Status: 公開;2006-04-01 / 改訂;2006-04-27
どうやって予防するのか
概要説明 *
「何が危険なのか」ではインターネットにはどのような危険があるか、そしてどのような対策手段があるのかを記述しました。 「何をすればよいのか」ではインターネットに接続されたPCを安全に使用するための保守管理方法について記述しました。 ここでは被害の予防方法について記述します。
方法1: 危険なファイルには近づくな *
あやしいソフトウェアをダウンロードしないことです。 掲示板やアップローダーなど信用できない場所で実行ファイルをダウンロードしてはいけません。 フリーソフトをインストールする場合はその前に必ず検索し、掲示板やブログサイト等で評判を調べて下さい。 その上で危険なサイト(海外の所謂アングラサイトなど)には行かないようにして下さい。
ブラクラは掲示板からアクセスしてしまう場合が殆どだと思います。 掲示板に張られているアドレスは安易にクリックせずに、その後の書き込みを見るようにして下さい。 そのアドレスに対しどのような反応をしているか、それを確認してからアクセスするようにしましょう。
十分な知識が無いにもかかわらずWinnyやShareなどのファイル共有ソフトを使用することは馬鹿げています。 ウィルスなどに感染するのは当たり前です。 止めることは出来ないでしょうから十分な知識を身につけて下さい。
方法2: ファイルの整理整頓をせよ *
ファイルの整理整頓は個人情報などの重要なファイルを管理するだけでなく、ウィルスなどに感染するリスクを格段に下げることができる。 ウィルスなどに感染した場合でも発見が容易になる。 以下はファイル整理の一例ではあるがぜひこの機会にファイルの整理整頓を行って下さい。
1. いらないものを捨てる
- 使用しないアプリケーションソフトはアンインストールする。
- 頻繁に使用しない、必要のないファイルやフォルダは捨てるかCD-R等メディアに保存する。
2. ファイルを整頓する
- 大まかなカテゴリー別フォルダを作成する。カテゴリーを細かく分ける必要はない。
- カテゴリー別フォルダ内に月別のフォルダを作る。
- 月別のフォルダにファイルを作成した月ごとにどんどん入れる。現在の月のフォルダはデスクトップに置いても良いだろう。 例えば、2006年4月1日にWEBサイトから拾った画像は、[\○×\画像\2006\04\]に保存される。
こうするとファイルをどのカテゴリーに入れるか迷うことはない。カテゴリー名に悩むこともない。どのカテゴリーに入れたのか忘れる事もない。 ファイルを探す場合も日付情報は案外記憶に残る為、簡単に見つけることが出来る。毎日大量のファイルを保存する人はファイル名も付けると良いだろう ファイル名の付け方は、例えば朝日新聞の2006年4月1日の社説を保存したい場合は([01](asahi)syasetu.htm)など工夫しよう。 要するに図書館のように綺麗に整頓するのではなく、検索してすぐに見つけることがきるようにすると良いでしょう。。
3. デスクトップにはファイルを置かない
ファイルのダウンロード先はデスクトップにしがちですぐにアイコンだらけになる。 そうなるとうっかり危険なファイルを開く→感染、ということになりかねない。 そのためデスクトップにはファイルを置かない工夫をする。 方法としてはランチャーソフトを使用する。詳しくは以下のサイトを参照して使いやすいものを選んで下さい。
- Orchis 2
- マウス入力型のランチャー。最も使い勝手の良いランチャーだと思う。
- http://www.vector.co.jp/vpack/browse/pickup/pw4/pw004604.html
- CLaunch
- マウス入力型のランチャー。人気が高い。
- http://www.vector.co.jp/vpack/browse/pickup/pw6/pw006187.html
- Craftware
- キーボード入力型のランチャー。キーボードを使い慣れている方はこちらをお勧めする。
- http://www.vector.co.jp/vpack/browse/pickup/pw5/pw005769.html
方法3: 個人情報の保護を徹底せよ *
個人情報をネット上に記述することはできるだけ避ける。 個人情報を記入しなくても何の不都合もない場合は出鱈目に記入する。
方法4: パスワードは慎重に管理せよ *
IDやパスワードはいかなる時でも人に教えてはいけない。 また、推測されてもいけない。生年月日や誕生日とかをパスワードにしてはいけない。 「usamimi123」などの単純なのもダメ。 1秒間に数10万個(もしくはそれ以上)のパスワードを試すことが出来るソフトがあります。 このソフトを使用すれば次のようなパスワードは簡単に分かってしまいます。
- 短いパスワード(8文字以下)
- 個人情報やIDから推測できるもの
- 意味のある言葉(辞書に載っている言葉や芸能人や曲の題名とか)
- 同じ文字や単語の繰り返しや英字だけ、数字だけのパスワード
覚えやすくて破られにくいパスワードを作成せよ、ということになる。 これはなかなか難しいので文章からパスワードに変換する方法を紹介しておく。 覚えやすく瞬時に変換できる法則を作っておけばパスワード自体は覚えなくて良い。
隴西の李徴は博学才穎
- ローマ字に変換(rouseinoritilyouhahakugakusaiei)
- 母音を消す(rsnrtlyhhkgks)
- いくつかを大文字にする(RsNrtLyhhKgks)
- 適当な長さにする(RsNrtLyh)
- 数字を入れる(Rs3Nrt1Ly8h9)
- IDはその作品を作った人とかに(NkJ3mt2S5)
