ぴくの〜ほかんこ

物語

【ぴくし〜のーと】 【ほかんこいちらん】 【みんなの感想】

連載[1101] Partner and Friend

LENTO #1☆2007.08/07(火)22:21
(!)
物語を読まれる前に、『感想』の方を初めに読まれることをオススメします(ぺこり)



プロローグ


―何で一緒にいるんだろう、何で一緒に生きているんだろう、何で大好きなんだろう…。

気まずくなったり、嫌な想いさせちゃっても、きみが、あなたが、大好きです。だから、自分の存在がなくなってしまうまで、きみと、あなたと、ずっとずぅーっと一緒にいたいです。

きみ、あなたと自分の間にどんなことがあっても、乗り越えられるのは、きみ、あなたが、自分の側にいてくれてるから…

大切で大好きな友達だから―
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LENTO #2★2007.08/23(木)00:56
*1* ヤンヤンマ〜負われて見たのは、いつの日か〜


ぼくはヤンヤンマ。今はポケモンセンターの病室。体のところどころに包帯がぐるぐる巻かれている。あぁ、痛いなぁ〜…。

数日前までは、ぼくもあそこの草むらとかの周りなんかで野生として生活していた。心強い仲間もいたし、今みたいに苦労なんかしていなかった。

―ある日の夜、夕食を探そうと1人で浅い草むらで動いていた時だった。突然ヤミカラス3羽がぼくをつついて脅してきた。羽を折られて、体にも深い傷を負って、もうだめだな。って、諦めかけた時…

「こらぁー!悪ガラスども!弱い者イジメしてんじゃねーよ!」

…虫取り少年の男の子が走ってきて、ヤミカラスをみんな追い払ってくれた。
ほっとしたけど、すごく息苦しい…その時すごく痛かった。
「やばい!重症だ!近くにポケモンセンターあるから少し我慢してくれ!」

ぼくは男の子とポケモンセンターに着いたら、急いで緊急手術室に運ばれた―

それからずっと、この病室に入院中。
でも、ここの生活も悪くないかも。ご飯は美味しいし、向かいのメガヤンマさんは面白い人だし。
…ただ、仲間は心配しているだろうなー…

ガララッ
「よぉ、ヤンヤンマ」
あっ、イサムだ!
あの時ぼくを助けてくれた虫取り少年の名前は‘イサム’というらしい。イサムはあれから、毎日お見舞いに来てくれている、優しい人。
あの時イサムが飛んできてくれなかったら、ぼくは大変なことになってたよねぇ…。だから大好き!いつか絶対恩返ししようと思うんだ!
「落ち着いてるな。けがは完治してきたか?早く元気になるといーなー」
イサムが心配してくれて嬉しいなぁ。
ガラララッ
「あっ、イサムくん。やっぱり今日も来てたのね」
ジョーイさんが病室に入ってきた。イサムに挨拶したら、メガヤンマさんの包帯を変え始めた。
「さて、できたっと!」
「あっ、じゃあ、ここでちょっと外に戻りますね。じゃあな、ヤンヤンマ」
「ああ、そう?」
イサムはもう帰っちゃうみたい…また寂しいな…。
ガララッ、パタン…
ガラッ
「イサムくん、時間はあるかしら?」
「え?まぁ多少…」
「じゃあちょっとの間だけ。着いてきて。ドクターからお話があるそうなの」
…病室前でイサムとジョーイさんが何か話している声が聞こえる。どうしたんだろう?

