ぴくの〜ほかんこ

物語

【ぴくし〜のーと】 【ほかんこいちらん】 【みんなの感想】

【←まえの話】 【つぎの話→】

[132] 風になれ!2〜新たな仲間と共に〜

風のグラエナ #1★2004.01/05(月)18:03
第11話 ハルカ大ピンチ!

「あれー?クスノキさんどこー!?」
あたしは自転車を扱ぎながら右手で汗を拭った。
さっきからクスノキさんにデボンパーツを渡そうと思ってるのになかな
か見つからないのよぉ。
民家とかも探したけどね。
「クスノキさん、どこにいるか知りませんか?」
そこらへんのオヤジの前で自転車を止める。
「あー、クスノキさんは博物館の館長だよ。」
あたしが聞いているのはクスノキさんがどういう人かじゃなくて…。
でも、有力な手がかりだわ。ありがと、そこらへんのオヤジ。
あたしは博物館へ向かった。

「うぎゃぁっ!アクア団だらけ!」
あたしは博物館に入ってから硬直した。
アクア団がぞろぞろといるんだもん。
しかもその殆ど、いや全てがあたしが自転車で引いた奴。
皆自転車のタイヤの縦線が顔に入ってるもん。いや、体にもか。
「よお姉ちゃん…さっきは痛い目にあわせてくれたなあ。」
「う…こうなったら…プラッシュ!」
『何?』
プラスルのプラッシュを繰り出す。
「かるーくアクア団に電磁波よ。殺しちゃ駄目だからね。」
「お、おい止めろ!」
そんな事行っても時既に遅しよ、アクア団。
バリバリバリーっと思いっきりプラッシュがやったらアクア団、全員倒
れちゃった。
でもぴくぴく震えてるわ。
「大丈夫だよね?プラッシュ。」
『うん。だって皆震えてるもん。ちょっと痺れただけ。』
「よし、行くわよ。」
アクア団が何時来るか分からないからプラッシュを抱いて、あたしは2階へ上った。

「クスノキ館長!」
クスノキ館長発見。
だって博物館のバッジにしっかり”クスノキ館長”って書いてあるもんね。
「キミは…。」
「社長に頼まれてデボンパーツを届に来たハルカです。これでしょ?」
あたしはデボンパーツを渡そうとした…けど!
「そのパーツ、我々が頂くわ!」
「あー!アクア団…あんた幹部ね!」
「そういうこと。」
アクア団の幹部の♀が邪魔してきた。
「ちょっとあたしの旅の邪魔しないでよ、おばさん!」
「あーらおばさんですって?言ってくれるじゃない。私まだ25よ。」
幹部の眉がぴくっと動く。
「だって目じりに小じわが物凄くできてるもん。」
「黙りなさい!行くのよ、サメハダー!」
「ギャース!」
「サメハダー?プラッシュ、十万ボルト!」
『あううっ!』
「どうしたの、プラッシュ。」
「フフフ…これは敵のポケモンの”力”を吸い取る機械。つまりあ
なたのプラスルの力は…。」
「ええーっ!?レイス!」
あたしはプラッシュをグラエナのレイスに切り替えた。
「サメハダー!噛みつくのよ!」
サメハダーが噛みついてくる。
だけどレイスは交わして逆にサメハダーの背中に牙をたてた。
「…そのグラエナ、どうしてへたばらないの!?たいていのポケモ
ンはこの機械を使って10秒でへたばるのに…!」
「レイスは…あたしが1番最初に出会ったポケモン。一緒に苦しい
事もどんな事があっても一緒だったんだ!あたしのレイスが、そんな機
械如きに負けるわけ無い!レイス、シャドーボールよ!」
『はあっ!』
レイスのシャドーボールが見事炸裂する。
効果は今1つだけど…急所に当たったせいか、サメハダーは倒れた。
「レイス!」
その後に、レイスも前足をがっくり落とした。
機械の力だ。
「大丈夫?」
『ああ…大丈夫だ。』
「無理しないで。戻れレイス!」
「フフフ…わたくしをたおしたからって安心しない事よ。いくらあ
なたでも大多数は相手できないでしょ?」
「えぇっ!?」
周りには何とアクア団がぞろぞろと。
しかも全員幹部クラスよ!
「あなたがわたくし達の仲間になれば今なら幹部になれるわよ。それと
も、死ぬって分かっていて戦う?」
「あたしは…死なない!最後まで諦めてなるものか!全ポケモン達、
GO!」
あたしは全てのポケモンを繰り出した。
皆、絶対勝とうね!
ntmyzk009055.myzk.nt.adsl.ppp.infoweb.ne.jp
風のグラエナ #2★2004.01/02(金)19:39
第12話 レッド

