ぴくの〜ほかんこ

物語

【ぴくし〜のーと】 【ほかんこいちらん】 【みんなの感想】

連載[1081] 走る 遥か この地球(ほし)の果てまで

セリス小林 #1★2007.06/04(月)21:05
〜プロローグ〜


駄目なことばかりで
折れそうになるけれど
不幸という名の向かい風はそれでも吹いてくる
だけど、一人で立ち上がる


幸福という名の追い風が吹いてくるまで…


彼の名は芹原和俊。父は幼い頃に亡くし、母は3年前に失踪。
彼には、闇につつまれた世界しか待っていないように思われた…
しかし、母は失踪する前日に、母は和俊に1匹のポケモンと置手紙を残して姿を消した。
それは…ラルトスだった。
そして、置手紙にはこう書かれていた


和俊へ
そのラルトスを持って旅に出なさい。
私はあなたの元にもう戻らないと思うから…
自分のこれからの人生は自分で切り開きなさい。
後、今まで黙ってたけど、お父さんが死んだ翌日に実はあなたの姉が旅に出たの
因みにその子にも、ラルトスを持たせて、旅立たせたわ。
あなたが気になってる父親の死、そして私の失踪についてはその、あなたの姉に全て伝えてあるから、気になるんだったら探したら?
それじゃあ、頑張ってね


和俊はあまりにも無責任な母親に対して頭に来た。
そして、ラルトスと共に旅に出た…


しかし、世間はそこまで甘いものではなかった、和俊が持ってるラルトスは瞬く間にやられ、全く歯が立たなかった。
そして、彼は決意した、3年間鍛えて、それから旅に出ようと…

第一話へ続く
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セリス小林 #2☆2007.06/04(月)20:19
第一話〜飛行手段と化す琥珀〜

母親が失踪して、3年後、クロガネシティ。

芹原のラルトスは立派なサーナイトへと成長した。

「そろそろ旅に出ても大丈夫だと思うよ?」

彼の名は、有口英仁。
3年前に、往生際に立っている芹原を見つけて、バトルのコーチをしていた。
でも、ここまでして、見ず知らずの人間の世話ここまでをするのか、芹原にとっては大きな疑問となっていた。
バトルのことだけではない、毎晩、3食の飯を作っては芹原に食わせていた。
思わず、芹原は聞いてしまった。

「有口さん…何故、そこまでボクの事を…?」

有口は、優しく微笑んでこう答えた。

「…君が旅に出たら、そのうち分かるよ。君が諦めない限りね。」

芹原はその時何のことか、全く予想も出来なかった。
しかし、有口の質問に対して、だから誰なんだという質問は決して返さなかった。

「さてと、芹も旅に出るんだ。オレ嘗て諦めたジム戦でもしようかな。オレの旅の途中でまたお前と合えるような気がするよ。」

「一度、やった事があるんですか?」

「まあな。この町のジムリーダーの親父さんのドータクンにどうしても勝てなくて諦めたんだ。」

「有口さんが諦めるなんてあるんですね。」

「2ヶ月鍛えて勝てなかったから諦めちまったよ。
 でも、お前と出会ってから、こっちも色んな事を教えてもらったような気がしたんだ。
 だからあの、おっさんにも勝てるような気がするんだ。」

「ボク…が?」

「アハハ、ちょっと意味深だったな。気にしないでくれ。それよりさ、お前旅に出るだろ?」

「え…まあ、有口さんが出ていいって言ったから行くつもりですね。」

「じゃあさ、飛行手段くらい持ってたらどうだ?この琥珀やるから、炭鉱博物館にでも行って復元してもらって来いよ」

突然、有口から琥珀を渡されたが、芹原には全く何のことか分からなかった。
こんな、琥珀が、飛行手段になるなんて、全く信じてはいない。

「相変らず素直じゃねえな。
 復元したらすぐに分かるって。
 それよりさ、復元までにちょっと時間あるんだし、
 これから、オレこの町のリーダーのヒョウタとジム戦をしようと思ってるんだ。みていかねえか?」

芹原は、少しでも早く旅に出たかったが、謎の声が芹原に語りかけてくる。

(バトルもまだ完熟とはいえないんだから見ていったらどうですか?)

芹原はこの声を聞いてパニくった。
明らかに口調が、有口ではない。すると誰なのか…と

(ごめんなさい、申し遅れました。私です。サーナイトです。)

「…ハァ?」

「どうした?」

「あ、いや、見に行かせていただきますんで、先に行っててください」

「じゃあ、先に行ってるから、また後でな」

有口は先に、ジムへ向かった。
そして、やっぱりあの声が語りかけてきた。

(どうして、先に行かせたんですか?一緒に行けばよかったじゃないですか。)

芹原はやっぱり信用できない。
逆に小声で聞いた。
「本当に…ボクのサーナイト…?」

(えぇ、そうです。和さんは、ポケモンの伝えたい事を、感じる能力が実はあったんです。)

「そんなの嘘でしょう?君は唯単にエスパーだからボクにこうして意思を伝えることが出来るだけでしょう?」

(相変らず、信用できない方ですね。
 まあ、仕方ないでしょう。
 あんなに大きな裏切りを受けたあなたですから。
 飛行手段のポケモンも手に入るんでしょう?その子の意思もきっと分かると思いますから…)

「まあ、そのうちこれが真実か偽りか分かるってことですか。それじゃあ、ジムに行きましょうか」

少し長い会話を交わして、芹原は、有口とヒョウタが待つ、クロガネジムへと向かった…

第2話へ続く…
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セリス小林 #3★2007.06/09(土)12:36
第2話〜重量級のダブルス前編〜

