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寄人(よりひと):主人公。残念ながらちんこ以外に能がない。
弓誤(ゆみご):姫君。まだ処女であらせられる。
鼠鳴(ねずなき):忍び。その性の秘術は男(主人公のみ)を狂わすといふ。
紅無(いろなし):正妻。年上でありながらにゃんにゃんするときは甘えん坊であらせられる。




「若様、そんなに奥まで覗かれては……」
「動くな弓誤(ゆみご)、陰になる」

蝋燭の灯火がなまめく白い肌を照らしだす。すずしげな夜の大気とは対照的に、部屋の中は異常なまでに蒸して、少女の身体に汗の雫をしたたらせていた。

「若様……ゆみは…ぁ…ゆみは…ぅぅ…」

切なげに慈悲を求める声は、すぐさま滝の音にかき消される。ピンと伸ばされた足の指がタタミを掻き、ジリジリとはぜるイグサの隙間に、透明な蜜の飛沫が浸透する。

指が

男の肉を知らぬ粘膜を分け入っていく。歯の奥のかゆみに、弓誤はたまらず涙をこぼした。



その屋敷は一人の青年のために立てられていた。

表向きは神仏を祭りたてる寺院。わざわざ深い渓谷の、直角に近い岸壁に打ち込むように建てられているのは、迷い込んだ人間さえも拒むためだ。
最も、周囲を囲む広大な山々は、神域であるとして立ち入ることを禁じられている。許可なく足を踏み入れた者は理由のいかんを問わず斬首とすると厳しく諌められているのだから、追っ手を怖れる犯罪者でもない限り、屋敷に近づくことすらままならぬのだ。



「若様…よろしいですか…?」

背後からかけられた声に、寄人(よりひと)は弓誤を嬲る指を止めた。

「なんだ鼠鳴(ねずなき)、今忙しい」
「もうしわけございません…ただその…一応の報告を、と思いましたので」

障子の向こうの人影が、不機嫌な主の声にわずかにたじろぐ。今夜は月夜か、寄人は思った。

「まあいい、どうせならお前もこっちにこい。お前の髪のにおいが嗅ぎたい」
「は…」

現れた少女は、いかにも己を殺すことに長けた、陰に生きる住人といった風貌だった。背が高い。鍛えられた肉体は、動きを疎外しない程度にわずかな脂肪が覆っていて、優れた彫刻がもつ威圧感を備えていた。

少女は部屋の中に充満した熱気と体臭に、わずかに眉を寄せる。もう丸一日、彼女の主はこの部屋にこもりきっているのだ。

まだ男を知らぬ乙女の肉を、右手と舌だけで舐りまわす。かつては彼女も経験したことだった。

「侵入者を一人…捕らえました…」
「フン、それがどうした。お前は厠の度にワシに報告しにくるのか」

寄人はまるで当然といった風に鼠鳴の腰を引寄せ、たもとからこぼれる乳房の先端を口に含む。少女の身体はすぐに熱を帯び、主を受け入れる準備を整える。念入りな”躾”の結果だった。

寄人がいつ何時劣情をもよおそうと、彼女はそれに応えることができる。そして彼女は、常にそれを望んでいた。

「それがその…寄人様。賊は女性でしたので……」
「おお、そうかそうか、それを早くいえ。あとでいただいておくとしよう」

ぶくぶくと膨れた肉物が、少女の膣に飲み込まれていく。後ろから強引に。しかし悲鳴をあげたのは、傍で見ていた弓誤だった。

「若様…かようなご行為を見せつけられては…、ゆみは…ゆみは切のうございます……お慈悲を……どうか……」
「だめじゃ、手は後ろで組んだままにしておれ。決して己で慰めるなよ」

乱暴に振られる腰が、鼠鳴の膣を犯していく。何度も何度も何度も。

一体どれほどの年月、こうした交わりを繰返してきたのだろうか。驚くべきことに、幾度の交わりを経ても、彼女の膣は鈍化することがなく、むしろ童子のように退化して、針のように鋭敏な神経を研ぎ澄ませていた。

