1
もうすぐレオリオの入試の結果が出る頃か…
お嬢様の部屋の片づけをしながら思った。最近、彼のことばかり考えている。
センリツも素質はあると言ってくれている、きっと大丈夫だ。
いろいろと考えて居たら急に気が緩んだのか
「そんなに気になるなら彼のところへ行ってあげたら?これは私たちでやるわ」
と悟られてしまった。その日は休む分の仕事を住ませ明日、朝一番で会いに行くことにした。
ということで私は今、レオリオの故郷へ向かっている。ゴンとキルアも来るだろうか。
ハンターになり初めて豪華車両に乗ったときを思いだし「懐かしいな…」と呟く。
気が緩んでると言えど土産の紙袋は手放せずに持っていた。
土産は私よりも気が効くであろうセンリツが渡してくれた物だ。
中身は教えてくれなかったが、きっと良い物なのだろう。
列車を降りると紙袋を抱えせかせかと歩き、昼過ぎにはレオリオの家の前に来た。
話声が聞こえない、どうやらゴン達より私の方が早かったらしい。
チャイムを鳴らすが物音一つしない。どこか出かけているのだろうか。
予定があってもしょうがないか。連絡もしてないのだからある程度ここらへんで待っても良い…。
合格したら彼ならどうするか。とりあえずは大勢で宴会でもしてるだろう。
そういえば医大生はモテるんだったな、私のことを忘れてないだろうか。
この国では16から飲酒できるはず…。私も一緒に飲もうと思えば飲める。
ドアノブに触ると、ガチャガチャと音がし鍵が開いていることが分かった。
いけないことだと知りつつも居ても立ってもいられずドアを開けた。

2
…バタン
クラ「失礼する」
昼とだから、部屋は電気が付いてない。部屋を見渡すと本棚に学習用品、
ベットなど最低限の物しかなかった。
その中でドレッサーだけがやたらに大きい。スーツにこだわる彼は、私より服を持ってるだろう。
うろうろしつつやはり出かけているいるのだろうと思った頃、奥から声がした。
レオ「クラピカか、久しぶりだな」
そこには、机にべたーっとうなだれているレオリオが居た。
元気がないように見える。やはり、落ちてしまったのか…
クラ「勝手に入って悪かった。どうやら疲れてるみたいだが、
私に何かできることがあったら言ってくれ」
と言いつつ、センリツからもらった紙袋を体の後ろに隠す。
どうすれば良い?レオリオには世話になった。
こんなショックを受けている彼に私は何もできないのか。
レオ「みなと別れてから、ずっと勉強してたから肩凝ってるんだよな。揉んでくれよ。」
ヨークシンでは本当に迷惑をかけたと思ってる。
もし、あの時に真剣に受験勉強してたなら彼は合格してたかもしれないのだ。
クラ「それくらいならできるだろう」
それを聞くとレオリオはおもむろにシャツを脱いでベットにうつ伏せになる。
クラ「なっ、肩揉むなら今のイスで良いじゃないか。何も裸にならなくても…」
レオ「普通に揉んでくれても女の力じゃ足りないしな、
生の手が良いんだ。それくらいサービスしろよ」
そう言って、焦った私を見るレオリオは完全にいつもエロ親父の顔だ。
ベットの脇に紙袋を置き少しほっとしつつも、警戒しながらレオリオの体にまたがり肩を揉む。
「良いねぇ〜、そこそこ。こりゃ天国だな〜」

3
その頃、レオリオの家に順調に向かっていたキルアは悩んでいた。
ゴン「ねぇ、キルア〜。レオリオに何買った?
これ、ミトさんが作ってくれた手料理なんだけど、喜んでもらえるかな…」
キルア「おっ、そりゃあ良いな。オレはお菓子1年分ぐらいだぜ。」
ミトさんの料理、赤ピーマン入ってなきゃ良いんだけど…
ゴン「へぇ〜、すごいんだ。飛行船がこの調子だと3時には着きそうだね。早くみんなに会いたいな〜」
ちっ、気楽な考えしやがって。こっちはレオリオへの貸しを返さなきゃいんだからな。
でも、夕方まで来ないってことだけで借りが返せるなら良いか。
そもそもヨークシンのホテルで俺がAVなんて見なけりゃ良かったんだ。
チェックアウトのときに換算されてたなんてな。
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レオ「なんだと、ホテル代が10万J上乗せ?何も使ってないだろうが!」
受付「いいえ、10万Jは特別番組視聴分になっております」
レオ「夜更かししてた悪い子供は…、ゴンか?」
ゴン「違う、キルアが観てたんだよっ」
レオ「キルアはしっかり寝てただろ、怒りはしないから正直に認めろよな。」

