トワイラ | #1★2009.03/12(木)20:34 |
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序章 人々とポケモン達は今まで同じ生き物であるかのように、互いに助け合い生活してきた。 しかし微妙なバランスの上で成り立ち、天秤の皿の加重が両方等しくなければならなかった。 そしてこの地「シンオウ」では、一つ一つの町がポケモンと勢力を持った。 その力が余りにも強く今までのように、ひとつの国家として、ひとりの仲間として共存は難しかった。 シンオウ歴324年 ついに「シンオウ分割統治宣言」が宣告された。 それから120年後、水平線が傾いているかのような歪んだバランスで生き物たちは生活を送っていた。 シンオウの中央に位置するテンガン山は、いつもより頼り気に誇らしく見えた。もう春だというのに昔の記憶として雪が残っていた。 そして西のふもと「ヒドラ」という国家が存在していた。 主に「クロガネ」と呼ばれていた町を元に創立され、この領地を守護するもの「ヒードラン」がヒドラ国民に崇められていた。鉱物資源を主軸に小さな国家としての駒が回っている。国民一人一人が家族程度に団結が強く、助け合って生活を営む絆が存在していた。 そのうちの一人、カインはルカリオと国家の下で働き2人だけの生計を補っていた。 この2人から歓迎されない運命から肩をたたかれると知らずに。 そして、ふもとの反対側に位置する「ミツナ」と呼ばれる国がある。ここでは、「ミュウツー」。 このように各国家は必ずといっていいほど古くから慕われているポケモンが存在し、それらは勇気・希望・守護など様々な価値を与え、行ってくれる。 恐ろしくもここは、「力」が授けられている。もとは「ヨスガ」が中心で、平和な町だったほど恐ろしいものが背景に潜んでいる。 果たしてこの地「シンオウ」に何が起き・変化するのか。 壮大な物語が今、始まろうとしている! |
トワイラ | #2★2009.03/12(木)12:01 |
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第一章 起源 シンオウの中央に位置するテンガン山は、いつもより頼り気に誇らしく見えた。もう春だというのに昔の記憶として雪が残っていた。 「ふぁ〜あ。」 すでに朝だった。春は目の前だと皆言うが、カイン自身は違った。 「信じられないなぁ〜。まだ雪がつもっているのに。」 山小屋ほどの一軒家から顔をのぞかせ、下から山を見張った。 ドクン!! 何か伝わったにしては、物質的なものではない。 「心に?いや違う。波動?」 林のほうをみた。 波動ポケモン ルカリオだった。彼は年中カインの傍で手伝いをしている。 国の作業員として仕事場でも一緒だ。 「早く出発しないと仕事に間に合いません。支度はできてるので早く持ってきてください!」 ベッドの足元を見てみるとリュックがあるのに気がつき、作業服を身にまとったら山小屋自身から追い出されたようだった。 徒歩30分 涼しげな風に吹かれ役場前にたどり着いた。町はいつものように賑やかで自分の家からは、想像できないほどだ。 裏口に職員専用の入り口があるので行こうとした途端 ドン! 「痛た!」 「なんだ?お前かぁ〜。脅かすなよ。ってまずい!」 体の大きな職員だったが、一度空中に舞った書類を必死に集める。 カインは見守っていた。しかしルカリオが手伝おうとした途端 「触れるな!手伝う必要はない!頼むからいってくれ!!」 最後の一枚をルカリオより先に拾い上げ一目散に役員は、廊下の奥に消えてった。 「ったく。なんだぁ、あのおっさん。無愛想にして。」 と、カインが呟いて仕事場に行ったことをよそにルカリオは顔色が悪かった。 仕事の内容は学校の用務員さんのようなことだが、2人は誇りを持っていた。 人のため、ポケモンのため、みんなのために仕事をしているのだ。誇りをもてない訳が無い。 午前は終わり、昼食の時間だった。 自分たちの他に作業員はいない。いつも二人だけの昼食だった。 「すごいな、ルカリオは。俺の分の飯まで作ってくれる。なぁ?」 正直、人の口に合わない。 しかし寝坊した自分の為に精一杯作ってくれたのだ。 料理と呼ぶものを。 「…。」 本来ポケモンは人と会話ができない。もちろんルカリオも。 しかし波動で通じ合える。 なのに波動さえ伝わってこない。 「大丈夫か?」 この日の仕事は終わった。きれいな夕焼けだった。 山小屋に帰るまでに「ヒードラン」の銅像を横切る。いつものことだった。 「本当にあなたは私たちを守っているのですか?」 ヒードランに波動でルカリオが伝えていた。 それが漏れカインにも伝わった。 「おまえ本当にどうしちまったんだぁ?ぶつかってから可笑しいぞ。どこか具合でもわるいのか?」 こんな誰でも言えそうな言葉しか思いつかなかった。 なぜなら今までこんなことは有り得なかったからだ。 「ここでは…。無理です。帰りましょう。」 |