琥珀を博物館に預けてから、少し遅れて有口が待つクロガネジムへと向かった。

「お、来たな。でもさ、ここのリーダー留守みたいなんだよ」

「え?そうなんですか?」

「だからどうしようかな…って思って」

すると、一人の赤いヘルメットを被った一人の青年が、

「もしかして、挑戦者かい?」

話しかけてきたのは、クロガネジム、ジムリーダーヒョウタだった。

「二人とも挑戦者?」

芹原はぎこちない口調でこう答えた。
「いえ、ボクは唯単に、バトルを見学に来ただけなんです。」

「だろうね。なんか君からは初心者トレーナーの香りがしてたよ。って言っても、実はボクもまだ新米リーダーなんだけどね。」

すると有口が、
「そうなんですか?やっぱり8年も経つと変わるな…」

「8年前にもココに挑戦したのかい?」

「ええ、まあ、俺が挑戦しに来たときは、女好きのリーダーでしたよ。」

「こんなところで立ち話もなんなんだし、早速中に入って、勝負と行こうか。」

中に入って、早速戦いの準備が行われた。

「お相手、宜しくお願いします。」

「此方こそ。審判、ルール説明を。」


すると、奥から出てきた審判がルールを説明をした。

「了解です。此方のジムは、3対3のダブルバトルで、バトルを行われます。
 先に、手持ちのポケモンを2体瀕死させたほうが勝ちです。」


有口は、戦い覚えのあるルールだった。
そう、8年前にミオで戦ったときと同じルールだった。

「…8年前にミオで戦ったときもこんなルールだったなぁ」

「ミオ?」

「いや、なんでもないです。始めましょう」


芹原は、有口のポケモンを見たことがなかったから、どのようなポケモンが出てくるか少し楽しみだった。


「俺の始めの二匹はこの2匹です!」


ボールからは、メタグロスと、ムウマージだった。


「これが…有口さんのポケモン…か。でも、ドータクンに勝とうと思えば勝てそうだけどな…甘くないのか。」


「なかなかいいポケモンだ。ボクはこの2匹だ!」


ヒョウタは、ゴローニャと、ドサイドンが繰り出した。

「始めますよ。先攻どうぞ。」

「お願いします!では、行きます。メタグロス、地震!」

ジムの中に物凄い地震が起きた。
何故かドサイドンは火傷を負っていた。

「なかなかいい攻撃ですね。じゃあ此方からは、ドサイドン、地震返しを、ゴローニャは守る。」

「隙を作るな、メタグロス、大爆発!」

有口は、最終手段と思われる大爆発をいきなり繰り出した。
案の定、ゴローニャは守るを使っていた。
ドサイドンも、ギリギリにまで、体力を削ることは出来たが、倒すことは出来なかった…
と、思われたが、なぜかドサイドンは倒れていた。


「どうして…?ゴローニャは耐えてるのにドサイドンは…」

ヒョウタはなぜか分かっていた。
ムウマージがどさくさに紛れて、シャドーボールをドサイドンに打つ瞬間が、ヒョウタには見えていた。

「なかなか、小細工を利かせるのが上手なんだね。今回は参ったよ。」

「ありがとうございます。オレの3対目はコイツです」

有口は、ジバコイルを繰り出した。

「じゃあ、ボクも3体目を、行け!」

ヒョウタはラムパルドを繰り出した。
しかし、ヒョウタの、ゴローニャは、地震を受けているから随分と不利な状況からのスタートになっていた。

「試合再開!」
審判が、声を甲高く上げて試合が再開された。
勝利はどちらに…?

3話に続く
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セリス小林 #4★2007.06/09(土)13:26
第3話〜重量級のダブルス後編〜

芹原は、試合を見ていて不思議に思うことがあった。
そう、有口はムウマージに一切指示を出していないのである。
それは、ヒョウタも分かっていた。

「こっちからいくよ。ゴローニャはジバコイルにアームハンマー、ラムパルドは、ムウマージに噛み砕く!」

ヒョウタの2匹のポケモンは一気に攻撃態勢に入った。

「ジバコイル!ラスタ…何!?」

ジバコイルは怯んでいた。
そう、ゴローニャのその拳には、王者の印が握られていた。

「ジバコイルの心配だけでなく、ムウマージの心配もしたらどうだい?」

ムウマージは、ラムパルドの噛み砕くを受け、体力がギリギリだった。
ムウマージは持っていたオボンの実を食べた。

「へぇ〜悪あがきか。じゃあ、これで最後だ!諸刃の頭突き!」

有口は、ムウマージに初めての指示を出した。

「ムウマージ!エナジーボール!」


しかし、ムウマージは倒れていた。

「いきなり負け…みたいだな。」

「いや、そうじゃないみたいだよ。有口君、ボクのゴローニャを見てごらん。」

ゴローニャも倒れていた。
有口は、ラムパルドとの死闘であまりゴローニャの方を見ていなかったが、ずっと見ていた芹原は知っていた。


「有口さん…最後の最後で、ムウマージが指示を聞いてよかったですね」

「…え?」

「だって、あのムウマージ有口さんのムウマージじゃないんでしょう?まだ懐いてないから指示を出さなかったんでしょう?」

「…バレてたか。このムウマージはある人から、ポリゴンZと交換してもらったんだよ」

「でも、あのジバコイル、最後、自分の意思でラスターカノンを撃ってましたよ。でもムウマージは…」

「ムウマージのエナジーボールはラムパルドに当たってなかったのか!?」

「えぇ、当たってませんでしたよ。だけど…ゴローニャに当たってました。」

「有口君…君は確かに負けはしなかったけど、勝ちもしなかった、つまり引き分けなんだ。
 そういう時はうちのジムは2週間以上立ってから、再戦を受け付ける様になってるんだ。
 だからそのときまでこのバッジは預かっとくよ。」

