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「…うう、ねーちゃんでる…」
「…ちゅび…くぽ。…んへ?…ん、…っへっへー、まだダメ」

ヘルザクロのキスの対象がちんこに代わってからしばらく。

彼女のフェラは怒涛の愛撫と無慈悲な寸止めの繰り返しで、あいだがない。
大雑把で、そのくせ指先だけはやけに器用。特に重たいナメクジみたいな親指が動きだすと、逃げ場の無い快楽が下半身で暴れまわる。

気持ちいいったら気持ちいいのだが、なんだか管の途中で精子が詰まっている気がして、そういう意味では気持ち悪い。


「ほれほれミスラ見てみ、あんなとこに気持ちよさそーなお○んこが歩いてるぞ」
「…うう、ふへぇ、そんなのウソだい、気持ちいいのはここにあるんだい」
「やん!…へへへ、ねーちゃんはこれから仕事があるのだ」
「んな!?ずりーぞねーちゃん!!今晩はあいてるっていってたじゃないのよさ!!」
「おめーが浮気してくっからだろー?んふ。次は一直線に私のトコにこいよ」
「いやだいいやだい!!まだねーちゃんにち○こ汁ぶっかけてないんだい!!」
「もー、こいつは…。酔っ払うとロクなもんにならねーな…」

むっちゅーっと。キス。

おしまいっといいかけたくちびるをまた塞ぎ、今度はミスラからキス。

どさくさにまぎれて果肉をいぢくり、ようやく離したくちびるには、ねっとりと糸を引くだ液。
さらにその糸を舐めとろうとしたミスラにさすがにザクロは

「もういいわかった。いぢわるしたねーちゃんが悪かったよ…ほれ、横んなれ」

そういわれ、サルに退行しながらウキャウキャ喜んだミスラは、騎乗位でぐるんぐるんと腰を振られ、ものの10秒しないで達した。
あまりに汁がでたため、尿道が少し痛かった。痛みを引くのを待ってたら、ヘルザクロは頭を撫でて去っていった。


脱力。


酒も随分抜けてきたか、なるほど男児としてあるまじき痴態を随分ふるったが、頭は結構冷静なミスラ。
予定ではもうちっとヘルザクロとにゃんにゃんするつもりだったのに、どうしたものか。

どうやら今いる水槽は、クジラプールの裏手にあたる場所。
丁度でっかい岩を間に挟んでいて、水槽がカキみたいに岩肌にくっついている。どういう仕組みか知らないが、クジラプールより水面が高そうなのに、繋がったチューブの水は吸われていかない。

そういった小型水槽があたりにはいくつもあって、水面が斜めになっていたり、明らかに下を向いているものもある。ミスラは良くわからないので考えることをやめた。


ぽりぽりと腹をかきながら、先ほどザクロのいっていた方向を見ると、なるほど女の子が数名着替えている。

「あー、更衣室代わりになってんのか」

つぶやいて、思う。
よし、覗こう。

身を乗りだして、水晶体のピントを調節、どうやらムチムチとした肢体を見るにザクロ団隊長連中である。
遠目に見てもはっきりとやわらかいことがわかる凹に凸。けしからん。実にけしからん。



「ぬぁぁああ、だがちくちょう!微妙に見えねぇ!肝心なところがぎりぎり見えねえよう!!」
「おおう、なにやら困っておるようだねミスラ君」
「ああ!?お、お前は…!!」

プールの端っこでこう、フロオケから石鹸をとるときのようにようにジタバタするミスラ。そんなミスラを見下ろす影2つ。

「んっふっふ。ファックの直後に女人の着替えを覗き見るその腐った性根が気にいった!手を貸してやろうとも」
「あ、あ、博士前!ぱんつはいてください!!」

風にはためくマントと陰毛、眼鏡にパイプに蝶ネクタイ。変態博士エルエルエと、その助手キューリオである。

2人とも年恰好はミスラと同じぐらい。少し前の変態宴会では同席したものの、あまり絡みも無く、たいして会話を交わすこともしなかった。

正統派痴女スタイルのハカセと比べ、伝統的メイド姿のキューリオは超清楚。彼女の方は言動の端々にミスラさん大好き臭がにじみでており、それを両手で顔を覆ったくらいで隠せると思っているあたりがドストライク。当然ミスラはキューリオにちくちくとモーションをかけるのだが、ことごとく横の痴女が邪魔をするのである。

