まっち | #1★2004.05/01(土)17:19 |
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No.1 此処はポケモンワールドの中にある,ポケモンだけが平和に暮らす土地。 名前は秘密。場所も秘密です。 元気の良い足音が聞こえてきた。 地下への階段を,小さなポケモンが駆け下りている。 ピチュー「おにいちゃん、おはよう!」 今日はそのポケモン…ピチューの誕生日。 ピチューはそれだけで楽しくて、兄を呼びに階段を駆け下りいつもの研究所のドアを開けたのだ。 ピチュー「あ…あれ?」 いつもなら兄が伝説の研究をしているはずの研究所。 しかし、いつも兄がいる場所に、誰の姿もない。 ピチュー「おかしいな…?」 ピチューは外に出た。 兄が家を空けるとき、大抵どこに行ったかは、隣のトゲチックが知っている。 トゲチックは兄の幼なじみだ。 ピチュー「トゲチックさーん」 隣の家のドアを叩いた。 トゲチック「ピチュー君?」 ドアから顔を出し、トゲチックが言った。 ピチュー「おにいちゃんが居ないんだけど、どこに行ったか知らない?」 トゲチック「え、あ、ライチュウね、えーと、し、知らないわ」 トゲチックは、明らかに何かを隠している様子だった。 ピチュー「んん?」 さすがにピチューも、それに気付いて首をかしげた。 ピチュー「…だったらいいけど」 気付きながらも、ピチューはドアを閉めて帰ろうとした。 トゲチック「あっ、待って!」 帰ろうとしたピチューを、トゲチックは呼び止めた。 トゲチック「じつは…」 ピチュー「え…旅?」 トゲチック「ええ。今朝目が覚めたら、家の前にこれが」 トゲチックが取り出したのは、テープレコーダー。 「ガチャ…長い旅に出ます…帰るまで待っていてください…あとピチューには…言わないで…」 古いテープレコーダーに吹き込まれたメッセージは、そこまでだった。 ピチュー「な、なんで?ボクを置いて?おにいちゃんが? で、でも、すぐ帰ってくるよね、トゲチックさん?」 今にも泣き出しそうなピチュー。 トゲチック「…あのコのやることは判らないからね」 ピチュー「おにいちゃあん…」 家に帰ったピチューは、部屋で寝転んでいた。 トゲチック『なんだったらしばらく私の家で暮らしてもいいのよ』 さっきトゲチックに言われた事を思い出していた。 しかし、ピチューにその気はなかった。 ピチューは、兄のライチュウとずっと二人で暮らしてきた家を空けたくなかった。 しかし、一人で兄が帰ってくるのを待つのも、自信がなかった。 ピチュー「ボクが迷惑ばかりかけてるから、おにいちゃんボクのこと嫌いになっちゃったのかな…」 ため息をつきながら、ピチューがつぶやいた。 そして、ピンク色の石を眺めていた。 この石は死んだ母親の形見で、対となる水色の石をライチュウが持っていた。 ピチュー「待っててって…待てないよ、おにいちゃん」 トゲチック「ピチュー君!」 そんな次の日の朝、町を去ろうとするピチューをトゲチックが後ろから呼び止めた。 ピチュー「…トゲチックさん、ボク決めたんだ。おにいちゃんを探しに行く」 あまりに急なピチューの判断に、トゲチックはとまどっていた。 ピチュー「それにボク、おにいちゃんみたいに強くなりたいんだ。」 トゲチック「でも…あなた一人でなんて危険よ。なんだったら私もついていってあげようか?」 ピチュー「トゲチックさん、ボクとおにいちゃんが帰るまで、ボクの家をおねがいします」 トゲチック「…わかったわ。あなただってアイツの弟だもん、止めたってきくわけないわ。 でも、私にもこれくらいさせてよね」 トゲチックは、ピチューに汽車の回数券を渡した。 ピチュー「ありがと、トゲチックさん」 トゲチック「気をつけるのよ。きっと大丈夫だと思うけど」 ピチュー「なんでぜったい大丈夫なの?」 トゲチック「アイツの弟だから」 ピチュー「トゲチックさん、そればっか」 二人は微笑をかわした。 ピチュー「さぁ、行くぞ!」 ピチューの首に、ピンク色の石が光っていた。 トゲチック「…もう昨日よりたくましい背中して…。きっと…きっとずっと強くなって帰ってくるわね」 続 |
まっち | #2☆2003.08/15(金)14:30 |
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☆No.2☆ ピチューは冒険を続けていたo 兄の行方は一向につかめないがo そんなときo ?「助けてー!!」 ピチュー「!?」 見ると,1匹のポケモンが3匹のスバメに追われていたo そのポケモン「助けてー!!」 スバメ1「やい!待て待て!!」 スバメ2「おとなしくつかまれ!!」 ピチュー「よく分かんないけど…やいおまえら!!その子をいじめるな!!」 スバメ3「何だおまえ?やっちゃおうぜ!!」 ピチュー「そうは行くか!!ピチュー必殺10万ボルト!!」 ビバババババ… スバメ1「うわぁ,なんだこいつ!?」 スバメ2「リーダーに言いつけて懲らしめてもらおうぜ!!」 3匹のスバメは逃げていったo そのポケモン「怖かったぁ…ありがとう,君o」 ピチュー「大丈夫?ぼくはピチューo君は?」 アメタマ「僕はアメタマだよoありがとうピチュー君oあいつらはいっつも僕らをああやって追いかけ回してはいじめてるんだo」 ピチュー「ひどいねぇ」 アメタマ「うん…」 その時,向こうから数匹のアメタマがやってきたo ピチュー「あれ,君の仲間?」 アメタマ「あ…うん…」 アメタマ1「何だよチビのアメタマよぉoまたあのスバメ達に負けてたのか?弱いな〜」 アメタマ2「お前が僕らの仲間なんて恥ずかしくてありゃしないよ」 ピチュー「その言い方は無いんじゃないの?」 アメタマ3「悔しかったらもっと大きくなって見ろ〜♪」 アメタマ全員「チ〜ビチ〜ビ♪あはははは」 そう言ってアメタマ達は去っていってしまったo ピチュー「なんだあいつら…ひどいよね」 アメタマ「…うん…でももういっつもだし,慣れてるからo僕がちっちゃいのが悪いんだし…」 確かに,そのアメタマはさっきのアメタマ達より一回り二回り小さかったo ピチュー「体の大きさが何だよ!!ねぇ」 アメタマ「…あ…」 ピチュー「え?」 振り返ると,さっきのスバメ達と,一匹のオオスバメがいたo オオスバメ「さっきは私の子分達をだいぶかわいがってくれたようで」 ピチュー「え?そうかな?」 アメタマ「誉めてないよ!」 オオスバメ「お礼は,私からたっっぷりさせてもらうからね」 ピチュー「本当?何をくれるのかな?」 アメタマ「だから違うって!」 するとオオスバメがピチュー達に向かってきたo ピチュー&アメタマ「わあぁぁあ!!」 2匹は,一緒に一目散に逃げ出したo ピチュー「おい,最初にやったのはそっちの方でしょ!」 アメタマ「何言ってもムダだって」 ピチュー「えい,こうなったらピチュー必殺10万ボルト再び!!」 ビバババババ… オオスバメ「へん,この程度の電撃がかわせないとでも思うのかな」 と言って,オオスバメはひらりとかわしてしまったo ピチュー「そんなぁ!!」 オオスバメ「遊んでる暇はないんだな」 オオスバメはピチューに飛びかかったo ピチュー「うわぁ!!アメタマ君逃げてっ!!」 アメタマ「え…でも…」 ピチュー「早く!!」 アメタマ「…」 アメタマは,ちらっとピチューの方を見て逃げ出したo オオスバメ「さぁて,こいつをどうしようかねぇ」 スバメ1「どうしようか,どうしようか♪」 すると逃げていたアメタマが,足を止めて振り返ったo オオスバメ「虫ポケモンが,私らと張り合おうってのかな」 アメタマ「そうだよ!!バブル光線!!!」 ビュウウウウウウ!! オオスバメ「うわ,何だこいつ,強いぞ!!」 その弾みで,ピチューは逃げ出せたo ピチュー「よし,10万ボルト!!」 ババババババババ!!!! オオスバメ「わぁぁあああ…」 ドサo スバメ1「ああ,リーダー!!く,くそぅ,お前らおぼえとけよ!!」 スバメ達はオオスバメを3匹で持ち上げ,一目散に逃げていったo 2匹「やったぁ!!」 そのときo アメタマ1「すごいな,チビ!」 アメタマ2「小さいのに,あんな強いバブル光線使えるんだな」 アメタマ3「ごめんな,チビチビって馬鹿にして」 ピチュー「君たち…」 アメタマ「ううん,気にしてないよoこれからは,僕がみんなをスバメ達から守ってあげるよ!!」 アメタマ達「チビちゃん,バンザーイ!!!」 アメタマなので胴上げは出来ないが,アメタマ達はそのアメタマを囲んでほめたo アメタマ「ありがとう,ピチュー君のおかげだよ」 ピチュー「ううん,僕は何もしてないよ!!」 アメタマ「今日は,僕らの家にとまっていけば?」 ピチュー「本当!?やったぁ!!」 次の日o アメタマ達「元気でね〜!!」 ピチュー「また遊びに来るからね!!」 ピチューは,アメタマ達が見えなくなると,また元気よく歩き始めたo 続 |
まっち | #3☆2003.08/16(土)17:24 |