「ハイ、お願いします。ありがとうございました」


そして、2人はジムを出た。

「でもさ、何であのムウマージが、オレのじゃないって知ってたんだ?」

「いや、対戦中に、有口さんのムウマージが言ってたんですよ。
 『アタシは、彼を信じないといけないのかな?』って。
 これで分かりましたよ。ボクはポケモンの心が読み取れることが出来るということが」

「そうなのか…。じゃあ、オレ、2週間空くから、次のジム行くわ。」

「次は何処に行くんですか?」

「うーん…順番的にはハクタイだけど、色々有ってキッサキにいかないといけないんだよ。」

「そうですか。頑張ってくださいね」

「うん。お前も頑張れよ。じゃあな。行こうか、ボーマンダ。」


有口は、キッサキへ飛び立った。
芹原は復元してもらってたポケモンを貰いに行った。

「おー来たね。琥珀は無事プテラに復元成功できたよ。」

「あ、ありがとうございます。」

「大事にしな。」


博物館を出てポケモンセンターで次の行き先を決めていた。
すると…?

「…そこの少年君?ちょっといいかな。」

芹原は少し警戒しながら聞いた。

「貴女、誰ですか?」

「あ、ごめんね。私は遠野。ちょっと、君に手伝って欲しいことがあるの。」

「ハ、ハア」

やはり芹原は警戒している。

「そこまで警戒はしなくて良いわ。君さ、ギンガ団言う、怪しい団体知ってる?」

「…さっき、博物館の前で変な人が屯ってるのは見ましたけどね。」

「どんな人だったか覚えてる?」

「なんか、髪の毛が緑で、ユニホームみたいな奴の胸の辺りに、Gって書いてありましたけど。」

「それ…ギンガ団ね。」

「まず、そのギンガ団って何か教えてもらえませんか?」

「良いわ。ギンガ団って、表向きは宇宙エネルギーの開発をする組織だといっているんだけど、
 その実態は略奪や暴力を繰り返す脱法集団なの。」

「へぇ〜。」

「で、こいつらが今、ハクタイでジムリーダーを人質に立てこもってるの、
 一緒に戦ってもらえないかしら?」

「ボ、ボクがですか?弱いですし、足手纏いになるだけですよ?」

「隠さなくても、私は知ってるの。貴方には特別な能力があることを。
 以心伝心以外のもう一つの能力を。」

「エルレイド、出てきて。」

遠野は突然、エルレイドを出した。

「初対面でそういうことはよくないんじゃないですか…?」

「それよ。」

「え…?」

自分でも意味がよく分からなかった。

「何がですか?」

「このエルレイドを出した瞬間に貴方は、
 このエルレイドが貴方に対して攻撃することを分かってたでしょう?」

「…未来予知…ですか?」

「その通り。よく分かってるじゃないの。どう?戦わない?」

「…悔しいですが、異存はありません」

「そうなったら、ハクタイに行くわよ。先に行ってるから。絶対来てよね。」

遠野はトゲキッスを出した。
そして、飛び立った。

「ちょっと待ってくださいよ。プテラ、出てきて」

(これから宜しくな。芹原さんよぉ)

「うん、よろしく。早速だけどハクタイまで連れてってくれない?」

(了解。飛ばしていくからよ、掴まってろ)

芹原は小声で、こう言った。
「やっぱり、ポケモンの心が読み取れるんだ…」

こんなことを思いながら、
芹原は、ハクタイへと向かった。

第4話へ続く…
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セリス小林 #5☆2007.06/11(月)21:52
第4話〜棘棘の趣味の悪いアジト〜

