ゆい☆ | #1☆2004.05/09(日)16:51 |
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〜第1話〜突然の旅立ち カズキ「ふぁーぁ、おはよー。」 朝、10時半のことだ。 カズキはいつものように、のんびりと朝食を食べる。 そして11時半から始まる『ポケットモンスター』というアニメを見るということが、いつもの習慣。 そう、カズキはこの『ポケットモンスター』というアニメの大ファンなのだ。 でもここは普通の人間界…。 本当にポケモンがいたらいいのに――と、ずっと思っていた。 お母さん「ねぇカズキ、ちょっと買い物に行ってきてくれない?」 カズキ「そんなこと突然言われたって、俺は今からテレビをみるんだ。」 しばらく母さんは黙り込んだ。 どうせ、買い物を頼むことだって、自分で行くのがめんどくさいから人に押し付けるんだろ…俺はそう思う。 お母さん「…もういいわ。でも、テレビばっかりみていると目が悪くなるわよ。」 ≪バタンッ≫ そう言って母さんは買い物に行った。 こっちはうるさいのがいなくなってくれてうれしいや。 カズキ「さ、テレビテレビっ♪」 カズキはテレビをつけた。 ≪たとえ 火の中水の中草の中〜 森の中〜…♪≫←ポケモンの歌) カズキ「あ、もう始まってる。」 ≪CM中…≫ カズキ「本当にポケモンがいたらいいのになぁ。俺には兄弟なんていないし、この辺に友達…といったらアイツくらいしか…。」 アイツというのは、俺と同じ10歳で、ポケモンにハマっているユウのこと。 昔よく遊んでいたらしいけど、俺は覚えていない。 カズキ「今日はシゲルが出てくるのかぁ。それにしても、シゲルってユウにそっくり!…女の子にモテるところとか、俺のことを『カ〜ズキくん』とか言っていつもバカにしてくるところも似ているよーな…。」 ユウ「やぁ、カ〜ズキくん。元気かい?」 あ、ユウがやってきた。 本当にシゲルそっくりでむかついてくる…。 カズキ「何だよユウ…。」 ユウ「ヒマなら遊ぼうと思っていたのさ。」 カズキ「俺はヒマじゃないんだ!どっか行ってくれ!」 俺はユウを追い出そうとした。 ユウ「冷たいなぁ。少しは素直になればいいじゃないのか?」 カズキ「……………。」 俺はユウの一言で黙り込んだ。 カズキ「『少しは素直になればいいんじゃないのか?』か…。じゃあ、ユウも一緒にポケモン見るか?」 ユウ「今ポケモンやっていたのかー。見忘れるとこだったな。」 そして俺とユウは一緒にテレビ(ポケモン)を見始めた。 ユウ「タケシって、なんとな〜くカズキに似てるよーな気がしないか?」 カズキ「そういうユウこそ、シゲルみたいだよ。」 2人は笑いあっていった。 こんな楽しい時間が過ごせるなんて、俺は幸せなんだなぁ〜と思う。 ≪バチッ≫ カズキ「あ…!」 ユウ「どうしたんだいカ〜ズキくん?」 カズキ「画面が真っ黒になってる!」 ユウもおどろいた顔で言った。 ユウ「本当だ…。どうしたんだいテ〜レビくん?」 ユウはテレビにも話し掛けている――。 本当にバカだ。 カズキ「何か風がふいてる!?」 ユウ「そんな、まずないだろ。全部窓は閉まっているし。」 でも、風がどこからかふいている…いや、吸い込まれていく感じだ。 カズキ「テレビの中に吸い込まれる〜!?」 ユウ「何バカなこと言っているんだい、カ〜ズキくん…って、わぁ〜!何なんだこれは――!?」 ≪ビュォ――ッ≫ 2人はテレビの中に吸い込まれていった。 ………………………………… カズキ「いたたたた…。」 ユウ「ここはどこなんだ?」 俺は辺りを見回した。 すると、みたことのないような野原が辺り一面に広がっている。 それは夢にまで見たポケモンの世界だった。 