ぴくの〜ほかんこ

物語

【ぴくし〜のーと】 【ほかんこいちらん】 【みんなの感想】

[363] タイム・ライト

リンリン #1☆2004.05/14(金)22:45
プロローグ

 日が昇り、町は静かな朝を迎える。そんな中、1人の少女が走り出そうとしていた。少女の名はディア。今日、この町から旅立つトレーナー
だ。ディアはもうポケモンを持っていた。そう、この星にはポケモンと
いう生き物が住んでいる。ポケモンと人は昔からお互いを助け合いながら生きてきた・・。だが、今の世界はそんなポケモンとの関係を持つ人はほとんどいない。なぜならポケモンを道具として扱うようになったからだ。こんな世界はおかしいと気づき、止めようとしたトレーナーもいた。けれど今は悪が強き時代、1人の訴えは誰の耳にも届かなかった。
だけどそんな世界でもポケモンを友達として一緒に暮らしている人達も
何人かはいた。この物語の主人公、ディアもその1人だ。どんなに無理だとわかってもこの世界はおかしい、この世界を変えようと立ち上がった。パートナーのラルトスと共に。たくさんの人が諦めていく中ディアは世界を救おうとしていた。ラルトスと一緒なら出切ると思った。気持ちが伝わりあってる親友だから。ディアは、1度もラルトスにバトルを
させてはいなかった。バトルで大切な友達が傷つくのは見たくなかった
から。でも、今回の旅ではバトルをすることになるかもしれない。その
思いはディアの中でグルグルと回り続けていた。
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リンリン #2☆2004.05/15(土)20:16
1話〜時を刻む1歩

 ディアはずぅっと走りつづけていた。遠い森、『ウバメの森』を目指して。ウバメの森には時の神セレビィがいるという伝説があったから。
ディアの目的はセレビィの能力で時渡りをして過去の世界に行くことでポケモンに対する人の気持ちを改め直してもらおうというものだった。
過去が変わるというのは重大な事だし、そう簡単に行くことじゃないと
いうのはわかっていた。けれど、動かなければ始まらない。そう思い、
ディアはずっと走りつづけていた。走りつづけたかいがあって夜までにはヨシノシティにたどり着いた。ディアはヨシノシティにたどり着くと
すぐさま、ヨシノシティのPCにかけこんだ。今日はここに泊まる事に
したのだった。夕方に着いたというのに、もう夜になっていた。時間とは早いものだ。ディアはそう実感した。ジョーイさんから、部屋のカギを預かるとさっそくそのカギで部屋に入った。広々としてて大きな窓もあったし心地よさそうな部屋だった。もっと急いでる時じゃなければ、
ゆっくりしたかったけど、今回は早く寝て朝早く出ようと思ってたので
そんな思いは諦めた。ディアは部屋に入ると1番にモンスターボールを
投げた。『ディア、ここはどこ?』
ディア「ここはヨシノシティのPC。今夜はここに泊まるの・・。」
 いい忘れていたが、ディアとルアトはテレパシーみたいな感じで喋れる。これは2人が出会ったきっかけでもあった。
 〜ディアの回想〜
 あれは2年前、わたしが草むらにポケモンを捕まえようと出かけた時
のこと。必死にポケモンを探してるわたしの耳に奇妙な声が聞こえてきた。わたしは声のする方に近づいてみた。・・すると、ケガしたラルトスが倒れていたわ。なぜかわからないけど声はこのラルトスが出した物
ってわかってたの。わたしは急いでラルトスをPCに連れていったわ。
回復までの時間がやけに長く感じたけどラルトスは元気になった。ラルトスはわたしの持ってた1つのモンスターボールに自分から入っていってくれた。これが最初のラルトスの出来事・・。〜回想終わり〜
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リンリン #3★2004.06/21(月)18:25
2話〜不思議な卵

 暖かい日差しを浴びてディアは目を覚ました。ディアはう〜んと伸びをするとまだ隣に眠っているハズのルアトを見た。ルアトは気持ちよさそうに眠っている。ディアはそんなルアトの寝顔を見ながらそーっと立ち上がった。そして、下の階へと音を立てずに下りていった。
 
