『charge+3』
戦場。
いかなる大義があろうとも、そこで行われるのは常に傷害、暴行、殺人、そして略奪。
明日の夕暮れに染まる草葉の躯と化すのは敵か、友か、それとも己か――いくら考えまいとしても、その重圧は
戦士たちの脳裏から常に離れることはない。
その負荷の連続に魂が少々ゆがんでしまったとしても、それは誰も責めることなどできない。そう、『英雄』と
呼ばれる一握りの人間でもない限りは。
今日も終わりかけた血の宴の片隅で、無名の戦士たちによる、ありふれた、だが決して語り継がれることのない
悲劇が始まる。
まるで戦に捧げられた魂を慰める、生贄の儀式のように――。
「ちょっと!嫌だ、離してよ!離せっ!」
三方を廃墟の壁で囲まれた夕暮れ迫る路地裏に、気の強そうな若い女の声が響く。
年の頃はまだ十代か。金色の長い髪に動きやすさを優先した皮鎧の軽装、腰には弓を括り付けている。
少し前まで戦場の喧騒に包まれていたこの廃墟の街も今では両軍の主力は引き上げ、その狂乱の熱気は急速に収
まりつつあった。
戦場の端にある、この場所を除いては。
「往生際の悪い…」
「おっと!くそ、暴れるなよ!」
「ふふふ、おとなしくしたほうがいいですよ〜」
女を捕らえたのは、三人の敵兵士。
表情の読めない男騎士、軽薄そうな男シーフ、そして怪しげな笑みを浮かべた白魔導士の女だ。年の頃は、全員
が捕まった女弓兵と大差ない。
捕らえられた女弓兵はシーフの腕とじたばたと格闘する。当然のことだが、彼女も必死である。手段など構って
いられない。
「てっ!噛みやがったな?!」
弓使いの女は一瞬の隙をついて三人の敵と対峙し、腰の愛器に手を伸ばし――
ない。
「あ、あれれ??」
「へー、結構いい武器使ってんじゃん?」
自慢の弓は、いつのまにか敵シーフの男の手にあった。
「こうみえてオレも元は弓兵でさ、結構弓にはうるさいんだぜ」
「あ…あたしの弓、返してよ!!」
思わず素手で掴み掛かろうとする、その眼前に鎧姿の騎士が立ち塞がった。
瞬間、横薙ぎの疾風が通り過ぎる。
「…!?」
斬られた――いや、斬られてない。
目視できないほどの速度で放たれた斬撃は、自慢の金髪をふわりと揺らし、だが自分の身体を断ち斬ってはいない。
斬られたにしては、痛くないし…
そんなことを考えているうちに、着ていた皮鎧が音を立てて地面に落下した。
そして、はらりと薄手の下着がそれに続く。
「え…?」
若い女弓兵の柔肌は、三人の敵の視線に晒されていた。
「ちょ、えぇぇぇ!?」
ほとんど裸に近い状態にされた上半身に気づいて慌てて背を向けるまでのその一瞬、その先端――小ぶりな乳輪と
桜色の乳首――をしっかりと視線に収め、シーフは口笛を吹く。
「ヒュー。こりゃ上玉。楽しめそうだ」
「おぉー、サイズもなかなかのものですなぁー。先っちょもすっごい綺麗なピンクいろ〜」
見られた。はっきり。
同性の白魔導士のからかい口調をきっかけに、女弓兵の顔が羞恥に染まる。
「でも鎧もったいなかったな、ラッド。壊さないでも、オレが盗んでやりゃいいこったろ」
「レザープレイトなど今更必要ない」
ラッドと呼ばれた体格のいい騎士が剣を鞘に収め、抑揚のない言葉で答えた。
戦技アーマーブレイク。しかも本人を傷つけずに。つまり。つまり――
「わ…私を、どうする気……?」
胸を押さえてしゃがみこみ、背中越しに三人を見上げる。
「あはは、声震えてるよう。可愛いなぁ」
「う、うるさい!」