カズキ「ここはポケモンのいる世界だ!あっちにポッポたちが飛んでいるし、こっちではケンタロスが走り回っている。」 キョトンとした顔でユウが言った。 ユウ「そんなことあるわけないだろう?だって『ポケットモンスター』はアニメの話なんだし…。」 俺はとっさに言い返した。 カズキ「辺りを見てみろよ。ポケモンたちが豊かに暮らしている。ここは紛れもなくポケモンの世界なんだ!」 ユウ「た、確かに…。」 ユウは本当におどろいた顔をしている。 こんな、ユウの顔をみたのは始めてだ。 ユウ「それじゃあ、あれがオーキド研究所なんだな。」 カズキ「…多分。」 ユウ「よし、それじゃあ行ってみるか、カ〜ズキくん?」 カズキ「あぁ。」 2人はオーキド研究所まで走っていった。 ☆つづく☆ |
ゆい☆ | #2★2004.05/10(月)20:16 |
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〜第2話〜はじめてのポケモン カズキ&ユウ「おじゃましまーす…。」 研究所に入っても、オーキド博士はいなかった。 でも、俺たちと同じ年くらいの女の子ならいる―。 俺はその女の子に聞いてみた。 カズキ「あのー、オーキド博士いない?」 その子はこっちをむいて、怒ったように言った。 女の子「誰よあなたたち!」 そりゃー、知らない人が勝手に入ってきてたら誰でも怪しがるよねぇ…。 そしてユウが本当のことを言ってしまったんだ。 ユウ「僕たちはこの世界に迷い込んできたんだ。」 女の子「はぁ!?そんなことある訳ないでしょ!」 この女の子は性格が悪いなぁ…と思うけど、でも確かにそんなこと信じる人なんてきっといない。 『あ、そうなんだ。』と、納得する人のほうがおかしい―。 俺は必死にごまかそうとした。 カズキ「違うよ、俺たちはオーキド博士にポケモンを貰いにきたんだ!」 ユウ「え?」 女の子「…そう?ならいいけど。」 あぁー、俺はウソをついてしまった。 このウソがばれなきゃいいけどなぁ…。 ユウ「ところでオーキド博士はどこにいるんだい?」 女の子「博士なら、1番道路あたりでポケモンの研究をしていると思うわ。あの人、ポケモンのことになるとすっごく熱中しちゃう人だから、まだまだ帰ってこないと思うけど…。」 俺は自分のポケモンが欲しくてうずうずしている。 もう、待ってなんかいられない。 カズキ「それなら、オーキド博士を探しに行こう!」 ユウ「カ〜ズキくんの言うとおり。僕も一緒に探しに行ってあげよう!」 俺たちはオーキド博士を探しに行こうとした…。 女の子「待って!」 ユウ「どうしたんだい?プリティーガール…。」 プリティーガール…って、一体ユウは何を考えているんだろう。 女の子「プリティーガールって私のこと!?何かてれるなぁ…。」 きっと、ユウはそんなことばかり言っているもんだから女の子にモテモテなんだよなぁ…。 カズキ「…そんなことより、さっき何を言おうとしたの?」 女の子「あ、えっと…、草むらにはポケモンが出てくるから、そこの机にのっているモンスターボール、勝手に持っていっていいよ…って言おうと思ってたんだけど。」 怒りっぽいと思っていた性格も、ポケモンを貸してくれると聞くと、この子が天使みたいに見えてくる。 はじめて自分でポケモンを扱えるんだ…。 ユウ「それなら遠慮なく貸してもらうよ。」 カズキ「俺はこれにしよっと!」 女の子「そういえば、あなたたちの名前はなんて言うの?」 カズキ「俺はカズキ。こっちは…」 ユウ「僕はユウさ。よろしくね、プリティーガール。」 女の子「私はサナ。よろしくね♪」 カズキ「さぁ、1番道路に行こう!」 ユウ「あぁ。」 サナ「行ってらっしゃ〜い!」 これからは、ドキドキワクワクの毎日が始まる! カズキとユウは1番道路にむかって行った――。 ☆つづく☆ |
