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セツコ:ショート、豪快
ミヤコ:おっぱい1、潤んだ黒髪、計画性なし
ナキ:黒髪、背高い童顔、タバコ
チトセ:ツインテール、デコ、八重歯
リオ:セミロング、外国人、言葉勉強中
アリナ:テンションだけの生物、黒髪
ミハル:やせぎす、黒髪中わけめがね
セラ:ポニー、ながされやすい
トキコ:おっぱい2、ゆるい、長髪ウェーブ
キノ:めがね、背筋ぴっしり、がんばりすぎ
イブの日も終わろうかというとき。
毎年この時期になると両親はオレを置いていずこへと旅にでる。行き先は知らない、書置き一つ置いてかない。
年が開けたら何事もなかったかのように帰ってきて、いやーいい息子をもってどうたらこうたら、どうやら秘密の旅行はオレから2人に送る自由な時間のプレゼントという体でまとめられているらしいのだが、なるほどその理論でいけばオレは2歳の頃から親孝行だ。
もちろんこの程度のことを怨むつもりはない。そりゃぁ育ててくれた大恩というものが存在するから、男と女に戻りたいというのならそんな時間くれてやる。反吐がでるから肉的なものは想像しないけど。
何が嫌だって、本当に一言も断りなく家をでて行くというその事実、その一点。そのことについて直接問いただしてみたとしても、返ってくるのは野暮なこというなよこのガキは空気読めよみたいな冷たい視線ばかり。
そんなことをされるとオレだって意味が分からなくなる。なんだオレは橋の下に落ちていたのか、実はオレを育てるのがめんどくさくなってんじゃねぇのか、そういうことなのか。そっちがそういうつもりならこっちにも考えがあるぞ……
そのような主旨のことを、知り合いのサンタさんに話してみた。
「意味分からないでしょ、なんでそこを隠すんだよって話ですよ、なんかおかしいことしてんのかって思うでしょ?勘ぐるでしょ!?」
「そんでこんな商売始めたんか」
「そうですそうです、もう好き勝手やってやろうって…ってセツコさんつまみすぎですよさっきから……」
「いーじゃんよー…うお、うめーなこれ」
オレはおでんのダシ加減を見つつも熱燗をお湯から引き上げる。月見うどんと、ゴマで和えたインゲンマメ。会心のダシ巻き卵を巻き上げてお盆に乗せると、昨日からあとは焼くだけ状態にしておいたグラタンができあがる。
この時期、誰もいない家を利用して、日本にくるサンタを狙って始めたこの商売。
ご飯をつくったりトイレを貸したり寝床を貸したり、まあ長距離トラックの運ちゃんを相手にした休息所みたいなもんだが、これがそこそこ軌道にのり、オレにとってはちょっと早いお年玉みたいになっていた。
サンタのセツコさんも常連の一人、毎年この家を基点に国中を走り回り、だいたい年明けくらいまでだべっていく。今はもう配送も終わって、後はめでたく飲むだけだ。
脱色したパッサパサの髪。短い髪に、顔のパーツが、彼女独特の比率で整えられている。美人を並べたらそこから一歩浮きでる美人。それが、長い足を組み替えながら食卓の上に座って一杯やっているのだから背中が気になって仕方ない。
「そんでたつぼんはいい人いないのかよ、せっかくのイブだぜ」
「親ですら信じられない人間が赤の他人をどうやって信じろと…うぐ」
「もったいねーなー、おめーなら嫁に欲しいくらいだ…うん、うめー」
大きくはないが明らかにおっぱい的なものが背中に当たる。市販の、あとは揚げるだけに下ごしらえしてあるチキンが油の中で溺れているのだが、なるほどおっぱいというものはそれよりも熱いものだ。
汗と酒と、香水なんかつけてないセツコさん自身の体臭が香り。首に巻きつく二の腕と、そこからかかる体重がくすぐったい。ハッキリいってしまえばこの商売の目的は金じゃない、ロマン。オレは寂しいのだ。
「あーっ!!ミヤコさん、冷蔵庫開けっ放しにしないでよ…」
「ふにゃーん…」
オレがおっぱいに揚げられかけてるその横で、黒い艶髪が床に尻をつきながら保令室に頭を突っこんでいる。サンタのミヤコさん。
セツコさんもそうだが、この頃のサンタというのは、いわゆる炭酸飲料宣伝ルックでなくて、サンタっぽければそこそこの衣装アレンジを許されている。ジュードーみたいなもんだろうか、ミヤコは、白いフサフサのあるフードがついたスウェットを着て、チェックのスカートからは黒いタイツが伸びている。
この人も常連。毎年浴びるように酒を飲み、見た目はちゃんとしてるのに中身が極度にだらしがない。絶対部屋とか片付けられない、破滅癖のある人。
「……たっちーん…ぅぅ」
「ちょっと飲みすぎですよミヤコさん…」
「……でる…でちゃう」
「え?なにがですか?」
「………………げろ」
「わー!!セツコさんちょっとおでん見てて!!」
「へーい」
「ごめんよー…たっちん……ぅぇ」
「いえいえ、全然大丈夫ですよ、ミヤコさんなら」
おっぱい大きいしいいにおいするしね。
・・・・・・。
「ここまででいいようたっちん…」
「一人で大丈夫ですか?」
「なによう…私にだって恥じらいというものがあるのよう…」
「ごご、ごめんなさい…」
とはいえ、中でぶっ倒れられても困るので外で待つ。この程度で幻滅なんてしやしない、ネコのうんこを積極的にかたずけるオレとしては、美人のゲロくらい頭を切り替えて対応できるのだ。
それにしても廊下は冷える。外では白いものが舞っているのだから当然だ。
「ん…?」
ヘロヘロになったミヤコさんを居間のソファで寝かせて、おでんの火を止める。お盆を持って2階に向かうサンタセツコの背を眺めていると、勝手口が少し開いているのが眼に留まった。
「ナキさん、中で吸ってもいいのに…」
「ああタツヒコ…いいんだ、外の方が空気がうまいから…」
サンタのナキは、サンタらしからぬ紫色の衣装を着て、チューハイの空き缶を灰皿代わりにタバコをふかしていた。
ぱっと見は童顔。それでも背は高いし、オーラというか、雰囲気がやたら大人びているので幼いとは思わない。小悪魔から悪魔への、永遠の過渡期、そんな感じ。
「ご家族ですか?」
「ああ…いや」
彼女はバツが悪そうに、見ていた写真を懐にしまう。白い息はタバコのものか、彼女のものか。
「弟さ…もう随分長いこと会ってないが…」
「へえ…やっぱサンタさんにも実家があるんだ」
「フフ…失礼なこというなよ。…まぁ捨てた家だがな」
「え?」
冬空は黒く深い。目の前に雪が現れるのは家の光のおかげだ。遠くで、みんなの騒ぐ音が聞こえている。
メインのだべり場である2階では暖房がフル稼働、大勢で騒ぎまくるからすぐに酸素が足りなくなるだろうに。それもまたいつものこと。ナキさんはそうした喧騒を感じるために、勝手口の扉を開いたままにしているのだろうか。
「昔流行った玩具があってな…」
「はぁ…」
「こんな感じで…首のところがくるくる回るんだ…」
「ああ、ヘロポンですね、あれはやったなー」
「それを弟が欲しがってな…ウチは貧乏だったから、両親はとりあってはくれなかった…。私はさ…ずっと一緒に弟と遊んでたから、その子がどれだけその玩具を欲していて、どうやって遊びたがっているのか、痛いほどよく分かったんだ」
「ははぁ」