こう見えて戦場の場数は踏んでいる。人を殺めたことだってある。同じような年齢の女に、小娘扱いされるのは
我慢ならなかった。
誇りを傷つけられた怒りに、自棄に近い心持が混ざりあう。涙ぐんだ瞳に映る羞恥は一瞬で憎悪に代わり、屈辱を
晴らすべく彼女はその身を翻した。
せめて一発でも――だがその願いが叶うほんの少し前に、白い背中を騎士の剣が平の部分で打ちすえた。
途端、両腕が痺れたように力が入らなくなる。
「パワーブレイクまで使わせるとはな。上品そうな顔に似合わず――だがもう無駄だ、おとなしくしろ」
「こ、この私が、お前らなんかに――」
「黙れ」
片腕をつかみあげられ、壁際にどんと叩きつけらえる。裸の背中への衝撃に、一瞬息が詰まった。
「わかっているだろう。どうなるかなどと」
恫喝ではなく、むしろ低く呟くような声になぜか心がびくりと反応し、彼女はまるで叱られる子供のような表情で
ラッドと呼ばれた男の顔を間近に見上げる。
「甘えるな。お前は敗者だ。敗者は勝者の糧となる。お前も戦場に立つものならば、知らないとは言わせないぞ」
「…な…」
虚無――とでも形容すれば良いのか。
かすかな苛立ちを浮かべた整った顔、そのあまりにも暗い瞳に視線を絡めとられ、逸らす事ができない。
いつのまにか感覚の無い両腕を片手で頭上の壁に戒められ、ふるふると震える乳房の片方を、ラッドが手袋のまま
空いた片手で触れはじめた。
「…痛…」
荒い手袋の生地が女弓兵の肌を擦る。形には自信のある己の胸が、敵である男の力で自在に揉まれ、潰される。
この屈辱的な仕打ちに一切抗えないのは、先に食らったパワーブレイクのためか。それとも――
「裸に剥いてJP稼ぎ、この世界の人間なら誰でもやっていることだ。――いい声で、鳴いて見せろ」
「あぅっ!」
突然、荒い感触が強く先端をひねりあげた。びくりと身体が跳ね長い髪が踊り、甘く鋭い声が反射的に喉の奥から
発せられる。
そのまま感じやすい箇所を、男は指の腹で文字通り擦るように弄ぶ。何度も、何度も。
「あ…や、いた、いたい…っ!」
まだなんの準備も整っていない女の柔肌には、その行為は快楽よりも不快感や痛みのほうが強かった。あまり男に
触れられた経験の少ない身体では尚更だ。
「…あ、あ?!や、やぁぁ!やめっ!!あっ!あはっ!?」
そして唐突に、感じる刺激が別な方向に変わった。
片方の胸の先端を、親指と人差し指でこよりのように幾度も摘み、擦る。その度に痺れるような強い刺激が彼女の
胸から全身に広がり、その意に反してぴんと尖った両の乳首は固さを更に増していく。
今までに感じたことの無い独特の痛みはやがて、甘く痺れるような快楽へと徐々に切り替わる。
「あ――」
気持ち、いい。
空虚な思考が、力を失ってきた目の光が、徐々に淫蕩な女のそれに近づいてゆく。
やめて欲しいのに、身体は感じてきてる。もっと激しく、やさしくして欲しいって…
…駄目。そんなこと、絶対に駄目。
「…う、あ…」
意志と身体のアンバランスに引き裂かれ悲鳴を上げる心に、絶え間ない刺激がさらに思考の混乱を煽る。
まぶたをきつく閉じ、自分の乱暴な責めに細い身体を震わせながら幼女のように首を振って抵抗する女弓兵の姿を、
ラッドはどこか遠くを見るような目で見ていた。
「あ、あ、は…触るな……っく………やめ…ろぉ…!…やめ……て ぇ……っ!!」
「つまらないな」
欲情した女の発する独特の甘い空気が漂い始めた頃、しかしラッドは唐突に興味を失ったように女から手を離した。
