除念師の力でクロロは再び能力を取り戻した。
クロロと旅団は、キメラアントの騒動が一段落した後、クラピカを捕えることに成功した。
しかしその処遇について、旅団内の意見は分裂する。
考える必要もない、殺せ。それは当然だが一息には死なせずに、少しずつ切り刻めと主張する者たち。
一方で、クルタ族の生き残りが復讐してくること自体は別に道理ではある、
鎖野郎が復讐を断念すると誓うなら放してやればいいと主張する者もいた。
なにより復讐の連鎖を断ち切ることをパクノダも望んでいたはずだからと。
それに連動して『緋色の眼』についても意見が分かれた。
クラピカを怒りの絶頂で殺し、緋色に定着した眼のついた頭部を高額に売ってやろう。
いや、旅団の所有する緋色の眼を返してやった上で放免するべきだ……
惨殺派から同情論までが入り乱れ、最終的に団長のクロロに決断がゆだねられる。
皆の視線が集まる中、クロロはなぜか沈黙していた。しばらく様子を見ていたシャルナークが所在なげに呟いた。
「そういや鎖野郎、今はどうしてんだろう」
「あれは女だ」
クロロの発言に皆は一様に驚く。が、眉をひそめたシャルナークの顔はすぐに明るくなる。
「なんだ女性なのか……じゃあ性的拷問ってのはどうかなあ?」
場の空気が一変する。憎む旅団の手で弄ばれるのは、クルタ族の女には地獄の苦しみとなるだろう。
屈辱と無力感を十分に与えればよい。復讐などという気を二度と起こさぬまで。
殺すか放免するかはその後、様子を見て適当に判断すればよい。
性的に嬲るというアイディアには惨殺論を唱える者たちもとりあえず満足したし、
同情論に与する者も、死んだ仲間たちを思えばその程度は妥当な罰だと納得する。
フェイタンは拷問なら自分がと眼を酷薄に輝かせたが、手加減できずに殺してしまうだろうと却下される。
「拷問の専門家を雇い、数ヶ月、場合によっては数年間苦しめてやるさ」
クロロが締めて、鎖野郎の件は終わった。団長の決定は絶対だ。
以降、各自が旅団の発展に尽くすため、それぞれの仕事に散っていく。
「団長はこれからどうします?」
「そうだな。とりあえず視察してみるか。俺が見ている前で快楽に苦しむのはいっそうの屈辱だろう」
「あはは、そだよね」
無頓着に笑うシズクと別れ、クロロは地下室への階段を下りる。
地下に作られた広い部屋。
中央の天井からの鎖に手首を絡げられ、クラピカは吊り下げられていた。
足はかろうじて床に届くが、やはり長い鎖で繋がれている。
除念師によりあらゆる能力を無効化されているので、今のクラピカは腕力すら普通の人間の女ほどしかない。
口にボールギャグを咥えさせられているのは自害防止のためでもある。
怒りで赤く萌える視線を向けるクラピカの前に立ち、クロロは仔細に吟味する。
自分は手を下さず専門の者の手に任せると他の者には言ったが、
実はクロロは二つの迷いがあり、それを自ら解決するつもりでいる。
まず、実を言えば、クラピカが女だと確信しているわけではなかった。
ホテルから拉致されたとき車の中でクラピカは女装はフェイクだと言っていたが、はたしてどうだろう。
両性具有者の可能性もある。
クロロはゆったりしたクルタ族の衣裳をつかみ、腹のところからナイフで切り裂いた。
白い肌が曝される。化粧っけのないこともあいまって、
クラピカの容姿は中性的で幼くさえ見えるが、さらけ出された下半身はなまめかしく女性的だった。
クロロは薄い茂みに手を這わせてかき分ける。
「やはり女だな……」
「……ぐぐ」
クラピカの抗議はボールギャグに阻まれ、くぐもった呻きが漏れた。
合図をすると、後ろに控えていた二人の監視員が剃刀と湯や石鹸の入った容器を持ってくる。
男たちは無言でシャリシャリと下毛を剃った。
あらわになる下腹部を旅団の団長にじっと見下され、クラピカの頬は怒りと羞恥で紅潮した。
クロロはかまわず冷たく一瞥してから屈み込み、無毛となったところを容赦なく指で押し開いた。
薄桃の色合いのそこはかたく閉じていて、ヒソカなら青い果実とでも形容しそうだ。
ずっと復讐に心を割いてきたこのクルタ族の若い女は、性的な感情に未成熟で自慰の経験すらないのかもしれない。
「処女か?」
あざ笑うような声に、クラピカの眼はいっそう赤く染まる。
クロロの心のもう一つの迷いを、クラピカは知らない。
旅団の繁栄を第一に考える理性的なクロロも、心の奥底ではウヴォーギンやパクノダに強い仲間の情を寄せていた。
だから彼らの仇の鎖野郎などあっさり殺せば済むことだった。
逆に、もうケリがついたことだからと無関心に放免するのならそれもある意味クロロらしい行動だったろう。
普段ならどうでもよいことは放置してかえりみなかったのだ。
しかし、殺すか放免かの中間地点に決断は落ちた。
