クラピカは目を覚ました。
瞼はまだ重く、頭は霧が立ちこめたかのようにぼうっとする。
なぜ自分が眠っているのか、それさえも理解できないまま
彼女は体を起こした。
磁器のような肌の上を羽根布団が滑り落ちる。
クラピカは自分が一糸纏わずにいることに気づいた。
両手で布団を胸元まで引き上げる。
服はどこだろうか、辺りを見渡し、クラピカは愕然とした。
彼女のちょうど膝の位置に、ゴンの頭がある。
ゴンは椅子に座りつつも上半身をベッドに預けて眠っていた。
これはどういうことだろう。
「あ、クラピカ起きたんだね」
目を擦りながら、ゴンは体を起こした。
右頬にシーツの跡がついている。
「急に倒れるから、みんなビックリしたんだよ」
そうだ。クラピカは記憶を辿った。
今朝、身体が熱っぽいのは自覚していた。
だが、皆に心配はかけたくなかったし、
なによりすぐに熱を出す自分が歯痒かったので
無理に外へ出ることにしたのだ。
しかし、倒れてしまうとは……情けない。
「熱はもう下がったから大丈夫だよ。いま服持ってくるね」
ゴンは椅子から降り、部屋を出ようとした。
「まてっ」
クラピカは左手でゴンのタンクトップの裾を掴んだ。
片手を離したため布団がずれ、左胸の膨らみが半分外気に晒される。
彼女はゴンの相変わらずの爛漫さを不安に思っていた。
もしかすると………。
「ゴン、お前知っているのか?」
「なにを?」
ゴンはキョトンとして尋ね返す。
「私が………女だということを」
クラピカはゴンの瞳を見つめた。
「うん」
さも当たり前のことのように、ゴンは頷いた。
やはり…そうか。可能性を考えたことはあった。
良くも悪くも、ゴンは野生児なのだ。
男か女かを本能で見分けられても不思議じゃない。
「女であることを隠しているのも?」
「あ、やっぱりそうだったんだ」
ゴンは淡々と言う。クラピカはどこか不自然に感じた。
「みんな男だと思ってるみたいだから、なんとなくそうかなーって」
ゴンはさっきからずっと背を向けている。クラピカの裸を見ないように。
彼女はそのことに気づいた。
右手をのばし、ゴンの腕を取る。
胸を覆っていた布団がずり落ち、クラピカの小振りな乳房が露になった。
彼女はそのままゴンを引き寄せ、背中から抱きしめた。
「クラピカ!?」
ゴンは驚いた。タンクトップの薄い布地越しに伝わる
柔らかいものの感触が、心臓の動悸を加速させる。
「キルアやレオリオにバレないよう、お前が看病してくれたのか?」
クラピカが耳元で囁く。ゴンの身体に緊張が走った。
「うん………」
「ありがとう」
そう言って、クラピカはゴンの首筋に口付けした。
「ゴン…、お願いがあるんだ」
クラピカの声は甘く、湿り気を帯びているかのようだ。
「クラピカ?何?」
ゴンはいつもと違うクラピカの様子に狼狽えていた。
「私を抱いてほしい」
クラピカは両手でゴンの頬を包み、唇を重ねた。
舌を差し込もうとすると、ゴンの食い縛っている歯に当たる。
彼女は微かに笑い、顔を離した。
「ゴン………」
「クラピカ、なんで?」
肩で息をしながらゴンが尋ねる。
「たまには女であることを確かめておきたいんだ」
「それなら、レオリオとか…」
事情さえ話せば、彼の方が適任だろう。
しかし、ゴンの主張にクラピカが動かされることはなかった。
「ゴンだってもう12歳だ。知識はあるだろう?」
「え………うん」
そうは答えたが、いまひとつ自信がない。
なにしろ、ゴンはまだ自慰を覚えたばかりの子どもだった。
「それに、どうせならゴンがいい」
クラピカは再びゴンの唇を奪った。
呆然としていたゴンの口の中に、クラピカの舌がねじり込まれる。
柔らかい舌、柔らかい唇。
ゴンは次第に何も考えられなくなっていった。
ゴンと舌を絡ませながら、クラピカはゴンの手を自分の胸へと誘う。
