ぴくの〜ほかんこ

物語

【ぴくし〜のーと】 【ほかんこいちらん】 【みんなの感想】

[31] お兄ちゃんを探して

水風アズ #1★2004.08/24(火)15:32
第1話「イスズの旅立ち」

水の都の島。
ここには、秘密の花園があり、そこには
ラティオスとラティアスがこの島を守っている。
これは、そのおはなしです……。

水葉は、ラティ兄妹を守る、「守り族」の女の子。
ここには、ラティオスの「イスズ」と
ラティアスの「アスカ」が住んでいた。
あるとき、アスカの散歩の時。
「わあ、きれいだきゅ〜」
アスカの目の前に、白と薄黄緑色の、きれいな花。
「水葉さんに、おみやげだ」
アスカは花に夢中で、後ろのキレイハナに
気が付かなかった。
「お守りを、どうするつもりなのハナ」
花は、とても大事なナゾノ族のお守りだったのです。
とたんにアスカは、しびれごなを受けてしまいました。
「ゆるせないわあ」
「アスカ、ほんとに何もしてないの。許して」
「にくたらしい子ね。フン、こうしてやるわっ」
今度はどくのこな。
まひとどくをいっぺんに受けたら、死んでしまいます。
「アスカ」
イスズがやってきました。
どくのこなは、イスズにふりかかって、イスズは、
倒れてしまいました。
「お兄ちゃん!逃げよう」
倒れたイスズを乗せて、アスカは空を飛んでいきました。
        夜
その夜イスズは、考えました。
「オレは、アスカを助けたわけじゃない。
逆に、オレのほうが助けられたんだ。

そうだ、旅に出よう。オレがきちんとアスカを
助けられるまで」
イスズは、置き手紙をおいて、1匹、旅立ちました。
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水風アズ #2☆2003.08/04(月)16:19
第2話「アスカの冒険」

「アスカ大変、ちょっと起きて」
水葉が大声でアスカを呼んだ。
「ええっ、お兄ちゃんが」
「きっと昨日のこと、気にしてるんだわ。
ねぇアスカ、イスズを探しに行きましょう」
いま、例のイスズの置き手紙が読まれていた。
<アスカ、そして水葉さん。
オレ、旅に出ようと思います。
行き先は、とりあえずジョウト地方です。
強くなったら帰るよ。元気でな!
         イスズより>
「うえん、やだよ。お兄ちゃ〜ん」
「じゃあさ、だから探しに行こうよ。
アスカは、イスズとは離れてちゃいけないんだよ」
「イスズお兄ちゃん……、大好き♪
だから、アスカも、何があってもお兄ちゃんを
見つけてみせるの」
「よし、決まり!
アスカ、わたしのポケモンも、お供するよ。
アチャモ♀のサーラ、ベイリーフ♀のリーファ、
イーブイ♂のシード、サーナイト♀のティアラ、
チルタリス♂のツバサ、これにアスカを入れて、
わたしのポケモンは全部で6匹よ」
夜になりました。
アスカは考えます。
「お兄ちゃん…。
アスカを助けられなかったこと、かなり気にしてるんだ。
アスカ、なにも気にしてないのに。
お兄ちゃんのバカ……」


朝。
「アスカ!出発するよ」
「まって、水葉さん〜」
こうして、アスカの大冒険は始まったのであった!
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水風アズ #3☆2003.08/04(月)16:21
第3話「華麗なるトリプルバトル」

