ネブルアシア


「……ぁぅ…、うぁ!いいのアラセ君、そこもっと…」
「ふぁあ!!ねぇお願いアラセ、こっちもぉ……」

ちゅく…ぬく、ぬぷり……

眩暈がする。
ただでさえせまっくるしい体育倉庫に、なぜこうまで人間が密集するのか。それも朝練終わりの少女ばかりが温気をあげて。アラセはココ数時間、人の吐息しか吸っていなかった。

「どうしたアラセ、酸素が足りないのか?」
「摩季さん…」

瀬名崎摩季、は運動部の中でも特異な存在だ。

武芸一般、カラテや柔道はもちろん、馬術弓術、泳法にまでその才能を発揮する才能の塊。その日本刀のように収斂された美しい筋肉で躍動し、艶やかな黒髪が空間を舞う様は、壮麗な儀礼のように見るものを圧倒する。

その身体的ポテンシャルは間違いなく国家を代表するだろう。よって歳はタメでもしゃべりは敬語。
そんな彼女が、一体なにが悲しくてブルマを半分ずりおろし、名も無き一般市民に生尻をさらけだしているのだろう。汗と体液に濡れた肌は、いかんせんあまりにもエロ過ぎる。

「ああう!ふぁっ、ぁぁ…ぁ、んあぅ!……ぁ…ぃ…いいよ…」
「うぅ…!摩季さん…!」
「…いい…アラセ…、ぃ…くぁ…いいのぉ…ぅあぅ!!!」

びゅくびゅく、とぷんっ

膣道に溢れかえった精液が、結合部から流れだす。間をおかない射精は尿道をひいひいいわせていたが、妙な達成感と満足感があった。
脱力。

汗の染みた体操服に鼻を寄せる。そのまま少女の肌を枕に眠れたらどれだけ幸福だったか知らないが、そんなわけにもいかない。そんな自由は、アラセには無い。
どちらかといえば気が滅入るのは、幸福に麻痺した脳が粘土みたいになっているからか。アラセは少女の腋の下に舌を這わせながら、鼻の穴でため息をした。

部分部分を切りとればきっと幸せに違いないのだ。アラセはこの頃そう考えるようにしている。ただ、どれだけ豪華な会席料理も、胃の中に詰め込みすぎればゲロと代わらない、そういう原理なのだ。



きーんこーんかーんこーん



「やっべ、始令鳴った!!」
「うぁん! アラセ君わたしにもだしてぇ!!」
「ずーるーいーーー!!! アラセのバカ! バカー!! 約束したのに!!!」
「アタシのぱんつどこーーー!??」

周章する少女の群。生命はじける肉の塊。もつれる生足。飛び交うぱんつ。
その内の一つをキャッチしてにおいをかぐと、麻薬みたいな安楽作用のせいで、滅入る気分も少しは安らいだ。ぱんつに罪は無い。ぱんつはアラセのちんこの管に舌を入れてきたりはしない。

「みんな元気だなぁ…」
「なぁアラセ…」
「はい摩季さん、なんでしょう?」
「その…いいにくいのだがな……お前はいつも当たり前のように私のぱんつのその…股間部分に擦り付けるように尿道を拭うが…その…」
「うあ!す…すいませんすいません…なんかついいつものクセで…」
「クセか…」
「はいその……落ち着くというか…」
「なら仕方ないな」
「ないんですか」

「か」のところで、アラセは重力を失った。
そのまま何者かにジャーマンスープレックスをかまされ、ちんこをむさぼる野獣がごとき少女群に踏み潰される。

タップの権利もありゃしない。
そのまま星が、ぐるぐるまわる。

膣の中で窒息し、気づいた時には30分ほど時間が飛んでいた。
マットの上で、まぬけな裸が一人。倉庫の外は抜けるような青空で、それがまた自らの情けなさを映す鏡のように作用して、心にしみる。

アラセはその辺に残された女生徒の体育着で肌を拭き、隠れるように外にでた。
今日は太陽が、ヤケに黄色いのだ。


・・・・・・。


ネブルアシア共和国は極端な選民思想と、徹底した人口統制が成功した唯一のケースだ。
男の生物学的優位性がテクノロジーによって覆された今、実質的に体内に子種を宿す女性のほうが人間的に優れているのは明らか、男は生命の枝葉末節、とるに足らない付属物に過ぎない。

そんな極めて偏った思想を持つ政党による一党独裁体制は、集中砲火的な国際非難をものともせずに生き残ってしまった。なんとなれば彼女達には、豊富な資源と、圧倒的な人的資源が並びそろっていたのである。

表向きには治安も経済も安定良好。
外交にも明るく、脅威も懸念要素も露ほどない、人類の進むべき、見習うべきお手本規範国家。

――のはずなのだが。

そうやって明るい未来ばかりが喧伝して見られるのは、所詮この国が情報統制も一流であるという事実の裏づけにしかならないのだ。
アラセはこの数年で、嫌という程それを知った。思い知らされた。

