導入フェイズ/惨殺シーン

GM (ぱらぱら、漫画の頁が捲れる音。)

GM 夕焼の河川敷で向き合う、学生服の男女。
青年は、視線の向こう側にいる、金髪の活発そうな少女に、ほんとうの想いを告げる。

布田 雄二 「俺、やっと気づいたんだ……。ずっと顔合わせればケンカばっかだったお前のことが、今は、こんなにも愛しいんだって……」

本田 メイ 「……雄二……」

布田 雄二 「好きだ、メイ!世界中の誰よりも、お前のことを愛してるッ!」

本田 メイ 「雄二……あたしも……あたしも、アンタが好き……ッ!」

GM 二人は抱き合い、熱いキスを交わした。
カメラはそっと遠く離れ……橋の更に向こう側に佇む、黒髪の少女を映す。

当宮 真奈 「…………二人共、おめでとう。……幸せに、なってね」

GM ——少女は涙を拭い、その場をあとにした。
『スキキス~完~』

GM (ぱらぱら、漫画の頁が捲れる音。)

少女 「…………」

GM 夜の港で、海を眺める女の子。
黒い髪を黄薔薇で留め。その瞳には、キラキラと儚い水面を宿している。

少女 「誰よりも長く、深く、想い続けても……いつか、空から降ってきた天使に、大切な人を奪われてしまうの」
「あなたもそう。想いを届けられずに沈みゆく貝にすぎない」
「ずっと好きだったよね。振り向いてほしかったよね」
「何度も期待して、その度に胸が張り裂けるような気持ちになって」
「でも、そんな気持ちをあの人に伝えるわけにはいかないから、独りぼっちで泣くしかなかった」

GM ぎゅっと、魔女の杖——身投げ石の矛——を握りしめる。

魔女 「もう遅いかもしれないけれど——わたしが届けてあげる」
「想いを伝えてあげるよ」
「あなたのその身に収まらない、とびっきりの愛を」

GM (漫画の頁が破れる音。)
(暗転。)


導入フェイズ/詩玲音

GM でね、導入シーンですが……特に立候補がなければ、詩玲音ちゃんからいこうかな~とおもいます
2月14日、Happy Valentine Day。六分儀の街中はどこを見てもバレンタインフェアの真っ最中。

詩玲音 一番縁のなさそうなキャラが一番手!

GM 本日は放課後、いつもの魔女狩人たちでD7に集まって、魔女対策会議兼バレンタインチョコパが開催される予定なんだけれど……
詩玲音ちゃんはそんなかったるいイベントに参加するんですか?

詩玲音 え? しないけど?

GM ですよね。真っ直ぐ寮に帰っていいですよ。

あんり (ハイパー不服そうな顔)

詩玲音 「これ以上チョコパと言う名のアベックどものノロケ空間に居続けられないっすよ~」

あんり 「信じらんない……こんな……わくわく女子会に不参加だなんて……」

詩玲音 「まだ交通量調査のアルバイトでもしてたほうが有意義に過ごせるっす」

GM そんなこんなで、きみは六分儀市マップから寮をタップします。D7のあたりにみんなの顔アイコンが重なってるのにガン無視。

GM ~寮~
帰ったら、詩玲音ちゃん宛に速達の小包が届いています。

詩玲音 お届け元は?

GM 日紗子さんです。

詩玲音 ちっしょうがねえな
開けます 多分魔女狩り系のなんかでしょ……と思っている

GM 開けてみたら、そこにあるのは赤い刀身をもつ妖しげな剣。

詩玲音 えっ武器

GM そう、先日正月の魔女を倒した功績を認められ、最後の神具を頂いたのです。

詩玲音 「手強い魔女だったっす……」

あんり 「脅威の三が日だったね……」

詩玲音 ~永遠と正月が繰り返され、永遠と琵琶湖の周囲を走り続ける駅伝選手たち~
~ラウンドごとに七草を切り替えて戦う魔女~

GM 散水機、聖水、鏡、儀式用の聖剣。これで全てが揃ったのですが……
同封の手紙によると、最後の神具である聖剣は、魔女の血を使用したものであり、乾いて日が経つとみるみるうちに効力を失ってしまう。
この手紙を見たら、なるべくすぐに儀式を始めるように、とのことです。

詩玲音 「説明書とかないのかな……」剣をおしりに挟んで踊り狂うとかだったらどうしよう

あんり 「え、じゃあもう戻れるの……?」 説明は……

GM 儀式の手順は非常に簡素らしく、
鏡で対象を映して、散水機で聖水を撒き、儀式用の聖剣で印を切る。で、OKらしい。

詩玲音 「よし。早速始めましょうか。心の準備は大丈夫っすよね?」てきぱきと準備し

あんり 「わー!わー唐突!追いつかない、心が追いつかないよっ!」
まだ元に戻って最初に言うこととか決めてないよ~~!!

