仁義なき戦い 広島流血史
はじめは飯干晃一のノンフィクションのタイトルに過ぎなかった言葉を、監督深作欣二と脚本家笠原和夫が慣用句として定着させてしまった東映実録やくざ映画『仁義なき戦い』シリーズについてのあれこれ。
『仁義なき戦い』『広島死闘篇』『代理戦争』『頂上作戦』『完結篇』のシリーズ全五部作および、同じ広島抗争を題材とした東映実録路線映画『新仁義なき戦い』『最後の博徒』を取り上げています。
原爆によってもたらされた敗戦後、呉・広島を舞台にやくざたちが四半世紀に渡り繰り広げられた広島抗争（広島代理戦争、広島けん銃抗争事件、広島やくざ戦争、広島事件）の原因とは？
任侠映画とは異なり、実際に起きた抗争を描いた実録路線の作品のため、登場人物の多くは実際に存在したやくざをモデルにしているのが特徴です。
凡例：広能昌三（役名）＝菅原文太（役者名）＝美能幸三（モデル名）
『仁義なき戦い』でよくある質問とその回答集。
広島抗争の史実から、東映内部のドタバタまで。
「顔に電気がつく」「殺る（とる）」「広島代理戦争」などを解説した広島やくざ用語辞典。
仁義なきトピックス
- ■『仁義なき戦い』五部作のサウンドトラックCD、『津島利章 東映編part1 仁義なき戦い テーマ・フルコレクション』がHOTWAXから発売されました。すでに発売されている『仁義なき戦いサウンドトラックコレクション』は新仁義なき戦い三部作とその後の仁義なき戦いを含む全九作のサントラだったため、呉五部作の劇伴は代表的なものに限って収録されていました。この『テーマ・フルコレクション』ではそういった事情からこれまでCDに収録されていなかった曲もニューリマスターでによるクリアな音で聞けるようになりました。
- ■千葉真一が大暴れする空手映画『激突！殺人拳』『直撃！地獄拳』『けんか空手 極真拳』、松方弘樹のムショシリーズ『暴動島根刑務所』『893愚連隊（ハチキューサンぐれんたい）』、梅宮辰夫・山城新伍の代表作『不良番長』シリーズ全十作、笠原和夫の代表作『博奕打ち 総長賭博』を含む鶴田浩二主演『博奕打ち』シリーズ五作＋『明治侠客伝 三代目襲名』、菅原文太の異色作『ボクサー』、女ドラゴンことの志穂美悦子の『女必殺拳』『女必殺拳 危機一髪』『帰ってきた女必殺拳』『女必殺五段拳』『必殺女拳士』（『華麗なる追跡』のみ九月解禁）といったボンクラをわくわくさせる東映映画作品群が大挙して八月三日にDVDレンタル解禁されました。これまではセルオンリーでしたが、今後は気軽にレンタルで楽しむことができます。
- ■品切れ状態だった東映デジオンショップの『仁義なき戦い復刻限定版ポスター』が再入荷しました。やはり人気があり、現在公開中の『大帝の剣』グッズの次に位置する売れ筋商品となっています。
- ■毛利きみはるが広島抗争を描いた劇画『実録！ 広島ヤクザ戦争』全二巻が徳間書店より発売されました。主人公は『仁義なき戦い 完結篇』で北大路欣也が演じた松村保のモデルである、広島共政会三代目会長・山田久（作中名は山岡久）。大下英治の小説『覇狼』を原作とした『広島やくざ戦争』を雑誌の紙を使って復刻した廉価版コミックです。原作が同じため、Ⅴシネマ『実録・広島やくざ戦争』シリーズと基本的に人名は同一になっています。
- ■『仁義なき戦い』五部作の廉価版販売が終了。次はいよいよ次世代DVD化？
- ■漫画ナックルズGOLDにて『実録・もう一つの「仁義なき戦い」 元打越会若頭・山口英弘の日記』連載中。主役の元山口（英）組組長・山口英弘は、『代理戦争』『頂上作戦』で室田日出男が、『完結篇』で織本順吉がそれぞれ演じた打本会若頭─早川組組長・早川英男のモデルとなった人物です。
- ■楽天系列の動画配信サイト・ShowTimeでは、東映ムービーサーカスの『THE 深作欣二～監督作品特集』にて、『仁義なき戦い』全五部作を配信中を記念して作品解説や『仁義なき戦い特別研究レポート』が公開されています。
- ■徳間書店『山口組三代目 田岡一雄自伝』がハードカバーで復刊。文中には、山村組・山村辰雄組長、打越会・打越信夫会長、美能組・美能幸三組長、網野光三郎・服部武・原田昭三の岡組三羽烏などの面々が登場します。第一次頂上作戦で田岡邸が家宅捜索された時に、美能幸三の手記が警察に押収された記述なども。
仁義なき戦い＠週刊誌見出し
やくざ・極道・暴力団の抗争以外にも、政界・経済界・芸能界の報道に際しても頻繁に雑誌に用いられることから、“仁義なき戦い”が慣用句化していることが伺えます。“代理戦争”“頂上作戦”などの用語が生き残っているのも仁義の影響です。
- 『「血の報復」に怯える福岡「仁義なき街」現地ルポ』 週刊現代2007年９月７日号
- 『昭和初頭の東大で起きた映画なみに面白い仁義なき戦い』 SPA!2007年９月４日号
- 『道仁会会長射殺で始まる「血の大抗争！」現場－九州版仁義なき戦いへ』 フライデー2007年８月23日号
- 『英国ｖｓロシア、仁義なきスパイ戦争』 週刊現代2007年８月11日号
- 『ヤマダ電機の池袋出店で激化する仁義なき戦い』 週刊東洋経済2007年７月17日号
- 『世代交代促すか？前原一派。自民党内の仁義なき安倍・青木対立』 宝島2007年７月１日号
- 『個人顧客と永続取引構築へ、メガバンクの仁義なき争奪戦－カード再編』 週刊エコノミスト2007年６月28日号
- 『カード業界仁義なき戦い。郵政カード業務委託先三井住友』 週刊エコノミスト2007年５月８日号
- 『牛丼ビッグ３「仁義なき戦い」激震現場－吉野家をすき家、松屋が猛追』 フライデー2007年３月30日号
- 『株投資／食品－ブランドを奪い合う仁義なき戦いが始まる』 宝島2007年４月１日号
- 『住吉会と山口組の「仁義なき東京戦争」－まもなく「第２幕」が始まる』 新潮2007年２月22日号
- 『極道の報復に怯える「仁義なき戦い」の町－漁師が暴力団員を刺殺』 週刊ポスト2007年２月２日号
- 『仁義なき「オナラ王子」騒動・これが問題のシーンだ！』 フラッシュ2007年１月30日号
- 『企業ＶＳ税務署の仁義なき戦い－追徴課税に反発する企業』 宝島2007年１月１日号
- 『「仁義なき戦い岐阜死闘篇」というよりも・・・妻と愛人の修羅場！？』 SPA！2006年12月26日号
- 『ホリエモンｖｓ宮内亮治「仁義なき愛人バトル」』 フライデー2006年12月22日号
- 『スターなきウオ～ズ－マルチメディアプレイヤーの発表会で』 サンデー毎日2006年12月10日号
- 『ゆかりと聖子の「仁義なき戦い」－怪文書、嫌がらせ電話、ヘビの死骸』 週刊新潮2006年12月７日号
- 『右派論壇、仁義なき戦い－「つくる会」分裂だけじゃない』 AERA2006年12月４日号