ちなみにキューリオはまだ処女。やらしい話、それも魅力の一つだった。

「うぬぅ、何をしにきた変態!キューリオだけ置いてどっかいけ!!」
「バカか君は?それで我輩を罵っているつもりかね?変態はこの世の全てを肯定するから変態なのだ、何者も変態を否定することは不可能、とう!!」

ザッポーンと。

変態はミスラの隣に着水。助手の方は岩場の高さにビビッて、もしもプールから外れたらその下の下までまっさかさまみたいな嫌な想像をした挙句に、ふらっと失神、落下、尻からミスラを踏み潰す。

「ふにゃん!……う、うう〜ん…」
「キューリオ!!いかん!息をしていない!!ええいこうなったらオレが口から口で酸素を移し変えてだな……」

「それだ!!」

「わぁ!?な、なんだよ変態、いきなり叫ぶな!!」
「かまわん続けて!……いいよミスラ君、すごくナイスだ。キミは今キューリオにチューをすることでもう後には引けないかもしれないという葛藤に揺れているんだね?日々の平穏、キューリオとの微妙な関係が自分の手で崩れ去るかもしれないという不安…その先に待ち受けているものへの期待と切望。……変態の真髄は綱渡り、墜ちるか墜ちないか、ギリギリの緊張感こそが変態を強くするのだ…」
「ええいさっきからよくわからないことを次々と…お前なんかその理論でいったらアウトもアウト、とっくに真っ赤なトマトじゃないか!!」
「本当に……そう思うか?」
「え…?」

変態はおもむろにミスラの手首をとると、それを自分の胸に押し当てる。ビックリするほど、早鐘を打っていた。

「惰性で変態をやっているわけではないのだよ……ん…そんな眼で我輩を見ないでくれ…いや、もっと見て…」
「え…エルエルエ…」

あやうく、キューリオを支えるのを忘れて水没させるところであった。そういえば、この変態も処女。

「なにをしているのかねミスラ君!は…はやくキューリオにせ…せっぷんするのだ!!…で、できるだけいやらしくな……いやん!」
「ああそうだ!い、今助けるぞキューリオ!!」

むっちゅー、もとい、すーはーすーはー。

キューリオはからくも水を吐き、ミスラはそれをちょっと飲んだ。呼吸が安定、すると変態が近寄ってきて……

「実はなミスラ君、さっきこのプールでおしっこしたんだ。…ああ、キミとザクロ君が粘膜をねぽねぽさせる前だな…ずっと見てた…」

などというから、ミスラはおしっこついでに息を呑んで変態を見る。不思議なことに、これがいつの間にかで可愛く見えるから困る。

水の滴るピンク色の髪。耳元で軽くウェーブして、ちょっと指でつまんでいる仕草など、これが初体験は是非ともアナルでと声高に主張する娘なのか。



「うう〜ん、あれ…わたしは……」
「ああ!き、き、キューリオ!!気がついたか!!」

キューリオの意識が戻ると、変態は放尿の告白などなかったかのように、そ知らぬ顔で隊長連中の着替えを見ている。なんなら口笛でも吹きながら、ああそうかこれが変態のやり口かと、ミスラ思う。

「ミスラ君、そんな処女など尻でもたたいときゃ治るんだよ。それよりこっちにきて見たまえよ、いい乳をしているなぁ。ナイスだよ、すごいナイス。あれはフンフン、ピュリゼ君かな?」