アラセがギルニール国家特選学校に編入されると決まった時、彼の保護者である叔母は、風呂上りのビール片手に確かにこういったのだ。

”専属に奉仕する生徒はせいぜい50人程度、まぁ楽しんできなよ”

国の未来を担う50人のじょしこーせーに、なにから何まで奉仕する。それがアラセの使命、男の運命。
当然それはめくるめくハーレムの日々を意味していたし、編入日の前の夜などは眠れなかったものだが、いざ学長室で聞かされた話に、アラセは目の前が真っ暗になった。言語を認識する脳みそのプロセスが、しばらくの間麻痺した。

「196人」
「…へっ?」
「キミ以外の入学予定者ははしかで倒れたから退学させたの、学年全員たのんだね」
「…へっ??」

この時はまだ、わずかなりとも希望があった。はしかならしかたがない。その辺の事情は鑑みてもらえるだろうと。
慈悲。手加減。……そういった人間的な配慮はいただけるだろう。

さすがにこう、約200にも及ぶ人間が……いたいけな無能少年を集団でリンチ暴行するなんてこたー、この法治国家で…一応……あるわけ……ねぇ?

しかし転入し、日が流れるにつれて、この国のウソと矛盾と綻びが、イヤでもアラセの目についた。
まず男など、学園内のどこにも存在しないということ。

小中高、大学、大学院、もろもろの研究機関、専門の育成機関。ギルニールにはそれこそ国中から選りすぐったエリートがかき集められる。にもかかわらず、過去6年にさかのぼって一度も男が編入された形跡がない。

より正確にいおう。偽装の形跡なら山ほどある。あった。夏場の内肘の垢みたいに、ボロボロボロボロ。
アラセが編入前に目にしていた情報の、常識まみれの健全な国家運営の、大体がウソ。誇大広告。プロパガンダ。

手伝ってくれた左藤千波(さとうちは)――彼女の良心的な協力がなければ、アラセは身動き一つとれなかっただろう――は、ひどく申し訳なさそうな顔をしてアラセに謝ったものだ。

――知らないほうがよかったかもねアラセ。ごめんね。



男がいない。このような異常事態が、国家が管理する最も権威のある教育機関で起こっているということ。
そしてそれは、なにもイチ学園内に留まる話ではないということ。

――見てよこれ、AOH77Zr−や−1080pQy…
――な、なにこれ?
――アラセの認識番号。これね、国家機密なんだ
――こ…こか…国家…?
――さて問題。他にもアラセみたいなのがいると捉えるべきでしょうか、ゼンゼン数が足らないから国家機密なんでしょうか。



どうしてこんなことが起こっているのだろう。千波は小学生の頃に、担任の教師にやさしく握りつぶされた論文を見せてくれた。

「雄性絶滅スパイラル」

そう題されたA4用紙の束には、なるほど小学生らしいヘッタクソな挿絵がついている。油断しながら頁をめくると、いきなり聞いたこともない経済用語から始まって、偉そうな学者からの引用文は、とてもじゃないが解説抜きでは理解できなかった。

簡単にいうとこうだ。
いわく、種を残すに値しない男に、生きる価値はない。

ただでさえ戦国武将のような女性達に囲まれて、わずかでも根をあげる男達は次々と排斥されるこのご時勢。残された男には去っていった者々の義務と責任がのしかかり、重みで潰れる者はまた消える。してみると男なんてーのは、アシダカグモの集団に襲われるゴキブリみてーなモンで――

――おっんなっのなっかに、おっとこっがひっとり(四分音符)
――なにそれ…?
――諦めて楽しんだら? ”困難は受容することでしか克服できない”ってね
――なにその普通のことをもっともらしくいった格言。誰の?
――左藤千波。10年後のテストにでるよ


かくして。

一国家の抱える莫大なストレスは、大挙して一人の少年のちんこにのしかかった。畢竟、誰もがアラセのちんこを求めたし、アラセのちんこを拒むものはいないといってよい状態となった。


・・・・・・。


「眩暈がします…」
「…?なにかいったアラセ?」

ぷぶ…。ちゅっ。…ちゅこ。…づぷ。ぢゅ、ぢゅぷ……
んぶ…ぷ。ちゅず…ず。

白城(はくじょう)せしあ、は真珠のような光を湛えた尻をこちらに向ける。
財政界のトップに君臨する白城家の令嬢として、もって生まれた女王の気品はまさに宝玉のルミネセンスそのもの。特注の制服はドレスのように自己を誇示し、それをする当然の権利が彼女にはある。

アラセと睦みたいからと、わざわざ視聴覚室に連れ込むところなんかはかわいいというかなんというか。光栄は光栄なのだが、一方で憂鬱でもあった。
やはりそのような尊いお方を、硬くてみすぼらしい長机にねっころがすのは気が引けるというもの。それもここんとこ毎日。