踵を返し、路地の出口へと向かう。
「あれ〜?もういいの?」
女白魔導士が、ラッドに問い掛ける。
…もしかして、解放してもらえるのかな…そんなかすかな希望が、嫌でも女弓兵の頭をよぎった。
「いいよ。俺は足りてる。ここで誰か来ないか見張ってるから、君らが好きにいたぶってやればいい」
アグリアスにでも見つかると煩いし。
男はそう答えると通りに面した縁石に腰を降ろして、外の廃墟を眺め始めた。
「あそ。じゃいただき〜」
「ふっふっふ。お言葉にあまえましょうvvv」
「ひ…」
動かない身体に、シーフと白魔導士がにじり寄ってくる。
彼女はおびえながらそれを見つめるしかできない――切ない願いは、天には聞き届けられることはなかった。
「さぁて。そんじゃどうしてやっかな」
「あー、私にもJP稼がせてくださいよう。回復だけでもいいんですけどね、やっぱ攻めないと。上半身、押さえてて
いただけます?」
「へいへい。じゃお好きにどうぞ。あ、ちょっと待った」
シーフがす、と女に手をかける。
一瞬の後、シーフは女の靴、アクセサリー、下着までをその手に押さえていた。
「いっちょあがり」
「あいかわらずすごい技ですねー。魔法みたいです」
言いながら、女白魔導士は弓使いの腰を高く上げさせるとその後ろに四つんばいになる。
短いスカートの中の下着はすでになく、小ぶりな尻があらわになっていた。
「おじゃましまーす」
「…嫌…やめて…!」
白魔導士はその尻肉を両手で押し開き、中心に顔を近づける。
「あはぁ、ここも綺麗なピンク色…。ちゅ」
「う…あ、やぁ……そんな、触らないで…みないでよぉ……」
「まぁだそんな事言ってる。もっと壊れちゃってくださいよぉ」
白魔導士はそういうと、遠慮なく秘所に舌を這わせ始めた。菊座から秘唇に至るルートをうっとりとした顔で丹念に
舐め上げ、伸ばした舌がころころと包皮に包まれた真珠を転がし始めると、女弓兵はたまらず身体を大きく震わせる。
「ちゅ…ちゅぱ…んふぅ、美味しい……ちゅ…」
「ひぁぁぁ…あ、あぁぁぁぁぁん…う、うぁぁぁ…」
いい。
きもちいい。
霞のかかってきた思考が、さらなる快楽を求めて無意識に高く上げた腰をくねらせる。
涎に混ざった愛液が、肉付きは良いが引き締まった脚の間からとろりと糸を引いて地面に落ちた。
喘ぐ女弓兵の上品な顔は完全に快楽に染まり、まるで泣きじゃくる子供のように呼吸を求めて顔を高潮させていた。
「楽しそーじゃねーかよ。じゃオレもこっち遊ばせて貰うかなっ、と」
伏せた女の眼前に、赤黒い勃起した肉茎――男の性器が晒される。
細身の身体に似合わぬシーフのそれを、女弓兵はさしたる抵抗もなく口に含んだ。
「…ん…」
「く…は、あったかい……イイぜ…動いて……舌使って…」
「…ん、んう…」
座った姿勢のまま彼女の後頭部を掴み、上下に動かす。
奥まで含み、先端まで戻る。
ふるふると揺れるむきだしの胸が地面に幾度も擦れ、女はその刺激ですら感じてしまうらしくびくりと身体を震わせた。
「あー…やべ、気持ちいーわコレ……」
含んだ陰茎に舌を絡ませ、先端を軽く吸う――額から汗を滴らせ夢中で奉仕するその女に抵抗する気は微塵もなく、むしろ
積極的に求めているようにすら思える。
「ぷは。シーフさん、そろそろ挿れてもいいですよ〜」
女白魔導士はようやく満足したらしく、顔を上げてシーフに向かって微笑んだ。
「あ、そう。…あんたが先挿れてもいいんだぜ?」
