「一緒にお風呂入ろうよ、クラピカ」
ゴンの言葉に部屋中の動きが止まる。クラピカは読んでいた書物から顔を上げ、散歩にでも誘ったふうな様子でいるゴンを見た。
「…私か?」
「うん!俺、背中流すの得意なんだ。クラピカちょっと疲れてるでしょ?俺が洗ってあげる」
にこにこと続けるゴンに、残りの三人は呆れた顔を向けた。入るわけがないだろう。クラピカの方を見れば案の定考え込むように手を顎にあてていた。何を考えることがあるのだとまた呆れそうになったとき、「…そうだな、ではお願いしよう」というクラピカの返答があった。
その答えにレオリオは飲んでいたお茶を噴き出し、トンパは足の指の爪を大幅に切りすぎて痛みに声を上げ、キルアは欠伸をしてだるそうに寝ころんでいた体制を、猫が耳をたてるようにぴん、と伸ばした。
「っはあ?!クラピカお前何考えてんだよ!」
「何だ、別に風呂くらい一緒に入ったっていいだろう。案じなくとも私に少年に悪戯をする趣味はない」
いや、そっちじゃねえよ。三人同時に心の中で突っ込みを入れる。その抜けた返答に二の句が継げないでいる間に、クラピカは荷物を持って立ち上がり、ゴンと連れ立ってバスルームへと向かう。
唖然として言葉を失っているレオリオとトンパの脇をすり抜け、キルアがクラピカの腕を掴んだ。
「俺も入ろーっと!」
いいよね?と愛想の良い猫のようにぴったりとくっつくと、クラピカは「狭くないか」と言って笑った。振り返ったキルアの口元の笑みに、敗者二人はぱくぱくと口を開閉しながら押し黙るしかなかった。

クラピカの白い体の三分の一を覆ったタオルに、キルアは心中で舌打ちをした。
そりゃねーよ、と思いながら湯船にぶくぶくと沈み、ゴンがクラピカの背中を丁寧に流す様子を見ている。
洗いにくいのか、少しタオルをずらせてほしいと頼んだゴンに、グッジョブ、と無言の声援を送る。
クラピカはタオルで下半身を隠すと、胸を腕と手で隠した。
うーん、もうちょい。思いながらキルアは立ち上がり、次は俺の番ね、と言ってゴンの肩を叩いた。
ええー、と少し不貞腐れたゴンを尻目に、タオルと石鹸を擦りつけて泡立たせ、クラピカの丸い肩に触れる。
そのまま円を描くように滑らかな肌に泡を撫でつけ、首筋、腕、手、背中、とタオルを這わせる。
キルアが右手のひらを開き、その指を一本ずつ、爪の先まで丁寧に洗い始めると同時に、
暇を持て余したゴンが左手を同じように磨き始め、クラピカはくすぐったいのかくすくすと笑った。

油断した隙に露わにされた胸は、服の上から見るより膨らみを携えていた。
キルアの手はそのまま脇腹を通り、無防備な胸に泡をつけた。
「キルアっ、もう自分で…」
「え?いーよ、ついでだし」
抗議の声も聞かずその膨らみにタオルと手のひらを這わせる。
下から掬うように重みを手のひらに受けると、クラピカの頬が赤く染まった。
ゴンがその白い肌を注視し、「クラピカって結構おっぱい大きいんだね!」と屈託なく笑うと、ますますその赤みが増す。
キルアの指が先端に触れると、クラピカはひゃっ、と声を上げて肩を跳ねさせた。

あくまで洗うような姿勢を崩さずに、乳房の全体を愛撫する。
クラピカはキルアの意図に気付かぬまましばらく唇を噛み締めて耐えていたが、
その先端を二本指で挟まれ強めに擦られると、ついに反発の声を上げた。
「っ、キルア…!」
クラピカは首を後ろに傾け、キルアを睨むようにして見た。
批難するように語気は強まっているが、その瞳は潤みを帯び始めているのが見て取れた。
それが快楽を求め始めた兆候であると解釈したキルアは、既に床に落ちたタオルになど
目もくれず、両手の指先で双方の先端を強く捏ねる。
瞬間、クラピカの艶のある声が浴室に響き渡った。
即座に両手で自らの口を覆ったクラピカは、そのまま俯き、快感にこれ以上の声を漏らさぬよう耐えた。
我が物顔で乳房を愛撫するキルアに負けぬよう漏れる吐息を必死に抑えていると、
もう二本の手が太ももをするりと撫でるのを感じた。

