ぴくの〜ほかんこ

物語

【ぴくし〜のーと】 【ほかんこいちらん】 【みんなの感想】

[171] 天空☆

緑角 #1☆2004.01/27(火)16:08
プロローグ
 「なんで飛べなきゃいけないんだよっ!」
「偉そうにするなよ、空。フライゴンが飛べないなんて、あ・り・え・な・い・ん・だ・よ」
「なんだよ!斬、炎、水、草、雲…」
ここは、砂漠の東にある、精霊一族のみがくらせる精霊谷。空と呼ばれたフライゴンは、精霊谷の崖、下は湖のところにおいつめられている。
「なにするか、わかったろ?」
「は?」
「とぼけるんじゃねぇ!ここからつきおとすんだよ!」
「くやしかったら飛んでみろーいだ!はっはっは!!!」
「おらよ!」
「うあ!」
空は、ものすごいいきおいで、崖から落下した。
ふいに、その急行下が止まった。
「斬!空君に謝りなさい!我々精霊一族は、こんなんでは立派な精霊一族になれませんよ!」
「なんだと?頭おかしいんじゃねぇ?俺はこのままで立派な精霊一族で・す!飛べないほうが立派な精霊一族じゃねぇぜ!」
「斬!!!」
「は…はい…」
「謝りなさい!」
「なぁ―んちゃって!やだねぇ―っだ!ずらかれっ!」
斬達は、とんぼがえりをうって、行ってしまった。
「空君、ごめんね。うちの斬が…」
「…いいんです。進化にエネルギー不足だった僕が、わるいんです…」
「そんなことはないわ、空君」
「僕は、きらわれものだ!ナックラーの時はよく遊んだのに…なのに…なのに…飛べないんだ!飛べなきゃフライゴンじゃないんだ!」
「空君!まちなさい!」
空は、飛べなかった。歩くのが遅い精霊一族の血がながれていた空は、すぐ、斬の母親、花に追いつかれた。
しかし、花は、すぐ追いかけるのを止めた。
今、飛べばかんたんに追いつける。しかし、飛べない空は2足歩行の練習をせねばならない。
後から、花は空を見守った。また、斬達が来ると、今度こそ厄介になるからだ…
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緑角 #2☆2004.01/28(水)16:11
第1話 VSボーマンダ
「ボーマンダが来るぞーっ!」
斬の父親、石がそう叫びながら飛んできた。
そのころ、何も知らない空は、家で三枚の写真を見ていた。
一枚は、斬や草達といっしょにとった写真だ。
もちろんフライゴンではない。ビブラーバでもない。
ナックラー時代の写真で、今はあちこちが太陽に照らされ続け焼け焦げている。
空は、飛べないと言う事が判明した時から、斬達といっしょに遊べなくなった。
「空!いるか!?」
「誰?え…。斬!!?」
空はおどろいた。なんせ、もう最近遊ばないのに斬にたずねられることはなかった。
「どうしたの?斬。今頃訪ねてくるなんて、君らしくない」
「今はそんな事言ってる場合じゃないんだ!ボーマンダが来たぞ!精霊一族は皆逃げて、今は俺と空だけだ!父さんがまっている、早く行くぞ!」
「何故…?」
「いいから!乗れ!」
「あ、うん…」
空は軽かったので、大きい斬にとってはなんともなかった。
「斬!空君!こっちだ!」
石が、よんでいる。空をのせた斬が、ひゅっと石をとおりこし、砂漠をはなれた。
3頭くらいのボーマンダが追いかけてきた。
「れいとうビームっ!」
花がれいとうビームで一気に3頭のボーマンダを倒す。
「こっちよ!」
花が斬をつれ、空の真上に来て、追いかけてくるボーマンダを一気に倒してくれた。
「やばっ」
15回くらいこれをくりかえし、れいとうビームのPPがつきた。
30頭くらいボーマンダが来た。
「いくわよ!」
花が斬のくびすじをつかんだ。
空は、ふりおとされそうだったが、なんとかふんばった。
その間に、石がボーマンダを全員倒してくれた。
「よっしゃぁ!!!」
斬がガッツポーズをきめる。
「うわぁ!!」
空はふりおとされそうになった。
ちかくの陸地へ空は着地した。
