夜。宿の一階、中庭に通じる縁側にそのサムライは一人で座っていた。
「よう。何やってんだこんなトコで」
「これはベイオウーフ殿。故郷の酒を嗜んでいるところです。今宵は月が美しい故」
言って杯を上げる侍娘。
ふーん、サケね。この独特の香りは東方の奴だな。
「一人で?」
「いえ」
「・・・・・・」
視線を向けた先には忍者の姿。うぉ、ぜんぜん気づかなかった。
「ここで会ったも何かの縁。いかがです、ベイオウーフ殿も月を肴に一杯」
「うむ。戦の話でも聞かせてくだされよ」
そりゃいいけど、若いのにシブいねーちゃんたちだな。修羅場を超えた戦士の姿は、女といえど風格がある。
夜の風に乗って、どこからか虫の声が聞こえる。
戦闘ばかりの日々の中。こんな落ち着いた夜も、たまには悪くない。


そして、一刻ばかりの後。
「だぁかぁらぁ!!後ろから抱っこされてね?胸をこうクリクリッ・・・としてもらうのがホント一番気持ちイイんだって!!!聞いてんのこのポニテ?!」
「はーぁ?いやいやそんなの普通に触られるのとぜんッぜん変わんない変わんなーい!もーこれだから経験の足りないコは〜!ふっひゃっひゃっひゃ!!!」
いや君らキャラ変わりすぎだから。何その笑い方。
延々と続く女同士のエロ話にもうついていけない(というか正直どうしたらいいのか分からない)ので仕方なく黙々と酒を飲むオレ。
あー・・・まっすぐ部屋帰っとくんだったなー・・・
「おま、女忍者に向かって経験不足だとー?!」
「そりゃそうよ、殿方なんてこう優しく両手持ちしてあげて、クッと引き出してやればこっちのもの。ま、そこらのへっぽこ忍者とは勝負の経験が違うさね」
「へ、へ、へっぽこ忍者?!むっかつくー!!ちょっとベイオ!さっきのやったげなさいコイツに!彼女いるんだからテクはあんでしょ?!」
は?オレ?
「ふふ。じゃあ酒の肴に、ちょっとだけ触らせてあげようかねぇ」
言うなりぐっと諸肌を脱ぐ侍娘。中央から脱げる服の下から、鍛えられた上半身、若い娘の裸の柔肌が夜気に晒される。
ヒュー。ウチのヨメほどじゃないが結構な乳だな。ちょっと照れつつも挑発的な表情がまたソソる。
「ベイオ、後ろッからこのコの胸触って。そう。んで先っちょをつまんであげて」
「あん?こうか」
「・・・ん・・・ふ、なんか・・・くすぐったい・・・」
忍者の指示通りに、座ったまま背後から侍娘を抱くオレ。間近に髪の香りを楽しみつつ、白い柔らかな乳の先、かわいいピンクの先端を両方とも指先でつまむ。
「んで、クリクリっとしてあげて」
「こうか?」
くりくり。
「・・・んふふ、・・・ん・・・・・・んむッ・・・・・・んッ・・・!」
指先で侍娘の乳首をつまみ、擦りあげる。余裕のつもりか声出さないように我慢してるが、この様子じゃどこまで持つやら。
「・・・上手、だね・・・あ、・・・ちょ、ちょっと、イイ、かも・・・・・・あんッ・・・!」
しばらくそうしていると感触がだんだんはっきりしてきて、こりこりと摘みやすくなってきた。凛々しい顔が真っ赤になってきたのは、酒のせいばかりじゃないな。
実は攻められるのには弱いのか、力の抜けた身体を背後のオレに完全に預けてくる。イスの背もたれにでもなったような気分だ。
「・・・やぁん・・・・・・はッ、はぁッ・・・」
「ちょっと引っ張ったりもしてあげて。おんなじ刺激ばっかりじゃ慣れちゃうからね」
きゅ、と先端を摘み上げると思った以上に伸張する。伸びきったところでころころと転がすと、びくびくと侍娘の身体が震えた。
「あ、あァ・・・い、いいッ、きもち・・・いッ・・・!きゃはぁんッ!あはッ!!・・・ベイオぉ・・・ッ!!」
泣きそうな顔で振り向いたところに、サービスでキス。軽く唇を合わせるつもりが、むさぼるように絡めとられる。
舌を絡めつつも先端をいじる手は止めない。ビンビンに硬くなった乳首を擦るたび、びくびくと腕の中の身体が跳ね、熱い吐息をオレの内に吐く・・・
「・・・むー。ね、次はあたしにもやってくれるんだよね?」
荒い息の侍娘を見て、心底羨ましそうな忍者娘。なんでお前までその気になってんだ。
まぁここまできたらオレもやめられん。今日は美女二人と