ゆい☆ | #3★2004.05/25(火)17:09 |
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〜第3話〜借りたポケモンの正体 カズキ「ここが1番道路…か。」 辺りをちょっと見わたして見ただけで、キャタピーとかビードルがうじゃうじゃいる。 あっちにはコラッタ、こっちにはポッポまで…! 『ポケットモンスター』の世界にずっと憧れていた俺たちが、その世界に入り込んでしまうなんて、なんだか夢を見ているみたいだ。 ユウ「もとの世界はどうなっているんだろう…。」 カズキ「きっと大丈夫だよ。俺たち2人が消えたくらいで誰も悲しまないと思う。逆に喜んでいるのかも…。」 ユウは、ヤドンみたいに口をぽかんとあけた。 そしてしばらく黙り込んで、俺にこう言ってきた。 ユウ「カ〜ズキくん、それはありえないと思う。誰かが消えたら悲しむ人はきっとどこかにいるはずさ。…ま、僕のことを心配してくれている人は、100人のガールフレンド全員だと思うけどね。」 ユウはそういうヤツなんだよな。 それにしても、ガールフレンド(彼女)が100人って初耳…。 少なくともユウが勝手に彼女と勘違いしているにちがいないな。 カズキ「それにしても、このモンスターボールの中には、いったいどんなポケモンが入っているんだろうね?」 俺は不思議そうに尋ねてみた。 ユウ「そんなの、出してみればいいじゃないか。カ〜ズキくん。」 カズキ「それもそうだね。」 はじめての自分のポケモン…か。 マシなのが入ってればいいけど…。カビゴンとかベトベトンとかは出てきてほしくないなぁ。 でも、見た目がビミョーでもコイキング意外ならきっと強い事だろう。 ――あぁ、なんだかモンスターボールの中のポケモンを見てみるのがいやになってきた…。 ユウ「早く投げてみてくれよ。」 カズキ「わかってる。…行け!モンスターボール!」 ≪シュバッ≫←不明な効果音?) ゼニガメ「ゼニー?」 このポケモンはゼニガメだ。 水色の…動物でたとえると亀みたい。 カズキ「よかった〜ゼニガメで。コイキングとかが出てきたらどうしようかと思ってた。」 ユウ「よし、僕のポケモンは何かな?モンスターボール、GO!」 ≪シュバッ≫←またまた不明な効果音?) ヒトカゲ「カゲー?」 ユウ「か、可愛いvv」 ユウのポケモンはヒトカゲか…。 オレンジ色のトカゲみたい。 カズキ「でも、このポケモンって借りてるだけで自分のポケモンじゃないんだよね。」 ユウ「今だけは僕のポケモンさ。ア●フルのチワワみたいに可愛いヒトカゲ…。よし、ニックネームはチワワに決定!!」 トカゲなのにニックネームがチワワ…!? ほかの人が知ったら何でそんな名前付けたのかさっぱり分かんないだろーなー。 そこへ、オーキド博士がやってきた。 オーキド「やぁ、君たち!――って、誰じゃ?」 ポケモンにかみつかれたみたいな跡が、白い白衣(?)みたいな服にたくさんついてる。 これは、コラッタにかみつかれたのかな? オーキド博士、もうボケてきているのかも…。 カズキ「俺はカズキ。こっちはユウ。」 ユウ「よろしく。オーキド博士!」 オーキド「んで、わしに何か用なのか?」 俺たちは一瞬氷ついた。 アニメの中でなら何回か見たことあるオーキド博士だけど、いざ目の前にして見てみると緊張して何を聞こうとしていたのか忘れていた…。 ユウ「僕たちこの世界に迷い込んでしまって…。」 わ…、またユウが本当の事を言ってしまいそうだ。 カズキ「そうじゃなくて、俺たちポケモンを貰いにきたんですけど。」 オーキド「ポケモンか?