ぴくの〜ほかんこ

物語

【ぴくし〜のーと】 【ほかんこいちらん】 【みんなの感想】

[20] SILVER BRANCH(リメイク版)

鋼彗☆β #1☆2003.07/14(月)22:57
前やってた小説をリメイクしました。
少し内容が変わるかも知れませんが(ヘボイ戦闘シーンetc.)、よろしくお願いします。

<プロローグ>

…2002年12月。タイプス地方の大きな盆地の中にある街、ストルシティ。
アサギジムリーダー・ミカンは、今日、この町のジムリーダーであり、友人でもあるホノミの家に来ていた。

午前11時。昼時。
「Trrrrr…」
広いリビングに、それと比例するかのような大きなベルの音が鳴った。
ホノミは慌てて電話に応対する。
ホノミ「もしもし。」
電話『もしもし、ダイゴだ。』
電話の相手は、ダイゴだった。
電話『ホノミちゃんだよね?』
ホノミ「はい。」
電話『今日は、要請があって電話したんだ。』
ダイゴは、ホノミに何か頼みごとがあるらしい。
電話『…君は、僕が所持する鋼の秘宝、シルバーブランチを知ってるかい?』
ダイゴは少し考えてから、こう話した。
ホノミ「はい。」
電話『実は…そのシルバーブランチが、アクアの連中に盗まれた!』
…ホノミは呆然とした。驚愕の気持ちで心がいっぱいになった。
ホノミ「それって…本当ですか?」
疑いの心が強くなり、思わず聞き返してしまった。
電話『ああ、言いにくいが、本当だ。』
…ホノミの口からは言葉が出ない。
ろれつが回らない気分になる。
自分も含む、鋼使いの秘宝が行方不明になったのだから…
今回はダイゴが責任を持って所持していたのだが…
ホノミはダイゴを恨みたくなった。一瞬だけ。
しかし、これは盗難なんだ…
そう思って、仕方ないという気持ちのほうが大きくなった。
ダイゴは用件を話し続ける。
電話『運良く投げた送信チップがアオギリのバンダナにくっついた。…行き先は、ストルの南西にあるエナガーの山だ。いま、パソコンから受信している。……だから、鋼使いである君に、ぜひ来て欲しい!』
この質問に、ホノミはOKした。
…盗難されたままじゃいけない。鋼使いである私たちが守らなければ。先祖代々守り続けてきた秘宝なんだ。
ホノミの意志は固い。

しかも、この登山にはミカンも同行することになった。
ミカン「同じ鋼使い、ホノミに同感…」
そう言って、意志を固めていた。

さあ、これからダイゴらの登山は始まる。
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鋼彗☆β #2☆2003.07/15(火)20:24
<第一話  FLYING>

翌日。ダイゴらはエナガーの麓へやってきた。
ダイゴをリーダーとした、命名「鋼の登山隊」。
シルバーブランチを見つけることのほかにも、指令はあった。
それはアオギリ及びアクア団を解散させること。
ほぼ不可能に近いこの指令だが、仮にやり遂げたなら一躍ヒーローになるに違いない。

