『〜悪夢〜アグリアス』


「……ここは?」
アグリアスは呟く。辺りは漆黒の暗闇。心を食いつぶされそうな闇の中に、アグリアスはいた。
「ラムザ!アリシア!ラヴィアン!ラッド!ムスタディオ!」
アグリアスは、仲間達の名を呼ぶが誰一人として返事は無い。
アグリアスはただ一人立ち尽くしていた。

「アグリアスさん!アグリアスさんっ!!」
ラムザは叫んだ。石畳の床にたおれているアグリアスを、必死に揺り起こそうとする。
だが、アグリアスは一向に起きる気配はない。
「そんな事をしても無駄ですよ」
「アグリアスさんに何をしたっ!?」
ラムザは、不浄王キュクレインに向かって叫んだ。
キュクレインが、指先をアグリアスに向けた瞬間に、アグリアスは突然昏倒したのだ。
キュクレインの灰色の口が言葉を紡ぐ。
「なに、少し悪夢を見てもらっているだけですよ。ただ、彼女にとっては長い長い悪夢ですが」
「悪夢……」

なぜこんな所にいるのか。
アグリアスは、つい先程まで何者かと戦っていた気がしてならない。
しかしいつも腰に携えている愛刀は無く、精神が高揚もしてはいない。
これは夢かと己に問けても、いやに現実感がある。
アグリアスはしばしの間、考え事にふけっていた。
「!!」
ふとアグリアスは異変を感じた。
虚ろな闇の中に、確かな気配。
アグリアスは、すぐさま戦闘体勢に入る。
息を殺すこと数秒。まだ何も見えない。
「!」
と、背後にも気配。いや、背後だけではない。四方八方。アグリアスの周囲に、不気味な気配が集まってきていた。
ずる…ずる…
何かを引きずるような音。
ずるずるずるずる……
既にかなり近くに来ている。アグリアスの頬に汗が流れる。
アグリアスの目が、それを捉えた。最初、それは蛇かと思った。実際それは蛇に似ていたが違った。
それは触手だった。
赤紫色の、大小様々な触手。床を埋め尽くさんばかりの数が、一斉にアグリアスの方へ向かってきていた。
「なんだ……これは……」
囲まれた。
アグリアスの周りには大量の触手がうねっている。
一本の触手が、アグリアスの顔目掛けて飛びかかった。
アグリアスは素手で叩き落とす。それはぬるりという感触を残し、びゅるんと闇に引っ込んだ。
だが、それが合図だったかのように、触手は一斉にアグリアスに襲いかかった。
「くっ!」
何十何百という触手に、腕を絡め取られ、脚を押さえつけられ、体に巻き付かれる。
あっという間にアグリアスは捕らえられた。


体中を触手に捕らえられたアグリアスに、なすすべはひとつも無い。凄まじい力で押さえつけられ、身動きひとつ取れなかった。
「くっ!離せっ!」
アグリアスは足掻き続ける。
パキン
闇に金属音がひとつ響いた。
アグリアスは、最初何の音かわからなかった。
パキンパキン
アグリアスは自分の鎧を見て、ようやくその音が何なのか理解した。
同時に、それが意味する事に青ざめた。
パキンパキン
触手は、アグリアスの鎧の留め金を外していたのだ。
鎧を外した後、触手が何を求めるのか。
鈍感なアグリアスでも気付いた。
アグリアスの顔が恐怖に歪む。
「やめろっ!!」
アグリアスは叫ぶ。
しかし、触手は止まらない。
「やめろっ!やめろっ!!」
触手は、留め金を外し続ける。
「うあああっ――!!」
アグリアスは、全力で抵抗した。鍛えられたしなやかな筋肉が、触手を振りほどこうとする。
だが、触手は全く意に介さず、アグリアスの鎧は次々に外されていく。
ガシャンガシャンと断続的に、重い金属音が響き渡る。
触手は、全ての鎧を外し終えた後、鎧に下に着ていた軽装をはぎ取りにかかった。
「ひっ……」
アグリアスは、下着の中に入り込んできた触手の感触に、生理的嫌悪を覚えた。
冷たく、ぬるぬるとぬめり、アグリアスの肌をうごめく。
胸の先端に触れられようとも、女性器を撫でられようとも快感など沸くはずもない。
アグリアスは、体中を這い回るおぞましい感触に叫び声を上げた。
触手はしばらくアグリアスの体を這い回っていたが、服を脱がしにかかるとあっという間だった。
スルスルと下着などを剥がれ、たちまちアグリアスは生まれたままの姿にされた。
アグリアスの目の前に触手がぬっと姿を現す。
「いやっ!!」
アグリアスは、顔を背ける。
だが、背けた先には別の触手が待っている。
触手がアグリアスの唇に押し付けられる。アグリアスは必死に口を閉じた。
触手は、ぐいぐいと唇をこじ開けようとする。そして、強引にアグリアスの口内にこじ入れた。
「んむっ!?ん―――!!」
アグリアスの口の中を触手が動き回る。歯列をなぞり、舌にからめる。
口付けとしては最高峰の技術だが、アグリアスには吐き気しか沸いてこない。
猛烈な吐き気に涙がぼろぼろと零れる。
嫌悪で、胃の中身が逆流する直前。口の中に何かが溢れた。