水葉は、親友のオルミの父の船に乗せてもらっていた。
アスカは、ラティアス専用の赤い「アスアスボール」の中で
静かに眠っていた。
水葉が席に座っていると、3人の女の子がやって来た。
「あなた、もしかしてトレーナーさん?」
いちばん小さそうな女の子が言った。
「あたし、すずです。三つ子の末っ子なの。
それで、いちばん右が、るずお姉ちゃん。
真ん中が、ゆずお姉ちゃんです。」
「こんにちは、ゆずです。三つ子の真ん中よ。」
「るずです。いちばん上よ。あなたには
トリプルバトルをやってもらいたいの。
3匹VS3匹でやってもらうバトルよ。」
「るずさん、いいわよ。
わたし、3匹出せばいいのね。
リーファ!シード!!」
ベイリーフ♀のリーファと、イーブイ♂のシードが出た。
「あと1匹は……。」
水葉は、はっとした。
「アスカ、いい?」
「わかりました、水葉さん。」
「じゃあ、アスカ!」
三つ子はビックリした。
「ラ、ラ、ラティアス!?」
るずは、
「はぁ、ビックリした。
いけ、トカちゃんっ。」
と言って、ヒトカゲ♀を出した。
ゆずは、
「はぁ、ドキドキした。
いけ、チコちゃんっ。」
と言って、チコリータ♀を出した。
すずは、
「はぁ、何でそんなの持ってるの?
いけ、ゴロちゃんっ。」
と言って、ミズゴロウ♂を出した。
「さぁ、トリプルバトルの開始よ。」
すばやさは、水葉のシードが一番だった。
「シード、チコちゃんにでんこうせっか!」
「ブイっ!」
「チッコ。」
「次はこっちね。ゴロちゃん、リーファにずつき!」
「ミズズ。」
「リー…。」
こうして、るず&ゆず&すずVS水葉の、
トリプルバトルは始まった。
「アスカ!えっと……。
チコちゃんにそらをとぶ!
それから、リーファ!
トカちゃんにどくのこな!」
「アスカ、がんばる。」
「リーフ!」
トカちゃんは毒をあびた!
アスカは大空に舞い上がった!!
「トカちゃん、リーファに「だいもんじ」よ!」
思わぬ攻撃。
効果は抜群だ!
「リ……。」
リーファは「ひんし」した★
「リーファ!」
そのとき、リーファの「かたき」のように、
大空を舞い上がっていたアスカがチコちゃんに
上空から攻撃した!
「チコチコッ。」
「チコちゃん!」
チコちゃんは「ひんし」した☆
「ゴロちゃん!アスカにみずでっぽう!」
しかし、ドラゴンタイプのアスカに、
水の攻撃はいまひとつ。
「トカちゃん!アスカにかえんほうしゃ!」
「るず姉ちゃん、頑張って。」
こちらもアスカにはいまひとつ。
「シード!トカちゃんにすてみタックル!」
トカちゃんの体力は少し残った。
ところが、リーファから受けていた「どく」のせいで、
トカちゃんは「ひんし」した☆☆
「あとは、すずのゴロちゃんだけよ。」
「すず、ゴロちゃん。頑張って!」
「うん、ありがと。
ゴロちゃん、シードにれいとうビームよ。」
またまた思わぬ攻撃。
そのとき「とくぼう」が低かった
シードは「ひんし」した★★
これで、アスカVSゴロちゃんになった。
「いくのよ、アスカ。
とっしんよ。」
「アスカ、前よりもっと頑張るね。」
そう言ったアスカは、ゴロちゃん向かってとっしん。
アスカのほうも痛いほど威力が強かった。
「ゴロロロロロ……。」
ゴロちゃん、「ひんし」した☆☆☆
これで、水葉の完全勝利は決まった。
「やったね、アスカ。」
「うん。」
そのとき、ゆずがやって来た。
「水葉ちゃんのラティアス強いね!
アスカってニックネームもいいね♪
そうだ、アスカに、これあげて。
あたし達が強いと思ったポケモンにあげてた黄色リボンと、
めずらしいな、と思ったポケモンにあげてた緑リボンよ。」
「うわぁ、ありがとう。
よかったね、アスカ。」
そのとき、放送で
<みなさん、お疲れ様でした。
まもなく、ジョウト地方に到着します。>
と流れた。
「イスズがいるジョウトだよ、アスカ。
やっとお兄ちゃんに会えるね。」
「わあい。」
         
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水風アズ #4★2003.08/04(月)16:35
第4話「夢見る アゲハント」