トワイラ | #3☆2009.03/12(木)12:01 |
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第二章 事実 既に明かりが必要な時間だった。 「いったい何が起こった?」 安易に尋ねたことを後から後悔すること知らずにカインが問うた。 1つのテーブルに2つのチェアで始まった。 「結論から申すより…過程で進めましょう。大きな声を出すことだけは決してしないと約束してくれますか?ミツナが関わっているので」 「分かった。絶対出さない。」 「では…」 カインが仕事場に急ぎ足で行ったようだ。 ここには自分 ルカリオ1人。 隅に取り残されたのか一切れの紙があり、拾い上げて読んだ瞬間に絶望した。 「これは一体…契約書?」 話しを耳にしてカインが一通り書類に目を通し、ルカリオと双子でもあろうか同じ様子になった。 心底生きることは無理だろうとさえ思った。 なぜなら明日生きていることに自信が沸かない。 中身は自分たちの感情を無視して単純明快であった。 今日の今朝持ち込まれた書類は 「宣戦布告書 すぐにでも攻める」 たかが紙切れがこう語る。 カインはすぐさま言った。 「逃げよう。そしてみんなに知らせるんだ。」 それしかなかった。自分の命を捨てる奴なんていない。 「早速知られたようですね。ミツナにつく頃は…30分後で時間がありません。」 ルカリオが言ったとおりだった。 外に出ると1匹のヨルノズクが、テンガン山方面に飛び去っていった。 「ルカリオ!奴を倒せ!はどうだん!」 波動がルカリオの手の中に凝縮されて放たれた。 同時に林の方から約10体のポケモンが飛び出して1匹が阻止した。 ボスゴドラ1体に複数のストライク。 さっきの一撃でボスゴドラは体力が減っていたが、有り余っているストライクは襲い掛かってくる!「きりさく」だった。 「この数じゃどうしようもない!逃げるぞ。」 いつもの道のほうへ飛び込むようにして逃げた。すると、 ゴォオ… 「焼き尽くせ!かえんほうしゃ!」 逃げてきた方向へ放たれ、敵が見えなくなった。 「早く一緒に逃げて。」 1人の女性だろうか静かに話しかけられ、どうしたらいいか分からず言いなりになった。 暗い影の中で分かった。 さっきのはブースターだ。 |
トワイラ | #4☆2009.03/14(土)20:13 |
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第三章 出会い いまだに焦げた臭いが鼻にまとわりついていた。 どうやら無事逃げ切れたらしく、さっきのボスゴドラの叫び声や空気を切り裂く音が無い。 今ここ、夜の林の中で女性?いや違う、女子だ。と言う状態だった。 「カイン、大丈夫ですか?何ですかこいつは。まだ一応気をつけていてください。」 「はっ…はい。」 「大丈夫?って聞くほどでもないかぁ〜。」 この女がいきなり話し出したと同時に、ブースターがたいまつの火をつけたので驚いた。 「私の名前はセイナって言います。呼ぶときは呼び捨てでいいよ。君だけね。」 「はっ…はい。」 思わずついて行けなかった。 なんだこいつ?脳の裏から乗っ取られてく感じだ。 「なんでさっきのルカリオと同じ反応なの?あたしとルカリオは違うんだから。」 「もしかしてお前、聞こえた?」 「聞こえたんじゃなくて、伝わってきたよ。だからさっき助けに行けた訳なんだよ。ねっルカリオ。」 「そうなのかも知れませんが、あなたなんて知りませんよ。カイン、気をつけてください。ただなる者ではありませんから。」 カインは唯一頼れるルカリオの傍に近づき、臨戦態勢になった。 正直ついて行けない。何が何なのか。 さらにセイナは、 「こんな事してないで早く逃げましょう。カイン殺されるよ。私もだけどさ。」 「どういう事だよ!分けわかんない奴に連れ去られてまで、言うことまで聞かなきゃなんないんだよ!」 「命の恩人なのに失礼じゃない?まぁそれより私も拾ったんだこの宣戦布告書を、キッサキ中心だったクレセで。びっくりしたけど信じられなくて数日生活してたらさ、ミツナの軍隊が来てさ、殺されかけたよ。おかげで今は国が乗っ取られちゃった。」 その紙はルカリオの物と瓜二つだった。 その書類が余りにも説得力が強くセイナに付いて行くしかなかった。 「ってことは…。ヒドラも乗っ取られるのか?だったら知らせないと!!」 「カイン!今すぐにでも町へ行きましょう!」 「そんな時間はないし、だれも信じてくれないよ。ありもしない疑いかけられて後で面倒になるし。」 「分かんないだろ!そんな事!お前の国とは大違いなんだよ!!」 この言葉を発したあと後悔した。 知ることができない卑屈な体験をよそに聞いてしまったと。 しかし案外セイナは、 「とにかく早く逃げないと大変だよ。」 追っ手が近づいていたらしい。 ブースターの毛が逆立っていて今にも火が出そうだった。 |