ちゅぶちゅぶちゅこん。…つぶ。…くぶぷぶ。…にゅぶ
ちゅぽんっ、ぬこぬこ…ちうぅぅぅう…、ぬこんっちゅぷ。

「完了しました。アラセ様の充血率97パーセント」
「せしあ様の性器に最適化されました。挿入なさいますか?」

せしあの従者、金歌(きんか)と銀菜(ぎんな)が、幾何学的な対象を描いてアラセのちんこをなぞりあげる。正確無比な舌技、指技。
自分の性感が、データとしてこの姉妹の頭の中に構築、網羅されていると考えると、背筋が冷える。尿道にぺっとりとへばりつくくちびる。

じゅぷじゅぷぢゅ…。きゅぷ。

それにしても、この汗粒ひとつ見られない、涼しげな顔からくりだされる双子の愛撫といったらどうだ。
あまりにも淫らな、度を越えた、毒々しい舌の色。だ液の量。

普通、こんなにノドの奥深くまでちんこを咥える女の子なんかいない。舌を伸ばせるだけ伸ばして、一物に絡みつけたりなんかしない。女の子はそんなことしない。うんこなんかしない。
もっと恥じらいだとか、ぎこちなさだとか、こんなに大きいなんて…とか、反り返ったちんこを見たら、もっとあるだろう。なのにこの――

ぶぽ…にゅぶ…っ。ぷぼ…くりゅ。…っぷぶ。
じゅっこじゅっこじゅっこ…ちゅぶぶぶ

とか。

ぶぎゅこ、っぶぽ。
じゅるぬこずぽ。

とか。

音がもう、あさましすぎる。下品だ。低俗だ。
こんな放屁にも近いだ液音は、決してこの美しい姉妹から発せられてはならない類のものだ。
目の前で見ているのに、信じがたい。

「どうなされましたアラセ様?」
「アナルの方がいいですか?」

無邪気な顔が、無邪気に問う。
アナルとかいわれて、胸がドキリとした。せきでごまかす。

「オ、オホン! ゲホ! げっほ、げほげほ……じゃ…、じゃあ挿れますねせしあさん…」

ぬむりと。

肉物の先端が呑み込まれていく。上品な柔肉が、綺麗なぬめりを湛えて絡みつく。
挿入した瞬間、バニラのようなにおいがした。元からせしあの持っている体臭だ。髪の毛を掬うと、こちらはリンゴのにおいを発しながら指の間をすべっていく。

垢など溜めたためしがないだろう。艶やかな膣の乳壁は、侵入者に合わせて形を変え、震えながらおずおずと、ヒダを絡めて流れていく。
尻のシワが、可愛げにひくひくと呻いていた。指でなぞると、さらさらの粉のようなものがつく。ものすごく丁寧に手入れされているわけだ。臭気も、わずかしかない。

…つぶ、つぶ。ぷぶ。…ぷ。…ぢゅ、ぢゅぷ、ぢゅ……

「んあああっん! …ふぁぁあ、ぁはぅ…全部はいって……ふあ!」
「あ、服…大丈夫ですかこれ?」
「いいの…ふぁ!! そ、そんなの…どうでも…ぁあ!!」

パタパタと、性の雫が豪奢なスカートに染みをつくっていった。特に両ひざを繋いでいるレースのパンツは、ゴムが伸びやしないか気になって仕方がない。

緩やかに、ヒダの群れをカリ首でなめす。指で愛撫する延長みたいなものだ。女生徒にはおおむね好評。この技術、腰をかばいたいアラセの、涙ぐましい努力の結晶なのだが――

「あっあっあっ!! もっと…ぉ…もっと激しくなさい! 速く! もっと…ふあっ……!!! ぁ…ああっ!」
「え? あ…は、早くですか?」
「ぶって! んぁぁ!! もっと…ぁ、こすって…!!!」

咎めるように、真珠色の尻がアラセの下腹に当たった。
求められては無碍にするわけにもいかない。本当は腰回りの準備体操をしたいんですが。そんなこといいだすわけにもいかないから、密かにヒザを使いながら、腱や筋肉をほぐしていく。

ぱちゅ…ぱつん。…ちゅぶ…ちゅぱ。……ぢゅっ、ぢゅっ、ぢゅぷ…
ぢゅっぽぢゅっぽぢゅっぽぢゅっぽ…

速度を上げると、令嬢はこらえるように尻の穴に力を入れた。
膣口がすぼまる。かまわずでたり入ったりする肉物が入口をめくり上げ、裏側の性の肉が、愛液とともに空気に触れる。

「んぁ…っ! あっ…ぁん!! …ああ!! すご……ん! すごい…ふぁぁ!!」

びゅっぷじゅっぷじゅっぷじゅっこ…ぢゅっぢゅっぢゅっくぢゅっぽ…
…ぱん。…っぱん。つぱん、つぽ…ぬ、…ぬぽ…ぬぷ…ぷぶ…
くぢゅ……ヂュ。…ずぷぶ…ぷ。……ちゅっぽちゅっぽちゅっぽちゅっぽ…