「あはは、あんまり面白くないですねぇソレ。できればやりたいんですけど、あいにく付いてないんですー」
「そりゃ残念。…なぁ、こういう関係はやっぱ穴兄弟っていうのかね?」
「知りません〜」
「…あぁ…はぁ……」
一瞬止んだ攻勢に、必死で息を整えようとする女弓兵。
その熟れきった秘所に、シーフは背後から自分の逸物をあてがった。
「さぁて。攻撃もこっからが本番だぜ」
ぐ、と容赦なく一気に腰を押し込む。
「あ、はぁぁぁぁん!!」
「く、あッ!」
にゅる、というスムーズな挿入の感触、そして熱い肉の感触が、二人の脳を快楽の電流となって同時に貫いた。
腰を押さえて、そのまま前後に動く。…ぬるぬるとした膣内に擦れる感覚が、たまらなく心地よい。
少し意識して動きを止めてみると、女の汗ばんだ腰が、快楽を求めて艶かしく動きはじめた。
「気持ちいいだろ?イイって言ってみろよ」
「あぁぁぁ、あはぁぁぁ…イイ…イイよぉ……カタいの……きもち、いいよぉ……」
「もっと動いて欲しい?」
「ほしい…うごいて……もっと…」
快楽をねだる瞳が、振り返って自分を見つめていた。
「…ふふ…」
カワイイじゃねーかよ、さっきまでのナマイキさが嘘みたいだな。実は結構スキなタイプだったとかか?
シーフの心の中を、強い満足と征服感が満たしていく。
「…っと。おい、アンタ参加すんだろ?こっちのがいいよな」
「シーフさん分かってますねぇ。ちょこっとだけサービスしてあげますよぉ」
シーフは白魔導士の意志を確かめると、背後から女弓兵を貫いたまま、ぐっとその身体を引き寄せた。
「あああああぁぁぁぁ!!!あ…!」
膣壁を妙な形で擦り上げられ、女弓兵は涙を流してあえぎながら背を大きく反らした。
「よ、と」
小さい子供を抱くような格好で、シーフは女弓兵を背後から抱え上げる。
白魔導士の前に、淫らな二人の接合部が露になった。
「んふふ〜。すごいですねぇ、全部見えちゃってますよ」
その正面に白魔導士は腹ばいになり、女弓兵の秘所に再び舌を這わせ始めた。
「ぐっ…!」
挿入とはまた異質な快楽に、女弓兵は長い金髪を振り乱して喘ぐ。
包皮から顔を出した肉芽を、軽くこそこそと舌で誘い、そして突然大きく強く舐め上げる。
「くあ、ああぁぁぁ…、あっ…いぃよぉ……!」
「んふ」
淫蕩な目をした白魔導士は一旦口を離すと、二人の接合部を唇と舌を使って刺激し始めた。
「おぉ…く…こりゃスゲェな……」
「あはぁん!もぅ、もう駄目―――ッ!!」
「く、あ…」
やがて女は再び背を反らして豊かな胸を空に突き出し、全身をわななかせ――男はきつく窄まる膣の中に、己の精を吐き出した。
何度も、何度も。
最初の交わりから、どれほどの時が経っただろう。
…あれから、何回相手をさせられたかも覚えていない。
「さて!またケアルも貰ったし、そろそろ次いけるかなー?」
「ゆ…ゆるして…も、ムリ……たすけて……」
「あははは。駄目駄目。そんな簡単に終わっちゃぜんぜんJP稼げないじゃん?ラッド、そろそろ交代してやるよ」
「…おまえが休憩したいだけだろ…」
「ふふふ。MPはまだまだ余裕がありますからねー、ケアル欲しかったら言ってくださいねー」
…あぁ。
もう、駄目なんだ。
絶対に逃げられない。死んでも…いや、きっと死ぬことすらも許されない。
彼らが満足するまで、私の肉体は永遠に嬲られる、虜――
その思考を最後に。
彼女の瞳から、光が消えた。
(End.)