「皆!自由に戦って!」
あたしはポケモン達に自由戦法をするように指示した。
何でかって?だって一人の女の子目掛けてアクア団が次々に襲ってくる
んだもん!
機械は壊したけどポケモン達はアクア団のポケモン達で手一杯。
「オラァっ!」
「離せぇっ!」
あたしの両腕を幹部♂が掴んだ。
くっ、身動き取れない!
しかも目の前で幹部♀が銃を構えてるし!
あたしまだ死にたくなーい!
「ハルカ、オマエのさい…。」
「これ以上言葉を続けるなっ!」
あたしは目の前の幹部♀に向かって思いっきり頭突きをして更に反動で
後ろの幹部♂にも頭突きをぶち込んだ。
「うぐっ!」
何とか解放されたけど頭物凄くいたぁーい!なんて言ってる場合じゃない!
「レイスー!」
グラエナのレイスを呼び出す。
『どうした?』
「レイス、皆にこれ渡して!フィラの実よ!」
『分かった。』
レイスの首にフィラの実が入った袋を括りつける。
レイスはあたしに迫り来るアクア団を軽くジャンプで超えて仲間の元へ。
あたしが必死にアクア団の中でもがいていると突然銃を突きつけられた。
「最後だ…。」
腕を掴まれる。
やだ、死にたくない。
もう体に力が入らなくて、頭突きすら出来なくなった。
「やめて!」
「さあ…。」
引金が引かれた…瞬間!」
「ピカ、十万ボルトだ!」
「ピカァッ!」
突然十万ボルトが飛んできて、あたしを殺そうとしたアクア団幹部が倒れた。
「!?」
「大丈夫か、お嬢さん。」
ピカチュウに10万ボルトを指示した人はアクア団を押しのけてあたし
の手を取った。
「ど、どうも。」
おや?この顔どっかで…。
もしや……!
『大丈夫か!?』
息せきってレイスが走ってきた。
「何とかね。あの人が助けてくれた。」
あたしはへたんと座り込んでレイスを撫でた。
足にも力が入らないんだもの。
「皆…無事?」
『フィラの実を皆に渡したけど…皆俺以外戦えなくなっちまった。
安全な場所に連れて行ったがな。』
「ふーん…。」
「ハッサム!メタルクロー!」
「サムッ!」
ポケモンを指示する声が聞こえる。
ヤバイ、あたしもう頭の中くらくらだよ。
『おいっ、ハルカ!ハルカ!』
もう意識が……。

「おろ?」
あたしは目が覚めた。
あれ?ここ天国?見た事ある壁…カイナシティのポケモンセンターだ!
『大丈夫か?』
お隣にはレイスが座っていた。
「何とかね。レイスが連れてきてくれたの?」
『いや。あの男が連れてきた。』
「ふーん…ところでその人さ、どっかで顔見た事無い?」
『うーむ…あ!あの顔は…!』
「もしや…!」
『「レッド!?」』
あたしはレイスと同時に叫んだ。
あのジョウトリーグ、いやジョウト&カントーチャンピオンのレッド!?
そうか、あたしレッドさんにあこがれてたんだ、そういえば。
あんな風に強いポケモンを大切にできるチャンピオンになりたいってね。
レッドさんが入ってきた。やば、さっきの叫びが聞こえてら。
「呼んだ?」
「あー…レッドさん?」
「そうだけど。」
ntmyzk009055.myzk.nt.adsl.ppp.infoweb.ne.jp
風のグラエナ #3☆2004.01/02(金)19:55
第13話 新たなる出発!

