第4話「夢見る アゲハント」 

 [449]: りーふぃんす 
                                                                                             2003/01/18(土) 20:05:31 
 水葉たちはアサギシティに着いてから、
 ポケモンセンターで休んでいた。
 ポケモンたちもアスカも水葉も、
 全員、体力回復です。
 ゆずからもらった2つのリボンを、
 アスカは嬉しそうに見ていた。
 「ねえねえ水葉さん。
 あのバトルで勝って、アスカ強くなったよね?」
 「強くなったよ。」
 「だから、これからはイスズお兄ちゃんが
 アスカのこと守るだけじゃなくて、アスカも
 イスズお兄ちゃんを守れるかなぁ。」
 「うん、守れるよきっと。アスカがイスズを
 守りたい、って思ったら、もう守れるよ。」
 「そうかぁ、よかった。」
 そのとき、ジョーイさんの声がした。
 「そのポケモン、ホウエンから来たんでしょ。
 心が不安で、飛べないんじゃないのかな?
 ね、ユウくん。」
 「でも、ラードは、ホウエンを旅してたときも
 飛べなかったんだ。俺にはラードとキピピだけだから、
 どうしても飛んでほしいんだ。」
 水葉は、ちょっとかわいそうになって、
 「どうしたのかな?」
 と声をかけた。
 アサギ市立公園で。
 「わたし、水葉。」
 「俺、ユウ。
 アゲハント♂のラード、バタフリー♀のキピピだよ。
 そいえば、水葉さんは、ここで生まれたの?」
 「ううん。違うよ。
 この子の兄ちゃんが黙って
 修行の旅に出ちゃったから、探してるの。
 出ておいで、アスカ。」
 「ユウくんっきゅ?
 よろいくおねがいするっきゅ。」
 「わわっ、これってラティアスだよね。
 だとすると、ラティオスを探してんのか。」
 「それはそうと、どうしてこまっていたの?」
 ユウは、少し淋しそうに話し始めた。
 「俺のポケモン、ラードとキピピ。
 ラードのほうは、生まれたときに、
 ものすごい突風を受けて、右の翼が
 ちょっとだけ折れちゃったんだ。
 それで、ラードは飛べなくて。」
 「だから、こまってたのね。
 そうだ。ラードにポケモン達の飛ぶところ、
 見せてあげたらどうかしら。」
 「うん、じゃあ、キピピ。
 ラードに飛ぶところを見せてあげてくれよ。
 ラードもでてくれ。」
 「フリィィィ!」
 「ハント!」
 「ツバサ、サーラ、アスカ!
 空を飛んで見せてあげて。」
 「キュロウ!」
 「チャモモモ!」
 「うん!」
 ラードの上、4匹のポケモン達が華麗に空を舞う。
 つられてラードも飛びそうになったが、右があがらない。
 「そうだ!リーファ。」
 「リィィ!」
 「あのね、ゴニョニョニョニョ。」
 「リ!」
 「さあ行って、リーファ。」
 水葉が何かを思いついて、リーファに頼んだ。
 リーファはサーラと一緒に、木のツルのブランコを
 つくり始めたようだ!
 「さぁ、ラード!あのブランコに乗って。」
 ユウも分かったように、
 「ひこうポケモンたちは、少しづつ
 ブランコのツルを上げて。」
 アスカとキピピとツバサが上げるブランコに、
 ラードが乗った。
 ブランコに向かって風が吹き、ラードが気持ちよさそう。
 さぁ、そのときのこと。
 「ハント〜!!」
 ラードがはばたいた。
 少しづつゆらゆらしながらも、ラードが、
 ゆっくりゆっくりと、ユウのもとへ降りていく。
 「ラード、やったぁ。」
 夕方。
 「手伝ってくれて、ありがとう。
 お礼に、ラードとキピピのタマゴをあげるよ。」
 「ありがとう。」
 そう言って、水葉たちは、旅を続けるのであった。