漂流クチーと | #1★2008.08/17(日)20:17 |
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★読む前に…★ ・この物語は、ポケモンがしゃべります♪ ・ポケモンの概念(がいねん)が変わるかも…ですが、軽ぅく・温ぁかい気持ちで見てね♪ ・最後に…頑張って書くのでよろしくね♪ 物語は唐突(とうとつ)に。そして… ★★★ ここは、クレナイシティ。 リアン地方の南の地。リアン地方随一(ちほうずいいち)の大きな町。 きれいに区画された町の景色は「リアン百景」に選ばれたほどに美しい。 町は商業と観光が調和し、町の周りには森が広がり、南方は森が開けて海が蒼(あお)きさざなみをたたえている。 ポケモンと人が共存(きょうぞん)しており、住民の8割がポケモン・2割が人である… クレナイシティの中心部から少し外れたところに、ちっぽけな平屋建てがあった。 その看板には ジェットスター探偵事務所 TEL・○○○○ー○○○○ とある。 「こらーっ!」 事務所の狭い…通路というのかも分からない隙間(すきま)をぬってポッチャマがものすごい勢いでリザードを追いかけている。 …また始まった… ???「うんどぅらあ、あたしのっ…あたしのショートケーキぃぃ!」 ???「キサ。まだチョコレートケーキがあるじゃねぇか。いーだろ!俺は、食べてぇーの!」 ポッチャマのキサは、所長のブラッキーのクロのデスクを飛び越え、片手にケーキを持ったリザードに突っ込んでいく。 キサ「あたしが、ショートケーキが大好きな事知ってるでしょーが!!チョコじゃダメなのォ!返せこのっ!」 ???「キサもバンジも静かになさい!仕事になりゃしないわ…」 バンジ「もうちと待って!ミドリ!」 その名通り緑色の体をしている秘書のキモリのミドリは、ため息をついた。 キサ「かぁえぇせぇぇっ!あたしのケーキ!」 ???「ミドリの言うとおりだ。静かに。キサもバンジも落ち着け。」 キサ「カスタ、チョコケーキあげるから…」 カスタ「あっそう?」 バンジ「納得すんなぁぁー!」 キサたちでなく、自分が落ち着きを取り戻したミミロルのカスタは鼻歌(はなうた)を口ずさみ、冷蔵庫(れいぞうこ)へ向かった。 クロ「静・か・に!」 ぴたーんと喋(しゃべ)り声が止んだ。 キサ・バンジ・クロ・ミドリ・カスタ・そして偵察(ていさつ)役のチルットのもん…。たった6匹とポケモンたちが繰(く)り広げる愛と勇気の物語。 COMING SOON… |
漂流クチーと | #2★2008.08/17(日)20:25 |
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★第1話★恐怖(きょうふ)!嫉妬(しっと)と脂肪(しぼう)! クロ「静かにーっ!お客だ。」 バンジ「ヤバっ。」 バンジは一目散(いちもくさん)にドアの死角(しかく)にすぅっと逃げ込み、ショートケーキを丸呑み(まるのみ)にした。あぜん。とするキサをよそに、口に付いた生クリームをなめ、ニカリと笑う。 キサ(あの馬鹿(ばか)トカゲめぇっ…!) キサが反撃(はんげき)を開始しようとした刹那(せつな)、キモリのミドリがキサから逃げようとミドリの方に走ってきたバンジを、尻尾(しっぽ)でビンタおみまいしていた。 どうやら相当(そうとう)むかついていたようだ…。 ミドリ「どうぞお入り下さい。ようこそ。ジェットスターへ!」 さっきとは違(ちが)うニコニコ顔でドアに近付いたメスキモリは、カチャッとドアノブを回し開けた。 …。 こちらに入ってくるはずのお客が入って来ない。あるのは、にっ…肉のような物体。 ん? 皆(みな)が、のぞきこんだそのとき。 ギッギッ…バキィ、グギッ。 きしんでいる。何が?…事務所(じむしょ)が。 一同「わぁーっ!」 ???「ちょっとっ!たっ助けなさいよ!私、お客よ!お・き・ゃ・く!うっ…。」 ポッカーン。 次の瞬間(しゅんかん)、きしみが(バギッ)っといったので、 クロ「…裏手の扉(とびら)なら両開きなので、入れます。」 と言ったら、女の声で「フンっ」と聞こえた。 間接的(かんせつてき)「ふっくらしてますよ」指摘(してき)は、…失敗した。 裏の扉から現れたのは、ハリテヤマの女であった。 