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☆No.3☆ ピチューが旅を続けていると,岩の町に出たo 全ての建物が岩で造られていたo ピチュー「すごいなぁ…!!」 少し歩くと,広場に出たo そこには,たくさんのポケモン達が集まっていたo 多くのポケモン達に囲まれているのは,大きなイワークと,1匹の小さなポケモンだったo ドォォン!! その小さなポケモンは,自分の何倍もあるイワークを,ソーラービーム一撃で倒していたo ピチュー「わぁ…」 あまりの威力にピチューが目を見張っていると,横に1匹のポケモンが現れたoウパーだo ウパー「ロゼリアだよ,あの子は」 ピチュー「へぇ,ロゼリアって言うんだ…」 ウパー「あの子はさ,数ヶ月前にこの岩ポケモンと地面ポケモンだけが暮らすこの町に来たんだけど,自分が草タイプであることを良いことに,威張りちらしているんだよo今のだってロゼリアに逆らったあのイワークはロゼリアと勝負してたんだよoもちろん勝てっこないってわかってたけどoロゼリアが来てから僕らはすっかり肩身が狭くなってしまったよ」 ピチュー「ひどいねぇ…」 ロゼリアは,倒れているイワークにこう言ったo ロゼリア「あたしに勝てる岩ポケモンがいるはずないでしょoちょうどいい肩慣らしになったよ」 ピチュー「うわぁ…ヒドいなぁ…」 ロゼリア「あなたは何?あたしと勝負するつもり?」 ピチュー「いっっっっいえっっっ;」 ロゼリア「あたしに勝ちたかったら炎ポケモンでも味方につけてくる事ね」 ロゼリアは去っていったo ピチュー「…」 ピチューは,ウパーの家に泊めてもらうことにしたo ウパー「いつになったら,もっとのびのび過ごせるようになるのかな」 ウパーはため息混じりに言ったo ピチュー「…ねぇ」 ウパー「?」 ピチュー「僕さ,あのロゼリアと勝負するよ」 ウパー「!?」 ピチュー「岩や地面ポケモンじゃないだけまだ有利だし」 ウパー「でっっでもさ,あのロゼリア相当強いよo大丈夫?」 ピチュー「大丈夫だって!ね」 ウパー「…(もう勝手にしなよ)」 翌日o イシツブテ「あの旅の子が,ロゼリアと勝負するらしいよ」 サンド「へぇ,ずいぶん勇気のある子だね」 ゴマゾウ「あ,来たよ」 ロゼリアとピチューが,同時に現れたo ロゼリア「あなた?私と勝負するって人は」 ピチュー「ああ,そうだよ!!僕がかったら,もうみんなの前で威張るのを止めてよ」 ロゼリア「果たしてそんなことが出来るのかしらね」 ピチュー「そんなことやってみないと分かんないだろ!!」 ウパー「始め!!」 ピチュー「こっちからいくよ!!ピチュー必殺10万ボルト!!」 バババババ… ロゼリア「へなちょこ攻撃,ね」 ロゼリアは,簡単にかわしてしまったo ピチュー「ちきしょお…次はずつき攻撃だぁ!!」 ドンッッ ロゼリア「!!」 ピチュー「お兄ちゃんに教わったんだよ!」 ロゼリア「こしゃくな…マジカルリーフ!!」 シュシュシュ… ピチュー「おっと,危ない危ない」 ロゼリア「遊んでる暇はないもんでね,さっさと終わらせるよ!!ソーラービーム!!」 ドォォォォン!!!! サンド「ああ,来たよ,ロゼリアの必殺技」 ゴマゾウ「さすがに耐えられないでしょ」 あたりには砂煙が立ち,ピチューの姿は見えなかったo ロゼリア「最初からわかってたわよ,あなたには勝てっこないってね」 ロゼリアは薄笑いを浮かべていたo ピチュー「どうかな」 ロゼリア「!?」 砂煙の中から,ピチューが出て来たo ピチュー「はぁ…君のさ,ソーラービーム…はぁ…凄いじゃない…でもね,僕は…僕は負けないよ!!」 ロゼリア「耐えきった!?」 ピチュー「ずつき攻撃!!」 ロゼリア「おっと,同じ手には乗らないよ」 ピチュー「と見せかけて」 ロゼリア「?」 ピチュー「ピチュー必殺,ハイパワー10万ボルト!!」 ドビババババババババ…!! ずつきの反動でロゼリアの後ろに回ったピチューは,後ろから攻撃したo ピチュー「どうだ!?」 シュウウウウウ… ピチュー「…」 ロゼリアは,そのままその場に立ったままだったo ピチュー「…?」 電気ワザが効果今ひとつのロゼリアには,あまり効いていなかったo しかし… ロゼリア「…ひっく…えっ…」 ピチュー「!?どうしたのっ?痛かった?」 ロゼリア「ライコウさん…」 ピチュー「え?」 ロゼリア「ライコウさん…!」 ピチュー「ライコウ…?」 ロゼリアは涙を拭くと,話し出したo ロゼリア「いきなり泣き出してごめんなさい…私がこの町に来る前ね,ライコウって人に鍛えられてたの」 (ロゼリア回想) ライコウ「次はマジカルリーフだ,やってみろ」 ロゼリア「はい!」 シュシュシュ… ライコウ「その程度で私に効くと思っているのか」 そうすると,ライコウはロゼリアに強力な10万ボルトを浴びせたo ロゼリア「…くっ…」 ライコウ「その程度で強いと思うな」 ロゼリア「…はい」 ライコウはロゼリアに厳しかったが,強さのためなら何でもするライコウを,ロゼリアは慕っていたo しかしある日…o ドォォン!! ロゼリア「!?」 眠っていたロゼリアは,爆音で目を覚ましたo ロゼリアの目の前にライコウがいたo ロゼリア「何が起きたんですか!?」 ライコウ「…山の方で何かが起きているo私は山へ向かう」 ライコウは,ロゼリアに後ろを向けたo ロゼリア「待ってください!私も行きます!!」 ライコウ「駄目だ」 ロゼリア「どうして!?」 ライコウ「お前にはまだ危険だ」 ロゼリア「でも…」 ライコウ「来るな!!!」 ロゼリアは,ライコウが強く言ったのでビクッとしたo ライコウ「すぐ戻ってくる」 ライコウは山の方へかけていったと思うと,あっというまに見えなくなったo 朝になっても,ライコウは帰ってこなかったo 心配したロゼリアは,山の方に向かったo 山は,木はなぎ倒され,燃えており,それまでの蒼い山からは想像もつかない状態になっていたo もちろんライコウの姿はなかったo ロゼリア「…」 (回想ここまで) ロゼリア「それっきりライコウさんとは会ってないの」 ピチュー「かわいそう…」 ロゼリア「さっきの10万ボルトで,ちょっとライコウさんのこと思い出して」 ピチュー「……ねぇ,ロゼリアちゃん」 ロゼリア「(ち,ちゃん??;)何?」 ピチュー「僕と一緒に旅に出ない?僕今ね,お兄ちゃんを捜してるんだo一緒に旅をすれば,そのライコウさんだって見つかるかも知れないよ」 ロゼリア「そう…?」 ピチュー「そうすればこの町の子達も安心して暮らせるし」 ウパー「駄目だよ」 ピチュー「え?」 他のポケモン達も,口々に駄目だと言ったo ウパー「ロゼリアは,この町を助けてくれてるんだよ」 イワーク「前にこの町が乗っ取られそうになったときも,ソーラービームで追い払ってくれた」 ゴマゾウ「ちょっと乱暴だけど,この町には欠かせないんだよ」 イシツブテ「そうさ」 ロゼリア「みんな…ピチュー君,こういうことだからあなたの気持ちはうれしいけど,またにしてもらうわ」 ピチュー「そう…でもね,みんなと仲良くね」 ロゼリア「ええ!」 ロゼリアが笑ったo ピチュー「僕もう行くよ」 ロゼリア「お兄さんを,必ず見つけてね」 ピチュー「うん!」 全員「元気でね〜!!」 いつまでも,手を振っていたo 続 |
まっち | #4☆2003.08/17(日)18:03 |
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☆No.4☆ ピチューは,山を下っていたo 斜面はかなり急だが,沢山生えている木にしがみつきながらピチューは恐る恐る降りていたo ピチュー「怖いなぁ…いつまでこんな道なのかな…?」 その時o バキッッ!! ピチュー「!!!」 ピチューのつかまっていた細い木が急に折れたo ピチュー「わぁああああ!!!」 他の木にぶつかりながら勢いよく転がり落ちていったo 木の生えてないところに出て,ますます勢いよく落ちていったo ピチュー「誰か止めてぇ〜!!!」 ゴンッッ 何かにぶつかって,落ちるのがとまったo ピチュー「いたたた…」 その何かを見たとき,ピチューの顔に青線が入ったと思うo きれいな花の植えてあるプランターが壊れていたo ピチュー「どどどどうしよう…!?」 ピチューは焦ったoしかしよく考えてみたo ピチュー「何でこんな所にプランターが…?」 と,その時o ?「やい,何してんだお前!!」 ピチューが振り返ると,むしとりあみを持ったポケモンがいたo ?「うちのプランター壊しやがって!!許さないぞ!!」 ピチュー「ま,待って!!これは…!!」 ?「言い訳は聞かないぞ!水鉄砲!!」 ビシュウウウ!! ピチュー「わぁああ!」 バサッ! むしとりあみがピチューにかぶさったo するとo ??「ワニ君,何してんの?」 ?「チコちゃん…」 やってきたポケモンはチコリータoピチューを捕まえたのはワニノコだったo ワニノコ「こいつがさ,このプランター壊したんだぜ!!」 ピチュー「待ってよ!!僕は山の上から落ちちゃって,これにぶつかっちゃったんだよぉ!!」 網の中でもがきながらピチューが言ったo ワニノコ「そうなのかoそうならそうと言えばいいのに」 ピチュー「言わさなかったじゃないかぁ!!」 チコリータ「大変だったのねぇoケガはしてない?」 