「やったぁ!!」
フライゴン達は、いっせいに喜び、
「やったねやったね」
をくりかえすだけだった。
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緑角 #3☆2004.01/29(木)20:31
第2話 雲
「ふあぁ…。よく寝た…」
巣穴から、ひょこひょこと顔を出す空。空はいがいとのんきらしい。
「あれ…?何故にみずたまりが…?」
精霊谷には、たくさんのみずたまりがある。
「ああ、そうか。やけに巣穴がしめっていると思ったら…」
空が、手で巣穴を強く押す。すると、水がしみだしてきた。
「なんでだろう?」
いつもなら真面目なのに、のんきな空はとろとろと眠りそう。
空を見上げると良い天気。虹がかかっている。
「あ、なるほどぉ。夜中に雨が降ったのね」
そうぶつぶつ言いながら、空は、巣穴に帰る。
「写真見よっと」
また、3枚の写真を取り出す。
1枚は、第1話でボーマンダが来る前に空が見た写真。
1枚は、家族ととった写真。今は亡き両親のことを思いだすと、胸がつまるようになる。
最後の1枚は、空は見たくなかったのだが、無理をして見た。
自分の飛べないところ。空は、この写真を見るたび、飛べない自分を痛めつけたくなる―ような気がする。
「そういや、みずたまりあったっけ…」
「あるにきまってんだろ、雨降ったんだからよ」
「あ、そうか…て言うか雲!斬にひきつづきどうしたんだよ!」
「あのな…ボーマンダのやつらが来ただろ。その時、俺等の家族が、皆でボーマンダを倒す係になったんだ。そのため、俺等はりゅうせいのたきでまちぶせしないといけない。だからお別れをいいに来たんだ」
「でも…また、会えるよね?雲…」
「それが、無理かもしれないんだ」
「え…?どういう意味?」
「家族の皆が、ボーマンダのボスを倒す係をきめたんだ。それが、俺になったんだ。レベルが違いすぎるから、命を落とすことになるかもしれない」
「そう…。雲、ボスと戦って、絶対勝って帰ってきてね!」
「ああ…。できることは、やってみるさ…」
そういって、雲はりゅうせいのたきをめざし、飛んでいった。
しかし、悲しい知らせは、すぐとどいた。
「あのな…空。雲が…ボスに勝てず、やられたんだ…」
「え…」
「本当だ。…わかるな?ボスは、コイキングのように弱くはない。ギャラドスより強いんだ。それを、雲にやらせるから…」
「うそつき!」
「どうしたんだよ、空…」
「絶対勝って返ってくる、って約束したのに!雲のうそつき!」
「無理だったんだ、ボス倒しなんて。だがな、ボーマンダに勝てないやつは、友達じゃないもんな。はっはっはっはっは!」
「ひどいよ、斬!友達だったんだろ?友達を失って悲しくないのかよ…」
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緑角 #4☆2004.01/30(金)16:32
第3話 キボウノヒカリ
ある日、空の巣穴をたずねる者がでた。
「空、おるか?」
「長老!何の用ですか?」
「それが、もう、おぬしに教える時が来たのじゃ。今から教えるのは、精霊谷の滅亡の危機の時の話じゃ。
…1000年前。精霊谷は、りゅうせいのたきと激しい戦争をした。りゅうせいのたきがわは、流星の大きなパワーを見つけた。そのパワーを使い、にっくきりゅうせいのたきはフルパワーで戦って来たのじゃ。
そして、精霊谷は、りゅうせいのたきがわにかこまれ、わしの先祖達がもうだめだ、というときに、やつは来た。
英雄として、今もたたえられている、空、おまえの先祖だ」
「…!」
長老はそこまで言って、1呼吸おいて続きを話しはじめた。
「その英雄の名を、「キボウノヒカリ」と長く、漢字でもない、けったいな名前だった。キボウノヒカリは、普通のフライゴンとどこか違った。なにも、フライゴンなのに、だ」
「まさか…」