クロは自分の名と肩書き(かたがき)をさらっと説明し、ソファを薦(すす)めた。 …座ったソファのスプリングが1つ以上壊(こわ)れたことは言うまでも無い。女は名をアリアと名乗った。 バンジ「あっアリア?体付きからは想像つかねー名前だな。」 カスタ「…失礼だ。」 そんなアホな意見が出る中、クロはアリアの言い分をメモっている。 クロ「…それでは、こういうことですね?アリアさんの夫・ゲトーさんは最近なかなか家に帰って来ない。だから、あなたはゲトーさんが浮気(うわき)してるのでは…。と、うたがってらっしゃると。」 アリア「そう。調べてちょうだい。」 クロ「では、もうすこしお聞きします。まずは…」 ???「おにーちゃん!ピュウの入れ物ッ!さがちてー!」 バンジ「おっ!ひさしぶり!ピュウ!」 バネブーの子供らしいピュウは、手に写真を持っていた。 ピュウ「この、この「はーとの入れ物」さがちて!」 アリア「待って!この写真の小銭(こぜに)入れは!私が主人に結婚記念日(けっこんきねんび)にあげた物じゃないの!」 一同「なにっ!」 アリア「これ世界に2つしかないのに…私と主人しか持ってないはずなのに。」 巨漢(きょかん)のアリアが夫にあげた小銭入れがなぜこのバネブーの子供が持っているのか?ナゾがナゾを呼び、闇(やみ)とキサたちが動き出す! 続く。 |
漂流クチーと | #3★2008.08/17(日)20:33 |
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★第2話★闇(やみ)と謎(なぞ)。クロスオーバー! アリア「夫と私の去年の結婚記念日に、私がオーダーメイドで職人(しょくにん)に作らせたの。夫も喜(よろこ)んでたのに…。まさか売ったのォ!?」 アリアがピュウをギロリと睨(にら)む。 ピュウが「ひぃっ!」と言い、バンジの身の影(かげ)に隠(かく)れた。 クロ「バンジ。このバネブーの子とはどこで知り合った?」 クロがバンジに聞いた。面倒(めんど)くさそうにバンジが口を開く。 バンジ「迷子(まいご)だったんだ。家を探してやったことがある。そんだけだぁよ。」 キサがピュウに向き直り、普段(ふだん)は見せないニコニコ顔で言った。 キサ「この入れ物(?)、どこでもらったのかなぁ?おねぇちゃんに教えてくれる?」 みんながサッとピュウを見た。いきなり注目され、かあぁと顔を赤らめたピュウはモゾモゾしながらボソッとつぶやいた。 ピュウ「こっ、これねェ…これ、[ロゼリア]のお姉ちゃんにね、もらったんだぁ、気に入ってたんだケド無くしちゃったの。」 ミドリ「ロゼリアの?なんでもらったのかな?話して。遠慮(えんりょ)は要(い)らないわ。」 ピュウは深呼吸(しんこきゅう)して、言った。 ピュウ「話しちゃダメだって。この…はーとの入れ物あげるからって、ロゼリアのお姉ちゃんに言われたの。」 クロが促(うなが)した。 遠慮(えんりょ)しなくいい。全部、言ってごらん。 ピュウ「クレナイシティーの、《ユウグレ海岸(かいがん)》でね、おっきな倉庫(そうこ)がいっぱいあるところでね、遊んでたらね、チャーレムの男の人とだれかが話してたのが、聞こえたの。それを聞いてたら、ロゼリアのお姉ちゃんが「だれにも話しちゃだめだよ。」って言ってこれくれたんだ。だから言わないよぉ。約束(やくそく)したんだもん。ピュウ、約束守る子だもん!」 ピュウは半泣(はんな)きだ。 アリア「ロゼリアの女だと!?ゲトーっ!私の夫だろ!やっぱり浮気(うわき)か!アイツ!今度帰って来たらこってり絞(しぼ)って…」 カスタ「それはヤバイよ奥(おく)さん。」 クロ「まあまあ、まだそのチャーレムがゲトーさんだと決まったわけでは無いですし…」 アリアは大股(おおまた)で帰っていった。どすっどすっ。事務所が揺(ゆ)れた。 「また来るわぁ〜!」 アリアは確信(かくしん)をつかんだようにルンルンしながら帰っていく。 キサ「ほんとに、そのチャーレムの男がゲトーさん?しかもロゼリアの女?なんで「聞くな。」だなんて言ったの?」 カスタ「そうさ。そこだ。なぜ「聞くな。」と口封(くちふう)じを…。相手は子供だぜ。言う可能性(かのうせい)は少ない。よっぽどヤバイんだろうよ…血なまぐさい話になるかもな。ひひっ…」 (注・血なまぐさくは、なりません!) にやり。カスタは不気味(ぶきみ)に笑う。ミミロルなのに…。キサは、ため息をついた。 次回、急展開(きゅうてんかい)の予感(よかん)。続く… |