見えない?ではこうしなさい。
ちょんちょんと、変態が目薬させばアラ不思議。ミスラみるみる眼が良くなって、今では着替える乙女らの毛穴までじろじろほじくれる。

「おおすごい!な、なんだこれは……」
「こういうのもあるよ。処女の陰毛で造った特製糸電話…っと」

変態が紙コップをぽーんと投げると、今まさにぱんつを脱がんとする乙女の声が飛び込んでくる。どうやら彼女等、ミスラ主催のえろえろ水着ショーに出場予定なのだろう。



「な…なんで私達がこんな格好を……」
「えー?いーじゃんエルサ、ミスラも喜ぶって」
「……フン」
「それにしてもこのクイコミはどうだろう。全部剃らないと全部はみでるんだが。」
「ねーねー、ミスラって胸小さいのも好きだったよねー?…アッタシ大丈夫っかなー」
「あははは、あの子は穴さえあれば文句いわないよ」


上からエルフ騎士のエルサ。
熱血剣士ヒエルカ。
クールな魔法剣士チューザー。
撲殺僧侶のビジルヒリア。
召喚魔術師のユリン。
弓使いのピュリゼ。


ザクロ団では、ココローヤやカカナンを大幹部として、それと同格にカリンザ特攻隊長やグリオー魔術隊長が加わる。
同じく同格に軍事隊長ヒューリというのがいて、そのヒューリの下に所属するのが今着替えてる部隊長連中。

他にあと6人ほど同輩がいて、どんな作戦にも顔をだすカリンザやグリオーを除けば、彼女等12人こそが実質的なザクロ団の実行部隊である。本体から離れる隊は、大概彼女等の誰かが隊長として指揮をとるのだ。

求められるのはバランス。

なるほど個々の戦闘力をとってみればエルフのエルサは人間戦車のローキス・マルスに劣るのだが、ローキスは他にやれる人間がいるときは決して自分から動かないから、隊長なんて務まらないのだ。



「バランスがとれている、これ即ち理性的……変態とは相容れぬ存在だな」
「…な、なにをしているのかねエルエルエ」
「いや、相容れぬ存在こそ、最も変態が嗜好するものだ…皮肉だな」
「だから何をしているんだ変態…」

変態は助手の手を拘束しながら、それを使ってミスラの一物をナデナデしているのだ。
キューリオはなんだか、火みたいに熱い。

「ご、ご、ごめんなさい…ミスラさん…」
「いいんだ。キューリオはかわいいからいいんだ。悪いのはこの変態だ」

「ミスラ君、喜びたまえ。キューリオは昨日キミを思って自慰に耽り、そのまま手を洗っていないのだ。我輩がオルガスムの直後からひっぱりまわしてそのスキを与えなかったからね」

キューリオの顔が、首を絞められたニワトリみたいになった。
こ…こ、こ、っこけ…なんてことぬかすんだコノばかハカセ…
わかることは2つ。どうやらキューリオの自慰は事実らしく、かつこの変態は何らかの手段でそれを日常的に盗み見ているということ。

「なに?プールに浸かったじゃないかって?バカだね、さっきまで手袋をしていたろう。防水のやつだな。汗で蒸れることはあっても水で薄まることなどないよ」

この変態、完璧である。

キューリオがしくしく泣きだしてしまった。その手は、エルエルエのサポート無しにミスラの亀頭をさすり続ける。なんかもう、静かにパニくっていた。

「大丈夫だよキューリオ。キミがそんな風に思ってくれて……うれしいよ」
「ミ……ミスラ…さん」

ミスラはどさくさにまぎれてキューリオの腰を抱く。ビックリはしていたが嫌がらなかった。ずぶ濡れのメイド服。
キューリオビジョンにはこれでもかと美化されたミスラがさわやかに笑っており、ちんこを撫でるという行為が王子様のキッス並みに乙女チックな行為に一発変換。あら不思議といやらしくないわとか、よくわからない妄想が2人を包んで、一緒に笑った。

脇にはそれを見て笑う変態一人。全部計算通りなのだ。だから無視。それはそうと糸電話が……



「でもさー、ミスラって実際えっちへったくそだよねー」
「若いのだから。あれぐらいでいい。」
「はは、可愛そうなこといってあげるな、あはははは」
「……まぁ、ちょっと自分勝手かな……うん」
「えー、アレぐらいがいーだろ?かーいいもんじゃん、いっぱいでるし」
「……フン」