 ルアトが起きた時にはもうディアは戻ってきていた。ディアはルアトの為に取ってきた木の実とポケモンフーズを差し出した。ルアトはそれを受け取ると夢中で食べた。ディアはその間に紙切れのような物を広げていた。2人はその紙切れのような物を覗き込んだ。表紙には『マップカード』と書いてあった。どうやらディアはルアトが寝ている間に外に行って散歩してきた
らしい。そのマップカードによると2人の次の目的地となるのはキキョウシティという事がわかった。ディアはそれを確認すると、ルアトをMB(モンスターボール)に戻した。もう出発することにしたらしい。ディアがヨシノシティのPCを出ると1人のおじいさんが駆け寄ってきた。おじいさんは不思議な卵のような物を差し出すと、
おじいさん「君がディアちゃんかね?この卵をウツギ博士に渡してほしいんじゃが・・。」
 そう1言ディアに告げた。ディアは困惑したが一応卵を受け取った。だけど、本当のことをいうとめんどくさかった。これから早くキキョウシティに行ってそれからウバメの森へと行かなくちゃなんないのに。ディアは用事なら早く済ませようと、ワカバタウンに向かって走り出した。思ったよりは早く着けたのでディアは一安心した。だが、のんびりとはしていられない。急いで研究所の扉を開けると中に入った。中に入るとウツギ博士が丁度いて、振り返った。ディアは卵を差し出した。
ウツギ「あぁ、ディアちゃん。僕にかい?だけどそれはディアちゃんに
あげよう。今は急いでるんだろう?」
ディア「いいんですか?」
ウツギ「あぁ。持って行ってくれ。世界を救ってくれ・・。」
 ディアは研究所を飛び出すと、キキョウシティへと向かった。卵を抱えながら。
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リンリン #4☆2004.05/21(金)20:46
3話〜走りつづけて

ディアは不思議な卵を抱えて走っていた。目指すはキキョウシティだ。
キキョウシティにはジムバトルが出来るところがある・・だがディアは
やらない。必要以上にルアトを傷つけたくない。それに今はとてもジム
戦なんかしてる場合じゃない。そう思って走る足に力を入れるディアであった。ワカバタウンで卵を貰って走り出した時からずいぶん経った。
やっとヨシノシティに着いた。ディアは一度昼食を取ってからキキョウ
シティに行くことにした。レストランに入り、自分のものとルアトの食べ物を注文する。注文がくるまでの時間がじれったかった。注文したのを急いで食べると外に出る。ボ−ッとしてると日が暮れてしまう。そう
考えてディアは走り出した。頑張って走ったが、昼から出発してキキョウシティまで行くのは無理だったようだ。寝れるような所を探してその晩は野宿する事にした。カサカサ・・足音がする・・ゴソゴソ・・草むらを歩く野生のポケモンの音がする。その音が気になってなかなか寝付けなかったディアだけど月が真上に来る頃にはぐっすりと眠っていた。
眩しい光に照らされてディアは起きた。ディアは起きるとそばにあった
木の実で朝食を済ませた。もちろんルアトもだ。簡単な朝食を済ませるとすぐに走り出した。ずぅっと走りっぱなしで疲れていたが、弱音も吐いてはいられない。今は世界が危ない危険な状態なのだ。誰か救う者が
いなければいけない。昔は凛々しいトレーナーがロケット団という悪い
組織から救ってくれたことがあった。暗黒の日々が続いても誰かが助けてくれた・・だけど今はそうはいかない。もう助けてくれる人を待っててはいけない。もう世界は変わったのだ・・平和な日々からまた暗黒の
日々へと。
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リンリン #5★2004.06/21(月)18:24
4話〜アルフの遺跡

走りつづけてヘトヘトになったが、昼頃にはキキョウシティにたどり着いた。キキョウシティに着くディアは1番にPCに行った。傷ついてはいないけどルアトをジョーイさんに預けた。元々体力は減ってないのですぐに終わった。ルアトの入ったMBを受け取るとディアは町を眺めた。マップによるとキキョウシティは『マタツボミの塔』という塔が中心になっている街らしい。この過酷な旅が終わったらココに来てもっと見物をしたいと思ったが、とりあえず今は時間が無いのですぐに離れることにした。