水葉たちはアサギシティに着いてから、
ポケモンセンターで休んでいた。
ポケモンたちもアスカも水葉も、
全員、体力回復です。
ゆずからもらった2つのリボンを、
アスカは嬉しそうに見ていた。
「ねえねえ水葉さん。
あのバトルで勝って、アスカ強くなったよね?」
「強くなったよ。」
「だから、これからはイスズお兄ちゃんが
アスカのこと守るだけじゃなくて、アスカも
イスズお兄ちゃんを守れるかなぁ。」
「うん、守れるよきっと。アスカがイスズを
守りたい、って思ったら、もう守れるよ。」
「そうかぁ、よかった。」
そのとき、ジョーイさんの声がした。
「そのポケモン、ホウエンから来たんでしょ。
心が不安で、飛べないんじゃないのかな?
ね、ユウくん。」
「でも、ラードは、ホウエンを旅してたときも
飛べなかったんだ。俺にはラードとキピピだけだから、
どうしても飛んでほしいんだ。」
水葉は、ちょっとかわいそうになって、
「どうしたのかな?」
と声をかけた。
それからしばらくして、アサギ市立公園で。
「わたし、水葉。」
「俺、ユウ。
アゲハント♂のラード、バタフリー♀のキピピだよ。
そいえば、水葉さんは、ここで生まれたの?」
「ううん。違うよ。
この子の兄ちゃんが黙って
修行の旅に出ちゃったから、探してるの。
出ておいで、アスカ。」
「ユウくんっきゅ?
よろいくおねがいするっきゅ。」
「わわっ、これってラティアスだよね。
だとすると、ラティオスを探してんのか。」
「それはそうと、どうしてこまっていたの?」
ユウは、少し淋しそうに話し始めた。
「俺のポケモン、ラードとキピピ。
ラードのほうは、生まれたときに、
ものすごい突風を受けて、右の翼が
ちょっとだけ折れちゃったんだ。
それで、ラードは飛べなくて。」
「だから、こまってたのね。
そうだ。ラードにポケモン達の飛ぶところ、
見せてあげたらどうかしら。」
「うん、じゃあ、キピピ。
ラードに飛ぶところを見せてあげてくれよ。
ラードもでてくれ。」
「フリィィィ!」
「ハント!」
「ツバサ、サーラ、アスカ!
空を飛んで見せてあげて。」
「キュロウ!」
「チャモモモ!」
「うん!」
ラードの上、4匹のポケモン達が華麗に空を舞う。
つられてラードも飛びそうになったが、右があがらない。
「そうだ!リーファ。」
「リィィ!」
「あのね、ゴニョニョニョニョ。」
「リ!」
「さあ行って、リーファ。」
水葉が何かを思いついて、リーファに頼んだ。
リーファはサーラと一緒に、木のツルのブランコを
つくり始めたようだ!
「さぁ、ラード!あのブランコに乗って。」
ユウも分かったように、
「ひこうポケモンたちは、少しづつ
ブランコのツルを上げて。」
アスカとキピピとツバサが上げるブランコに、
ラードが乗った。
ブランコに向かって風が吹き、ラードが気持ちよさそう。
さぁ、そのときのこと。
「ハント〜!!」
ラードがはばたいた。
少しづつゆらゆらしながらも、ラードが、
ゆっくりゆっくりと、ユウのもとへ降りていく。
「ラード、やったぁ。」
夕方。
「手伝ってくれて、ありがとう。
お礼に、ラードとキピピのタマゴをあげるよ。」
「ありがとう。」
そう言って、水葉たちは、旅を続けるのであった。
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水風アズ #5★2003.08/04(月)16:32
第5話「友情の輪」

