ぴくの〜ほかんこ

物語

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[107] 無題

ティー #1★2003.12/14(日)20:30
帰る場所はもうない、みんな死んだ...俺を除いて。
俺は復讐という言葉を胸に刻みつけて生きてきた。
俺からすべてを奪った人間という存在を消すためだけに。

人間という存在は強い。 とっくの昔、すべてを無くしたあの日から分かっていた。
でも、俺には抑えられなかった、俺の目に映った人間こそが、俺からすべてを奪った存在だったからだ。
数えられないほどの敵の数の先、その人間はまるで楽しむような目で俺を見てきた。
そして、それと同時に操られたモンスターたちは一斉に俺に攻撃を仕掛けてきた。
俺はただ復讐の念だけに四方から襲ってくる敵を焼き払い、潰し、ただ一人の人間を睨みつけ進んだ。

 だが...圧倒的な数の敵の前では、俺には力がなさすぎた。
三十体も倒したところで、もう限界だった。
 俺は復讐の果たせずに...その場に倒れた。

 主人に出会ったのはその時だった。
ふと気がつくと、全身に包帯を巻かれ固定された状態で、寝かされていた。
首が動かなかったために、天井しか見えなかったが、臭いや寝ている背中の物体の感触で、すぐに自分が人間の家にいることが分かった。
「まだ生きているのか...」
最初に頭にそんなことが浮かんだ。
その直後だった。
「ぁあ! 起きたんだね! よぉかったー!」
部屋の扉が開く音と共に人間声が聞こえた。
俺にはこの時この言葉が何と言う意味なのか分からなかったが、俺を助けたのはどうやら人間だということと、やはり、自分は助かったわけではないのかということを感じた。
 首が動かないのだから、手足なんて動くわけがない。
ここから逃げ出すなんて出来ないだろう、やはり死ぬのかと思うと意識がまた薄れていった。

 だが...。
一ヶ月後、俺の体は、首も手も脚も、みんな元通り動くようになっていた。
この人間は、俺を生かしたのだ。
なんの得もない、なんの義理もない、復讐にだけ人間を倒すために生きてきて、そして勝手に死のうとした俺を...。
俺を生かしたのは、スズというなの名の不思議な人間だった。
スズは、嫌な顔を全く見せずにいつも笑顔で傷ついた俺に薬と呼ぶ不思議な水と食べ物を与えてくれた。
俺はこの時初めて、人間...いや、このスズをいい奴だと思った。
でも、それと一緒に俺にはよく分からなくなっていた、本当に人間は悪い物なのかを。

スズは俺が完治したすると、自然にかえらないかと進めてきた。
 俺は、少し悩んだ。 人間への復讐に生きてきた俺だ、帰る場所なんてものはもうない。
復讐すべき人間にも負けたから...目指す場所も、もうない。
 だから俺は決めたのだ、首を横に振って、スズの目を見て...人間の言葉は口に出来なかったけれども。
するとスズは今度はとてもやさしい目で俺に言った。
「ここがいいなら置いて上げるよ」
俺は不思議と胸が熱くなった。 そして...首を一度大きく縦に振ったのだった。
そう、俺は決めたのだ、本当ならとっくに終わった命だから、だからこそ出来る事なら、スズのために生きようと...。

 さて、このポケモンが何か個人の趣味で適用として...。<ぇ゛
題名が考え付きませんでしたすいません + 漢字多いなぁすいません。<汗
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