みろる | #1★2007.05/27(日)21:17 |
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第一章「嫌われポーチ」 ここは、シンオウ地方の有名な湖、3箇所の一つ。シンジ湖だ。シンジ湖にはポッチャマという新種のポケモンの群れがあった。ポッチャマ達は、群れの中から一匹一番強いものをリーダーとして行動していた。さてそのリーダーとは誰なのか?… 彼の名前はポッチャマのポーチ(♂)ポーチはポッチャマの中で一番強い。このあたりのポケモン達はみなポーチを恐れていたそれだけポーチは強いのである。 しかし、そんなポーチは嫌われ者でもあった。何故ならば、ポーチはかなりのひねくれ者であり、イタズラ好きであり、それはもうどうしようもないくらいなのである。 さて、今日もポーチは何かたくらんだ様子で、フタバタウンというシンジ湖からとても近い町へと出かけた。 「今日も人間を困らせてやるんだポチャ!」 |
みろる | #2★2007.05/22(火)19:38 |
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第二章 「少女と花」 さてさて今日もポーチは大暴れ…。ポーチは、民家から物を盗んだり花を踏み折ったり、そしてポーチは、ある小さな民家で何かを見つけた。 「ん?何だポチャ」 それは一輪の小さな花だった。しかし普通の花じゃない。とても美しく、驚いたことに8色の花びらがある。ポーチはその花を手にするとさっさと民家から立ち去ろうとした。そして玄関の戸をあけたそのときだった! 「ただいま。優希(ゆき)、優希の好きな木の実を買ってきたからね!」 年のころは14歳くらいの少女が現れた。そして、家を出て行こうとしていたポーチと目がバチッと会った。ポーチの手に握られている花を見て少女は急に声を荒げて言った。 「な、貴方何!?その花を返して!それはとても大切なものなの。それが無いと…」 少女が言いかけたとき、ポーチの遊び心に火がついた。 (そんなに大切なものだなんていわれると余計に奪ってやりたくなるんだポチャ!) ポーチはそう考えた。 「へんっ、そんな大切なものなら俺様から自力で奪ってみろ」 そういうとポーチは一目散に走り出した。少女もポーチを追いかける。しかしポーチはすばやく、体も小さいため身軽だ。狭いところを通り抜けてするすると踊るように、飛び跳ねるように去ってゆく。しかし少女も息を切らしながら必死についてくる。 (しつこい奴ポチャ!よぉし、まだついてくるならこうしてやる!) ポーチは立ち止まって空中に花を投げた。空の色に8色の花びらが踊り、まるで花火のようであった。少女はそれをキャッチしようとするが、掴めない。地面に花が落ちたときだ。ポーチは思い切り花を踏みつけた。そして手にとって花びらを千切り クキを千切った。ポーチが花を手放したときは、風に吹かれて、美しい花はどこかへバラバラに飛び散った。 少女はそれを見て泣き出した。 「酷い…。酷い、どうしてこんなにっ!」 大声で泣いた。澄んだ少女の瞳からは大粒の涙がボロボロ零れ落ちてくる。 ポーチはあせった。ナゼって? こんなに大きな声で泣かれたら仲間に聞こえるかもしれない。もし仲間に聞かれたならポーチは弱いものイジメ呼ばわりだ。人間とはいえ、女の子を泣かせばそりゃぁそうだ。それにポーチはイタズラをするのは大好きだが、自分のイタズラで誰かを泣かせたことはない。 (このままじゃヤバイ) ポーチはそう想って乗り気ではなかったが、少女に謝った。 「俺様が悪かった。だからそんなに泣くなポチャ。」 しかし少女は泣き止まない。ポーチは何度も誤ったが少女は泣き続けている。 ポーチは少女の隣でただただ立ちすくんでいた。 |
みろる | #3★2007.05/26(土)22:37 |