「レッドさんってあのジョウト&カントーチャンピオンのレッドさんで
すよねえ!?」
「そうだけど何か?」
「サイン下さい!」
色紙を構える。
いざサインプリーズ攻撃!
「まあ、いいけどね…。」
さらさら〜とレッドさんはサインをしてくれた。
「ありがとうございます!」
ありがとう、レッドさん!あたしこれ宝物にするね!大切にするね!
「ところで、レッドさんは何でここいるんですか?」
「ああ、アクア団とやらを排除にしに来てね。奴ら、海増やそうとかば
かげたこと企んでるから。」
「というと、旅の目的は一緒ですね!あたしもアクア団撲滅目指してる
んです!後ホウエンチャンピオン目指してます。」
「へえー…なら、キミ俺と一緒に旅しない?兆度道案内も必要だし
チャンピオン目指してるなら俺がポケモン見てやるから。」
「いいんですか!?」
「いいけど…。」
「是非っ!お願いしますっ!」
「そういえば君の名前、聞いてなかったな。」
「ハルカです。」
「じゃ、ハルカちゃん宜しく!」
「いや、別に呼び捨てでいいです…。」

「このグラエナはー…栄養状態は良しと。体もなかなか強いな。」
現在、110番道路。
レッドさんにポケモン見てもらってるの。
「体力もなかなか高そうだし…ハルカ、キミ育てるのうまいね。」
「オヤジにし込まれたもんでして。」

「よぉ、ハルカ!勝負しようぜ!」
ユウキが現われた。
「いいわよっ!」
フフ。レッドさんに教えてもらった事、生かしてやる!
その1、ポケモンを良く見ろ!
「あれ?そこの人は?」
「仲間。」
「ふーん…なら、ダブルバトルするか?そこの人もいれて。」
「いいですか?」
「いいけど。ダブルバトルってのは初めてだからやってみたいな。」
「いーよーっ!」
「よし…いけ、ラグラージ&オオスバメ!」
「いけぇっ!あたしの相棒のグラエナ・レイス!」
「いけっ!ピカ!」
ちなみに、ピカってのはレッドさんがピカチュウにつけたニックネーム。
「ラグラージ、ピカにマッドショット!オオスバメ、レイスに翼で撃つ!」
「ピカ!オオスバメに10万ボルト!」
「レイス、シャドーボールでマッドショットを破って!」
ドオオンとピカの方にマッドショットが飛んでくる。
けど、レイスがシャドーボールで撃破。
シャドーボールはそのままマッドショットを貫通してラグラージに直撃!
「オオスバメ!交わせ!」
オオスバメは10万ボルトを交わそうと体を傾けようとした。
けど、あたしのプラスルのプラッシュより速いピカの10万ボルトは見
事直撃!
「スバ〜。」
「ラグゥ…。」
「やるじゃん、ハルカ。」
「まーねっ!」
「じゃ、またどっかで会おうぜ!じゃーなー!」
ユウキは自転車で走って行った。
ntmyzk009055.myzk.nt.adsl.ppp.infoweb.ne.jp
風のグラエナ #4★2004.01/06(火)21:27
第14話 キンセツシティ・覚悟しろテッセン!