ピチュー「あ,それは大丈夫だよ」 チコリータ「ワニ君,また早とちりだったみたいね♪」 ワニノコ「あ…」 チコリータ「いつもの事よo私はチコリータoチコでいいわo彼はワニノコ君よoワニ君でいいわよね?」 ワニノコ「あ…うん」 チコリータ「君は?」 ピチュー「僕はピチューoよろしく,えっとチコちゃんとワニ君」 チコリータ「よろしくねoあなただいぶ汚れてるわねoうちでお風呂でも入っていかない?」 ピチュー「うん,ありがとう!!お家はどこ?」 チコリータ「ここよ」 ピチュー「え?」 見上げると,そこには木で出来ており,花や葉っぱをあしらったオシャレな2階建ての建物があったo ピチュー「ここ?」 チコリータ「そうよoうちはホテルなのoちっちゃいけどねo」 ピチュー「すご〜い」 チコリータ「ただいま」 ヒノアラシ「おかえり〜その子は?」 ピチュー「僕ピチューです」 チコリータ「ちょっと汚れてるからお風呂に入れてあげようと思ってoピチュー君,彼はヒノアラシって言うのよo」 ヒノアラシ「ヒノでいいよo風呂ならすぐ沸かしてくるよ」 チコリータ「じゃあお願いね」 ヒノアラシ「ピチュー君,ついてきて」 ピチューがヒノアラシについて行くと,あるドアの前に来たo ヒノアラシ「ここだよ」 ドアを開けると,小さいけど立派な風呂があったo ピチュー「でもお湯が入ってないね」 ヒノアラシ「ワニ君,お願い」 ワニノコ「仕方ねぇな」 ワニノコは,息をめいっぱい吸い込むと,湯船の中に水鉄砲で水を入れ始めたo 湯船の中にはみるみる水がたまっていったo ヒノアラシ「あとは僕の役目だから」 ヒノアラシは湯船のうらの方にまわって小さな扉を開けたo そこは暖炉だったo ヒノアラシ「僕が湯を沸かすことになってるんだよ」 そう言ってヒノアラシは,暖炉に数個のまきを投げ込むと,火炎放射で火をつけたo ヒノアラシ「少し待てばいい感じにあったかくなるはずだから」 ピチュー「うん,ありがとう」 やがて湯が温まったo ワニノコ「もういいぞ」 ヒノアラシ「ゆっくりしてね」 ピチュー「うん」 ピチューは湯船に入ったo ピチュー「はぅ…気持ちいい♪」 顔を半分沈めながら,ピチューは兄ライチュウのことを考えていたo 湯から出たらチコ達に聞いてみよう,と思っていたo ピチュー「あ〜気持ちよかった♪」 チコリータ「満足してくれたのなら嬉しいわ」 ピチュー「あ,ところで…」 チコリータ「あ,お帰りですか?またお越し下さい」 ピチュー「チコちゃんはここで働いてるの?」 チコリータ「これでもオーナーを任されてるわ」 ピチュー「へぇ!すごいんだねぇ」 チコリータ「そうでもないわよoこんな小さなホテル…そういえばピチュー君は旅でもしてるの?」 ピチュー「あ…うん,そうだよoお兄ちゃんをさがしてるんだ」 チコリータ「そうなの!まだ小さいのに偉いわねぇ」 ピチュー「へへ…そんなことないよ」 チコリータ「何なら泊まっていくといいわ」 ピチュー「やったぁ♪」 と…o ジリリリリ… チコリータ「あ,時間だわ」 ピチュー「何の?」 チコリータ「仕事のよoピチュー君も見てみる?」 ピチュー「うん!」 チコリータ「みんな,時間よ!」 チコリータは大きなドアを開けたo 中からたくさんのメリープが出て来たo チコリータ「ピチュー君,中に行くわよ」 2人(2匹)は中に入っていったo チコリータ「ピチュー君,手伝ってくれない?」 ピチュー「いいよ」 チコリータ「その辺に綿がたくさん落ちてるはずだから拾い集めてほしいの」 ピチュー「分かった!」 2人は綿を集めていったo 集まった綿は山のようにあったo ピチュー「すごいねぇ…これをどうするの?」 チコリータ「あとはあの子達に働いてもらうわoみんな,よろしく!」 メリープ達「おっけ〜!」 メリープ達はドアの前に集まったo チコリータが,ドアの横の赤いボタンを押したo ゴゴゴ… ピチュー「ぉお!?」 メリープ達のいた部屋に,巨大な機械が現れたo チコリータ「お願いね!!」 メリープ達は,それぞれの持ち場に着いたo 機械が動き出したo チコリータ「さっき集めた綿毛を糸や毛糸にするのoできた製品は布団や毛布にするのよ」 ピチュー「へぇ…」 ガチャ… チコリータ「今日はここで休んでね」 ピチュー「うん」 (早っっ 朝…o ピチュー「ふああ…」 チコリータ「おはよ,ピチュー君」 ピチュー「おあよ…」 チコリータ「いつ出発するの?」 ピチュー「もう,すぐ行くよ」 チコリータ「そうoじゃあお代お願い」 ピチュー「ない」 チコリータ「え゛?」 ピチュー「ない」 チコリータ「困ったわね…でも昨日働いてくれたから,いいわ」 ピチュー「本当!?やったぁ♪」 ヒノアラシ「もう,チコちゃんは小さい子には甘いんだから」 チコリータ「そういえば,ピチュー君のお兄さんってなんて名前なの?」 ピチュー「えっとね,ライチュウって名前」 チコリータ「ライチュウ…」 ヒノアラシ「あっ,その人なら昨日までうちに泊まってたよ」 ピチュー「うそぉ!?」 ヒノアラシ「もっと早く気付いてれば…」 ピチュー「どこかに行くとか言ってなかった?」 ヒノアラシ「…う〜ん,確かおちば山の地図を見てたな…」 ピチュー「ありがとう!!急いで追いかけるよ!!」 チコリータ「頑張ってね!!あとまた来てね!何かお兄ちゃんについて分かったら連絡するね」 ピチュー「ありがとう,さよなら!!」 みんな「じゃあね!!」 ピチューは走っておちば山の方にいったo ピチュー(お兄ちゃんに会えるかも知れない!!) 期待に胸をふくらませながらピチューは走っていたo 続 |
まっち | #5☆2003.08/24(日)09:22 |
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☆No.5☆ ピチュー「はぁはぁ…お兄ちゃん…お兄ちゃん」 兄に会える,その期待でピチューは走っていてもともと息が荒かったのがさらに荒くなったo ピチュー「はぁ…はぁ…はぁ〜」 でもさすがに疲れたのかピチューは歩き出したo おちば山のロープウェイが見えてきたo ピチュー「すいません,乗せて欲しいんですけど」 受付のところにいるバリヤードに聞いたo バリヤード「お金」 ピチュー「ありません…」 バリヤード「じゃあダメだね」 ピチュー「そんなぁ…」 ピチューはとぼとぼとロープウェイのりばを離れたo ピチュー「あ〜あ…」 ピチューはため息をついたo グ〜… ため息と同時に腹の音が鳴ったo ピチュー「あ…あれれoそう言えば何も食べてなかったなぁ」 ピチューは一旦休憩することにしたo ポシェットの中から,きのみを取り出したo ピチュー「いただきまぁ〜す♪」 ピチューは思いっきりきのみにかぶりついたo と,そのときであるo コラッタ1「よぉ,おまえいいもん持ってンじゃんかよ」 コラッタ2「俺たちによこせよォ」 ピチュー「や…やだよぉ!」 コラッタ3「おい,こいつ俺たちに逆らったぜ」 コラッタ1「そうかぁ,いい度胸してんなぁ」 コラッタ2「ちょっと可愛がってやろうぜ」 ピチュー「え…え…」 コラッタ全員「それ!!」 ピチュー「うわぁぁあ!!」 ピチューはあわてて一目散に逃げ出したo コラッタ全員「待てぇ!!」 ピチュー「助けてぇ!」 ピチューは逃げていたが,とうとう行き止まりに追いつめられてしまったo コラッタ3「さぁ覚悟しな」 ピチュー「…ひぃい」 ピチューは手をバキバキ鳴らしてるコラッタを見て思わず目をつぶったo と, 「おまえら何してるんだ」 コラッタ達の後ろ,つまりピチューの前で誰かの声がしたo ピチュー&コラッタ達「!!!」 ピチューと振り返ったコラッタ達は思わず目が丸くなったo そのポケモンは二つのつり上がった大きな目玉があるポケモンだったo ポケモン「お前ら」 コラッタ達「ひ,ひぇえ!!!」 コラッタ達は逃げ出してしまったo そのポケモンはピチューの方を見たo ピチュー「…ひぃ…」 ピチューは動けなかったo しかし ポケモン「ピチュー君?」 ピチュー「え?」 ポケモン「ピチュー君だぁ!!」 ピチュー「え?え??」 ピチューは,目と目の生え際にある本当の顔に気付いたo ポケモン「僕だよ,アメタマだよ!!」 ピチュー「アメちゃん!?」 ポケモンは,アメモースだったo ピチュー「進化したんだね,アメちゃん」 アメモース「(あ…あめちゃ…??)うんoでもまだちっちゃいけどね」 ピチュー「どうしてここにいるの?」 アメモース「僕,ピチュー君の旅について行きたいな」 ピチュー「え?」 アメモース「ダメかな?」 ピチュー「…ううんっ」 アメモース「ピチュー君はどうしたの?」 ピチュー「うん…おちば山にお兄ちゃんがいるかも知れないけど,お金無くてロープウェイに乗れなくて…」 アメモース「そうか…じゃあ僕に乗って!」 ピチュー「え?」 アメモース「進化して飛べるようになったんだ!」 ピチュー「でも…大丈夫?」 アメモース「平気さ!」 ピチュー「じゃあよろしく!」 ピチューはアメモースの背中に乗ったo アメモースは飛び始めたo ピチュー「わぁ…すごいすごい!」 アメモース「そうかな…」 ピチュー「いいなぁ,空を飛べるなんて!!」 