれから里奈先輩は誰かに……?」

里奈 首を横に振る。

いつか 「私が、魔女『強く儚い者たち』と戦って……その時に何があったのか」

里奈 お茶を飲もうとして、手を止める。

いつか 「……里奈先輩からそれを聞かれたとき、私は……私は逃げ出してしまいました。里奈先輩が私を”許す”から、と」

里奈 「……そうだね」

いつか 「でも……この一ヶ月、修行を続けて……そして、遊園地で魔女と戦った時、里奈先輩とお話してみて……」
「やっぱり、話しておくべきだと思いました」

里奈 「うん。私も聞きたい。私も……向き合うよ」

いつか 「……ありがとうございます」
そこからは、そうですね……ありのまま。あったことを話します。
里奈先輩に化けた強く儚い者たちとあんなことやこんなことをした事。
その後、魔女の操る人形たちに……それは私の欲望の具現で……
「……それが、あの日あった事のすべてです」

里奈 すぐになるほど、とか言いがちな里奈ですが、しばらく言葉に出来ないでいます。

いつか そうですね。冷めたお茶に視線を落として、言葉を待ちましょう。

里奈 「……ずっとそれを、背負ってきたんだね。いつかは」
「誤魔化さないで、この一ヶ月、戦い続けてきたんだ。……よく頑張ったね」

いつか 「里奈先輩……、いいえ……私は逃げただけです。でも、戻ってくることができました。それは里奈先輩のおかげです」
「遊園地で里奈先輩と一緒に戦って……言葉を交わして……」
「それだけで、前向きになれた……たったそれだけで。だから」
「だから、里奈先輩の、私への想いを裏切りたくなくて……私自身、幸せになる事を諦めたくなくて……」
「一歩、前に進もうと思ったんです」

里奈 「……ありがとう」
「一つ私から添えるならば……。逃げることも戦いだよ。距離をとって、目を背けて、今をやりすごそうとする。
 そうすることも悪いことじゃない。それはキミにとって、必要なことだったんだ」

いつか 「……はい。それも確かです。この一ヶ月のおかげで、得る事もたくさんありました」
「ただ……いつまでも逃げ続けることはできません。今は、その事も理解したつもりです」

里奈 「……強くなったね」

いつか 首を横に振ります。
「もっと……もっと強くなります。里奈先輩に、二度とあんな顔を……させたくありません」

里奈 「強くなろう。私も強くなるよ、もっと」

いつか 「はい」

里奈 「……キミの、文化祭のときの話を聞いての、私の素直な気持ちを言おう」
「正直に言えば……私はキミを、誰にも渡したくはない。誰にも汚されてほしくない」
「私だけのいつかでいて欲しい。それが、私の一番……素のままの想い」
「けれど、私だってそんな単純じゃない。色々な考えや想いが、私の中にはある」
「私だけのいつかでいて欲しいという気持ちがある一方で……キミのする全てを許す私もいる」
「キミがキミでいるだけで、それだけで……別に私なんかどうなったっていいと思う私がいる」
「そして……キミがキミ自身を許さない、その気持ちを尊重したい私がいる」
「だから、一言で言い切れないけれど……ただ私はキミのことが好きだし、大切だと思う。それは、変わらないから」

いつか 「里奈先輩……私も」里奈先輩の手に触れます。
「大切です……里奈先輩の事が。世界で一番」
「私からこんな事を言うのも、おこがましいんですけど……」
「私を、信じてください。その事が、きっと、私にとって……力になります。私が、私としているために」

里奈 「わかった。信じるよ」

いつか 私のほうから、顔を近づけ……二人の影が重なりながらフェードアウト。

あのとき――
私は自身の煩悩より生まれる苦から逃げた。
でも、苦を受け入れ、向き合わねば、菩提の心を得ることはできない。
そして菩提の心なければ、いずれ煩悩に屈することになる。
里奈先輩を傷つけてしまうから遠ざける……というのは、すでに心が私自身の煩悩に負けている証なのだ。
そんな事では結局、いずれ何かの拍子に、里奈先輩が見ていないところで里奈先輩を裏切る事になるだろう。
だからこそ、私は里奈先輩とともに生きる必要がある。
里奈先輩を傷つける事を恐れるからこそ、
里奈先輩とともに生きて、常にその煩悩を意識し、苦しまなければならない。
その苦しみこそが、煩悩に抗う心を生むのだから。
……