キルア「ごめん、オレだよ…。そんな有料だとは思わなかったし。
今はGIのことで精一杯だし、家に戻ればそれなりの金はあるんだけど。
今回は立て替えってことでさ。」
レオ「コノォー、エロ坊ちゃんには、利子付きで返してもらうからな!
ちっ、貧乏学生の大切な生活費を…」
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それの返済が、合格発表の次の日夕方以降に来るだけってどういうことだ。
クラピカが来るからと言ってたが、そういう方面でオレらが邪魔ってことか。なるほどね…
ゴン「何考えてるの?」
キルア「いや、何でもないよ。向こうの町で遊べるとこあるかなって考えてたけど」
ゴンは年上キラーでマニアックなことには強いが、一般論は通じるだろうか。
ゴン「でも、それはみんなと会ってからだよ。先にレオリオの家に行かなきゃ!」
悪ぃ、レオリオ…。オレ、多分ゴンを足止めできない。

4
レオ「ゴンとキルアも来るぞ」
クラ「やっぱりか、久しぶりだな」
レオ「極楽〜。でも、もっと力入れて」
クラ「くっ…」
もうすぐ2時半か。だんだん手が辛くなってきた。
レオ「あ〜、今度はちと左下」
クラ「はいはい…」
注文の多さにだんだん呆れてきたが、ここはまだ少し我慢だ。
ゴン達も向かっているみたいだし、子供にこんな姿見せられないだろう。
いや、別にやましいことをしてる訳じゃないのだが…。そう思うとクラピカは少し頬を赤らめた。
レオ「次は腰な」
クラ「ハァ…、腰は初めの約束に入ってない。それと、私も十分頑張っただろう…」
レオ「もうちょっとサービスしてくれよ、なっ?」
クラ「しょうがないな」
私が腰を揉むため場所を変えようとした瞬間、
今度は逆に私が彼に手をつかまれ上向けにされた。顔がこんなに近くにある…
クラ「ど、どうして」
私が最後まで言いかける前に口を塞がれた。久しぶりの彼の唇。懐かしい。すごく嬉しい。
本当は合格とかじゃなく、彼を望んで家まで来たんだな…
自分の中の真実に気が付き途端に目が潤む。こんなに待ってた人が目の前に居るのだから。
レオ「クラピカがこんなへとへとになるまで頑張ったんだから、今度は俺がやらなきゃ。なぁ?」
クラ「ははっ、それもそうだな」
レオリオにじーっと目を覗かれる。そして彼は優しく微笑んだ。緋の目になっているからだ。
前までは、もっと高みに越えないとならなかったのにキスだけで興奮したからだろうか。
クラ「…会いたかった」
自然と口にする。
レオ「俺もだ。今のクラピカ目ぇ、うるんでてすげぇ綺麗だ」
今度は私の方からキスを求めた。彼はまだ私の服は脱がさず、上着の横から手を入れ胸を触り愛撫してくる。

5
クラ「あっ…」
レオ「おっ、久しぶりに聞いた。さっきの肩もみで力入れるときの声も可愛かったけどな。
今度はもっと聞かせろよ」
わざわざ手を止めて耳元で囁く。
クラ「ワザと力を入れさせたのか、まったくどうしょうもないな…。
こっちは腕が痛くて大変なのに」
レオ「そうでもしないと、こっちが押し倒せないからな。すまん」
私が求めていたように、彼も私を求めていてくれたんだ。
少し意地悪だけど、それを聞いただけで満足な気分なんだ。
私は傷心のレオリオを励ませたことだけでも、嬉しかったけれども。
レオ「そういや、お前。土産持って来てたよな。」
彼は唇が離れたらすぐ言った。じらさないで抱いてくれれば良いのに。
さっきの愛撫だけで、こんなに濡れちゃってる…
クラ「あぁ、ベットの横だ。センリツが持たせてくれた。でも、後からでも良いだろう。」
もっと今は抱きしめてほしい…。なのにレオリオは紙袋に手をのばしあさりはじめる。
レオ「酒とカセットテープと手紙か、あとは服か。ところで手紙読んで良いか?」
クラ「レオリオ宛の物だろう、勝手に読めば良いじゃないか!」
さっきまで幸せだったのに、少し苛立つ。
私より土産物を見てるような気がしてならない。
そこまで独占したいほど彼が好きなのだろうか。

    レオリオさんへ
    そこの国ではクラピカもお酒を飲めるそうね。
    カセットには気持ちを高める音色を入れておいたから、一緒に聴いてくれるとうれしいわ。
    クラピカの心音は、寂しそうな感じだった。あなたが居ないからでしょうか。
    優しくしてあげてね。

6
レオ「こりゃ、優しくできないかもな〜」
クラ「何が書いてあった!」
レオ「プレイの幅が広がる話だよ。センリツも気が利くもんだ。早速、服に着替えてよ。」
そう言いつつ、レオリオは私に受付嬢に変装したときの服を投げた。
何故この服をセンリツが!?でも、これで彼が喜んでくれるなら…と思い、私は着替えはじめた。
レオ「パンティーまでシミができてますよ。そんなに欲しがってたの?」
とちゃかされる。恥ずかしいけど、濡れて気持ち悪い下着は付けずに受付の服を着た。
心なしかスカートが短いような気がする。
ノーパンと足が露わになって恥ずかしいからだろう…