それは寄人の妖怪じみた性術と、秘伝の膏薬の成せる業。鼠鳴からしてみれば、このような悪魔の蜜は、味あわせぬのが慈悲だといえた。

見よ!いかな魔界の幻術にも踊らされぬ彼女の身体が、寄人の魔羅の前では酢ダコのように己を失っているではないか。

「……んっ…!!…は…、…ぁ………ぁ…っ!!!ッあはぅ…!!!」
「なんじゃやけに乱れおって。弓誤を意識しておるのか?」
「…ぁ……くっ………わか……様…ぁ…」

縦横無尽に膣道をのた打ち回る肉物。一度この巨大な魔羅を押付けられると、忍道を究めたものでも逃れる術がない。絶え間なくあらゆる肉の襞が広げられ、こすられ、満たされる。それらは、彼女の脳が窒息するのを見極めるように、限界の一歩手前で引いていくのだ。

「わ…わか…ぁぅぅ……わか…様…ぁぁ…」

寄人が膣内で達するたびに、鼠鳴の心中をいいようのない幸福が満たしていく。骨の器の内側から、脳髄がとろけて溢れでていく。ほどなく

「ぁっ…ぁ…ァッ……、ん…ンンッ!!」

少女の身体が内側からふるえ、痺れが、彼女の力の全てを奪っていった。膣が、肉の茎を搾るように蠕動を繰返す。わずかな時間で、これほどのオルガスムを迎える人間がどこにあろうか。

少女は、肉物が抜かれた後もなお、精子を膣に留めようと、下腹に力を込めぬようたわんだ意識の中で気を配る。どれほど多量の淫水であっても、あまさず膣に蓄えることができて、初めて寄人の従者が務まるのだ。



「なんじゃ弓誤、お主も達したのか」

見れば、腑抜けているのは鼠鳴だけではない。尻の下のシーツを汗でぐっしょりと濡らして、タタミには、黒々とした小水の染みが広がっている。いいつけに背いて手技を用いたわけではない、ただ主を思い、筋肉の収縮を繰返すことで達したのだ。

無垢なるがゆえにたどり着ける、自涜の極地。

「わ…若様……、ごめんなさい…ゆみは…はしたのうございます…」

その汗を纏った姿態といったらどうだろう。まるで男を喜ばせるためだけに柔らかく育ったとでもいうように、むしゃぶりつきたくなるような肉をしている。

心底、淫らな己を恥じるように顔をそむける様は、なんと男の嗜虐心をそそることか。

「すまぬな弓誤よ、それほどまでにワシの魔羅を咥えたいのか」

ついに弓誤は、あまりの羞恥に禁を破り、自身の顔を両の手で覆ってしまった。寄人は咎める素振りも見せず、ゆっくりとその手を解いていく。

「泣き顔が美しい自分を怨め弓誤。さあどうだ、欲しいのか」
「お怨み申します若様……そのようなこと…口にだして申さずともわたくしめは……ただただ若様と繋がることのみを夢に見、それだけを糧に生き延びておりますのに……」

弓誤は今は亡き大名家の姫君である。

お家が取り潰しになった時、この世の辛酸の全てを嘗め尽くしたと思っていた。だがそれは、この世の深みを知らぬ処女の浅知恵。今なら……彼女は痛いほど理解できた。

地べたに這いずることを強要された時でさえ、これほど感情がかき乱されたことはない。男に抱かれたいという一心で、これほど心が狂えるのか。こんなことで狂えること自体、狂人の成れの果てだ。

「ひゃぅ…!…ぁ、や…わ、若様…!?」


不意に

寄人が挿入を開始した。

弓誤の白い尻を、たなごころで押し潰しながら、先を急ぐように亀頭の先端を進ませる。その交合は無様で、普段の寄人を知る者が見たら眼を疑うであろう。これではまるで、ようやく雌鳥にありついたニワトリである。

「ぬぅぅ…寄人一生の不覚じゃ。ワシの計画ではあと二月はお主をいぢめていぢめて、めろんめろんのへっろんへろんにするつもりであったのじゃが…おっふぅぅ」
「若様…!!ぁ…わか…わか様ぁあ!!!」

肉の裂ける痛みなど問題ではなかった。

真新しい粘膜がはがれ、剥きだしになった神経が肉のばちで磨り潰される。その度ごとに、愉悦が、奇跡のように後から後から溢れてくるのだ。

弓誤は泣いていた。先刻のように、苦しみの末に搾り取られる涙ではない、それらはすべからく、喜びの結晶であった。

かつてこれほどまで、世界が光に満ちたことがあったであろうか!