「ここがキンセツシティかぁ〜電気使いがいるって聞いた。」
「確かここにはテッセンと言う奴がジムリーダーらしい。」
「レッドさん詳しい♪」
すっかりチャンピオンとの旅に浮かれているあたし。
フフ、レッドさんに見てもらったらポケモン大分強くなったの!
「よお、姉ちゃん。俺らと遊ぼうよ♪」
「悪いが、退いてもらえませんか?」
酔っ払った男に道を阻まれる。
レッドさんが文句つけてもどかないつもりらしいわ。
ったく、あたし12歳よ。
12歳を狙うって事は余程価値が低い酔っ払いだわっ、ふんっ!
「プラッシュ。電磁波。」
『おっけー。』
プラスルのプラッシュに電磁波を指示する。
酔っ払いは動かなくなった。
「これでよしと。」
「おいおい…。」
「いいの。酔っ払いにはあれくらいやっておかないとね♪」

「ここがキンセツシティジムかー!それにしても…。」
「も?」
「電気が邪魔じゃーっ!」
バチバチって電気の壁が道を塞いでんの。
ったく、これがジムリーダーがする事か?普通。
「レッドさん。あたしめんどいから飛行ポケモンで飛んでく。」
「俺もそれがいいと思う。」
あたしはペリッパーのキャムに、レッドさんはピジョットに乗ってテッ
センさんの所へ。
「ちゃんと仕掛けをクリアしてから来い!」
「ちょっとねぇ、テッセンさん!あれ、ジムリーダーがやる事ですか!?
大体、ジムリーダーなら変な仕掛けつくって挑戦者困らせないで堂々と
勝負しろっつうの!」
「黙れ小娘が!」
「小娘じゃないもんハルカだもん!こう見えてもねぇっ、あたしはトウ
カシティジムリーダーセロリ…じゃなくてセンリの娘よ娘っ!この
単語分かる!?」
「分かるわい!わしを老いぼれと思っとるな!行くのじゃ、ライボルト
&レアコイル!」
「え!?ダブルバトル!?」
「そこの男も含めてじゃ!」
「そうなの?」
「ならこっちも電気タイプで勝負してやろう。ピカ、頼んだ。」
「プラスルプラッシュ、頼んだよ!」
「ライボルト、プラスルに電撃刃じゃ!レアコイルはピカチュウに10
万ボルト!」
「プラッシュ!電磁波でガードして!」
「ピカ、10万ボルトで迎え撃て。」
『はあっ!』
プラッシュは電磁波で壁を作って電撃刃のダメージを和らげた。
ピカはレアコイルの10万ボルトを見事押し切って大ダメージを食らわ
せていた。
「プラッシュ!必殺技サンダーストーム!」
『分かった!』
「ピカ、プラッシュの必殺技の手助けをしろ!」
サンダーストームってのはその名の通り電気の竜巻。
「いっけーっ!」
巨大なサンダーストームが出来る。
こんな形にするには”気”の力が必要になってくる。
「撃て!」
どっかーん!音が響いた。
うう、耳の鼓膜が破れるよう。
「プラッシュ、大丈夫?」
『うん。』
「ピカも無事か。」
「ピカチュウ。」
目の前には倒れたライボルトとレアコイルが。やったー、勝ったんだわ!
「なかなかやるのお、おぬし等。まさか付き合ってるとか?」
「そんなんじゃないです!」
拳を振り上げてわめくあたし。
レッドさん、良く平気でいられるなあ。
「では、ポケモンリーグの規定どおりこのバッジを渡そう!」
「バッジ、ゲットだぜ!」
ntmyzk009055.myzk.nt.adsl.ppp.infoweb.ne.jp
風のグラエナ #5☆2004.01/03(土)20:38
第15話 白銀色の魔 前半