アメモース「いやぁ…あはは」 しかし1分後… ピチュー「アメちゃん,なんか疲れてない?」 アメモース「ぜぇぜぇ…そんなこと無いよ…」 ピチュー「やっぱと部のになれてなかったんじゃないの?」 アメモース「ぜぇぜぇ…」 ピチュー「あ,アメちゃん,落ちてるよぉ!!!」 2人「わぁああ…!!」 ドサッ!!! 2人は山の中腹に落ちたo ピチュー「いたたた…」 アメモース「ごめんね,ピチュー君…」 ピチュー「ううん…」 ザッ!! 2人「…」 2人の周りを,たくさんのゴローニャが取り囲んだo ゴローニャ「俺たちのなわばりに勝手に入りやがって…」 ピチュー「ち…違うよぉ」 ゴローニャ「やっちまえ!!」 ゴロゴロ… ピチュー「わぁ,ころがるだ!!」 アメモース「来るよぉ!!」 ピチュー「えい,10万ボルト!!」 ビバババババ… アメモース「ダメだよ,電気ワザはゴローニャには効かないよ!」 ピチュー「ええ,じゃあどうしよう」 アメモース「ぼくに任せて!バブル光線!!」 ビュウウウウウウ!!! ゴローニャは少しひるんだが,また転がりだしたo アメモース「ええ,そんなぁ!!」 ピチュー「あああ,もうダメだぁ!!!」 2人は目をつぶったo ドォオオオオン!!!! その音は,ゴローニャが2人にぶつかった音かと思ったが,違ったo ゴローニャが,1匹残らず倒れていたo 2人「…?」 と,2人の前に,1匹のポケモンが上の方から降りてきたo ピチュー「ロゼリアちゃん!!」 ロゼリア「久しぶりね,ピチュー!!」 ピチュー「アメちゃん,ロゼリアちゃんだよ!僕が旅の途中会ったんだoロゼリアちゃん,アメちゃんだよoホントはアメモースなんだけどね」 アメモース「よろしく,ロゼリアちゃん」 ロゼリア「ええ」 ピチュー「ロゼリアちゃん?あれやったの」 ピチューは倒れているゴローニャを指さしたo ロゼリア「ええ,そうよ」 ピチュー「ありがとう!」 ロゼリア「これくらいならいつでも平気よ」 ピチュー「いつでもって?」 ロゼリア「私,いろいろ考えてあなたの旅について行くことにしたわ」 ピチュー「え?でも,町は大丈夫なの?」 ロゼリア「ええo他の子に頼んだわ」 ピチュー「わぁ…嬉しいな…アメちゃんにロゼリアちゃんに…」 仲間の増えたピチューは嬉しかったo ピチュー「よろしくね!」 アメモース「よろしく!」 ロゼリア「頑張りましょ!」 かくして,ピチューたち3人の旅が始まったo ピチュー「さて,お兄ちゃんまだいるかな…」 ピチューはおちば山の山頂を見たo 続 |
まっち | #6★2003.09/27(土)17:09 |
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☆No.6☆ ピチュー「…はぁ〜あ…」 アメモース「元気だしなって,ピチュー君」 ピチュー「お兄ちゃん,もう山を下りていくところ見た人がいるって…」 ロゼリア「もう会えない訳じゃないんだし,また別の所をさがせばいいんじゃないの」 ピチュー「…そうだよね!!よぅし,行くぞぉ!!」 アメ&ロゼ(略すな)「…あれ」 ピチューは走り出したoそれを追って2人も走り出したo(アメモースは走らないが… ピチュー「らんらら〜ん♪」 ザッ!! ピチュー「…ら…」 ピチューは足を止めたo追ってきた2人も同じように足を止めたo 3人「……」 周りにはオニゴーリの大群がいたo オニゴーリ「おまえら,何してる…?」 オニゴーリ「ここは俺たちの縄張りだ」 ピチュー「そ,そうなんですかぁ…あはは…失礼しました…じゃあ…」 3人は逃げようとしたo オニゴーリ「待ちな」 3人「びくっっ」 オニゴーリ「ここに入ったからには,ただじゃおかないんだな」 オニゴーリ「やっちまえ!!」 オニゴーリたちは一斉に襲ってきたo ピチュー「わぁあ!!どうしよう!?」 ロゼリア「マジカルリーフ!!」 シュシュシュ… 最初に襲ってきたオニゴーリは倒れたが,まだまだ沢山いたo アメモース「今度は僕が!!ぎんいろのかぜ!!」 サァア… オニゴーリたちは3匹くらい倒れたが,さらに数を増して襲ってきたo ピチュー「10万ボルトだぁ!!」 ビバババババ… オニゴーリたちは多くが倒れたように見えたが,後ろからさらに多くのオニゴーリたちが向かってきたo ピチュー「これじゃキリがないよぉ!」 アメモース「どうすればいいんだぁ!?」 ロゼリア「来るわよ!!避けて!!」 ピチュー「む,無理だよぉ!!」 オニゴーリたちはいっぺんにれいとうビームを放ってきたo 3人「わぁあああ!!!」 ピキン! 3人は一瞬にして凍らされてしまったo オニゴーリ「さあ,何奴から行こうか…」 オニゴーリ「その黄色い奴からにするか」 ピチュー(やだ…やめてよぉ…) そのときだo シュン!! オニゴーリ「!?」 ?「お前たち,何をしてるんだ!」 オニゴーリ「またお前か…バシャーモ!!」 そこにいたのはバシャーモと,小さなアチャモだったo バシャーモ「その子たちを放せoその子たちはお前らの餌じゃない」 オニゴーリ「へんっ,言われて素直に放してちゃ俺たちの名がたたねぇな」 バシャーモ「じゃあやるか…アチャモ,あの子たちをoオニゴーリ,覚悟しろ!!」 オニゴーリ「うっ…」 バシャーモ「ブレイズキック!!」 ドカッッ!!! オニゴーリ「うぐっ」 アチャモ「か,かえんほうしゃっ!」 ゴォオ… アチャモはかえんほうしゃをピチューたちに放ったo ジュワ… ピチュー「あれ…?溶けた…」 バシャーモ「さあ,覚悟することだな,火炎放射!!」 ゴォォォオオオオ!!! オニゴーリたちは1匹残らず焼き尽くされたo オニゴーリ「…お…覚えてろ…」 アチャモ「バシャ兄,やったね!」 バシャーモ「ああ…君たち,大丈夫だったか?」 ピチュー「あ,ありがとうございますっっ」 バシャーモ「いや,それほどのことはしちゃいないよ」 ロゼリア「か…かっこいい」 アメモース「ロ,ロゼリアちゃん??」 バシャーモ「私はバシャーモという者だoこっちは妹の」 アチャモ「アチャモです!」 ピチュー「僕はピチューoこっちはロゼリアちゃんとアメモースのアメちゃんoアメちゃんって言うのは僕がつけたんだけどね」 ロゼリア「宜しく」 アメモース「宜しくね!」 バシャーモ「その格好を見たところだが…君たちは旅をしているのかい?」 ピチュー「は,はい!お兄ちゃんをさがしてるんだよ」 バシャーモ「そうか…偉いな」 ピチュー「いやぁ…(照」 バシャーモ「今日泊まるところはあるのかい?」 ロゼリア「いえ,まだ」 バシャーモ「じゃあ家に来るか?」 アメモース「え!?いいんですか!?」 3人「ありがとう!!」 バシャーモ「ついておいで」 3人「…」 バシャーモ「すまないが,こんな所なんだよ」 ピチュー「そんなぁ…」 そこは,真っ暗で布団が数枚あるだけのプレハブ小屋だったo ロゼリア「どうしてこんな所に住んでるの?」 アチャモ「お姫様が,ここにしか住ませてくれないんだよ」 アメモース「お姫様?」 バシャーモ「ああ…姫様というのは…」 と, ルルルルル… バシャーモ「あ…アチャモ,呼び出しだo行くぞ」 アチャモ「うん」 バシャーモ「君たちは待っててくれないか」 そう言うと2人は外に出て行ってしまったo ピチュー「え…待ってよぉ!」 アメモース「仕方ないんじゃないoここで待っててって言われたんだから待ってないと」 ロゼリア「そうね」 しかし… ピチュー「ふああ…」 アメモース「さっきから相当経つのに戻ってこないね」 ピチュー「ねぇ,待っててって言われたけど,ここで待っててとは言われてないよね」 アメ+ロゼ「!?」 ピチュー「ちょっと外出てみよう」 ロゼリア「いいの?」 ピチュー「いいって!戻ってくれば!」 ピチューは外に出たo ピチュー「…!?」 ピチューが見た物とは…!? |
まっち | #bak7★2003.11/23(日)12:52 |
