「なぁ、今日さ、メンバーチェンジしない?」
キルアは突然提案した。
「メンバーチェンジ?」
ゴンが不思議そうに聞く。
「そ。あのさぁ」と、キルアはちょっと照れたように話を切り出した。
ハンター試験も終盤に差し掛かりずっと4人で行動してきたがクラピカと二人で
話をしたことがないように思う。ハンター試験が終わればそれぞれの道を行くの
だからこの先もっと話をする機会はないだろう。
「だからたまには相手を入れ替えて…と、思ったんだけどさ」
キルアはクラピカをチラッと見た。
「ふむ…。」
クラピカは考えていた。
そう言われればレオリオとゴンには心を開いているがキルアにはどうか?反対に
キルアも同じ事を考えているのかもしれない…。
となれば返事はひとつしかない。
「…そうだな、良い案だな…。私もキルアとじっくり話をしてみたいものだ」
クラピカは笑みを浮かべて答えた。
「ま、お前等がそれでいいんなら俺はいいぜ。どうだ〜?ゴン」
「うん、俺もいいよ」
ゴンとレオリオは顔を見合わせて答えた。
「なら決まりだな。じゃあ分かれようぜ」
「うん♪じゃーねーキルア!ねーねーレオリオ何して遊ぶ〜?」
キルアとクラピカ、ゴンとレオリオは別々の部屋へ入って行った。
クラピカはキルアに続いて入室した。
荷物をサッと置くとキルアは「お先に」と風呂に入って行った。
クラピカは鞄から本を取り出しベッドの上に座り読書を始めたが
「…キルアとどのように接したらいいものか…」と少し困惑していた。
シャワーをサッと浴びた彼は浴室から出てきた。レオリオとは違いちゃんと服を着ている。
「はぁ〜サッパリしたぁ!クラピカも入りなよ」
気持ちよさそうに薦めてくれた。
そのキルアの顔を見てクラピカは少しホッと胸を撫で下ろし
「ああ、そうさせてもらう」
そう言うと着替えを持って浴室に入った。
クラピカは服を脱ぎながら「キルアはあんなに普通に接してくれてるではないか…
私が構えすぎだからいけないのだな…」頭をコツンとしたい感じだった。
私もレオリオやゴンに接するようにキルアに接しよう。私のわだかまりを解こう。
そう思いながらゆっくり湯船に浸かった。
風呂から上がるとキルアはベッドに潜り込んでゲームを楽しんでいた。
…キルアは普段大人ぶってても子供なのだな…。ふっと笑い
「キルア、そのゲームは面白いのか?私が風呂に入ってた間ずっとやっていたようだが」
そう言いながらキルアのベッドに近づいて行った。すると
「クラピカも一緒にする?」
キルアは振り向きコントローラーを手渡す素振りをした。
ここで無碍に断ってはいけないな、私からもキルアに近づかねば。
そう考えたクラピカは
「そうだな。やってみようかな?ちゃんと教えてくれるのだろう?」
とコントローラーを受け取った。
「当り前じゃん、クラピカもこん中入れよ」
キルアは無邪気に笑いながらベッドの場所を少し移動して入り口を作った。
クラピカは内心躊躇したが「じゃあ、お邪魔するよ」と潜り込んだ。
二人は暫らくゲームを楽しんでいたが
「キルア…私に話があるのではないか?」
クラピカはキルアを見た。しかし彼はゲームを続けながら
「話…?ナンで?」
クラピカの方も見ないで答えた。
「いや、なに。キルアが私と二人で話をした事がないと言っていたからなのだが…」
…無いなら別にいいか。とゲームに目を向けたその時級にキルアはコントローラーを離し
右手でクラピカの両手首を掴んで仰向けにし馬乗りになった。
「な……!!?」
クラピカはビックリして見開いた目で見下しているキルアを見た。
「オレさ〜、話は無いんだけど…したい事があるんだ」
ニヤリと笑い、そう耳元で囁くと耳たぶを軽く噛み、左手で服の上から胸を揉みほぐす。
そして顎のライン首筋に舌を這わせて
つ・つ・つ
と舐めた。
「…あ……は………ぁ」
クラピカはピクッと感じたが
「な!何をする。お前は何を考えてるんだ!私から離れろ!」
顔を赤らめながらキルアを叱り付けた。
「何を?って、今からクラピカにする事かなぁ?」
そう楽しそうに言うとクラピカの上着のボタンに手をかけひとつずつ外していく。
「あ…イヤだ、キルア…やめてくれ」
クラピカの声は震えている。
キルアはその声が聞こえてない振りをしてボタンを全部外すと服をはだけさせ