「そう、そのまさかだ。キボウノヒカリも飛べなかった。もうわかるだろう?空、おまえの先祖代々、飛べなかったのじゃ」
「なに…?」
「しかし、飛べないからこそ、あやつは不思議な力をつかうことができた。もちろん、おまえの他の先祖も、つかえた力じゃ」
「その力が、僕にもつかえるってこと?でも、つかえるとしてもどうしてこのことを話すの?」
「するどい。さよう、その力は、お前にもつかえる目をしておる。
…わしは占なった。何日も何日も。いつ戦争が起こるかわからんかったのだ。結果は、ついさっきでた。明日、戦争は起こる。そのときのため、おぬしに力をつかえるように…してほしいのじゃ。精霊谷は―」
長老は、指をくいっとした。
すると、他の精霊一族が出てきた。
「空にかかっている!!!」
長老は、目をつぶって、空が受け入れてくれることを祈った。
「…無理だ…」
「何故!?」
「どうしてだよ!?」
精霊一族はわめく。
「ばか!精霊一族がすめる良いところは、ここだけなんだぞッ!おまえしかできねぇんだ!」
そう叫んだのは、斬だった。
「無理だ…。長老、忘れましたか?僕の母上が、その力を封印したってこと…」
「え!?おまえの母さんが、その力を封印しただとッ!!?」
「本当ですか、長老!」
「…思い出した、空の先祖、家族のこと。今から話す、騒ぎを静めよ」
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緑角 #5★2004.01/31(土)10:05
第4話 戦争
「…ある日、精霊一族がなかったころじゃ。ナックラー、ビブラーバ、フライゴン達は、そのころ精霊谷を知らず、砂漠にすんでおった。
その何年も前、まだ生物が出来ておらんかった。その時から、緑色の卵はあったのじゃ。緑色の卵は、やがてひびがはいり、中からはキボウノヒカリが生まれたのじゃ。キボウノヒカリは、天空を睨み、フライゴンになってから大きな砂嵐をおこし、この世に混乱をもちいれた。
そして、その衝撃で、カイオーガ、グラードン、レックウザが生まれ、海と陸と空をつくりあげ、良い環境の中で、「人」が生まれ、「ポケモン」も生まれた。
すぐさま、ポケモン達は激しい戦争をはじめた。
おそらく、キボウノヒカリの砂嵐に影響しているんじゃろう。混乱していた。
その戦争の難易度は、簡単な順に、D、C、B、A、Sと並び、難易度は、
「S」じゃった!
あの忌まわしき先祖の記憶…空にもわかってほしいのじゃ。だから…だから…空、この戦争に参加せよ!そして、勝利を導け!!」
「精霊一族がなかったころ、砂漠とりゅうせいのたきが、戦争したって言う意味でしょ?砂漠はめちゃくちゃになって、もしりゅうせいのたきと精霊谷が戦えば、精霊谷が負けても砂漠は残るから、砂漠ですもうと言う計画なワケ?砂漠が戦えば、砂漠にある精霊谷もなくなるからそう言う計画をねっていたなんて、さすがですね、長老」
「そして、戦争には?」
「出ません!!!(キッパリ)」
「空…おまえらし…い…」
「空!でないと精霊谷は全滅じゃぁ!」
「へ―ぇ。僕の言ったことは全て外れてたのね。精霊谷が負けても砂漠は残っているから、砂漠ですもうって計画じゃなかったのねぇ。僕の方が頭良かったんじゃな〜いの?長老ちゃん?」
「う…うぐう…」
「僕は戦争に出ません!!!何故なら、戦争に出ても、ろくなことにならないから!!特に負けた時!」
「戦争に出て、少しだけでも精霊谷を守ろうって気はないのか…」
斬、大ショック。
「斬、それなら斬が戦争に出てみなよ」
「…遠慮しときます」
ガクガクブルブルの斬。
「もう戦争じゃ、みな、戦争はりゅうせいのたきで行われる、行くぞ」
「はっ」
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緑角 #6★2004.01/31(土)20:36
第5話 戦争2
「なんだかなぁ…。ひょっとして長老イカれてるんじゃ…」