めくるめく快楽が、アラセの自制を飲み込もうとする。尿道から染入る淫蕩の汁が、脳に作用して射精の信号を促す。
丁度おねしょをするとわかっていても、夢から覚められない子供のそれだ。金歌の声がなかったら、漏らしていたかもしれなかった。

「アラセ様アラセ様」
「……ん…、…んん? なになに、どしたの金歌」
「生ぬるいです。せしあ様は痛いくらいが丁度いいド淫乱です」
「え? なに、なにすんの銀菜?」

きうぅぅぅぅうぅぅぅぅぅう……

と。転瞬。

せしあの乳首が双子の指にプレスされた。
ビックリして、ちょっと漏らす。急いで尿道を閉じ、我慢。

「んんぅ!!! ぅぁ! ぁ! ……ぁぁあっん!!!!」

「見ての通りの」
「メス豚です。」

双子の微笑に、のけぞるせしあ。
わなわなと震えるのは綺麗な肢体に留まらず、痙攣する性肉は、令嬢が中程度のオルガスムを迎えたことをヒクヒクと語っている。
断続的な膣の脈動が、せっかく閉じた尿道開こうとあの手この手。甘い痺れが、下腹に溜まる。大丈夫だ。思った瞬間、決壊した。

「ふ…二人ともなにを…ひぁっ…ひ……んぁ……」
「豚の言葉はデータに該当しません」
「淫乱なせしあ様、発情期のブタでさえもうすこし人間らしい顔をするというのに…」

「すいませんせしあさん、…でる」
「あ…あっ!! ぅぁ…あらせ…こんな…今は…ぁ!!」

どぴゅん、どくどく、とぷん。びゅぶ。
びゅる…びゅ…、びゅく…
びゅ……っ。ぴゅびゅ。

どうせだからと、全部が全部、膣奥に当たるように流し込む。
バニラのにおいに、汗のにおい。射精の度に根元を締める飴肉は、管の中身を搾りだすのに心地いい圧力。

「いっちょ前にイってるわ。このいやらしいブタ」
「聞こえる? お前のお○んこがブヒブヒいってるわよ」
「ああぁぁぁああぁぁあっあっああっ!! だめっ、……だめぇえ!!! いわないでぇえっ!!」

(……容赦ないなぁ、この子ら)

なんだかアラセも、陵辱に加担したようでゾクゾクする。
同時に、執拗な罵詈雑言が、自分に向けられているようでいけない気分になる。

肉物を引き抜いたせしあの性器は、真っ赤になっていた。
とぷりと流れでた精液を塗って、荒れた粘膜を和らげたような気分になる。もちろんなんの意味もないだろうが。

一息。

せしあは満足を噛締めているようだった。キスをして、肌を離す。
甘えた声をだす令嬢は、素直に可愛い。尻を撫でて、ぱんつを引き上げてやる。

「ご苦労様でした」
「でした」
「いえいえこちらこそ」

金歌と銀菜は丁寧にひざまづくと、どろどろと肉で溶けたアラセの性器を口にふくんだ。金歌は前、銀菜は後ろ。まったくもって私情を挟まない清掃業務に、しかしアラセの分身は反応する。

「あら」
「まぁ」
「じゃぁボクそろそろ授業行かなきゃ…」

つかまれる服。圧力。
嫌ではないが、なんともいえないくすぐったい予感。

「さすがというべきでしょうか」
「予測を大幅に上回る回復力です」
「ど、どうしたのさ2人とも…あははは」

「で…ぎゅ。……データの修正を」
「お願いします」

2人はゆっくりとスカートをたくし上げる。
しっとりと湿った白無垢パンツ。ふとももにたれる雫。

メカじみた双子からは想像もできないような、蒸れた女のにおいがした。

そういえば、金歌がセリフを噛んだのを見たのは、初めてだ。


・・・・・・。


アラセが今なおギリギリのところで枯れずにとどまっていられるのは、ひとえにアラセが、それなりの優秀さを見せているからだろう。

国民全員が振り分けられた人間能力のランキングCAN(Capacity and Ability Number)内において、アラセはギルニール全体の上位3割に割り込んでいる。これはアラセの年齢と、怪物的なギルニールの生徒のことを考えれば驚異的な数字である。

例え性的な搾取が、あらゆる女性国民にすべからく認められた基本的な権利であるとはいえ、この数字が維持されている以上、おいそれとアラセを組み伏せたりはできないのだ。

アラセも必死。その努力は当然、この激動のギルニールに転入してから、加速した。
肉と欲の合間を縫って、バカな頭に参考書の文字列を刻み込む。

中にはアラセに勉強を教えてくれる、非常に礼節をわきまえた奇特な生徒もいて、これが例え政治的な――アラセのCANを吊り上げることによって、少しでもライバルを払いのけようという――原動力があるとしても、ありがたいには違いない。

こうした理由から、超人である上位3割、奉仕義務を定められている同学年の生徒196人、を除けば――アラセは比較的自由に女の子を漁ることができた。



(………結局射精すんかい)

