ぴくの〜ほかんこ

物語

【ぴくし〜のーと】 【ほかんこいちらん】 【みんなの感想】

連載[1125] もうひとつの探検隊

コーディネーター #1☆2007.10/08(月)14:55
ここはゲームのセカイじゃない。

ゲームでみんなが笑っている

プクリンのギルドもない地方

ヒコザル「あーあ。皆どこいっちゃったのかなぁ」

どこにでもある海岸の波打ち際を一匹のポケモンが歩いていた。

「皆どこか言っちゃったし。俺だけじゃ探検できないよ。あれ?何だろう。」

目線の先には倒れているポッチャマがいました。

「え!?き、基地に運ばなきゃ!」

こうして運命の歯車は回り始めたのです。

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コーディネーター #2☆2007.10/08(月)15:02
そして数十分後。



ポチャ「・ ・ ・ ・うーん・ ・ ・」

ヒコ「気がついた?」

ポ「こ、ここはどこ?」

ヒ「オイラたち、「@」っていう探検隊の基地だよ」

ポ「「あっとまーく」?ふぅん」



ヒ「お前、見かけない顔だけど・・どっから来たの?」



ポ「どこからか…?それはわからない…」



ヒ「そっかぁ・・」



ポ「それよりなんで私の目線でヒコザルがいるの?そんな巨大なヒコザルいるわけないのに・・」



ヒ「はぁ?俺は普通のヒコザルだよ?で、アンタ名前、わかるか?」



ポ「わたしは…「リンカ」…」



ヒ「リンカかぁ…ポッチャマに普通花の名前付けるのかなぁ」



リ「…ポッチャマ?」



ヒ「そ。アンタポッチャマだろ?」



リ「え!?ちょっとまってちょっとまって!私、私は…人間よ!ポッチャマなんて・・」



ヒ「何いってんの?」



そういってヒコザルは、リンカに鏡を見せた。



リ「え!?ぽ、ポッチャマになってる!!」



ヒ「……?」



リンカはガクっとうなだれたが、すぐに顔を上げた。



リ「そうだ、ティー!ヒコザル、ティーをしらない?」



ヒ「俺の名前はヒコザルじゃなくてカイス!ティーって・・なんだ?アンタの連れ?」



リ「一緒にいなかった?」



ヒ「いんや、浜辺に打ち上げられていたのはアンタだけだよ」



リ「…そう。…しばらく、お世話になってもいい?私、行くところないし」



カ「え?別に良いけど…俺色んな所探検してるんだけど、こないだメンバー皆散り散りに成っちゃって」



リ「…じゃ、私も手伝う!」



カ「え?」



リ「ただお世話になるだけじゃ駄目だもん。それに探検中に…ティーにあえるかも・・」



カ「ティーって…誰?」



リ「カイスには秘密。じゃ、お休み」



リンカはそういって、布団の中にもぐりこんだ。



カイスはなんだかなぁ、とつぶやいて、



隣の布団へ入った。







そのころ、



キサギの森で――



*「これが。時の歯車…コレがアレば彼女は…」



その謎のポケモンは、青く輝く時の歯車を一人、手にしていた…



続く

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コーディネーター #3☆2007.10/22(月)14:56
そして数ヵ月後…

リンカとカイスはすっかり仲良くなり、
一緒に探検をしているほどだった。
それに、いろいろなことがわかった。

カイスのいた探検隊
は、もともとはかなり有名な救助隊から発展したものだったということ。

救助隊が探検隊になっても大活躍していたこと。
ところが数ヶ月前、リーダーと副リーダーが
突如失踪したこと。

そのせいでメンバーのほとんどは
故郷に帰るか、ゆくえ知れずになったこと。

カイスはリーダーにひろわれた孤児だったので、
帰る場所は基地しかなく、自分ひとりだったということ。


そして、がんばって一人で生きようと心がけていたとき、
リンカが倒れているのを発見したこと…

リ「なんとか生活費を稼いでいる状況だけどね(もぐもぐ)」

カ「物を食べながら話をしちゃいけないよ・ ・ ・」

リ「そのリーダー、何かいってなかったの?」

カ「うーん?でも、わかることがひとつだけ」

リ「何?」

カ「リーダーたちがいなくなった途端、時が狂いだしたこと」

リ「時が?」

カ「うん。「時の歯車」っていうものが各地にあって、時を正常にしているらしいけど、過去に盗まれたことがあった。そして時がとまったりする事件が多発して。でもね、その「時の歯車」を
つくったポケモン―――ディアルガがね、空間をつかさどっているパルキアってポケモンに頼んで、時の歯車が再び盗まれたら、その場所に時の歯車と同じような力を持つ「空間の欠片」を
自然に創造できるよう、頼んだんだ。でも…なんで時が狂いだしたんだろうね?」