「フフ…それでな、私はその子にヘロポンをプレゼントしたくて、家を捨てたんだ。サンタさんになる。絶対弟を喜ばせてみせる。私がやるんだ。……自分の家族にプレゼントを贈れないのはサンタの掟だから」
「え?それじゃ…」
「バカみたいだろ?」
「いやいやそんな…」
「いいんだよバカだから。…私がサンタになるころには、ヘロポンブームなんてとっくに過ぎてた、そういうもんさ…」
「ナキさん…」
言葉がなくなる。彼女は、あえてオレを見ないようにしているように見えた。その肩に、小さな雪が積もっていく。オレは無意識のうちにそれを払おうと手を伸ばす……
「たっつーん、風呂借りてええ?」
「わあああ!!チトセ!」
背後から、サンタ2人が現れる。陽気なチトセと、塞ぎがちなリオ。
「下着の代えとか売ってヘンかなー」
「ああそっちにあるよ…って、2人で入るの?」
「なんや自分一緒に入りたいんかいな、えろっちいやっちゃな」
「ちゃうがな…いちお、セッケン類は新しいの使ってくれよ、置いてあるやつの量が変わると親にばれるから」
「こまっかいっのー、なんやのこの野暮ったいぱんつは…リオリオ、ここで履いてみ」
「…アゥ」
サンタのリオはビクビクしている。
海岸に流れ着いた流木みたいに頼りな気なこの娘は、何の因果か遠く遠方の多島国から配属されて、言葉も見事にタドタドしい外国少女。
金色の長髪は綺麗過ぎて、この古びた中古住宅にはもったいないし、肌の張りなんかもう横にいる中古サンタに比べたらあれだ、太平洋をあまねく照らす朝日くらいまぶしすぎる。
「だれが中古やねん、ホレホレ」
「触んな。その年甲斐もなくツインテールなところとか…まるだしのおでことか…憎たらしい八重歯とかがだな」
「そんなんいいなや自分、ウチのおっぱいくらいしか触れヘンやろ?年間で」
「寄るなよもう酒くせーなー……ん?なにリオちゃん」
「ワタシ…あんまりオカネナイ」
「別にいいよー、リオちゃんかわいいからタダであげる」
「……ソウいうの…ヨクナイ」
「じゃ、プレゼント。クリスマスだしね」
「……アゥ。……サンタとして示しがつかない」
リオはまごまごしている。
「うーん、じゃ、出世払いでいいよ、コレで決まり」
「…シュッセ?」
「リオちゃんが偉くなったらなんかおごってよ」
「……ワカタ。…リオ、えらくなってタツヒコにぱんつおごる」
「いや、ぱんつじゃなくても…」
そんな健全なほほえましいやりとりの間も、チトセはニヤニヤしながら笑っている。オレは彼女の二の腕にひっぱられ、確かに年間通じてめったに触れられない女体のぬくもりを感じつつも耳元で囁かれる。
「かいたったらええんちゃうん?絶対かけるで、あの子」
「お前…そういうデリカシーのないところが…」
いいながらもオレはナキさんを見て、彼女が笑っているのを確認すると、チトセが始めたミニコントに付き合ってやった。
・・・・・・。
「なんで脱いでんだー!!!!」
「チャースタツコー!メリクリー!!」
2階はもう大変なことになっていた。2階というか、オレの部屋だ。中央にお立ち台ができ、引きだし各種はマルサが着た後のよう。
撒き散らされた下着のたぐいにサンタ服。ふすまにできた、天井に向かう足跡はなんだ誰の仕業だ何事だ。
「なんなんだこの人型の白線は…!!ゲホ、ゲホ…アルミ粉が…」
「アハハハ!!見て見てタツコー、開始5分で夫殺しの容疑をかけられ呆然とする火サスのヒロインのマネー」
「ええい言葉で遊びすぎて肝心のテンポが悪い!そこのフルフルしてるトナカイの子供はなんだ外にだせ!!」
「アハハハハ!ウケル!超ウケル!!」
「ちょっとタツヒコさん、あんまりじろじろ見ないでくれませんかー」
お立ち台の上では2人のサンタがミニスカにブラというけしからん格好で胸押さえていた。
アリナとミハル。際限ない自己中で、自分を地球儀の真ん中の芯だと思ってるアリナは、デリカシーのなさでいけばチトセを大幅に飛び越える娘。
赤い髪で、育ち盛りであり、ふとももがむちむちとしており、後は黙ってさえいてくれれば文句なしにかわいい。かわいいのだが、例えばテレビで見たようなことをアタシもあれやりたいじゃぁやってみようみたいに先走る娘であり、結果しばしば大ヤケドを引き起こす。
コイツに文化祭を仕切らせたら死人がでるだろう、それこそアルミの粉が必要になる。もう少し自分を客観視しましょう、そういうサンタ。
ミハルはハッキリいってオレの敵。
人の気にしていることをネチネチと嫌味ったらしくなじるタイプで、プライドの塊で、私タツヒコさんとは付き合えませんねとか聞いてもないのに面と向かっていいやがってからにコイツ、いつかその中分けの分け目を二又にしてやろうかと思ってる。やらんけど。
もう一人、やんややんやと手をたたいてるのはセラという名前の人なのだが、新参であまり親しくはない。例によっていうまでもなく美人。サンタって面接は顔で選ぶのか。
「たつぼん、たつぼん、こっちきねぇ」
「セ…セツコさん…」
「お話しましょう、たつにゃん」
「ト…ト…トキコ…さん?」
サンタ、トキコ。ゆったりとしたブルネットで、おっぱいが大きく、おっぱいの大きい人。この人のおっぱいと、ミヤコさんのおっぱいを自由にできる力があれば、オレは世界を2回くらい平和にできると思う。本当にそう思う。
「たつにゃんはあったかいねー…」
「ぉぉぉ…トキコさんそんな…もうオレ子供じゃないんだから…にゃんはやめてにゃんは」
「そーお?じゃぁねー……ひこにゃん」
「それは著作権が…」
トキコさんはオレが子供の頃からこの家に通っているので、まあ見事にオレのことを異性として見ていない。今も後ろからはっしりと抱きつき、髪のにおいをスンスンとかいでいる。彼女から見ればオレはいつまでも子供なのだ。
ぶっちゃけた話をすれば、昔感極まった過去のオレが、彼女に思いを伝えた事がある。好きですと、本気ですと。それはもう鮮やかなほどスルリと流されはや数年、まさか今またほじくり返すわけにもいかないから、結局アレはなかったことになってしまった。
昔といえば、トキコさんとともに最古参なのが横のサンタ、キノさんだ。
細いフレームの眼鏡をして、髪を後ろで縛ってる。赤いスカートから伸びたストッキングは保守的、責任感が強く、背筋もまっすぐ、なんか少し怒ってる風に見えるのは、後ろのアリナが邪魔くせーからだろう。
これもまたはっちゃければ、彼女はオレの学校の担任だ。身体が強いわけでもないのにがんばり過ぎるから、さりげなく支えてあげないと危なっかしい。そんな人。
ちなみに、オレが昔ワルだったころ、万引きして警察に捕まって、責任を放棄した両親に代わって身元を保障してくれたのは彼女だった。あの時食らったビンタの痛みと、帰りに食べたハンバーグ定食の味は忘れない。ワルて。
「ん…?センセイ…それ酒」
「…あんだよー」
「先生酔って…」
「…文句あるかよー…ちくしょー」
彼女は酒乱である。
サンタが10人。
例年に比べれば少ないほうだが、仕事が終わればまだ増えるかもしれない。楽しいからがんばるが、なんだか眠くなってきて、いつの間にか寝てしまった。
・・・・・・。
「ん…?」
「あ、起きた?」
「んん…?んあ!?みみ、ミヤコさん?」
「たつにゃん捕まえたー」
「ととと、トキコさん…」