「・・・ べ ィ ォ ゥ ー フ ゥ ゥ ゥ ゥ ?」


背後に膨れ上がる、怒れるホーリードラゴンの殺気。


もう夢の終わる時間が来たようだ。・・・ああ。分かってるさ。オレだけじゃない。
・・・このオチが読めなかった奴なんて、いやしないさ。


翌朝オレは、変わり果てた姿で捨てられているところを顔を洗いに来た白魔に発見された。
(See Next.)


×月△日。
これが最後の日記になるかもしれない。最近は毎夜日記を書くたびそう思う。
教会の陰謀、ゾディアックストーンとルカヴィの闇、そして聖アジョラの秘密。日々戦闘は激しくなり、個人の生命など羽根のごとく軽く吹き飛んでゆく。
ここまでついてきてくれた皆には、正直、どれだけ感謝してもしきれない。
彼女たちが望むのであれば、微力ながら僕に出来ることならなんでもしてあげたい。今では心からそう思う。
伝承に名を残す勇者たちの陰には、必ず支えてくれた仲間たちがいた。僕はそのことに気づいたし、これを読む人々も−−どうか、忘れないでほしい。
奇跡とは、多くの人々の力と思いが集まって成されるものであるということを。
(ほら。ここまで来たら帰るとか言わない)
(うん・・・)


ドアの外で声がした。
ラファかな?もう一人は・・・


(決まりごとなんだから遠慮しないの。ラムザは一人も追い返したことなんてないのよ。一番がんばった人は可愛がってもらえることになってんのよ。今日は貴女の算術が一番光ってたわよ)
(ありがとう・・・でも、あの、なんていうか・・・)


・・・算術士?!
そういう報酬を求めるタイプには見えなかったけどなぁ。いや、嫌とかいうつもりはぜんぜん無いんだけど意外というかなんというか


(好きなんでしょ?ラムザが)
(・・・うん)
(めくるめく甘美で淫靡な快楽のひとときを、大好きなラムザと一緒に過ごしたいんでしょ?!押し倒してあっちこっち触ったり触られたり○○○したり×××したりしたいんでしょ?!)


・・・・・・・・・ラファ・・・・・・。


(えーと・・・うん、まぁ・・・)
(でしょ?あんなお坊ちゃん育ちで押しが弱そうでナヨナヨしてて短くて早そうなアホ毛の金髪、正直どこがいいんだかサッパリ分かんないけど!!)


・・・・・・・・・・・・アホゲッテユーナorz


(いい?遠慮してちゃダメ。だいたい貴女は強い上にスタイルいいし色白いし美人だし頭いいし控えめだし実は料理とか得意だし、ムカツクくらいあたしに無い物もってんじゃない!!
あたしが男だったら押し倒して俺の嫁大決定よ?!大体、今日だって戦闘一回で8人倒してるのよ?兄さんなんかトータルで2人よ?立派なMVPなんだから胸張るの!!)


(ラファちゃん・・・?)


ラファの遠慮のない応援には、なぜか涙声が混じってきているような。


(あたしは知ったの。待ってても誰も幸せになんてしてくれない。みんな自分の幸せが何か考えて、求めて、がんばって結果を出してそして幸せになるの!!あなたは結果を出したのよ!!
取るに足らない自分だなんて言わないで、あと一歩だけ頑張ってよ!!そうしないと、誰もいつまでも幸せになれないじゃない!!)
(ラファちゃん・・・。わかった。頑張ってみるわ。嫌われちゃったら、そのときはそのときよね)


決心の瞬間か、かすかな間の後。
とても控えめなノックが、部屋に響いた。


「はい。どうぞ。ちょっと散らかってますけど」
僕はできるかぎりの笑顔で、頬を真っ赤に染めた彼女を出迎えた。


こんなにもまっすぐで可愛い彼女たちに支えられて愛されて、僕は本当に−−イヴァリースで一番の幸せ者だと。
心から、そう思った。
(see next.)