それなら今君たちが持っているじゃろう?」 カズキ「で、でもこれは借りたポケモンで…。」 オーキド「君たちにそのポケモンをあげてもいいぞ!」 その言葉を待ってました〜と、言うかのように言い返した。 カズキ「ありがとうございます!立派なカメックスに進化させて最強のポケモンマスターになってみせます!」 ユウ「チ・ワ・ワちゃ〜んvv」 ユウのヒトカゲのニックネーム、なんかそれだけはやめてほしいよーな気がする。チワワか…。 オーキド「じゃが、ただではやらんぞ。」 カズキ&ユウ「それってどういう…。」 と、言いかけたすぐあとにオーキド博士はすごいことを言いだした。 オーキド「ただであげてしまってはつまらん!…ってことでこのポケモン図鑑を完成させてくれるって言うならそのポケモンたちをあげてやってもいいが…。さあ、どうする?」 ☆つづく☆ |
ゆい☆ | #4☆2004.05/15(土)16:39 |
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〜第4話〜カズキの決意。 『ただであげてしまってはつまらん!』…って、そんなこと言われてもねぇ…。 カズキ「オーキド博士、ポケモン図鑑を完成させる(多分)ので、このポケモンたちを俺たちにください!」 オーキド「じゃが、君たちだけではちょっと心配じゃのぉ…。」 オーキド博士は不安そうに言った。 サナ「それなら私も一緒に行くわ!」 俺とユウは振り返った。 そこにはサナがいる。 ユウ「何でここに?」 サナ「弱そうな2人が草むらに入るなんて心配だったもんでね。」 カズキ「弱くなんかないっつーの。」 サナ「あら、ポケモンと旅に出るのが始めての新人さんじゃぁ誰でも弱いわよ。」 サナの言うとおり、そういえばそうだったっけ。 ユウ「意地をはるなよ。カ〜ズキくん。」 カズキ「ユウ、うるさい!」 オーキド「ま、とりあえずサナがついて行けば安心じゃ。3人で立派なポケモンマスターになってくるんじゃぞ。」 サナはオーキド博士を指さした。 サナ「そーいうおじいちゃんも、病気とかには気をつけてね。」 オーキド「大丈夫じゃよ、サナも頑張ってな。カズキくんとユウくんにはポケモン図鑑をやるぞ。」 カズキ&ユウ「ありがとうございます!」 サナ「さ、早いとこ行くわよ!」 カズキ「あぁ。」 ユウ「初めての旅のはじまりだね〜。」 3人はトキワシティにむかって行った―。 ☆つづく☆ |
ゆい☆ | #5★2004.06/01(火)18:51 |
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〜第5話〜トキワシティで昼食タイム♪ あれから、何分たったんだろう。 のんびり歩いている草むらの中で、ユウが「つかれたー」なぁーんて、弱音を吐いてる。 これじゃあ、旅なんてとんでもないよなぁ―。 ユウ「つかれた…。」 サナ「もうあそこにトキワシティが見えるじゃない。早く行くわよ!」 カズキ「のんびり歩いてたのに、ユウはおぼっちゃまだよね。」 俺とサナがくすくす笑った。 そして、ユウはちょっと拗ねた顔で言う。 ユウ「どうせ、僕はどっかの誰かさんとはちがって貧乏人じゃぁないからねぇ。おぼっちゃまで結構さ。」 貧乏人っていったい誰のことを言っているのだろう…。 こんなことを言っている間にトキワシティについたのだった。 ユウ「や、やっとついた〜」 サナ「さ、始めはポケモンセンターよ。」 カズキ「腹ごしらえが先だもんな。」 ここのポケモンセンターの料理ってどれも美味しいって評判らしいんだ。 「何を食べようかなぁ?」って迷っていたら、あっという間に時間が過ぎていきそう。 