オーディン | #1☆2007.06/19(火)19:49 |
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第0話、始まりのプロローグ ・・たぶんこれは夢なのだろう。 しかし目の前には毎日出会う人がいる。 ・・ギンナン博士・・。 いつも通りの、無邪気な笑顔に、少し落ち着く、そして・・。 目が覚めた、あの後博士は何か言った、何だっけ、その前にも、誰かいた・・誰だろう、思い出せない。 仕方ない、ギンナン博士の所に遊びに行こう。 ここはトバリシティ、スモモさんとギンナン博士で有名な石の町だ。 「は〜かせ〜い」「おお、 (僕の名だ)じゃないか。」いつも通りの様だ。 「昨日の金属ハンマー見た?」「・・忘れとったわい。」「だと思った、はい。」「おおありがとう、やはりお前さんは気が利くのう。」そしてしばらく僕は金属ハンマーの話に明け暮れた。 「そういえばウィッシュとピースは元気かね?」「もちろん!!」 「僕はモンスターボールを2つ取り出し、中のポケモンを出した。 出てきたのはスターミーとコイキングだ。 「おうおう、元気そうじゃな。」博士はニコニコ笑った。 「博士も元気そうですな」ウィッシュが言った。 ウィッシュは人語を話せるスターミーである、訳は後々分かる事である。 「そろそろ帰りなさい、日が暮れる。」「分かった。」「一人で夕飯は作れるか?」「いちいち心配しないで、もう慣れてるんだから。」・・そう、家に両親は居ない、幼い頃に蒸発したのだ。 「そうじゃ、これを渡さんと。」博士は僕に補聴器のような機械を差し出した。 「・・何これ?」「こいつはポケリンガル!わしが生涯をかけて作り上げた、ポケモンの言葉が分かる機械じゃよ。」 「すごーい・・ありがと。」 「じゃあの。」「じゃ、来れたら来てよ。」「分かっておるわい。」博士は通称「引きこもり室」と呼ばれる、博士専用の研究室へ入っていった。 「夕飯は何にしようか・・。」僕はその時そう考えていた。 ・・運命の歯車はもう狂っていたというのに・・。 |
オーディン | #2☆2007.07/05(木)22:23 |
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第一話、闇星の復活 ・・晩御飯は終わった、ポケリンガルのテストをすることにした。 耳にポケリンガルを押し込み、スイッチを入れた。 ・・うめき声が聞こえる、しかも床の上で横になっているピースの方から聞こえるものではない、この方向は・・214番道路だ。 《 、お前にも声が聞こえるのか?》ウィッシュのテレパシーが聞こえる。 「全員聞こえているようですね・・。」のんきそうに横になっていたピースが静かに言った、ポケリンガルは成功のようだ。 だがその時の僕には、そんなことを考えている暇など無かった、「214番道路、急ごう!!」 ピースをモンスターボールの中に戻し、ウィッシュにはテレパシーを送らせながら214番道路に着き、急いで草むらに隠れた。 目の前には、かなり衰弱して横たわったジグザグマ(この地域では珍しいためと思われる)と、宇宙服のようにピッチリとしていて、胸元に(G)のマークの入った服を着ている男が一人、ゆっくりとジグザグマに近づいているところだった。 「ウィッシュ、博士にもうテレパシー送った?」「ジュンサーさんにも送っておいた、時間を稼げとのことだ。」「でかした、行こう!」 僕はピースを出し、男の前に立ちはだかった。 「おぅ?なんだぁてめえは?邪魔するつもりかぁ?」・・怖い、足がガクガクする。 「お前は何をするつもりだ!」声が震えてる・・博士、ジュンサーさん、早く来て。 「はァ?何間の抜けたこと聞くじゃあねーか、金儲けにきまってんだろ、馬鹿めが。」 「お前は誰だ!!」 「俺か?フフ、聞いて驚け俺様は、ギンガ団幹部サターン様の直属の部下、その名はアトラス様だ、覚えておけぇ!」といい、左手を突き出しながら首をぐるりと回した、例えるならば歌舞伎と言ったところだろう。 お陰で恐怖心がほぐれた、しかしおかしい、ギンガ団は数年前リーダーのアカギが蒸発し、解散になったはず・・。 「ん?お前の持っているそのポケモン・・スターミーだな!そいつを渡せば今回は許してやる、さァ渡せ!!」 「渡すわけ無いだろ、バーカ!」・・言ってしまった。 「何だと!?馬鹿だと!?貴様、俺様を馬鹿と言ったこと、後悔させてやる!と言いたいところだが、警察が来たようだから今回は勘弁しやろう、覚えておけ!!」 逃げ足だけはかなり速いようだ。 |
オーディン | #3☆2007.07/08(日)22:26 |
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第三話、命の対価 「ジグザグマ!ジグザグマ!」ジグザグマは体中から血を流し、殆ど動かない状況だった。 「 、大丈夫か?怪我はないか?」「僕は平気だよ、でもジグザグマが!!」 その時、ジグザグマの足がピクリと動き、ゆっくりと目を開けた、しかしその瞳にはもう殆ど、光は映っていなかった。 ジグザグマはゆっくりと口を開き、「・・を、宜しく ねがいし す。」とつぶやき、倒れた。 ・・そして二度と起き上がることは無かった。 「・・博士、」「戻せと言ってもそれは出来んぞ。」 冷静、かつ厳しく言い放った。 「どうして?何で!」「等価交換だ。」いつもとは違う、恐ろしいほど冷たい言い方だった。 「そんなの分かんないよ、分かんないよ・・」泣きじゃくっている・・まるで子供みたいな言い方だった、自分でも恥ずかしくなる。 「お食べ、気持ちがすっきりするから。」と言い、チョコレートを差し出した。 僕が食べている間、博士は涙を拭いてくれた。 それから博士は、ゆっくりと話し始めた。 「・・等価交換と言うのは、何かを得る為には何かを捨てなければならないという原則なんだ、分かるかい?」 「うん」 「それは命も同じなんだ。命は、受け継がれるんだ、物語のように。」 「どういうこと?」 「命が生まれるには別の命があの世へ行かねばならないのだ、いわば輪廻なんだ。ほら、あそこを見なさい。」 博士はジグザグマの亡骸の近くを指差していた、近くにはたまごが落ちていた。 「生まれるのにも、命を落とすのにも、意味があるんだよ。生まれるのは、この世で勉強して、あの世の仲間にこの世について教えてやるためなのだ、命を落とすのは・・分かるね?」 もう涙は止まった、博士も元に戻っていた。 この後事情聴取などで忙しかった。 |
オーディン | #4☆2007.07/11(水)22:15 |
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>伝えたいこと、其の一「命を大切に」 「自殺」をどう思いますか? 俺は、自殺なんていけないと思います。 何故いけないのか。 俺は、こう思います、「もっと生きたかった」「この世に生まれたかった」と思う人達に失礼だと。 原爆で亡くなった「佐々木禎子さん」。 彼女は、もっと生きたかった、なのに亡くなってしまったのです。 俺の周りにはそういう人や動物がたくさんいました。 心臓が弱くて、幼稚園のときに亡くなった友達。 百まで生きると言っていたのに癌で他界した俺の爺ちゃん、最期はアルツハイマーで、俺のことさえ記憶に無かった。 そして、生まれたくても生まれてくることが出来なかった、俺の兄さん。 俺たちには、これからも生きていくという義務があり、権利がある、それを忘れないでほしい。 生きたくても生きられなかった禎子さんや、生まれることさえ出来なかった僕の兄の分まで生きてください、決して自殺しようなんて思わないで下さい、俺達は生きているのですから。 |
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