詩玲音 「ボクもびっくりしてます」急な話っすよね

GM 儀式の準備は部屋の中でもあっさり整います。聖水を撒くといっても、あんりちゃんは小さいですからね。

詩玲音 「なんか今のサイズのうちに済ませておくべきとか……」もう後戻りはできないぞ はい いいえ

あんり 「え、えっと、えと、おなかいっぱいドーナツたべるとか……」
「……いや!実感するためにも、戻ってからドーナツを食べよう……!」

詩玲音 「というかもうそれ何度も済ませましたしね」

あんり めちゃくちゃやってます

詩玲音 じゃあとくにないか……

あんり 「よ、よろしくおねがいします!」 正座

詩玲音 「あっはい」つられて正座
「いざもとに戻るとなると名残惜しいようなそうでもないような」

あんり 「ええっ!?」
もうわからないよ!心がめちゃめちゃだよ!

詩玲音 落ち着いて

あんり スーーーーハーーーー……では、さっきの手順をそのまんま、どうぞ

詩玲音 鏡であんりちゃんを映して聖水をかけて印を結ぶ! オンキリキリソワカ!

あんり 「……!」 聖水ばしゃー!

詩玲音 「やってから思い出したんだけど今すぐやれって急がせるのって詐欺にありがちな手口っすね」

あんり 「やってから言う!?こわいよ、やめてよ!」
ぺっ、ぺっ、この聖水ちょっとしょっぱい!……けど、それ以外に害はなく……印を結んだ瞬間、あんりちゃんの身体が光り輝く。

詩玲音 きたぞ きたぞ

あんり その輪郭がみるみるうちに大きくなっていく。

詩玲音 「やったか……!?」

あんり それは、詩玲音ちゃんより少し大きいぐらいで緩やかに止まり……

詩玲音 おお……!

あんり 「わ……」 そして、おさまります。

詩玲音 おお!

あんり あ、でも服はないですね。すっぽんぽん。

詩玲音 よかった…… ビルサイズに大きくなって「これが今回のモノビーストです!」みたいな展開はなかった
じゃあバスタオルでもかけましょうか

あんり 「わ、わ……」 慌てて身体をおさえて 「あっ、ありがとう」
自分の身体を見て、それから部屋を見回して、詩玲音ちゃんを見て。
「この部屋、こんなに狭いの……?詩玲音ちゃん、ちょっと小さくなった?」

詩玲音 「変わってないっすよ。まあ、その大きさしばらくぶりっすからね……」
感覚が狂うこともあろう

あんり 「うん、なんだかもう……全然信じられない。本当に戻るだなんて……」 詩玲音ちゃんの頬をむにっとします。

詩玲音 むに~

あんり 「普通だ……!」 小人の時より圧力がない!
信じられないながらも、えへへへ、と嬉しそうに笑います。

詩玲音 こっちもほ、っと一息

GM しばしあんりちゃんは、元の身体を実感するためか、うろうろ歩いたり、詩玲音ちゃんを揉んだりしていたのですが……

あんり 「あの、詩玲音ちゃん……わたしね……」

詩玲音 お?

あんり 最初に戻ってから言うこと、実は決めてたんだ。

詩玲音 「はい」 正座

あんり 「色んなことがあって、雪崩れ込むような形でお世話になりはじめちゃったけど……」 釣られて正座
「わ わたし、あの、本当にね……っ し、しれっ……」 真っ赤になりながら、中々出てこないその言葉を……
「詩玲音ちゃんのことが、ねっ……」 形にしようとして……

GM しかし、そのとき。儀式に使用した聖剣が赤く輝き。
あんりちゃんが、爆ぜた。


導入フェイズ/里奈&いつか

GM 続いて、里奈先輩といつかちゃんのシーン。

いつか はーい

里奈 はーい

GM 街中で歩いてるところかな。今からD7へ向かうところです。
D7へ行く理由は、まあ大体チョコパなんだけど、D7の局長から「はじまりの魔女に関する情報を得た」という通達もきています。