トワイラ | #5☆2009.03/25(水)13:18 |
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第四章 夜明けの戦い 卑屈な昨日を何事も無かったかのように日の出がもうすぐだった。 カイン・ルカリオをセイナが説得し、ここまで来た。 今の一行はとにかくコトブキ・ソノオ・マサゴ・フタバだった「コソマフ」に行きたかった。 なぜなら自分たちではどうしようもなかったからだ。 そこは学問が盛んで、人々に様々なものを授けた「エムリット・ユクシー・アグノム」尊敬している。 しかし、ヒドラから抜けるには「クロガネゲート」を通るしかなかった。 それを知っていたカインが、 「とにかくここからはゲートを通る以外の方法がない。距離は大して無かったはずだ。すぐにそこを抜けよう。」 「そうね。だったら早く向かおうよ。追っ手が来る前にさ。」 案の定、敵はここまでは来ていないらしい。夜明け後せめて来るのだろうか。 クロガネゲートに入ってすぐのことだった。 「敵のようです。前から来てます!」 「ブースター!」 セイナが言った途端に前かがみになって見えない先のほうを威嚇している。 「なぜだか知らないが、敵なのは間違いないんだな?ルカリオ準備はいいな!構えろ!」 「ハッ!」 山賊だろうか、ガラガラ声が響いてきた。 「やっぱりな。宣戦布告書を拾ったてのは、こいつらだ。運のいい奴らだ。自分たちだけ助かる可能性があるんだからな。助けを求められる前にやっておかねぇと、面倒なことになるんでな。消えてもらう!」 カインとルカリオは驚いた。 昨日ぶつかった男だ。 確かに体つき・声が同じだ。 「カイン気をつけて!イシツブテ・ゴローンの軍団が転がってくる!」 セイナの言うとおりだった。 あわせて二十もの軍だ! 「ルカリオ!ボーンラッシュでこれ以上進ませるな!食い止めろ!」 「はっ!」 「セイナ!おまえは男をぶっ潰してくれ。」 セイナは自分に必要なことが分かり素直に聞いてくれた。 「そこのあんた!悪いけどここで消えてもらうのは、そっちのほうだよ。ブースターほのおの牙でやっちゃって!」 実は男の傍にネイティオが立っていた。 「ねんりきで止めろ!」 「ティーオ」 ブースターは飛びかかろうとしていた体勢で、空中に吊り上げられた。 「ブースター!」 その時だった。 「ハッ!」 はどうだんがみごとに命中しねんりきが解けた。 そこをすかさずセイナは 「今のうちにブースター!シャドーボール!」 効果は抜群だ! ネイティオは瀕死の状態に陥った。 「ちくしょう!今の時代にまだモンスターボールがあったら、まだ戦えるのによぅ。」 あたりはうそのように静かになった。 ルカリオは軍をしのぎネイティオも相手したので、疲れきっていた。 突然に男の悲鳴がなりあがった。 原因はセイナだった。 「ブースター。最後の一撃だよ。この男にかえんほうしゃ。」 「もう戦えない相手にどうしてですか!?」 言うまでも無い程に男はなった。 出口に近かった為上りきった太陽の日差しが目に飛び込み、思わずカインは手でさえぎった。 |
トワイラ | #6☆2009.03/29(日)13:17 |
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第五章 亡命 さっきの理由がよくカインには納得できた。とまでは行かないが、分かったということにした。 残党が残ってしまっては自分の国は助からない。 しょうがないことだったが自分が余りにも傲慢だと感じ取った。 さっきのが嘘のように晴れ渡った今日だった。 セイナが背筋を伸ばしてこう言った。 「ここからはコソマフに一直線ね。中心はコトブキだったはずだから早いとこいって、統治者に話をしましょう。」 ここに来るまでいろいろ経験してるんだなぁと、カインは驚いた。ここまでテキパキに言うとは。 言ったとおり一本道を辿ればいいもので、すぐに着いた。 近年旧コトブキは目覚しい発展を遂げていて、自分の国からは創造できないほどのビルや建物であった。 するとセイナはすぐに、 「すみません。統治者はどこにいますか?」 答えた先はおばさんだった。 「あなたの様な若いお人がセイン様になんのようだね。」 余りにも冷たかった。励まそうとルカリオが伝えた。 「大丈夫ですか?セイナ様。気にすることはありませんよ。」 「ブゥ〜ウ!」 ブースターも気になったのか鳴き声を上げた。 