 ディアはこの先の旅路を確かめようとマップを見た。この先にはどうやら『遺跡』というものがあるらしい。ディアは遺跡というものは見たことがない。興味津々だし、見てみたい・・でも今は時間がない。そんな2つの思いがディアの中で争った。『時間は無いが見てみたい』そんな思いに狩られて結局ディアはその遺跡に立ち寄ってみることにした。その遺跡とやらに向かっている時に聞いた話だが遺跡の名は『アルフの遺跡』というらしい。アルフの遺跡には『アンノーン』という不思議な生物がいるらしい。もしかしたらセレビィについて何かわかるかも知れない。ディアはそう思って気のせいか走る足取りが軽くなったような気がした。ここ数日走りつづけたせいかディアはずいぶん走るのに慣れてきたようだ。
 
 キキョウシティを出て、すぐにアルフの遺跡に着いた。ディアは中に入ってみた。中には1人の旅人がいてアンノーンには伝説のポケモンホウオウとつながりがあるようだ・・とかいうこと
を教えてくれた。セレビィとホウオウは『時』という言葉でつながりを
持っているのでディアは真剣に話を聞いた。その旅人の話を聞くとディアはもっと中に入ってみた。遺跡の中を歩き回っていると・・アルファ
ベットのAのようなかたちをした生物が出てきた。どうやらコレがアンノーンみたいだ。ディアはそう確信した。
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リンリン #6☆2004.05/23(日)15:30
5話〜ホウオウの存在

ディアはアンノーンに近づいた。アンノーンは空中に浮かんでいるが、
キーキーと壊れたラジオの音みたいな声をだしている。アンノーンは何を言ってるのだろうか・・そこで1つ考えついた。

ディア「ルアト、出てきて!」
ルアト『・・ココはどこ?あのポケモンは何?』
ディア「ココはアルフの遺跡であのポケモンはアンノーンっていうの。
 ルアトにお願いなんだけどアンノーンの話してる事分かる?」
ルアト「うん、お安い御用。待っててね。」
 そう言うと、ルアトはアンノーンに近づきアンノーンと何か喋リ出した。ディアにはルアトの声しか分からない。
ディア「どうだった?」
ルアト「アンノーンはホウオウってポケモンのことを喋ってた。ディア
 の探してるセレビィと関係があるんじゃないかな?」
ディア「ホウオウ・・!あの伝説のポケモン?そうね、少しセレビィに
関係があるかも。」
ルアト「ふぅん、アンノーンはね、『ホウオウ 全ての神 時にもホウオウ関係在り』って言ってた。』
ディア「そう。ホウオウは昔この世界に現れたんだけど、人間達の争い
 に呆れ、そして怒りこの世から姿を消した・・だけどホウオウはこの 世界から離れる前に3匹のポケモンをこの世の見張りとして置いてい ったの。その3匹の監視役?っていうのかな・・それがセレビィ。時 の神だからホウオウとつながりがあるのはセレビィとルギアっていう ポケモンだけらしいわ。」
ルアト「へぇ、そんな事初めて知ったよ。」
ディア「コレくらいの事なら歴史の本に書いてあるわ。ルアト、ありが とね。もう、戻っていいよ。」

 ディアはルアトをMBに戻すとアルフの遺跡を出た。セレビィについての本当のことを知りに。
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リンリン #7☆2004.05/29(土)17:40
6話〜ヤドンの井戸(前編)

アルフの遺跡から走りつづけて随分時間が経ったような気がする。時計なんか調べてる余裕もないからわかんないけど。この頃は走るばかりのような気がする。でも、ディアは次の目的地『ヒワダタウン』を目指して走りつづけていた。ヒワダタウンには『ガンテツ』というおじいさんがいる。昔からのお年よりなので何か情報を知ってるかもしれない。
ガンテツさん・・昔、この地を助けたトレーナーもガンテツさんとの関りがあったらしいし何かと評判は折り紙付きの人なのだ。新たなセレビィの情報が聞けると思うとディアは自然と嬉しくなってきた。走りつづけて夜中にガンテツさんがいるヒワダタウンに着いた。体はクタクタだしおなかも空いたのでPCに入った。もう夜中だというのにジョーイさんは起きていた。突然入ってきたディアを怪しみもせずに食べ物を持ってくると部屋のカギを渡してくれた。ディアはふかふかのベッドに寝転がるとすぐに寝息を立て始めた。故郷のワカバタウンを出てから明日で
3日になる。これまで疲れていたせいもあり、ディアは空に異変があることも気づいていなかった・・。