クラピカの白い肌を露わにさせた。
「うっ…」クラピカは恥ずかしくて目を瞑り俯いてしまった。
小刻みに震えるクラピカを見て「初めてなのかな?レオリオとはやってね〜のか?」
そう思った途端にキルアの欲情は高ぶっていった。
「クラピカ〜、顔を上げて眼を開けろよ…緋の眼になる瞬間が見れね〜じゃん」
拗ねた子供のような言い方をし、顎をクイッと持ち上げて唇を重ねる。
「んんっ」
舌を入れ絡ませクラピカの口の中にキルアの唾液が入る。それをゴクンと飲み干し
眼を開いた。するとキルアは
「なんだ…まだ緋の眼になってね〜のかぁ…」
とポツリと言い今度はチュ、チュ、と音を立てながら唇を首筋、鎖骨へと下ろして
いきクラピカの少しだけふくよかな部分に差し掛かると舌先を出して円を描くよう
に舐め一番先の薄桃色の突起をつんつんと突いた。
「はっ…!…あ……ぁあ」
クラピカは体を反らせながらもキルアの体で押さえつけられている足をバタつかせ
て嫌がっていた。
そんな事はお構いなしのキルアは舌と唇を巧みに使いクラピカの乳首を舌から舐め
上げたり、強く吸いついて口の中に含み転がしたりと弄んでいる。
「ん…んんっ……んあぁ」
クラピカの体中にジワジワと痺れたような感覚が走り始める。
先程までバタつかせていた足も身をよじらせる時に少し動かす程度になり、抵抗し
ようと力を入れていた両腕も甘いシビレで力が抜けていく。
キルアも掴んでいた手を離しクラピカの頬にそっ…と手を当てるとクラピカも薄く
眼を開けキルアを見た。
クラピカの頬は紅潮し、瞳は少しずつ緋色に変化する途中だった。
その様は子供の彼にも「ほぉ…」と微かに溜息が出るほど美しかった。まるで壊れる
物を扱うように優しく背中に手を回し顔を埋めると反対の手をクラピカの下半身へ
と伸ばしていった。
「はぁ…そ、そこは…ダメ…だ…」
ダメだと言いキルアの手を制止させようと阻むものの全くと言っていいほど抵抗す
る気配はない。
キルアはクラピカの着衣を全部剥ぎ取り、自分も全裸になると元の体勢に戻った。
クラピカは身体が火照り完全に緋の眼になっていた。
キルアはクラピカの足の付根に手を滑り込ませ一番敏感な部分を指でクリクリなぞった。
「ぁっ…」微かだが少し低く声を漏らした。身体もピクッと反応する。
キルアは乳房を口に含み丁寧に愛撫しながらクリキリとなぞっていた指を更に奥へと進ませ
クラピカの花弁をなぞりながら中に入り込むチャンスを窺っている。
暫らくすると中が濡れてきて指がスルッっと入るようになってきた。
「…あ……はあ…はあ……んん」
クラピカの身体はビクッ、ビクッと反応している。
乳房から口を離し足を割り自分の身体をその間に入り込ませてキルアはぴちゃぴちゃと音を
立てながら溢れ出ている愛液を舐めあげている。
クラピカは今の自分の醜態とキルアの立てるいやらしい音で気が変になりそうだった。
それよりも一番信じられないのは、その行為が何とも言えない程気持ちイイと思って
いる自分だ。
最初は抵抗もしたが肌と肌を合わせる事がこんなにも安心出来るものなのかと思った。
そう思うと自分に対しての彼の非行を非行だと思えず、この安堵感に浸りたい気分に
なっていた。
「んあっ…」クラピカはハッと我に返った。
キルアを見ると自分の足を持ち上げキルアのものを挿入させようと愛液で濡れた部分
に先端を押し込んでいた。
「行くよ、クラピカ」
そう言うとゆっくりとだがズブズブと暖かい膣の中へ自分のものを挿入させていく。
「んん〜〜……っ…ぅぁ…あ、あ…んっ」
あまりの下腹部の激痛に大声をあげて叫びたかったが、そうするとキルアが遠慮して
止めてしまうのではないか?そう考えたクラピカはシーツを掴み唇を噛み締め声を
殺した。
「痛くない?大丈夫?」
キルアは少し心配そうな顔をしてクラピカの顔を覗き込んだ。
「す…少し、な…。でも…大、丈夫だ…」
クラピカは苦痛だったが少しだけニコッと笑ってみせた。
安心したようなキルアは
「ホントは痛いんだろ?でも少しだけガマンして。暫らくしたら慣れてくると思うから」
そう言いながら一番奥まで挿入させ、ゆっくりと腰を動かせ始めた。
「く……ぅぅ」