この鋼の登山隊は、早速飛べる標高まで上昇する。
ミカン「ところで…ポケモンだと何mくらいまで飛べるんですか?」
ミカンがダイゴに聞く。
ダイゴ「せいぜい4000mといったところだろう。エナガーは標高8921m。だから…最低6000m近くは登らなくちゃいけない。」
ダイゴのすごい答えに驚愕する隊員。
ダイゴ「しかし、必ずしも頂上に隠したとはいえない。頂上じゃありきたりだからね。ばれやすいから、頂上に隠したという確率は低いとみてる。」
「チャ…」
そう言うなり、ダイゴはノートパソコンを取り出した。
画面には赤と青、二色の点が表示されている。
ホノミ「ダイゴさん、これは…?」
ダイゴ「受信装置だ。アオギリとシルバーブランチの両方に発信機をつけておいたって、昨日電話で話しただろ?」
ホノミ「ああ、あれですか!」
二色の点は、アオギリとシルバーブランチの足取りだったのだ。
ダイゴ「…今アオギリは6100m地点を下山中。ということは、6100より上に隠した可能性が高いな。」
ミカン「で、肝心のシルバーブランチは…?」
ダイゴ「……お、6200m地点の林の中だ。…きっと枝の上とか、崖の裾とか、そういう場所だろう。今は冬だから、雪の下というのも考えられる。」
ホノミ「雪の中でも壊れないんですか?」
ダイゴ「ああ。壊れない。デボンは優秀だからな。しかも耐水だ。平気。」
しかし、安心している場合ではない。
…雪が降り出した。
ダイゴ「雪か…まずいな。」
雪は徐々に吹雪になった。
もう飛行不可能。前が見えないという有様だ。
運良く2000m地点の山小屋を発見し、宿泊できた。
明日の登山は決行か、中止か…
不安なところである。
      <第一話・完>
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鋼彗☆β #3☆2003.07/18(金)10:38
<第二話 FINDING>

翌朝、午前5時半。
朝日が見えない。山小屋は、豪雪に埋もれてしまったのだ。
窓がミシミシいって、いつ割れてもおかしくないようだ。
いや、「よく耐えたな。」と言ったほうが妥当かもしれない。
ドアは当然、開かない。
登山隊一行は、雪の中の山小屋という密室に閉じ込められた…
ダイゴ「…これじゃあ登山どころじゃない。出られないんじゃなあ…」
「チャ…」
ダイゴがノートパソコンを開き、アオギリとシルバーブランチの場所を確認する。
しかし、その結果に不自然な点があった。
ダイゴ「…おかしい。何かがおかしい。シルバーブランチのありかが変わっている。」
なぜか、シルバーブランチのある場所が、6100m地点から、5900m地点まで下がっていたのだ。
シルバーブランチが勝手に歩いて下山するなんて事はない。
アオギリが運んだということも、ありえないわけじゃないが、80%ありえない。
…答えは1つ。
昨日の豪雪で、崖から落ちた…
一応ケースに守られているシルバーブランチ。
しかし200mもの崖から落ちたと推測すれば…
雪に埋もれているに違いない。
「もう少し上まで行けば、見つけ出せるはずだ。」
そう思っていた。
しかし、そんな甘い考えは通用しなかった。
ダイゴはここで致命的なミスを発見してしまった…
それは……
         <第二話・完>
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鋼彗☆β #4☆2003.07/20(日)22:22
<第三話  MISSTAKING>

ダイゴのミステイク。それは…

発信機をシルバーブランチ本体ではなく、ケースにつけていたのである。
つまり、箱を置いて、中身だけ盗まれた可能性もありうる。
もしそうだったら、見つけたとき灰になるだろう。
アオギリは賢い。だから、盗難の手口は多岐にわたる。
しかし、アオギリには発信機の存在は気づいていない…

ますますややこしくなる。
ケースの中にあるのか、ないのか…
アオギリの手に渡っているのか、いないのか…
今日は登山には出られない。
アオギリがこのまま下山したら、もしくは下山していたらどうするか…
隊員は悩む。悩み続ける。
ダイゴ「今日は登山に出られない。アオギリの位置は…」
ダイゴはアオギリの位置を確認する。
ダイゴ「…ダメだ。もう下山してしまった。今はもう、麓に着いている。」
アオギリは既にエナガーの麓へ戻っていた。

…賭けるしかない。賭けだ。
どちらに賭けるか。アオギリか、ケースか…
どちらも確率は50%といったところ。

…相談した結果、登山をすることにした。
ポイントは、「アオギリに発信機の存在が気づいているか」だ。
アオギリはほぼ必ずと言ってもいいほど、気づいていないはずだ。
ならば、ケースごと放置しても不自然じゃない。むしろ、中身を持って帰るのが不自然なのだ。
アオギリは、シルバーブランチが「純銀」ではなく、「桜の枝に銀をコーディングしたもの」だということを知っていたのだから…
どうせ高く売れないのだから…
鋼使い以外では無名で、ただの銀の枝にしか見えないのだから…