「しー…、皆に聞こえちゃうようたっちん…」
「えへへー、お肌キレイだねーたつにゃん」
眼が覚めたのは両親の寝室だった。身体のだるさと頭の冴えから考えれば、たいした時間はたってないだろう。昼寝タイプの浅い眠り。
「2人とも何を…」
「たっちんの寝顔見てたらさー、なんかもうたまんなくなっちゃったのよう…」
「酔ってますよねミヤコさん…」
「えへへ…すごい酔ってるよ」
いいざま、世にも濃密なにおいと体液が鼻腔に流れ込んでくる。とろけたような舌、アルコールの味。蒸留してないやつ。甘いやつ。
「ずーるーいー、私もー…」
「トキコさん…」
「お返事遅れてごめんねー」
「…返事?」
「私もたつにゃんのことスキよー」
「そんな…」
「ずっとずっと我慢してたの…もう大人だもんねたつにゃん」
口の中がくちゃくちゃになる。頭の中がぐちゃぐちゃになる。耳の中とか、アゴの下とか舐められて、逃げようともがいた手が、おっぱいの中に導かれる。
「んー?あむ。……音たてていい?」
「ひっぱっちゃえ……ふふ」
2人の手がオレの服をひん剥いていく。ちょっとでも抵抗すると、わき腹や腋の下をつつかれて力を奪われ、あれよあれよと飲み込まれる。代わりに鼻に押付けられる、ミヤコさんのぱんつ。ぐりぐりぐりぐり。
トキコさんの乳房が、直接肌にこすれている。これが生の乳の威力かと、とにかくすべすべするのを思い知らされる。わずかな汗。彼女はあと、スカート一枚残すだけ。何も履いてないのは、指で触っているから確実に分かる。
「だー!!たんま!ちょっとたんまミヤコさん!!…こんなのダメです!」
「なによう…私のこと嫌い?」
「違いますよ…だってほら…、営業的倫理的な面で…来年から皆を呼べなくなります…」
「いいじゃないのよう、私が養ってあげるから…たっちんがいいなら…んん」
「またそんな破滅的な…ちょっとは後先考えてください」
「ぁふ……あん、気持ちいいよーたつにゃん」
「トキコさんも!…そんな…ダメですってはしたない!」
もがいてもがいて、やっとのことでベットから転がり落ちる。寒い。肉のぬくもりがいかに保温性に優れていたかが分かる。だがそういうことではないのだ。
「…ふ、風呂!とりあえず風呂はいってくるから…!!」
「やーん、せっかくいいにおいなのに」
「じ、じゃぁその…せめてトイレいかせてください、歯とかも磨きたいし…」
「もー、なによう」
2人は怒っているというかむくれているというか、バカじゃねぇのコイツ見たいな顔をしてあきれてる。それも当然、されて当然。
エロっちいお姉さんが2人して夜這いをかけにきたのにそれを断わるというのだから、できたてほかほかのごはんに対して否といっているのと同じことなのだ。できたてがおいしいのだ、冷ましてどうする。
だが待って欲しい。誰だって、ああまた今日の晩飯小麦粉かーなんて思ってるところにいきなり特上の寿司を届けられたらビビるじゃないか、臆するじゃないか。
歯とかトイレとかどうでもいい、欲しいのは心の準備。そうなのだ。
「はやくきてねー」
「ももも、もちろんですはい」
「ダッシュ」
「はい!」
ドタバタドタバタ、脱げかけた服をひっかけ、しかしあくまで静かに。静まり返った家を揺さぶらぬよう、トイレに駆け込む。一息。するとどうか、あまりの幸福にヒザがガクガク震えてくる。
「うおお…落ち着けオレ…どんだけビビってんだ、ぐぐぐ、この先一生ねーぞ…落ち着くんだ…素数を数えるんだ…」
えらいもんで、萎縮していく心とは裏腹に、ちんこの方はこれでもかと張り切っている。多分もう2・3秒いじられてたら達していただろう。そういう意味でもこのインターバルは不可欠だった。
念のため一回抜いとくか、幸い左手にはミヤコさんのぱんつがある。
トナカイを乗り回した跡の、ちょっと酒のせいでシミのついたヤツであり、おかずとしてはこれ以上ない上等物。してみるとあのけしからんおっぱいと視界のぼやけそうなほどの濃密な体臭を思いだしてきて辛抱たまらない。
「タツヒコ…」
「わああああ!!!リオちゃんなにして…あがが」
トイレの扉を半開き、廊下の明かりを背にオレを見下ろすのはサンタ、リオ。
どこか恥ずかしげにモジモジモジモジ、そりゃそうだ、こっちはぱんつのにおいをかぎながらちんこをボッキンキンにさせているのだ、てかなぜ、なんでドアを開ける、電気ついてるカギは閉めた、せめてノックを……
「タツヒコ…ワタシ思いだした」
「ん?ん?なにがなにがだいリオちゃん」
「ワタシの祖国…オカネないトキ身体で払ウ…ジッチャがいってた」
「え?え?ほへ?」
「ワタシ…!シタことないけど……タツヒコならイイおもてる…!!」
そういってワンピース風のサンタ衣装を捲り上げる少女と、現れいでたるさらさらの恥毛。
「タツヒコ…ワタシ貰って…!!!」
「いやいやいやいやいや!!!落ち着け!落ち着くんだリオ!!」
少女のほっそい手首を掴むと、トイレの芳香剤など悪臭としか思えないような南国の香りが鼻をよぎる。自然なにおい。無添加のにおい。酸素カプセルの中がこんなにおいだったらオレ多分そこで一生寝る。
「リオよ、リオリオよ、落ち着くんだOK?」
「アゥ……タツヒコ…熱いヨ…」
「んえ?」
なんかちんこがあったかいと思ったら、少女の白いお腹にペトペトと当たってる。いわゆる犯罪であり、国によってはちんこを切られるが、だがだからこそ気持ちいい。
「違う違うんだリオちゃん…話せば…話せば…」
「タツヒコワタシのコト嫌いか……?」
「そ…そんな潤んだ眼で見つめられても…」
ぺとぺと、つこつこ。
「なにしてんたっつん…」
「はっ!!?」
そんな現場をがっつり凝視するのはチトセ、アリナ両しゃべくり女。もみ消せるだろうか、いやそれだったら教室でうんこ漏らしたほうが難易度低い。絶望。
「へー…たっつん、そういうこと…」
「タツコ…マジヒクんですけどー…」
「よし!誤解はかまわん、だが今は黙れ頼む頼むから…!!!」
「ええよ別に」
「へ?」
「そんかし、ウチもまぜてーな。なぁアリナ」
「ん…まーね」
「へ?へ?」
「前からなー、たっつんのことエエなぁ思ててん」
「タツコってさー、なんか慣れてるっぽいっしょ?…アタシ初めてだから教えてくんないかなーっつって…あはは。ヤベ、マジはずい」
「なーたっつん、えーやん」
「まてまてまてまて……顔を赤らめるなちょっと離れろ……」
話がどんどんよじれてく。昼間はたいした事ないくせに、迫りくる今の3人は悔しいが艶っぽく、女のにおいがムンムンする。ムンムンて、20年遅れのバカみたいな表現だがピッタリで、ピッタリよりも少し多めのにおいが、質量もって圧迫してくる。
(バカじゃないの何を迷ってるの!?やっちゃいなよ!どんどんどんどん膣射精しちゃいなよ!!)
オレの中の悪魔が吼える。対する天使、さすがに今日は強い。負けられない。
(バカね何をいってるの!?今日は何の日!?クリスマスよ!!そんな非人間的なことしてたらいずれ後ろから刺されるわよ!!豚!!死ね!)
(んだぁ!?てめぇケツの穴ガバガバのクセにクセェ息吐き掛けんな)
(だこらぁ!?テメェ死ぬために産まれるんなら最初から死んでこい豚!!あらかじめパン粉をまぶしてな!ファック!)