ディアは夜中にPCに来たというのに朝一番に起きた。階段を下りると
一目散にPCから出た。ゆっくりとはしていられない・・。ディアが
外に出ると昨日はあんなに静かだった町が騒がしかった。なんだろう?
疑問を胸に抱きながらディアは大勢の人が集まってる方に行ってみた。
人々の中心には大きな穴のようなものがある。見たことのないような
深い穴だ。不思議に思ったディアは町の人にあれが何なのか教えてもらうことにした。
ディア「あのぉ、あれは何ですか?」
町の人「あれはこの町に昔からあるヤドンの井戸っていうんだ。昨夜の
夜に町の空に怪しい光を見たって言う人がいてね。それで夜が明けると
ガンテツさんがいない・・っていうことになってるじゃないか。だから怪しい井戸に皆集まってるのさ。」
ディア「ガンテツさん??・・」
 町の人の話を聞くとディアは井戸の中に飛び込んでいった。何か考えがあったのだろうか?
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リンリン #8☆2004.05/31(月)20:51
7話〜ヤドンの井戸(後編)

ペタリ・・ディアは静かに井戸の底に着地する。思ったより、それほど
暗くなく微かだが光がある。その微かな光を頼りにディアは光の漏れている方に進み始めた。ゆっくり歩かなければ滑ってしまいそうだ。慎重にそ〜っと歩く。そばで水の音がしてきた。それと同時に人の声とポケモンの声もしてきた。ディアは声のする方に走り出した。コトリ・・ディアは小さな石に躓きそうになった。その音で黒い影が振り返る。
???「誰じゃ?そこにいるのは!」
ディア「私はディア。この世界を救うために旅してるの。」
???「ほぉ・・この世界をか。わしはガンテツじゃ、このヤドンの井戸の番人とも言えよう。」
ディア「番人?彼方がガンテツさんですね?」
ガンテツ「いかにも。昔のことじゃがある偉大なトレーナーが訪れた時
のことじゃ。悪い輩がこのヤドンの井戸を荒らし始めたのじゃ。そんな時、助けてくれたのがそのトレーナーじゃ。それから、わしはここを守りながら暮らす事に決めた。もう2度とそんなことが起こらないようにとな。」
ディア「そうですか、昨日の光の事とこのヤドンの井戸と何か関係は、
あるんですか?」
ガンテツ「・・ヤドンたちの話によるとあの光は時の神『セレビィ』が
目覚めた証拠だそうじゃ。セレビィに仕えれるトレーナーが今日前後に
現れ、この世を救ってくれるそうな。そんなことを話しておった。」
ディア「セレビィ?・・早く行かなきゃ!ガンテツさん、ありがとうございました!」
ガンテツ「なっ?待ちなさい。このボールをアンタに授けよう。ほれ、
マスターボールじゃ。」
ディア「?・・ありがとうございます。」

 ディアはそう言うと風のように井戸から素早く出て行った。
ガンテツ「あの少女、不思議な瞳を持つ子じゃ。あの子ならこの世の
未来を任せれるに違いない。そうじゃろぉ、クリス?」
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リンリン #9★2004.06/12(土)22:34
8話〜マスターボールの秘密?

 ヒワダタウンのヤドンの井戸でガンテツさんに会ったディア。そこで
マスターボールという不思議なボールを貰ったんだけど・・
ディア「?これって本当にマスターボールかな?ボール図鑑と違う気が
するけど・・?」
 ディアは各種類のボールが載っている本を見ていた。どうもこのマスターボールが気になったのだ。図鑑ではこれは模様が違う見たいだし。
ディアは困っていた。ポケモンを100%で捕まえれるボールなんて欲しく
ない。だけど、ガンテツさんがディアを引き止めてまで渡したんならば
とても大事な物なんじゃ・・。そんな2つの考えが頭の中でクルクルと
回りつづける。これじゃ意味がないと図鑑をぺらぺらとめくる・・。
ディア「あっ!これは何?」
 ディアのページをめくる手が止まった。そこにはガンテツさんに貰ったボールの絵そのものが記されていた。図鑑によるとボールの名前は、
『GSボール』という名前らしい。ディアは詳しい説明を読んでみた。