でも、とりあえずポケモンセンターの2階にあるレストランに足を運んだ。 店の人「メニューがお決まりになりましたら声をかけてくださいね。」 そう言って店の人は店の奥に入っていく。 カズキ「こういうとこってポケモンフードとかも売ってるんだね。」 ユウ「あ、それなら僕のチワワちゃんにも食べさせてあげよう。」 サナは不思議そうな顔をした。そしてユウに尋ねる。 サナ「チワワって犬でしょ?」 俺はそっと小声でサナに言った。 カズキ「え、えっと、チワワ(ちゃん)ってユウのヒトカゲのニックネームなんだって。目がア●フルのチワワみたいだって言って…。」小声) それには思わずサナは笑ってしまった。 サナ「チ、チワワだって〜」笑) ユウ「え?何か言ったかい?」 カズキ&サナ「別に何も!」 サナ「…私はオムライスにしようかな?」 カズキ「じゃあ俺はカレー!」 ユウ「ふ、駄目だなぁ2人とも。そんな庶民的な昼食タイムをするのかい?」 ユウの言い方、本当にむかつく。 カズキ「庶民的で結構だよ!それじゃーユウは何にするの?」 ユウ「僕は寿司に決まりさ。超高級なのをね。」 カズキ「もうかってにしてくれよ…。」 店の人「メニュー、お決まりですか?」 サナ「あ、えーっと、オムライスとカレーとお寿司。あとはポケモンフードを。」 店の人「かしこまりました。」 カズキ「行け、ゼニガメ!」 ゼニガメ「ゼニー」 ユウ「チワワちゃん、GO!」 チワワ(ヒトカゲですが!)「カゲー」 サナ「もう食べる準備はまんたんね。…ポケモンまで出してあるし。」 このあと、誰も事件が起きるなんてこと予想もしていなかった―。 ☆つづく☆ |
ゆい☆ | #6☆2004.05/25(火)17:59 |
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〜第6話〜ランチタイムに突然…! あっちで店の人の声がする…。≪ざわざわ≫ってね。 そのあいだ、俺はポケモン図鑑を見ていた。 だって、ここには漫画もないし、ゲームだってない。もちろんテレビなんてものはありゃしない。話す話題なんてものもないんだし。 ただひたすら俺の持ってるポケモン図鑑のゼニガメのページを見てる。 このリュックサックに漫画でもゲームでも何でもいいから暇つぶしになるようなものを入れてくるべきだった―。 ユウは何をやっているんだろう。かばんの中を手探りで探ってる。 ま、俺には全然関係のないことだけどね。 サナ「あ、それちょっとあたしにも見せて!」 カズキ「え、ぁ…。」 サナ「ふぅん。ゲームとかついてそうね。」 俺は見せてあげる…なんて一言も言ってないのにな。 そりゃぁ、ポケモン図鑑にゲームがついていれば俺だって夢中になってやってるはず。 カズキ「ユウは何をやってるの?」 ユウ「ふふ。知りたいかい?」 カズキ「いや別に…。」 何か聞く気をなくしてしまった。 ユウ「じゃぁーん!僕のサイフを探していたんだよ!」 サナ「…じゃぁ、昼食の支払いはユウに任せるわね。」 ユウ「あぁ。良いとも良いとも!」 カズキ「それにしても何か分厚そうなんだけど。」 …………………………………… 店の人「お客様、カレーとオムライスをお持ちいたしました。」 サナ「わぁ美味しそう!」 カズキ「いっただっきまーす♪」 ま、こういうときは仕方ないか。ちょっとユウに気の毒だけどね。 早く食べないと冷めちゃうし。 ユウ「チワワちゃん、もうちょっと待っていてくれよ。」 チワワ「カゲぇ!(私はヒトカゲなんですが…)」 サナ「ねぇ、いくらなんでもヒトカゲにチワワって呼ぶのやめてよ!しかもちゃん付けなんかして、気色悪いわよ!」 う゛、サナってやっぱりキツい性格だなぁ…。 でも俺の言えなかったことを言ってくれたからちょっと感謝してるけど。 