ごぼ、とアグリアスの口元から白濁色の粘性を持った液体が流れ出た。
それは、人間の精液に酷似していた。ただ、違う所がひとつ。
それは甘かった。まるで、濃いミルクのようだった。
触手は、アグリアスに吐き出す事を許さず顎を持ち上げた。下手な事をすれば、鼻の方へ、最悪気管に流れ込む。
アグリアスは、仕方なく嫌悪も同時に飲み込んだ。
もし、味まで人間の精液と同じだったら、間違いなくアグリアスは胃の中の物を逆流させていただろう。
アグリアスが飲み込めたのは、ひとえに味のおかげだ。
アグリアスは全てを飲み込んだ後、せき込んだ。少し、気管に入ってしまったのだろう。
だが、せきが収まったアグリアスは自らの体の異変に気付いた。
体が熱かった。
しかし、ただ熱いのではない。下腹部と胸の先端を中心とした、性欲の炎だ。
「はっ、あぁ……っ」
アグリアスが熱っぽい吐息を漏らす。
たちまち、アグリアスの割れ目から透明な液体が垂れてくる。
先程の白濁した液体は、催淫効果が含まれていたに違いない。
触手がアグリアスの肌をなぞる度に、アグリアスはビクビクと反応する。
「あっ……ひっ!」
アグリアスは、生まれて初めて上げる自らの淫靡な声に、耳を疑う。
「ひあっ!……あんっ!」
触手はアグリアスの胸の先端を責める。既に堅く尖っているそれは、アグリアスに電流のような快感を伝えてくる。
「乳首は……ダメ…なんだっ…」
しばらくの間、触手は胸を弄んでいたが、ついに女にとって最も大切な場所に触れた。
「ああっ!?」
ビクンとアグリアスの体が跳ねた。
触手は、アグリアスの股の間を幾度も擦りあげた。
触手が往復する度に、アグリアスは矯声を上げる。
「ああっ!あっ!やあっ!!」
触手は単調な動きでは無く、何本もの触手で力の入れ具合を変えたり、擦る場所を変えていった。
アグリアスの秘所から、愛液がトロトロと流れ出し太ももを伝う。
アグリアスはただ、快感に流されるしかなかった。

アグリアスが倒れてから数分後、看病を任されたアリシアは、アグリアスのある変化に気付いた。
今までは、ただ苦しそうな呻き声をあげるだけだったが、喘ぐような甘い声に変わってきたのだ。
そして顔は真っ赤になり、股の部分には小さい染みが出来ていた。
女のアリシアには、アグリアスがどんな悪夢を見ているか、大体の予想はつく。
アリシアは、自分の尊敬する女性を汚した化け物を、叩きつけるように睨み続けた。