あたし達は、空気が綺麗だし旅の休息…っつーことでシダケタウン
に来ていた。
そこに知り合いのミツル君がいるの。

「ミツル君!元気ぃ?」
「あ!ハルカさん!聞いてくださいよ、僕ハルカさんに内緒でポケモン
育ててたんですよ!」
「どれ?見せて?」
「ほら!サーナイトです!」
「フゥッ!」
「ほんとだー!かわいー!」
「ハルカさんのグラエナ…えっと確かレイスだったっけ、元気ですか?」
「うん。ボールの外に出して一緒に旅してるよ、ほら。」
『よっ!ミツル!』
「久しぶりだね、レイス。元気だった?」
『おうっ!』
「元気だったって言ってるよ。」
「ポケモンの言葉わかるんですか?」
「うん。前は何と無くだったけどデボン社の社長さんにインカムっての
を貰ってはっきり分かるようになったの。ミツル君もつけてみたら?」
「はい!」
ミツル君にインカムを貸してあげる。
「うわあ…サーナイトがずっと友達だよって言ってくれてる…。」
「良かったね。」
「あ、返しますインカム。これ売ってないんですか?」
「御免、まだ売られてないの。」
「そうですか…。」
「まあそんなにガッカリしないで。紹介しとくね、こちらレッドさん。」
「僕ミツルって言います。どうぞ宜しく。」
「宜しくな、ミツル。」

「ハルカさん、レッドさん。暫くここいたらどうですか?」
「んー…一泊してくかな?どうする?レッドさん。」
「俺は別に…。」
「はっきりしなよー!いっつも『俺は別に』じゃん!」
レッドさんは暫く考え込んで…?
「んじゃ、してくかな?いいんですか?おばさん。」
「いいのよ、ミツルも喜ぶし。」
「じゃあお言葉にあまえ…」
「伏せろハルカ!」
突然レッドさんがあたしを突き倒した。
それとほぼ同時に大きな地震が起きる。
「うわぁっ!」
『大丈夫か!?ハルカ!』
「あたしは大丈夫だよ、レイス!レッドさんは!?」
『無事だ!ミツル達も無事だぜ。』
ミツル君たちも大丈夫だったみたい。
揺れが収まって、あたし達は外に出た。
そしてあたし達が見たものは…。
「ミュウツー…手前!」
白銀色のポケモンがいた。
ntmyzk009055.myzk.nt.adsl.ppp.infoweb.ne.jp
風のグラエナ #6★2004.01/06(火)19:06
第16話 白銀色の魔 後半

「あれ…ミュウツーなの!?レッドさん!」
「そうだ…オマエも知っているだろう、ジョウト出身ならば。」
「知ってる…白銀色の魔…って皆は呼んでる…名前を口に
することすら皆恐れてるんだ…。」
その”白銀色の魔”があたし達の目の前にいる。
「ミュウツー…オマエなんでこんなところにいるんだ!」
レッドさんとミュウツーは何か因縁があるみたい…何で?
「フフ…私がかつて殺したというのに再び追ってきたのか。因縁深
い者よ。」
うわああ!ポケモンが喋ったぁっ!
「レッドさん…死んでたの!?」
「そういう事だ…後で詳しく話す。ミュウツー!何が目的だ!」
「ミュウツーは、我等と契約したのだよ…。」
「あーっ!あんたはアクア団リーダーアオギリ!」
アオギリがテレポートで現われた。
不敵な笑みを浮かべてる。
「ピカ、あいつに10万ボルトだ!」
「ピィーカァー!」
ピカチュウのピカ、充電開始。
「プラッシュ!こっちも10万ボルトの手伝いよ!」
プラスルのプラッシュを繰り出す。
『分かった。』
プラッシュも充電を始めた。
ミュウツーはじいっとしたままだ。
あたしとレッドさんは同時に叫んだ!
「Electric discharge!(放電!)」
「ピカ!放電しろ!」
あたしが何で英語で指示したかって?
英語で指示する時は「最大パワー」でって意味なの。
日本語で普通に「最大パワー」なんて叫んだら、相手が防御に回っちゃうもの。
だから相手に本気って事が分からないように英語で言えって親父にし込まれた。