ぐるぐるぐるぐる……そうこうしてる間に
「あら、まだ起きてたの?」
「キノ先生!」
助け舟がきた。
はてさて状況説明に困るのは3人娘、まさか乱交しようって誘ってましたなんていえやしない。
チトセ、笑いつつも少女2人を小突き、そそくさ退散。
「助かりました先生…」
「先生はなしでしょ、今はサンタさんなんだから…」
「あ、すいません」
「あのねタツヒコ君、キミすごい格好してるわよ」
「おわあああ!!!違うんですこれはこれには…」
「もう、しょうがないなぁキミは…ホラかして」
そういって彼女は、ガッチガチのちんこをおもむろに握る。何をしたのかされたのか、オレも彼女も分からない。
「…あの、先生?」
「あ、違うわ、間違えた」
そういって彼女は飛びのき、多分反射的にだろうが握ったほうの手のにおいをかぐ。だめだこの人酔ってる、グデングデン。
「なによ!アナタがそんな粗末なものほっぽりだしてるから……!!いや、結構大きいか…」
「先生!先生しっかり!!」
「ゴメンわかってる、おかしいのはそれなりに分かってるわよ、ウン、分かってるんだけど…ああダメ」
「先生ー!!」
フラッフラの先生はもちろん大人だから、こんなんいったらどつかれるがそこそこ重い。転倒だけはまぬがれようと、あっちへフラフラこっちへフラフラ。脱ぎかけのズボンは引っかかるやなんや、ワルツみたいに脱衣所に転がり込んで、見上げた先にはナキさんの陰毛……
「なにしてるんだお前は…」
「わかってますごめんなさい、まずはごめんなさい」
脱衣所には風呂場の熱気が充満中。曇ったガラスに、暖められたボディソープのにおい。例えオレが、ナキさんのふとももを伝う水滴を眼で追ったとて、誰が責められようか。世にもあったかそうな雫である。
「だめよタツヒコ君…私たちは教師と生徒…アナタはあふれる性に自分が分からなくなってるだけなの…」
「分からなくなってるのは先生ですもう…」
「…ああん」
「喘ぐな」
正体のぶっとんだキノ先生に比べて、ナキさんの冷静さといったらどうだ。見られているのは分かっていように、あわてて隠すでなく恥じるでなく、落ち着きタオルをヒラリと巻いて、キッチンからコップを一つ、洗面台で水を汲んではキノ先生に飲ませやる。
オレがした事といえば自分のパンツを探すくらい。ワルツの途中でどっかに脱げた。
「まぁその…なんだタツヒコ、あんまり口を挟む気はないが…」
「はい?」
「酔わせてからというのは感心できんな」
「ぶはぁ!ちちち、違います違います…むしろオレは襲われて…」
脱衣所に、股間丸出し男女が2人、酔っ払いのサンタの眼鏡がパンツ丸出し先生。
変な空気だ、普段いわいでもいいことをこの際いっちゃおう空気だ。案の定……
「私タツヒコ君のこと好きなのかな…」
「せ…先生?」
「私もう疲れたのよタツヒコ君…」
キノ先生が切りだした。自暴自棄というかなんというか、サンタ服の袖で溢れでる涙を拭おう拭おうとするのだが、メガネの外側を一生懸命綺麗にするだけでゼンゼン拭えてない。笑っていいのか悪いのか。
「私の本業サンタなのにさ…バイトのはずの学校が忙しすぎてさ…」
「うんうん」
「クソガキどもは授業聞かないし主任はネチネチ文句いうし、次の日のレジュメ作って採点して、要領のいい同僚は仕事押付けて帰るわ、やらなくていい委員会やら、形だけの顧問なのにちゃんとしてくださいとかいってくる熱血部員やら…」
「うんうん」
「こないだなんか唯一楽しみにしてたホットドックにバイブはさまれて…うああああん」
「先生…先生がんばれ」
「……タツヒコ君はちゃんと聞いてくれるから好き」
「はぁ」
「キミは授業中寝ないもんね。ちゃんと見てるのよ…」
「先生あのね、ナキさんもいるからね…ははは、ねぇナキさん?」
「ああ…」
オレはもう笑ってごまかすことにする。ナキさんもなんだか笑っている。オレはその下半身を見ない様にする。
「まったく困った先生だなー、あははー」
「ふふ、…まったくだ。……先にいわれてしまった」
「ははは……へ?」
「私もお前が好きだタツヒコ」
「あの……」
「愛してると思う」
・・・・・・。
考えさせてください、とだけいって脱衣所を後にした。
リビングで一人、ちんこをほりだしながらぼさっとする。待ちぼうけのミヤコさんトキコさん両名はこのさいどうでもいい。こんなうまい話などあるはずないのだ、あるはずないのだ。あるはずがないのだ。
さては彼女達はサンタのフリをした強盗団なのだろうか、だとしたら騙されるヤツなんているのだろうか、オレか、目的は売り上げか、いやあるいは……
そんなんだから背後から近づくミハルに気づかない。
「……最低」
ミハルはベスト風の上着にプリーツスカートのサンタ的衣装。テーブルを挟んで反対側に座り、これ見よがしに文庫本を広げる。オレが邪魔だというのだ。
不満ならわざわざ近寄ってこなければいいのに、多分オレという存在に妥協することも癪に障るのだろう。最初にいたのはオレなのに、というかオレの家なのだが、でて行かなければならないのはオレの方。彼女の中では。
「…なんの用だよミハル」
「……馴れ馴れしいヤツ」
「今のオレは神経過敏なんだ、おめーにかまってるヒマはねーんだよ。ってか、なんで毎年ウチにくるんだわざわざわざわざ、さみしーのか、友達いないのか」
「……」
いい過ぎた、と思ったが後には引けない。こちとらちんこはでてるはなんやら、捨てるものなど何もない。ミハルの眼は極めて鋭角な二等辺三角形になり、文庫本からオレの眉間へ。
「…なんだよ、怖い眼したって効かねーぞ」
「……」
「…なんかいえよ…ははん、さてはお前オレのこと好きだな?」
「……」
「素直じゃねーなーミハルさんはよー、ランドセルしょいたてのガキんちょじゃあるめーしおめー、へへへ、一つ好意の示し方ってもんを教えてやんねーといけねーなーほれほれ」
「……うん」
「へ?」
「……好きだよ」
時間が止まる。
「おーうたつぼん、寝たんじゃなかったのかー?」
セツコさんがやってきて、オレとミハルを怪訝そうに交互に見ていると思うのだがよく分からない。スキダヨと聞こえてきたのだが、はたしてその意味が、難解な哲学書の用語のように掴めない。
スキとはつまりオレの思っている意味でのスキなのか、事前に定義がなされた上でのこの場限りのスキなのか、発話者の思考をトレースしなけれが意味がないのか、あるいは話されたことと思われたことの識別は別であって……
「セツコさん、おっぱいもんでいい?」
「んー?なんだー、べつにいいぞ」
「やわらかい…やっぱ夢だな」
そうしてフラフラと、水でも飲みに台所にゆくと、ゆったりとした髪を後ろで束ねた女性が食器を洗っていた。
「あ、どうもです」
「ああ、あの、セラさん、なにを」
「これくらいのお手伝いはさせていただこうと思いまして…お邪魔でした?」
「……」
「あ、あの?タツヒコさん?ってきゃあ!!なんでそんなおちんちんを…」
「うっせー!!!どうせお前もオレのこと好きなんだろー!!!」
「きゃー!!ちょっとちょっと、なんですかー!!!」
そんなカオスな炊事場に
「ちょっとたっちん何してるのよう!」
「たつにゃーん、まだなのー?」
「タツヒコー…」
「たっつんあかんわ!やっぱ我慢でけへん!」
「タツコー、私本気なの!!」
「タツヒコ君!ちょっときなさい!!」
「ちょっと時間いいかタツヒコ…」
「タツヒコさん、さっきはあの……」
「おー?なんだなんだ皆して」
全員なだれ込んできてややこしいことになったが以下略。協議の結果、オレは全員のものとなり、全員はオレのものとなった。どいつもこいつもモジモジし、やぶさかではないみたいな顔をしてからに、最後を締めたのは、セツコさんの一言。