なんていうから

「ぬぁにいいぅぅおうおうおうおおおおお!!!!」

ミスラは怒り心頭である。なんだアイツラ、人がいないトコでなにを抜かしてやがるんだ。
股の下でアンアンひぃひぃいってみせたのは全部演技なのかそうなのか。
涙声でもぅむりぃ…とか、らめぇ…しんじゃうぅぅ…とかいって見せたのはめんどくさいがゆえの心遣いか、ちんこでつかれながらため息ついてたのか。

突然の猛りに、キューリオが少しビックリした。でもううん、ミスラさんも男の子だものねと一人納得。
むしろミスラが連日連夜、他の女性と肌を交わしているという当たり前の事実をこれでもかこれでもかと突きつけられ、きゅーんとなって一人赤面。

せっかくキューリオを垂らしこんでウハウハ気分なところに水をさされたミスラは

「けしからん!けしからんぞチクショウ!!水着ショーなんか中止だ中止!陸上で窒息させてやるから待ってろこのえろえろジョーズ共!!否!あんなもんマグロだマグロ!古の怪魚ま○こマグロだ!!」
「またんかねミスラ君。相手は歴戦のふしだら戦士。今の君ではノドの下をゴロゴロされて終わるだけだ」
「うぬぅ…それは…。だがこのままでは…!!」
「フンフン、我輩にまかせたまえ。」
「さ…策があるのか…!?」

にやりと笑う変態が、びしょびしょのマントをヒラリ。気づけば手になんやらのビンを持っている。

「コレはほれ…、人にかけると身体が溶ける」
「フンフンそれはそれは恐ろしい薬だな……それで…?」
「キミにぶっかける」
「ぎゃーす!!」

あな恐ろし。

謎の液体をぶっかけられたミスラはでろんでろんに溶けてのたまう。みやれ、かつてミスラだったものはプールにとろけて影も形もないではないか。
さてもミスラ、死んでしまったのか、いや、死んでしまったほうがいいのはわかりきったことだが。

「どうだいミスラ君?”水人間”になった気持ちは」

変態は誰もいないプールに声をかける。するとどうか


ぬぉぉ……これが…女の子の服に染みこむ感じか…

きひゃん、と。キュリーオが変な声をあげた。
辺りを見る。誰もいない。またびくりと、ひと振るえ。

やがてドジッ子メイドの服から染みでるように、水がぬらぬら、人の形をとった。

「これは…なんか知らんがすげーな」
「フンフン、我輩のとっておきだからね」

そう、それこそは飽くなきエロへの探求が産みだした古代の秘術、水人間。
自らの自我を保ちながら、形無き水へと己を同化させる術。

「でもエルエモン。この姿じゃぁおっぱい揉んでもあんまり気持ちよくないよ」
「そりゃぁキミは水だからね。ほくほくのあんまんに冷水ぶっ掛けてから食ってるようなもんだ」
「なにおう!?」
「感覚が薄まっとるのさ。ずっと耳に水が詰まったような感じがしてるだろう?きっと今の状態で何食べたって、水の味しかしない」
「じゃぁ意味ないじゃんよ」
「フンフン、はやまるんじゃぁないよ。まずは意識を集中させたまえ、スケベ心で舐めるように女体をなでるのだホレ」

すっぽーん、と。

エルエルエがキューリオの衣服を上から下にズリ下ろした。ジッパー的なもので一発開封が可能らしい。それはそうと、ツンと上を向いた、成熟一歩手前みたいな乳がぽろんとこぼれる。

「ひゃぁあ!!……な、な、なんですかぁ博士!!?」
「どうしたミスラ君?ホレホレこんなもぎたて果実が転がっておるのだ、これを揉めんならオスなんぞやめちまえ、ち○こなんかもいじまえ」
「な…なんだとう…!!」

