「こら、んなとこで寝んなよ」
レオリオが軽く肩を揺すると、クラピカはゆるゆると顔をあげた。
「ん……」
アルコールが回ったせいか、表情も声も眠たそうだった。
頭もすぐにテーブルの上に落ちてしまいそうだ。
「寝んなら、ちゃんとベッドにいけよ。風邪ひく……って聞けよお前」
「……ぅん……」
普段から酒をたしなまないせいだろう、それほど飲ませたつもりはないのに既にこの状態だ。
クラピカはレオリオの手を借りてようやくといった様子で立ち上がった。
レオリオは半ば抱えるようにして移動し、ベッドに彼女を座らせる。
ゆっくりとクラピカの手が動いて、ネクタイを緩めた。
すこしでも楽な格好になりたいのだろう、ネクタイを引っ張る指が少し苛立たしげだった。
レオリオが解くのを手伝うと、クラピカは息を吐いてジャケットを脱ぎ、シャツのボタンに手をかける。
クラピカはそのまま、夢うつつ状態でブラウスを脱ぎ始める。
「おい、いくら酔ってるからってオレの……男の前で脱ぐなよな」
クラピカはそれを聞きとめ、据わった目つきでレオリオを睨んだ。
「わたしがどこでなにをしようとじゆうだろぉ!!」
呂律の回らない口調でわめかれても可愛いだけである。
呆れるレオリオの前で、クラピカは勢いよくブラウスを脱ぎ捨てた。
「ちょうどいい。やらせてやる」
「はあ!?」
驚く暇もなく、レオリオはクラピカに抱きつかれた。
「おいっ」
「やらせてやると言っているのだよ。したいのだろー?この助平がー」
クスクスと笑いながら、下着だけの(小さい)胸を押しつける。
「何言ってんだよ。オレは酔わせてヤる趣味は…」
「わたしのどこが不満だー!この無礼ものー!」
……こいつがこんなに酒グセが悪いとは思わなかった。
呆然とするレオリオに密着したまま、クラピカはスカートのチャックを下ろし始める。
「おいこら、クラピカ」
「なんだ?あー、着たままでやるかー?」
アルコールの作用で、頬も唇も紅を差したようにほんのり赤い。
潤んだ半目が挑発するように見つめてきて、レオリオの理性はクラッときた。
普段が堅物すぎるだけに、
ほんのちょっとしたそんな仕草でも、通常以上に色っぽく感じる・・・
元が美形なだけに、その効果は強烈だ。
レオリオはなけなしの理性を総動員して、
何とか冷静さを保っていた。
「いいから、おとなしく寝ろ!」
とりあえず寝かしつけよう。
しがみ付く身体を引き剥がし、横たえようと半身を乗り出す。
引き剥がされまいとの抵抗を覚悟したのだが、
先程までのからみ具合は薄れ、意外なほど大人しく彼女はベッドに横たえられた。
しまった!と思った。
抱き付かれていたので見えなかった姿態が目の当たりの飛び込んでくる。
半開きの口元、潤んだ瞳。紅潮した頬。眠そうに投げ出された全身。
上半身は下着1枚。ファスナーを下ろされたスカートは
腰骨で引っ掛かる様に纏いついてその下の肌と下着が覗いている・・・
強烈な媚態。隠さねば。
「ほら、ちゃんと毛布を被って・・・」
その瞬間、
眠りに落ちる様だったクラピカが勢いよくレオリオの腕を引っ張った。
「うわっ?」
どさり・・
バランスを崩しクラピカの上に覆い被さる。
一瞬の間をおいて
心臓が拍動を速める。
「おいっ・・おまえな!」
半身を起し、彼女の顔を見て抗議をする。
ジッと見つめ返す彼女はくすくすと楽しげに笑う。
ギリギリの常態で我慢していた彼の
それでも、理性を保とうとする努力は
「冗談だ。」
レオリオの耳元で囁かれたたった一言で、
脆くも消え去ってしまった。
「冗談で済むかよ」
レオリオはクラピカの手首を掴んだ。キスをすると見せかけて、鎖骨に唇を落とす。
そのまま首筋をなぞり上げるように舌で辿ると、クラピカは小さく息を零して首をすくめた。
レオリオは耳朶に噛み付くと、下着越しに胸の膨らみをまさぐった。
指先に触れた突起を何度も擦ると、クラピカの息が弾んできた。ここが敏感なのは、これまでの経験でよく分かっている。
布越しではなく、直接触れて、口に含みたかったが、じっと我慢して突付いたり摘んだりの刺激を繰り返した。
「……ん……んっ……」
切なげな声があがる。クラピカが身をよじるので顔を上げると、濡れたような瞳と視線が合った。
上気した頬は、酒のせいか。
――それとも。
潤んだ瞳を向けたまま、クラピカは何も言わずにレオリオの手に自らの手を重ねた。
レオリオはごくりと喉を鳴らす。
朱を帯びて小さく震える口唇から、次に紡がれる言葉を期待した。
すぐにでも貪りたい欲にかられてしまうのを必死で抑える。
少しの沈黙の後、クラピカは無言のままレオリオの手を握り、そのまま薄布の中へと一緒に手を滑らせた。
豊かとはいえないものの、形の良い膨らみがレオリオの掌に直におさまる。
焦らされたためか、触れた突起はすでに固く主張していた。
「クラピカ・・・」
誘っているようなクラピカの行動に、いよいよレオリオの我慢も限界に近づく。
膨らみを掌で優しく包みこみ、突起の先端にも指を這わせる。
「・・・ぁ・・・ん・・・」
再びクラピカから甘い吐息が漏れた。
レオリオはささやかな乳房にむしゃぶりついた。
片方は手で愛撫を続けながら、赤ん坊のように吸いつく。
その激しさにクラピカは息を上げる。
「んんっ……そんなに、吸っても… 乳など…出ないぞ……」
聞きとめた言葉に、レオリオはプッと吹き出した。
クラピカはまだ酔っているのだろうか?