「ゴン…!」
「俺はこっち洗ってあげるね!」
ゴンはそう言って、作った泡のかたまりを足の付け根から指先までスーッと伸ばしていく。
足の指をひとつひとつ丁寧に磨かれると、その指使いがくすぐったく、
クラピカは重なる別々の快楽に息を乱して耐えた。
そのまま、足先から這い上がって来た手は太ももの内側まで回り、クラピカは腰を引いて反応する。
それ以上は、と言うが早いかゴンが両足首を掴んで持ち上げた。
「ひゃあっ!」
「うわあ!クラピカって、ここも金色なんだ!」
そう言ってまじまじと茂みを観察する。
椅子の上でバランスを崩したクラピカは、キルアにその背を預ける格好になった。
泣きそうになりながら抗議の声を上げるのにも構わず、ゴンは陰部を泡で洗い始める。
キルアも興味深そうに、胸への愛撫は続けながらクラピカの肩越しにその様子を観察する。泡が潤滑油代わりとなって、陰部の隅々にまでするりと指先を運ばせていった。そしてある一点にその指先が触れたとき、クラピカは大きくその体を震わせた。
「あっ!」
「ここが気持ちいいの?クラピカ」
「や、ちがっ…!あぁ…っ!」

漏れ出した声を抑えることが出来ずに、そのままキルアの腕にしがみつき、目を瞑って快感に耐える。
ゴンは乳首を弄るキルアと同じように二本の指で肉芽を挟み、擦った。
段々とクラピカの腕を掴む手に力が籠っていく。
「きもちーの?」
キルアが聞いても、クラピカは薄く目を開けただけで、口は薄く開いたまま色付いた吐息を漏らすだけだった。
その濡れた唇に引き寄せられるように、キルアはそれに口付ける。
「んんっ、ふうっ」
クラピカはキルアに口内を犯されながら、ゴンの指が強く早く自分を追い詰めていくのを感じていた。
何か質量の違う快感が体内に生まれ、それが全身に広がっていく感覚に脚が大きく震えだした。
そしてその指先が強く陰核を押し潰したとき、キルアと口内で繋がったまま全身を何度も大きく波打たせた。
「ふっ、んっ、んんんーっ!」
ビクンビクンとクラピカの体が揺れ、達したのを見て理解した二人は手を止めた。
そして彼女の体から力が抜け、ぐったりと倒れそうになるのを支えた。

「大丈夫?」
クラピカはキルアに上半身を支えられたまま、快感の余韻と血が上ったこと、年下の男の子二人に指でイカされてしまったことで意識を朦朧とさせていた。
ゴンとキルアは温かいシャワーでクラピカの全身の泡と愛液を流しながら、心配そうに彼女の顔を覗き込んでいる。
クラピカはぼやける視界の中で頬や唇に軽い口付けを落とされるのを感じながら、暫しその温かな余韻に身を委ねることしかできなかった。


雑誌のつるつるとした文字の上を目が滑る。
気付けば先程から一項も読み進んでおらず、焦れったい思いに急かされたまま手元の時計を確認した。一時間。
クラピカとゴンとキルアがまとめて風呂に入ってから十分な時間が経っているのに、何をやっているのか一向に戻ってこない。
レオリオは悶々と曇る脳内を掻き乱すように頭を掻いた。
トンパの視線を受けつつ確保した浴室に一番近いソファまでは、時折子どもたちのはしゃいだ声が聞こえるだけだ。
いくらなんでも長すぎる。
クラピカはゴンには人一倍甘いし、キルアにわがままを言われると断らないところがあるから、二人に振り回されているのではないかと思案する。
心配しているだけだと自分に言い聞かせながら、様子を見に行くための適当な理由を探した。
うんうん唸っていると、浴室からガタガタという音とともに子どもたちがクラピカの名を呼ぶ声が聞こえてきた。