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第三章「優しき少女」 さて、少女が今やっと泣き止もうとしているところだ。もう少女が泣き出して実に30分は経過しているだろか?少女は目を真っ赤にしている。ナゼそれほどまであの花にこだわるのか…?ポーチは不思議でならなかった。 「おい、聞くけどなんでそんなにあんな一輪の花にこだわるポチャ?お前のないたせいで俺様は…。」 聞いたまではいいが、少女のおかげで弱いものイジメ呼ばわりされるかもしれないと想っていたポーチはついつい本音をもらした。 するとまたもや少女は涙をツーと流し始めた。そして口を開き語り始めた。 「あれは…。シンオウの8つの町を周り、一つの町にある一枚の花びらを8つ全て集めてやっと手に入るという幻の花なの。町に一つと言っても、待ちの何処にあるか誰も分からない。そしてその花には不思議な力があるの。その花びらを一枚一枚ちぎって南風にのせて飛ばすと、どんな願いでも叶えられという…。私の妹、優希は医者でも治せない重い病気で、幼いころからずっと苦しんでいたのよ。でもある日長老からこの花の伝説を聞いた、私のお父さんが、この花を求めて旅に出たわ。七年たった三ヶ月前、お父さんは花を持って帰ってきた。でもそれと同時に体の弱いお父さんは、亡くなったの…。元々母さんは私が幼いコロ、どこかへ行ってしまって、お父さんと優希と三人で暮らしてたの。なくなったお父さんのためにも優希のためにも花の伝説どおりに効果を試そうとしたけれど、南風が中々ふかなくて試せなかった・・」 ポーチは重い罪悪感に今にも押しつぶされそうだった。自分のやったことがこれほど重いことだとは夢にも思っていなかったのだ。孤独な少女を自分がもっと孤独にしてしまったなんて。 ポーチは少女になんと声をかければいいのか分からなくなった。 すると少女は立ち上がった。 「でも、もう無くなってしまったものはどんなに嘆いても戻ってこないわよね。もう、諦める。ううん、あたしが旅に出たまたあの花を探す。貴方だって、アノ花にそんなにスゴイ力があるなんて知らずにやったことなら、貴方をせめても、逆に自分が孤独になるだけだものね。それと、慰めてくれてありがとう…。 というより、本当にそんな力のある花かどうかも分からないし、神頼みなんて馬鹿だね、私」 ポーチは息が止まるほど苦しかった。自分がやったことがとてつもない大きなことなのに、少女は自分を一言も責めない、それどころか笑って見せたことが一番苦しかったのだ。 (こんなに優しいやつを俺様は…) ポーチは決心した。罪の償いのためにも自分がシンオウを周り、花を持って帰ってくることを―。そして少女の温かい笑顔がまた見たいと想った。少女のためなら何でもしたいと想った。こんな気持ちははじめてだった。そう、ポーチはこの人間の少女の優しさに引かれ、恋をしていたのだった。 ポーチは言った。 「俺様がその花を手に入れてお前にやるポチャ!自分のやったことの責任くらい自分で取る!絶対帰ってきてお前のとこに届けてやる。だから、もう…」 そう言いかけて止まった。泣くなと言いたかったが、どこか恥ずかしくて言葉にすることは出来なかったが、少女にはちゃんと伝わっていた。 「う、うん!ありがとう。私ももう泣かないね。それと、私の名前は幸。(みゆき)優しいのね貴方。名前は?」 手で目をこすって涙を拭いて、満開の笑みをポーチに見せた。ポーチの心臓は爆発しそうな勢いだった。それをやっと押さえて、 「俺様はポーチだポチャ。」 そう言った。ポーチは恋をしたことがない。興味もなかった。だからまさか自分が恋をするなんて思ってもみなかった。しかもその相手が人間の少女だとは…。 (今日はなんだか調子が悪いポチャ) そんなことを考えながらも、ポーチのまぶたには少女の美しい微笑みがしっかりと焼きついて離れなかった。 |
みろる | #4★2007.05/27(日)11:23 |