結局やることは一緒。それは違いない。
どれも甘いしやらかいし気持ちいいし。
でも気分が違う。それが大事。すごい大事。



コソコソと視聴覚室を後にすると、廊下の冷気がひやりと身体にしみた。
わずかに身震い、熱帯のような教室の熱を思いだす。

密室に女の子を閉じ込めると、あんなにも熱いことになるのだ。それも3人。
そろそろよだれ以外の水分を飲みたかった。アラセはトボトボ、できるだけ女の子のいなさそうな階段を降りる。

もう限界。下半身がどんよりする。冷水機冷水機。

「あ、アラセ先輩」
「あー、ちわっすー」
「…ウゲ」

「あ! なにやってんだお前たち」

九条キナノ(くじょうきなの)に牧寺遊輝(まきでらゆうき)、それに西貴マツリ(さいきまつり)。

待っていたのは冷水機でなく、またしてもーの、女の子であった。
今は授業中、こんな人気のない階段の踊り場でなにをしているのか。答えは喫煙。なぜなら彼女等は不良だから。

「オメーまつり!! 吸うなっつったろー!!」
「うっせー! くんなよ! こっちくんな!! なんでアンタがこんなとこにいんだ!!」

嫌煙家が煙にするようにアラセに接するのがマツリ。キンキンに染め抜いた金髪で、威勢はいいがタッパが足りない。
そりゃー吸っとるからだというとるに、文句ばっかの困った娘。

強制的に抱っこして身体をゆさゆさ、ヒジだのヒザだのにめげずに不良道具を奪いとると、他人事のようににゃはにゃは笑っている牧寺遊輝からもタバコを没収。感心なことに、というかそれが普通なのだが、九条キナノは吸ってなかった。

「授業でろよー」
「うっせーな…ふに! ドコ触ってんだ変態!! やめ…死なすぞ!!」
「そういうこというと、こう」
「うにゃ!! …や、大体テメーも…サボリだろ…ーがぁ!!」
「オレのは義務だ義務。社会奉仕なのだ。ほれほれ」
「や…! ――ちょ…ホントにやだ!!」

相手に応じて自称を変えるのはアラセの悲しい処世術――それはさておき、ゲッソリとしながらもホッとしたのは事実である。彼女等全員、学年も下だし、CANも下。
非行少女の割にはアラセのいうことをよく聞いて、なんなら尊敬されているくらいである。そりゃ照れくさがって憎まれ口をきいたりするが、この年頃の女の子はみんなそんなもん。今だってホラ

「キメーんだよ! 離せ! は・な・せ!!」
「照れるな照れるな」

的確なエルボーが鳩尾を抉りとるが、そんなもん息ができない程度。いい子いい子していればそのうち収まるレベル。
この娘はいい子にしてたらできる子なのだ。ギルニールにおいて素行不良イコール即できそこないではない。

荒ぶる獅子の群れの中で己を突っ張ろうというのだ、大変に決まってる。よくもまあがんばるもんだと褒めてあげたい。
グレるのにも努力が必要。その辺の悲哀が、たまらなくこの娘達を愛おしくする。タバコだけは、年長者としてしかるが。



「せんぱーい。またえっちしてたんですかー? えろーい」
「あっはっはー、そうだよ遊輝、まだ手も洗ってないんだよ」
「あははー、えろえろだー」

暴れるマツリを抑える横から、甘えたような指が這いずってきた。

牧寺遊輝。厚めのくちびるをあまり開かず、ちょっと舌足らずな感じでしゃべる彼女は、残念ながら他のトコロもいろいろ足りない。
不良としては本来こちらが正しいのか、マツリと違い、キチンと能力の無い劣等生であり、本人いわく”はーい、バカでーす”である。

これでもかと痛めつけた髪の毛はくるくるパーマ。キューティクルは日照りに干ばつ。
乙女らしいにおいなど微塵も発さず、ヤニと薬剤が混ざって正直不快。風呂に入ってないのは明らかで、多分夜通し遊んでそのまま学校にきたのだろう。皮脂腺に油が詰まって、なんかズルズルする。

これで豊満なおっぱいがなかったらビシッといってやるところである。そう、彼女はルックスとおっぱいで、その他諸々の欠点を吹き飛ばしているのだ。

「せんぱいもサボリー?」
「ははーん、2回目だよ遊輝。あのね、オレのは社会奉仕。わかるか?」
「あはは、わかんねーっす」
「そっか、わかんねーか。あははは」

しょーがねーなーとお尻を撫でる。
彼女は嫌がらない。むしろ積極的に体重をかけてくる。だから憎めない。

基本甘え上手なのだ。それに引き換え隅っこでイジイジしている影一つ――



「髪、染めたんだ、キナ」
「は、…ハイ! んと……ど、どうですか?」
「似合ってる似合ってる。この方がいいよ」

いいながら頭を撫でると、手の平の内側にぽかぽかと、春の陽気のような喜びが伝わってくる。
一体誰が、この従順な娘の以前の姿を想像することができるだろうか。以前の彼女は、目に痛いほど赤い髪をしていた。