アスカは、体を透明にして飛ぶことができるポケモンだ。
水葉たち一行は、透明なアスカに乗って、
エンジュの上を飛びまわっていた。
ふと、向こうに黄緑&水色の光が見えたとき、
アスカが声をあげた。
「ステイシー!
キュラ!!」
「あっ。
ラティアスちゃん☆」
「アスカちゃんよ、
何度言ったらわかるの、ステイシー。」
「いいじゃん、ラティアスちゃんで…。」
「アスカの知り合い?」
水葉が聞いた。
「青いミュウのステイシーと、
セレビィのキュラっきゅ。
幻のポケモンには性別がない、と
ヒトは言っているっきゅけど、
ホントはステイシーが男の子、
キュラが女の子なんだっきゅ♪」
「ふうん、よろしくね…。
あ、あれ、プラスルとマイナンじゃない?」
「ああ、これね、プラスル♀のオレンジと
マイナン♀のメロン。
ホウエンから間違えてこっちに来てしまって、
迷子になって泣いてたのを連れてきたのよ。」
「プラ…。」
「マイマイッ。」
「かわいそう。
イスズを探したあと、ホウエンに
連れて帰ってあげようか。」
「賛成、っきゅ」
「あれ?
イスズって、ラティアスちゃんのお兄ちゃんの、
ラティオス君じゃなかったっけ。」
ステイシーが不思議そうにアスカを見つめた。
「お兄ちゃん、ひとりで修行の旅に行ってしまったのだっきゅ。
アスカをカンペキにひとりで守れるように。」
アスカの瞳から、小さな小さな涙のかけらが一粒ポロリ。
「なんか感動するわねぇ。
あたし達も手伝うわ、イスズ君のこと。
なにかあったら、アスカちゃん達を探して言うから。」
オレンジは「プララ!」
メロンは「マイ〜。」
「ありがとうっきゅ。
ホントありがとうっきゅぅ…。」
「アスカ、泣かなくていいよ。
ステイシー君も、キュラちゃんも、
わたしも、サーラも、ツバサも、
リーファも、シードも、ティアラも。
そしてイスズ兄ちゃんも…!
みんないるんだから。
みんなトモダチなんだから。
みんなアスカのこと
大好きなんだからぁ〜〜〜〜〜………。」
水葉まで大粒の涙で泣いた。
アスカも泣いていた…。
そこにいた全員、
もう泣いてしまった………!

こうして、水葉とアスカたちの友情の輪は、
いつまでも限りなく広がっていくのでした。
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水風アズ #6☆2003.08/05(火)14:21
第6話「優しい心のキャタピー」

アスカをアスアスボールに入れて、水葉たちは、
キキョウシティからワカバタウンに向かう
道のりを歩いていた。
水葉の父さんは進化の石の研究者で、
ワカバタウンのポケモン博士・ウツギとも
よく出かけていた。
父さんは、ウツギ博士に
ラティ兄妹の話なんかもよく話していた。
誰にも話さない、という約束で。
だから、ウツギ博士のところに行けば、
イスズを見つけ出す道具なんかを
貸してくれるかもしれないのだ。

突然、水葉のリュックが動いた。
水葉が見てみると、しばらく前に、
ユウからもらったタマゴが生まれそうだ。
「みんな、出てきて!生まれるよ。」
ポケモンたちも出てきて、タマゴを見ていた。
そして、「キャタ〜!」という鳴き声と共に、
オレンジ色のキャタピーが生まれた。
「きゃっ。キャタピー!」
オレンジ色というのは、このキャタピーの
お父さんであるラードがアゲハントだから、
その遺伝を受けたのだ。
水葉は、手のひらにちょこんと乗る、
生まれたばかりのキャタピーを見て、
(可愛いvv)と思った。
そのキャタピーは、『キィ』と命名された。

それからしばらく、水葉とアスカや、キィや、
ポケモンたちの楽しい旅が続いた。

ある朝、水葉が目を覚ますと、水葉に
すっかりなついてしまったキィが、
水葉の上に乗っている。
そして、嬉しさの表現に、頭の角を
ニョキっと出した。
その匂いにはもう慣れた、とはいえ、
角は、少し毒がある。
「きゃあ。キィ、あぶないじゃない!」

あの日から、水葉は、キィを嫌うようになった。
いつもポケモンたちにキィを遊ばせて、
自分には近づかせなかった。
キィは赤ちゃんだから、
そのことがわかっていないらしく、
ポケモンたちと楽しく遊んでいた。

ある日、水葉が目を覚ますと、キィがいない。
「ね、みんな、キィは?」
「それが、いなくなっちゃったっきゅ。」と、アスカ。
そのとき、「ピィ〜!」とキィの声。
「キィ!」
それまで嫌っていたはずなのに、水葉は、
オレンジ色のキャタピー・キィがいとおしく思えた。