本当は辛かった。自分の中でキルアのものが擦れる度に痛くて悲鳴をあげたかった。
しかし彼に気遣いをさせたくないと自分を殺して我慢する事に決めたのだ。
キルアもクラピカの気持ちに気付いていた。クラピカの為に早く済ませてやりたいが…
クラピカの中はキツク締まっていてとても気持ち良かった。
部屋の中には二人の息遣いと、ねち、ねち、と二人が繋がっている音が聞こえる。
「んんーー…ぁあ〜……ハッ、ハッ」
クラピカの声は苦痛から快楽へと変化していた。
普通の女性のように甲高い喘ぎ声ではないが、あきらかに入れ始めた時のとは違う。
顔も眉間にシワを寄せ口をほんの少しだけ開けて淫らな女の顔になっている。
「よし!」
掛け声をあげてキルアは腰の動きを早めた。
「クラピカ、オレの動きに合わせて腰を動かしてくれたらもっと気持ち良くなるから」
「あ…、ああ…」
クラピカは頷いた。
キルアに合わせてクラピカも腰を動かす。
ハァッ、ハァッ、ハァッ、ハァッと二人の息遣いも早くなる。
キルアはクラピカに身体を密着させ更に深く繋がらせた。
「俺に手を回して」
シーツをギュッと掴んでいたクラピカの両手を自分の首に回させ自分はクラピカの背中に
回す。より密着したキルアの身体にクラピカの少しだけ膨らんでいる胸が当たっている。
それが何とも言えずこそばゆくて気持ちいい。
キルアは腰を動かしながらクラピカの口に吸い付く。
「んっ…んっ…」
ああ…イク、イッちゃいそうだ…キルアの快楽が頂点に達しようとした時
「ぁあ……あ、ああ〜〜…」
クラピカは口を離し大きな声をあげた。
その瞬間キルアのもドクンドクンと脈打ち大量の白い液が放出した。
「は…はぁぁ……あ…」
クラピカは力尽きてしまった。
キルアはゆっくりと腰を動かしながら自分のものをクラピカの中から出す。
「ハア…ハァ…ハァ…」
キルアもクラピカを気遣いながらの行為だったので少しばかり疲れてクラピカに伸し掛
かって倒れ込んだ。
…どれくらい時間が経ったのだろうか…?クラピカが目を覚ますと目の前にはキルアの
顔があった。本当に彼は少年なのだ。寝顔があどけなく可愛い。
「こうしてると気持ちいいな…」
クラピカは頬を寄せ覆い被さっているキルアをギュと抱きしめた。
「ん〜…」キルアが目を覚ました。しかしバツが悪そうな顔をした。
「人肌って…、気持ちいいんだな。初めて知ったよ。山で遭難した時に抱き合いたくなる
のも分かる」
クラピカはフフッと笑って見せる。
「怒ってないの?」
「何をだ?」
「何を…って、俺のした事に決まってんじゃん。最初からそのつもりだったし」
「そうか…」と言ってクラピカは「ん?」と思った。
「キルアは私が女だと気付いてたのか?」
「うん。ゴンも気付いてるみたいだよ」
「いつからだ?」
「う〜ん、トリックタワーくらいかなぁ?何となくだけど。ゴンも」
クラピカは呆気にとられた。彼等の洞察力をみくびっていた。
「え!?て〜事は、レオリオとはナンも無かったのかよ!?」
「んっ?あっああ、何も。風呂上りに素っ裸で出てくるので注意したら“男同士なのに”
と、ブツクサ言われたが?」
…本当は注意ではなくブン殴ったのだが…
「レオリオの奴あれだけクラピカと一緒に居て何で気付かね〜んだぁ?」
キルアはレオリオの鈍感さは賞賛に値するなぁ…と変な所に感心した。
「じゃあ、クラピカはオレのモンだね」
クラピカをギュッと抱き返しキスしようとした時
「ダメだ」クラピカはフイと顔を反らせた。
「ええー!?ナンでだよ!」キルアはムッとしている。
「物事には順序と加減というものがある。明日以降も試験はあるのだ。それに…」
クラピカが話を続けようとしているがキルアは
「わかった、わかったーーー!」
もういいよ!と言わんばかりの口調でクラピカの話を止め「ちぇ〜」と言って布団に顔
を埋めた。クラピカはクスリと笑って
「また明日もあるではないか。明日も一緒の部屋になろう?な?キルア」
子供をなだめる様に言うと「…ホントに?」キルアはちらっとクラピカを見た。
「ああ、本当だ。だから今日はこのまま眠ろう?」
「…。うん」キルアは照れ笑いをした。
クラピカはまたキルアに頬を寄せた。
“キルアはやはり子供なのだ”
二人はお互いの鼓動を感じながら眠りに落ちた。
end