ユウ「ひ、ひどすぎる。。。」 チワワ「カゲぇ〜vv(この女の子は女神です〜vv)」 カズキ「何かヒトカゲが微笑んでるよ。」 サナ「本当。よっぽどこの名前が気に入らないのよね。」 ユウ「チワワちゃんまで…、ひどすぎるー!」 店の人「お客様、ポケモンフードとお寿司をお持ちいたしました。」 ユウ「やっと来たなぁ。」 そう言ってユウは寿司を食べ始めた。 ユウ「まぁまぁってところかな。この味―…。」 サナ「バッカみたい!『まぁまぁってところかな。』って。あんたはグルメ王かぁー!?」 ユウ「美味しいです。美味しいです。。。まぁまぁじゃなく普通に美味しいです…。」 カズキ「…………。」 この2人、お笑いコンビでも作ればいいのにね―…。 ゼニガメ「ゼニゼニー。」 カズキ「どうゼニガメ、ポケモンフード美味しい?」 ゼニガメ「ゼニゼニー!(めちゃくちゃ美味しい!)」 ゼニガメはとっても嬉しそうな顔をしている。 よっぽど気に入ったんだな。ポケモンフードが。 サナ「さぁて、そろそろ行くわよ!」 ユウ「え゛もう?」 ユウは口にサーモンのお寿司をくわえたまましゃべった。 まだ手もつけてないのはマグロとイクラと…って、こんなの数えたって意味ないような―。 サナ「行くって言ったら行くのよ!そんな寿司なんてお金持ちのあんたならいつだって買えるんでしょ!?」 ユウ「ふ、それもそうだね。」 ユウの言い方本当に気に入らない。 お金持ちっていうのも、ユウが旅についてきていることも気に入らないし…。 それぞれ別々で行動すればよかったなぁ。 ユウ「えぇっと、サイフは…ってな〜い!?」 カズキ「え゛!」 サナ「何やってんの!?さっきまであったじゃない!!」 ユウ「でも、ないものはないんだよ。…もしかして、誰かに奪われたのかもしれない―。」 確かに。こんなけ探してもないんだもんな。 じゃぁ、一体誰がそんなこと――。 ☆つづく☆ |
ゆい☆ | #7☆2004.06/01(火)19:21 |
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〜第7話〜ユウのサイフ ユウのサイフ、一体どこにいったんだ? ま、俺ってことはありえないけど。。。 まさかサナが…って、そんなことあるわけないよな。 俺たちは一応一緒に旅をする仲間なんだから。 ………………………………… とりあえず、念のため辺りを見回してみた。 だけどそこには怪しい奴なんてどこにもいない…。 1番怪しいって言ったら…ユウ、お前だよ。 こんな田舎のトキワシティに、金髪で派手な格好してる奴なんてどこにもいないしな。 カズキ「ユウ、やっぱり――…」 俺がそう言いかけた瞬間、ユウはとんでもないことを言い出したんだ。 ユウ「あったぁ〜!」 ってね。 サナ「はぁ!?さっきまであんなに『ないない!』とか言って騒いでたくせに?何なのよあんたは…。」 カズキ「で、どこにあったの?」 ユウ「実はポケットの中に入っていたんだよ!」 サナ「とにかく、サイフが見つかったなら昼食の支払いよろしく!私たちは外で待っているわ。バァーイ♪」 ユウ「このお金持ちの僕に…(以下省略という事で。)」 カズキ「サナ…。」 サナ「何よ?真剣な顔しちゃって…。」 俺は別に真剣な顔なんてしてないんだけど… カズキ「俺とバトルしてくれよ!頼む!!」 サナ「いいわよ。1対1ならね。」 カズキ「おぅ!」 こうして、俺・カズキ対サナのポケモンバトルが始まろうとしている。 本当に勝てるのかなぁ… 負けたらどーしよー…っ サナ「私から行くわよ。フシちゃん、出てらっしゃい♪」 フシギダネ「フッシー」 サナのポケモンはフシギダネか。 サナ「えへへ。こっそり貰って来ちゃったの。残った1匹…つまりフシギダネをね♪」 カズキ「ふぅん。じゃ、俺はゼニガメ!君に決めた!」 ゼニガメ「ゼニゼニー」 …………………………………………… そのころのユウは、代金を支払ってるところ。 パートナーのポケモン・ヒトカゲと一緒にね。 ☆つづく☆ |