里奈 手を繋いで歩こう。

いつか 前回の怪我はすっかり良くなりました。
「楽しみですね、パーティー!」チョコパのほうの事で頭がいっぱいです
製菓用のチョコを1kgぐらい買いこんでいきましょう

里奈 「楽しみだね」里奈は紙袋でいっぱいチョコを持っていきます。

GM D7の調理部屋も貸してもらえるそうで、チョコフォンデュもできるみたいですよ

いつか わーい

里奈 わーい

いつか 「私チョコバナナ大好きなんです。だから、バナナもいっぱい持ってきちゃいました」

里奈 「美味しいよね、チョコバナナ」
「私は極度のチョコミント党だから庭のをむしってきたよ」

いつか 「あ、そういえば里奈先輩のお庭に生えてますよね。でもあれって一回生えると、お手入れ大変そう……」

里奈 「私が消費するスピードの方が速いから大丈夫」

いつか (そんなに何に使うんだろう……)

里奈 「正月、あまり休めなかったしね。こういう楽しい感じはいいね」
まさかあんな巨大な鏡餅が……

いつか 「本当にお疲れ様でした。お正月、私もお手伝いできれば良かったんですけど」私はクリスマスから間もないので絶対安静でした

里奈 「いやいや。クリスマスも大変だった」

いつか 保健室でお餅を食べていました。

里奈 「行事のたびに大変な思いしてないかな、私たち」
どうしてかな? まあ行事……ハレの日というのは人の思いを増幅させるものだからな……とかなんとか。

いつか そうですね。そんな感じかも
「……今日は何事もないと良いですね」

里奈 「そうだね」ほんとうにそう
「……私の友達も大学とか決まりつつあるし、もう卒業も間近か」
「私もこの前正式に決まったよ」

いつか 「おめでとうございます!」

里奈 「なんかずっと決まってはいたから、あんまり新鮮みがなかったけど、改めて受理されると感慨深いね」
「いつかちゃんと一緒にいたから戦って来れたようなものだよ。どうもありがとう」

いつか 「私こそ……里奈先輩のおかげでここまで狩人として成長できたんです」

里奈 「お互いに高めあえるのが理想的な関係だ。私が手伝えていたのなら、そんなに嬉しいことはない」

いつか 「……本当に、入学した頃はこんなふうになるなんて思ってもいませんでした」
「里奈先輩。これからもどうぞよろしくお願いしますね」

里奈 「こちらこそよろしくね」

いつか にっこり、うなずいて

里奈 私も入学したころは、それこそ魔女の存在も知らなかった。
転校も考えたくらいだったのに、今ではこうして卒業を間近に控えている。
「入学した頃ね……私は狩人でもなんでもなかったからね。いきなり授業で拷問具とか出てきたとき、本当にびっくりした」

いつか 「あー、わかります!」こくこく
「いつの間にか慣れちゃいましたけど、あれってやっぱり普通じゃないですよね……」

里奈 「班に一つアイアンメイデン回されたときとか、なにやってるんだろうって思ったよね」

いつか 「クラスメイトがふざけて指を刺しちゃったりしてました……」

里奈 「あるよね」
「そんな学校だって知らなかったから、『お父様にいって転校させてもらわないと!』って泣いて帰ったこともあるよ」

いつか 「え、里奈先輩が?」
里奈先輩が……泣いて学校から帰る? 今の目の前の里奈先輩からは想像もつかなかった

里奈 「そんな中、魔女の襲撃があってね……それで日野子先輩に会ったんだ」
当時は中学一年生だからね……と笑う

いつか 「井上先輩……」
その名前に複雑な想いを抱かずにはいられないけど、流石に慣れました。

里奈 「それで、純潔騎士になって、それからはあっという間だった。昨年先輩が死んで、それからいつかちゃんが学校に来て……」
「あの時転校しなくてよかったなって、本当に思うよ」いつかちゃんを見つめて。


導入フェイズ/朋美

GM 一方その頃D7
朋美ちゃんと未檻は、既に会議室に到着して、待っている状態です。飾りつけもできている。
そして……未檻は一足はやく、朋美ちゃんにかわいらしい包装のチョコレートを差し出します。