リ「長い説明有難う。時の歯車をとっても空間の欠片があるから、時は止まらないはずなのに、何故か時が狂っている・・
目が覚めたら昼になったいたのと同じかな?」

カ「それは君が寝過ごしたんだよ」

リ「う・・とにかく、その原因、しらべてみましょっ!」

カ「・・え?・・」

次の瞬間、カイスはリンカに引きずられながら、

基地を後にしたのだった。

続く
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コーディネーター #4☆2007.10/22(月)15:40
その頃の海岸―――

??「おかしい・・確かに「彼女」はここにいたのに」

おかしいのは貴方とつっこんではいけないでしょうか。

??「まぁいい。まだ「歯車」は二つ――いつつ集めるまでに、「彼女」に会えたら良いのだから。」


いつつ集める気ですか。二つ持ってるのに。

        


            *         

カ「・・どこ?(汗)」

リ「どこって・・滝。」

カイスとリンカの前には、
激しく上から下へと流れ落ちる、滝があった。
ごうごうと音を立てていて、
近くにいると跳ね飛ばされる、運が悪ければ
流れに巻き込まれ、滝つぼに落っこちてしまいそうだった。


カ「ここに時の歯車があると?お嬢さん」

リ「勘がいいね。カイスは」

カ「ええ!?ちょっと、無理!無理だってどう考えても!水しかないじゃないかここには!こんなところにあるはずないじゃないか〜!」

カイスは滝つぼに潜る事を拒否したが、
リンカはその言葉とは裏目に、
リ「ふぅん・・カイス、怖いんだ」

カ「Σ!?」

リ「まぁいいわ。弱虫なカイスをおいて私一人で行くから。弱虫さんはココでいいよ」

そいうと、リンカは滝つぼめがけて

ジャンプした。

カ「え!ええ!?あ、ちょっと!危ないよっ!というか・・

  置いて行かないでよ〜!」

カイスもすぐ、その後を追った。


           @        

リ「滝つぼの中にダンジョン発見です!隊長!・・じゃなかった、カイス。」

カ(ゼーゼー)←肩で息をしている

リ「いってみる?それとも止めておく?」

カ「・・お好きなように・・」

リ「じゃ、レッツごー。」

カ(誰か何とかして・・)

        *

おなじころ、二人が探索し始めたダンジョン内で。

『誰か来る…三匹…一匹はポケモンじゃない・・』
『一匹は悪しき者。一匹は純粋な心。もう一匹は・・』
『もう一匹は?』
『わからない。心はお前が張った霧のように、もやもやして見えない。』
『わかったわ、ココロ。私が阻止する…時の歯車には手出しさせない』
ココロ「ありがとう、カンジョウ。じゃあ、チシキはどうしようか?」

チシキ「もやもやした心を持っているポケモンがいるんでしょ?そのポケモンのもやを念力で取ってみる・・」

カンジョウ「おねがいね…」

続く
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コーディネーター #5★2007.10/25(木)12:06
ピチョーン・・

ピチョーン・・

リ「不気味なほど静かね。こんなところにはきっと・・」

カ「…時の歯車はないと思うよ?伝説は残っているけども」

リ「伝説っ!?なにそれ!教えてよ!」

カ(言わなきゃよかった・・)「この滝には伝説が残っていて、ここには世界の「心」を作った三匹のポケモンが住んでいて、その住処に立ち入ったものは、「記憶」と「意思」と「感情」を奪われて戻ってこれなくなる…そんな話だったよ・・」