「ありがとう。昔からここのことは知ってたから。お父さんに会う為、昔来たことがあるんだ。」 カインは名前が似ていることから気づいていたが、まさかと思った。 「お父さんなら聞く必要ないのにどうして聞いてんだよ。」 「だって一度幼いときにしか来てないから忘れちゃってさ。」 がっかりしたと思った途端セイナが声を上げた。 「お父さん!」 驚いたことにさっきの男性はセイナの父親だった。 スーツ姿のいかにもサラリーマンで、賢いのだろうと思った。見た目だけだが。 ことあれ一行は高いビルの役所に連れられて行った。 カインたちの自己紹介も終わり和やかな雰囲気だった。 コーヒー片手にセインが、 「まさかこんな時にセイナ達に会うなんて思わなかったぞ。っとこんな場合ではなかった。では本題に入ろうか?」 「そうね、早いとこ。…」 今まであった、カインたちのこと、ミツナのこと、たくさんあった。 しかし話してしまえば一時間ほどで終わってしまった。 「そうかぁ。言いにくいことだがヒドラは終わっただろうな。全面的に協力したいと我々は思う。よく頑張った。あとは私たち大人に任せてくれたまえ。」 この言葉を聞きカインはようやく生きた心地を味わった。 もうすでに夕方だった。 ここで二人は一度別れカインはセインに教えてもらったポケモンセンターで、一夜を明かすことになった。 「本当にこれでもう大丈夫なのか?なぁルカリオ。」 「そうであって欲しいです。」 「とにかく今日は疲れた。お休み。」 既に深い眠りについていた。 しかし、ヒドラもクレセに続き制圧されていた。 明日には全面戦争になるだろうとセインは思っていたが決して口にはせず、国家軍隊に連絡をいれその後は久しぶりの娘との再会で食事を楽しんでいた。 第五章 亡命 さっきの理由がよくカインには納得できた。とまでは行かないが、分かったということにした。 残党が残ってしまっては自分の国は助からない。 しょうがないことだったが自分が余りにも傲慢だと感じ取った。 さっきのが嘘のように晴れ渡った今日だった。 セイナが背筋を伸ばしてこう言った。 「ここからはコソマフに一直線ね。中心はコトブキだったはずだから早いとこいって、統治者に話をしましょう。」 ここに来るまでいろいろ経験してるんだなぁと、カインは驚いた。ここまでテキパキに言うとは。 言ったとおり一本道を辿ればいいもので、すぐに着いた。 近年旧コトブキは目覚しい発展を遂げていて、自分の国からは創造できないほどのビルや建物であった。 するとセイナはすぐに、 「すみません。統治者はどこにいますか?」 答えた先はおばさんだった。 「あなたの様な若いお人がセイン様になんのようだね。」 余りにも冷たかった。励まそうとルカリオが伝えた。 「大丈夫ですか?セイナ様。気にすることはありませんよ。」 「ブゥ〜ウ!」 ブースターも気になったのか鳴き声を上げた。 「ありがとう。昔からここのことは知ってたから。お父さんに会う為、昔来たことがあるんだ。」 カインは名前が似ていることから気づいていたが、まさかと思った。 「お父さんなら聞く必要ないのにどうして聞いてんだよ。」 「だって一度幼いときにしか来てないから忘れちゃってさ。」 がっかりしたと思った途端セイナが声を上げた。 「お父さん!」 驚いたことにさっきの男性はセイナの父親だった。 スーツ姿のいかにもサラリーマンで、賢いのだろうと思った。見た目だけだが。 ことあれ一行は高いビルの役所に連れられて行った。 カインたちの自己紹介も終わり和やかな雰囲気だった。 コーヒー片手にセインが、 「まさかこんな時にセイナ達に会うなんて思わなかったぞ。っとこんな場合ではなかった。では本題に入ろうか?」 「そうね、早いとこ。…」 今まであった、カインたちのこと、ミツナのこと、たくさんあった。 しかし話してしまえば一時間ほどで終わってしまった。 「そうかぁ。言いにくいことだがヒドラは終わっただろうな。全面的に協力したいと我々は思う。よく頑張った。あとは私たち大人に任せてくれたまえ。」 この言葉を聞きカインはようやく生きた心地を味わった。 もうすでに夕方だった。 ここで二人は一度別れカインはセインに教えてもらったポケモンセンターで、一夜を明かすことになった。 「本当にこれでもう大丈夫なのか?なぁルカリオ。」 「そうであって欲しいです。」 「とにかく今日は疲れた。お休み。」 既に深い眠りについていた。 しかし、ヒドラもクレセに続き制圧されていた。 明日には全面戦争になるだろうとセインは思っていたが決して口にはせず、国家軍隊に連絡をいれその後は久しぶりの娘との再会で食事を楽しんでいた。 |
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