IDとパスワードが十数個もあって覚えられない人は、ID Managerというソフトを使用しても良いだろう。
方法5: メールアドレスは使い分けよ *
捨てアド(いつでも捨ることができるメールアドレス)をいくつか作っておき、使い分ける事によって 迷惑メール対策だけではなく、フィッシング詐欺の対策にもなります。
方法6: ブラウザとメーラーを変更せよ *
使用者の多いソフトウェアはクラッカーの標的となりやすい。 また、Windowsに付属のブラウザやメーラーよりも他のソフトウェアの方が高性能であったり使い勝手が良かったする。 「めんどくさいから」「使いにくそう」「信用できない」などの先入観で乗り換えないのであればもったいない。 Internet Explorerの「お気に入り」と他のブラウザとの互換性や同期させる場合には多少面倒ではあるが。 代表的なものを以下に挙げるので乗り換えを検討してください。全て無料で使用できます。
無料で使用できるブラウザ
- Opera
- 表示が速いとされる。使いやすく初心者にもお勧め。
- http://jp.opera.com/
- Firefox
- 高いカスタマイズ性(自分が使いやすいように整備・拡張する)が特徴のブラウザ。 そのため初期の状態では最低限の機能しかなく使いものにならない。カスタマイズすると動作がかなり重たくなる。 完全に上級者向き。
- http://www.mozilla-japan.org/products/firefox/
- Sleipnir 2
- 大抵の機能は備わっているブラウザ。「上級者向け」としているがインストールしてすぐ使用できる(設定する必要がない)。 Internet ExplorerとGeckoエンジンの切り替えが簡単にできるが、Geckoエンジンは色々と使いにくい。 1.66は機能が多すぎるため初心者が使いこなすのは難しいと思われる。
- http://www.fenrir.co.jp/sleipnir2/
無料で使用できるメールソフト
- EdMax フリー版
- 使いやすさを重視したメールソフト。無駄な機能が無いため動作が軽い。
- http://www.vector.co.jp/vpack/browse/pickup/pw3/pw003243.html
- Thunderbird
- 高いカスタマイズ性(自分が使いやすいように整備・拡張する)が特徴のメールソフト。 高性能な迷惑メールフィルターを搭載している。しかし、開発されて間もないので動作が不安定。
- http://www.mozilla-japan.org/products/thunderbird/
方法7: 共有PCにはルールを作成せよ *
例えば、家族でPCを共有利用する場合、 ソフトウェアをインストールする時には管理者(家族で一番PCに詳しい人)に許可が必要だとか。 小さな子供が使用する場合にはフィルタリングソフトを使用したりキーロガーで使用状況を把握するなど。 親が子供よりもPCに詳しくないとできないことだが。
方法8: パソコン廃棄時にはデータを完全に消去せよ *
しばしば誤解されるが、 ごみ箱に入れてファイルを消しても(ごみ箱を空にする)ファイルが見えなくなっただけで、データ自体は消えずに残っている。 だから間違って重要なファイルを消してしまっても、 すぐにデータを復元するソフトを使用すればかなりの確率で消したファイルを元に戻す事が出来ます。 廃棄したパソコンのデータが完全に消されていなければデータを復元、 悪用される可能性があるためパソコン廃棄時(ハードディスク廃棄時)にはデータを完全に消去してください。 これは簡単なようで非常に難しいことなので市販されている専用のソフトウェアを使用します。
パソコンだけでなく個人情報や機密情報が入ったCD-Rなどを捨てる場合はシュレッダーにかけると良いでしょう。 手動のものであれば1000円ほどで売られています。
方法9: IT関連ニュースに関心を持て *
ソフトウェアのアップデートだけではなく知識のアップデートも必要です。 どのような詐欺が流行っているのか、 どのようなウィルス感染が問題となっているのか、そのような情報を知ることも大切です。 ネット上の問題について新聞やTVの情報は遅すぎるのでIT関連のニュースサイトを利用します。 代表的なニュースサイトを以下に挙げます。 他にもたくさんありますが読みやすいものを選ぶとよいでしょう。
- ITmedia
- 情報量が最も多いIT関連ニュースサイト。
- http://www.itmedia.co.jp/news/
- ITpro(Security)
- 日経BP社が運営しているIT関連ニュースサイト。
- http://itpro.nikkeibp.co.jp/
- INTERNET Watch
- 初心者でも読みやすいと思われるIT関連ニュースサイト。
- http://internet.watch.impress.co.jp/
方法10: セキュリティ対策を過信するな *
セキュリティ対策に完璧な方法は存在しません。 ウィルス対策ソフトでウィルスが検出されないことも少なくありません。新たな手口もすぐに出てきます。 万が一ウィルスなどに感染した時は、被害を最小限に、そしてすぐにPCを元通りに復旧できるように事前に工夫をして下さい。 具体的な方法は次のようなものです。
- 消されては困る重要ファイルは常にバックアップしておく。
- 個人が特定できるような情報をPCに入れない。
- Windowsが起動しなくてPC内のデータを取り出したい場合はKNOPPIXなどCDから直接起動ができる1CD Linuxを使用すると良いでしょう。 あらかじめダウンロードしてCD-Rを作成しておく。
- Windowsクリーンインストール後にすぐにPCを元の使用環境に戻せるようフォルダ構成、インストールするフリーソフトなどもバックアップしておく。