今回の滞在先の高層グランドホテルでは、珍しくゴンとクラピカが同室になった。
キルアとレオリオはホテル特有の深夜TVを見るのだと張り切っているのだ。
それをいかがわしい思いで耳にしながらも、クラピカは、おそらく早寝であろうゴンとの同室に賛成したのだった。
 ――時刻は21時。4人の一興も一段落して、
まだまだ夜はこれからと盛り上がるキルア・レオリオコンビを残して、ゴンとクラピカは一足先にラウンジを後にした。
部屋に入ると、すかさずゴンが嬉しそうな声を上げる。
「ねぇ、オレたちも見てみようよ」
「なにをだ?」
ゴンが指差すのはチャンネル案内の・・まさに先程キルアとレオリオが話題に出した、裏番組。
ご丁寧にも18歳未満は閲覧禁止です、と注意書きが載っているページだ。
「こ、こら!それは見られないんだ」
「えっ、だってあの2人も見るって」
「だめだ」
「・・ハンターでもだめなの?」
「そういう問題ではなく!」
ヘンなの、とテレビを見つめるゴンに、クラピカは優しく「寝よう。」と諭す。

    U.

クラピカが眠りに就こうとした、まどろみの時間。
かすかに響く電子音に、再び意識が戻ってくる。その音はやはりテレビだった。
クラピカも薄々感じてはいたのだ、ゴンの好奇心は押さえられないと・・。
「あっ、クラピカ」
少し決まりの悪さを含んだ声で、ゴンは起き上がったクラピカの方を見た。
「ごめん、どうしても気になって!今日だけお願い・・っ」
「あぁ、私は何も言わない」
クラピカも寝起きの為か、いまいち否定する気になれず、ゴンのベッドにそっと移った。

   V.

テレビ画面には、異国の文字ロールが淡々と流れていた。
おそらくテレビ製作のスタッフ名かなにかだろう。
まだボーっとする頭で、テレビ画面を見ているクラピカに、ゴンは嬉しそうな笑顔でぴたっと寄りそってきた。
1人よりも、2人で未知なるものを見る方がわくわくするらしい。
突然画面が変わった。金の髪を振り乱した少女が、青年に恥部を掴まれている。
乱暴に扱われる少女からは、いやらしい声が耐えず漏れていた。
突然現れた映像に、クラピカは思わず体をビクリと反応させた。
ゴンの動きも固まったのがわかる。
だがそれ以上に、2人とも目を離せなかった。

   W.

「クラピカ、もっと足開かないと、見えないよ」

いつの間にこんなことになったのだろう。
テレビに誘発されたのか、ゴンが甘えるように自分の敏感な場所を探ってきたのがきっかけか。
とにかく2人は止まらなくなっていた。
ゴンにズボンを剥がれたクラピカは、下着のまま足首を持ち上げられた。
ゴンの好奇心は本当に止められないのだ、そんな言い訳を浮かべてみる。
だが結局はクラピカも体の内にじりじりと沸く熱を止められなかった。
「クラピカ、ちょっと濡れてる、真ん中のところ」
ゴンが不思議そうに下着の上から窪みをなぞる。
「んっ、あ、ちょっと」
焦るクラピカに、ゴンは気になって仕方がないといったかんじで、その下着の脇から秘部を覗き込む。
ペンダントライトの灯りだけではよく見にくいのか、スルスルと最後の一枚も剥ぎ取って、
灯りに照らすように、クラピカの柔らかい腿を掴んで、左右に開かせた。
その瞬間、滑らかな一線がくちゅ・と音をたてて、ぱっくりと開かれる。
ゴンは目を見開いて、顔を近付けた。

   X.

「よせっ、あぁっ。ゴン・・っ!」
いきなり灯りのもとに晒された内腿に、クラピカは冷やりと外気を感じて羞恥心に襲われる。
濡れているのだ、それは自分でもわかる・・
だがなによりも、ゴンに見られたという背徳心が快感で。
その焦りが、秘部からトロッと伝う体液に更なる追い討ちをかけた。
「わっ、クラピカ。よく見える・・」
ゴンの素直な感想も、クラピカには耳を塞ぎたくなるような言葉ばかり。
元々ゴンには自分の性別くらいバレていると予想していたが、
こうまでも赤裸々に女性の特徴を直視されては頭がおかしくなりそうだ。
「クラピカ・・これなに?触っていいよね」
既に勃ちあがったクリトリスの先端にそっと指をのせる。
「ぅあ・・っ!」
突然のピリッとした刺激に、思わず足を閉じようとするが、間にあるゴンの体に阻まれる。
「ここ?いたい・・?ごめん、クラピカ」

次にどうしていいかわからないという表情のゴンに、クラピカも我慢の限界がきてしまった。

    Y.