今日は登山を見合わせざるを得ない。
明日から登山に出る。
登山隊の健闘を祈る。
       <第三話・完>





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鋼彗☆β #5☆2003.07/23(水)13:23
<第4話 LEAVING >

翌朝5時…
昨日は見えなかった朝日が、まぶしく光る。
…快晴。雪は昨日に比べるとだいぶ溶け、ダイゴの腰の辺りまでしかない。
暑い。さえぎるものはなく、日差しがストレートに当たる。
今日は最高の登山日和だろう。

登山隊の現在地は2000m地点。4000mまでポケモンで飛べる。
3人はそれぞれのポケモンに乗り、上へ向かって飛ぶ。
山の東側にあった山小屋から、朝日を突き刺す様にまっすぐ上に飛ぶ。

3000m地点。空気が希薄になってきた。
呼吸が苦しくなってくる。
いったん地上に降りる。
ダイゴ「…空気が薄くなってきた。…そろそろ出そうか。」
ダイゴはそう言いつつ、モンスターボールの中から酸素マスクを取り出した。
ダイゴ「ほら、人数分ちゃんとある。酸素マスク。」
ダイゴはミカンとホノミに、それを渡した。
ミカン「そういえば…酸素が切れちゃったらどうするんですか?」
ダイゴ「平気。切れないようにたくさん作っておいたから。それでも足りなかったら…」
「ゴソ…」
今度はアタックザックの中をあさる。
ダイゴ「二酸化マンガンと過酸化水素水あるからさ、予備が。」
ダイゴは酸素切れも考慮して、こんなものまで持ってきていたのだ。
ダイゴ「この過酸化水素水は強力だよ。オキシドールとは呼べない。溶解度ギリギリまで溶かしたからね。」
しかし、またもやミス発見。
…二酸化マンガンが少なすぎる。
過酸化水素水に比べて、二酸化マンガンの量が足りない。
これでは、酸素は作れない。
ダイゴ、落胆。

そんなことは気にせずに、酸素マスクを付け、再び飛び立つ。
酸素マスクのお陰で、だいぶ楽になった。
アタックザックはモンスターボールに納めて、ボンベを背負う。

そして4000m地点。ここからは特殊な気体が充満していることと、希薄なため、自分の足で歩くしかない。
ダイゴ「…さあ、ファイト!!」
ダイゴが気合を入れる。

さあ、あと2000m。
登山隊は無事にシルバーブランチを持って帰ることができるのだろうか…
       <第4話・完>
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鋼彗☆β #6☆2003.07/25(金)13:42
<第5話  CLIMBING>

「ザッ…ザッ…」
翌朝午前5時。この日もよい天候に恵まれ、登山にはぴったしだろう。
昨夜登山隊一行はなんとか4800mまで登ってくることができた。
危険だと感じたがそこでキャンプをし、一夜を越すことができた。

「この調子で行けば、今日の午後には5900m地点に到達するだろう。」
3人はそう思っていた。
前向きな気持ちで登山に臨めば、早く着くんじゃないか。
酸素もたっぷりあり、いつでもチャージできる状態になっている。
コンディションは万全。

……1時間後。隊員にも疲れが見え始めたところだ。
ダイゴは一旦足を休め、岩に腰を下ろし、パソコン受信機を立ち上げた。
すると思いがけない実態が。
アオギリの行方を示す点が見当たらない。
「何かの故障か。」
ダイゴは一瞬だけそう思ったが、一発でその考えは覆された。
アオギリが発信機に気づいていた。
そういう考えしかない。
あの縦横5mm、厚さ2mmの小さなチップに、アオギリは気づいていたとする。
そしてそのチップをバンダナから取り外し、ハンマーか何かで破壊してしまった。
そうすれば、受信は不可能に決まっている。
ダイゴの苦労ととっさの判断は水の泡。
しかし、シルバーブランチを示す点は、変わらず5900m地点にあった。
問題は、「自分たちの勘」だ。
シルバーブランチが、発信機の付いたケースの中になかったら、今までの登山は砂漠に水を注いだようなものになってしまう。
一瞬不安がよぎる中、ダイゴらは15分ほど休息を取り、再出発した。