リ「…どうしてそんなことがわかったのよ?」

カ「え?」

リ「だって、誰も戻ってきてないのにその三つが奪われるなんてことわかってるなんて…だれがそんなことをはやらせたのかしら?」

カ「り、リンカぁ…これは昔からの言い伝えで・・」

リ「ほらっ!いくよっ!」

カ「…」
         *

**「いた…」
誰かがリンカとカイスの後を見つめながら追っています。
こういうのをストーカーって言うんですぜ、旦那。
**「地の文は黙っていろ」
え?ま、ちょ・・  ガー…

             +

とくん

リ「?」

カ「どうしたの?」

リ「何か…聞こえる」
とくん

  『ようこそ…』

カ「わっ!?」

リ「どこからか声が・・?」

『よくここまでこれましたね…でも…』
『ここから先へはいかせられません!』

リ「何よ!テレパシーじゃなくって、堂々と出てきたらいいじゃないの!」

カ「り、リンカぁ・・」

『…わかりました。』

リンカとカイスの目の前に、光が現れた。
そしてそれは瞬く間にポケモンになった。
「私の名前は「ユクシー」…チシキの神。そしてこの洞窟を守るもの」

リ「ユクシー…」

チ「ここから先へは・・いかせません!」

カ「ど、どうして?」

チ「・・あなたたちはこの洞窟にある大事な大事な宝物を奪いにきた「盗賊」じゃないんですか?」

リ「と、盗賊ぅ!?」

チ「ええ・・ここにくるのは私たちと、あなたたちのような邪心を持った人たちだけですから!」

カ「ま、待ってよ!僕ら、宝を目当てにここに来たわけじゃないんだ!」

チ「…」

カ「ただ、最近「時の歯車」が盗まれ続けてて・・僕たち、その犯人を捜しに来ただけなんだよ・・」

チ「・・信じられません。嘘と理屈は誰にでもいえますから」

カ「信じてよ!ユクシー!僕らは宝なんて要らないよ!ただ犯人を捜すために来ただけなんだ!」

チ「…」

カ「…」

チ「・・いいでしょう。私はあなたのその意思を受け止め、この先に行くことを認めます。ですが…」

リ「?」

チ「この先には私のほかにも二人、番人がいます。その人たちにあなたの思いが通じるか。それを楽しみにしていますよ・・」

そういうとチシキは消えてしまった。

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コーディネーター #6☆2007.11/14(水)11:35
リ「・・今のはいったい?」

そういうとリンカはカイスの頬を思いっきり抓った。

カ「いたた!」
リ「あ、夢じゃないのね。」
カ「もう!自分のほっぺでやりなよ!!」

やんややんや言いながら、二匹は歩き続けた。

そして、不思議な場所についた。

カ「わぁ・・なんだろうこれ。宝石・・?ちがう、水晶だ。」
リ「水晶が地面のあちこちからはえている・・おかしな所。」


    『ようこそ…水晶の場へ』
 
カ「え!?誰?」

カイスたちの前に、再び光が現れ、
さっきとは違う、青いポケモンがあらわれた。

コ「僕の名前は『アグノム』のココロ。意思をつかさどるもの」
リ「はぁ・・」
コ「君たち三人はいったい、この洞窟に時の歯車があることをどこからかぎつけてきたんだい?」

カ「え?この洞窟時の歯車があるの?」
コ「え?・・知ってて来たんじゃないの?」

しばし沈黙が流れる。

コ「・・あはは・・」

リ「ねぇ、三人って言ってたけど、私たちは二人で来たのよ?もう一人はいないわ。」

コ「え?でもこの洞窟には三人、不審者が入ってきたんだよ?一匹は清らかな心の持ち主。キミのことだよ。」

カ「え?僕が?・・いてて、リンカ踏まないで」

リ「こいつがねぇ・・」

コ「一匹は悪しき心、最後に霧のかかった心。これがキミだね。」

リ「・・」

カ「じゃあ、悪しき心の持ち主は・・?」

**「や、やっと追いついたぞ・・」

リ「!」

カ「え!?」

そこにはヨノワールがいた。

ヨ「手間をかけさせやがって。でもそれも終わりだ。ここまで追ってきたのだからな。」

リ「・・っ・・」

カ「え?何?リンカの知り合い?」

リ「コイツはヨノワール!それだけっ!」

そういうとリンカは思いっきり水晶をヨノワールの顔面(?)にぶつけると、洞窟の奥へと逃げ出した。

カ「え??ま、まってよぅ、リンカぁぁ!!」

カイスもその後を追う。

コ「ココは任せてください!カイスさん!」

カイスが後ろを振り返ると、

水晶がたくさんはえてくる。

ココロがなにか仕掛けをしてあったのだろう。

カイスはリンカのほうをむくと、

ひたすら走り出した。


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コーディネーター #7☆2007.12/13(木)12:36
カイスが息を切らしながらリンカの後を追う。