未檻 「はい。ハッピーバレンタイン、朋美!」

朋美 「わあ……ありがとうございます!」乙女度!
あれ、聞いた話では逆……いえ、些末事ですね

未檻 まあ、俺がやるほうじゃないか?料理するし
もちろん手作りだぞ~

朋美 「少し前までは、焼く料理なら……という感じでしたが……めっきりプロのように……」

GM 未檻の足元には、パーティー用らしい、簡易包装のチョコが沢山詰まった赤い紙袋がひとつ……。
それとは別に、パーティー用ではなさそうな、丁寧な包装のチョコの青い紙袋がひとつ、置いてあります。
青い紙袋のチョコのひとつひとつには「鶴見」「相馬」「雨宮」といったラベルシールが貼られている。

朋美 丁寧な……?包装の……?わたくし以外に……?
いえ、思いませんけど

GM 最近の変化はといえば、3学期のはじめごろから、未檻は「東雲中学校」に通い始めました。
魔法少女化が解けてしばらく経ったのだから、そろそろ少しずつ一般社会に戻すべきだろう、というD7の判断ですね。
もし気になるなら、袋にカーソルを合わせてタップしてもいいですよ。

朋美 「…………」ちらっ「そういえば、それは……あ、そういえば学校に?……」

未檻 「うん。あ、これは貰い物。今日の放課後貰った」

朋美 は?? いえ、思いませんけど

未檻 「義理チョコって言ってだな、お返し目的で配る女子が多いんだ」

朋美 「貰った……?ああ、世間では女性から男性に、というものが……」手を合わせて納得しますわよ

未檻 「そういえば、あんまり学校のことは話してなかったけどさ」
「俺、10歳の頃まではずっと小学校通ってて。で、今年の1月に中学校に転入したろ」

朋美 「確かに……」うんうん、相槌を打って聞きましょう

未檻 「だから、小学校の頃の知り合いが多くて……皆結構、覚えててくれたんだよ」
未檻は少しだけ嬉しそうに話します。

朋美 へぇ~~~~~~………………

未檻 「昔は全然余裕がなくて、周りのこと見てなかったんだけど、それが結構、こう、くすぐったくてさ……」

朋美 「……学校、わたくしは通ったことがないので興味深いのですが……」
「でも、未檻さんが色んな方と交流できているようで、わたくしも嬉しいです」
嬉しいですよ?

未檻 背後が怖いんだけど大丈夫だよな?

朋美 心底嬉しいですわ!

未檻 「うん…………朋美は……」
「朋美は、どうなんだ?学校にいくつもりはないのか?」

朋美 「……ええっ……わたくしですか?」

未檻 「うちんトコはまあ、ガラ悪いから朋美が行くには似合わないけど……ほら、女学院とか」
「里奈は卒業するらしいけど、いつかや詩玲音はまだいるらしいし……」

朋美 「……か、考えた事もありませんでしたが……」
「……しかし……わたくしはまだ修行中の身。学校に通っている時間はやはり、あまりないかもしれませんね……」

未檻 「そっか…… でも、朋美がそう言うんなら、仕方のないことなのかな」 ちょっとむずがゆい思い。

朋美 「ええ。未檻さんに、こうして学校でのことをお話頂ければ、それで十分でしょう」

未檻 「……うん、わかった。できることがあれば、なんだってするよ」 全部話すよ。

朋美 へえ……未檻さんも学校で……いろんな人と交流しているのですねぇ……チョコも貰って……
いいことですよね…………

GM と、そこで……
里奈先輩といつかちゃんが現れます。

朋美 ……はっ!

いつか 「お邪魔しまーす」

里奈 「失礼します」
「本日はお招きいただきありがとうございます」ぺこり

GM チョコパの前に……ということで、D7の局長もずずい、と入ってきます。

朋美 「こんにちは。今日は…… ……おっと、主題がありましたわね」
はじまりの魔女……これまで様々な事件に関与していたという噂のある相手でしたが……

いつか じゃあ、大量のバナナとかを冷蔵庫に入れさせて頂いて……

里奈 この大量のクーベルチュールも。

局長 「楽しい行事の前に悪いね。すぐに終わらせるから、適当に席についてくれたまえ」

いつか 「はい、よろしくお願いします」

局長 「さて、話の前に……」 扉の外に向かって手招き。

GM つかつかとスーツの女性が入ってきます。日紗子さんですね。
日紗子さんは、両手に布で包んだ棒状の何かを抱えています。

日紗子 「こんにちは、皆さん」

いつか 会釈

朋美 こんにちは~

局長 「本日、君たちにお集まりいただいたのは他でもない。"はじまりの魔女"……について、だ」
「我々D7は、魔女狩人組織とは独立して、魔女の研究を進めていたんだが……」
「そろそろ、互いに情報を共有しあうべきだと判断してね」