ゆい☆ | #8☆2004.06/04(金)20:30 |
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〜第8話〜カズキVSサナ! サナ「さぁ、私のポケモンに勝てるかしら?」 サナはそう言った。 カズキ「そ、そんなこと、やってみないと分かんないだろ!」 俺はそういい返した―。 この果てしない空の下で、俺の初めてのポケモンバトルが始まろうとしている…。 サナ「準備はいい?それじゃ、私から行くわよ!」 カズキ「おぅ!」 サナ「フシちゃん、ハッパカッター!」 フシギダネ「ダーネー!」 フシギダネのハッパカッターは、まるで、鋭く尖った刺のようだ。 そんなハッパカッターが、ゼニガメに命中する。 ゼニガメ「…ゼーニ〜」 カズキ「ぁ、ゼニガメー!」 フシギダネのハッパカッターは水タイプのゼニガメに効果抜群だ。 サナ「何やってんの?『よけろ!』とかポケモンに命令出さなくちゃいけないでしょ!…これだから新人さんはドジよねぇ〜。」 サナの性格は本当に気に入らない。(ユウもだけど。 女なのに怒ってばっかりで…、こういうやつって男みたいだ。 カズキ「ドジで結構!ゼニガメ、フシギダネにみずでっぽうだ!」 ゼニガメ「ゼーニー!」 みずでっぽうは、草タイプのフシギダネには効果がいまひとつ。 全然効いていないみたいだ。 サナ「そろそろとどめを刺すわよ!フシちゃん、たいあたり!」 フシギダネ「ダネダネー!」 ゼニガメ「ゼニ…。」 サナ「ふ、勝負あったみたいね。」 カズキ「……。」 サナ「フシちゃんよくやったわ。モンスターボールの中で休んでらっしゃい。」 フシギダネ「ダネー」 フシギダネはモンスターボールに戻った。 サナ「どう?私とあなたの力の差ってものが分かった?」 カズキ「あぁ。サナって強かったんだな…。」 俺はバトルに負けたんだ―…。 けれど、バトルは勝ち負けがあるものなんだから、少ししか悲しくなんかなかった。 それに、まだ旅は始まったばかり。 どんどんポケモンをゲットして、どんどん強くなっていくんだ。 ☆つづく☆ |
ゆい☆ | #9☆2004.06/05(土)15:06 |
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〜最終話〜旅の終わり… 『ジリリリリ――ッ』 俺は、目覚ましのうるさい音とともに、ふっと目が覚めた。 さっきまでのポケモンバトルは何だったんだろう? 「カズキー、もう朝よ!起きてらっしゃいー!」 1階から母さんの声が聞こえる。 『タタタタタタッ』と、俺は下に下りた。 カズキ「え、もう朝?」 母さん「何寝ぼけてるのよ。まだ眠い?」 カズキ「え!?」 さっきまでポケモンの世界にいたはずだったのに…、さっきのは夢だったのか? 母さん「ほら、あなたの好きな『ポケットモンスター』のアニメやってるのに、見ないの?」 カズキ「見る。…見るにきまってるよ!」 じゃぁ、今日はポケモンがやる土曜日なんだ。 …ってことは、さっきのは金曜日の夢だったんだな…。 『たとえ火の中水の中草の中〜…♪』←ポケ歌) カズキ「サナも、オーキド博士も俺の夢の中の人物…か。…どーでもいいユウだけが本当にいる人物で…って、こんなの考えていたら頭がおかしくなるよ…。」 もう1回、あと1回だけでもさっきの世界に入れたら…。 