通称血濡れのカッター、九条キナノ。

3ヶ月前までの彼女は、まさに狂犬だった。
誰彼かまわず飛びつき噛みつき、不信を宿らせた目で大人を見る。

CANによる彼女の査定は中の中。それでも彼女が怖れられたのは、絶対にかなわぬとわかっている相手にも、臆せず牙を剥いたからだ。
平和ボケした社会と違い、この国では心臓で核反応を起こしているようなバケモノがゴロゴロいる。そんなキティホークみたいな連中に毎日ケンカを売り、ボコボコにされて、病院で目覚める。

それでも彼女は懲りなかった。ギプスや包帯で着飾っていない日はなかったと思う。命などこちらから願い下げだといわんばかりだった。

変な話だが、そんなんだから、彼女のぱんつの裏生地が、初めて朱に染まったのも夜の病室である。

「もうここのケガも治ってきたね」
「…はい」
「うんうん、もうケンカすんなよ」
「…はい」

今ではほほを朱に染めちゃったりなんか。

アラセは生きててよかったと思う。いや、ホントに文字通り、そう思う。
なにせアラセは、3ヶ月にも渡ってキナノのカッターの前に立ちふさがったのだ。

その期間の入院回数は、キナノのソレを越えた。2回くらい、ホントに死んだ。
おかげで何人かの看護婦さんとねんごろになったが、コレはさすがに秘密にしてある。給湯室でカップめんができあがる3分間が勝負だった。



「なんかさーアラセン」
「ん? なんだマツリ」

アラセンはアラセ先輩の略。

「キナにだけみょーにやさしくねー?」
「あたりめーだ。オレはかわいいこにはやさしいんだ」

いいつつ、キナノの腰を抱き寄せる。これで右手から、キナノ、マツリ、遊輝とまとめて抱きしめている形になった。
マツリだけ身体をひねっているが、尻の下には人のちんこ。まー全員がアラセの顔を凝視している。さすがにコレだけ密度が高まると、タバコなんかより女の子のにおいが強い。

伺うようなこの感じ、間合いを計るような、この感じ。
所詮はヒマをもてあました男と女か、アラセは少女等の腰にまわした手に、力をこめる。階段の踊り場でできることなんてーのは、限られてくるのだ。

「キナは素直にタバコやめたからなー」

賞賛に値するほどさりげないキスで、キナノの舌を吸った。すでに予期していたらしいキナノは、驚いた様子もない。
少女の口内はまだちょっとスッとする感じがするが、確実に透明なだ液になってきている。いいことだ。すごくいいことだ。

「せんぱーい、あたしもー」
「遊輝は約束破ったろ」
「今度はちゃんと守るからー」
「んー、順番な」

最初から遊輝のぱんつに手を突っこんでいたアラセに、拒むつもりなどサラサラ無い。
ねっとりと汗ばんだ尻を撫で、腋と胸の間の、ツンとしたにおいをかぐ。

「うーん、風呂も入れよ遊輝…」
「はーい、さーせーん」

フロントホックをホチホチ外したら、爆弾みたく乳が爆ぜた。ムッとせりあがってくる、蒸れたにおい。
やわらかい乳首が腕にぺたぺたつく。アッと今にスカートだけになっていた。

「あのな遊輝、まだ最後までやるとはいってないぞ」
「えー」
「まだ授業中だしなー」
「ゆーきもう濡れ濡れっすよー」
「神聖な学び舎でハレンチだしなー」
「お預けはご無体っすよー」
「そうだな、だから……」

なんだかもっともらしい顔で3人を見回すアラセ。
ちょっと前までのグッタリ感はどこへやら、活力が、主に下腹に溜まっていくのがわかる。

「だから、ちゃちゃーっと済まそうな」


・・・・・・。


むぶ…ちゅぶ…
ちゅ…っ。
ぶにゅ。…ぶぷ。

「ぁ…っ! はぁ…ぁ…! っ!! ぁ…ぅ」

背中の壁が冷たい。
そのぶんぬちぬちと、擦れてめくれる性器の肉が、やけに熱い。

ふとももの上で甘い声をだしているのはキナノ。彼女はぱんつだけ脱いでアラセにまたがり、背を預けるように性器をあわせた。
顔が見えないのは残念な体位だが、気を使わなくていいから気楽といえば楽。その分性器からにじみでる享楽に、存分と没頭することができる。

ぷじゅ…ぷ。…っちぅ、ちゅ。
ちゅも…ちゅぐ…ぐぬ
にゅぶぷぶ…

「んぁぁ…ぁ…、んん!!」

それにしても気持ちよさそうだなと、アラセは人事みたいにキナノのうなじを見る。
愛液をつけた指で会陰をなぞりながら、尻やら腰やらをさすさす。他には特に何もしていないのに、キナノの方は息も絶えんばかりに悶えている。