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第四章 「旅立ち」 ポーチはシンジ湖へつくなり何なり、大声で叫んだ 「おい、俺様は今日からある花を探しに旅に出るポチャ!お前らは俺様がいない間、サブ朗をリーダーとして行動しろポチャ。んで、サブ!俺様がいなくなったからと言って、リーダーの座を奪ったら俺様が帰ってきてからただじゃすまさないポチャ!いいな」 サブ朗とは、ポーチの次に強いポッチャマのことだ。いわばサブリーダーのようなものであり、親しみをこめて皆から「サブ」と呼ばれていた。 ポーチはそう吐き残すと何の用意もせず、シンジ湖を出て行ってしまったのだ。そう、用意もせずイキナリ飛び出してしまうのは、ポーチのいつものクセだ。だから皆誰もポーチを引き止めなかった。そしてあともう一つの理由がある。それは…。 ポーチがいなくなると聞いて、他のポッチャマやサブは大喜びだ。そう、もう一つの理由とは皆ポーチが嫌いだったからポーチがいなくなってくなってくれるなんてこれ以上の喜びはナイト想ったからだった。 「ポーチがいなくなる!俺達はもうアイツにしばらく何をされることもなくなるんだ!」 「ヒャッフー★僕達はしばらく自由だぁ」 「よぉし、皆よ、ポーチにもう振り回されるのは御免だよな?コレを機に、俺をリーダーとしてポーチが帰って来た時に皆でアイツを追い出しちまおうぜ。なぁにいくらポーチといえども、俺達ポッチャマが一丸となればあいつだって敵わねぇよ」 サブは調子に乗って言った。すると他のポッチャマも皆サブの意見に賛成していた。サブはますます付け上がった。どうせならこのことを他のポケモンにも言いふらして種族の違うポケモンとも一丸になりポーチが帰ってきたら追い出してやろうと。サブは脅威的なスピードでこのことを他のポケモンにも言いふらした。どいつもサブの意見に反対するものはいなかったという。 そうとも知らず、ポーチは201番道路へと来ていた。今ポーチが考えているのは幸のことだけだ。あの笑顔が目蓋に焼きついてはなれない。 その時、後ろから聞き覚えのある声がした 「まって!ポーチ」 ポーチはまさかと思い振り返った。想ったとおり幸だ。またもや走ってきたと見えて、息を荒げているが休むことなく話し始めた。 「やっぱりポーチに行かせなれないよ。どこに花びらがあるのかさえも分からないのに…。それに、この広いシンオウには色々な危険だってある。私の妹だもの、私ががんばって病気を治さなくちゃ…。」 幸はポーチを引きとめたがポーチはキッパリ断った。 「俺様のやったことの責任くらい俺様が取るポチャ。お前の妹だって、お前がいなくなったら淋しい思いをするポチャ。このあたりで一番強い俺様ならどこにいっても大丈夫ポチャ」 幸は戸惑っていた 「でも…。やっぱり・・」 沈黙がしばらく続いた。 「俺様は責任をとるためにいくんだ。だから俺様が行かなきゃ意味がないポチャ」 ポーチが声を荒げると幸はビクッとしてまた黙ったしまった。しかし重々しい口を開いた。 「分かった。ありがとう…でも約束してね。絶対帰ってきて」 ポーチは深くうなずくと幸に背を向けた。幸も背を向け、お互い違う方向に向かって歩き出した。ポーチは嘘をついた。自分の責任を取るためもアルが、幸のためになんとしても自分が花を幸に届けたかったのだ。 |
みろる | #5★2007.05/28(月)16:50 |
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第五章 「仲間誕生!?」 さてシンジ湖を出てから3時間50分くらい立っているだろうか?ポーチは201番道路もそろそろマサゴタウンへ到着するというまさにその時だ! 「ガサガサッ」 草むらの揺れ動く独特の音。ポーチはすぐに反応した。とたんにいきなり誰かがポーチ目掛けて突進してきた。ポーチはとっさに攻撃をかわした。まさに紙一重だ! 「誰だポチャ!」 ポーチは辺りをにらみつけた。そしてその姿が現れた。 「おい、お前がポーチだな!?話はお前達の仲間から聞いた。お前ある花を求めて旅に出るんだってな。その花っつぅのは、8色の花びらがある花じゃないのか!??」 ムックルだ!それも強い。ポーチはこの辺りでは一番強い番長的な存在なのだが、そのポーチも紙一重でないと攻撃をかわせないほどのスピード…。少なくとも並みではない。しかもポーチが旅に出ていることを知っている。