キィの姿が見えたころ、近くに、3人の少女が見えた。
「あんたたち、キィに何をしているの!」
「あら、これ、あなたのキャタピー?
気持ち悪いのよ、勝手に、この辺散歩させないでよっ。
しかもオレンジ色なんかして、気色悪い。」
「ピィ……。」
「あんた、キィに何言うのよ!ぜったい許さないわよ。」
「あら、やるつもり?」
3人のなかのボスみたいなのが、フシギソウを出してきた。
「ソウちゃん、あの女に、はっぱカッターよ。」
「フシッ!」
水葉に向かって、鋭い葉がとんできた。
「きゃ〜っ!!」
「キャタッ。」
水葉がそっと目を開いてみると、なんと、
キィがはっぱカッターを受けて、傷ついていた。
「キィ!なんで、あたしの前に立ったの?」
「ピピィ〜……。」
「あんたたち!もう怒ったわ!!
キィ、いとをはく。」
「ピ!」
キィの出した真っ白な糸は、キィの心の中の世界が
綺麗であることを表現していた。
糸は、汚い心の持ち主の少女3人と
フシギソウを包みあげた。
「ピィ、たいあたりっ。」
「ピィィ〜!!」
4つの糸玉は、空高く飛んでいった。

夕方、突然キィの姿が青く光った。
「キィ、どうしたの?」
「ピ…。」
さっきの戦いで、ピィは急激にレベルアップしたのだ。
1回、キィの変化が止まると、
キィはトランセルになっていた。
「キィ!」
トランセルのキィは、今度は緑色に光り始め、
やがて変化が止まったとき、キィは空を飛んでいた。
「キィ、やったね!
可愛くて綺麗な、バタフリーになってるよ!!」

こうして、オレンジ色をした、心優しいキャタピーは、
心の中と同じように、綺麗な綺麗なバタフリーになって、
いつまでも水葉たちと一緒にいたとさ。
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水風アズ #7★2004.01/26(月)18:07
第7話 『お兄ちゃんを見かけて』

「アスカちゃーん!水葉さーん!大変よ!!」
セレビィの女の子・キュラと、ミュウの男の子・ステイシーが
慌てて飛んできたのは、ある穏やかな朝だった。
「ラティオスくんが…、イスズくんが見つかったのよ!」
「お兄ちゃんが?どこで!?」
「2匹で散歩してたら見つけたんだ。伝説の3匹と一緒だった!」
「伝説の3匹って、あの、エンテイ・ライコウ・スイクン?」
「そう。エンテイはかえんぐるま・ライコウはスパーク・
スイクンはバブルこうせんで、イスズくんとバトルしてた。
3vs1だったよ。3匹は、みんな野生のポケモン。
でも、そのあと、イスズくんのラスターバージっていうワザで、
辺りが光って、4匹ともいなくなっちゃったよ。」
「お兄ちゃん……。無事だったんだ!」
ステイシーとキュラは、その場所へ連れていってくれた。

そこは、岩々がつき立つ、緑のない山の奥だった。
そこへ、小さな足音。
「アスカ……。アスカなのかい?
それに水葉さん、キュラ、ステイシー…。」
「お兄ちゃん?イスズお兄ちゃん??」
以外な展開。水葉たち一行は、
ついに目的であるイスズとの再開を達成した。
「危険だ。あぶない!ふせて!!」
イスズは水葉たちをそばにあった洞窟に追いやると、
「どこだ?どこにいる??出てこい!
エンテイ・ライコウ・スイクン!!」
と叫んだ。すると、向こうから、
「見つけたぞ、ラティオス!あっちのラティアスたちは
おまえの仲間だな。かえんほうしゃ!!」
火炎がアスカを狙った。
「ミラーコート!」
イスズのミラーコートが、火炎をはね返した。
火炎はライコウに当たった。
「やったな。では、かみなり!」
「あっ。アスカ!」
雷はアスカに命中した。
イスズのミラーコートが、少し遅れて出てきた。
「イスズ……、お兄ちゃん………。」