ぷにゅ…ぷ。…ぷにぅ
ぷぶ…

ゆっくりと丁寧に動いてはいるが、たまに気の抜けたように脱力し、ぬりぬりとお尻で体重を預けてくる。かわいらしい尻の穴。
さすがに演技ではありえまい。じゃなきゃズボンがこんなにベッタベタになるはずが無い。全部愛液のせいだった。アラセ、尻を床につけたくなくて、服を脱ぐ手間をはしょったのを少し後悔する。

「あ…ぁん…先輩…あらせ先輩…」

切なげな瞳が振向いた。アラセは腰を引寄せ、くちびるを重ねる。
息をかけたり、かけるふりして舐めてみたり。すれっからした同級生どもと違って、反応がいちいち初々しいから、なんだかものすごいやる気がでる。

ほっぺたを、吸いながら舐めてみると、トロンとした瞳が返ってくる。
したらその向こうに、いやーな顔をしたマツリがいた。

「アラセンやっぱキナだけねちっけーじゃん」
「なんだよマツリ。お前オレが嫌いなんだろ? あっちいけあっちいけ」
「んだよ、妻は平等に愛せよな」
「ん? なんだもう降参か? もうちょっと遊ぼうぜ」

マツリは応える代わり、腕に絡みついて顔を伏せってしまった。

もうガンとして動かないというポーズ。
ちょっとイヂめ過ぎたかもしれない。だがこんないじらしい求愛を見せるマツリも悪い。

そんなんするからイヂめたくなるのだと、いいながら耳裏やら首の後ろやらを舐めていく。
目尻の涙を吸いとったら、不意打ちのキスが飛んできた。

「へへ、もらった」
「やるやる、いくらでもやる、さあこい」
「舌だせよなアラセン」

ちゃぷちゃぷと

最近こなれてきたらしい舌が、小生意気にも先手をうとうと躍り狂う。
動きのキレには文字通り舌を巻いたが、まだまだじらしが足りない。そんなことを思ってたら伝わったらしく、わき腹をつねられる。



「せんぱーい、キナノちゃんイッちゃったよー」
「んも…? んぐぐ…」

見ればキナノ、前傾にちょっと崩れて、支える腕がふるふる震えている。
アラセ思う。いやいや遊輝よ、と。これは違うと。

彼女は戸惑っているのだ。未知へと至る肉の架け橋、忘我に身を任せる畏怖恐怖。
簡単にいえばこんなに気持ちいいの生まれて初めてーっと、理性のヤロウが殺されるのを拒否している。

実をいえばキナノと身体をあわせるのはまだ3回目。1回目2回目は粘膜を慣らすためのいわば下準備であり、深い深い性の坩堝、その深淵へと通ずる門を開いたに過ぎないのだ。
ホントはあと1・2週間様子見かなんて思っていたが、なるほど今日はヤケに調子よさそうだし、そうかキナノ、もう大丈夫かキナノ。

「ほれ、お前も経験あるだろマツリ。あの日あの夜あのホテル…」
「な…! ね、ねぇよバカ! 調子のんな下手糞! 祖チン!!」
「へへー、あたしおとといー」

アラセ、やーやーいう2人の声を背に、キナノの後ろにゆっくりと体重をのせていく。
ヒザ立ちで繋がりあっているような感じ。塗りつけるように、肉をする。

「ぁ…っ! だめ…熱いの…っ」

にゅ…にゅっこ。にゅっっこ…にゅぢゅ…

ゆっくりゆっくり、ねっとりねっとり。
反応に応じて速度を上げ、頃合を見て、休みをはさむ。

「ぁ……ふぁ…っ、ぁっ…ん…んん!!」

ぴっとりと足を閉じたキナノの性器は、肉圧でせまい。
そんなに余裕もないかもしれぬと思っていたら、キナノのお腹に力が入りだした。

「せんぱい…わた…し。わたし…ぁっ! ふぁ!!」

腰を抑えて、膣奥をこする。肩ヒザをたて、力をいれる。雛尖の近くで指をウロウロさせていたら、膣奥がぬちぬちとうねり始めた。
少女の強張りに合わせるように、入口がすぼまる。アラセは欲求に逆らわず、一番奥の肉に尿道を当てて射精した。

ぶびゅ…びゅぶ…ぶぷ
びゅぐ…びゅぐ、びゅ。
びゅるっ

「……ぁ…。…ん、……ぁっぁぅ……ぁ…ん」

弛緩したキナノの身体を抱きとめ、いじけたように震えるくちびるを吸う。
汗で張付いた髪の毛をのけてやり、紅潮したほっぺたを舐めあげて満足すると、そういえばまだ2人残っていたなと気がついた。