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☆No.6の続き☆ ピチュー「何だったんだ…!?」 ピチューの目の前を凄い勢いで通り過ぎていったのは,たくさんの♂ポケモンたちだったo 凄い足音を聞いて,アメモースとロゼリアも外に出てきたo ロゼリア「いったい何かしら?」 アメモース「あ…あのお城の方に向かっていくよ」 2人がアメモースの言った方を見ると,かすかに城が見えていたo ピチュー「行ってみよう」 2人「うん」 ピチュー「はぁはぁ…」 ロゼリア「頑張りなさいよ!男でしょ!」 ピチュー「はぁはぁ…ボク女でもいいよぉ…」 ロゼリア「何言ってんの!」 高々い丘をそんなことを話しながら上っていると, そこには予想していたよりはるかに大きなピンク色の城が建っていたo ロゼリア「カワイイお城ね…」 ピチュー「中に入ってみようよ」 アメモース「待って…見張り番がいるよ」 ピチュー「どうしようか…」 すると,城の入り口から2匹のポケモンが出てきたoバシャーモとアチャモだo アチャモ「ねぇバシャ兄,いつになったらちゃんとした所に住めるのかな…」 バシャーモ「仕方ないさo…姫に逆らったら,ここに住むことだってできないんだ」 アチャモ「うん…あっ,ピチュー君たちだ」 バシャーモ「君たち…ここがよく分かったな」 ピチュー「いや,けして分かった訳じゃないんだけど」 バシャーモ「そうか」 ロゼリア「あの,さっきから話してる姫って何のことなの?」 バシャーモ「ああ,姫か…じき出てくる」 バシャーモは城の方を振り返ったo 3人「?」 3人もバシャーモの見た方を見たoすると 見張り「プクリン姫様の,お成〜り〜」 そして,入り口から真っ赤な長い絨毯がしかれたo そしてそこから出てきたのは,ファーの付いた赤いマントを着て, 金色の扇を持ち,輝く王冠を頭に乗せた,プクリンだったo ピチュー「映画で見るお姫様みたい…」 すると,城の周りを囲む木の陰から,さっきの♂ポケモン達が一斉に飛び出してきたo そして,プクリンの周りを取り囲んだo そのポケモン達は,花束やら手紙やら,いろいろなプレゼントを持っていたo アーボ「プクリン姫,今日は僕とデートしてください!」 ガーディ「いや,今日こそは僕と!」 ハスブレロ「プクリン姫,あなたの好きなショートケーキをプレゼントします!」 ジグザグマ「今日の僕のは最高級のクリームに最高級の苺を使った特上の物です! ぜひ受け取ってください!」 ジグザグマが,プクリンの前に出てきて,小さな紙袋を差し出したo プクリン「…」 プクリンは,その袋を受け取ると少しの間眺めて,森の方に放り投げたo ジグザグマ「え!?」 プクリン「…あたし,ショートケーキなんて,好きじゃないわ」 城から,豪華なイスを持ったポケモンが出てきて,プクリンの後ろに置いたo プクリンはそのイスに腰掛けたo プクリン「あたし,3段アイスが食べた〜い」 すると,プクリンの周りにいた♂ポケモン達が,蜘蛛の子を散らすように一斉に走り出したo ロゼリア「…ワガママ姫なのね」 ロゼリアが小さい声で言ったo プクリン「アチャモ」 アチャモ「はい」 プクリン「さっきのケーキを取ってきてo急にケーキが食べたくなっちゃった」 アチャモ「は,はい」 アチャモは森の奥に行ったo プクリン「あなたたちは誰?見かけない顔ね」 バシャーモ「彼らは旅の者です」 ピチュー「ピチューです」 ロゼリア「ロゼリアです」 アメモース「あ…ぼ…僕は…」 ピチュー「アメモースo僕はアメちゃんって呼んでるんだ」 ロゼリア「…アメモース?」 アメモース「…」 ロゼリア「…駄目だこりゃ」 プクリン「あなたの首にかかってる石,きれいね」 ピチュー「あ…これ?これはお母さんの形見で,お兄ちゃんと同じなんだ」 プクリン「…あたし,それ欲しい」 ピチュー「え…?」 プクリン「それあたしにちょうだい」 ピチュー「え…ダメだよ」 プクリン「いいじゃない,頂戴よ」 アメモース「ピチュー君,あげた方がいいよ!プクリン姫様に」 ロゼリア「おいおいアメモース…」 ピチュー「…ダメだよ!!これは僕とお兄ちゃんの大切な宝物なんだ! 僕がずっと持ってるってお母さんとお兄ちゃんと約束したんだ! 誰にだって,あげられないよ!」 プクリン「…ふぅん…」 すると,プクリンはマントの中からベルを取りだして,高らかにならしたo すると,さっきの♂ポケモン達が至るところからあっという間に出てきて,ピチューを捕まえたo ピチュー「えっ?わっわっ何するんだよ!?やめてよ!わ〜!!」 ピチューは城の裏から,どこかに連れて行かれたo 2人「…」 プクリン「大丈夫よo殺したり料理したりなんてしないわ」 バシャーモ「(小声で)…プクリン姫に逆らうとこうなるんだ」 ロゼリア「へぇ…;」 ピチュー「何するんだよ!はなしてよ!」 ピチューは城の中にある暗い部屋に入れられたo ピチュー「わっっ!!」 ガシャン! ピチューは檻の中に入れられたo ピチュー「やだよこんな所!出してよ!出して!!」 ポケモン達は,どこかに行ってしまったo ピチュー「…僕,ずっとここにいるのかな…」 ?「大丈夫,しばらくしたら出してもらえるわ」 ピチュー「え…誰?僕の他にそこに誰かいるの?」 しかし,真っ暗で何も見えないo ピチュー「えい,ピチュー必殺,フラッシュ!」 ピカッ! そこには,向かい側の檻に入れられている,小さなピンク色のポケモンがいたo ピチュー「…君は誰?」 エネコ「私はエネコoあなたは?」 ピチュー「僕ピチューo君はどうしてここにいるの?」 エネコ「…プクリンにここに入れられたの」 ピチュー「そうだよね…oどうして入れられたの?」 エネコ「プクリンは,私の事を気に入ってないのよ」 ピチュー「え?」 エネコ「プクリンも,ちょっと前までは優しい子だったのに…」 ピチュー「君,何か知ってるの…?」 エネコ「私とプクリンは幼なじみなの」 (ここからエネコの回想) 私とプクリンは,どっちも親がいなくて…o それで,プクリンがプリンの時から仲良しだったわo でも,二人とも財力はないし,力はないしで他のポケモンに馬鹿にされてばっかだったのo だけど私とプリンは,お互いに支え合って,仲良く生きてたわo そんなある時ね…o プリン「エネコ,月の石って知ってる?」 エネコ「月の石?」 プリン「あのね,私たちが進化して強くなれる道具なんだって!」 エネコ「へぇ!」 プリン「満月の丘にあるらしいよ!」 エネコ「探しに行こう!」 それで私たちはこの丘にやってきたのo プリン「疲れたね,エネコ…」 エネコ「うん…さぁ,早く月の石探そう!」 プリン「うん!」 私とプリンは,地面を掘って必死に探したのo プリン「エネコ!」 エネコ「どうしたの?」 プリン「見て!」 エネコ「月の石だ!」 プリン「ちょうど二つあるよoこれでふたりとも強くなれるね!」 エネコ「うん,やったね!」 プリン「どっちが先に進化する?」 エネコ「プリンが見つけたんだから,プリンが先だよ!」 プリン「じゃあ…」 カッ… プリンは,プクリンに進化したわo エネコ「やったね,プリン…じゃなくて,プクリン!今度は私が…」 そしたらねo エネコ「プクリン!?何するの!?」 プクリン「ついにこの美しい体を手に入れたわ!これで私は敵なしよ! エネコ,あんたなんかが進化する必要はないわ」 エネコ「そんな…嘘でしょ,嘘だよね?今まで一緒に頑張ってきたんだよ…」 プクリン「あんたなんか,私にとって邪魔でしかないの」 プクリンは,私から月の石を奪い取ったo エネコ「待ってよ,プクリン!」 プクリン「…邪魔よ,付いてこないで」 バシッッ!! プクリンは,私を払いのけて木に叩きつけたのo エネコ「プクリーン!!」 (エネコ回想ここまで) エネコ「それからというもの,プクリンは♂ポケモンにもてるのを良いことに,どんどんつけ上がっていったの」 ピチュー「そうなんだ…」 エネコ「私がいると♂ポケモンの思いが私の方に行っちゃうから私をここに閉じこめているの」 ピチュー「酷い…」 エネコ「でも,プクリンは昔のように優しい子に戻ってくれるって私は信じてる」 ピチュー「エネコちゃん…そ,そのためにはつまり,プクリンから月の石を取り返せば良いんだね」 エネコ「そうして,プクリンと対等に話せば,分かってくれないはずはないの」 ピチュー「よーし!ピチュー必殺アイアンテール!」 バキッッ! ピチューとエネコの入っていた檻が破壊されたo ピチュー「行こう,エネコちゃん!」 エネコ「うん」 バン! ピチュー「やい,プクリン姫!」 プクリン「抜けたのね…」 ピチュー「エネコちゃんの,月の石をかえせ!」 ピチューの後ろからエネコがそっと出てきたo プクリン「エネコ!あんた…」 ピチュー「月の石はどこなんだ!」 プクリン姫のそばにバシャーモ達とロゼリア,アメモースがいたo どうやらピチューが連れて行かれてから,城に通してもらったらしいo ロゼリア「ピチュー!」 アメモース「そんな火に油を注ぐようなこと…!」 プクリン「いいわ」 2人「え゛??」 プクリン「月の石ならここにあるわ」 プクリンは,マントの下から月の石を取り出したo プクリン「ただしね」 ピチュー「ただし?」 プクリン「あなたが私と勝負して,勝ったら月の石を返してあげるo ただしあなたが負けたら,あなたたちとエネコはこの辺りから追放よ」 ピチュー「…わ,分かった!負けないもん!」 プクリン「良い度胸ねo気に入ったわo覚悟しなさい」 ピチュー「いくぞ!」 プクリン「いつでもいらっしゃい」 ピチュー「まずはピチュー必殺10万ボルト!」 ババババババ… プクリン「大したことないわね」 プクリンはいとも簡単にかわしてしまったo ピチュー「えい,ずつき攻撃!」 ドカッ! ロゼリア「やった,ヒットしたわ!」 プクリン「その程度?」 ピチュー「だめだ,ほとんど効いてないよ」 プクリン「こちらからも行かせてもらうわo火炎放射!」 ゴォオオ! ピチュー「わぁっ!」 間一髪でかわしたo バシャーモ「プクリン姫は,火炎放射が使えるプクリンなんだ」 アメモース「そうなんだ…」 ロゼリア「今の火炎放射,かなりの威力があったわ…」 そんなことを話しているうちに,プクリンはまた火炎放射を放っていたo ピチュー「わぁあ!!」 今度は当たってしまったo ピチュー「ううっ…」 プクリン「もう終わり?