漂流クチーと | #4★2008.08/17(日)20:38 |
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★第3話★謎(なぞ)を追え!ところで…次、何する? ーちょっとちょっとちょっとォ〜! アリアがドンドン、ドスドス事務所に駆(か)け込んだのは、あれから2日後のことだった。 アリア「ゲトーのヤツったらそんな女、知らないって白(しら)を切るのよ!まったく…」 プリプリ、ブーブー文句(もんく)を吐(は)きつつスプリングが1個とれたソファーにアリアはどっかりと座った。 カスタ「奥さん、解決(かいけつ)したんじゃないのぉ? 」 そんなことこれっぽっちも思って無いくせに、クロが出かけた後で、ミドリも休みで、うきうき留守番(るすばん)中のカスタは内心(ないしん)、ニッコニコのはずだ…。 アリア「いいえぇ!そんなこと無いからこーやってわざわざ来てやってるんじゃないの!」 もっともな言い分だが、「来てやってる」は余計(よけい)な事のような気がしたキサだった。 カスタ「んじゃ、奥さんはどうしたい訳?家にボクが行っちゃって、懲(こ)らしめてあげてもいーんだけどねー(笑)」 皆さんは意外に思うかもしれないが、カスタは…いや、止して(よして)おこう。 アリア「だめよ。残念(ざんねん)なんだけど、それは無理よぉ…。してもらいたいのはやまやまなのだけど、ウチ汚くて、ぼろいから人は呼べないの。本ッ当残念ね…。」 カスタ「そーですね。」 カスタは悔しそう(くやしそう)だ。え?まじで行く気だったのか! そのとき奥のほうから、のそっとめんどくさそうにバンジが言った。 バンジ「じゃあさァ。ゲトーさんの行きつけの店でも行ってみてサ、そこんとこのおやじでも女将(おかみ)でもひっとらえて、手当たり次第(しだい)にあたってみたら?なぁカスタ。あんた、行って来いよ。」 カスタ「エー!?嫌(いや)だっ!嫌〜!みんなで行こう。そうだ、みんなで仲良く♪レッツラゴー!だよな…♪なっなっ!」 キサはこんなカスタを初めて見た。 キサ(動揺(どうよう)してる〜!) バンジ「しゃあねぇな。いない2人もアリアさんも含(ふく)めて、明日行こうぜ!」 ということで、行く店は明日アリアが調べて来ることに…。 この後、どーなる!? そして…闇に踏(ふ)み込(こ)む…。次回を待て! |
漂流クチーと | #5★2008.08/27(水)18:45 |
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★第4話★怪(あや)しい影… カチャリ。 ミドリは嫌な予感がしたので事務所に休み返上(へんじょう)でやってきた。 ミドリ「あら…。予感、的中ね。ほんとあいつら私や、クロになんにも言わないんだから!ふぅ…まったく!どこへいったのやら…。」 ミドリがふと自分のデスクを見るとメモが1つ。 …ミドリ、クロへ おいらたちはアリアさんと夫のいきつけの店に行って来まっす。 バンジ、キサ、カスタ… ミドリはため息をついた… バンジ「ここかぁ!えぇ〜っと、えっと…なんて読むんダ?」 キサ「こんなものも読めないの!?…えぇっと…」 カスタ「『薔薇』(ばら)だ。よくあるような、ないような名前だな…。」 キサたちの一行(いっこう)は小さなスナックの前にいた。 バンジ「ったく…アリアが出てって2時間で帰って来っから残業(ざんぎょう)だぜ!?ありえん!」 キサ「バンジ!依頼人(いらいにん)に向かって呼(よ)び捨(す)てなの!?遠慮(えんりょ)って無いのかしら!」 カスタ「そうだぞバンジ。残業するってことは、残業の分残業代が…くふ…ぐふふ」 キサ「そこ!金に執着(しゅうちゃく)しなぁぁい!」 すると、アリアが顔を赤くしてズカズカ店に入った。 キサ「アリアさんっ!ちょっとォ!…あの人、勝手(かって)すぎない?」 バンジ「勝手というより、自己中(じこちゅう)だぞ。あれは。」 キサ「そこぉ!依頼人をモノ扱(あつか)い、しなぁぁい!」 