〜このボールは古代遺跡から発見された珍しいボールである。幻のポケモン別名、時の神と言われるセレビィに関わるボールらしいことが分かった。〜
 ここまで読んでディアの手は震えた。このボールはセレビィに関わる
ものなんだ・・図鑑に載ってる珍しく貴重なボールが自分の手に今、ある。ガンテツさんはこのことを知っていてくれたのだろうか?まぁ今は
図鑑の続きを読もう。そう自分に言い聞かせディアは図鑑の続きを読み始めた。
 
〜『GSボール』・・時の神、セレビィに認めてもらえる、そう言った役目があるとこれまでの調査でわかった。セレビィが認め守護神となったものだけにこのボールを扱える。〜
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リンリン #10★2004.06/03(木)21:00
9話〜ウバメの森

ディアはGSボールを持ってもう、すぐ近くにあるハズのウバメの森を
目指して走っていた。これまででセレビィについての情報がいろいろ分かった。情報を集めながら今まで来たけど、遂にあと少しで到着しようとしている。と、走り続けているとウバメの森の入り口に着いた。森は
思ったより深く、草が多い茂っている。草むらを進もうか迷っていると曲がりくねった1筋の道を見つけた。少々草があるが、進めるには進めそうだ。ディアはその道を行ってみることにした。道は行くに連れてどんどん狭くなってくる。その中をディアは草を掻き分けながら進んだ。

しばらくその道を歩いているとなんだか古そうな遺跡らしきものに辿り着いた。ディアは思わず近寄ってみた。その遺跡みたいな建物は今にも崩れそうな感じで壁にはビッシリとコケがある。ディアがそれを調べていると何か看板のようなものを見つけた。ディアはその看板を読んでみることにした。

〜ここ、時の神セレビィが宿る祠為り。GSボールを持つものだけが、
神セレビィに選んでもらえる者である。昔から続いた古き悪事よ、時を
越えることにより正しき事に変えられるであろう。素直な心を持つ選ばれし者だけが暗黒の日々から救える為り。正面の穴にGSボールを嵌めることにより時は動かしき・・〜

なんとかココまでは読めたが後に続いている文字は見えない。だが、今
必要なことは分かった。セレビィを呼び出すにはGSボールを穴に差し込めばいいのだ。そう考え、ディアは穴を探した。丁度ボールが入るような穴はたくさんあったがディアは看板の通りの正面の穴を見つけた。
1つ深呼吸をすると恐る恐るそーっとGSボールを穴にはめ込む。カチッ・・小さな音がしてボールは上手く収まった。ディアは静かにその場
を3歩ほど下がった。・・とボ−ルが眩しいような金の光に包まれ、光り始めた・・。
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リンリン #11★2004.06/05(土)11:13
10話〜時の神、セレビィ

 突然ボールが光り始め、中から何かが出てくる。緑の閃光が一直線に
伸び金色の光も炸裂し辺りはまぶしかった。ディアがゆっくりと目を
開けるとソコには、1匹のポケモンが浮かんでいる・・ように見えた。
ディア「セレビィ?」
 そう、本でしか見たことの無いような伝説のポケモン。別名時の神と言われるセレビィだ。セレビィは思ったより大きく、綺麗だった。大きな青い瞳にキラキラと半透明の羽。神様そういうよりも森の精霊のように見えた。ディアが近寄るとセレビィは大きな瞳でディアを見つめた。
まるで何か喋りかけてくるように。
   『アナタは誰?』
 ディアの中で何かの声が聞こえた。気のせいじゃない、はっきりと。
ディアにはルアトの声しか聞こえないはずなのに。
   『アナタは誰?我、セレビィ。何故に人がココにいる?』
 やはり錯覚じゃない、これはどうやら目の前にいるセレビィの声らしい。セレビィの大きな瞳が何か語りかけているのを見てから気づくべきだった。そうだ、伝説のポケモンなら喋れても可笑しくは無い。
ディア「私はディア、GSボールを持ってココに来たの。彼方に危害を加えるツモリは無いの。」
 ディアははっきりとそう言った。するとセレビィはホッとした様子で
ディアに近づいてきた。