もっと手応えあると思ってたのに」 ピチュー「くそぉ…」 プクリン「じゃあ…とどめにするわo火炎放射」 エネコ「待って!」 プクリン「!?」 エネコ「やめて,プクリン!私のことでピチュー君を傷つけないで!」 プクリン「エネコ,あんた何?私の勝負を邪魔するの?」 エネコ「プクリン,あなたがプリンの頃はバトルが嫌いで,傷ついたポケモンを見るたびにバトルなんか嫌って,みんな仲良くしないといけないって私に言ってたよね?私,あのころのプクリンに戻って欲しい」 プクリン「黙りなさい!火炎放射!!!」 エネコが言い終わらないうちにプクリンはエネコに火炎放射を放ったo ピチュー「エネコちゃん!」 エネコは,城の壁に叩きつけられ,バトルのためにプクリンが外しているマントの上に落ちたo プクリン「ふん,あんたなんかが私に逆らうなんて100万年早いわ」 エネコ「…」 プクリン「さあ,邪魔が入ったけど,とどめのお時間よ」 エネコ(ピチュー君が…私のために戦ってくれてるピチュー君が… ダメだ…ここで私が何も出来ないなんて…) プクリン「さあ,終わりよ!」 エネコ「…そんなの嫌だ!!」 すると,プクリンのマントの中が光り出したo月の石だo プクリン「!!!」 エネコの体が光りながら,みるみる大きくなっていくo ピチュー「わぁ…!」 エネコは,エネコロロに進化したo エネコロロ「プクリン…もう一回あの頃みたいにプクリンと遊んだり仲良くしたりしたい…」 プクリン「黙ってよ!はたく攻撃!!」 バシッッ! エネコロロ「いいよ,いくらでもやれば…」 バシッ,バシッ エネコロロ「プクリンの気がそれで済むんだったら…」 バシッバシッ エネコロロ「いいよ…私は心の中ではいつもプクリンの友達…だから…」 ドサッ… エネコロロ「プクリン…あはは…」 倒れながらも,エネコロロは必死でプクリンに笑いかけたo プクリンは,再び手を振り上げたo ピチュー「!!」 バシッッ! ピチューは,思わずエネコロロの上に飛び出していたo エネコロロ「…ピチュー君!?」 ピチュー「プクリン…エネコち…エネコロロちゃんの事分かってあげてよ…」 プクリン「邪魔よ!どいて!!」 プクリンはピチューをはらいのけたo ピチュー「あうっ!」 ドンッ! プクリンは,エネコロロに再び手を振り上げたo ピチュー「今度こそエネコロロがやられる…でももう動けない…」 ピチューは思わず目をつぶったo … プクリン「…エネコ…エネコロロ,あんたはいっつも無茶するんだから」 エネコロロ「プクリン…」 プクリン「変わってないね,アンタは」 エネコロロ「プクリンだって変わっちゃいないよ」 プクリン「あたしは変わっちゃったよ」 エネコロロ「ううん,昔と全然一緒」 プクリン「…ごめん」 エネコロロ「いいの,謝んなくて」 プクリン「エネコロロ…」 エネコロロ「やっぱしプクリンはずっと友達だよ」 プクリン「…」 プクリンは涙ぐみながらエネコロロにひしと抱きついたo その様子をピチュー達はじっと見ていたo エネコロロ「みんなにも優しくしてあげて」 プクリン「…あんなお姫様ごっこ,もう飽きた」 エネコロロ「気まぐれなお姫様だね,やっぱり」 エネコロロはニコッと笑ったo つられてプクリンも笑みがこぼれたo アーボ「エネコロロさん,可愛いよね」 ガーディ「やっぱプクリンさんだよ!」 アーボ「何言ってんだよ〜!」 ガーディ「やるかァ!?」 ジグザグマ「おいおい,止めろよ」 ハスブレロ「見ろよ,噂のお二人さんだよ」 アーボ・ガーディ「!!」 プクリンとエネコロロが二人並んで歩いているo その後ろにピチュー達も付いてきているo ピチュー「じゃあ」 プクリン「だいぶ迷惑をかけたわね」 ロゼリア「いえ,いいんです」 アメモース「二人が元に戻れて何より」 エネコロロ「ありがとう」 バシャーモ「またおいで」 ピチュー「うん!」 「さようなら〜!」 「元気でね!」 全員手を振ったo ピチュー「そういえば,お兄ちゃん探せなかったなぁ…」 ロゼリア「いないよ,こんな町には」 ピチュー「そうだよね♪」 3人はまた,歩き出したo その頃… 1匹のポケモンが,城のたつ丘をを見上げていたo ライチュウ「ここか…」 続 |
まっち | #bak8☆2004.03/18(木)21:34 |
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☆No.7☆ ピチュー「はぁ〜やっと町に着いたぁ…。」 ロゼリア「なんか何日も歩き続けてた気がするわ…。」 ライチュウを探して旅をするピチュー達は、ようやく町に辿り着いていた。 アメモース「にしても…この町さぁ。」 ピチュー「あっ、ビリリダマだ。」 ロゼリア「あっちはコイルね。」 アメモース「それに、ポリゴン…。」 ピチュー「メカニックなポケモンばっかだね。」 周りを見渡すと近代的な建物ばかりで、その町そのものがメカニックな感じだった。 アメモース「この町、メカの町なのかなぁ。」 ロゼリア「でも、割と電気ポケモンが多いから、ピチューのお兄さんも来てるかもよ。」 ピチュー「あ、確かにね。でもどうやって探したらいいのかな?この町結構広いけど…。」 ロゼリア「とりあえず、聞いていくしかないんじゃないの?」 ピチュー「うん、そうだね。誰に聞こうかな?」 ピチューは辺りを見た。すると、メカニックな町並みとポケモンの中に1匹だけ、至って普通の白い体に赤い角の生えたポケモンがいた。 そのポケモンは、動きもせずじっとしていた。 ピチュー「あ、あの人に聞いてみよう!すいませぇん。」 赤い角のポケモン「分かってるわ…。」 ピチュー「え?」 赤い角「貴方は自分を置いて出ていった、兄のライチュウを探しているのね。」 ピチュー「な、なんで知ってるの?」 赤い角「貴方の事なら何でも分かるわ。あなただけでなく、世界中の全てのポケモンの事がね…。」 アメモース「な、なんか怪しくない?」 ピチュー「うん…。」 ゴン! 赤い角「痛ぁ!」 ?「こら!むやみに人の気持ちを読むなって言ってあるでしょ。」 赤い角「だってぇ。」 赤い角のポケモンの後ろに、そのポケモンよりひとまわり大きい、同じ白い体に赤い角が2本生えたポケモンだった。 ピチュー「あのぉ…。」 ?「あ、ごめんねぇ〜うちのラルがびっくりさせちゃったねぇ〜。」 ロゼリア「あなた達は?」 キルリア「私はキルリア。この町に住んでるのよ。こっちが妹のラルトスよ。」 ラルトス「…です。」 ピチュー「僕はピチュー。」 ロゼリア「私はロゼリア。」 アメモース「アメモースだよ。」 アメモース「何でピチュー君の事が分かったの?」 キルリア「私たちは、ポケモンや人の心を読むことができるのよ。この角でね。」 ピチュー「すごぉい!」 キルリア「…でも、他人(ひと)の気持ちが分かるって、良いことばかりじゃないのよ。 人の考えてる悪いことや、抱いている感情とか、知りたくない事まで知ってしまう事になるの。」 アメモース「そういうもんなんだぁ。」 キルリア「だから私たちは、むやみに人の気持ちを読まないことにしてるの。」 ラルトス「知って困る事なんてないわ。知らないより知ってる方がいいに決まってるじゃない。」 キルリア「あのねぇラル…。」 ラルトス「キルちゃんだって、この力でいろんな事件とか解決してきたんじゃないの?」 キルリア「そうだけどさ…あ、そういえばピチュー、貴方何だって?」 ピチュー「そうだった。僕たち、お兄ちゃんのライチュウを探してるんです。」 キルリア「どんな?」 ピチュー「ええ?どんなって…。」 キルリア「ライチュウといっても世界中にはライチュウが何匹いると思ってるの。」 ピチュー「えっと…100?」 ロゼリア「もっと多いわよ!というかそういう問題じゃないわよ!」 キルリア「こういう時に私たちの力を使うのよ。ピチュー、あなたのお兄さんの姿を思い浮かべて。」 ピチュー「う、うん。」 キルリアは目を閉じた。角がうすく光ったあと、目を開けた。 キルリア「分かったわ、あなたのお兄さんの事は。残念だけど、そういうポケモンは見てないわ。」 ピチュー「そうなんだ…。」 アメモース「気を落とさないで、ピチュー君。」 キルリア「あ、そうだ!人探しなら、中央島に行ってみたら?」 ロゼリア「中央島?」 キルリア「ここ東島より捗ると思うけど。それに、ここを出たポケモンの多くは中央島に向かうのよ。」 ピチュー「そうなんだぁ…そうしてみようか?」 アメモース「僕はピチュー君の行くところどこでもいいよ。」 ロゼリア「そうね。」 ピチュー「ありがと。じゃあ、そうするよ!どうやって行けばいいの?」 キルリア「この町にはちょうど港があるのよ。ホエルオー・シップって呼ばれてて、結構さかんな…あっ、やばっ。」 ロゼリア「どうしたの?」 キルリア「ちょっとね…。」 ピチュー「渦潮?」 キルリア「そうなのよ。何週間か前、原因は分からないけど沖の方に巨大な渦潮が現れてね…。」 ピチュー達は、ラルトスとキルリアの家に居た。 キルリア「近づくとのみこまれそうになっちゃうから、この町自慢のホエルオー・シップもお手上げよ。」 アメモース「なんとか通過する方法はないの?」 