むくむくと、ミスラの中で燃焼する気色の悪いオス色プルトニウム。

揉まんでか。ここで揉めなきゃ男が廃る。
そうした猛りはミスラの中で激流となり、嵐となって閃光と共に爆裂、ついに……

ふににん、と。

なんら損なうことなきキューリオのおっぱいを、おっぱいそのままに揉みしだくことに成功したのである。

「あっ!はっ…!…ひゃぅん!!」
「こ…このすべすべ感…ちょっと冷たいながらもオレの体温を含んでぬくとくなっていく感じ……何よりもこのにおいと息づかいは…!!」

「できたね。…この状態のときのキミは極めて元のキミに近い。性交も同じ要領さ、膣内で射精すれば受精もするだろう」
「なるほどなるほど」
「まあ一種の透明人間だな、普段は水に溶け、イタズラしたい時に姿を現す。訓練次第でもっといろんなことができるのだが、コレは君には早い。飽きたら治してやるから、それまで楽しんできたまえ」
「しかしいいのかエルエモン。こんな便利な道具をオレに……」
「フンフン」

変体博士はまたまたマントをヒラリ。手にはなにやら虹色に輝く金魚鉢を持っていた。

「千里金魚鉢といってね、この鉢に水を汲むと、汲んだところの水…つまり今回はプールの水なんだがね、そのプールで起こったあらゆる出来事がつぶさに録画できるのだよ。ナイスだろ」
「うぬぬ…なんか恥ずかしいが…ということは」
「これから私は、キミがしでかす乱痴気騒ぎをネタに指がふやけるまでオナニーするのだよ。お互いがんばろうなミスラ君」
「う…うん、わかった」

そうして変態は去っていった。
キューリオを置いていけよとも思ったが、いまだ処女の彼女に、これから起こるであろう事を想像させるのも一興と、変態心がそうしろと叫ぶからそうした。


「ぬははは……見ていろよ淫乱隊長共め……」


今、恐るべき変態の惨劇が、はじまる。


・・・・・・。


「えー、ミスラいないのー?」

召喚術士ユリンの高い声がプールサイドに響いた。
2つに縛った赤い髪。童顔で、生来体毛が細く、水に濡れるとぺったんこになるから、小さい顔が隠せなくなる。

濡れようが濡れまいがぺったんこな胸はチューブトップが覆っていて、たかだか数分の間に、お前それすっぽ抜けるだろうというツッコミを何度受けたか。

歳の程はミスラより少し早く生まれた程度、隊長クラスでは最も若い。
経験の少なさは膨大な魔力でカバー。芯が強く、無鉄砲な突撃で作戦を放棄することも無い。本番に異常に強いタイプで、一度戦場で彼女を見た団員は、彼女に従うことにまったく不満を抱かなくなる。

そんな彼女、カナヅチ。

浮き輪を抱えていったりきたり、泳ぎの訓練とかこつけて、ミスラとイチャイチャするつもりだったのに台無しである。

「おーら、お子様はねろっつってんだロー」
「酒くさっ!さっわんないでよね!!」

ヒスカ、カリンザ、を筆頭とするザクロ団のならず者軍団が、やんややんやと騒いでいる。水槽中に酒を満たして泳いでいるのだ。なんて下品な。

「あ、グリオー!!今ヒマ!?」
「ふにゃ…ん?…うん…大丈…ぶ…」

ユリンは粗暴な乳と筋肉の群れから、自分の友人を引っ張りだす。魔術隊長、グリオー。

ユリンは、この自分と2つしか歳の違わないエリートに、非常な親近感を抱いているのだ。
若さと才能。幹部連最年少という実力。なによりも、セックスアピールの絶望的な貧しさ。ああまるで、自らの生き写しそのものではないか。

「グリオー、泳ぎ方教えてよー」
「ふにゃ、ふむ…うん…わかった」
「うわ、酔ってんの?」
「酔ってない……よー……うっ」
「わーっこら!あっち!あっちでだしてよ!!もー!!」