セレビィ『ディア・・では何しにココに来た?』
ディア「世界を救うために、彼方の力を借りに。」
セレビィ『世界を救う・・昔アナタと同じことを言い、助けを求めに
来た人間がいた。その者も我は力を貸した。その者とアナタは同じ目を
している。』
ディア「?」
セレビィ『いいだろう・・我の力貸してやる・・時渡りの力を!』
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リンリン #12☆2004.06/07(月)17:34
11話〜2週間の時

ディア「彼方の力・・時渡りの力?」
セレビィ「我は時間を自由に移動できるのだ。」
ディア「すごい!じゃあ、早く行こう。こうしてる間にも世界は暗黒の
日々が続いているんだから!」
 ディアは静かだがはっきりとした口調で言った。するとセレビィは小さな手を前に出した。

セレビィ「まぁ、落ち着け。時渡りとは違う時代に行く・・つまり時代を変える・・そんなこともできてしまうわけだ。時代を変えても、イイ風に解釈できるのならいいが・・。まぁ、我が言いたいのはあまり長くの時間、違う時代には居られないということだ。」
ディア「そうなの。私の目的は昔起こった事を変えたい。今の世界を造った原因を取り除きたい!」
セレビィ「時間は少しの間なら大変なことが起こっても大丈夫なように
ある。アナタに2週間の時をあげよう。その間なら大丈夫だから。」
 
 セレビィはディアの目を見ながら言った。だがディアの表情は悩んでいるような困っているような感じだ。
ディア「でも、私はどのように変えればいいの?」
セレビィ「争いの原因を無くせば後は自然と消えるハズだ。」
ディア「争いの原因を無くす・・そうすればいいのね・・。」
セレビィ「これからのアナタの旅はとても過酷なものだ。我もついて行った方が安全だろう。」
ディア「ありがとう、セレビィ。」
 ディアがお礼を言うとセレビィは思い出したように言った。
セレビィ「随分申し遅れたが我の本当の名はリーフ。昔来たアナタと似ているトレーナーから貰った名だ。次からはそう呼んでくれ。」
ディア「そう、私はディア。リーフ、旅について来てくれて本当に、ありがとう。」
 ディアは心を込めてそう言って笑いかけた。
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リンリン #13☆2004.06/09(水)18:57
12話〜過去の世界

リーフ「では・・行こう・・時渡り!!」
ディア「ぅわっ!」
 2人は金色の光に包まれた。2人の姿は光の中で見る見るうちに消えていく。光が収まった時はもう2人の姿は無かった。

ディア「ここが過去の世界?」
リーフ「そう、我はこのGSボールに入っているので用があったら呼んでくれ。」
 そう言うとリーフはGSボールに入った。ディアはそれをポケットに
入れると歩き出した。昔の時代でもポケモンはいるだろうし、町くらい
あるハズだ。そう考えたから。ディアの立っていた場所には草が多い茂ってるだけだった。さっきまでいた遺跡は結構古いからここにもあると
思ったのに。それを少し疑問に思いながらもディアは歩いた。

 しばらくすると、町らしきものが見えてきた。家がたくさん在り、建物やPC?の赤い屋根も見える。だけど今の家とは違い木の家が多い。
ディアはそのPC?に入ってみた。
???「こんにちは、ポケモンを預かりましょうか?」
ディア「・・?アナタは誰ですか?」
???「私はこのPCのジョーイです。誰でも知ってる事ですよ?」
ディア「あっ、スミマセン。(やっぱり昔からジョーイさんは居たんだ。)」
ジョーイ「アナタ、新人トレーナー?」
ディア「ハイ。」
ジョーイ「なら、ココに泊まって行くとイイですよ。」
ディア「えっ、そんな!」
ジョーイ「ホラもう暗いですし。」
ディア「何時の間に?じゃあ、言葉に甘えて。」
  
    過去に居られる時間:あと2週間
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リンリン #14☆2004.06/12(土)11:19
13話〜ニュースの知らせ