「アイツ、なんなの?ヨノワールっていうの?リンカとどんなカンケーが?」
「アンタに教えることは何にもないよ〜!っ!」
リンカが足を止めた。
カイスは立ち止まれなくなって
リンカに激突する。

「き、きゅうに止まらないでよ・・どしたの?」
リンカの前にはココロやチシキにそっくりなポケモンが道をふさいでいた。
「私はエムリットの「カンジョウ」!侵入者たち、この先へはいかせられません!ただでさえさっき、もう一人新たに心が霧な侵入者が入ってきたんですし」
「もうひとりまた侵入者が?!」
「…ティーか」
「え?」
「そこどいて!時間ないの!ヨノワールが邪魔しにきてるんだから」

「だ…駄目ですっ!」
次の瞬間、

ドォン…
と、どこかで爆発が起こった。

「時の歯車と…空間のかけらはいただくぞ!」

「ゲホっ…何?新手?」
「うぅ…爆破して洞窟を突っ切ってくるとは」
「…」

新手、ジュプトルはいそいそと時の歯車にむかって歩き始める。
それをリンカだけは、少し悲しそうに見つめていた。

「させない!」
カンジョウが歯車を取られまいと
飛び出すが、ジュプトルはそれをいとも簡単によけ、
歯車に手をかける。

「だ・・めだ!」
カイスが炎をはなつ、が、
ジュプトルは顔色一つ変えず、歯車を取った。


キィン…という音が鳴り響き、
やがて歯車があった場所に、ピンク色の欠片が浮かぶ。
「あれが…「空間の欠片」…」
ジュプトルは空間の欠片を取る。
するとあちこちがウゥウゥ…と、
暗くなっていく。

ジュプトルは目にもとまらぬ速さで洞窟から飛び出る。


「わ、私たちもにげるぞ!早く――!他の二人はもう洞窟の外に出たらしい…」
「わかった!リンカ!」
リンカは何も言葉を発せずに、ジュプトルの消えたほうを見つめ続けていた。

「リンカ!何してるの、早く!」

カイスの声が、瓦礫にかき消され、

カイスの視界から、リンカが消えた。

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コーディネーター #8★2008.02/21(木)11:59
「リンカっ!リンカ、リンカぁ!」
「駄目です!今行くと下敷きになってしまいますよ!」
「けど…!リンカっ」
「それに…っ」
 チシキは言葉を途中で止めた。
「何?なんなの?」
「…あなたはあのジュプトルのことを知っていますか?」
「…え?」
カイスはさっきのことを思い返した。
リンカは歯車と、空間のかけらを奪おうとするジュプトルを
はじめてみたとき「ティー」とつぶやいたこと。
そしてジュプトルを悲しそうな目で見つめるリンカを。
「…リンカはもしかして、」
「え?」
「リンカはもしかして、あのジュプトルのことをもっともっと、前から知ってたんじゃないかな?なら…尚更」
「いいえ、あなたでは助けることはできません」
「っ!」
「後で必ずリンカさんを助けに行きます!だから今は逃げましょう!リンカさんの無事を祈って、願って―――」
「…」
カイスはその場を離れた。
途中、何度も轟音が響き、なんどもカイスは
崩れゆく洞窟を、振り返りながら。
     *
翌日
サイドンや、カポエラーたちが
滝の洞窟の瓦礫を取り除く作業をしていた。
「リンカは?リンカは…?」
作業ポケモン達にカイスは幾度となく、リンカのことを尋ねた。
だが、リンカは生きているのかわからない。
死んでいるのならば体が瓦礫の下に埋もれているはずだが、
瓦礫をすべて取り除いた一週間後になっても、
リンカの姿は見当たらなかった。
カイスは酷く悲しみ、基地へ戻っていった。
       @
基地へあと1、2メーターという、海岸付近。
カイスはとぼとぼと、海岸を歩いていた。
―――かいす
「っ!?…リンカのこえだ!」
カイスはリンカの声の元へ、走っていった。
         *
リンカの声がしたほうへいってみると、
岩しかなくて、カイスは幻聴かな?と思いつつ、
空を見上げた。すると―――
「っ!お前は…!」
「あのときのヒコザルか」
一番上の岩の上には、忘れられない、ジュプトルの姿があった。
「リンカはお前のせいで逃げ遅れたんだっ!リンカを返せ!」
「リンカ?・・あの時お前とともにいたポッチャマのことか?」
「そうだ!時の歯車と空間のかけらをお前が取ったせいで、リンカはっ…覚悟しろ!「火炎放射」!」
カイスはジュプトルめがけて、
特訓した火炎放射を放った。
ところが、火炎放射がジュプトルに届く前に、
影から声がした。
「バブル光線!」
声と同時に大量の泡が火炎放射を消し、
ジュプトルの周りに大量の美しい泡が浮かんだ。
「!」
陰から出てきたのは、懐かしいリンカの姿だった。
「リンカ!」
「カイス…っ」
「お前…どういうつもりだ?」