むすっとふんぞりかえる空。
「ま、長老の言うことも一理あるし、てだすけしてこようっと♪」
「空…どっちだよ…」
「斬、ぐずぐずしないで行くよ!」
草や水まで楽しそうだ。
しかし、ハジツゲタウンまで行くと…
「ぐはっ!けはっけはっけはっ!ぐ…ぶはぁ!」
いきなり水が吐血し、落下した。
飛べないタツベイが、岩に隠れながらも水の腹を弓矢で射ぬいたのである。続いて、
「ぐ…がはぁ!がは…ぐは!!」
草は、尾、羽、首を射られた。図体が大きい草は、一変に3箇所に当たった。
「大丈夫!?水、草!」
空、斬、炎は水と草が落下したところに来た。
「空…斬…炎…逃げろ…早く…!」
「危ない!」
いきなり矢がこっちに飛んできた。
草が己の身を投げ捨て、仲間をかばった。
「草!」
「俺のことはどうでもいい…さぁ、早く…」
「そんな事できるか!ぐ…」
空の羽に矢が刺さった。
「俺は…仲間がやられるのをこれ以上見たくないだけだ…」
「…頑張れよ、草…」
「俺は、そうもたない…これでお別れだ…じゃあな、空、残、炎、水…」
「草…いきのびろよ…!生きてくれよぉ!」
「草というものは、花を咲かせ、やがて枯れ、ちるものだ…「草」という名をもつ俺は…そういう運命だ…!花を咲かせた時…君等と楽しく遊べた時のことだ…わかるな…?」
「わかったよ…だから…生きて…」
「逃げ…ろ……」
草は、それだけいって、静かに目を閉じた。その時、口元に小さな笑みをうかべた。
その時、水も同時に倒れ込み、心臓の音を止めた…
そして、草、水から、光り輝くフライゴンが2匹、天に上っていったような気がした…
「草…水…元気でな…」
強気な斬も、この時だけは、涙声だった。
次回は、最終回。そのかわり、またいつか作ります…
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緑角 #7☆2004.02/01(日)15:55
最終回 天空☆
「くそう、もうだめだ。逃げなきゃって…ぐぁぁぁ!!!」
炎の頭に、矢がささった。炎はどさっと倒れ、動いてくれなかった。
「…ちぃ…くそ、タツベイ、やるな。しかし、俺は違う!」
斬は、鞘からぱっと剣を抜き、岩の裏まで飛んで、タツベイを切りつけ続けた。
その途中、4、5本矢が背にあたった。
空にもささりそうだったが、斬が剣ではじきかえしてくれて、ささらなかった。
残は、がくっと岩にもたれかかるように倒れた。
「空…逃げてなかったのか…。ここは危険だ、見ろ…ボーマンダが来る…」
「乗れ!」
激しい言葉にびっくりしたが、2匹はすかさず乗った。
「この私を…石をお忘れかな?」
「父さん!ぼそ…てだすけはいらねぇのに」
「斬!!?せっかく助けてやったのに…」
「のに?」
「おまえも死に掛けだとはな…」
「父さんも、矢がいっぱいささったの?」
「見りゃわかるだろ…」
石は、地に落ちた。
その勢いに負け、斬は、亡くなった。
「だから…空君、おまえだけ逃げ、精霊一族の血を残してくれ…。もう、空君と私しか生きて…いない…。私は、もう行く…。だから…精霊一族の血…を…!残し…て…く……れ………」
「…わかりました…でも…僕には無理です…」
「力を…つかえ…。空君なら…できる…」
石はいなくなった。精霊一族は空だけだ。
「力…?」
空は、記憶がかすれてきた。先祖の記憶が、よみがえった。
まだ昔…1000年前の砂漠が、今ここにある…!
ドスッ!!!
「がはっ!!!」
「やっと倒した…。これで、精霊一族全滅だ!」
目の前には、ボーマンダがいる。
空は、恐る恐る、自分の胸を見た。
「がはっ!」
空は吐血した。空の心臓には、剣が刺さっていた。
空は…空は死んでしまった…
空のまわりを、赤いものが漂う…
…精霊一族は、亡くなった。
天空に、星がのぼった。
   天空☆ 終
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