里奈 「我々女学院としても、それは喜ばしい判断ですね」

いつか 学院からは里奈先輩と私……あれ、兎洞先輩は……

局長 局長はゲンドウポーズで卓の中央を陣取り、話を続けます。
「我々D7は研究の途中……一部魔女の遺物の中に、『魔法少女だった頃の未檻』と同じ性質を発見したのだ」
「惑星のママ。アザラシの女王。慈しむ者。強く儚い者たち。長い夢、醒めない夢、黒き聖誕祭……」
「彼女らはすべて、『魔法少女だった頃の未檻』と同じ母を持つ」
「すなわち……それこそが、井上家の言うはじまりの魔女だ」

朋美 「黒き生誕祭も何事か言っていましたが……皆、これまで戦ってきた魔女たちですわね……」

局長 「性質については……人間が魔女や魔法少女に転成した時に芽生えるチカラ、といえばわかるかな」
「便宜上、わたしたちは"種"と呼んでいる」
「"種"は、魔女に願いを叶えられた時点で植えつけられるんだ」
「大小あれど、今ここにいるきみたちの中にも根付いている」
「魔女に屈服すればするほど、"種"は育つ。いつか、花開くことになるかもしれない」

いつか 「……」

朋美 「……なんと…… ……いえ、願いを叶え……ですか……」わたくしも含めて、思う所はありますわね

局長 そう。ここにいる魔女狩人全員が、だよ。

里奈 「……理に反する魔の力を借りる、とはそういうことだろうね」

日紗子 「"種"の育った少女たちは、厳重に監視しなくてはなりません」
「魔女になってしまうかもしれないし、そうでなくとも、魔女や吸血鬼に"種"を悪用されるかもしれませんから」

里奈 「ある意味では、魔女は種を撒くことのできるものだけを、戦いの場に招くのだろう」

日紗子 そういうことですね。

朋美 なるほど……ここまでは分かりました

日紗子 「……ですが……」
「種の成長について、最も危険視していた二人……海野未檻と神埼あんりについては、ほぼほぼ心配はなくなったと見ていいでしょう」

未檻 「俺? ……」

朋美 「未檻さんは確かに色々ありましたが……あんりさんもですか?」

日紗子 「はい」 未檻のほうは、接触者になり、そしてはっきりと男になったから、ですね。種は女の子の中でしか育たない。
「神埼あんり。彼女の心を侵していたテール・メールの呪いも、この——」
布をひらりと解きます。するとそこにあるのは、美しい銀細工の剣。
「聖剣によって、まもなく断ち切られますから」

GM ゴオオオオオオオオオオ—————…………ン……
突如、爆音が響きます。
それと共に、異常を感知した建物内のアラームが鳴り響く。

朋美 「……きゃっ……こ、これは……!?」

局長 「!?……何事だ!?地震?」

GM 建物内……いえ、六分儀市全体が、しばらくの間地震に巻き込まれます。

いつか 「わ、わ……!」

里奈 「机の下に!」 避難訓練でやったやつ

朋美 足が足なので普通に転びますわ ずりずり

いつか 「朋美さん!」

未檻 「朋美!」 あーっ!すぐに抱え上げて、机の下に隠してあげよう!

GM 咄嗟に机の下に隠れて、やり過ごす皆さん……
隠れてやり過ごし、一分ほどでしょうか。地震はおさまります。

日紗子 「一体、何が……」

朋美 「す、すみません……!……い、今の、ただの地震にしては……」

GM そうですね、やんややんやと机から出てきたとき、朋美ちゃんがいの一番に見つけます。
窓の外……深縁女学院のあたりに立つ、巨大な影を。

朋美 「み、皆さん!あ、あれは……!?」
影を指さす!一体!?