レオリオは敏捷な動作で立ち上がると、真っすぐ浴室へと走った。
本来の猪突猛進な性格を省みる暇を持たないまま、半透明なガラスのドアを開ける。
湿った熱気が皮膚に纏わりつくのを感じながら、曇った眼鏡を上げると、桃色にその裸体を染まらせながら浴室の床に横たわるクラピカがいた。
「うおおあっ!」
「あ、オッサン」
レオリオは五本指で視界を隠しながら、急いで脱衣所へと引き返す。付いてきていたトンパを押し返し脱衣所の扉に鍵をかけると、クラピカが用意していたバスタオルを手に取り浴室へと戻った。
「何やってんだよ!のぼせたのか?!」
濡れたクラピカの体を見ないようにタオルで包みながら、二人の少年に尋ねる。ゴンとキルアは肩を竦めながら顔を見合わせた。
「ちょっと遊んでたらクラピカが具合悪くなっちゃって、もう出るって立ち上がったら倒れちゃったんだよ」
キルアはこともなげに言い、ゴンに同意を求める。ゴンは心配そうな顔でクラピカが浅く息をしている様子を伺っていた。
「ったく…、風呂で何を遊ぶことがあるんだよ?」
レオリオが呆れ返っていると、キルアは頭の後ろで手を組んだまま喋った。
「別にちょっとおっぱい突っついたりしただけなのになー」
キルアは唇を尖らせ、ゴンがいじりすぎたのが悪いんじゃねえ、と平然と責任転嫁する。 レオリオはその様子に唖然として口を開き、すぐに身を戦慄かせると、目の前の悪気のない悪餓鬼二人に拳骨を食らわせた。
「ってえ!」
「オメーら何考えてやがる?!」
頭を押さえる二人に説教を垂れたいが、意識がほとんど無いクラピカの体重を片手に預かっているため叶わない。
そのまま、どちらへと言うわけでもなく溜め息をついた。
「だってさー、ホントにちょっと触っただけだぜ?」
「うん、まさか触っただけでイっちゃうとは思わなかったんだよ」
眉尻を下げたゴンの様子に、レオリオは項垂れた。空いている方の手で額を支える。
目の前の若干十二歳の少年二人の行く末も心配だが、それよりも右手に難儀な重みを感じてしまう。
普段毅然とした態度をとっている癖に、五歳も下の子ども二人に好き放題されているとは。
「ってオイ!」
目を離した隙に、ゴンは心配そうにクラピカの頭を撫でながら目尻にキスを落とし、キルアはタオルをずらし、胸をぺたぺたと触っていた。
「え?」
悪びれる風すらないキルアの首を掴んで引き離す。
すると、クラピカの体を覆っていたタオルがずれ落ち、その意外に豊満な胸が露わになった。

至近距離で凝視してしまったレオリオは、思わずキルアを捕まえていた手を離す。
「…つーかさあ、オッサンもクラピカのこと触りたいとか思ってるんでしょ?」
キルアが横目でレオリオを見ながら言うと、ゴンはクラピカから顔を離した。
「そうなの?」
「なっ、や、んなわけねえだろ!」
「…コレは?」
キルアが人差し指でレオリオのスーツに包まれた下半身の中心部を差す。
うすうすと気付いてはいたが、ほのかに隆起しているそこに肩を落とした。
「まあ…生理現象だからな」
「ふーん。…ねえ。クラピカ、めちゃくちゃエロいよ」
見たくない?と唇をレオリオの耳に寄せるキルアの悪魔の囁きが、心ならずも体の中心に熱を集める。
一瞬動きを止めたレオリオの様子に気を良くしたキルアは、続けて彼を誘う甘い言葉を吐いた。
「俺らがちょーっと弄っただけでコレだぜ?感じやすいよなー。オッサン、それなりに経験あるんでしょ?
いっつも言い負かされてるクラピカを俺のテクであんあん言わせてやるー、とか思わないわけ?男として」
これって据え膳食わぬはってやつかな、とゴンが真剣に首を捻る。
狭い浴室に籠る熱は冷えるどころか、ますますその温度を上げている。
レオリオは浮かされたように、右手に抱くクラピカを見つめていた。

薄桃色の肌から立ち上る石鹸の香りが、クラピカの秘められた女の色香を際立たせる。
レオリオはそのなめらかな肌に吸い寄せられるように目を奪われていると、薄くその瞼が開き、茶色がかった瞳があらわれた。
クラピカはしばらくぼうっとしたままレオリオに目を合わせていたが、突然はっと凭れ掛けていた頭を起こした。
自身が下半身に辛うじて引っ掛かっているバスタオル以外に何も身につけていないことに気が付くと、動転したまま慌てた動作で胸を両手で隠す。
俯き、ふるふると震えるクラピカの耳に、ゴンが口を寄せた。
「クラピカ、大丈夫?」
ぴくん、とその肩が見た目にも大きく跳ねる。
まだ快感の余韻を残した体には、ゴンの囁きはまだ毒を持っていた。
レオリオは痴態を晒した体を隠すように丸くなったクラピカを引き寄せる。
胸を隠す左腕を掴むと、クラピカは咄嗟に顔を上げた。
レオリオ、と抗議を申し立てようとした声は呑み込まれた。くぐもった声がクラピカの鼻を抜ける。
不意の口付けに歯列は容易く彼の舌の侵入を許した。