「別にいいんじゃね?私らキリ○ト教徒じゃないし」
・・・・・・。
「うぁ……タツコ…ぅ」
「あ…ゃ…タツヒコさん…」
アリナとミハルの、腰を抱くようにしながら股間に手を伸ばす。2人の装いは共にスカート、ずれたぱんつ、靴下。やせぎすのミハルに対して、少しお腹がでたアリナはなんとかそれを隠そうとしている。
指先の感じでいけば、体毛もアリナの方が多い。それにともなうにおいも。
背後から、キノ先生の手が性器に伸びる。オレはとっくに素っ裸。先生は酔いも冷めたのか、大人びた雰囲気で笑みを浮かべているが、頭の中がテンパっているのは震える指先で分かる。
「ふふふ…けしからんわね、ど、ど、どうしてやろうかしら…」
「先生…痛い痛い…爪」
「あ…ご、ごめん」
先生の姿は、黒いブラと、ショーツの透けて見えるストッキング。この人も線が細い、しなだれる様にその胸に倒れこむと、いまさらながらに照れているのか、天井を見上げてゴクリと息を呑む。
「たーつにゃーん」
トキコさんが、他のメンバーに構わずなだれ込んでくる。密度が上がる。少し巻きの入った髪の毛が鼻先をくすぐっていく。彼女は夜這いのときのまま、スカートのみの姿で手に余るおっぱいをおしつける。
「たつぼん、誰からする?」
「うー…全部」
「ほれ、しゃきっとしれ果報もん」
なぜか乱交の会場は両親の寝室。やたらと肌触りのいいシーツの上を引きずられ、10人のサンタが互いに身体を比較しあうのを見つめる。照れてる感じが伝染して、下腹辺りがこそばゆい。オレは無意識に一番交尾したい相手を指差す、ナキさん。
「私か…?」
「えー?なんでようたっちん…」
「たっつんウチもしてー」
「ええいうるさいナキさんがいいんだいどうしてもだい…」
「うまくできるか…自信ないぞ私は」
怠惰に寝そべるオレに、またがるように構えるナキさん。長い足に照明が照りかえっている。
化粧も身だしなみも最低限度。もっとちゃんと手入れをすれば、世界中の誰の視線をも自由に操れるはずなのに、そういうことを気にしない性質が、逆に心地よさを与える。完璧でないことの親近感。
他のメンバーが固唾を呑んで見守る中、ヒザを折り、ゆっくりと肉物の先端を己の性器へ。視線は肉と肉がくっつくかくっつかないかのところに集中。
「んっ…」
入口のところでぐずついて、探りながら深いほうへ。勝手が分からないのか、ナキさんは眼が泳いで、変な間ができる。
「あれ?…違うのかな…ぅ」
「ナキさん?…落ち着いて」
「ゴメンな、…よく分からなくて」
バツの悪そうな顔をして、腰の位置をあれこれ動かす。髪の毛が垂れ下がって、表情はよく見えないが、なんだか真っ赤になっているのは分かる。
「そこでいいと思う…」
「こう…?」
亀頭、七分目、半分。つっかかる部分を抜けると深部までスムーズに埋没。ナキさんはオレの腹に置いた手を支点に、必死に自分を支えている。
手首に手を添えると震えているのがよく分かる。ゆっくり引いて、うずくまる体勢になった彼女とキス。タバコのにおいを気にした感で、わずかにためらう様子を見せるも無視して抱き込む。舌が暴れる。落ち着くまでの、気の遠くなるような長い時間。
「は…ぅ。…ん、……ぁっ」
尻をもって前後にゆする。陰毛と分かるものが下腹でチリチリとはじけている。不慣れな肉が肉物をこすりあげて、彼女の苦痛とか疼痛とかが伝わってくる。
「……ぁぐ…。」
背中を抱くと、腰がビクリと跳ねる瞬間があって、その時にあわせて膣の内壁が一瞬すぼまる。射精しまいとする努力をあざ笑うかのように、どこに逃げても尿道に当たり続ける肉に炙られて、半ば強制的に絶頂へ。
「…ん…ぇ?………ぁっ」
膣に射精されたことに気づいたナキさんは少し困った顔をして、おでことおでこをわずかにこすると、最後に軽いキスをして性器を抜いた。
「タツヒコ…ァゥ……っ」
リオがボロボロ泣いている。ガッツリとはまり込んだ肉物は彼女の体躯から比べてみれば相当な容量を持っており、体質なのか、あまりぬめらない彼女の体液では内壁を保護できているか分からない。
少女はオレに懸命に抱きつくことで、精一杯の愛情を示そうと努力しているように見える。痛みのせいで腕の力を入れすぎたときなどはうかがうようにこちらを見、力といってもそんなたいしたもんじゃないのにごめんなさいといった顔をする。
「タツヒコ…ッ!!……スキ、…大好き…!!」
少ない語彙の中から選びぬかれた言葉に、応えるように舌を吸い、同じ国の人間だったらちょっとためらうような、過剰な愛撫を口内に施す。
そこそこ力を入れて吸ってみたり、奥の方まで差し込んだり。夢中になりすぎて腰の動きが乱暴になり、それでも構わないという旨を伝えようとするのだが言葉がでてこない様子の少女を見て、さらに彼女が愛おしくなる。
「リオリオお尻あげてー」
2人の情熱にあてられて、テンションが高騰したアリナが、背後から結合部にだ液をまぶす。
リオが素っ頓狂な声をあげ、なんだと思えば肛門を指でいじくられているらしく、破瓜の痛みよりも衝撃的だったのか、わき腹をくねくねさせて逃げようとする。
「アリナ…!…イヤ…ヤ…ぁっ!!やぁ…ぁ」
「リオちゃんかわいーよう」
ミヤコさんが横から割ってきてリオのくちびるを奪いとる。性器だけはくっつきつつも、仲間はずれにされた感じのオレに、セツコさんがセラさんを連れてきておしつける。
ああどうも、さっきは、いやいや、変な感じの会話で、少なくともこのセラという人が案外ノリ気であるのを確認したところでリオの腰が2・3跳ね、不意をつかれて射精した。
・・・・・・。
「なんで自分まきこまれてるんですかねー?…あはは」
淫靡な空気を笑ってごまかそうとするセラさん。ぱんつを脱ぐか脱がないかで迷いが生じたのか、マジですか?とか、お先にどうぞ、とかいいながらなんとかコトを先延ばしにする。
「おめー、往生際わりーんだよ」
「ひゃー!!ちょちょ、ちょい、センパイやだやだ、やーん!!」
「うっせ、脱げ脱げ」
おっぱじまった百合的な絡み合いを眺めつつ、オレの肉物はトキコさんの口の中で最充填される。
過去のオレがいるのなら見せてやりたい。褶曲で歪みに歪んだ地層のような妄念を、この初恋の人は分かっているのかいないのか、たしなめるようにゆっくりゆっくり、キス、ついばみ、キス。
「ふふふ…おおきくなったねー、たつにゃん」
どっちの意味でですか、などと心にできた空白をついて、彼女は一息に肉物を奥まで飲み込み、奥の方の肉を蠕動させて亀頭を圧迫する。
射精メーターが急激な昇りカーブを見せると、その直前を見越したように口を離し、カーブが下がり始めるとまたくちびるで先の方を包み込む。
「んっ…ふふ、…ぁ、…んっ、ん……。」
とろけそうなだ液が尿道に進入する。不思議なことに、そんなところを責められれば本能的に身構えるはずの身体が、やらせとけばいいんじゃね?みたいな感じにネジが緩まっている。
睾丸や根元の周囲、肉物を形作る溝や、各種影ができるところを丹念にもみほぐす舌。辛抱たまらず、押し倒そうとしたらしたでスルリとかわされ、背中を押された先にはアリナ、チトセ、ミハルの3人娘がいた。
「たっつんウチも…」
「タツコー…、私もぉ」
「タツヒコさん…その…私も……」
普段は鬱陶しかったり邪魔くさかったり小生意気に人を邪険にしたりするくせに、今はなんだ、チョコでできたネコのおかしみたいになって、ゴロゴロと身体をすり寄せてくる。