ハクタイシティにて。

「ハァ…ハァ…遠野さん速いです…」

「ごめんごめん。
 アンタプテラ使ってたから、着いて来れるかなって思っちゃってさ。」

「ま、まだ貰ったばっかりですよ…」

そんな会話をしながらも、ギンガ団のアジトを探していた。
すると…

「ギンガ団って、本当に悪の組織ですか…?」

「…どうなんだろうね。まさか私もこんなに堂々としてるって思わなかったから。」


目の前に現れたのは、棘棘が付いた、青っぽい明らかに趣味が悪いといえるビルだった。
真ん中には大きく黄色い文字で「G」と書いてあるから間違いないだろう。

「入り…辛く無いですかね?」

「入り辛いよね…。」

「でも、ハクタイのリーダーさんが捕まってるんですよね?」

「だね。行こうか。」


2人はそのままビルの中に入っていった。
すると、1人の男が現れた。

「侵入者だ!」

そうギンガ団だった。
が、2人はそのことを知らなかった。

「この人はギンガ団の下っ端って事で解釈していいんですかね?」

「いいんじゃない?」

全く緊張感の無い2人に思わず、下っ端(以下A)は頭に来た…

らしい。

「お前ら…喧嘩売ってんのか?」

「逆に聞くけど君は売ってるの?」

「お前らが売るなら買ってやってもいいぜ。」

「ちょ、止めましょうよ、遠野さん。」

遠野はそんな芹原の言葉を聞こうとせずに、エルレイドを繰り出した。
そして、エルレイドは鋭い刃を、Aの首筋擦れ擦れに付きつけた。

「これでもやる気?」

「すいませんでした。」

Aはさっさと逃げていった。

「まさかこれで逃げるとはね…。アンタより弱いかもね。」

「…ですね。」

そのまま、ひたすら進んでいった。
中には誰もいなかった。

「このアジトどうなってんのさ。」

「ココまで手薄なもんなんですか?」

「いや…ココまで手薄なのは珍しいケースだと思うよ。」

しかし、2階はどうも騒々しい。
すると、突然芹原が…

「遠野さん。2階に行く前に、これを、主に戦わせるポケモンに…」

すると芹原は、遠野に、ラムのみを手渡した。

「何で急に、ラムのみを?」

「いや、なんかさっきから眠いんです。
 この先に催眠術とか使うポケモンと書いたらアレだからと思って…」

「そうだな。いちおう、貰っとくよ。」

そして、二人は2階へ乗り込んだ…

第5話へ続く。
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セリス小林 #6☆2007.06/12(火)21:48
第5話〜火星が繰り出す睡魔〜


2人は恐る恐る、2階に上がった。

「ふ〜ん、アンタ達なんだ。アタシ等ギンガ団に歯向かってるような奴って。
 で?ココのリーダーを助けに来た訳?」

そこには、ギンガ団の幹部。マーズがいた。
その奥には、捕らえられていた、ハクタイのジムリーダーがいた。

「貴女は、そこまでして得たいものが、あるの?」

「リーダーが言ってたんだ。
 此処のリーダーが、湖…いや、これ以上は言えねえな。
 それよりさ。アンタ等には出てって貰おうか!」

すると、マーズはブニャットとルージュラを繰り出した。

「そこの餓鬼もやるんだろ。どうせなら、ダブルでいいじゃねえか。」

「面倒くさくなってしまったな…
 芹原君、此処はタッグバトルで行こうか。」

「…足を引っ張るかもしれませんよ。」

「そんなこと気にしてられないわ。
 さっさとコイツを倒さないと。」

「ですね。行きましょう。」

芹原はサーナイト、遠野はエルレイドを繰り出した。

「ブニャットはサーナイトに、催眠術!
 ルージュラはエルレイドに、悪魔のキッス!」

サーナイトとエルレイドは眠ってしまった。
しかし、乗り込む前に、ラムのみを持たせていたから、すぐに起きた。

「アンタ…相当だよ。」

さすがに遠野も驚いた。
ここまで正確に予知をして、相手の戦法を叩き出すのだから。

「次はこっちですよ。サーナイト、シャドーボール!」

サーナイトの放ったシャドーボールは、ルージュラに襲い掛かった。
しかし、ルージュラは耐え抜いていた。

「遠野さん。何を傍観してるんですか。
 次、ルージュラは冷凍ビーム、ブニャットはもう一回催眠術ですよ。

芹原は小声で言った。

「何を愚図愚図してるのかしらねえけど、
 なんもしねえならこっちから行くぞ。
 ルージュラ、冷凍ビーム。
 ブニャットはもう一回催眠術を!エルレイドに集中攻撃だ。」

「エルレイド、守る!」

エルレイドは、完全に守りの体制に入った。

「…そうか、今だ!」

芹原はマーズがバトルに気をとられている間に、ジムリーダーが捕らえられている方へ走った。

「大丈夫ですか?」

「えぇ、私は大丈夫よ。それより戦いに戻らなくていいの?」

「ハイ。その心配は要りません。」

芹原は遠野のほうを指差した。

「貴様ら…嘗めるなぁぁ」

「油断してて良い訳?
 サーナイト、ルージュラにシャドーボール!
 エルレイド、ブニャットにインファイト!  」

マーズの一瞬の油断で2匹とも先頭不能になったいた。

「余計な奴らが現れたな…。リーダーに報告が必要か…」

マーズはさっさと逃げるようにビルを出て行った。

「ハァ…ハァ…助けてくれてありがとう。
 あたしはここの町のリーダーのナタネ。
 大した御礼なんかは出来ないけど…よかったらこの技マシンだけでも貰っていって。」

すると、ナタネは2人にエナジーボールと草結びの技マシンを渡した。

「別に私達何もしてないんだけどね。」

「あ、ありがとうございます。」

3人はビルを後にして、ナタネはジムに戻った。

「で、戦ってくれてありがとう。
 アタシは、ちょっとマサゴに行きたいから。
 此処でお別れね。あんたと一緒に戦えて楽しかったよ。
 行こうか、トゲキッス。」

そう言って遠野は飛び立った。
芹原はこんなことを思い返していた。

「あの人と一緒に戦ったのが初めてじゃない気がするんだよな…」

(やっぱり、和さんも気づいてたんですか。)

「やっぱりというと?」

(えぇ、私も戦ってるときに、あのエルレイドと何か初めての共闘じゃない感じがしました)

「何と関係あるんだろうな…。
 まあ良いや。次の行くところでも探しますか。」

トゥルルル…

「…もしもし?」

「あ、オレだよ。有口。お前さ、今何処にいるわけ?
 さっきかけたのに出てくれなかったから何してるんかと思ったよ。」

「今、ハクタイですね。ちょっと、大きな戦いに巻き込まれてまして…。」

「ギンガ団とか言う奴か?」

「えぇ、一人の女性が一緒に戦わないかって、ボクに訊ねてきて…」

「…成程な。でさ、次にいくとこないんだったら、ちょっとノモセにきてくれないかな?」

「え?あぁ、大丈夫ですよ。今から向かいますね。」

「OKOK。来いよ〜。」

「次は有口さんなにをしようと…。
 まあいいや。プテラ、ノモセまで頼むよ。」

(大変だったな。今回も飛ばしていくよ)

そして、芹原は、ノモセへ向かった。
一方有口は。

「遠野の奴…芹原に目を付けたか。変わってるな…」

第6話へ続く。
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セリス小林 #7★2007.07/25(水)21:32
第6話〜異文化の建物や魅せるバトル〜

(此処で大丈夫なのか?)