・・・・・・。


「んん…! ぁ、あ! ふぁぁぁぁぅぅぅ…ぅぅ…んっんん!! ああ!! あ! あっん!!」
「あーん、せんぱいそこぉ…ひぁぅ…ぅ、ふぁぁぁぁ…」

ぽっちゅぽっちゅちゅくちゅこ…
ぢゅっぢゅっぢゅっぢゅっぢゅぽぢゅぽぢゅっこ…

くちゅん、ぐ、ちゅぐ、ちゅぐ、ちゅっこ
ぷじゅっぷじゅっぷじゅっぷじゅっこ…ぴゅぶぶ…


折り重なった制服から、2つの尻が呻いて動く。

下に、四肢を折って四つん這いになったマツリが悲鳴を上げ、その上に脱力した遊輝がもたれこむ。
肉物はマツリの性器に穿たれていた。10の指が、遊輝の性器を方々から撫で上げる。

「せんぱ…い…! ――んぁ! せんぱい! だめ! やぁ…ぁぁぅぁ!!」
「ふぁぁ…はゃ…! せんぱい……すごいじょーず…ぅぅぁぁ」

遊輝の腰を持ち上げようと試みる。舌と鼻の届く距離。ところが彼女はすぐに崩れ、マツリの背に体重を預けようとする。
ふくらはぎが震えているから、ワザとでないのは分かる。分かるのだが、分かるからこそいじめたくなる。

「ほら遊輝、自分で立って…」
「あぁ〜ん…ひゃぅぅ…むり…っすよー…あっ!! ふぁ!!」
「だーめ、あげなさい」

ふるふると揺れる尻は、舌につつかれてまた逃げる。もちあげられて、また逃げる。
仕方がないので、今度は逆に抑えつけるようにした。

集中して右指を動かす。腰はずっとマツリの性器を責めているから、動きは最小でいい。指腹で掻くようにヒダを伸ばし、いれこんだところで振動を送る。
栄養の詰まったふとももが暴れた。かまわず続ける。

「せんぱい痛いいたい痛い! いてーっす!! んはぅ…、あっ、ぁた、や…!」
「ん、ごめん。ほら遊輝、マツリのおっぱい揉んであげて」
「あっ! あぅ…ん、ん、んぁぁっぅぅぅぅぅぅ…」

指を1本増やし、舌で舐めるようにぬるぬるこする。遊輝の膣はこの動きに弱かった。快楽に打ちのめされながらも、果敢にアラセのいうことを聞かんとする両の腕は、マツリのボタンにかかったところで力尽きる。
ぴくぴくと痙攣する腰。飛沫が、顔まで跳んだ。

「んぁぁぁっぅうぅぅぅぅぅぅぅぅぅ……ぁ、ぁぁ」

手の平に残った遊輝の愛液を、冷静ににおってみると、やはり少しきつめ臭気がする。
洗ってもとれなさそうだと思いつつ、マツリのスカートでネチネチと拭った。少し前までは自分でも動いていた尻が、もはや蹂躙されるがままになっている。

ぷじょっぷぢょっぷじょっぷぢゅ、ぢゅっぢゅっぢゅっぷぽ
ぬぱんぬぱんにゅぱんにゅぱん、むにぶ。…ぢゅっぢゅっぢゅぢゅぷ

「〜〜っ!!! ―ぁ!――あぁ゛、ぅぁ!――ッ! ッ!!」

だらしなくよだれをこぼすマツリの顔は、ぽろぽろと涙をこぼし、時折発作のように鼻をすする。
床が汚いとか、そういう意識もほとんど飛んでいるようだった。

ぶぢゅっぷぢゅっぷぢゅっぽぷん。…っぢゅこ、…ぢゅ
ぶっぽぶっぽぶっぽぶっぽ…ぬっぬっぽ、ぬっこぬ…にゅ。

マツリの背で、心地よさに揺れていた遊輝が、のそのそと友人の肌をのたくりはじめた。
激しいアラセの交尾とは対極の、底から絞り上げるような、ねっとりとした愛撫。

ギリギリで酸素を供給していた口腔を、遊輝の指が埋めるに至り、音のない叫び声をあげたマツリは、決壊した堤防のように崩れ落ちた。

「あ゛ぁっ!! ん゛ぁあぅぅぅぅぅうぁぁぁっぁああ!!!」

同時に射精。
マツリを潰さないように遊輝をささえ、びゅるぶると射精の続く肉物を、そこそこ強引にねじ込んだ。

2度3度。油断していた遊輝はビックリしたように振り替えると、自分なりに状況を理解。
えらいもんで、アラセの射精を円滑に促すよう、ゆるりゆるりと腰をふるった。



汗と体液が、蒸発して熱を奪っていく。
目の前にはくったりと折り重なる影3つ。

マツリ、遊輝、キナノの3少女は、風邪を引くぞといってみても、むずがるばかりで動こうとしない。
しゃーないなーと上着をかけ、ぱんつを直して踵をかえす。

ようやくもって冷水気にありつくと、陽気な日差しの下に中庭の時計が見える。まだ午前中であることに愕然とした。

「午後どうしよっかな…」

相変わらずコソコソしながら教室棟へ向かうと、柔道場からでてくる摩季さんと眼が合った。


・・・・・・。