果たして俺はこの女を憎んでいるのか……クロロには自分自身を解せないでいる。
それと同時に、きりっと睨む表情と未開拓のピンクの下腹部のアンバランスさが
自分自身にとっていかに危険かに、クラピカは無知だった。
迷いの片鱗も外に見せずに、クロロは冷たい視線で監視人たちに合図を送る。
二人の男はクラピカの両脇に立ち、それぞれが脚をつかむと外側に広げた。
クロロはクラピカを凝視したまま、指にクリームをたっぷりとつけて毛のないそこをさぐる。
反射的に股を閉じようとするクラピカの試みは、監視人の手に阻まれる。
「んん……!」
敏感な箇所への遠慮ない刺激に、クラピカは眼を見開いた。緋色が濃くなる。
「綺麗な緋色だな。もっと燃え上がればさぞや高く売れるだろうな」
煽る言葉を吐いたクロロは、至近な距離からその眼を見つめながら指を動かし続ける。
クリームには催淫作用は最低限しか含まれていない。
薬や道具の力ではなく、あくまで憎いクロロの指先で弄ばれ、
それにクラピカの体が快楽で反応することで、彼女の自尊心は粉々に打ち砕かれるのだ。
コリコリと硬い蕾をもてあそび、ときに軽く叩く。
クリームは敏感な箇所を傷つけることなく指を滑らかにすべらせる。
直接の刺激を受け、それが快楽につながることも知らないクラピカは悔しげに睨み付けていたが、
やがて意に反して体は小刻みに震え始めた。
愛液がにじみ出てきた。ピチャピチャと音が立つ。じわじわと熱いものがクラピカの体内を犯していく。
「あう…うう…」
堪えきれずに声が漏れ出た。
「初めてでこれでは、淫乱の素質があるな」
白い液のついた指をわざとらしく見せ付け、クロロは軽い調子でうそぶいた。
快楽を感じるのも初めてなのだろうが、クラピカは体内に充満する熱の意味をさとり、
憎む男の前で痴態を見せてはならじと懸命に声を殺した。
しかしボールギャグで半ば開いた唇の端からは無情にも涎がつーっと落ちる。
クロロは剃毛されて無防備なふっくらした丘を、手のひらで掃くようにしてサラッサラッと前後に撫であげた。
「んん……んむむ……」
クラピカはギュッと目を閉じていたが、手による物理的な刺激とクリームの作用で官能はいやましにましていく。
撫でられるたびに白い腹がひくつく。
クロロは侮るようにニヤっと笑うと、いきなり手のひら全体で丘を揉み上げた。
「いいっあああ………!」
クラピカの体が大きくのけぞった。
手首をつなぐ鎖が音を立て、二人の監視人は抗う太ももを動かぬようにがっちりと抱え込んだ。
愛液でぐしょぐしょになったそこを、クロロは今までよりもぐっと力を込めて大きく、次は軽くと緩急自在に揉みしだく。
同時に指で小さな突起をコリコリと刺激する。
「あん……はあっ……あううう」
体中を駆けめぐる快楽の波から逃れようと、クラピカは宙に浮いた腰を引こうとするが、
両脇で拘束する監視人たちは、小ぶりの白い尻を指の跡がつくほど強く握り、腰から下を動けぬように拘束する。
クラピカは上半身をよじり、胸にまとわりつく服の切れ端が揺れた。
細い腹に力を入れて刺激に堪えようとしているが、憎む男の大きな手のひらはどこまでも密着して離れない。
「あう……ううう……ああっ……」
必死に頭を振っても、目は潤み唇の端には唾液がにじみ、官能に支配されているのは隠しようもない。
「恥ずかしい女だな。静かにしろよ」
意地悪くやさしい声音でささやかれ、眼に悔しげな光が射したが、それは一瞬後には快楽の艶をおびる。
「ああ…んあああ……はあああ………」
撫で、揉みしだき、コリコリと指でこね回し、また全体を撫で、揉む……
翻弄されるままにクラピカは嬌声を上げ、怒りの緋色は悦楽に染まる。内ももが痙攣し尻が震える。
初めてにして法外な絶頂は間近だろう。
「イけ」
クロロは熱をもち膨れた豆をグニュっと押しつぶした。
鎖で吊り下げられた体は電撃が走ったようにエビぞり、硬直する。
「あっ……はあっっん!!…………んん」
感極まった呻きとともに体全体がビクンビクンと大きくのたうつ。
下では愛液がほとばしり、半ば開いて固まった口から涎が垂れる。
「……ぅぅん…むぅ……」
クラピカは監視人の腕にぐったりと身をゆだねた。
その様子をあまさず観察したクロロは、愛液まみれの手のひらをいったん離すと、
今までまさぐっていたところを人差し指でツンと弾いた。
「ひいっっ……」
敏感になっている部分への悪戯に、吊り下がった体は再びビクンと撥ねた。
「まだ足りないのか?」
失笑されてクラピカは緋色の眼をそらした。クロロはその反応に満足して、後ろにある大きなベッドに視線を移す。
凛と頭を上げ復讐に身を処してきた処女が、性感への攻撃にあえなく屈服し清楚な顔を赤くほてらせている。
その扇情的な痴態を見過ごすほどクロロは性に潔癖なわけではない。