「うん。ちょっと違うところも見てみたいじゃん。」

芹原は休憩も兼ねて、ヨスガシティを見て回っていた。
暫く歩いて。高く聳え立つ、異文化の建物を見つけた。
外見としてはとても綺麗な建物だ。
そして、中に入って一番近くに居た中年の女性に話しかけてみた…

「あの…ココって」

「いろんなポケモンいろんな人、皆違うのが当たり前。
 強いポケモンとか弱いポケモンとか決め付けず、
 皆のいいところを探せば、きっと素敵なこと一杯ね!」

「ハ、ハァ」


芹原はなんか意味深なよく分からない話を聞かされたと思ったが、
なぜか、説得力があると感じた。
他の人に話しかけても、意味深な話をしてくる。

「なんなんだ?此処。」

そういって芹原は異文化の建物を出た。
また、歩いていると、どうも町が騒々しい。
その物音のするほうに向かうと、ドーム型の大きな何かの会場のようなものがあった。
コンテスト会場だ。
そのときは丁度、最終ランクとされてるマスターランクの決勝戦の終わった頃だった。

「芝田さんと、篝さんのバトル勝者は、篝さんの勝利で幕を閉じました。
 それでは、次のコンテストでお会いしましょう。」


一足遅かったみたいで、会場は信じられないくらいの盛り上がりを見せていた。
そして、決勝戦で戦ってた、2人の男女が出てきた。

「今日はありがとうございました。」

「此方こそ。じゃあ、俺はこの辺で。」

「お疲れ様です。」

2人居た、片方の芝田と言う、男性は直ぐに帰った。

「…アレ?芹原君?」

「ハイ?」

話しかけてきたのは、篝悠。
勿論芹原は彼女のことを一切知らない。

「誰ですかって顔してるね。無理ないですね、あったことないもの。」

「なんで、あったことも無いのに、ボクの名前を知ってるんですか。」

すると、篝は徐に携帯を見せながらこう言った。

「薫からみつけたら、連絡をいれとけって言われたんですよ。」

「遠野さんから?」

そう、篝は年齢差はあるものの遠野との交友関係があった。

「で、その肝心な連絡なんですけど、急いでリッシ湖に迎えですって。」

「いや、現にノモセには向かってた途中なんですが。」

「それは、私も知ってます。ノモセで貴方に逢ったら言おうと思ってたんです。」

芹原は、連絡スピードの速さに驚かされた。
ノモセに向かうのは、
有口しか知らないはずなのに、遠野だけでもなく、見ず知らずの篝にまで知られていたのだから。
思い切って聞いてみた。

「有口さんとも何か関係があるんですか?」

「あるも何も、英仁は従兄ですよ。」

「一体、ボクは何をされるんですか?色んなとこに行けと支持されてますが。」

「シンオウをギンガ団が支配しようとしてます。
 それを、救うサポートに貴方を選んだんです。」

「誰がですか?」

篝は暫く黙り込み、誰か言った。

「…薫ですよ。遠野薫。」

芹原は、驚きを隠せなかった。
確かに、共闘はしたが、そこまでいいバトルをせず、
足を引っ張ってばっかりだと思っていたからである。
挙句の果てには自分のサーナイトを遠野に指示させたからである。

「ボク…サポートなんてできる自信ないですよ。」

「私もそう思います。貴方のような…」

「ボクみたいな?」

「言わない方があなたのためですから言いません。
 それより、貴方と一緒にリッシ湖に向かえって言われたんですから、
 この続きは向こうでひと段落したら、話しません?」

「そうですね。行きましょう。」

そして、芹原はプテラ、篝はフライゴンに乗って出発した。

第7話へ続く。
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セリス小林 #8★2007.07/03(火)17:36
第7話〜意思の神〜