キルリア「無いわけじゃないんだけど…ちょっと気がかりな事があってね。」 ロゼリア「ところで、さっきからラルトスは奥にこもりっぱなしだけど、何してるの?」 キルリア「ああ…ごめんね。ラル!ラール!」 ラルトス「うるさいよ。もう少しなんだから。」 キルリア「お客様が来てるときには出てなさいって言われてるでしょ。」 ラルトス「ちょうどいいんだって!ピチュー達、こっち来て!」 ピチュー「?」 ラルトス「今、渦潮を突破する方法を調べてたの。あなたたちの力があればできるかも知れないの。」 ピチュー「ほんと?」 キルリア「…ったく。」 ラルトス「こっちよ。」 ピチュー「うわぁ…。」 アメモース「すごい機械だね…。」 ロゼリア「ここがラルトスの部屋なの?」 ラルトス「そうよ。今コンピュータを使って渦の性質とか環境とかを分析してたのよ。」 キルリア「ヘタに手出しして、何があったって知らないからね。」 ラルトス「キルちゃん、まーだそんなこと言ってるんだ!ありえないって言ってるじゃん。」 ピチュー「何の話?」 ラルトス「今からやる事には関係ないわ。」 キルリア「(小声)ラルはね、メカが本当に好きで、伝説とか迷信とか全然信じようとしないのよ。非科学的だって言って。」 ラルトス「それより、今分析した結果なんだけど、これを見て。」 ラルトスは、ピチュー達にコンピュータの画面を見せた。 ロゼリア「何これ?」 アメモース「チンプンカンプンだよぉ…。」 ラルトス「アメモース、貴方『ぎんいろのかぜ』は使える?」 アメモース「う、うん…。」 ラルトス「ロゼリア、『ソーラービーム』憶えてる?」 ロゼリア「ええ。」 ラルトス「ピチューは『10まんボルト』使えるの?」 ピチュー「使えるけど…。」 ラルトス「良かったわ、これで大丈夫ね。ピチューの10まんボルトは不安だったんだけど。」 ピチュー「そ、それで僕らの技がどうかしたの?」 ラルトス「あのね、『10まんボルト』『ソーラービーム』『ぎんいろのかぜ』そして『サイコキネシス』を同時に渦に向かって放てば、渦が消えるのよ。」 アメモース「本当に?」 キルリア「そぉんな事あるわけないじゃない。」 ラルトス「科学的分析は絶対的なの。いいわよ、キルちゃんの協力はいらないから。」 ロゼリア「それで、本当にそんな事が起きるの?」 ラルトス「試してみれば分かる事よ。すぐにでもやりたい所だけど、もう少しいろいろと分析する事があるから、決行は明日ね。」 キルリア「仕方ないわね…もう勝手にすれば?君たち、今日は泊まってっていいよ。」 ピチュー「う、うん…。」 ラルトス「…迷信より、確信よ。」 次の日… ピチュー達は、船に乗って沖に出ていた。 ラルトス「いい?まず最初にアメモースの『ぎんいろのかぜ』次にロゼリアの『ソーラービーム』そしてピチューの『10まんボルト』最後に私の『サイコキネシス』をまとめて渦の中心に放てば渦は消えるわ。」 3人「わかった。」 4人を乗せた船は、どんどん渦に近づいていった。 ピチュー「な、なんか勝手に渦の方に引き寄せられてってない?」 ラルトス「そういうものよ。さあ、行くわよ!」 ゴゴゴゴゴ… アメモース「ぎんいろのかぜ!」 サァッ… ロゼリア「ソーラービーム!」 ドーン! ピチュー「10まんボルト!」 ビババババ… ラルトス「サイコキネシス!」 カァッ! 4つの技が一つになって、渦の中心をうった。 サァァ… ピチュー「あ、渦が…。」 ロゼリア「小さくなっていく!」 ラルトス「ふふっ」 渦は、消えかかったように見えた。 しかし… ゴゴゴゴゴゴ… アメモース「な、何の音?」 ロゼリア「見て、あれ!」 ロゼリアが指さした方では、消えたと思われた渦潮が、激しくなり竜巻のようにあたりの水を吸い上げて渦巻いていた。 ラルトス「うそ…そんな事が…。」 ピチュー「今は何を考えてるひまもないよ!逃げなきゃ!」 ロゼリア「どうやって?」 アメモース「だめだよ!もう間に合わない!飲み込まれる!」 4人「わあぁ〜!」 ピチューは目をつぶった。 ピチュー(やだよぉ、僕こんな所で死ぬなんて…まだお兄ちゃんを見つけてないのに…) ゴォォォォ! 激しい竜巻は、4人の乗った船を飲み込んだように思えた。 しかし、何ともない。 ピチュー(あれ…?) 恐る恐る目を開けると、さっきまでの海の中ではなく、浜にいた。 アメモース「た、助かった…。」 ロゼリア「でも、どうして…?」 すると、ピチューたちの目の前に1匹のポケモンがいた。 ラルトス「サーちゃん!」 サーナイト「…。」 ピチュー「な、なんか綺麗なポケモンだな…え…?もしかして、君が助けてくれたの…?」 サーナイト「…んもぉ、ラルちゃんってばぁ。」 3人「?」 サーナイト「キルちゃんがね、またラルちゃんが何かやるって言ってたから心配して浜から見てたのぉ〜。でね、サーちゃんのサイコキネシスとテレポートで助けに行ったのぉ〜。」 ピチュー「キャラ的には意外だけど、助けてくれてありがとうございます。」 サーナイト「みんな無事で何よりよぉ♪」 ラルトス「お姉ちゃんよ。キルちゃんのもうひとつ上の。」 ピチュー「そうなんだ…。」 キルリア「だから言ったでしょ。上手く行きっこないの。」 ラルトス「たまたまだって!たまたま失敗しただけ。」 アメモース「…でも、こうなっちゃったんだからもう、渦潮を突破する方法はないのかぁ…。」 サーナイト「ううん。」 ロゼリア「え?」 サーナイト「これ見てぇ。」 サーナイトは、何かを差し出した。 ピチュー「これって何?」 サーナイト「ひでんマシンの『うずしお』よぉ。」 アメモース「うずしお?」 サーナイト「これを使ったらぁ、渦を突破出来ちゃうらしいのぉ。」 ラルトス「なに?その非現実的なの。」 キルリア「ラルの言ってたことの方がよほど非現実的でしょ!」 ロゼリア「でも、これって水ポケモンが憶えないとダメなんでしょ?」 キルリア「確かに、この町には私たちとビリリダマとコイルとポリゴンしか住んでない…あ!」 ピチュー「どしたの?」 キルリア「サーちゃん、水ポケモンならいるじゃん!ほら、ホエルオー・シップのホエルオーたちが!」 サーナイト「あっ!本当だぁあ!キルちゃんってばあったまいぃ♪」 ホエルオー・シップ港… ピチュー「…という事なんだけど、うずしお使ってくれますか?」 ホエルオー1「OKですよ。」 ホエルオー2「渦潮のせいで出航できなくて、ヒマだしさ。」 ピチュー「ありがとう!」 ホエルオー3「じゃあ、準備にかかりましょうか。」 数分後… ロゼリア「お願いします。」 アメモース「気を付けてね。」 ホエルオー4「任せてよ。みんな、行くよ。」 ホエルオー達「おぉ!」 ホエルオー達は、一斉に港から沖に見える渦潮の方に向かっていった。 ピチュー達は、港からそれを見守っていた。 ホエルオー5「せーの、」 ホエルオー達「うずしお!」 ゴゴゴゴゴゴ、ゴゴゴゴゴゴ… うずが、消えて無くなった。 ピチュー「…やったぁ!」 ロゼリア「すごいわ!」 ラルトス「…。」 キルリア「(ラルトスを見て)ぜ〜んぜ〜ん信じてなかったのにね。」 ラルトス「…たまたまよ。科学的解明がうまくいかないなんて事、本当は絶対ないんだからね。」 ホエルオー達が、沖から帰ってきた。 アメモース「ホエルオーさん達、ありがとうございました。」 ホエルオー6「こちらこそ。出航できなくて困ってたんでね。」 ホエルオー7「明日から航海再開だ!」 ピチュー「じゃあ、明日僕ら東島へ向かうよ。」 サーナイト「今日も泊まっていってぇ♪」 ピチュー「じゃあ、そうさせてもらいます!」 次の日… ピチュー「いろいろ、お世話になりました。」 キルリア「お兄さんが見つけられるといいわね。」 ピチュー「うん!。」 ラルトス「何か情報が入ったら連絡するわ。」 ロゼリア「お願いね。」 サーナイト「また、遊びに来てねぇ♪」 アメモース「はい。」 全員「さようなら〜!」 ピチュー達を見送った後のラル達。 サーナイト「ラルちゃん、話が。」 ラルトス「え?」 港のそばに、従業員のサンドパンがいた。 ピチュー「すいませ〜ん…。」」 サンドパン「ん?」 ピチュー「僕のお兄ちゃんを見かけませんでしたか。」」 サンドパン「あ、そういえばさっき、君に似たポケモンが僕に中央島への船の出航時間を聞いてきたよ。」 ピチュー「ほ、本当?ありがとうございました!」 ロゼリア「中央島への船はいつ出航ですか?」 サンドパン「1本目はもう出発したよ、次のはあと3時間後だよ。ただし、これに乗り遅れたらもう今日は無いからね。」 アメモース「分かりました。」 ピチュー「行こう!」 2人「うん!」 3人は、チケット売り場の方に走っていった。 ピチュー「お兄ちゃん…待っててね!絶対見つけるよ!」 サンドパン「そういえばその君に似てる二人組は…あれ?もういないよ。」 続 |
まっち | #bak9★2004.04/29(木)15:21 |