この年頃の娘にそんな声をだされていい気にならない男はいないわけで、それが3人いるわけだからなるほど、孔明様だって破れない最強の布陣だろう。各々格好は、ミニスカぱんつにくつ下。
3人とも照れているのか分かっているのか、押しかければ引いていき、むくれてみれば寄ってくる。ようやくミハルの腰を捕まえて、積年の恨みを晴らすがごとくむしゃぶりついてみれば、意外にも子供っぽいプリントぱんつがでてきて噴出す。
「な…なんですかもう…」
「いやだって…この柄は…」
「こんな時にわざわざいわなくてもいいじゃないですか…バカ」
少しスネはじめたミハルをなだめつつ、3人娘を横に並べる。手はベッドのヘリ、右からミハル、チトセ、アリナ。連なる尻の光景に、思わず生唾がノドで鳴るのは仕方のないところ。
差異こそあれ、各々縦に染みた後がくっきりと残っており、ためらいがちにそれをずらす様をこの世の何に例えてよいものか。
「ああ…タツコ…タツヒコ…ぁっ…」
アリナの入口を指の腹でいじり、肉に埋もれるようになった雛尖をつんつんとつつく。そのまま膣口を指で広げ、内壁を繋ぐ糸と糸を一本一本ほぐすように肉物を進める。
「ふぁ…ん、……は…ぅ。…ゃ…ぁん!」
重みを持った肉が茎の側面を押し返そうとしたり、アリナが息を吸った瞬間にあわせて飲み込もうとしたりする。肉の凝った感じがするところを見つけ、重点的に亀頭をあてがってみると、振り返ったアリナは信じられないといった感じで声を荒げる。
「なにそれそこダメ…!!痛いよタツコ…やぁっ!!…ヤダ!ヤダ!!」
一番ビックリしたのは横で見てたチトセで、あまりののたうち方にちょっと引いている。
「たっつん……ええの?コレ」
「…んぁ?…なに?」
アリナの髪の毛に鼻を埋め、自ら喜んで窒息に向かっていたオレにそんな言葉は彼岸の向こう。
めくるめく肉欲と、若さと、沸騰した脳幹の前には膣内射精は全地球生物に肯定されるべきできごとであり、血圧の上がりきったオレはそんなこと考えるまでもなく、当然のように膣にだした、というか勝手にでた。
「あぁ…っ。…や…。ふぇ?…すごいのでてる…もぉ…」
あまりにも自分を無視した振る舞いに腹が立ったのか、あるいはそれほど自分の身体に溺れたオレを見て満足したのか、力のない後ろ足の蹴り一発で抗議は終わった。
「たっつんこっち…」
「うん…」
「あっ…ん」
チトセの肌はくすみがない。身体が意外にも柔らかく、両足が伸びきっているのに尻を突きだすように腰骨を曲げるコトができて、腕のいいカメラマンが加工すればアスリートみたいに見えなくもない。
「ん……っ。っく。あっ、やっ!」
尻の穴とか、指を押付けてもあんまりにおいが移ることもなく、ネチネチといじくっていたらアリナが面白がって舌を寄せる。
「な…なんやのアリナ…ゃ…」
「えー、お尻とか感じんのチトセ?」
悪ノリ。ほんの数秒前に破瓜を済ませただけでもう先輩風を吹かせて有頂天な少女は、でたりはいったりする肉の継目からでる白いあぶくにだ液を混ぜ、面白がってチトセの尻に噛みついたりしている。
丁度いいところにあるアリナの頭を撫でると転がって喜び、ミハルの膣をほぐすようにいいつけると素直に応じる。いつもこうならいいのに、というオレに、いつもこうだよー的な変な返しがあり、その笑い方はどうみても魔性。
「やだアリナ…!なに…」
「うりうり、よいではないかミハルー」
そんな舌と粘膜のやりとりに見惚れながら、チトセの膣を強くこする。彼女が快感を感じているわけでなく、持ち前のサービス精神で場を盛り下げないよう、痛みに耐えているのはすぐに分かったので、間をおかずに射精。
怪訝そうに振向く顔にキスをして、小声でボソボソ、後でたっぷりどうたらこうたらとか、その時はねっとりしっぽりなんたらかんたらとつぶやいてやると、うっとりとした表情で眼を細め、ものすごい熱っぽい声で「まってる」とだけいった。
ミハルの肉は全体的に薄い。間接は細いし、不安定でぐらつきやすく、それで本人大丈夫なつもりだから気が気でない。ゆっくりゆっくり、うかがうように腰を入れていたら、その様子に気づいたのか早速強がって見せる。
「もうちょっと強くしてもいいです」
「え?…いや、ムリだろ」
「アリナには猿みたいにしがみついてたじゃないですか…んっ」
「失礼なこというなよもう…」
コトの済んだアリナとチトセは、横で互いにくっついて交尾の余韻を分け合っている。人の精子できゃーきゃー騒いでる様はなんともむずがゆいものがあるが悪いものではない。むしろ大変良いものであると裏のオレがいっている。
「いいからやってください」
「ん…じゃ、…こう?」
「ひゃぅ!!」
「ホラ…」
「……ぅぅ」
「ここ大丈夫?」
「はい……あの、…ゃ、そのあたりでお願いします…」
直腸検査をされる入院患者のように大人しくなったミハルの底で、つこつこと前後する。しゃばしゃばの汁の塊があり、それが溜まってる肉域はあまり肉物に引っかからないというか、優しい具合に包まれるので腫れ物に触れるには丁度良い。
そうしたことを逐一ミハルの耳元で囁くと、知りませんとかなにいってるんですかとかいいながら顔を真っ赤にするので楽しくてたまらなく、今日のこのまぐわいをネタに、あと何度ミハルの心を折れるのかとか考えてニヤついてしまう。
そうしたらついつい奥の方をつつき過ぎて悲鳴が上がり、暴れるから余計に傷口が広がって、痛みが収束するのに時間を費やすことになる。
「バカ!!…もうっやだ!…なんでこんな人好きに…」
「ホント、なんで?」
「知りません…!もう…ぁっぁ、んもう!!」
結局、ミハルの中では達するコトができず、なんだか不満そうな顔をされたが、避妊してない時点で根底からずれてるぞというと、チトセがケラケラ笑いながら答えた。
「だってウチらクリ○チャンやし」
「うそん…」
・・・・・・。
小休止。
小水のために部屋をでると、世界というものがとてつもなく寒いことに気づく。
「うおう、寒い」
「タツヒコ…すりっぱ」
「おお、ありがとリオ…そりゃ」
「キャゥ…」
ネコの代わりにリオを抱える。端から見ればなにもかもが異常な情景。外国の女の子が金髪で、素っ裸で、なによりもサンタなのだから。
「先はいる?リオ」
「……」
「リオ?」
トイレの前についても少女はオレの首にしがみついて降りようとしない。どうしたのか、どっか痛むのか、2・3聞いたが、はぐらかされる。刹那、ものすごい可能性に気がついてしまい、頭の中の白い壁がガラガラガラガラ崩れていく。
「トイレじゃないんだ…」
「……ウン」
「オレと離れたくなかった?」
コクリ、と少女のアゴがうなずくかうなずかないかでオレはトイレの中に入り込みカギをかけて密閉する。完全なる犯罪の箱庭の誕生である。
始め少し驚いた少女は、怯えるようにオレの眼を覗き込み、この檻が自分にとって安全であるかどうかを確認するためにキスを求める。
残念ながらオオカミであるところのオレは、みかんの汁でもすすりとるように彼女の口腔を吸い、息継ぎをさせる間も与えずだ液を送ると、荒い息でもって鼻を塞ぐ。
「ひぁ…タ、タツヒコ…や…」
垂直に差し込まれた舌は動物の性器のように少女の口を犯し、あふれた汁が、産毛しかろくに守るもののない皮膚に流れていく。オレは少し開いた股の付け根の、先ほど荒らしたばかりの果肉を指でマッサージし、垂れでた愛液を中指で絡めとって、これ見よがしに少女の前で舐める。
「ヤダ…ダメ…そんなのヨクナイ…」
止めようとする手に力はなく、膣に入れた指の関節が増えるたびにワナワナと、やるかたない神経の痛みに打ち震え、制御できない身体の反射が、奥から奥からあふれてくる。