ジュプトルは炎を消したリンカに、ものを問うた。
「そうだよっ!リンカが危ない目にあったのは、コイツのせいだよ!?なんで庇うの?」
「…カイス、駄目。」
「!?」

「このこを…傷つけないで」

「な!?」
ジュプトルも、カイスも、なぜリンカがそんなことをいったのか、
まったく理解ができなかった。
やがて、リンカが口を開いた。

「ジュプトルの開けた穴から私は逃げられたから…私が生きてるのは…ジュプトルのおかげなの」
「…」
ジュプトルはいつの間にか、そこから姿を消していた。
「…」
リンカは、ジュプトルの去っていったほうを、
眺め、カイスはそんなリンカを懐かしげに、見ていた。
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コーディネーター #9☆2008.02/21(木)12:18
ジュプトルが時の歯車と、空間の欠片を盗んでいたのを目の当たりにしてから、数日。
いろんな探検隊、トレジャータウン、ギルドは全力を挙げてジュプトルを追っていた。
チーム「@」も、そのひとつだった。
カイスは、何度もジュプトルについて何か知っているのか、リンカに尋ねた。だが、リンカは何も答えなかった。

やがて、残りの時の歯車と、空間の欠片がある場所は、数年に一度だけ姿を現すという、「幻の大地」のみとなった。

それを聞いて、ギルドと探検隊達、トレジャータウンのポケモンたちは安堵した。

「幻の大地」は、選ばれし者しか行くことができない上、時の歯車のある場所は、ディアルガの住処だったからだ。いくらジュプトルでもかまうまい、皆そう思っていた。

これを聞いて、カイスもホっとしたが、リンカの少し悲しそうな顔は、変わらないままだった。

そして数ヵ月後、幻の大地は海岸に道を残し、現れた。
ギルド、探検隊の皆は幻の大地への突入を試みたが、
誰も入ることができなかった。

入れる「証」が、何なのか、誰にもわからなかったのだ。
そしてカイス達も、突入しようとしていた。

「お、俺たちはいれたらどうしよう?ディアルガに話をつければいいのかな?帰れるよね・・?」
カイスはビクビクしていたが、リンカの変わらない表情に、ちょっと心配になった。

リンカ達が幻の大地に突入しようとした、そのときだった。

一陣の風が、リンカとカイスの間を通った。


バチっっ!


「くっ…」
「!…ジュプトル!」

ジュプトルが幻の大地に突入しようとした。
が、ジュプトルの足が大地につく前に、足をつかせまいと、足の下に光が現れた。

「ジュプトル!お前の野望もそこまでだっ!」
「…」
「リンカ!チャンスだ!ここでアイツの盗んだ歯車と欠片を取りかえそう!…リンカ?」
リンカはカイスの声が聞こえていないかのように歩き出し、
突入しようとしているジュプトルに近づいてゆく。

「リンカっ!」
「駄目だよ」
「!?」

カイスは、リンカのいったことが一瞬わからなかった。
リンカは手を伸ばし、ジュプトルに触れた。

「「証」がないと、入れないのを忘れたの?」

バチっ…という音がして、リンカとジュプトルの体が淡く光った。

その瞬間、ジュプトルをさえぎっていた幻の大地の光が消え、ジュプトルは幻の大地へと入っていく。

ジュプトルは驚いた顔をして、リンカのほうを見る。
リンカはにっこり笑って、

そのまま、ジュプトルとともに「幻の大地」の中へと、消えた。

「リ…ンカ…?」

カイスは、ただただ「幻の大地」を見つめるだけであった。


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[1125]

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