砂埃が晴れた…。

「なんでっ!?最大パワーで放ったのに!?」
「前よりパワーアップしている…。」
レッドさんが歯軋りする。
”白銀色の魔”は強すぎる。
「フフフ…ミュウツーに叶うものはいない。」
「図鑑図鑑!」
オーキド博士に貰った図鑑を向ける。
≪ミュウツー 遺伝子ポケモン アメリカのギアナで発見されたミュウ
という生き物の睫に含まれていた遺伝子から人工的に作られた。その力
は殆どのポケモンを超えている。タイプ・エスパー。≫
「エスパーなら…レイス、調子はどう?」
『行けるぜ!』
グラエナのレイスにバトンタッチ!
「ピカ!もう一度…」
「ミュウツー!サイコキネシス第一波だ!」
うわあっ!サイコキネシスだ!
『ハルカ!』
レイスがあたしの盾になる。
悪タイプだから効かない。
これが常識の筈だった…。
これが常識の……!
「うわあっ!」
『ぐうっ!』
レイスが吹っ飛んできた。
聞いた事ある…ポケモンの力がある一定量を超えるとタイプの壁も
超えられるようになるって…!
『俺はまだ…戦える!』
「プラッシュは?」
『あたしは穴の中にいたから大丈夫だよ!』
「良かった…よし!皆!全力でGO!」
ntmyzk009055.myzk.nt.adsl.ppp.infoweb.ne.jp
風のグラエナ #7☆2004.01/03(土)21:45
第17話 白銀色の魔 最終編 死人レッド

「皆ぁっ!」
『うわあっ!』
あたしのポケモンは…必死に戦ってくれたけどついにグラエナのレ
イス以外戦えなくなっちゃった!
レッドさんのポケモンも現在ピカチュウのピカだけ。
「レイス!頑張って!」
何が何でも”白銀色の魔”の暴走を止めなきゃ!
「サイコキネシスをもう一発撃て。」
アオギリが指示する。
あー!撃たないでーっ!
「レイス!耐えて!」
『うぐぅっ!』
さっきよりずっと強いサイコキネシス。
レイスが吹っ飛んできた。
あたしも巻き込まれる。
「レイス…。」
『か…体が動かない…ぐあっ!』
レイスの体が宙に浮く。
苦しげにもがくレイス。
ピカも同じような状態。
「止めろ!」
レッドさんがミュウツーの暴走を食いとめようと走る。
だけどリフレクターに弾き返される。
「どうしよう…レイス!レイス!!」
「サーナイト!サイコパワーでレイス達を解放するんだ!」
「フゥッ!」
ガアアッと青い光が走ってレイス達が解放された。
「ミツル君!」
「サーナイトのボール、捜しててやっと見つかりました!遅くなってす
いません!」
「いいよ、別に!ありがと、レイス、最後の力を振り絞って!」
『おうっ!』
「ピカ。雷!」
「ピカァっ!」
「サーナイト!サイコキネシス!」
皆の全力がぶつかって行く――

「やれ。」

アオギリの言葉を、あたしはしっかり聞いた――

「うわあああああ!」
シダケタウンで超大爆発が起こった。
「大丈夫か?」
「レッドさん…動けん…。」
うわあ、あたし血塗れだよ、まじ。
「耐えろ、ミュウツーが逃げるぞ!」
12の女に言う台詞か…と思いつつレッドさんの肩を借りて立ちあがる。
「レイスは…?他の皆は倒れてから回収したけど…。」
「分からん。ピカも…。」
「あ、ハルカさん!大丈夫ですか!?」
「あ、ミツル君…大丈夫だった?」
「サーナイトが爆発寸前にサイコパワーで守ってくれましたから。サー
ナイトは無事です。」
「フゥ。」
「あのさ、レイスとピカ知らない?…うっ、いたたっ…。」
「サイコパワーで探してくれ、サーナイト。」
「フゥ。」
暫くして、サーナイトは右の方向を向いた。
「あっちにいるんだ!」
あたし達はそっちに向かった。
『ハルカ…無事だったか…。』
「レイス…生きてたんだ!良かったぁ!」
『ぐわあっ!飛びつくな!!』
「へへ、ごめんごめん。」
「ピカ、無事だったか。」
「ピカ。」
「ところでミュウツーは…。」
「行っちゃったみたいです。サーナイトがそう言ってます。」
「そうか。」
ntmyzk009055.myzk.nt.adsl.ppp.infoweb.ne.jp
風のグラエナ #8★2004.01/07(水)11:15
第18話 弔いの遠吠え