2人はリッシ湖の畔に着いた。

「着いたね。行きましょう。」

「あの、行く前に一つ聞きたいんですが。」

そして芹原は来る途中に気付いた異変のことを聞いた。

「…あの来る途中の爆音はなんだったんでしょうか?」

「…それは私にも分かりません。しかし、ギンガ団とかいう集団が何か関係してるとは思ってます。」

「成程…。行きましょう。」


そして、リッシ湖を見てみると。
見事に数多くのコイキングが打ち上げられていて、水が全くなかったのである。

「芹原君、これがさっきの質問の答えよ。」

「…ですね。」

そして、2人は湖の中心かと思われるところに、空洞を見つけた。
そして、中にはギンガ団の幹部ジュピターが青い小さなポケモンを捕らえていた。
アグノムだ。

「マーズが行ってた邪魔をしようとしてる餓鬼ってのはあんたね。」
 
「邪魔って言うか…ボクは本意でやってませんよ。」

「んなの、聞いてない。今回はマルチでやろうじゃんかよ。」

「貴方、相方も居ないのにそんなこと言えるの?」

「相方?後ろに下っ端が居るからそいつで良いさ。ハンデだよ。」

そして、2体2のマルチバトルが始まった。
芹原はプテラ、篝はワタッコを繰り出した。
そして、ジュピターはスカタンク、下っ端(以下B)は、グレッグルを繰り出した。

「スカタンク、ワタッコに毒付き。」

「眠り粉!」

スカタンクは眠りに就いた。

「プテラ、グレッグルにストーンエッジ!」

まあ、レベル差とか色々有り、グレッグルは一撃で倒れた。

「眠らせたくらいで、調子に乗るな。スカタンク!寝言!」

スカタンクは、何か物々良いながら、大文字をワタッコに出した。
眠りながらも、その大文字は見事にワタッコの急所を捕らえ一撃で落とした。
すると突然芹原は言った。

「篝さん、今この場から逃げてください。」

「なんでですか?」

「愚図愚図してないで早く逃げてください!早く!」

「えっ、でも。」

「いいから!ボクは一人で戦えますから!時間が無いです!」

芹原は珍しく本気だった。
物凄い本気で、芹原が言うものだから、フライゴンに乗って篝は逃げ出した。

「あの女を逃がしてなにをしようとしてるのか知らないけど。
 もう一回行くぞ。スカタンク寝言!」

すると、スカタンクの体は物凄く膨脹し、光り始めた。
大爆発の準備に入っていた。

「よし、プテラ、ボクを掴んで。」

(え?何をする気だ?)

芹原は小声でこう言った

「いいから、アグノムを救わないと。」

(OK、そういうことか、行くぞ!)

すると、プテラは芹原を掴み、アグノムのほうへ突っ込んだ。
そして、芹原はアグノムが捕らえられてるケースを掴み、Uターンして逃げようとした。
…が

ドッカーン!


「…馬鹿な奴ね。そんなのでうち等ギンガ団を突破できると思ったら大間違いなのよ。」

そう、ジュピターはスリーパーのリフレクターで辛うじて爆発から逃れていた。

「大丈夫?」

あまりにも大きな爆発だったので、篝は戻ってきた。

「ごめんなさい、篝さん。ボク…負けました。
 ボクにはあのアグノムを守ることが出来ませんでした…。」

芹原の俯いているその瞳には涙が流れていた。
そして、篝は言った。

「貴方、相手が爆発を使うことが分かってたのね…
 だから私を逃がして。一人であの子を救おうとした。違う?」

「…そうです。あのアグノム…
 似たようなポケモンを、遠野さんや有口さんが守ってるような気がしたんです。」

すると…

「…その考え、大正解よ。アグノムは向こうの手に渡ったのね。」

「え、遠野さん。本当に…すいません。
 貴女との、ギンガ団を倒すサポートって言う約束…ボクには無理でした。」

そこには、遠野が来た。
遠野はそれを聞いたとき、少し笑ってこういった。

「フフw
 アンタ…悠からメールで聞いたけど、一人で戦ったのね。
 その上、事情も話さないで悠を逃がして…
 滅茶苦茶するわね。」

「アグノムは向こうに行ったか…だからこんな奴に任せたらいけないっつったんだよ。」

有口も来た。

「オイ、遠野。エムリットは確保できたのか?」

「えぇ、まあ一応ね。」

「なら良いけどさ、
 でも、何でこんな大事な仕事をこんなネガティブで、
 両親に捨てられて生きる価値も無くした、初心者に任せるんだよ?」

有口苛立って、思わずこのような暴言を発してしまった。
篝はそんな有口に向かってビンタをした。

「アンタ今、人間として一番言ってはいけない事を、言ったね。
 この子の存在価値を否定することを言った。
 この子はね、絶対アンタなんかよりも、優しさはあるし、根性もあるよ?
 自らの怪我を確信して私を戦いの場から逃がしたのよ?」

「その結果がこれか!」

「大体アンタが、この子は素質があるって言って雇ったんでしょ?」

「でも、戦わせるにはまだ早いんだよ。
 はじめは遠野が戦わせていけるって言ったんだよ。」

「ハァ?今更薫のせい?
 大体、あんたは昔から人の失敗を…。」

芹原が立ち上がってこう言った。

「もう止めてください!
 ボクは両親から捨てられた、生きる価値も無い人間です。
 ボクはあんな強敵とは戦えません。では。」

そういって芹原は傷ついた自分の体を庇いながら、プテラに乗って飛び立った。

「勝手にしろ。」

「まず聞きたいけど、薫はどうなの?」

すると遠野は…。

「ずっと喧嘩してな。アタシは、あの子をこれからも追う。
 決して、勘違いをするな。決して共闘とかをするとかじゃねえから。
 あたしはもうギンガ団とか言う連中と戦うのは止めるから。
 このエムリットはお前らどっちかが持ってろ。」

そう言った遠野は、エムリットを残して飛び立った。

「もう知りません。アンタ一人で戦えば?」

第8話へ続く
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セリス小林 #9★2007.07/03(火)17:35
第8話〜想い出の場所〜

「…毎回毎回すいませんね。」

(何で此処なんだ?)

「まあまあ。」

襤褸襤褸になった芹原は、ナギサシティの海岸に居た。

(此処は…?)

「父さんが生きてた頃によく此処で釣りに連れてってもらったんですよ。」

(お前…釣竿無いだろ?)

「ありますよ。父さんが最期にボクにくれたんです。」

(あの爆発に巻き込まれたら、壊れるだろ?)