足取りが重くなってくる。しかし、苦しくはない。
隊員は10時には、5500mまで来ていた。
空気が希薄だ。しかし、酸素はまだ残っている。
過酸化水素水と二酸化マンガンもあるはずだ。
隊員はまだまだ余裕の表情。
休憩をこまめに取る。
ダイゴはもう一度受信機を立ち上げ、シルバーブランチの位置を確認した。
変わらず5900mの疎林の中にある。

正午。隊員は5890m地点まで登ってきた。
あと10mといいたいところ。
しかしその疎林は山の東側。今隊員は南側にいる。
植生が乏しい標高であるため、疎林はそこにしかない。
疎林といっても、木の高さはダイゴの背丈、177cmがやっとだろう。
隊員は探索に備えて昼食を多めに取る。

午後1時。探索開始。
疎林をくまなく探す。
疎林の面積は約1.5ha。余り広くはない。
なんせここ以外はコケも生えないほどの土壌だ。
3人は必死に探す。

そして1時間後。
ミカン「ああっ、これ!!」
ミカンが雪の中からケースを発見。
しかし、まだ喜んではいられない。
ミカンの手によって、ケースが開けられる。
ミカン「いっせーので開けるよ。…せーの!」
「ぱか!」

……呆然。
シルバーブランチはなかった。
きっとアオギリが持っていってしまったんだ。
全員そう思っていたとき、もうひとつの選択肢を、ホノミが思いついた。
…どこかに捨てられているんじゃないか。
もしくは、穴を掘って埋めたなども考えられる。
アオギリらは6100mまでは必ず行っている。最初は6100m地点に置かれていたのだから。
しかし、中身を持っていったのだから、発信機には気づいていると思う。
しかし、仮に気づいてなかったら、ダイゴらを惑わすためだろう…
どんどんややこしくなる。
網のように絡まっていく選択肢と謎…
シルバーブランチはいったいどこへ…

        <第5話・完>
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鋼彗☆β #7☆2003.07/27(日)10:53
<第六話  LOOKING FOR…>

「どこかに捨てられているんじゃないか。」
ホノミが出したこの意見が一番有力だ。
範囲はきっと、アオギリがこの山に登った最高点、6100m地点から、アクア団の本部があるミナモまでの間だ。
しかし、この山があるストルからミナモまでは、ジョウトをはさんで広い海洋がある。
またひとつ捨てられたとする場所が浮かんできた。
「海」だ。
海に捨てたとしたら、かなり見つけるのは困難だ。
しかし、シルバーブランチは枝。
浜辺に流されているかも知れない。
選択肢がどんどん増えてややこしくなる。

アオギリに付いていた発信機は壊され、シルバーブランチはケースの中になかった。
ますます困難な状態に…
隊員は捨てたとされる場所を絞った。
海。
海が一番広い。だから、だだっ広い海のど真ん中に捨てた、という可能性が高い。

アオギリが所持している、という意見は捨てられた。
なぜかというと…
犯人はアオギリだともうわかっている。
だから、被害者であるダイゴは犯人のアオギリを追ってくるに違いない。
ましてシルバーブランチはダイゴをはじめとする鋼使いに伝わる秘宝だ。熱心に追ってくるはずだ。
だから、見つかった時点でシルバーブランチを所持していたら、一発で奪われてしまう。ダイゴの実力はかなりのものだから。