カラアァン〜コロォォン〜♪スナックのベルが鳴った。 ???「いらしゃい♪…あら。見知らぬ顔ねぇ…どなたかしら?見たところお客(きゃく)さんではなさそうだけど?」 アリア「ねぇ!あんた!ここの女主人って訳(わけ)?ここに、ゲトーって客、来てるでしょ?!その人の情報をくれない?!」 キサ「えぇっと…お名前は?」 ???「キャンベルよ。」 キサ「キャンベルさん。私たち、探偵(たんてい)です。ちょっと調べに…この人はちがうけど…」 キサはアリアをちらりと見た。 キサ「ゲトーさんって言う客がいませんか?」 キャンベル「ええ。いるわ。今は…」 キャンベルは店の中を見渡(みわた)した。 客は…だれもいない。 キャンベル「いないけど、ね♪要(よう)は情報でしょ?私が聞いたのは…なんか、取引(とりひき)してるんだ。って。とっても儲(もう)かる取引なんだ!って言っていたわ。」 キャンベルは隣(となり)で鼻息(はないき)を荒(あら)くしているアリアを見ながらびくついて言った。 カスタ「儲かる…か。儲かる…金…くふっ(笑)」 バンジ「金が係(かか)わってるのか?」 キサ「お金…ロゼリア、取引、お金…これがつながるかなぁ?」 アリアはもう姿(すがた)を消していた。 キサ「もう飛び出して行っちゃったか。じゃ、ありがとうございましたキャンベルさん!…行くわよ!バンジ!カスタ!」 バンジ・カスタ「おぅよ!」 あっという間の5分間。 金が絡(から)んでくるとは思ってなかった一同だったが、衝撃(しょうげき)の事実はまだまだあったのだった。 次回を待て。 |
漂流クチーと | #6☆2008.09/06(土)17:33 |
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★第5話★闇、現(あらわ)る。ー盗(ぬす)み聞き?! カチャン。スナック「薔薇」のドアが閉まった。 キャンベル「はぁぁあぁ…これでよろしかったのですか…?オーナー?」 キャンベルはくるりとカウンターの奥の薄暗(うすぐら)い所を振り返って言った。 ???「いいわけないじゃないのォ!!」 小さい人影がキャンベルにすぅっと近づいた。 キャンベルの喉元(のどもと)に右手の赤いバラをあてる。 ???「…左には、青き回復のバラを。…そして、右には、赤き攻撃(こうげき)のバラを…!」 キャンベル「ポリアンサ…オーナー!おっ…お止(や)めくださいぃ!」 ポリアンサ「何を言う!大失態(だいしったい)だぞ!探偵なんぞにあの事の一部を話すなんて!くらえ!」 小さなロゼリアはキャンベルからたんっと距離(きょり)置いた… キャンベル「きゃぁぁっ!こんなっ…こんな私に何を!?」 ポリアンサ「黙(だま)れ!これは罰(ばつ)だ!キャンベル…いや…ムウマージ!」 キャンベルは恐(おそ)れと、とまどいのせいで、人として見せかけていた技をといた。まわりの空気がゆがみ、ゆらりと揺れたかと思うと、そこには人ではなくポケモンが…ムウマージが現れた。 ぶわん!と煙(けむり)が広がる。 ポリアンサ「これは…『しびれごな』よ。気分はどう?」 キャンベル「くぅっ…動けない。」 ポリアンサ「お次は、ハァッ!『マジカルリーフ』っ!」 ムウマージの体に、ぎらぎらとしたぎざぎざの葉っぱがざっくりと刺さっていく。何枚も、何枚も。そのたびに鈍(にぶ)い音がする…。 キャンベル「きゃ!くっ…ぐはっ…!おっお止めくだ…くださいぃ!」 ポリアンサ「なにを止めろと?ふふっ。」 ざくっと刺さる葉っぱは店は傷つけず確実(かくじつ)にムウマージに当っていった…。 カチャン。キサの一行はアリアを追おうとだぁーっ!と駆け出そうとしていた。 そのとき。 キャンベルの悲鳴(ひめい)が「ものおとにびんかん」のカスタの耳に入った。 カスタ「む?」 キサ「どうしたの?アリアさん行っちゃうよ?」 カスタ「あのムウマージの…キャンベルの悲鳴が聞こえた。」 バンジ「ふぇっ?あいつ、人間だったぜ?」 カスタ「いや。ありゃポケモンだ。人間の女の映像(えいぞう)を俺らの前に揺らしてたんだ。だから、アリアが睨(にら)んだ時、オドオドしてたんだ。」 キサ・バンジ「なるほど。」 そして一同(アリアをのぞく)はすべて聞いた。盗み聞きだ。 キサ「そんなぁ!キャンベルさんっ!助けなきゃ!」 バンジ「おぃ!キサ!黙って聞いとけ!」 だーっと駆け出したキサは店のドアを開けた… このあと謎のロゼリア・ポリアンサとキサが出会う。 続く… |