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☆No.8☆ ピチュー「うわぁあん!船出ちゃうよぉ!」 アメモース「何で僕たち、こんなに急いでるの!?」 3時間前にチケットを買って、出航時間の今は余裕で船に乗り込んでいる …はずのピチュー達だったが、何故か船着き場に向かってダッシュしている。 ロゼリア「ふたりがゲームセンターに夢中になってるからでしょ!?」 そう、あれは1時間前… ピチュー「へへん♪また勝っちゃった♪」 アメモース「あ〜ん、ピチュー君強すぎるよぉ」 ピチュー「お兄ちゃんに鍛えてもらったもんね♪」 ロゼリア「…そういう『お兄ちゃん』がいるかも知れない中央島に向かう船の出航時間を忘れてない?」 町でいちばん盛んなゲームセンターで、ゲームに夢中のピチュー、アメモース。 そして、二人を見て呆れるロゼリア。 ピチュー「だいじょ〜ぶ♪まだ1時間もあるよ」 アメモース「よぉしピチュー君、次はあれで勝負だ!」 ピチュー「OK、アメちゃん!また勝っちゃうぞぉ♪」 ロゼリア「…もう、先に行ってるわよ」 ピチュー「ロゼリアちゃんは先に行って待ってて!あう、アメちゃん強いなぁ」 アメモース「このゲーム得意なんだよ、僕」 ロゼリアは、さっきと同じ呆れ顔で、ゲームセンターをあとにした。 ロゼリア「ったく、あんなの何が楽しいのよ…」 …時間は元に戻って。 ロゼリア「あと一回、あと一回って、何回やったと思ってるの!?」 ピチュー「そういうロゼリアちゃんだってぇ!」 またまた一時間前(さっきの続き)。 ロゼリア「もう…」 向こうからやってくる、♂ポケモン2匹。 マダツボミ「なぁ、あのコ可愛くないか?」 ロゼリア「(しゃきんっ)え、もしかしてそれ、ワタシの事?」 タネボー「ねぇねぇ君、なんて言う名前なの?」 ロゼリア「え〜、言ってもいいの?ロゼリアっていいます♪」 マダツボミ「ロゼリアちゃん、僕らと遊ぼ〜よ」 ロゼリア「え?」 タネボー「そ〜だよ!キミみたいな可愛い子と遊びたいなぁ」 ロゼリア「ひょっとして、ナンパ?」 マダツボミ「ねぇ、いいでしょう?可愛いロゼリアちゃん♪」 ロゼリア「そんなら、遊んであげてもいいかなぁ♪(上機嫌)」 タネボー「じゃあ、あそこ行かない?」 ロゼリア「おほほほほ♪」 …時間は元に戻って。 アメモース「それで1時間どっか行ってたじゃん!」 ロゼリア「だって、あいつら撒いてくるの大変だったのよ!しつこくてしつこくて…」 ピチュー「だいたいナンパされるほどかわいくも無…」 ロゼリア「(ぎろっ)何か言った?」 ピチュー「あ、何でもないですハイ…」 アメモース「あ、ああ、見て!」 3人の目の前で、中央島行きの船は出発した。 ピチュー「あ〜あ…行っちゃった…」 ロゼリア「アンタ達のせいよ!」 ピチュー「ロゼリアちゃんだってぇ!」 ロゼリア「なによ〜!」 ピチュー「…はぁ〜あ…お兄ちゃん…」 ピチューは、がっくりと肩を落とした。 アメモース「たしか今日は、もう船無いって話だったよね…」 3人「はぁあぁ〜あ…」 ?「どうしたの?オマエら」 深いため息をつく3人の前に、1匹のポケモンが現れた。 ピチュー「キミは…?」 ミズゴロウ「オイラはミズゴロウ。ホエルオー・シップの乗組員のタマゴさ」 アメモース「タマゴなんだ…」 ミズゴロウ「オイラ自身はカンペキなんだよ。相方が頼りなくてさ…。 それよりオマエら、ひょっとして船に乗り遅れたのか?」 ピチュー「え?何でわかるの?」 ミズゴロウ「だって、さっき出ていった船のチケットを持ってるじゃん」 ロゼリア「あ…」 ミズゴロウ「乗り遅れちゃうなんて、だっせーの!」 ピチュー「なんだよ!そうやってバカにしに来たのかよー!」 ミズゴロウ「いやいや、そうじゃなくって、もし急いでるんだったら、 オイラの船に乗せてやってもいいぜ?」 ピチュー「キミみたいな奴の船なんかに…」 アメモース「まぁまぁピチュー君、そう言わず有難く乗せてもらおうよ」 ピチュー「…う〜ん」 ロゼリア「じゃあ、お願いできるかしら」 ミズゴロウ「うん、オイラまだタマゴだから、タダだぜ」 ピチュー「(ぼそっ)エバれる事じゃないけどね」 ミズゴロウ「そういや、オマエ達の名前を聞いてなかったな」 ピチュー「そういえば…。僕はピチュー」 アメモース「アメモースです。アメちゃんでいいよ」 ロゼリア「私はロゼリアよ。よろしくね」 ミズゴロウ「よろしく。じゃあ、ついて来な!」 船着き場…。 ミズゴロウ「ホエルオー・シップはさ、ポケモン1の巨体を生かして、 ホエルオー自身が船になって、背中にお客を乗せるんだ。 見晴らしがよくて、東島では一番さかんな船業者なんだぜ」 ロゼリア「ギャラは?」 アメモース「聞いてどうすんのさ…?」 ミズゴロウ「うん、いちばん高いところでさ、ごにょごにょごにょ…」 ロゼリア「マジで!?」 ピチュー「そんな事いいからさ…船に乗せてくれるんじゃないの?」 ミズゴロウ「あ、そうだった。さっきも行ったけど、うちのはまだ見習いだから、乗り心地はイマイチかもね」 ピチュー「乗せてもらえるだけガマンするよ」 ミズゴロウ「おぉい、ホエルコ!」 ばしゃ〜ん! 沖の方から、1匹のホエルコがやってきた。 ミズゴロウ「コイツ、オイラの相方!まだ進化してないから、まだ下っ端扱いなんだよな」 ホエルコ「そんなこと言わないでよ、ゴロ君…」 ミズゴロウ「オマエが進化しないからだろ! 普通のホエルオーはだいたい0.5mのポケモンが30匹くらい乗れるんだけど、 まぁコイツでも、オマエら3人くらいなら大丈夫だろ」 ホエルコ「うん…がんばる」 ロゼリア「大丈夫なのかしら…?」 アメモース「ボクはいざとなったら飛べるけどね」 ピチュー「アメちゃん…」 ミズゴロウ「ほら、乗れよ!オイラは水中に潜って、危険なものが無いか確認する係だからさ」 ホエルコ「乗って…」 ミズゴロウ「いいな、ホエルコ!オマエの特訓の一環なんだからな! 気を抜くなよ!」 ホエルコ「はい…」 ミズゴロウ「ったく、オマエはそうやって頼りなさげだからいつまでたっても進化できねーんだよ!」 ホエルコ「ごめんね…」 ミズゴロウ「じゃあ、出航!」 ミズゴロウは、水中からホイッスルを吹いた。 ピチュー「ボー…っていうのいわないの?」 ミズゴロウ「下っ端だからさ…」 ミズゴロウは、水中に潜った。 ホエルコ「しゅ、出発〜…」 その弱々しい声に不安を感ている3人を乗せたホエルコは、港を離れていった。 続 |
まっち | #bak10☆2004.04/04(日)16:44 |
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☆No.8☆(続) ピチュー達を乗せたホエルコは、順調に海の上を進んでいた。 ロゼリア「そんなに心配するほどじゃなかったようね」 アメモース「乗り心地もまぁまぁだよね」 ピチュー「ミズゴロウ君、何かあった?」 海の中でホエルコの少し前を進んでいたミズゴロウが、浮き上がってきた。 ミズゴロウ「別に」 アメモース「ねぇ、乗組員ってずっとそうやって水に潜ってるもんなの?」 ミズゴロウ「ああ。何で乗ってないのに乗組員って呼ぶのかは知らないけどさ」 ピチュー「そういえば、中央島までどれくらいかかるの?」 ミズゴロウ「そんなにはかからないけど…1時間半くらいかな」 ロゼリア「かかるじゃん!」 ミズゴロウ「まぁ、そんなに退屈な道のりじゃないぜ。 ホエルコ、何かいいモンあったら案内してやれよ」 ホエルコ「う、うん」 しばらく…。 ホエルコ「あ」 ピチュー「どしたの?」 ホエルコの目線の先には、コイキングやトサキントなどの魚ポケモン達がいた。 コイキング1「今はボクが一番高く跳ねたよ」 トサキント1「嘘だぁ!コイキングに私より高く跳ねられるわけないじゃない」 コイキング2「じゃあ、もう一回勝負だ!」 ポケモン達は、ジャンプの勝負をしていたようだ。 ポケモン達「いっせーの!」 ピョン! その楽しそうな光景を見ているホエルコが進むのをやめて止まった。 ミズゴロウ「?」 水の中にいたミズゴロウが、ホエルコが止まったのを疑問に思った。 ピチュー「ど、どしたの?」 やがてホエルコは、そのポケモン達につられて少し跳ね出した。 そのうち、調子に乗って高く跳ね出した。 ピチュー「うわぁあ!」 ロゼリア「ちょっと、何してんの!」 ピチューとロゼリアは、落ちないようにホエルコに必死でしがみついている。 (アメモースは飛んでる) ミズゴロウ「!おい、ホエルコ!」 気付いたミズゴロウが、水上に上がってきた。 ホエルコ「ごめん、ゴロ君…」 ミズゴロウ「だいたいオマエはどうしていつもそうやって集中力がないんだよ!」 カンカンに怒っているミズゴロウに、ホエルコもしゅんとしている。 ミズゴロウ「オマエと同時にホエルオー・シップに入ったホエルコ達は もうみんな進化して立派に仕事をしてるんだ! オマエがそうやってダメだから、オイラだっていっつも怒られてんだよ!」 ピチュー「まぁまぁ…ミズゴロウ君…」 ピチューも必死でなだめる。 ミズゴロウ「オマエは落ちこぼれだ!相方失格だよ!」 ホエルコ「…」 ホエルコは、乗っていたピチュー達を振り落とした。 ピチュー「うわっ!」 ピチューはミズゴロウに、ロゼリアはアメモースにつかまった。 ・ |
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