里奈 「まさか、あれは……!」

いつか 「えっ……?」指差されたそちらを

GM そこには………………。


導入フェイズ/集合シーン

GM 詩玲音ちゃんは、はるか空を、見上げています。
寮は、こなごなにくだけてしまいました。
目の前にいる、巨大不明生物の存在によって。
ビルと同じぐらいでしょうか。最初、それはゴジラかなんかかなあとおもいました。

詩玲音 ゴジラかなんかかなあ

GM 脳内で既にそれっぽいテーマが流れているし、最近シン・○ジラの放映とかあったからです。

詩玲音 あったなあ。あんりちゃんと一緒に見たなあ

GM でも……
その巨大不明生物は、間違いなく……

あんり 「し、し…………」
「ッッッ詩玲音ちゃあああああんんんんッッッッッッッッ!!!!」

GM ……あなたの名を呼ぶのでした。
【モノビースト/でっかくなったあんりちゃん】

詩玲音 「………………」
「疲れてるのかな……」踵を返す

あんり 「な、なんでぇ!!!?なんでこんなっっ、え、えええええ!?」

詩玲音 実家に帰ってみかんでも食べるか

GM 全長160m。巨大不明生物の悲鳴は圧力を伴い、ビルの窓硝子を割ります。

あんり 「あ、あああああ……ッッ」 叫べない

GM でも……何者かの陰謀がはりめぐらされてるのでしょうか?
周囲の人々は「あんりちゃんだー」「あんりちゃんは今日も大きいね」などとのたまっています。
写真を撮ろうとするやつもいる。

詩玲音 じゃあカメコから殺していこう

あんり 「ひぃっ!?や、やめてえぇぇえええっ!!!」

GM あんりちゃんが叫び手を払うと、建物のいちぶがもげ、瓦礫となって襲い掛かる!!

里奈 「詩玲音!」
「なんというか……なんというかだな!」

詩玲音 「はい」

いつか 経典バリアーと防弾唐傘で瓦礫を弾きながら駆けつけます。

朋美 「な、なんて迫力なのでしょう……!って、そこに驚いている場合ではないのですが……」こちらも人形で抑えたりしながら

未檻 「でっ……でかすぎる!!なんだあれ!!」 未檻もかけつけますよ。瓦礫の下敷きになりそうな人々を庇いつつ。

いつか 「兎洞先輩! あれって……あれって……!?」

詩玲音 (流れるような手付きで首に縄を巻き始める)

里奈 「ちょっと!!」

未檻 「ひょっとして魔女……さっき言ってた"種"のチカラか!?」

詩玲音 「はい。詩玲音は大丈夫です」

朋美 「……儀式が遅かった……?しかし、一体何が!?」

未檻 「……神埼あんり!」 ここで、未檻があんりちゃんに呼びかけましょう。

いつか 「やっぱり、これも魔女の……? あまり騒ぎにはなっていないようですし」

里奈 「あと少しで儀式が完成する予定だったはずなのに……」

あんり 「……!」 でかいです

詩玲音 かわいいね

未檻 「あんまり暴れるんじゃねえ!これはきっと魔女の陰謀だ!好き勝手やると、そのだな……!!」

あんり 「その……何……!」

里奈 音圧でよろける。

いつか 「み……耳が……!」キーン

未檻 「…………」 見えるんだぞ!!と言いたくて、でも、音圧と何よりも伝えづらさがあって。

あんり 「……!!!!」 でもその間であんりちゃんは察してしまいます。「みないでええええええ!!!!!」
平手ならぬ指手が未檻を襲う!!!

詩玲音 あっ

朋美 「あ、ああっ!?」

未檻 「ギャーーーーーーッッ!!!!」

いつか あっ!

里奈 「未檻!」

詩玲音 死んだ

いつか ちょっと

詩玲音 おしいやつをなくした

GM 致命傷は避けますが、壁に叩きつけられてごほごほと血を吐く。

詩玲音 あっ結構洒落にならないダメージだ

いつか が、概念がありません……!

里奈 「ま、まだ息はある!」

朋美 「い、一撃で……未檻さん、しっかり!」
運ばないと!

未檻 「……かはっ……まだ、動ける……けど……ッ」
立ち上がり、察します。
これ、男が立ち向かうと逆効果なやつだ、と。

詩玲音 「現実逃避しかけてたけど結構やばいやつっすね……!」

いつか 「海野さん! ここは私たちに任せてください!」

詩玲音 女ならいいのか……?

里奈 「私たちでどうにか……どうにかしよう!」

未檻 「くそ、……でも、どうやって……!?」

詩玲音 「大きくなっても所詮あんりちゃんっすよ! やれますよ!」

いつか 「そんな……いくらなんでも大きすぎます!」

詩玲音 というか……やるしかねーんだよ!