レオリオは濡れた金色の髪の間に指を絡ませ、あますところなく彼女の口内を犯した。
掴んでいた腕に抵抗を感じなくなった頃、クラピカの瞳は赤茶色に曇り、腕から肩、そして胸へと掌で撫でていっても抵抗はなかった。
唇を離すと、混じり合った二人の唾液が細い糸となってクラピカの白い胸へと落ちる。それを拾い、先端へと撫でつけた。
何をされているのかも上手く把握できずに、クラピカはぼうっとした瞳でレオリオを見つめたまま息を吐く。
その熱っぽさに、レオリオは焦ったように指を動かす。
場所柄上手く両手が使えないレオリオを見かねて、キルアが彼女の肩を預かった。
「ん…」
クラピカは眠りに落ちる前のひとときであるかのように体を預け、睡眠欲にも似た心地好さを素直に受けていた。
夢の中を泳いでいるかのようなその瞳に、レオリオは浮かされる。
両指で両の先を強く捏ねると、クラピカは短く高い声を浴室に響かせた。
キルアが首筋に唇を落としても、クラピカはされるがままに首を反対側へと傾けた。
レオリオはスーツが濡れるのにも構わず、膝を彼女の両足の間について開かせる。
掌で腹を何度か撫でた後、秘部に指を滑らせた。
そこは先程与えられた快楽に屈服した後が残っており、それぞれの指を粘つかせ、吸い寄せた。
何度か上下に往復させると、クラピカは悩ましげに吐息を漏らしながら腰をくねらせた。

愛液で輪郭が朧げになったそこを、指で探し回る。茂みを掻き分けると、人差し指が芽を見つけた。
「はあん…っ!」
クラピカは眉根を寄せた。首を仰け反らせ、キルアに寄りかかる。レオリオは、ゴンにさんざ弄ばれぷっくりと腫れたそれを縦横に遊ばせた。
「あっ、あぁ…っ!」
両手をキルアに取られたクラピカは、固く結ぶことでしか声を抑えることが出来ない。
しかし、その努力もレオリオの指にかかるとまったく功を奏さなかった。
やり場のない快感を、首に口付けるキルアに頭を押し付けて耐える。
ゴンは不満そうにレオリオの動きを観察していたが、自分だけが仲間外れにされていると思ったのか、空いている席を探すようにクラピカの体を観察し、キルアの横に腰を下ろした。
両手で胸を下から掬うと、それはふにふにと形を変えて指を沈ませた。
先端を刺激すれば、キルアに預けていた顔をゴンの方に寄せ押し付けてくる。
それがたまらなく彼の情欲を煽った。
「んんっ…」
レオリオは二つの山を割り、その先の沼地へと指を沈ませていた。
熟々に熟れたそこは容易く一本を奥まで呑み込み、足りないとでもいうかのように収縮した。
レオリオは、頬を上気させ細めた瞳で見つめてくるクラピカに、自身の男根がどくどくと血を集めるのを感じた。
その瞳は緋色に染まっており、少し前、彼女が怒りを見せた時と同じ色である筈なのに、少しも畏怖を感じなかった。
それどころか、こちらを誘うような艶めかしい憂いを帯びているとさえ感じた。
めちゃくちゃエロいよ、と言ったキルアの声を耳が思い出される。
確かに、と思った。全身がクラピカに欲情していて、この後自分が平常に戻れるのかどうかわからないほどだった。