「なんてことだ!アスカ!!」
アスカが、ライコウの「かみなり」を受けてしまった。
ものすごくひどい「まひ」状態にいる。
「ライコウ、なんてことを。
このラティアスは、僕の妹の、アスカだ。
…怒った。怒ったぞ。」
「ほう…。怒ったとな?
怒ったからといって、何をするつもりだ?」
「何っていわれたって、攻撃しかないだろう?
最強ラスターバージ!アスカを攻撃した罰だ!!」
ものすごい光が爆発し、霧となった。
そこには、もう、
エンテイ・ライコウ・スイクンもいなかった。
そして、イスズも……。
1枚のメモが落ちていた。
ラティオスとラティアスが描かれているメモ。
イスズからのものなのだと、アスカは気付いた。

アスカは、ひどい「まひ」状態のなかで、
必死になって、イスズがメモにこめた「想い」を読んだ。
<水葉さん、ステイシー、キュラ、
そして、僕の最愛の妹・アスカに伝えます。
今日のライコウの「かみなり」…。
ものすごい威力でした。
今日は『暴雷雲』がこの山に近づく日だったんだ。
『暴雷雲』は、電気の威力を最大にまで上げる雲…。
そのチカラのこもった「かみなり」を、
アスカが受けてしまった……。
僕のミラーコートが、もっと早く効いていれば…。
僕はまた、アスカを守れませんでした。
なので、今度はホウエン地方に旅に出よう、と思います。
アスカは、早く「まひ」を治してもらって、家に帰るんだよ。
僕は、ずっとアスカの「お兄ちゃん」だから。
                       イスズより>
「イスズお兄ちゃん…。」

「どうするの、アスカ。
イスズを追いかけるの、やめるの?」
水葉が聞くと、アスカは、
「そんなわけないっきゅ。
アスカも、<ずっとイスズお兄ちゃんの『妹』>っきゅよ。」
「そっか。
じゃ、ホウエンに向けて出発〜!」
…というわけで、水葉たちとアスカの「イスズ探しの旅」は、
まだ終わらないみたいです。
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水風アズ #8★2004.06/26(土)14:29
第8話 『お兄ちゃんの思い出』

ホウエンに向かう途中。
もう、夜で、空は紺色をしていました。
高速船マリン号の中で、水葉たちは寝ています。
アスカも、ボールの中で、夢をみていました…。

(あれ?ここはどこだっきゅ?
アスカの体が半透明だっきゅ…。)
ちょっと茶色に似た、ピンクのお花畑。
目の前に、仲の良いポケモンの兄妹がいた。
(あ、あれ、アスカのちっちゃいときだっきゅ。
じゃあ、隣にいるのは、イスズお兄ちゃんかっきゅ?
…そっか!
アスカは、自分がちっちゃいときの時間に、
遊びに来てるんだっきゅ。)
アスカの目の前にいる2匹は、
笑いながら、お花畑中を駆け回っていた。
すると、妹が、大きな木にぶつかってしまった。
<大丈夫か、アスカ?>
<平気だっきゅよ、お兄ちゃん。>
(ちっちゃいときのアスカとお兄ちゃんの声、
今のアスカにも聞こえるんきゅね。
そうそう、このとき、アスカ、木にぶつかったっきゅ。
でも、たしか、この後…。)
木の葉がガサガサ揺れた。
ポケモンが飛び出てきた。
<せっかく気持ちよく昼寝しとったのに、なにするんだヨル!>
ヨルノズクだ。
いきなり起こされたことで、とても怒っている。
<ごめんなさいっきゅ!
アスカが木にぶつかったせいで…。>
<今日の昼寝は、いつもより気持ちよかったんだヨル!
絶対に許さんヨル!えいっ!!>
《そらをとぶ》攻撃だ。
<危ない、アスカ!>
兄が妹をかばった。
傷を負ってしまったようだ。
<お兄ちゃん!>
<アスカは、逃げろ。
無理しちゃ、ダメだ。>
<お兄ちゃんも、今、無理したでしょ!?
大丈夫っきゅ?>
<ほほう…。兄想いの妹だヨル。
よく見れば、空を飛べるポケモンだヨルね。
よし、決めたヨル!
今日の事件は、まあ、大目に見てやるヨル。>
兄と妹はほっとした。
でも、まだ早かった。
<そのかわり、1つ、願いを叶えてもらうヨル。
その妹、なかなかカワイイとみたヨル。
オラの嫁にするヨル!さぁ、来るんだヨル!!>
アスカは、ヨルノズクの足に捕らえられた。
<いや!いやあ!いやだっきゅ!!>
<何がイヤなんだヨル?
このヨル様の嫁になれるんだヨルよ?>
<イスズお兄ちゃん!助けてっきゅ!!>
すると、兄が立ち上がった。
<くっそぉ…。
もう怒ったぞ、ヨルノズク!>
ラスターバージが爆裂した。
兄は、さっとアスカを家まで運んだ。
妹は、ラスターバージを受けなくてすんだ。
それを見ていた、現在のアスカ。
(やっぱり、お兄ちゃんは、
強くて優しい、世界一のポケモンなんだきゅ。
アスカ、絶対、イスズお兄ちゃんを見つけるんだきゅ!)