「や…ヤ…ぁぁ…ぃやぁぁ…ゥゥゥぁぅぅ……っ」
やがて発育途上の身体が硬直し、狭いトイレで限界まで張り詰めた足の爪が、壁紙を引っぺがすように壁に当たる。
それこそ、張り詰め具合ではこの空間の何にも勝るオレの猛り狂った怒張を、震えが止まらない少女の膣にあてがうと、わずか2・3回目の往路で達してしまう。
「ア……タツヒコ…熱い……熱いヨ…ゃぅぅぅ」
繋がった肉の柱を伝わって、南国の海みたいな温度の水が垂れていく。肉物を抜き、無茶いうんじゃねぇぜというちんぽこをなんとか切り替えて放尿。
人生でそう何度もあるわけでない度の外し方をして、少女と2人、何事もなかったかのように部屋に帰ろうと、ドアを開けたらセラさんが立ってた。
「はいはーい、お静かにお願いしますタツヒコ君。騒いだら殺しますから」
・・・・・・。
「どういうつもりですか…セラさん?」
「あははー、質問はこっちがするんです、いいですか?」
「リオには危害を加えないでください…」
「ええもちろん、死体より邪魔にならなければね」
ガチリ、と撃鉄が引かれる。セラの身体を覆っているのは黒いTシャツ一枚で、下半身を隠すつもりはさらさないらしい、便座にオレを押し込んで、嫌でも視界の中にヘアがはいる。ヒザの上には、震えたリオ。
「まず一つ、どういうつもりなんですかね、アナタは」
「なにがですか」
「なにもかもです。困るんですよこんなわけのわからない商売始めてもらっちゃあ…」
「なにがですか」
「なにもかもです。分かってますかアナタ?我々はサンタなんですよ」
「なにいってんですか」
「あん?私らサンタの存在は一般人には特秘事項だからだよ」
「は?なんで」
「あ?」
「サンタなんて皆知ってんじゃん」
「ちょっと待てお前まさか…」
「なんですか」
「その年でサンタの存在信じてんのか?」
「へ?」
エージェント・セラがいうところによれば、本来サンタというものは存在しないことになっていて、普通小学校に上がるか上がらないかにはサンタといわれるものの正体が自分の父親であることに納得するとかしないとか。
そんなんいわれても、オレ、年末年始は物心つく頃から一人だったし、そういう話題はあえて避けるように生きてきたし、なにより実際サンタに会っちまってるから疑う余地なんてなかったし……
「あークソ、ワケわかんなくなってきたな」
「なんか、よく分からんけどよく分からん疑いは晴れたんですか?」
「やり直しだよクソ、上に報告して…あー、お前、メンドクセェからもうこの店たため」
「な、なんで……今日だってこれからまだお客さんくるかもしれないのに…」
「あ!?テメ、そいつら全員と交尾するつもりか?ザケンなサンタをたちんぼかなんかと勘違いしてねぇか?殺すぞ」
「ベ…べつにこんな大乱交にもち込もうと思って始めた商売じゃねぇぞ…!!…ロマンは欲しかったけど」
「子供のロマンをヤリマンに運ばせるわけにゃいかねーんだよ、死ねカス」
唾こそ吐かれなかったものの、オレの心は木っ端微塵。また一人に逆戻り。日本中幸せなのにまた一人。あの絶望の暗がりにまた戻れというのか。あの、列車から転がり落ちた荒野の惨めさに。凍りつくような草葉の影の冷たさに。氷の中に封入された哀れな落ち葉に。
放心。
リオが、心配げに身体を揺すっているのが分かる。分かるのだが、身体が動かない。手が上がらない。頭がふらりと後ろに倒れて、貯水タンクにモロにぶつかる。
「……おい」
「……」
「チッ。…おいって」
バツが悪そうにするセラが見える。困ったらいいのだ、人に死ねといって心が痛まないようなヤツは死んだらいいのだ。
「……しゃぁねーなー…オイ」
「……」
「オイってもー、起きろよメンドクセェ」
「……」
「なんかやるよ、一個だけ、なんかやるから」
「……」
「プレゼントやるってば、それで許せ、な?こっちも仕事なんだよ」
「……」
「特別なんだぞオイ、オメーみてーな猛獣チンコにゃぁ普通やんねーんだから…オイって」
「……くれるの?」
「おうおう、やるやる、なんでもやる、ホレ泣くなよ」
「……なんでも?」
「ああしつけーな、なんだ、何が欲しい?」
「……も」
「ん?」
「セラさんの子供」
「……クソガキ」
・・・・・・。
「おいだしただろ?今でてるだろ?…ぁん、ちょ、やだ激っ…」
「でてません」
「ウソこけ、ぎゅーぎゅーいってるじゃねぇか!っぁっぁん!も、ちょ、待てって…!!」
「でるかも」
「こ、こら抜くな!いちいち見せるな、ちょ…バカ!!」
びゅるびゅると、1ロールのトイレットペーパーをとかしたような量の汁が降りかかる。
明らかに処女らしき朱の血痕は見なかったことにして、精液まみれのTシャツの上から、そこそこのおっぱいを揉み搾る。
「もういいって!もういいってば!!…ぁ!っが!!ああぁぁぁ……」
「でてません」
「子供が…子供が見てるだろうがっ!!っぁぁぁぁんんんんぁ!!!もうっ!!」
「でるかも」
「そっちは違う!穴が違う!!!」
オレの身体になにが起こったのか、決してあらぶる獅子のごとく腰を打ちつけるでなく、むしろ流れる流水のように肉のうねりに対応し、事細かに、セラの思考すら及びもつかない肉の要求に応えていく。
セラの神経の伝達具合、力を加えるべき場所、加減などが手にとるように分かる。柔軟なところを責めている間に難攻不落の肉をほぐし、神経の錯誤や知覚のミスにつけこみ射精。全身、麻酔を吸入したように意思無く倒れこもうとするセラの身体を引き起こしねじ込み叩き込み。
「やっ…だぁ!!!やぁ、やめ、やめてよ!!!ぁぁぁああぁぁっぁんんん!!!」
「でてません」
「ムリだって!…ムリ!もうぅぅぅぅぅぁぁぁぁぁ!!!……あがっぅぅぅぅムリ…」
ビックリしてるのは、真後ろでそれを目の当たりにしてるリオ。
「はぅぅぅぁぁあああ!!!!!ぁっぁんん!!!!んんんん…!!!!」
どぽり、と。
排水溝からどぶ川に注ぎ込む最初の汚水みたいな音がして、黄ばみがかった塊がセラの膣から零れ落ちる。そのまま彼女は壁にぶつかり、ひざの関節がイカになったみたいにずるずると崩れ落ちる。その顔に、さらに追加のどぶ汁。
「こ……こんなの…ぁっ…ヒドイ……ヒッ…ヒック…ぅぅぅぅぅ」
最終的には泣かせてしまった。
「リオよ…オレはやりすぎたかな…」
「……リオ、…子供だから分かんナイ」
リオと2人でドロドロのセラを風呂場に運び、とりあえずどんだけ洗っても中からでてくる尻の穴を除いて綺麗にすると、見事に泣き腫らした眼で睨まれて脅された。
「責任とれよ…」
「………店は?」
「いいよ別に……上には黙っとく…………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………ゴメン、銃とか」
・・・・・・。
「どうしたたつぼん?うんこかー?」
「あー、なかなか綺麗にならなくて…」
部屋に戻ると、皆何するでもなくダラダラとだべっていた。特に意味はないが、セラは時間をおいてからくるとのコト、多分、またトイレだ。
「たっちーん…」
「ミヤコさん…」
「たーつにゃん」
「トキコさん…重っ」
「なにしてたのよタツヒコ君」
「先生…痛いです」
エネルギーをもてあました年長組は有無をいわさずオレを肉の沼地へと引きずり込む。
ルンルンと、いかにも楽しげに肉物をしゃぶりこむミヤコさんに、ワンテンポ遅れてトキコさんのくちびるが被さる。
顔に押付けられる先生の、ストッキングで蒸れた股間に呻きつつ、こういう時は遠慮がちのセツコさんの股間をほぐす。
「タイツ…あと脱いでないの先生だけですよ…」