更に事細かくポーチの求めている花のことまで… 「なんでお前が知っているポチャ!?」 ポーチはムックルをにらみつけながら聞いた。 「さっきも言ったろ?お前の仲間が知らせてきたんだよ!ある花を探しに旅にでたって聞いてピンと来たんだ。その花を手に入れて何か野望を叶えようとしてるんだろ!喧嘩はあんま好きじゃねぇから、お前のこと前々から黙ってみてりゃ…。どうせ、お前みたいなチンピラのことだ、ろくな願いじゃあるまい。俺も噂でその花の事を聞いてその花がほしくて、シンオウを巡ろうとして旅立ったことがあったがな、想像以上にキツくて・・無理だったんだよ!俺の大切なやつを守りたいっていう思いは結局叶わなくて、なのにお前は今ろくでもねぇ願いのためにその花を取ろうとしている!こんな自分勝手な理由だが、お前だけはどうしても許せない。最も俺さえ無理だった旅をお前が成し遂げるとは想わないが、念のためだ、ここで諦めてもらうぜ!」 ムックルは話を終えるなり、ポーチ目掛けて羽を剣のように振り回してきた。 「野望って、かってに決め付けるな!俺様だって理由があって…。簡単なことのためにそんな危険までおかして花を手に入れようとは想わないポチャ!」 ポーチにはムックルが何を言っているのか理解できなかったが、ムックルがポーチをうらんでいることは理解できた。 「うるせぇ!お前にとって大きな事は俺に取っちゃノミみてぇな小さいことなんだよ!」 ムックルは攻撃をやめなかった。ポーチはフイを付かれ、ムックルの攻撃がクリーンヒットした!その時、ポーチの心は怒りに燃えていた。 「いい加減に…。しろぉーっっ!」 ポーチはムックルに全身の力でアタックした。ムックルもそれをもろに喰らい凄まじい音とともに倒れた。どうやらかなり強烈な一撃だったらしい。ポーチは倒れたムックルを見下ろして言った。 「俺様は、8色の花をある人間の家で見つけたポチャ。俺様はその花がなんなのか知らず持ち出して、その人間が花を返せって必死になった頼んでるのに俺様は花を千切って捨てたポチャ。その人間の妹が病気で、その花を使って妹の病気を治そうとしていたってことを後で知ったポチャ。でもその人間は俺様を一言も攻めなかったポチャ。俺様はその時の人間の笑顔が…。いや、罪の償いに8色の花を俺様がその人間のために花を探そうと決めたんだ。これでいいだろ!これ以上俺様になんかしたらお前なんか!・・」 その時、ポーチはムックルの目から涙が流れていることに気づいた。 「そうだったのか…。御免、お前のことろくでもないやつ呼ばわりして… 実はさ、俺にも5年前、主人がいたんだ。でもその主人が病気にかかって、その花の存在を知ったとき旅に出た。主人の病気を治そうと想って・・。でも結果は出なかった。主人は俺が帰ったときにはもう目を開かなかった。だから単純な願いだけでその花を頼るやつがどうしても許せなくて」 ポーチはそれを聞いて、ムックルが自分と同じ境遇にいたことに気づいた。しばらく沈黙が続いた。その時だ。ムックルがひょいと起き上がった。 「なぁ、その8色の花探しに行くなら、俺も一緒についてっていいか?俺の願いは叶わなかったが、どうやら俺達の願いは似てるようだしな。」 想わぬ言葉にポーチは驚いた。しかしこれからサキに待ち受けることを想定すると一人では無理かもしれない。正直心細くなることもあるかもしれない。そんなときにそばに誰かいてくれたら誰だって安心するだろう。 「分かった!一緒に行こうポチャ。もう知ってるだろうが、俺様はポーチ。お前は?」 「俺はアルス!宜しくな」 二匹は向かい合って笑うとマサゴタウンへ向かって歩き出した。ポーチ、一匹目の仲間、ゲットだぜ★ |
みろる | #6★2007.05/29(火)20:51 |