いつか? 「……とーか、考えちゃってる~?」
「えーっとなんだっけ? 『煩悩の薪を焼いて菩提の慧火現前するなり』ってやつー?」
「『煩悩即菩提』。考えたもんよねぇ、昔のヒトって。日蓮さんだっけ。煩悩具足の凡夫に対する答え、みたいな」
「確かにねー、あのまま逃げててくれたほうがこっちもラクだったんだけどさ~~、はー残念残念」
「けどねー。このまま、引き下がると思ってる? そんなワケないでしょー」
「せいぜい、そうやって良い気になってるといいんじゃない?」
「だって、昔から聖職者が悪魔に誘惑された例だって、腐るほどあるんだから」
「ね? チャンスはまだまだ……うふふ♥」


終幕フェイズ/未檻

未檻 あの後どうしたかっていうと、まあ、いつかに朋美を任せてD7に帰ったんだよ。
そこからずっと、沈黙を保っている。朋美とも何も連絡してないけれど……朋美はどうしてる?

GM 朋美は、そうですね……どうしてるんだろう……?
まあ、でもまた面会の日やお出かけの日になったら来ますね。それ以外は今まで通り修行を続けます

未檻 じゃあ、面会の日だ。その日、朋美がD7に行くと、面会謝絶を告げられる。
魔女との戦いが予想以上に厳しかったから療養中とか何とか……。受付嬢が淡々と告げるだけで、それっきり。
外傷なんてほとんどなかったはずなんだけれど。

朋美 がーん…… とは、言いませんわね。むむ……
出来ることもありませんし、帰りますけれど…… また来ますわね、と伝えておいてもらいましょう

未檻 うむ(ナレーション未檻)。そこから寺に帰る途中だ。
まあ、なんてことない……吸血鬼やモノビーストや魔女が出たってわけじゃないんだけど。
ただ、他人とすれ違っただけ。その他人が、少し他人とは思えなかっただけ。

朋美 むむ?
「……」すれ違ったのなら、はっとして振り向きますけど

未檻 では、その視線の向こうの……少年は、その気配にはっきり気づいたらしく、肩が小さくはねる。
ただ、朋美の方へ振り返ったりはしない。"わかっていたけど、他人のふり"をしようとしていたんだ。

朋美 …… ……うーん、そうですわね……

未檻 少年はそのまま早足で、何事もなかったかのように立ち去ろうとする。

朋美 「……そこのお方」では、改めて向き直って呼び止めますわよ

少年 「…………」 少年は黙っている。

朋美 ……では、そのままゆっくり追いついて、肩を叩きます

少年 「……っ」 動けないまま。立ちすくんでいる。

朋美 「あなたです。……分かりますわよ」これで人違いだったらどうしましょうね

少年 ……うん。人違いじゃない。
いや、背は以前より高いし、髪も黒くて短くなっている。普通気づくはずもないんだけれど。
「……と、」 発される声は、ずっと低い。

朋美 反応……直感……それと、この妖精眼
「……未檻さん、なのでしょう?」

未檻 「…………なんで」
「なんで分かったんだ……」 信じられない、といった表情。

朋美 「何故、というと、それを問いたいのはわたくしもなのですけれど……」
「……先にお答えしましょう。わたくしは、あなたのお目付け役だからです。……これまでも、これからも、どうなっても」

未檻 「…………。……。そうか。……」 戸惑いながらも頷く。「ごめん」

朋美 「分かったのなら、良いのです。……それで……」
それで…… 言いかけて、どこから聞けば良いのか言い淀む。少し考え……

未檻 「……」 そうだな。話をするのなら、座れる場所へ運ぼう。
といっても……人目のつく場所には行きたくない。さっと抱きかかえて(俵担ぎじゃないぞ)……

朋美 「……ええと……! あ、ありがとうございます」抱えられるのには慣れてきましたね

未檻 「……朋美がその道を往くなら、俺にも、話すべきことが沢山あるから」
路地の裏側へ。室外機の上に座らせる。

朋美 「ありがとうございます」大分人目につかない所きましたね。
「……改めまして……まずは……その、お姿は……」

未檻 「……ああ」 うーんと考えて「……朋美なら……予想はつくんじゃないかな」
「全部覚えてたら……だけど」

朋美 「ホテルでお話したことは覚えています」
「あの時は、何もありませんでしたが…… ……そう、なのですね……」表情は曖昧 感情もなんとも言い難い

未檻 「そう。あの後、D7に戻ってすぐに症状が出たんだ」
「俺は魔女に唆されてからずっと"魔法少女形態"だった。それが、解けて。次に……これが現れた」
右のグローブを外す。赤みがかった手が現れる。肉が歪み、二本の刃に変化する。カチ、カチと、金属を鳴らす音。
【獣は檻から解き放たれた】