「・・・よくこんなイタズラ思いつくな、ラッド」
「ラッド『先輩』だっつってんだろベイオ。それはそうとこれはイタズラじゃない。正当な復讐だ」
ラッドの部屋に集まったメンツは俺と当のラッド、そしてものまね士の三人。
「復讐?なんで?何をされた?」
「何を?あいつはな、オレやらシーフやら巻き込みまくって算術ホーリーぶっ放しやがったんだぞ!?それでご褒美なんざ納得いかねーっつの!!汎用なめんなよ!!!」
隣室に悟られないよう小声ながら鼻息の荒いラッド。対して一切口を挟まず正座で座るものまね士は対照的な静かさだ。何の動物なんだそのマスクは。
「大体算術なんざ卑怯だっての。あんなの使えば一番敵倒せるに決まってんだろ。今回はものまね士も修行になると快く同意してくれた」
「・・・」
こくりと頷くものまね士。終始無言だが妙な存在感のある奴だ。
「で・・・隣のラムザの部屋の算術士をマネさせて」
「ああ。恥ずかしいネタを大量に掴んで、二度とオレにアタマがあがらないようにしてやる。くっくっく」
バカなんだか頭良いんだか評価に困る。
ぴくり、とものまね士が宙を見た。仮面だけじゃなく、しぐさも心なしか小動物っぽいな。
「お。始まったぞ」
ものまね士は何かをまたぐようにベッドに乗り、両手をついて四つんばいになった。当然服は着たままだが。
「いきなりマウントかよ。案外とエロい奴だなぁ。頭良さそうなクセに」
「お前は敵に回したくないな・・・」


「終わった終わった。いやぁものまね士ご苦労さん。これでもうアイツに勝手はさせねーぜ」
「・・・・・・」
誇るでも奢るでもなく、くったりとベッドにうつ伏せになるものまね士。なんとも見事な芸人だ。
オレたちはそれから、やれシドがどーしたのメリアは恐いだのとどうでもいい話になだれこんでいった。

しばらくの後。
「ん?」
寝たと思ったものまね士が、ごそごそとまた動き始めた。
うつぶせのまま腰を上げヒザを立てると、ミニスカートに手を入れ下着をすっと下ろす。
・・・おいおい、そこまでやるとは凄いな。つーか、本当に丸見えだけど見てていいのかよコレ??
ラッドと二人でどきどきしながら眺めていると、彼女は右手の指を軽く舐め−−ちゅく、とその指を下方から自らの最奥に沈めた。
そのままゆっくりと出入りを始める二本の指。静かで微かな甘い喘ぎが、部屋の空気を満たしてゆく。
「うはは、一人で始めたのかよ。どんだけ絶倫なんだ算術士。ものまね士、オマエもなかなかキレイな×××じゃねーか。いいネタだ、もっとやれー」
「・・・ッ!」
ものまね士の身体がびくびくと震える。
「ラッド。何か・・・おかしいぞ」
巧緻な指使いに彼女は何度か絶頂に達しているように見えるが、自分を慰める動きが一向に終わらない。
と、白いマスクがこっちを見−−


「・・・おねがい・・・とめて・・・!!」


しゃ、しゃべった?!!
「こわれ・・・ちゃう・・・ッ!!ふぁ、あ、あぁ・・・ッ!!」
再びびくりと背筋を伸ばし、幾度も身体を震わせる。
・・・自分の意志ですぐには止められないってか?そういや止められず仲間殴ったりしてたかなぁ。
「いや、もう、いやぁ・・・!あ、く−−ッ!!」
算術士の動きは、こうしてる間も音を立てて彼女の敏感な場所を弄り続ける。容赦なく自分を犯す自分の指を止められず、絶頂から解放されないものまね士はもう涙目で半狂乱だ。
もうちょっと見ていたい気もするがそうもいかない。俺たちは急いでラムザの部屋に駆け込んで−−


絹を裂くような悲鳴と共に、仲良く算術ホーリー+ものまねホーリーで天まで吹っ飛ばされたのだった。
(FIN.)