「あっ…!…あっん、ぁ、ぁぁっ!!!ん!んっ!んん!……わかさま!!若様若様若様!!!!ゆみは…ゆみは…ぁ!!はっあぅぅぅ!!!んぁ!やっ…やぁ……!!!ッ!ッン――――――っ!!!んぁあ!!!!」

肉の継目から、白く濁った汁が湧き水のように溢れかえる。腰が振られるたびに、弓誤のやわらかい尻の谷間が、溶かした和紙で固めたように埋まっていく。


居住まいを正し、傍に控える鼠鳴にはそれが歯がゆかった。

自分なら、あれら全てを呑みこんでみせる。寄人が許すなら、尻穴から直接直腸に注ぎ込んで、その栄養だけで十月は過ごしてみせる。

だが彼女はいいだせない。彼女はあくまで陰。寄人が望む以上のことを哀願する権利など、彼女にはないのだ。

「何をしておる鼠鳴よ、お主もこっちにこい」
「…あ。…ぎ…御意に」
「よいか、これからワシの胤は全部お主の尻穴に注ぐと知れ。お主はその栄養だけで十月を過ごすのだ。どうだ酷いだろう」
「あ…そ、そんな……若様…」

人はあまりにも感情が高ぶると笑うのだという。

この日鼠鳴は、既に殺したと思っていた感情に、夜が明けるまで苦しめられた。




渓谷中を朝霧が充満し、屋敷はさながら雲の上にあるようだった。

朝。

冷たい廊下を、素足の寄人が歩いてゆく。近くによってみれば、鼻が曲がるような女のにおいに気づくだろう、髪の毛の先まで、水を浴びたように愛液を被っていた。

「あの娘がお気に入りですのね、寄人」

角を曲がったところに、待構えるように一人の女性が立っていた。名を紅無(いろなし)、寄人の正妻にして、生まれた時からの教育係である。

年の差は7。傍目にみれば年若く麗らかであることを万人が認めるところであるのに、この屋敷においては最年長であることが彼女のプライドをいたく傷つけている。

「いやらしい人。そんなに若い娘の肌がお好き?」
「なんじゃ嫉妬か見苦しい。この世にお前以上にワシに抱かれた女はいなかろうに」

伸ばした腕を、するりと抜けるように身をかわす紅無。寄人は向きになってそれを追い、柱の陰に追い詰める。

「そしてこれからもお前以上に肌を合わせる女はいなかろうて、すねるな」
「イヤ、あの娘の蜜など洗い落としてくださいまし」

あわせようとしたくちびるを、プイッとばかりに背けて避ける。寄人は構わず、白い寝着の間に手を差し入れ、股を割ってふとももを摺り寄せた。

紅無が弓誤を嫌っていないことなど、百も承知なのだ。所詮はポーズ、要するに構って欲しいからこういう態度をとる。なんとなれば、死にかけだった弓誤を拾ってきたのは他でもない彼女なのだから。

「お主の蜜で上塗りしておくれ。お主は水気が多いからの、2人を足しても釣りがくる」
「んっ…、イヤ、その手には乗りませぬ…」
「本当か?本当に嫌なのんか?」
「……こ、ここでは風邪をひきまする…湯屋へ…あん!」

側女が2人、そそくさと顔を合わせぬよう通り過ぎた。まーたやってんのか、その顔はいずれもそういいたげで、事実、飽きもせずに毎日欠かさず寄人の身体を求めるのは、紅無をして他になかった。




「寄人ぉ…はやく…はやく…しよ」

もはや待ちきれずといった態であった。

脱衣所の戸を閉めるか閉めないか、元々はだけた寝着を申し訳程度に引っ掛けえていただけなのに、それを脱ぎやることも我慢ならぬ。

寄人が制する間もなく、紅無はノドの奥まで性器を飲み込んでしまった。

「こ…これ、蜜くさいと申しておったのはどこの誰じゃ…」
「んふ…ぁ、だーめ、いつも誰かの蜜が絡み付いてるのが寄人のち○こなのぉ…」

紅無のだ液は、興奮すると常人では及びもつかないほど粘度が増す。幼少の頃、たわいもない遊びでその長さを競った姿がまぶたの裏に焼きついているが、あの時の特技が、こんな形で2人の人生に介入するなど、誰が想像しただろうか。