「はっ……はっ……」
あれから暫く触手の責めを受け続けたアグリアスは、ようやく僅かな休息を与えられていた。
だが、アグリアスがようやくまともな思考が出来るようになって間も無く、触手は次の行動に移した。
アグリアスの体がゆっくりと持ち上げられる。そして、腕を後ろ手に縛られ足を大きく広げられた。「!!」
アグリアスは、次に触手が何をしようとしているのか理解してしまい、戦慄した。
下を見ると触手の中では小さめな、しかし人間の男性器と比べらればかなり大きな触手が上を向いて待っていた。
間違い無い。ついに、触手はアグリアスの秘所を貫くつもりだ。
あんなのが私のナカに……
アグリアスは恐怖した。男性経験の無いアグリアスは、どのような感じなのか分かるはずがない。
だが、あのようなモノが突き刺されば相当な痛みに決まっている。
なにより、聖騎士とて女だ。処女は愛する者に渡すと心に決めていたのだ。
ゆっくりと、アグリアスは下げられていった。
「イヤっ!!イヤだっ!!」
アグリアスは泣き叫ぶ。
「やめてくれっ!!他の事なら何でもするっ!!」
触手は、ゆっくりとアグリアスを下ろしていく。
アグリアスの膣口に触手が触れる。
「イヤだっ!!ラムザァッ!!」
ズプッ
「あああっ――!!」
触手は、一気にアグリアスを下ろした。
ぶち、と何かが切れる音と、触手が最奥の子宮に当たった感触、直後に凄まじい痛みがアグリアスを襲った。
破瓜の血が触手を伝い流れる。
「あ、ああ………」
背中を大きく反らしながら、アグリアスの眼から涙が溢れる。
それは破瓜の痛みでは無く、処女を奪われた事に対する涙。
休む間もなく、アグリアスは上下に動かされる。
「痛っ!う…くっ!太……いぃっ!」
血にまみれた触手を、アグリアスの秘所が飲み込む。コツンと子宮を叩き、それから吐き出される。
それが、幾度も繰り返された。
だが、いつしか絶望と苦痛に歪んでいた顔に、快感と喜悦が浮かんできていた。
「あぁっ!うっ…はあっ!」
痛みさえ無くなれば、その太い触手はアグリアスに尋常ではない快感を与えることが出来る。
アグリアスの動きに合わせて、今まで動いていなかった触手が動き始めた。
アグリアスが上に動けば、触手は反対に動く。
そして、アグリアスが下に動くと同時に、触手も上へ突く。


ズンッズンッと思い衝撃がアグリアスの膣内に響く。
「あっ!あっ!ああっ!」
突かれる度に、アグリアスは喘いだ。
突かれて突かれて…そしてそれは、唐突に終わった。 「あああ――!!」
ビクンと一際大きくアグリアスは跳ね同時に、触手はアグリアスの膣内に精を放った。
ぬるん、と触手が抜かれ膣口から白濁した液体が溢れる。
「はぁっ…はぁっ…」
アグリアスは、喘息のように苦しい吐息を整えようとする。
だが、触手は疲れきったアグリアスの様子など関係無しに、アグリアスの秘所に入り込んだ。
「やぁあっ!」
ただひたすらにアグリアスは突かれた。
「んあああっ!!」
二度目の絶頂。
抜くと同時に、精液がごぽりと音を立てる。
触手は代わる代わるアグリアスを犯し続けた。
何度イッたか思い出せない程絶頂を迎えたアグリアスに、新たな刺激が与えられた。
「えっ!?」
肛門に何かが押し付けられる感触。
アグリアスがそれが何か分かったと同時に、それはアグリアスの肛門をこじ開けようとした。
「だめっ!?裂けちゃうっ!!」
先程のよりもだいぶ太い触手は、アグリアスの叫びを無視し、無慈悲に固く窄まった穴を押し広げた。
「あああっっ!?」
触手は、ズルズルとアグリアスの腸内に潜り込んでいく。
「あっ!!ああっ!?」
アグリアスの目が、大きく見開かれる。
奥深くまで侵入した触手は、次の瞬間出し入れを開始した。
「うああっ!!太っ!!太すぎぃっ!!」
触手は、アグリアスの膣内と腸内を同時に擦る。
ドクンッ
腸の奥深くで射精。
「熱っ!?お腹の中にっ!?」
ズルズルとアグリアスの腸内から引きずり出され、また次の触手が入り込んでいく。
「ひぐぅっ!!」
その他の触手も、乳首など体中を刺激する。
「ふぁあ――!!」
叫んだ隙に口にも触手が入り込んだ。
「――――!?」
声すら上げることが出来ない。
アグリアスを突き続けている触手の動きが早まる。
「っん―――!?」
アグリアスの声にならない叫びと共に、前後の穴に精液が流れ込む。
そしてまた、新たな触手が動き始めた。
アグリアスの悪夢は、まだ終わらない。