アスカがそう思った瞬間、夜空にジラーチが現れた。
いちばんの願いごと、きっと、叶うといいね。
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水風アズ #9☆2004.06/26(土)15:24
第9話『シードの小さな物語』

「わぁ♪
ここがホウエン地方ね!」
水葉たちは、ホウエン地方のカイナシティに到着した。
「ねぇ、水葉さん」
アスカが、ボールの中から水葉に話しかけた。
「ホウエンって、アスカがいても平気なんでしょ?
アスカも外に出て、カイナシティ見たいっきゅ。」
「そうだね。じゃあ出ておいで。
そのかわり、知らない人に
ゲットされないように、気をつけてね。」
「はいだっきゅ。」
そのとき、市場のほうで、
「イーユ!しっかりして!!」
という声が聞こえた。
「どうしたんですか?」
「あら、旅人さん?こんにちは。
この子、あたしのポケモンなの。
イーブイ♀のイーユ。
毒を受けたみたいで、動かないの。
どくけし持ってないから治らなくて。
ポケモンセンターまで行ける体力もないのよ。」
「あ、どくけしなら持ってますよ。どうぞ」
水葉は、女の人に、どくけしを渡した。
「ありがとう!助かったわ。
はい、イーユ。もう大丈夫ね。」
すると、倒れていたイーブイが立ち上がって、
「イブ!」
と答えた。体力も回復したらしい。
「よかった。
あたしもイーブイ持ってるんですよ。
あたしのは♂です。出ておいで、シード。」
「ブイ?」
シードが出てきた。イーユとご対面。
少し、緊張気味のようだ。
「シードのことよろしくね、イーユちゃん」
「イーブ♪」

水葉たちは、カイナシティのポケモンセンターに、
数日間、泊まることにした。
せっかく、シードとイーユが仲良くなったのである。
毎日、イーユの飼い主・サナさんが、
水葉とシードを迎えに来る。
「イブ!イブイブ!!」
「ブイ。ブーイ♪」
人間たちにはわからないイーブイ語で、
2匹はおしゃべりをした。
探検にも出かけた。
シードがサナさん宅におじゃまして、
イーユと遊び、一緒に眠るときもあった。

しかし、そんなシードに、水葉が言った。
「シード、明後日にはこの町を出るつもりよ。」
「ブイ!?」
「だから明日、イーユちゃんにさよならしてね。」
「ブイ…。」
それは、シードにとって、とても悲しい知らせでした。

その次の日。公園で。
ここからは、少しだけ、イーブイ語を翻訳してみましょう。
「ブイイ。(あのね、イーユ)」
「イブ?(なに?)」
「ブ…。(その…。)」
「イブブ?(ねぇ、シードくん?)」
「ブイブイ、ブイ…。
(明日、ほかの町に、出発するんだ…。)」
イーユにとって、それは衝撃的な言葉。
シードにとっても、それは同じ。
「ブイイ、ブイブイ、ブ。
(だから、これ、イーユにあげたくて。)」
シードはイーユに、青いリボンを渡した。
これは、はじめて水葉たちの仲間になったときに、
水葉からもらったリボンだ。
それ以来、シードは、そのリボンを
右耳に結んで、大切にしていた。
その大切なリボンをイーユにあげたということは、
イーユもまた、シードにとって大切な存在なのだ。
「イブ?(いいの?)」
「ブイ、ブイブイ…、
(いいんだ、あのね、ぼくはね…、)」
シードは少し黙って、こう言った。
「ブイブブ、ブイ。
(ぼくは、イーユのこと、大好きだからね。)」
イーユは、小さくうなずいていた。
涙が、ぽろぽろとこぼれ落ちた。