「いえ、辛うじて使えます。…何故か。」

そして、釣竿を取り出し、芹原は釣りを始めた。


「へぇ〜、以外だね。アンタが釣りなんか好きなんて。」

上空から声が聞こえた。
そこには遠野の姿があった。

「また貴女ですか。しつこいですね。此処まで襤褸襤褸になってるのに、まだ追い討ちをかけるんですか。」

「追い討ち?まさか、そんな面倒くさいことは嫌いなんだよ。」

「だからなんですか?あの変な集団とももう戦いませんよ。」

「そんなのアタシもとうの昔に止めた。今まで誰にも言ってなかったけどあんたには言いたいことがある…。」

「…ハイ?」

「アタシは、12の頃に自分の全ての記憶をなくした。
 両親は居なかった。唯、このエルレイド、いや、その頃はラルトスだったんだが。
 そいつを唯必死に抱いてたんだ。まるであの頃のお前みたいに。」

「ラルトス…。
 遠野さん今まで貴女の事を遠野さんって呼んできましたけど、貴女それは本名じゃないですよね…?」

芹原は意味不明の事を言い始めた。
が、しかし。

「よく分かったね。アタシ、本名も知らないんだよ。
 だから、あの男に偽名を作ってもらったんだよ。」

「…誰ですか?」

徐に口を開いて、こう言った。

「有…口…。」

「あの人ですか?」

「奴は色んな弱みを握った人間に手を出すからな…
 でもアタシは知ってるんだよ。アイツは…」

暫く、その場は沈黙の間に包まれた。
黙り込んでも仕方ないと思い芹原は聞いた。

「なんなんですか?」

「ギンガ団の…幹部だ。」

「やっぱり…そんな感じなんですか。」

まるで、芹原は知っていたかのようにこのように言った。

第9話へ続く
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セリス小林 #10☆2007.07/03(火)17:34
第9話〜衝撃の事実〜

「知ってたの?」

遠野は分かりきったように言う芹原に対してこう聞いた。
すると、芹原は答えた。

「いいえ、ボクは知りません。でも、あのときの小火騒ぎのときに、何処からか男の人の声が聞こえたんです。
 『奴は何とかの幹部だ』って…。
 少し、上手く聞き取れなかったんですけどね。」

暫く遠野は黙り込んだ。

「どうかしました?」

「多分その声…アタシも聞いた。」

「…ハイ?」

「アタシね、記憶失ってたって先言っただろ?
 でもな、あの声にはどうも聞き覚えがあるんだよ。
 まるで、自分を大切にしてくれた父親のような優しい声…。」


「遠野さん。ちょっとエルレイドを出してもらっていいですか?」

「何で?」

「まあまあ。」

そういって、エルレイドを出させ。芹原はエルレイドに手をかざし目を瞑った。
暫く、遠野は待って居たが、あまりにも奇妙な行動だったので聞いた。

「何がし…。」

「分かりましたよ。今までの謎が全て解けましたよ。…姉さん。」

「ハァ?」

「つまり、このエルレイドからは読み取れました。
 少なくとも、貴女の本名は、芹原薫。
 そして、貴女は、ボクの姉って事を…。」

「私が…アンタの…姉…か。」

薫は暫く黙り込んだ。

「それは衝撃的でしょうね。
 ボクも衝撃的ですから…。
 母にこんな置手紙を残されたんですが…。
 この2つのこと全く覚えてないですよね?」

暫く黙りこくってた薫は喋り始めた。

「ごめん…全く覚えてない…。」

「そうですか…。まあ、無理無いです。
 でも、一つ聞いていいですかね?」

「何?」

「篝さんのことは覚えてたんですよね。」

「あ、そういえば…。それがどうかした?」

「あの人ならなんか知ってるんじゃないかな…って。」

「アタシが聞いたときは何も答えてくれなかったけど?」

すると遠野の携帯がなった。
篝からのメールだった。

『貴女に、伝えたいことが2つあるんです。
今まで隠してきた2つのことを…。
なので、今日中に、ミオの図書館に来てください。』

「なんか知ってそうですね。行きましょうか。」

「そうだな。」

第10話へ続く…。
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セリス小林 #11☆2007.07/25(水)21:31
第10話〜図書館に浮かぶ篝火〜