GM みなさんが巨大不明生物あんりちゃんに動揺している中……ここでようやく登場です。ぱちぱちぱちち……と拍手で現れるものあり。

詩玲音 何奴!?

朋美 「……お待ちください!今、何か……」巨獣の下から音が……

魔女 「とてもすてき…… あなたの想いはこれほどまでに大きかったんだね」

詩玲音 巨大不明感情

GM 瞬間、魔女のオーラが場を支配する。

いつか 「魔女……!」間違いありません!

GM 詩玲音ちゃんは少なくとも理解していいですね。これ、日紗子に扮して妖刀を入れた犯人だって。

詩玲音 「このマイナーフェチ状況はお前の差金っすか!?」

魔女 「お前じゃありません。わたしの名は"クール・ブリゼ"。あなたたちのせつない想いを届けるもの」

GM 【魔女/届かぬ想い】

詩玲音 「まんまと罠にひっかかったことは理解しますけど……」せつない想いと今の状況関係あります?

いつか 「大きな……本当に大きなお世話です!」

クール・ブリゼ 巨大不明生物を見上げて。「あの子の想いを届けてあげたかったのよ。沸々と煮え続ける、報われない片思い……」
「それにふっと息を吹きかけたら、こうなっただけ」

詩玲音 (いぶかしげな表情)

あんり (何いってるの?という表情)

里奈 (かわいそう、という顔)

朋美 「罠?……しかし、そこまで作為的となれば……まさか、あなたは……」
さっき話に出ていた……はじまりの魔女に連なる……!的なあれです

GM その可能性は非常に高いです(メタ的に言うとそうです)

クール・ブリゼ 「ねえ、あなたたち……どうすればこの子は元に戻ると想う?」

里奈 「お前を燃やすとか?」

いつか 「賛成です、里奈先輩!」

クール・ブリゼ 「ふふっ」

詩玲音 言ってみるっす

クール・ブリゼ 「魔女の想いに耳を傾けないあなたたちには……今はまだ、ヒミツよ♡」
どうやらハズレ選択肢だったようですね

詩玲音 うざっ!

朋美 「ならば、実力で聞きだすまで……!」
人形をセット!……でもその前に未檻さんを避難させないとでしょうか……

いつか 「私達が、すぐになんとかしますから……大人しくしていてくださいね、神崎先輩!」

クール・ブリゼ 「もう少ぉし……、この子の大きな想いを噛み締めてあげるべきだわ」
「じゃあね」 唇に指をあてて、ウインク。すると、魔女は液体状と化し、地に溶け込んでいきます。

GM フォロワー、だしておきますね

いつか 今まで出てきませんでしたよね

GM 大罪王すやぴと、使い魔のウサチャンです。

詩玲音 もういいだろお前は!

いつか すや……ぴ……
大罪王

GM あと、クール・ブリゼもフォロワーに該当します。
クール・ブリゼはあんりちゃんを大きくしてみた代償に魔女の力のほとんどを失っています。何をやっているのだ。

詩玲音 なんで大きくしたの?

いつか それが魔女の本懐だからでは

クール・ブリゼ 命にかえても切ない想いを届けてあげたかったの……

詩玲音 他にもっとあるでしょ、やり方が
他にもっと……あるでしょ


導入フェイズ終了

GM ここでイロイロの処理を済ませましょう。関係、導入ですね

いつか 関係はとれないので、導入だけかなー

詩玲音 朋美ちゃんに取ります

里奈 里奈は全員に持ってます。

朋美 里奈先輩に取ります

いつか 導入:挑戦とかで

里奈 導入:挑戦で

朋美 導入:挑戦でー

詩玲音 導入:防衛にしとこ

GM 支配力は以下
『住民の避難』強度5 《退路》 騒動をおさめるために、住人の退路を確保しよう!
『クール・ブリゼ』強度5 《自信》 こいつが魔女だ!こいつを殺せーッ!!問い詰めろーッ!!
余裕は18、血量は18(16+2)、テンションは8です。

最初から開示できるアビリティは以下
†始祖の祝福† テンション上限+16。戦闘開始時、余裕が16点増加。アビリティ枠に数えない。
†超女の子† 余裕が1点以上削られていない場合、回避判定と再起判定以外の全ての行為判定に自動成功する(スペシャルにはならない)。