「おじさん!」
時は満月の出ている深夜頃。
あたし達は瓦礫の下に埋まった人達を必死に救出していた。
ミツル君のサーナイトの超能力で生気を探し出してもらってるの。
「ミツル…君…生きてた、か…。」
「大丈夫ですか?」
おじさんは血塗れだった。
そりゃあたしもだったよ。
でもあたしはそれほど重傷じゃなかった。
血も何とか止まったし、レッドさんが包帯巻いてくれたし。
だけど、おじさんは…あたしから見て、もう駄目だった。
『終りだな…。』
グラエナのレイスが言う。
「そんな…レイス、本当?」
『ああ…ポケモンには分かるよ、人間と違って勘が鋭いから。』
「おじさん!今助けますよ!サーナイト、サイコキネシスで瓦礫をどけ
るんだ!」
「フゥッ!」
サーナイトがサイコキネシスで瓦礫をどけていく。
「あたし達も…手伝おっか。」
『ああ。』
レイスとあたしも瓦礫をどけるのを手伝った。
そして…。
「おじさん!おじさぁん!」
「ミツル君…無事だったか…。」
「はい…大丈夫ですか?」
「私は…もう駄目だ…私の分…ま…で生き…てくれ…。」
おじさんは目を閉じてしまった。
「おじさぁぁん!」
「ミツル君…。」
ミツル君が泣くのを、見守る事しかあたし達には出来ることは無かったのだ。
「他の人、生きてるかもしれねぇから、俺達でやるか。」
「そだね。」
あたし達はとりあえず他の人を救出する事に。
サイコパワーが無くても、レイスの鼻があるから大丈夫。
「…ミチルさんたちも…。」
ミツル君にとって大切な存在だった人たちは…もう駄目だった。
「皆…駄目でしたか…。」
「ミツル君?」
気がついたらミツル君があたし達の後ろに来ていた。
「あはは…人間って無情なもんですね。あのアオギリとか言う奴は
人を殺して平気なんだから…。」
「…。」
「皆、消えてしまえば…こんな事無いんだ。」
ミツル君の体が不意に宙に浮いた。
「ヤバイ…負の感情が重なったら…!!!」
「そういうこと。」
突如”白銀色の魔”が現われた。
「フフ…この少年の”心”の支配は私が握った…。」
「何でそんな事するの!?」
”白銀色の魔”の目がすうっと細くなった…。
「私を利用するために、私を創り出した醜き人間に復讐する為だ…。」
”白銀色の魔”はテレポートを使ってミツル君、そしてサーナイトと共
に消えた。
『仕方ない。心の傷は癒えぬもの。』
レイスは傷ついた前足を舐めながら言った。
「人間…どういう存在なのかな?」
「俺も分からん…それが分からなくて、成仏することなくここに残
ってるのかもしれない…。」
レイスは高く積み重なった瓦礫の上に上ると、高く頭を上げて長く尾を
引く遠吠えを上げた。
弔いの遠吠えだ。
『シダケタウンの民よ…安らかに…。』
この日、1つの街が滅んだ。ポケナビに、シダケタウンっていう街は次
の日から表示されなくなった。
ntmyzk009055.myzk.nt.adsl.ppp.infoweb.ne.jp
[132]

このページは http://www1.interq.or.jp/kokke/pokemon/commu/story/132.htm のアーカイブです。

ぴくの〜ほかんこ