そうして。

2人は練習用のプールに移動。そう、恐るべき影が、その牙をだ液で濡らしているとも知らずに。
三本目の牙が、先端を濡らしているともしらずに。


・・・・・・。


「うん、力を入れすぎだな……そうそう、足首をこう、ヒレみたいに……」
「こおー?」

ばしゃばしゃばしゃばしゃ。

飛沫の向こうの遠くの方で、ドンチャンドンチャン、タガの外れた騒音が聞こえる。
宴が本格的に壊れ始めたようだった。

アルデヒドが体内にくすぶり始めたグリオーには、バカ騒ぎよりも水の跳ねる音の方が心地よい。
ユリンに泳ぎのコツを教えながら、自身は浮き輪に乗って、水の上でポーっとする。

そういう時のクセというか、ぼんやりと水面に刻まれる波紋なんかを見ていると、すぐに魔術の公式が頭の中で組みあがっていって、何か書くものはとなってしまう。
それでは休息にならない、意味がない。このところ不眠に悩まされている彼女は、休む時はしっかりと休むのだと、自分の中で決めていた。

とはいえ、生まれてからずーっとずーっと魔法のことばっかり考えてきた彼女に、他に時間を潰す術などありはしない。
考えることがあるとすればそう、ミスラのことくらい。



(最近……あんまりしてもらってない……)
(やっぱり、自分から積極的にいかないと……ん…ミスラ君はモテるから…)
(……今、なにしてるのかな……)
(……。)
(ダメだダメだダメだ!!の…覗き見なんてそんな……軽蔑される…そんな…)
(……やっぱり…今も誰かと……)
(……。)

別にそういうことをしようという意思があったわけではなかろう。
かゆかった?なんか位置がしくりこなかった?説明だけならいくらでもできる。

なんとなーしに下腹部に伸びる指が、クイッとまがって、つけねに触れるか触れないか、その時……


つるん。


「ふにゃぁ…!!」

迂闊にも人間の接近に気づかなかったネコが、振り返り様に飛び上がるときの声があがり、どっぽーんと、希代の天才魔術師はプールの底にブクブク沈む。

「んー?なっにしてんのさーグリオー」
「ぷぁぁ…うぇ?…あ、あれ?…?」

今何かがお尻をつるんってやった、とはいえず、魚でもいるのかと見渡すも、いるわけもなく。
きつねにつままれたようなグリオーは、なにがなにやら。

「ねーグリオー、あっちまで泳いでみっからさー、ささえててよー」
「う…うん。……わ、わかった」



笑いが止まらないのはミスラである。



見たまえ、魔術の天才が気づきもしない変態妖術。
絶対的有利という快感が、ビキビキと変態の眷属、即ち股間を熱くする。

既にミスラが水を操る術は精緻を極めていて、例えば弾力を持った柔らかい水で、乳首をちょんちょんするなんてのはお茶の子さいさい。
なんだったらデリケートな部分に入り込んだお茶目な水が、運悪く子宮口をピトピトくすぐるなんて妙技もできちゃったりして、そう、例えば今のグリオーみたく……

「……んひゃぅ…ぅぅ!!」
「んー?さっきからどったのさグリオー」
「…ん、…んん!?…んんンン!?…な、なんでもない……なんでも…ふぁ…」

水がちょこっと、膣の中に入ってしまっているのはわかるのだが、なんでそれが性感を刺激しているのか。

お腹の中がヤケドしたように熱い。雑菌でもはいってやしないか、プールの水が原因だろうか。塩素が…お酒をアレだけ飲んだから……
魔術に関していくら造詣が深くとも、性に関してはいまいちあやふやな彼女、よもや昨晩自分でいじくった時に、手を洗わなかったのが原因ではないかとか、いらん可能性だけが頭の中を埋め尽くして大混乱。

なんかしらんが膣の中が熱い。

なんで?どうして?