ゴン「レオリオの家はここだね」
思ったより早く着いてしまった。3時前だ。
どう時間を潰せば良いのか。近くにはゴンが好きな森もないし。
キルア「ちょっと覗いてくるから、絶対に家に入るなよ」
ゴン「レオリオとクラピカの匂いするのになぁ、居るはずなのに何で?」
返事はせず、キルアは急いで窓から様子を見る。
クラピカは何か着替えてるし、レオリオは絶対にやる気で居る。
このままここに居たら、ゴンが気配を感じ取ってしまう、それはかなりやばい…。
率直に聞かれても説明できる自信はない。
でも、AVよりこっから本物覗いてる方がムーディだな。
クラピカはいつも厚着だから体白くてエロいし、美人だしな。
あっ、パンツ脱いでるよ、…もう少し見たいな。
うん、少しぐらいならゴンを待たせても良いか…

7
ゴン「レオリオー!合格おめでとう」
そのとき、すでに言ってゴンが部屋に飛び込んできた。レオリオと私はベットの上に居るまま。
私は彼に嘗められるような視線の中で見られていたが、ゴンよりも合格と言う言葉に驚いた。
クラ「合格した?駄目で落ち込んでいたのではないのか?」
レオ「あれは昨日の合格祝いで友達が計画してくれたコンパで飲み過ぎたからな。」
クラ「こっちは心配してやったのに、騙していたのか!」
レオ「お前、妙に優しいと思ったら俺が落ちたと思ってたんだな。
でも、会いたかったのと勉強して疲れてたのは嘘じゃない。」
ゴン「ねぇ二人で何してたの?久しぶりに会ったのに喧嘩とか?
クラピカ、服乱れてるし。あっ、それホテルで着てたのだよね?」
クラ「たまには民族衣装じゃなくて、普通の服を着ても良いなと思って着替えたのだよ。」
私は乱れた服を整えながらとっさに嘘を付く。
下着を付けてないことがバレないよう、手をすばやく動かし後ろに隠した。
ゴン「レオリオは?」
レオ「えっと、なんだかな久しぶりに緋の目が見たかったんだ」
ゴン「クラピカは訓練して出せるようになったんだよね?ならなんで、なんで?」
もっと上手に嘘を付けよ…と思ったが私がフォローした。
後からこそっと入ってきたキルアがクスクス笑っている。
私が下着を隠すとこ見てたんだな…と思い恥ずかしくなる。
クラ「自力で出すのは結構疲れるから、手伝ってもらったんだ」
ゴン「それでレオリオに何してもらってたの?教えてよ。」
どう説明すれば良いか分からず、顔を真っ赤にしてうずくまった。
そんな私を見たゴンは、少し困ってから土産の料理の説明をはじめた。
キルアもすごい量のお菓子を「レオリオ、悪ぃな…」と言って渡した。
レオ「謝って済むかよ。このせいで、夜の本番に良いムードになれなかったらどうしてくれるんだ!
(あいつは今、ノーブラノーパンなんだぞ)」
キルア「こんな田舎でも都会でもない町だと、こっちも困るんだよ!」
キルアが私を見て笑う。そういえば、どさくさに紛れて下着はどこかに隠してしまったんだ…
男3人の前でこんな姿とはやはり情けない。

8
レオ「分かったぞクラピカ!そのために酒とテープがあるんだ!」
キルア「何のテープ?オレにも教えろよ。夜は野宿でも良いからさぁ〜」
レオ「なるほど、そういうことか。夜が楽しみだな。
酒に自家製の薬混ぜたりとかいろいろできるぜ。良かったねぇ、クラピカ」
恥ずかしいことを、子供の前で堂々と言っちゃうのも彼の良さかもしれない。
やっぱりセンリツは鋭い。どこまで考えてたか分からないが、ある意味感謝しないとな…。
媚薬は勘弁だが医大に受かったぐらいなんだ、
死にはしないだろうと思い私はようやく「おめでとう」と言えた。

レオ「このテープはガキにはまだ早いんだよ、野宿はしてくれるとありがたいがな」
と言い、ポカッとキルアの頭を殴る。ゴンは私達の言っていることがまるで分からないようだ。
良かった、何も知らないままの方がありがたい。
夕食の後、すまないがゴンとキルアは違う部屋へ出てってもらうことになった。
それまでこの姿だと思うと、気が遠くなりそうだ。でも、このメンバーで居るのも嫌いじゃない。
夜は合格祝いとしてさっきよりサービスしてあげよう。
それより、私より先に誰かが下着を見つけませんように…


チャラッチャッチャー(次回予告)
無事再会できたけど、何だかオレだけ置いかれ気味。
そのどうしても理由を確かめたいっ!
次回、のぞき見×野宿×夜の約束
教えてよキルア、何で今日のクラピカはノーパンなの?