海を探そう。
そう考えた隊員。
しかし、海といっても2つある。
タイプスとジョウトの間に広がるタイト海峡か、ジョウトとホウエンの間にある南ジョウト海か…
また、潮の流れも計算しなくてはならない。
一応このエナガー山にあると言う意見は捨てられた。
標的を海に絞る。

ダイゴが潮の流れをパソコンで調べる。
タイト海峡の潮は、ジョウトからタイプスに向かって流れている。
流れ着く可能性がある先は、タイプスの地方庁所在地フリル、少し奥に入ったウォレス、電気の都エルス、南の半島にあるダルク、そしてタイプスの東の最果てノムだ。
南ジョウト海だったら、潮の流れからすると、トクサネ、サイユウ、もしくはホウエンの南のロクオウ地方のコウミ、ヒイロ、キハダ、ハトバあたりのロクオウ北部に流れ着く。
範囲は広いが、探す。

ストルはタイプスのほぼ中央、フライパンのような広い盆地にある。一番近いのは、ダルクだ。
まずは下山し、ダルクへと向かう。
シルバーブランチの行方は…
        <第六話・完>
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鋼彗☆β #8☆2003.08/05(火)18:35
<第七話  LOOKING FOR DARC BEACH>

「キイイイイン…」
飛ぶ。風を切るように飛ぶ。

3人はシルバーブランチのありかを海もしくは浜辺と定めた。
まずはストルから一番近いダルクの浜辺を探す。

30分ほど経って、ストルから約15kmのダルクの浜に着いた。
…探すといっても、ダルクだけに限ったわけじゃない。
エルスやノム、フリルに引っかかった可能性もあるのだから。
おそらく都会でタイプスの地方庁所在地であるフリルだったら、もう折れている可能性が高い。
というか、絶対折れている。
エルスやノムもそれなりの都会。折れている可能性は高い。
しかし、ダイゴはこう言った。
ダイゴ「折れているも何も関係ない。今は探すことが一番なんだ。」
…これからは、ダイゴのシルバーブランチに対する執念が感じられる。

…午前午後一杯かけてダルクを探した。
当然、見つからない。
…ここでうっかりバカなことをしていたことに気づいた。

何でアオギリが持っているという意見を捨てたんだ。
アオギリと条件付勝負をして、ありかを教えてもらえばいいんじゃないか。
アオギリが持っているか、あるいは捨てたか、折ったか、燃やしたか…
そんなことも考えられるので、一番探すのに効率がいいじゃないか。
アオギリ本人に聞けばいいんじゃないか。
犯人に聞けばいいんじゃないか。
今日一日は砂漠に水を注いだようなものではないが、半・ぬかに釘状態だ。

高飛車に乗ったダイゴは、ミカンとホノミを引き連れてミナモのアジトに向かった。
ダイゴは考えた。
ダイゴは75%の確率でミナモのアジトにいるはずだ。
アクア団はロケット団のように大規模な結社ではない。
アジトもミナモだけのはずだ。
アオギリが外出中とかそういう時以外はアオギリはアジトにいる。
何かほかに企みでもあるのなら別だが…

そのとき、ダイゴの携帯電話に電話が。
ダイゴ「もしもし。」
これはフエンジムのアスナからの電話だった。
内容はかなり衝撃的なものだった。
アスナ『大変だ!炎の秘宝、ファイアーガーネットが何か…青い集団に盗まれたんだ!!』
ダイゴ「何だそれは…!!…あいつら…何を考えてるんだ…何をしようとしているんだ?!」

<第七話・完>
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鋼彗☆β #9☆2003.08/08(金)19:15
<第八話  HELPING>