漂流クチーと | #7☆2009.01/18(日)21:58 |
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★第6話★VSポリアンサ!明かされし秘密! バッタァアンー! 「スナック薔薇」のドアが勢い良く開く! ポリアンサ「?!」 キャンベル「あぁあっ!来ないで!来ないでえぇ!」 キサがいた。額に汗を流し、キリリと目をつりあげ、じぃっとロゼリアを見つめている… キサ「その人を放してよ!何ヒトをいじめてんの!?」 キサがぐっ、と身をかがめて言った。 ポリアンサ「ふんっ!小癪(こしゃく)な…そんなに私の毒を浴びたいのか?…なら、浴びてみよ!」 そう言うと、ロゼリアは赤い右手のバラを振った。 ばぁっと黒い物体が部屋中に広がる。鼻に付くにおいがした。 ポリアンサ「これはね、『どくびし』という技。踏んじゃったら最後、あなたは病院送りね。」 うふふ…と、ポリアンサは笑った。 放射線状に広がった『どくびし』は、ポリアンサたちのいるカウンターを中心にして散らばっていて、とてもひとっ飛びでいけるような所ではない。 キサは近づく事も出来ず歯噛(はがみ)した。 逃げる事は考えなかった。 キサ「…っく!」 ポリアンサ「なんとかいったらどうなの?」 キサ「…『なんとか』…」 ポリアンサ「そーじゃなくってぇ、」 ポリアンサはこんこんッとカウンターをたたいた。 ポリアンサ「そうね…」 ポリアンサは『自分が一番美しいでしょ?のポーズ』で「うーん」と考えるフリをした。 キサは「ロザリオ」…いやロゼリアの目を盗(ぬす)み、持ってきていた高級メーカー「ELREID(エルレイド…かな?)」のポーチの中身を探った。 あった…! キサは、ニッと笑った。 ポリアンサ「うんうん、じゃあこうしましょうよ♪」 ポリアンサはくるっと振り向き、意地の悪い笑顔を作った。 キサは急いで「老婆(ローバ)リア」…いや、ロゼリアの方を向いた。 ポリアンサ「あなたがこの場を見なかった事にしてくれんならね、ここは見逃してあげてもいいよ。うん。逃げてもいい、ってこと。」 キサ「!」 うふ…。 ポリアンサが気味悪く笑う。 キサ「そっ、そんなこと信じらんない!」 ポリアンサ「じゃあねぇ、これあげるから。物々交換(ぶつぶつこうかん)で、どう?」 そう言うと戸棚から「ほしのすな」をとりだした。 キサ(交換条件!これって、あのバネブーの子と同じ!) キサ「信じらんない!」 ポリアンサ「ふーん。いい度胸(どきょう)してんじゃない。ふふっ…じゃあこれをプレゼントしちゃお♪」 「リーゼント」…いやロゼリアは赤いバラをかまえた! キサ(攻撃が来る…!) キサ「プレゼントなんかいらないっ!かわりにこれあげるっ!」 キサは「ELREID」のポーチから「かわらずのいし」を4、5個『なげつけ』た! ポリアンサ「きゃ!」 キサ「これ『なげつける』って言う技!今さっき拾った「かわらずのいし」でお見舞いよ!」 ポリアンサ「きゃ!きゃ!なによ!そんな技認めないわ!ただ投げてるだけじゃん!」 キサ「そうとも言う…(汗)」 すると偶然にもロゼリアの手がゆるみ、引き止めていた力を失ってムウマージのキャンベルは、カウンターから転げ落ちた! キサ「よしっ!」 ポリアンサ「やだ!…もう知らない!こんな女!」 ポリアンサは彼女しか入れないような細いすきまに入ろうと、たんっ!と身軽にカウンターから降りた。 ポリアンサ「一応、「ほしのすな」置いとくわ。喋(しゃべ)んないでね」 ポリアンサはすきまから逃げ出した。 キサ「はぁ、…ア!そうだ。キャンベルさん!」 キャンベルはぐったりしている。 バンジandカスタ「おい!だいじょうぶか?」 キサ「逃げられちゃった…」 バンandカス「そんなことよりも、ミドリandクロから情報が届いてる。」 こう書かれていた。 《ゲトーは裏で何かあやつってる可能性あり…》 ゲトーの秘密とは?続く… |
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