瑠璃々 | #1★2007.07/11(水)20:16 |
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ドサッ! ポケモンセンターの角を曲がった途端、 女主人公ユウと、誰かがぶつかった。 「…だ、大丈夫ですか─!?」 そうユウが叫ぶと、倒れた人は上目づかいでこちらを見たようだったが、すぐに伏せてしまった。 ちょっと間を置いて、 倒れた人が顔を上げた瞬間、ユウは悲鳴をあげそうになった。 「あ、あ、アツキ─!?」 男主人公・アツキは、ユウと同じ図鑑所有者の一人だ。 最近、ひょいと姿を現さなくなっていた。 「アツキぃ!今までどこ行ってたのよぉ─!」 ユウはかなり怒っていた。 別に、アツキがずっと姿を見せなかったからではない。 「…ごめんなさいね。」 アツキはあっさり謝った。 「…あぁもぅ!!謝れば済むとかいうんじゃなくて―…」 ユウの言葉をさえぎるように、アツキは立ち上がった。 気をとりなおして、 「別に心配した訳じゃないからね!!お届け物があっただけ!はい!」 …とユウが一気に喋って何やら封筒のようなものを押し出すと、アツキは案外あっさり受け取った。 「これ…だれから?」 アツキは受け取るなり、目を細めてユウにこう訊いた。 ユウは即答した。 「知らないオジサンから!」 「…は?」 アツキは目を点にした。 |
瑠璃々 | #2☆2007.07/07(土)09:53 |
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「ナナカマド博士―!」 アツキの男友達であるトウシの声。 トウシも、アツキやユウと同じ図鑑所有者の一人だ。 「約束どーり、主力、持ってきましたよ!」 トウシがそう言うと、奥からヒゲ面の男がやって来た。 「助かる。…あとの2人は来ていないのか?」 「あっ!」 トウシが慌てた顔をした。 「どうした?」 「2人に連絡するの忘れてた!」 ナナカマドは、溜め息をついた。 トウシは急いで研究所の隅にある電話を手に取った。 「もしもーし!…うん、オレ!アツキ?え?ユウもいるの?うん、研究所!今すぐ研究所に来いよ!」 そこまで言って、すぐに受話器を置いた。 5分もしないうちに、戸を叩く音がして、挨拶をして2人が入ってきた。 入ってくるなり、アツキは、トウシの方を見て、 「お前、なんの目的で呼んだんだよ?」 と訊くと、 「お前達を呼んだのは私だ!」 …と、ナナカマドが言った。 「2人とも、主力は持ってきたか?」 「えっ?」 そんなこと言われなかった、とでも言うように2人はトウシの方を見た。 するとトウシは、慌てもせず 「大丈夫ですよ。お2人さんはいつでも主力を持ち歩いてるはずですから。」 とナナカマドに言った。 「本当に持ってきているのか?」 …とナナカマドがアツキとユウに訊くと、アツキは静かに、 「持ってますよ。バトルもせず遊び歩いてる誰かさんとは違って、ね。」 と言った。 トウシは苦笑いをするしかなかった。 |
瑠璃々 | #3☆2007.07/07(土)09:58 |
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「…それで、何の目的でオレ達を呼び出したんですか?」 アツキが気を取り直すようにナナカマドに訊いた。 「研究のためにお前達の主力のポケモンが必要になった。お前達の主力のポケモン6匹を今日1日だけ預からせてもらう。」 「え…?」 そう聞くなりトウシは目を丸くして、 「それじゃあ、僕たち、どこにも出歩けなくなっちゃうじゃないですか―!」 と、怒ったように言った。 「問題ない。今日一日は私が用意した、予備のポケモンを使ってくれ。だが今は、研究所のポケモン預かりシステムは故障していて使い物にならん。」 「えっ、じゃあ…?」 トウシは顔をあげた。 「この町のポケモンセンターに預けてある。それを今から取りに行ってくれ。」 「分かりました!」 トウシとアツキだけが、そうこたえた。 ナナカマドが奥へと戻っていくと、トウシがユウを睨んだ。 ユウは目をそらした。 アツキはそれを横目で見ながら研究所から外へと出ていった。 トウシとユウもそれに続いて出ていった。 |
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