ダイゴ「…何をしようとしているんだ?!」
アスナ『きっと…カイオーガの復活に違いない。』
アスナ曰く、アオギリは「カイオーガの復活のためだ」と言っているらしい。
ダイゴ「こっちも…鋼の秘宝、シルバーブランチを盗まれたんだ。その後タイプスのエナガーに登って、下りてきた…これが起点に違いないんだ。」
ダイゴは、アスナにシルバーブランチも盗まれたことを告げた。
そして、アスナは言った。
アスナ『…わかった。アオギリはやっぱりカイオーガのためだ。17の秘宝を集めて装置に設置し、力を使うつもり…今、アオギリはトクサネとルネとヒワマキにも行ったようだ。フウ君とランちゃんとミクリさん、ナギ姉さんも来ている。追ってきてる。…今アオギリはフエンにいたから!今きっとカナズミのツツジ姉さんの所に行くつもりだ!ダイゴさん、助けて!今すぐ!!』
助けを求めるアスナに、ダイゴは答えざるを得なかった。

3人は進路変更、カナズミに向かって飛ばした。
アスナと連絡を取りつつ、進む。
駆け引きが重要になってくる。

すると35分後、アスナからまた電話が来た。
アスナ『アオギリは今カナズミジムに入った!ダイゴさん、今何処に?!』
ダイゴ「…シダケの上空だ、もうすぐ着く。」
アオギリは既にカナズミに着き、ジムに侵入したという。
一方のカナズミジム。
「バタン!!」
アオギリはジムリーダーの部屋に入った。
入るなりツツジに襲い掛かる。
ツツジは悲鳴を上げる。
アスナ「何やってんだよ、セクハラ男!!」
ミクリ「さっさと宝を返せ!!」
フウ・ラン「そうだそうだー!!」
ナギ「言葉でダメなら、力を使いますよ!!」
5人はアオギリに催促する。
しかし、問答無用、何も言わずアオギリは金庫に向かった。
ツツジ「あっ…それは!!」
アオギリはなんと、一瞬にして金庫をこじ開けた。
…鍵も無いのに。
そして岩の秘宝「アイアンテンス」をさらっていこうとした。
しかし、
ダイゴ「やめろ!!さっさとそれを放せ!!」
ダイゴが助太刀にやってきた。
アオギリ「…ここまで追ってきたか、しつこい奴だ。」
そう言うなり、ユンゲラーの「テレポート」を使って逃げた。
アスナ「ああっ!!」
ダイゴ「なんと卑怯な奴だ!許せん!!」
部隊にはツツジも加わり、次に向かうと思われるトウカへ。
アオギリの野望を食い止めることは可能なのか…
<第八話・完>
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鋼彗☆β #10☆2003.09/23(火)13:27
しばらくぶりです。
小説が手についてませんでした。

<第九話  TELEPORTING>

アオギリは「失踪」。
ジムリーダーらは同音異義語の「疾走」。
ジムリーダーたちは、トウカに向かう途中のカナズミ南郊外で気づいた。
「そうだ、僕とランで『テレポート』を使ってトウカのジムに忍び込もう。」
フウは鋭い考えを提案した。
しかし、その考えは通用しなかった…

一方、アオギリの行方。
「…さあ、さっさと秘宝を渡せ!渡すんだ!!」
…どこかのジムでアオギリは怒鳴った。
そのジムのジムリーダーは腰が抜けて座り込んだ。
そして、アオギリは東の方角を向いてつぶやいた。
「…あいつら…私がここに来ているとは思うまい…考えが甘いな…あの連中よ…」
そういった後、アオギリは謎の器具を使って金庫をこじ開けた。
そして、秘宝を奪い去っていった…
「…コレで鋼、エスパー、岩、炎、飛行の秘宝は揃った…次はトウカだ!!」
そして更に、アオギリは失踪を始めた…

もう一方、フウの案を受け入れ、トウカで待ち伏せ中のジムリーダー達。
「…なんだって?!アオギリが秘宝を集めてる?!」
トウカジムリーダーのセンリは驚いて言った。
「そうなんです…私たちだけの目の前だけのことだと思ったら、違ったんです…ちょっと自分に劣情をあおられてしまいました…」
ミカンは言った。
「今はここにいないですけど、きっとアオギリもここに来るはずです!僕等を信じて待ってましょう!」
フウはそう言った…
「センリさん、あなたがノーマルタイプの秘宝を所持されているのですよね?」
アスナが言った。
「ああ。アカネみたいな新人には持たせてない。私が金庫の中に大事に保管している。」
センリは答えた。