「そうだな―――けど、ココからは出てるみたいだぜ?」
悪戯半分、本気半分で、レオリオはクラピカの泉に指を当てる。
「ひゃんっ…」
途端にクラピカの腰が跳ね上がった。
酒が感度を上げているらしく、先刻までの短い愛撫で、秘所からは
既に愛液が溢れている。
触れられただけで、クラピカの花芯は熱く震えた。
「レオリオ…っ」
「どうして欲しい?言ってみろよ」
アルコールに浮かされたクラピカの体は、いつもよりもずっと正直だ。
たまには彼女から求められてみたくて、レオリオはわざと焦らす。
濡れた秘唇の周囲を撫ぜるだけの指は、もどかしさだけしか与えない。
クラピカはレオリオの首を抱き寄せた。
「レオリオぉ……」
「なんだ…?」
「…………し、て……」
「何を?」
細い肢体を擦りつけながら告げる言葉に、わざと聞き返す。
クラピカの顔が更に赤くなったように見えた。
「………抱いて…くれ…」
「よしよし」
レオリオはクラピカの体をギュッと抱きしめる。
そんな意味ではないと、わかっているくせに。
「レオリオっ……!」
咎めるような声が上がり、レオリオは苦笑した。
「わかった、悪かったよ」
「あ……っ!」
秘所を探っていた指が、奥へと進む。
溢れた蜜はシーツまで滴っており、わずかな動きにも過敏に反応した。
「あぁん……!レオ…リオ、もう……いいから…っ、……はやく……」
焦らされ続けた体が小刻みに震える。
その媚態を密着して観察しいたレオリオの方も、もはや限界だった。
まだだ。まだ駄目だ。
彼自身、限界には違いないが、ここはまだ焦らしどころなのだ。
限界が近い、彼女の汗ばんだ白い身体。
控えめな胸の紅い頂が、プルプルと震えて誘っている。
泉を湛える秘所は濡れそぼり、ヒクヒクとレオリオの指を締め上げる。
レオリオは指を抜く。
「・・ッア・・はやく・・・ぅ・・ンッ」
鼻に掛かった甘ったるい声で、腰をくねらせて、
ヤンワリと焦らされる感触に耐え切れなくなってきた彼女が
身も世もなく オトコ を求めて
下半身を擦り付けてくる。
全身で誘っている。
与えられない快楽を求めて。
いつもの冷静な彼女の姿は其処にはない。
ホンの先っぽだけが入り口を伺っている・・・
それでも、吐き出される愛液にまみれ
ぬらぬらとテカリを帯びる男の象徴
熱を持ち、硬く膨張し
ドクドクと脈打って何か別の生き物のようだ。
入り口に宛がわれ脈動を感じると、
ますます我慢が出来ず気が狂いそうだ。
これが欲しいのだクラピカは。
この凶暴なモノを。
貫いて、身体の中を擦りあげて欲しい。
そしてその刺激に合わせて、
悲鳴にも似た声をあげ、
身悶えて、狂ったように
ただ快楽にのみ流されたい・・・
今この時だけは何もかも忘れて、
早く、早く。
「・・いやぁ・・ア・レ・・オ・リオゥ」
鳴きながら身を捩る。
早く、早く挿れて!
クラピカの体が撥ねた。
彼女の秘所がドクンドクンと鼓動にあわせて収縮する
レオリオのモノを飲み込むように。
ぐい、ぐいっと。
奥へ、奥へと。
はちきれんばかりに膨れ上がっていた男根を
にゅる、にゅるっと締め上げながら飲み込もうとする。
「・・うっ」
これだ。
レオリオは波にあわせて挿入した。
絞られる様な締め付けに、強烈な快感が
ゾクゾクッと背筋を走る。
最奥を突くと同時に爆発した衝撃的な快感。
今まで堪えていたものを一気に解放する。
頭の芯を白い閃光が通り抜ける。
焦らされて焦らされておかしくなりそう。
中途半端な快感に責められ歪んでいた彼女の表情。
意識が落ちる直前に与えられた強烈な刺激。
その瞬間しっかりと色をなし
快楽に溺れて落ちていく。
クラピカのアノ瞬間の表情はえもいわれぬ美しさだ。
その容貌を
白濁する意識の片隅で捉え
満足しながらレオリオも落ちていった。