どれほど搾りつくされた後でも、彼女のだ液がねっとりと亀頭の首に絡みつくと、意思に反して肉物が反り返るのである。それに舌と口肉が加われば、これはもう悪魔の痰壷であるというほかはない。

彼女の口腔が世に放たれれば、いかなる男子も職を捨て、堕落の果てにその身を滅ぼすであろう。

「ん…んふ…。ん、だひて…ん、寄人のしろいの…ちょうだい…ん、んぶ」

肉ごととろけて吸いだされるのではあるまいか、既に彼女のだ液をたらふくまぶした指が、寄人の尻穴を舌で舐るように撫でまわしている。性道を駆け抜ける胤は、駿馬の如くであった。

「んぅ!!ん、んぷ…んく、んっ!!んぐ」

喜んでノドを鳴らしながら、抑えきれぬといった顔で愉悦に歪む。淫乱症が原因で娼婦になる者など、妄念の内にしか存在すまい、ありえるなら彼女が最初で、そしてそれは寄人と2人きりの時にい限る。

「寄人ぉ…おっぱいつねってぇ…」

先刻とはうって変わって、砂糖で溶けた舌ででもしゃべっているのか、これ以上なく甘ったるい猫なで声。寄人の前でのみさらけだされる彼女の本性は、それだけに純粋で、遠慮がない。
わずかでも拒む素振りを見せれば泣きだしてしまうだろう、彼女の中には、初めて寄人と出会った頃から、大して育ってもいないままの彼女がいるのだ。

「寄人…おしっこでそう…」
「こ、こらいろ姉…!あっちじゃ、湯殿まで待たぬか…!!!」
「あ、だめ…やだぁ…」

いい大人のすることではない。

両の手でそそを抑えながら、パタパタと小水をこぼして走るその背。寄人は思わず、少年の頃の自分に戻っていた。彼女の”癖”は、その頃からなんら変わってはいない。

寄人の背を流しながら、一方でまたぐらから小水を垂らす。そんなものを見せられながら育って、色事以外のどんな教養が身につくものか、おかげで今は立派な落伍者である。

「やぁ…ん、寄人ぉ…」
「いろ姉が悪いんじゃ!いろ姉がおらなんだらワシは…ワシは……」

かがみながら、無防備に股を洗う紅無の背後を強引に襲う。

わずかに冷えた肌を、すぐに熱気が取って代わり、体温で膨張した女のにおいが、寄人の鼻腔を塞いで止める。

「んっ…ぁぁ…寄人…よりひとぉ…焦らないで…ぁん」

乱暴に尻をぶたれながら、心中では悠々と、寄人の猛りが鎮まるのを待つ。紅無は十分にわきまえていた。

まずをもって己の身体をむさぼる寄人が愛おしい、彼女の心はその事実に至るに、存分な満足を得ることができるのだが、この雄剛はそんな慈悲に甘んじる男ではない。

一通りの射精が済めば、次は執念深い脂ぎったやり方で、紅無が悲鳴をあげるまで性戯の限りを彼女に施すのだ。想像すると大変なことになるから、彼女はいつも、月帯を締めろと側女の者にうるさくいわれていた。

「い…いろ姉!わしゃーもー!!わしゃーもう!!!!」
「あっ…ぁ!!…でてる…寄人の…いっぱいでてる…ぁぁ」

寄人は巨大な魔羅の、亀頭だけを膣に没入させ、ただただ淫を送るためだけに、茎部分をしごきあげる。

そんなことをしなくとも、物憂げにすぼんだり広がったりする紅無の膣口は、身を任せていればそれだけで精を引っこ抜くような、底知れぬ魔性を潜めていたのだが

「ぬぅぅ…足りん、足りんのじゃぁぁああ!!!!」
「ああっぁん!!寄人、寄人ぉ!!!」

そんなこんなで


一生続く



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