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第六章 「マサゴの砂浜にて」 「おぉし、到着だな!」 アルスは羽を広げた。アルスにとってこれは背伸びのつもりである。何しろ、アルスの場合手が羽なのだから、普通に背伸びしろといわれても無理であろう。そう、実はアルスはポーチとともに旅をすることになった最初の仲間であり、辛い過去を持った、ムックルであった。 「おい、アルス!明日はここから一気にクロガネへ向かうポチャ!だから明日に備えて十分な体力を温存しておくように!」 ポーチはアルスに続けていった。アルスはそれを聞くとギョッとして早口で喋り始めた。かなり驚いている。 「な、何ぃ!?明日、マサゴから一気にクロガネにいくだと!冗談言うなよ、ここからクロガネまで何`あると思ってんだ?!50、いや60`はあるだろ!」 アルスは自分の耳を疑った。しかしポーチの表情はいたって真剣。アルスは自分の耳が狂っていないことに確信がついたと同時に深いため息を漏らした。しかしポーチが何の目的で花を取りに行こうとしているのかを思い出すといまさら引き返せないような気分になった。 「分かった。やってやるよ、やってやる!地の果てだっでどこにでも行ってやらぁ」 アルスはもうやけくそだったがポーチは聞いていなかった。ポーチは横を向いて何かをじっとみつめていた。アルスはポーチにカチンとは来たが、アルスもポーチの見ているものに目を向けた。サマゴの砂浜に緑のものがある。いや、生き物だ。それもポケモン。しかし様子がおかしい。本来なら草むらや海、水辺にいるはずなのに砂浜に座って海を眺めているではないか。ポーチは走り出した。アルスもポーチのあとを追って走り出した。するとだんだんとそのポケモンの正体がハッキリしてきた。ナエトルだ!ポーチはナエトルに話しかけた。 「おい、なんでお前(ナエトル)がこんな海辺にいるポチャ?普通なら草むらにいるはずの・・」 ナエトルはキッとポーチとアルスをにらんで強い口調で答えた。 「うるさい!俺は主人を待ってるんだ。主人はちょっと結婚することになってな…。荷物を送るとき、俺は荷物で送れないからここで待ってるようにってここに俺を連れてきたんだよ!分かったらどっか行け」 ナエトルはポーチたちを煙たがったがポーチはにやりと笑って言った。 「ははぁん。お前さてはその主人に捨てられたな?結婚して引っ越すにしても、モンスターボールにお前を戻して連れて行けばいいことポチャ。それをわざわざ砂浜になんてな。」 ポーチは横目でジロリとナエトルを見た。ナエトルはカッとなって「おまえ…!」そう言いかけたが途中で止めた。ナエトル本人自身も、主人に捨てられたという気持ちがあったのであろうか?ポーチはナエトルのその様子を見てそれ以上何も言わなかった。 さてその日の昼、夕方、夜になってもそのナエトルの主人は来なかった。ポーチはその光景を見て言った。 「やっぱり、明日もここで休むポチャ。」 アルスは「お前な、自分の都合で勝手に予定を決めるな!」そういいたかったが、ポーチの視線がナエトルをずっと捕らえていることに気づいた。アルスはその言葉を発言しなかった。笑ってため息をつくとアルスは独り言のように言った。 「あ〜ぁ、仕方ねぇな。ワガママなポーチに付き合ってやるか。なんて優しい俺★」 「…。」 ポーチは黙って何も言い返さなかった。 アルスはポーチの表向きの心とは違い、優しい心があることにほんのちょっぴりいいやつだと思っていた。 (ま、八割方チンピラだけどな) ナエエトルはまだ何も言わず、ただ寄せては返す青く美しい海を寂しげにみつめていた。 |
みろる | #7★2007.06/08(金)21:16 |
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★☆お知らせ☆★ 最近は学校のことで忙しくて、物語を書こうと思っても中々かけないので、一時停止という形にしていただきます。本当に申し訳ございません。 できるだけ、休みのときに連載をまた開始したいと思いますので、宜しくお願いします。 |
みろる | #8☆2007.06/16(土)09:50 |