彼女の小さな膨らみは、ゴンの成熟していない
手のひらにちょうど良く、少しひんやりとしていた。
ゴンはおそるおそる力を込める。
柔らかい、自分の身体にはない感触。きめ細かな肌は手に吸い付くようだ。
「ゴン……もう少しゆっくり……やさしく………」
キスを中断して、クラピカが指南する。
混じり合った唾液が糸を引き、ゴンの手の上に落ちた。
ゴンは言われた通りにゆっくりと、
力を込めすぎないように乳房を揉んだ。
「そう……そうだ………」
桜色の乳頭が次第に硬さをまし、尖っていく。
「…ん………」
クラピカの声が漏れる。
いつしか彼女の頬は薄紅に上気していた。
それは乱れた髪、白い肌、潤んだ瞳、唾液で濡れて紅く光る唇と相成り、
クラピカを淫靡で扇情的なものに見せている。
ゴンは身体が熱くなった。
衝動のままにクラピカの両肩に体重をかけ、ベッドに押し倒す。
ギィ スプリングが鳴く。
ゴンは誘うように上を向いたクラピカの右乳房の突起を口に含んだ。
「ふ………うっ………」
赤ん坊のように必死に吸い付く。
「もう片方も……んっ……可愛がって……くれ」
喘ぎながら言われ、今度は左の方を吸う。
空いた手はゴンの唾液でヌルつく右の乳首をこねる。
「…あ………んっ……んっ」
ゴンの愛撫はけして上手いものではなかったが、
その懸命さがクラピカを揺さぶり、必要以上に感じさせた。
クラピカはそおっとゴンの股間に手をのばした。
「うわっ!」
ゴンは反射的にクラピカから飛び退き、
ベッドの上に前屈みで座り込んでしまった。
クラピカは自分の手を見つめた。
まだ手にはゴンの硬くなっていたモノの感触が残っている。
彼女は無言のままにゴンに近づき、ズボンの前に手をかけた。
「ク、クラピカ?」
下着ごとズボンをずり降ろされ、ゴンのモノがクラピカの前に立ちあがる。
「……胸のお礼だ」
根本から先端に向かって舌を這わせる。
「うっ……!」
ゴンのモノがビクンと波打った。息が荒くなる。
クラピカはそのまま赤い舌先で裏筋をネコのように舐めあげた。
「…んんっ………」
「年の割に大きいんじゃないか?」
「え?」
「ゴンの」
「!」
今更ながらにゴンは赤面した。
それを見てクラピカはクスリと笑い、そしてゴンのモノを口に含んだ。
亀頭をゆっくりと舐め回し、徐々に下へ降ろしていく。
「クラピカっ…ん……ちょっ……やめっ…」
皺の一つ一つをなぞりながら深くくわえ込む。
先端が口腔の壁に当たり、擦られた。
「クラ……ピカっ………んんっ……」
ゴンは果てた。白い液体がクラピカの口内に溢れる。
クラピカは小さな喉をコクコク鳴らし、呑み込んでいく。
唇からは唾液とも精液ともつかないものが漏れていた。
「美味しいの……?」
大の字に倒れて、心配そうにゴンは聞いた。
まだ少し息が荒い。
「苦いよ」
そう言いながら、唇の周りを舌で拭う。
「ゴン、もうちょっと頑張れるか?」
クラピカはゴンの手を握り、指を絡ませた。
「私はまだ満たされてないんだ」
ゴンの右手を引き寄せ、手の甲に接吻する。
始めは軽く、それから強く吸う。
手首、肘、二の腕、肩、鎖骨。クラピカの唇が徐々に移動していく。
軽く噛む、強く吸う、時には舌を這わせる。その度にゴンの興奮が増した。
クラピカが喉を舐め、右の耳朶を噛んだ頃には
ゴンのモノは再び起立していた。
彼女は満足そうに笑み、唇を南下させる。
身体の中心線をなぞるように降りた後、
ゴンの小さな乳首を舌で弄び、肋骨の一本一本に唇を寄す。
赤い痕が次々に生み出され、ゴンを彩る。
腹にもキスをされ、ゴンの腹筋が締まった。
「クラピカっ!」
助けを乞うように呼んだ。ゴンのモノはもう限界だった。
そんなゴンに、クラピカは自分の足を差し出した。
肉付きが薄く、なだらかな曲線を描く白い足。
「私にも……してくれ」