「ん……は……ぢゅ……ウィーグラフ様ぁ……」


 昼間はその身を重厚な鎧に包む女騎士。今は裸身を晒してウィーグラフの股間に
身を沈めている。ちゅ……ちゅ……と音を立て、男性器の先端を舐め、吸い、先走りの
液を舌で塗りたてていた。
 自身の片方の手では己の乳房を揉みほぐす。もう片方の手は己の秘唇に伸び、
蜜に溢れるそこを弄んでいた。
 ――彼女は騎士として、目の前に屹立する「騎士の剣」に奉仕をしているのだ。


「ちゅ……れろ……れろ……ん……ウィーグラフさまぁ……」


 昼間はモンクとして第一線でその拳を振るう女。今はウィーグラフの股間に裸身を
せり出している。男性器をその豊かな乳房で挟み、ゆさ、ゆさと揺らしていた。
 口まわりを透明の液で滴らせた女騎士と代わる代わる、亀頭を舐める。吸う。含む。
味わう。目の前に迫った女騎士とどちらかともなく口づけをし、舌を絡ませる。
 ――彼女はモンクとして、目の前の肉棒と全身で格闘をしているのだ。


「ん……はぁ……はぁ……あッ……ウィ、ウィーグラフさ……まぁ……あんッ……」


 昼間は後方より仲間の援護をする弓使いの女。今は裸体でウィーグラフに覆い被さり、
深い口づけを交わしていた。しなやかな弓使いの体をウィーグラフの手が這い回る。
 薄い胸の頂をじっくりと舐めとられる。甘噛みされる。吸い立てられる。這い回る男の
手が彼女の秘唇に伸び、陰核を摘む。
「きゃ……あ……だ……だめ、だめ、そこは……あ、ああんッ……!」



 やがて女騎士と女モンクはウィーグラフの上で跳ねる女弓使いの腕を取り、足を取る。
 ウィーグラフの手管によがり続ける弓使いの腰を浮かさせ、妖しく蠢く女たちの手は、
蜜を滴らせた花弁をゆるゆると開く。溢れ滴る蜜を騎士とモンクは舐めとる。ちゅ……
ちゅ……と音を立てて口づけを交わす。
 頃合いを計り、騎士とモンクは弓使いの腰を屹立するウィーグラフの男根に向けて
ゆっくりと……途中から一気に落とす。


「……あ、い、いやッ、ま、待って……あ……きゃああッ!」


 弓使いの膣内にウィーグラフの男性器が突き立てられる。更なる蜜が溢れる。
 ウィーグラフは腰を揺する。左右に。上下に。円を描くように。小刻みに。


「あんッ……あふぅ……んんッ……んぁッ!」


 自然と弓使いの腰が淫猥に動き始める。しなやかな裸体が大振りの弓を扱う時の
ように跳ねる。大きく動き出すウィーグラフの腰の動きに飲まれる。膣内にある彼の
男性器の太さと熱さに、抗う事が出来ない。
 ――彼女は弓使い。近距離、しかも「剣」相手では勝つ事など出来ない。


 四人と一羽は絡み合い、交じり合い、乱れ――――――


「――まさに酒池肉林。ドキッ女ばかりのポロリ以上のヤりたいまくりの団長部隊。
 ……こんな妄想をしただろう、ゴラグロス?」
「あ……ああ、ギュスタヴ。し……しなかったというと……嘘になる……。
 チョコボはいらんが」
「実際にはそんな事は起こりえん。そもそもあいつがそんな事をしていたら、真っ先に
 ヤツのオレが女どもを味見する」
「ギュスタヴ、貴様なら本当にやりそうだが。とりあえずチョコボはいらんが。
 しかし……ありえんと……貴様がそう断言出来る自信はどこから来る?」


「ウィーグラフはホモだからだ」
「アッー!?」


「というのは冗談だが」
「貴様、発破するぞッ」


「少なくともウィーグラフは女に興味がないか、不能かの、どちらでかはあるだろうな」
「ま、まあ、確かに……いや、しかし……」
「だからこそ、女どもはあいつに絶大な信頼を寄せる。強く優しく頼りになるリーダー。
 そして。何よりも安全な男だからさ」
「う、ううむ……一理あるようなないような」


「まあ、本当はホモだからなんだがな」
「どっちなんだよッ!」



 ――後の世にアラズラム・J・Dは記す。デュライ白書を論究し、剣士ラムザ・ベオルブの
歩んだ歴史の暗部を紐解かんとする、歴史学者は。
「個人の性愛についての些細な罵りの応酬が、骸旅団壊滅への一歩目であった」と。


 ――歴史学者は加えて記す。


「人は性愛を求むる生物である。パンと豆スープのみに生くるに非ず」……と。


(おしまい)