たとえ、夢の中の出来事でもいいから、ポケモンたちに会いたい。 ユウ「やぁ、カ〜ズキくん!元気かい?」 わ、ユウがやってきた。 カズキ「何だよユウ…。」 ユウ「いや、何か変な夢を見てしまってね。その登場人物の中にカ〜ズキくんが出てきていたから、つい…。」 なんだ。ユウも俺と同じ夢を見ていたのか。 それにしても偶然だ。 俺は、『にこっ』と微笑んだ。 そして、ユウにこう言った。 カズキ「同じ夢を見てたなんてな…。ユウも一緒にポケモン見ようぜ。」 俺がそう言うと、ユウは… ユウ「…なんか素直で恐いよ。」 カズキ「え?何か言った?」 ユウ「いや、別に何も言ってない。」 カズキ「そ、そう?」 んー。何か言ってた気がしたんだけどなぁ…。 カズキ「あ、今日のポケモンはジム戦だ。ナツメってちょっと恐いけど…。」 ユウ「そうか?美しいお姉さんじゃないか!」 女の人なら誰にでも可愛い…とか、美しいとか言うんだよなぁ、ユウって。 でも、こういうユウの性格もだいぶ慣れてきた。 あの夢のおかげで―…。 …あ、何かウトウトしてきたかも。 こっちの世界に戻ってきて、安心したせいなのかなぁ…。 ………………………………… 母さん「ふふ。二人は仲良しねぇ。肩をくってけて一緒に寝ているわ。」 俺はユウと寝ていたみたいだ。 すやすや、すやすやと―…。 もちろん見ているのは『ポケモンの夢』。 大好きなポケモンと、一緒に旅をしていたサナもいる冒険の夢。 明日もその次の日も、夢の続きが見られたらいいな―…。 ☆終わり☆ |
ゆい☆ | #10★2004.07/04(日)15:07 |
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〜番外編〜 3年後の未来 ポケモンの世界の夢―… そう、時は流れて3年後、カズキもユウも13歳になった。 もちろん今でも、アニメの『ポケットモンスター』は、やっている。 昔も今も、俺たちはポケモンが大好きということは変わらない。 永遠に、この心は消えないから―… 「カ〜ズキくん、元気かい?」 休日の昼下がり、ユウが家に遊びに来た。 昔と変わらない性格の持ち主。 「はいはい、元気だよ。」 カズキはあきれながら言った。 この言葉、何回聞いたんだろう…って。 ずーっと同じ言葉を言わなくたって良いのに。 これが口ぐせになってしまっているのだろうか。 カズキは、ふと後ろを見た。 「どうしたんだい?」 ユウは、不思議そうにカズキの顔を見ながら尋ねた。 「あ、いや、何か後ろにサナがいたような気がして…。い、いるわけないよな。あれは夢の中の話だったし。」 今になっても、忘れることのできない人物。 生きてきた13年間を振り返れば、たった1秒に過ぎないこと。 …それなのに、なかなか忘れることができない。 どうしてなんだろう。このモヤモヤした気持ちは…。 そして突然、ユウが口を開いた。 「そんなこと、どうでもいいじゃないか。僕らにはもう関係ないことなんだから。」 ≪ピンポーン♪≫ 突然、玄関のインターホンが鳴った。 そして母さんは、ドアを『ガチャッ』と開けた。 「どなた?」 「あの、私、今日お隣に引っ越してきたサナというものです。私と同じくらいの年の子が、この家にいると知って、あいさつに来ました。」 丁寧な口調で話す少女。 『サナ』という言葉に反応した二人は、顔を見合わせた。 二人は玄関にとびだしていくと、驚いたような顔をしたのだ。 …そう、この少女は間違えなく夢に出てきたサナと同じ顔…。 「初めまして。私はサナです。」 これは、かけがえのない、運命のようだった。 番外編 〜終わり〜 |
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