朋美 「……!」変化してることは予想付いてたけど、びっくり
「…… ……あの……」一瞬、言い淀んで……えーと

未檻 「おあつらえ向きな力だなと思った。……内面が影響すんのかな、これ」

朋美 「…………体液、とは……違うのですね」
「……いえ、それよりも。……本当に、こうなるとは……」

未檻 「お揃いだったらよかったな」

朋美 「……D7に戻ったということは、検査も受けたものと思いますが」
「もう、完全に元……いえ……接触者に……?」

未檻 「うん。魔法少女性は失われたんだとよ。色々難しいことを話されたんだけど……」
「分かったのは、もう接触者として、獣性をおさえて生きていくしかない、ってこと」
ちなみに、俺を魔法少女にしたのもはじまりの魔女由来だったのだ。(収束させていく)

朋美 許せませんわね、はじまりの魔女

未檻 鋏は閉まう。人目を気にしつつ。……誰も見てないな。

朋美 はい。……取る表情も、未檻さんの頃とはかなり変わりましたわね
「…… ……これからも、D7に?」

未檻 首輪に手を添え、頷く。
「"魔法少女になってからマシになった"って言われたぐらいだ」
「……あれで"マシ"なんだ。枷がないと落ち着いて動けねー。朋美がそばにいるのなら尚更だ」

朋美 心の中では……落胆の気持ちもあるかもしれませんわね
自分のせい?かといって、それは厳密には違い、気持ちを表に出せば未檻さんをいたずらに苦しめることになり……
……それに、何より本当は……こうすれば、未檻さんは ……という、心の奥底で抱いていた願い
気付かないうちにそれは成就させられ、しかし、何にもならなかった。どころか、未檻さんにとっての状況は悪くなったのかもしれない

未檻 「……あ、俺はその」 表情に暗い色が差したのを察して。
「朋美に酷いことをするつもりはないからさ。もう……もう絶対……」

朋美 「……えっ、あ、いえ」こちらも、困らせてしまったのかと手をぱたぱた
「……はい。未檻さんがそうならないように、これからは目を離しません」
改めて、こほん。……ともかく、わたくしがぐるぐると考えていても何にもならないでしょう
「だから……」右手の袖を掴みましょう 「……今度は、面会謝絶なんて、言わないで下さいね」

未檻 「ごめん。だ、だって、今は、こんな……いきなり……」 小声
「他の皆にもどう言えば……」 小小声
蓋を開けてみれば、羞恥心やら常識やらを覚えた未檻……といった感じ。

朋美 ……手を引いて、握りましょう。事態は何も変わってませんけれど、その様子に少しだけどこか安心を覚えます
「大丈夫……とは、簡単には言えませんが……」
「けれど、もう分かってしまったわたくしがいます。皆さんには、一緒にお話ししましょう!」

未檻 「ああ……気まずい……」朋美を再び抱きかかえる。
わざわざご足労頂いたんだから、俺が送ってやらないと。

朋美 「こんなことを言ってはなんですけれど……その……」すっと抱きかかえられる
「……ちょっと、逞しくなりましたわね」
「前より、景色が高いというか……あ、いえ、何をのんきな、と思われるかもしれませんが……」

未檻 「……。……かわいい俺様のほうがよかったかな?」

朋美 「……う、うーん…………その、お恥ずかしいのですけれど……」
「……どちらが、と言われると、わたくし……かわいいとか、かっこいいって、実は、その……よく分かっていなくて……」
「未檻さんが基準だったので……その……」もごもご
「……ともかく、未檻さんは未檻さんですから。今でも、世界で一番かわいいとおっしゃれば、一番かわいいですわ」

未檻 ……てれてれしている。「そ、そうか、まあ、悪い気は、うん……」そのまま、寺のほうへ。

朋美 まずは、いつかさんですわね

未檻 重い今後を憂いつつ、ちょっと照れくさくなりつつ……フェードアウト。


終幕フェイズ

GM 終了!導入の点数は……詩玲音12点 未檻2 いつか10 里奈10
勝利二回で全員に10。幸福破壊と修復で未檻くんは6

いつか LVUP!

里奈 長い夢から醒めて新たなステージに立ったよ。

未檻 がんばります!

GM 「さよなら、ワタシのリウメワールド」おしまい