「え?…だって…手入れしてないのよ今日」
「えー、キノさんのアソコみせてよー」
アリナが横から、悪くはないアシスト。
夜這いから随分とおあずけを食ったミヤコさんが奪いとるように肉物を秘肉にあてがい、一日終わりの一杯でもやるように一息に飲み込む。騎乗位。
「ぁぁぁぁぁぁぅぅぅぅぅ……〜〜〜!!たっちん…たっちんにえぐられてるよう…」
ミヤコさんは痛い痛いといいながら、言葉とは裏腹の歓喜の笑みで涙をこぼし、倒れたり、のけぞったりしながら射精を受けた。
繋がったまま、腹を折ってキスを求め、射精されていることを確かめるようにそのあたりの肉を動かす。動いた肉に肉物をあわせると飛び上がって喜び、やはり泣きながら耳やほほにしゃぶりつく。なんだかなんでこんなに愛されているのか、分からないくらい愛された。
「たっちんを孕みたいよう…どうせなら中からたっちんに貫かれたい…」
「こらこらこら…」
「あっ…気持ちいいよたつひこ君…」
普段は延々と笑顔のループなトキコさんは、少し真面目な顔になって、初めて対等な立場からオレを見上げる。
痛いに決まってるのに、絶対にそんなこと顔にださない彼女の奥に細心の注意を払って進みこみ、できるだけ揺らさないようにしながらおっぱいへの愛撫に心血を注ぐ。
アホみたいな話だが、このおっぱいを自由に弄ぶというのは子供心に届かぬ夢だったわけで、それがかなうというのはある種、オレにとって月へと降り立った人類の功績にも匹敵するのである。
「それだけでいいのー…?ふふ」
挑発に乗り、オレは彼女の乳首を口に含みながら外輪を舐め、舌の先でつっつきつつも歯でしごく。おっぱいの裏の汗の溜まったところを残らずなぞって、乳腺全部を中央に集まるようやりくりしながら、終いには乳首2つを同時にしゃぶるとかやりたい放題。
「効かないわよー…あん」
「うぐ…あかん」
乳房に勝負を挑んだら負ける、そう思ってくちびるを求める。返ってくるのは、いかにも我が子を愛でるようなキス。
「もう冬は怖くない?」
「へ?」
「泣かなくなったね…たつにゃん…たつひこ君は」
「だってトキコさん…毎年きてくれるし…」
「ふふふ…」
結局、セラにした時のような超人パワーは発揮できず、発揮したのかもしれないが力尽き、中に果てていい子いい子されて終わった。
「タツヒコ君優しくしてね…分かってるわよね…?」
「先生、眼鏡とって貰ったほうが…あ、でもつけてても…」
「そうよね、避妊は大切よね」
「先生違う、落ち着いて…」
「ももも…もちろんじゃないのかかってきなさいよ」
「酔ってた方がマシに見えるよ先生」
「痛い痛い痛い待ってタツヒコ君、優しくして…ひゃぁあぅっ!!」
してるのだが、とにかく逃げようとする先生。そんな醜態をさらすと、アリナなんかは逃げるものを追いかける犬の習性みたいにおもしろがって先生をつっつき、毒の回ったチトセも同じく、ヒルみたいにくちびるを吸いにいったりする。
オレはふとももまでずらしただけのストッキングの、足先のにおいをさりげなくかぎつつ、暖まった膣の中をかき混ぜ、湯加減でも見るようにぬっこらぬっこら。
「先生になにか…!!恨みでもあるのタツヒコ君…!!…きゃぅ!!許さないから…覚えてなさいよ!!ぁぁっぁぁあんん!!」
無視して、手入れしてないという恥毛をひっぱったり、足にほおずりしたり。
「こんなことして…こんなことして…ぁぁぁぁ…!!!」
「どんなこと?」
「お○んこにでたりはいったりに決まってるじゃないの!!バカ!!」
情熱同士のぶつかり合いというよりは、コミュニケーションの一環として、ってな感じで交尾は終わった。
「たつぼんラストだ、がんばれー」
「はーい、セツコさん」
なんだか夜なのに世界が白く感じ、目の玉がぐるぐると回りつつも、えっちらおっちら腰を振る。
本人は維持だけだというのだが、なんのしなやかに伸びた脚は鍛え抜かれて、無駄な脂肪のクッションがないから直に熱が伝わってくる感じがする。
後ろから、犬みたいに。ぜひとも日頃お世話になってるこの人には、丹念なサービスで喜んでもらいたいのに、ああ哀しいかなセラとの一戦が無駄だった。もうムリ。頭の中だけ雪景色。
「ほーれ、ふぁいとっ、ふぁいとっ」
「うぁぁぁぁ」
そんなところに、当のセラが済ました顔で戻ってきて、なんか照れながら頭を下げるから腹立ってきて、絶対もっかいヒィヒィいわせてやるとか思ってたらなんかみなぎってきた。
「おっ、おっ、どうした、なんだ」
「ああもうセツコさん!!ぼかーもぅ!!ぼかーもぅ!!」
「よしこいたつぼん、ふぁいとだ!!」
それからはもう全員で、肉のブロックみたいに固まりあってぬとぬとぬとぬと。繋げる穴は全部繋いで、汁とか、液とか垂れ流し。飽きもせずコリもせず、むさぼり、すすりあって、なすって、こすって、家中を転げ周り、気がついたら朝になった。そんでもって……
「こんちわー、今日やってるー?」
「おつかれーっす」
「タツヒコさーん、これお土産ー」
仕事の終わったサンタが続々到着する。死屍累々の我が家を見、引くと思いきやのっかかってきて、年末年始、そのままのグダグダさでエロスを敢行。オレの家はさながら地獄絵図の酒池肉林の百鬼夜行。
なるほど、銀世界ならぬ白濁世界か。そんなん、思った。
・・・・・・。
年も開け、そろそろ通常の生活モードに社会が切り替わっていこうという時。
サンタ達も帰っていって、手伝うよ、といってくれたサンタも追い返し、子宮内壁みたいになった我が家を片付ける。こびりついた粘液をヘラでごりごり、落ちてるパンツはもうにおいだけでミヤコさんのだと分かる。
チトセのぱんつにミハルのぱんつ。精液でべとべとのやつは洗ってみればまだ使えるかも知れないとか考える。そう、オレのちんこはまだできる。
年賀状が一通、両親から、探さないでくださいとだけ書いてあって、オレが実は本当の息子でないことが加えてあった。
ビックリはしたが、何をいまさらとも思う。確かに昔は、両親が実はサンタであるなどというオチに期待したこともあった。それが違うのはトキコさんに確かめてあるし、こうなるだろうということは、キノ先生も、オレの相談に乗りながらそれとなくほのめかしていたことなのだ。
ただ事実という認定を得ただけ、ただそれだけ。
むしろ家の権利とか貰えるのだろうか、それならそれに越したことはない。ケータイに詰め込んだ、108件のサンタのアドレスをフル活用してやろうとよだれが止まらない。
「ふふふ…まずはナキさんをあーしてこうして…ナワ目を…」
「呼んだか?」
「わあっぁぁぁ!!!なんですかナキさん…帰ったんじゃ…」
「ああ、忘れ物をしてな…」
「へ?これって」
「ヘロポンだ、もうブームは去ったが…」
「そんな…どういう…」
「そういうことだ…貰ってくれるか?」
「へ…?え?…そんなバカな…おかしいですよそんな…ヘロポンが流行った時オレに姉さんなんていなかった…」
「だから私も確証が持てなかったんだ…さっきセラから連絡があった。お前の両親がお前の記憶に手を加えたことを白状した…」
「え?…え?」
「彼等が家を空けるようになったのは丁度トキコが居つくようになってからなんだ…サンタ協会から逃げるようにな、これはお前が順番を間違えてるようだが…」
「そんな…じゃぁオレは…オレは一体…」
「やっと会えたな…肉彦」
「姉…さん?」
ずっと切れたままだった糸がより合わさっていく。
もう怖れる必要はないのだと朝日の中でオレは知った。
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