2人はミオの図書館に着いた。
中に入ると、既に篝が本を読み待っていた。

「あ、来ましたか。」

「ゴメンネ、遅くなって。色々有ったんだよ。」

「早速ですけど、今まで黙ってたことが2つあるんです。」

「それって一体…?」

そういって篝は本を閉じ、話し始めた。

「彼方達は姉弟なんですよ。」

二人は顔を見合わせた。

「確定でしょ?」

「異存…無し。」

「知ってたんですか?」

「えぇ、さっきそうじゃないかって話してたところです。」

「でもさ、あの時何で黙ってたわけ?」

遠野は何も言わなかったのに
今になって突然言った篝の行動に何かあると睨んだ。

「それは…。最後の戦いが近いからです。
 今はそれしか言えません。後もう一つですが。」

「…何?」

「神のディアルガと、パルキアが覚醒ました。」

「それが僕達に何か関係あるんですかね?」

すると、突然、篝が土下座をした。

「ど、どうしたんですか!?」

「お願いします。最後の戦い…
 つまり、ディアルガとパルキアとの戦いに参加して下さい。」

篝は必死の思いで2人を説得した。

「確かに、私達の力じゃ無力に等しいです。
 でも、世界の終焉を易々と見送るわけには行かないんですよ。」

2人は顔を見合わせた。
そして遠野は口を開いた。

「戦いはやらないって言ったけど、
 アンタの熱意には負けたよ。
 よっぽど大事な人が居るんだね。」

「僕達でよければ、お手伝いしますよ。」

「あ…ありがとうございます!」

そして3人は図書館を出た。
でも、遠野はこう思っていた。

「でも、アタシ達だけだとどう考えても無力だろ。」

「その点に関しては心配ご無用!」

そこには、シンオウチャンプのシロナが居た。

「彼女に2人を雇うように言ったのは私です。
 彼方方2人には恐るべき潜在能力があると見ましたから。」

そうシロナが言った。

「アタシ達…が?」

「確かに相手はディアルガとパルキアを支配してます。
 でも、こっちには大勢いるんですよ。」

「大勢…?」

「私以外にシンオウ四天王、ジムリーダーも一緒に戦うように、連絡を出しました。
 こんなところで、世界の終焉を見送るわけにはいきませんから。」

「成程。」

そして最後にシロナが指示を出した。

「これからヨスガに向います。四天王たちは先に行きました。
 私達も向かいましょう。」

「了解。」

そして、槍の柱へ向かった。

第11話へ続く。
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セリス小林 #12☆2007.08/09(木)21:46
第11話〜麓にて〜

3人はテンガン山の麓に着いた。
「ここがテンガン山か…。」

「芹原君は?」

「ごめんなさい。遅れました。」
少し遅れて芹原が来た。

「何してたわけ?」
「いや、まァ、いいじゃないですか。行きましょうよ。」
「相変らず隠したがるな。」
少し笑って遠野が言った。

そして4人はテンガン山を登って行った。
するとシロナが

「ここは道が幾つも別れてるけど、行き着く先は必ず山頂の槍の柱だから、いっその事別れていきましょう。」

すると篝が。
「私達はそれでいいですけど…芹原君は?」

暫く沈黙の間が広がった。
「…分かりました。やりましょう。」

誰もがその一言に驚いた。
だが、遠野は。
「決めたならそれでいいじゃないか。成長したな。」

そういって、4人は別れた。

「ッサ、独りになっちゃったなぁ…。行こうか、サーナイト、プテラ、そして…ドンカラス。」

(ッフ、何でアンさんみたいな人に捕らえられたんだろうな。)

「そんな事言わずに、頑張りましょうよ。」

(っま、アンタの熱意に負けたのは俺だからな。)

「相変らず素直じゃないですね。」

(アンタに言われたく無いよ。和さん。)

「ハハ、そうだったね。プテラ。君とのテレパシーをかなりの期間信じてなかったしね。」

そして、芹原は頂上の槍の柱を目指した。

12話へ続く。
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セリス小林 #13☆2007.08/11(土)21:00
第12話〜長き道のり…そして頂上〜

それから、芹原は頂上を目指して登っていった。
…すると。

?「よう、また会ったな。坊主。」

すると、ギンガ団の下っ端みたいな人物が話しかけてきた。
でも、また会ったとか言うが芹原には誰か覚えてない。

芹原「…あなた、誰ですか?」

団員A(以下A)「あぁ?もう忘れたのか?ハクタイのビルでお前がもう少しのところで負けt…。」

芹原「あぁ、姉さんのエルレイドの刃を突きつけられて逃げたあの人ですか。」

A「下手な覚えかたするなや。
 でも、まァ良い。今回はあの女がいない限り俺は勝てるんだ
 勝負しろ。」

芹原「…先急いでるんですけど。そこ通してもらえませんか。」

A「あのさ…人の話は聞こうぜ?
 今回このテンガン山で計画練ってるのは俺らギンガ団な訳よ。それで…」

芹原「面倒くさいし違う道で行こうか、皆。」

サーナイト(同感です。)

流石に怒った、団員Aは自ら戦いを始めようとした。
A「…嘗めやがって。ドグロッグ!どくづ…。」

芹原「サイコキネシス。」
ドクロッグは大きく吹っ飛び洞窟の壁を相当崩すほどの威力を放ってた。

A「…今日はこのくらいにしといてやる。」

芹原「負け犬の遠吠えですか。そこをどいてください。」

A「負けたけど通すとは誰も…。」

芹原「サーナイト、サイ…。」

A「あー、ごめんなさい。通します、通します、通します。」

芹原「あなた、馬鹿でしょう。」
苦笑いをしてこういって先へ進んだ。

先へ進むと、巨大な湖があったみたいなところから、水が殆どなくなっていて、
多くのコイキングが打ち上げられていた。

芹原「酷いなぁ…。コレもあいつらの仕業なのか…。」

そう思いながら洞窟の中を独り歩いていた。
数時間後、捜し求めていた出口のような灯りを見た。

芹原「アレが…頂上なのか…。」

やはり、その灯りは出口だった。
すると…

遠野「成長したね。」

篝「うん、成長しましたよ。」

芹原「遠野さん、篝さん…。」

芹原は思わず涙を零した。

??「オイオイ、皆が闘ってる中で自分だけ泣いてるのはみっともないぞ。
   泣くのは戦いが終わってからだ。」

なにやら、仮面をした怪しい中年のおじさんが話しかけてきた。

芹原「…あなたは?」

マキシ「私は、ノモセシティのジムリーダーマキシ。
    来てくれたのはありがたいが、ついさっき、
    ディアルガとパルキアが、ユクシー、アグノム、エムリットの力で
    覚醒した…。いいから、戦いに入ってくれ。」

篝「そうでしたね。行きましょうよ。」

芹原「了解です。」

彼らの挑戦、そして、戦いが今、始まる。
13話へ続く。
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[1081]

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ぴくの〜ほかんこ