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第七章 「裏切り」 さて次の日。ポーチとアルスは目が覚めるなり何なりサマゴの砂浜に向かっていった。そこには昨日と変わらぬ風景があった。茶色の砂浜にポツリと緑色があったのだ。ナエトルだ。しかし、風景に違いは無いがナエトルには若干違いがあった。なんだか昨日よりもやつれたような気がしないでもない。そう、このナエトルは、自分をサマゴにおいていった主人をまだずうっと、待っていたのだ。ポーチはナエトルに言った。 「おい。お前ここで一体何日主人を待ってるポチャ?」 昨日のナエトルの調子ならばポーチと喧嘩しているところであろうか。煙たがったにちがいない。しかし今日は違った。重々しい口をゆっくりと動かし始める。 「7日…。」 ナエトルはそう答えた。 「なっ、7日ぁ〜!?おまっ、まさか7日間ずっとその主人を…?もしかすると、七日七晩なんも食ってないのか!?」アウスが横から口を挟む。ポーチも動揺していたらしく、口をパクパクと動かしている。ナエトルは力なさ気にコクリと小さくうなずいた。うなずいたかと思うと、ナエトルは場足りとそのまま砂浜に体を横たえるようにして倒れた。 「!??おい!しっかりしろよ!」 ポーチとアウスはナエトルを揺さぶる。しかしナエトルは起き上がらない。 それもそのはずだろう。なにせ、七日七晩何者まず食わず…。生きているだけでもすごい。ポーチとアウスは、急いで荷物を取りに行って、その中から少しの水と食料を取り出した。アウスが少しだけ、101番道路で食料を溜め込んでくれていたのだ。ナエトルは水をものすごい勢いで飲み干し、たちまち木の実をたいらげてしまった。するとナエトルはなき始めた。 「御免…。昨日は煙たがったりして…。その上食料まで…。本当に御免!」 ナエトルの体力は少し回復したようだ。 「いや、いいポチャ…。俺達にはまだ少し食料も残ってるし。それより・・もう主人のことはあきらめたほうがいいとおもうぞ?」 ナエトルはポーチをキッと睨んだが、深いため息をついた。そして語りだした。 「実は…。俺は主人にここで待たされてるんじゃないんだ。最初から・・。捨てられたんだよ。主人を追いかけたけれど、主人は俺を連れて帰ってはくれなかった。でも、捨てられたここで待ってりゃ迎えに来てくれるかもしれないなんて思って…。でも捨てられた身。やっぱり主人は迎えに来ちゃくれなかった。俺はもう行く場所も、主人もいない。俺の夢は主人と一緒に世界一のポケモン、ポケモントレーナーになることだったけど…。もうその夢も叶わない。生きて立って死んでたって同じじゃないか?だからもうほうっておいてくれ・・」 アルスは、ナエトルが自分に似ているということに気が付いた。ポーチもアルスとナエトルが似ているということに気づいていた。すると、ポーチは笑っていった。 「行く場所が無いならまた見つければいいポチャ。主人…いや、一緒にいたいやつがいないならまた探せばいいポチャ。夢もまた新しくすればいい!なぁ、お前俺達と旅に出ないか?旅をしながらまたそれを見つければいいポチャ!七色の花っていうどんな願いも叶う花を探してさ!」 ポーチはナエトルに笑いながら言った。アルスもポーチの言葉を何の抵抗も無く受け入れた。ナエトルはしばし悩んでいたが、ポーチとアルスの笑顔に釣られたかのように笑い出した。 「また見つければね…。よし!またみつけてやるよ!あんな主人クソ食らえだ!そうと決まりゃ、よろしくな」 ナエトルはポーチとアルス間に入り肩をくんだ。そして話を続けた。 「俺の名前はリイフ。お前らの名前は?」 「俺様はポーチだポチャ!」 「俺はアウス。宜しくな!」 ――― こうして、3匹目の仲間が誕生したのであった。しかしポーチ達のたびはまだ果てしなく続くのである。 |
みろる | #9☆2007.06/16(土)16:58 |