…夕日が沈み、夜が更け、月が顔を出した頃。
このときジムリーダーらは待ちくたびれて眠っていた。
しかし…コレは致命的なミスにつながった…
<第九話・完>
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鋼彗☆β #11☆2003.10/15(水)19:01
<第十話  FORGETTING>

…深夜、丑三つ時。
…ダイゴ率いるジムリーダー防衛軍(命名・ダイゴ)の一員は、すっかり眠りに入っていた。

…そんな静かな夜、アオギリはトウカジムへの侵入を試みた。
ピッキングで鍵をこじ開ける。
トウカジムは結構開放的なジムで、ピッキングで鍵が開いてしまうのだ。
アオギリは足音を立てないようにジムの奥へと進んでいく。

…トレーナーはすべて帰宅していて、人気がない。
そしてアオギリはジムリーダーの部屋のドアを開ける…

(…しめたな。)
アオギリは声には出さないが、こう思っていた。
声に出したら、ダイゴらが目を覚ます可能性があるからだ。
アオギリは金庫へ忍び足で近づく。
しかし…
「…んお?」
センリが目を覚ました。
「…まずい!」
アオギリは叫んだ。
しかしこりずに、金庫を無理やりこじ開けようとする。
「待てッ!!」
センリは叫んだ。
そして、アオギリの背中に飛び乗る。
「…どうかしたんですか…?」
ほかの隊員らもセンリの声で目覚めた。
「金庫は絶対に開けさせないッ!」
そう言ってセンリは、アオギリに袈裟固めをかけた。
「…甘い。甘すぎるぞ、センリ…」
アオギリはポツリと言った。
すると…

強くドアが開けられた。
するとそこからは、アオギリの部下たちが…
「アクア団は…私ひとりではない…」
アオギリが呟いた。
アクア団の下っ端たちは、金庫をこじ開けようとした。
しかし、
「こちらもセンリさんひとりだけじゃないことを知れッ!」
ほかの隊員たちが取り押さえる。
静けさが漂う丑三つ時のトウカは、あっという間に戦場になった…

取っ組み合いが始まって30分が経った。
流石に両軍の隊員も疲れが見え始める。
しかし、防衛軍はアクア団にチャンスを与えてしまう…
「ああっ!!」
防衛軍のナギは一瞬の隙をつかれ、抜けられてしまった。
そして、金庫の中からノーマルタイプの秘宝「ブルーへマタイト」を奪った。
「…よくやった。」
アオギリは言った。
「…盗らせるかッ!!」
センリは叫び、秘宝を持った下っ端に飛び掛った。
「ボス、パスします!!」
その下っ端は、アオギリに向かって秘宝を投げた。
「あらよ!!…さあ、退散!!」
すると、アオギリはテレポートをして逃げた。
「…またやられた…」
ダイゴは悔やんだ。
アオギリの窃盗はまだ続く…

<第十話・完>


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鋼彗☆β #12☆2003.10/28(火)10:55
<最終話  BROKING>

…アオギリが逃げた先、そこは…
…ミナモのアジトだった。
実はアオギリ、センリから秘宝を奪った時点で、既に17すべてを集めきっていたのだ。

一方、秘宝を略奪されて呆然とするトウカジムにいる隊員ら。
「…やはり、また待ち伏せ作戦でいくか。」
ダイゴが提案した。
このトウカジムでは、いつかアオギリはやってくるはずだと、待ち伏せしていた。
じゃあ、ミナモのアジトで待ち伏せすればいいじゃないか。
もうこれ以外打つ手はない。
アオギリは目的達成のためにも、ミナモのアジトには必ず帰ってくるはずだ。
自分の案に賭け、隊員らはアオギリから一足遅れてミナモのアジトへ向かった。