きっとえっちなことばっか考えてるからバチが当たったのだとか、最終的には子供じみた罪の意識の虜になって脂汗。表面上では冷静を装いつつも、次第に乳首をきゅぅきゅぅと吸われるような感覚に身をゆだねるようになって、上の空。コレではいけないと頭を振ってユリンを見ると……

「ぐ…グリオー……へ、変なトコ触んないで……」
「ふぇ?」
「あ、あっれ?……ん、な、なんでも……ない」

ぱちゃんぱちゃんと。

ユリンは浮き板を両手に持って、バタ足をしながら進んでいるのだが、なんだか様子がおかしい。

「な…なんだろ……。…ん、なんか、どっかこすっちゃったかな……?」
「ど、どうした…ユリン……ふぁ…」
「だ、だめ…!…きちゃだめ………なんでも、…っ、ないから!!」

ないわけがない。

仮に今、冷静に事態を観察できる第三者がいたのなら、少女の下半身にまとわりつくいやらしい水の流れに気がついただろう。
爪の中、足指の間、くるぶし、ひかがみ、ふともも、内股、肛門、会陰、ヘソに淫裂。
ゆさゆさと、血流をうながすようなうねりが少女を包み、水槽の中央で立ち往生。

練習用のプールだから、水位は少女の腰の上あたりまで。
なんだか様子がおかしい、だがよもや溺れはすまいからと、あろうことかユリンは、少し休めばすぐに治るだろうという、最も愚かで安直な予測にすがりついてしまった。

「ん……、ひぁ…、っく」

ガマンをするのだと、浮き板の上のおでこを乗せて、つっぱるように腰を上げる。
すると逆効果で、先ほどよりも強烈なうねりが、好き勝手下半身をいじくり倒す。

明らかに質量を持った”指”が、果肉の入口を割って入り、あわててふり払うも、水しかない。
バタ足のし過ぎで足がつったのだろうか、そう、彼女もグリオーと同じで、性に関しては自信がないから、こういうこともあるのかもしれないと、自分の無知に原因を見つけようとする。

そんなわけがないのに

一方のグリオーはグリオーで、完全に泥沼にはまり込んでいた。 とりあえず一度達してしまえば冷静になれるだろう。そんな愚かな判断に溺れ、プールから上がるはしご部分にもたれかかって、水の愛撫に身を任せる。


ちゃぷん、ちゃぷん。


(あぅ……そ、ソコは……!!)

蜜腺が、意思とは無関係に透明な体液を搾りだす。
背をそらし、きゅぅっと肛門を閉めるようにして、自分なりには淫水が飛ばないようにごまかすも、無理。

ふとももを伝っていくその汁は、明らかに少女の身体を源泉とする蜜で、じわじわじわじわ、水着の股布を滲み超える。
直しても直しても、肉に食い込んでやまない水着。酷い熱。もう脱ぎ去ってしまおうかという暴挙を、最後の理性で押し留める。



(ま…また……イッちゃう…)

こちらはユリン。
胸を水につけると、ぬるぬるの水流がまとわりつくことに気づいて、なにをやっているのかと思いつつも、ぴちゃぴちゃぴちゃぴちゃ自分で漬ける。
バカみたいだと思い直し、一度は水から上がろうと考えるも、そろそろそろそろ乳首を波に。

視界の端で

グリオーが明らかにいやらしい行為にふけっているのがわかるのだが、どうこういえるような余裕も資格も、彼女には無い。
目先の快楽があまりにも魅力的で、頭がぼーっとする。とりあえず気持ちいいことを続けようという思考が、頭に充満。

丁度腰を押し当てると心地よい水流があって、くいくいと果肉を寄せていたら、また達した。
ちなみにそれは、ミスラの反り返ったち○こである。



「あっ…ふぁ…ゃぅぅ………、やだ…でちゃう…!!」
「ふぁ……んっぁ!!…っん!っんんん!!!」


くったりとした2人の少女は、水化したミスラにされるがまま。

プールサイドに突っ伏すことを強要され、混濁した意識の中で尻をあげる。
並んだ2つの秘肉から、同時に放物線が描かれて、水面に落ちた。



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