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第八章 「ビッパ族vsコリンク族」前編 さてさて、新しく三匹目の仲間を加えたポーチ一行は、コトブキに到着していた。新しい仲間、リイフとともに旅をすると決めたときにはリイフはかなり衰弱していたためサマゴタウンを出発する予定はかなり狂った為一行は先を急いでいるのであった。 「おい、だらしねぇな、アルス!リイフ!今日は今までの遅れを取り戻すからコトブキで休んでいる暇は無いポチャ!今日中にはクロガネに行くんだ。分かったら早く立ってGO−!」 指揮をとるのはポーチだった。ポーチは大分焦っていたのだ。しかしアルスとリイフはゼェハァ言っている。無理も無い。なにせ、サマゴからクロガネまで60キロはある。歩きで、しかも体の小さなポケモンがそんな長距離を歩くことはまずしんどいなんてもんじゃぁない。 「ぉぃっ、ポーチっ!お前…どんだけ体力あんだよっハァハァ…第一、コトブキにも花びらがあるかもしれないし、サマゴにだってあったかもなんだぞっ!?それを確かめもせずに先を急いだってなぁ・・」 アルスの話をポーチは中断して強引に自分の意見を語りだした。 「いいか、お前達は気づかなかったかもしれないポチャ。8という数字に!注目すべきは8ポチャ。シンオウには8つのポケモンジムがあるポチャ。シンオウのジムの数。そじて花の花びらの数…。そこで、俺様は考えたポチャ。つ・ま・り!花びらはシンオウのジムのある8つの都市にある!俺様の男の感がそう伝えているんだ!」 (ハチャメチャな理屈だなおい…) アルスとリイフはあきれて物も言えなかったが、ポーチの言っていることは確かに…なんとなくつじつまが通っている。しかし男の感と来るとは…。どうも不安だが言い出したら聞かないなんとも物分りの悪いポーチのことだ。多分どうしても今日中にはクロガネに行くハメになる。そう考えるとまぁポーチの予想が外れていても当たっていても疲れるのは決まっているのだ。下手をすれば命がけであろう。――――――― ポーチとは対照的に頭の回転の速いアルスとリイフはおとなしくポーチについていくことにした。 そして一行は、休む間僅か1時間でクロガネに向けて歩き出した。 草むらに足を踏み入れたときだ… 『ガサガサ』 何かの音だ!ポーチたちはすばやく身構える。と、その時だ! 「ドンッ!」 激しく何かと何かが衝突した。とたんにポーチは後ろを振り返った。すると… 「きっ、きゃぁあっーっ!ごごっ御免なさーいぃっ!大丈夫ですか?!あぁ、ダメ気を失ってる。なんてことを…。どどどっどうすれば…はゎわゎ…」 見るとなんともまぁ可愛らしいコリンクの女の子が…って、様子が変だ。アルスとリイフが何処にもいない! 「あ、アルス!”リイフ?!」 ポーチは辺りを見回した。 すると、足元にアルスとリイフが倒れていた!頭には大きなこぶが…。コリンクの女の子のあわてようを見るとどうやら見事に衝突したようだ。ポーチは内心何が来たのか?とドキドキしていたがホッとした。だがアルスとリイフは完全に気を失っている。 「あっ、あの!このお二方のお連れの方ですか?私が衝突して…その…この方達が気を失っちゃって…。本当に御免なさい!だから、私の家で目が覚めるまで…あと傷の手当をさせてくれませんか?」 コリンクの女の子は少し涙ぐんでポーチに謝った。アルスとリイフが気を失っていてはこの先には進めない。 「分かったポチャ。俺様達は先を急いでるから早くしてくれよ」 「は、ハイ!責任を持って看病します。ご迷惑をかけますが、その方達を連れて行ってくれませんか?では、私の後を突いてきてください!」 コリンクの女の子は真剣な顔つきになってポーチを誘導した。 ポーチはアルスとリイフの手を持ってズルズル引きずるようにしてコリンクの女の子の後を付いていった。 しかし家など何処にあるのだろうか?ところどころ気の切れ端のようなものや、石が転がっているくらいで、周り中草むらではないか? (もしかしてコイツ、最初から俺様たちを狙ってるんじゃ…) ポーチは次第にコリンクの女の子を疑い始めた。歩くこと40分―――――。コリンクの女の子が声を上げる 「さぁ、つきましたよ☆本当にご迷惑をかけてしまいすみませんでした。どうぞ、貴方様もおあがりください。」 「え”…?ここ…が…ですか……?」 ポーチの目の前にあった光景とは!? |
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