―そんで3時間くらい経過した。そしたら、
ガララッ
イサム!またイサムが寄ってきてくれた!嬉しいなぁ、一日に2度も会えたなんて。
「よぉ。ミルタンク生乳クリームケーキ買ってきたゾ。ジョーイさんとかから許可もらったら食えよ!」
そう言ってぼくのベッドの物置棚にケーキの箱を置いた。わぁ、美味しそう。食べたい!ぼくの目がキラキラしだした。
大げさに喜んでたら、イサムが優しい目でにっこりしながら話してきた。
「なぁ…ヤンヤンマ…オレ、お前を絶対に苦しい想いさせないからな。オレが救ってやるからな。安心しろよ」
…涙が出そうだった。すっごく嬉しかった。何度も助けてくれるイサム、本当に心の優しい人だなって改めて思ったよ…。
ありがとう、イサム。本当にありがとう。
「回復したら、おもいっきり遊ぼうな!おれと、あとパートナーのバタフリーやイルミーゼと!…じゃあ、おれ行くよ。ばい!」
また短い時間で、イサムは病室から出て行っちゃった。
でも、嬉しい気持ちでいっぱいだから、大満足だよ!
明日も、明後日も、きっと明々後日も!またきてくれるよねっ!

―数日の時がたった
まだ明け方。なんだか最近、夜に体がものすごく痛くなることが多くて眠れないや。…
でも、今日もイサムきてくれるんだよね!今日もわくわくするなぁ!楽しみ…だ…なっ…あ…

ガラガラガラガラ…
「心音脈拍ありません!」
「多量出血、傷口が完治しきれてません!」
「体温がどんどん低下してます!」

―――
―…あれ?ここ、病室…だよねぇ?
…ん?包帯がない…羽も全部ある!飛んでる!すごい!全部直ったんだ!
…あれ?でも、ベッドの上にいるヤンヤンマって…ぼく?
―部屋の外から会話が聞こえる。
「…先生!ヤンヤンマっ…無事だったんですか!?ですよねぇ!?」
「…すまない…」
「…嘘だろ…!」


ぼく、今全てがわかっちゃったのかも…

イサム、イサム、ごめんね、ごめんね。勝手に消えちゃって、本当にごめんね…。

ぼく、一瞬全回復したのかもって思ったとき、喜びが心の底から込み上げてきた。全部イサムのおかげだって。イサムがいてくれたから、また元気な姿に戻れたって。
でも…でも…
…イサムと一緒に、ずっといたかった。直らなくてもいいから、苦しいままでいいから、ずっと一緒にいたかった。遊んだりもしたかったんだ。イサムと…大好きなイサムと、走り回ったりして、普通のポケモン達みたいに、生きたかった。もっと生きたかった―――

次の日
僕はポケモンセンター近くの高原に埋められた。お墓の上に立っているぼく…ぼくの魂は、ずっとイサムを待ち続けている。
…あれは…
イサムッ!!
イサムはだんだんぼくに近づいてきた。
そして、僕のお墓の前で手を合わせて、ゆっくりお辞儀した。
イサムの顔、見れただけで嬉しいけど…でも…

「…うぅっ…うっ…うっぅ、ひくっ…」

…イ…サム?
イサムの目から、大粒の涙がボロボロこぼれ出ていた。あっ、よく見たらイサム、目ぇ真っ赤だ…
「ごめんな…ごめんなぁ!何もしてあげられなくてごめんなぁ!」

「お前の病気、ポケモンエイズ感染症だったんだ…お前の血液にあの時の…ヤミカラスの口先にあった他のポケモンを食べた跡の血液が…エイズになってたんだ…ポケモンセンターで…先生から聞いた…」
…イサム…
「オレの力も…足りなかった…お前は抵抗力の良くないポケモンだからって聞いて…もしかもう長くないかもって。だからオレも一生懸命になって…でも…おまっ…えを…助けられ…」
ねぇイサム、ぼくはイサムが誰より一番ぼくを応援してくれて、励ましてくれて、一番に面倒を見てくれた。それに、何よりイサムは何度も助けてくえたじゃん!そんな思い出があるだけで十分。…泣かないでよぉっ…!

「でも…でもでも、オレのこと忘れないで…!オレも忘れない!ずっとずっと!…ぐずっ…

―ヤンヤンマが大好きだ!」

―ボクもイサム、大好き!

「ばい!」
ばいばい!

―ぼくは天へと、ゆっくり旅立って行った―
                            

                            END
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[1101]

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