張り詰めたゴン自身が黙認できるのに、このままではあまりに可哀想すぎる。

「ゴン、好きにしていいから。さっきのテレビのマネをすればいい」

羞恥心を抑えて、できるだけ優しい声で言ってやる。
ゴンも安心したのか、“うん!やってみる”と自分の服を脱ぎはじめた。

「クラピカも全部脱いでほしいんだ」
思い立ったようにゴンは、自分の服も中途半端にクラピカの上着に手をかけた。
「これぐらい自分で・・っ」
「いーのっ!オレにやらせて」
「〜〜っ・・・」

本当に楽しそうに自分を剥いでいくゴンに、クラピカはおとなしく身を任せた。

ゴンの動きが止まったのは、クラピカの可愛らしい膨らみが現れた時だった。
気付いたクラピカは、どうした?と覗き込む。
そしてゴンの真っ赤に染まった顔を見た。
「ごっごめ・・オレ、クラピカのおっぱい、みっ見ちゃって・・」
クラピカは唖然とした。
先程まで自分の下腹部を穴のあくほど見つめていたのに・・それよりも胸に赤面するなんて。
どこかズレているゴンの感性に微笑ましいものを感じながら、クラピカは衝動的にゴンの頭を柔らかい胸に引き寄せた。

    Z.

「あっわ・・」
唐突に訪れた柔肌の感触にゴンは一瞬おどろきの声を上げたものの、
それがゴンの“変な気分”を煽ってしまったらしい。上気した顔で、目の前の白い膨らみを両手で掴む。
(やわらかい・・)
慎重に揉みほぐすように動かそうとする。さっきのTVの真似・・マネ・・頭に思い浮かべながら。
だが初めての行為のこと、撫でまわしているようにしか見えない。それでもクラピカは、上半身を恥ずかしそうに捻った。
そして、さっきから手の平に当たる乳首に指先で触れてみる。
「んんっ、ん」
決して声は出さないけど、クラピカが反応してくれてる。嬉しくなったゴンは、そのままちゅ、ちゅと唇で攻めたてる。
「っああ・っ!」
クラピカらしくない声が出た。空気に震えるような、崩れた声。
さっきのTVのおんなの人の声よりどきどきする・・。もっと近くで聞きたい。


    [.

「クラピカ」
「ゴン・・?」
顔をクラピカの目と鼻の先まで近付けて、指先で思いっきり乳首を摘まんでみた。
「っ・・やっあ・!」
思わず出た大胆な喘ぎに、クラピカは赤面した顔を両手で隠す。
「クラピカ・・恥ずかしいの?」
「ちが・・っ、そういうわけじゃ・・」
「じゃあ、もう我慢できないの?」
「なっ・・?!」

TVのおんなの人は、こう聞かれると“早く入れて”って叫んでたよね・・クラピカは?

「入れてほしい?」
「・・っ?!」

あっ、そうか。クラピカはああいうのイヤなのかな・・

クラピカの顔を不安そうに見ているゴンに、クラピカは躊躇いながらも上気した頬でうつ向いた。
「ゴ・・ン、頼む・・」

消え入りそうな声だったけど、真っ赤なクラピカが可愛くて仕方ない。

    \.

「足、力抜いてね」
白い太股を持ち上げて左右に開いた。淡いライトの光を反射して、濡れ光っている全体を指でさらに広げる。
「んん・・ぅっ」
クラピカは既に顔を覆った腕を外そうとしない。あまりの恥ずかしさに気がおかしくなりそうなのだ。
ちゅ、ちゅう、と中心の核を吸うことくらいしか、ゴンにはわからない。
それでも上から聞こえる信じられないようなクラピカの甘い声に、ゴンの男の象徴は痛いという感覚を訴えてきた。

「クラピカ、痛いよ・・・」
ゴンの悲痛な苦声が響く。クラピカは驚いて上半身を起こした。そして凝視してしまったゴンの熱い塊に、一気に体がカァと熱くなる。
 「平気か?」
「ううん・・もう・・っ」
必死でクラピカの足の間を探るが、どうしても最終行為に及べない。わからないのだ、クラピカとひとつになる場所が・・
「クラピカ・・どうすればいい・・っ?」