中指の関節を曲げて、内壁を引っ掻く。
「ひゃあぁっ…!」
クラピカの体がぴくん、と跳ねた。
ここか、とレオリオは見当をつけ、指を一点に戻し、連続して刺激を与えた。
「ああぁっ!だめ…っ!」
クラピカは体を震わせて、高く鳴いた。
レオリオは指を二本に増やし、両指で同じ場所を責める。
クラピカは目をぎゅっと瞑り、キルアに縋り付くように顔を寄せながら呻いた。
彼女の体の奥にある熱は、レオリオの愛撫を受けて膨らんでいた。
空いた親指で肉芽を捏ねると、大きく体が揺れる。
「やぁ…レオリオ…っ!」
緋の色が燃えるように白い体に映えていた。
潤んで透き通ったそれとは異なり、うっすらと開いた唇の色は肉感的な印象を与えた。
色のついたその声で名を呼ばれると、抑えていた衝動が全身を雷のように駆け巡る。
「そーゆーのやめろっての…!」
レオリオは悪いものを逃がすように息を吐いた。
さすがにこの状態のクラピカにぶち込むわけにはいかない。ありえねえ、と奥歯を噛み締めて耐える。
浴室にはクラピカの喘ぎ声と水音が反響し、それが官能的な雰囲気を作る一因となっていた。
ゴンは柔らかな重みを自由に撫でまわし、時折その先端をギュッと摘まむ。
それぞれが落とした快感を、クラピカは丁寧に拾い上げ、大きく反応して見せた。
「あぁっ…も、だめ…!」
クラピカが薄く目を開けると、キルアが耳に唇を寄せて囁いた。
「イキそうなの?クラピカ」
そういうの、イクって言うんだよ、とキルアは続ける。
泣きそうに顔を歪ませたクラピカを見て、キルアに悪戯心が生まれる。
「イク、って言って。クラピカ」
耳に唇を押しつけて言い、舌で舐めた。クラピカは生理的な涙を浮かべていた。
ゴンが乳首を摘むたびに陰部はきつくレオリオの指を締めつけていたが、次第に緩み始めた。ぴちゃぴちゃと水音が響く。

そろそろか、とレオリオは指の動きを速め、親指で肉芽を押しつぶす力を強くした。
ぐりぐりと双方を擦り上げると、クラピカは不規則にぴくぴくと揺れだし、浅い息を繰り返した。
「っひゃぁ…いっ…」
キルアはクラピカの耳を塞ぎ、何事か囁き続けていた。
レオリオは緩急をつけて焦らし、ゴンが乳首を摘まんだのを見て、一際強く擦った。
「あああっ…!いくっ……!」
クラピカが一際高い声を上げると、ぷしゅっ、という音がしてレオリオの体に透明な液体が降った。
クラピカは大きく体を震わせ、言葉にならない声を零す。
もぞもぞと膝を寄せ、下半身をレオリオの体に押し付けた。
「すっげー。俺、潮吹きってナマで初めて見た」
キルアが感心したふうに、レオリオが濡れた髪をスーツの袖で拭うのを見ながら言った。
ゴンも興味深そうにクラピカの体を眺めている。
レオリオは名残惜しそうにクラピカの足から抜けると、金色の髪を避け、その顔を両手に包んでキスを落とした。


「おはよう、クラピカ」
にこにこと覗き込んでくるゴンに視点が合う。
クラピカはしばらく曖昧な意識の中をたゆたっていたが、突然はっと身を起こした。
頬を赤く染めるクラピカに、ゴンがごめんね、と告げる。
「クラピカ、お風呂で倒れちゃったんだよ」
「…倒れた?」クラピカは訝しそうに繰り返す。
「そ。俺とゴンでマッサージしてあげてたらアンタのぼせて倒れたんだよ。それから8時間寝てたわけ」
キルアが言い、普段のやる気のなさそうな表情を見せた。
「そうか…」
クラピカは呟き、自分の記憶にある事柄が夢であった事に安堵しつつ、恥入った。
夢であろうと、自分で生み出してしまった映像に、あのような欲望を抱えていたのかと嫌悪を覚える。
未だ熱く火照った頬を両手で冷ました。
「大丈夫か?」
「ひゃあああ!」
にょきっと視界にあらわれ、額に張り付けられた見覚えのある大きな手にあられもない声をあげる。
と同時にこちらも驚いて手をひいたレオリオは、咄嗟にわりぃ、と謝っていた。
クラピカはレオリオを見、体内の熱が上がっていくのを感じた。
その掌の長い指にどくん、と心臓が鳴る。
「いや…っ、すまない、大丈夫だ」
クラピカは息を落ち着かせると、レオリオを見ないように、ゴンが用意してくれたカップに口をつけた。
温かい液体が体の奥に落ちていき、体温が上がるように感じる。
レオリオは、後頭部を掻くと、まだ十時間近く残っていることを示す時計に目をやった。溜め息が漏れる。この密室の中、どうやってこの情欲を押さえようか。