| □ Genre menu bar □ はじめに ゲゲゲの鬼太郎 DRAGON BALL 3.3.7.ビョーシ 犬夜叉 GAME | ■ 3.3.7.ビョーシ ■ |
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ドブネズミは鮮やかな夢を見るか? ウメソメ
] 夜と朝の境目。 新宿の夜にまた、朝日が登ってくる。 頼んでもいないのに。また「今日」がやってきて、日々は続く。 終わらせちまえばいい日常を連れて。 今夜もサイケな晩に酔ったソウメイは、巣に戻るように御苑の中に戻ってきた。 少しばかり冷えるせいか、小さな体を縮こめて。 うとうとと半分閉じた瞼の隙間から、朝もやの空を見上げる。 夜を照らし出していたネオンはすっかり身を潜め、大気汚染で赤紫に染まった空は嫌いじゃない。 こうして独りでいると、本当に落ち着くんだ。 まるで「何か」から逃げるような日々の中で…… 「へっ」 皮肉な笑みを吐き捨てる。 本当は、逃げる必要などない。追う者もいない。 今この時。自分の存在を思う者などいないと知っているから、つい笑みがもれるのだ。 構わない。 自分だって思う者などいない。 いたとしても、それは憎悪と嘔吐感を呼び起こすような、不快な面ばかりだから、ソウメイは目を伏せた。 「………」 酒が足りなかったのか、うまく寝付けそうにない。 羊代わりに「嫌いな奴」を数えてみると、その面を思い出すたびに吐き気がした。 どいつもこいつも。この掃き溜めに似合ったクソ野郎とバカ女ばかりだ。 もう名前も覚えてないようなヤツラだが、顔やその雰囲気はまだ残っている。 苛つくような嫌悪感とともに、いつまででも残っている。 と。百を超えた辺りで白いスーツの男を思い出した。 それは名前も顔も。いくつかの携帯番号も、住所さえも覚えている男だった。 ふと目を開き、ビルの間に登ってきた朝陽に目を顰める。 「……はっ」 ヤケくそな笑みを落として、リングにガリッと歯を立てる。 昨夜ぶん殴った野郎の血の味が、した。 あの男───ウメは、確かに他のヤツラとは、違う。 ソウメイは森羅万象、どいつもこいつも嫌いだが、ウメに対しては違った。 言うなれば…… 「大っ嫌いだ」 口に出すと、ソウメイは今までの不快感がサッと消え去り、急に愉快になってきた。 腹筋が震えるほどの笑いが込み上げてきて、うずくまるようにしてヤケクソな笑い声をあげる。 ウメも。ウメの周りに自然と集るヤツラも、みんなみんな嫌いだ。 今度 奴に会ったら必ず殺す。 どんな手を使っておびき出してやろうか。 あいつの周りにはトロイヤツラばかりだから、ハメるのは簡単だ。 奸計を頭に巡らせている間、ソウメイは楽しかった。 本当に止まらない。悪巧みも。笑いも。 あの、何もかも分かったような目をして、分かってもいないくせに、最善の方法を導き出す脳味噌を、全部ぶっ壊してやろう。 そうすれば…… 「俺は……?」 ウメのいないこの街。 思い浮かべると、それはひどく退屈な街だった。 だが、それも対して変わりはない。 今だって、退屈だ。 「………」 笑いが収まると、白々と空けた光の下。 ひどくつまらない一日が始まったことに、また気付く。 そしてもう一つ知った。 ソウメイが大嫌いなのはウメだけではない。 一番大嫌いなのは、自分自身だ。 Fin. 337秒死同盟に寄贈 |