…しかし、それはもう遅かった。
アジトに入った瞬間、突然地響きがした。
「…カイオーガが…目覚めてしまったんだ…」
ミクリが言った。
「しかし、まだ諦めたわけじゃない!装置を壊すぞ!」
ダイゴはそう言って、隊員らを先導する。

装置がある部屋についた。
「…何ッ、鍵が掛かってるじゃないか!」
ドアには当然、鍵が掛かっている。
「ここはドククラゲの溶解液で…」
ミクリはそう言って、スタンバイした。
そして、ドククラゲが溶解液を発した。
アクア団甘し、ドアは強酸性の液で見る見るうちに溶けていく。

「甘いなアオギリよ…」
ダイゴはつぶやき、部屋の中へ入った。
すると…
部屋の中には数人の下っ端が。
「どけ!邪魔だ!!」
ダイゴは言い、装置に手を出した。
「ミクリとセンリさんは下っ端の相手を頼む!ほかの人は手伝ってくれッ!!」
ダイゴは的確に指示をだした。
ミカン、ホノミ、ナギ、アスナ、ツツジ、フウ、ランの7人はダイゴをサポート。
ミクリ、センリは下っ端を効率よく倒していく。
「素手じゃ壊せません。ポケモンの力を借りましょう。」
頭脳明晰なフウが言った。
「早くしないと!アオギリが…カイオーガのゲットに成功してしまう!!」
ダイゴは焦る。
「フーディン!」
フウがまずスタンバイした。
「サイコキネシス最大出力!!」
フーディンは強烈なサイコキネシスを出した。
周りの人の頭もボーっとしてしまいそうだ。
それは実話、周りの人の頭の意識は薄れていった…

意識がもうろうとする中、爆発音が聞こえた。
そして、フーディンは自らサイコキネシスをやめた。
隊員らの意識も回復してくる。
「…壊れたか…?」
ダイゴはポツリと言った。
視力が回復してきたとき、装置が壊滅しているのを確認した。
そして、地響きや豪雨もやんだ。
カイオーガが、再び眠りに入ったのだ…

秘宝はすべて丸焦げになっていた。
シルバーブランチは…もう炭になっていた。
黒焦げになったシルバーブランチを、ミカンは手に取った。
「黒焦げになっちゃったね…シルバーブランチ。」
ミカンはそっとつぶやいた。
「…そういえば、最初は僕たちだけの話だと思ったけど、それはホウエン、ジョウト・カントーを巻き込んだ話だったなんて…一応、ジョウトのツクシやキョウさんには僕から伝えておく。…秘宝は丸焦げになっちゃったけど、アオギリの邪悪な野望は阻止したと。」
ダイゴは言い、黒く焦げた17の秘宝を寄せ集めた。
ノーマルの秘宝「ブルーへマタイト」。水の秘宝「ブルーバブラー」。炎の秘宝「ファイアーガーネット」。草の秘宝「ゴールデンブランチ」。地の秘宝「シルバーサンド。」電気の秘宝「イエローターコイズ」。空の秘宝「ビエントカルセドニー」。虫の秘宝「グローブブランチ」。エスパーの秘宝「オレンジオプシディアン」。毒の秘宝「パープルロック」。氷の秘宝「スタースノー」。岩の秘宝「アイアンテンス」。悪の秘宝「ブラックウイング」。格闘の秘宝「サンドタイガーアイ」。龍の秘宝「ドラゴンアイ」。ゴーストの秘宝「ソウルリーフ」。鋼の秘宝「シルバーブランチ」。
しかしよく見ると、一つだけ燃えていないものがあった。
水の秘宝「ブルーバブラー」だ。
きっとブルーバブラーは、水系のカイオーガを支援すべく、発動したのだろうと予測する。

アオギリの野望は阻止した。
しかし、気を抜いてはいられな
いつか歩む。青い平和の彼方へ…

<SILVER BRANCH・完>
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ぴくの〜ほかんこ