翌日の朝早く、水葉たちは、カイナシティを後にした。
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山下 河原 #10☆2004.12/11(土)15:19
第10話『ポケモンコンテスト!』

_____ シダケタウン。
此処に、水葉たち一行はいた。
今回の目的は、ポケモンコンテスト。
イスズ探しの旅もちょっとお休み、です。
「ティアラ!かしこさコンテストに、出場よ。」
水葉はサーナイト♀のティアラを出した。
ティアラは、ラルトスの時からずっと一緒にいた、
水葉の大切なパートナーなのだった。
「こちらのサーナイト♀で、
 かしこさコンテスト出場で、宜しかったですか?」
「はい!いくよ、ティアラ!!」
「サァ♪」
ティアラも、水葉の初コンテストのポケモンに
選んでもらえて、嬉しそうだった。


「それでは、ポケモンかしこさコンテスト・
 ノーマルランクを始めま〜す!
 まずは、ポケモン紹介です!
 No.1。カナさんのアゲハント♀・クロハ!!
 No・2。タツキさんのクロバット♂・リュウ!!
 No.3。アズさんのキングドラ♂・シップ!!
 No.4。ミズハさんのサーナイト♀・ティアラ!!
 どのポケモンもすごく賢そうです♪
 それでは1次審査の投票に入りま〜す!!」
コンテストの1次審査は、ポケモン人気投票。
投票をいちばん多く集めたポケモンから順番に、
2次審査のアピールタイムに入るのです。
「…それでは投票の結果をお伝えします!
 1位・カナさんのクロハ!2位・アズさんのシップ!
 3位・ミズハさんのティアラ!4位・タツキさんのリュウ!
 以上の結果となりました。
 さぁ、注目のアピールタイムです!!」
ここからはアピールタイム。5回のチャンスがあります。
頑張れ、水葉、ティアラ。負けるな、2人とも。
「クロハ!ぎんいろのかぜ!!」
「おおっと、クロハ、調子が良くなりましたよ!」
「シップ!『なみのり』よ!!」
「シップの『なみのり』!
 クロハより多くポイント獲得〜!!」
(みんな、けっこう上手だな、ワザの扱い方。
 でも、ティアラなら、大丈夫!!)
「ティアラ!サイコキネシス!!」
「サイコキネシスで、ティアラ、高感度です!」
(やったv)
「リュウ、ちょうおんぱ!」
「ちょうおんぱ攻撃〜!すごい反応です!!」
そして、2回目が過ぎ、3回目が過ぎ…


「クロハ、かぜおこし!」
「おお、ポイントをたくさん獲得です。」
「シップ、たきのぼり!」
「滝を登りました、シップ!
 前に使った『なみのり』と合わせてコンボです!」
「ティアラ、『スキルスワップ』だよ!」
「おおぉ、出ました!スキルスワップ!!
 ティアラの高感度が更にUP!!やったぁ〜v」
「リュウ、かみくだく!」
「その大きな口で噛み砕かれたら、
 もうおしまいですよ、クロバット♂のリュウ!」
そして、4回目が過ぎた頃には、
水葉&ティアラはトップに…。

「さぁ、5回目!張り切ってどうぞ!!」
これが最後のアピールだ。大事にしたいところ。
しかし、いちばん危ないところ…。
「シップ!『ふぶき』よ!!」
「これは高得点獲得です、シップ。」
最後の最後で、
アズ&シップに抜かされてしまう水葉&ティアラ…。


「………はぁ〜。」
結局2位だった、水葉とティアラ。
「サァァ…。」
「どうしたの、ティアラ?
 もしかして、自分のせいだと思ってるの?」
「サァ……。」
「ティアラのせいじゃないんだよ。
 ただ相手が強すぎただけ。気にしないでよ?」
夕暮れのシダケ公園にたそがれる、水葉とティアラでした。
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