 昨日の夕方、過去に来て・・今日は過去に来てから1日目。どうやれば、争いをとめられるんだろう?ディアはそのことばかり考えていた。
考えてばかりじゃダメだと思いディアはPC1階に朝食を取りに下りていった。
ジョーイ「おはよう、アナタは昨日のディアちゃんね。」
ディア「おはようございます。」
ジョ−イ「朝食はソコのテーブルにあるから。」
ディア「ありがとうございます。」
ジョーイ「・・ディアちゃん、何か悩み事でもあるの?」
ディア「えっ?そんな!」
ジョーイ「私でよければ何でも聞くわよ?」
ディア「(どうしよう・・。)いや、何にもないですよ!」
ジョーイ「そう、なら良いけど。」

 ディアはドキドキしながら朝食を食べた。フワフワのパンをおなかに詰め込みながらもドキドキしていた。ディアが黙って食べているとジョーイさんは何を思ったのかテレビをつけた。
ニュース「おはようございます。今日のニュースをお伝えします。今日も何か変な集団が現れてコガネシティを荒らしています。コガネシティの町民が次々と姿を消すという事件とは何か関係があるのでしょうか?
先日、いなくなっていた町民の1人を見かけたという人が居ましたが、
何か感じが変わっていたそうです。変な集団とかかわりがあるのでしょうか?とにかく心配です・・。」
 
 ディアはそのニュースを聞くとPCを出た。ニュースで言ってたその争いの元となっている町、コガネシティに行くために。

     過去に居られる時間:あと13日間
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リンリン #15☆2004.06/15(火)20:25
14話〜コガネシティ

 ディアは一応タウンマップを見てみた。・・あった、コガネシティ!
昔から名前が変わってないのかな?とりあえず、マップのとおりに進んでみた。走っていくとすぐに着いた。コガネの町にはラジオ塔という大きな塔がある。近くで見てみると凄く高かった。ディアは辺りをキョロ
キョロしていたが、そばにあったPCに入ることにした。ディアがPC
に入ると中には誰もいなかった。さっき聞いたニュースの通りだ。ディアはPCを出ると大きなラジオ塔に入る事にした。やはりこの塔が一番
怪しい。気のせいだろうか?

 ディアが入るとドアがギィっと嫌な音を立てて閉じた。ディアはなんだかすぐに目に付いた階段を上ってみる事にした。コツコツとディアの
足音が聞こえる。この中に例の怪しい集団がいたら聞こえてるかも知れない。少し用心して歩く事にした。それにしてもこの階段はいつまでも長く続いている。上を見上げても永遠に頂上が来ない気がしてきた。だけど、ココが何かのカギを握ってる気がする・・ディアは決心してやっぱり上る事にした。

 上り始めて3分後、果てしなく続いてると思ったこの階段も頂上が見えてきた。ふぅっと息をついて、もう一足踏み出した時だった。下から
足音が聞こえてきた。中に誰かが入ってきたのだろうか?的か味方かも
分からないせいもあり、ディアは混乱した。足音はどんどんと近づいてくる。ディアは頭をプルプルと振るとGSボールを取り出した。
ディア「出てきて、リーフ。」
 GSボールが静かに開きリーフこと、セレビィが出てきた。
リーフ「何?・・この足音か・・。心配しなくてもいい、これは・・」
 リーフが丁度言いかけた時、足音じゃなく人影がディアの後ろに迫った。一体、敵?味方?
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リンリン #16★2004.06/21(月)11:48
15話〜敵?味方?

ディア「アナタは、誰なの?」
 後ろを振り向きながらディアはポツリと言う。後ろに立っていたのは男の子で年はディアと同じくらいの子だった。リーフは黙ったままだ。少しだけ沈黙の間があったがやがて謎の男の子が口を開いた。
???「僕の名前はフェルス。君はどうしてココにいるのさ?」
ディア「私はディア。
ココで起きた事件に興味を持ったから。」
フェルス「・・余所者がココにいると危険だよ。ココの上は謎の集団、リウォルト団っていう反乱団がいるんだよ。」
ディア「反乱団、リウォルト団・・。」
フェルス「そう。この町の人たちはリウォルト団に上で破壊兵器を造らされているんだ。だから帰ってくるころには体も心もボロボロで性格まで変わってしまうのさ。」
ディア「そんな!!」
フェルス「余所者までこんなトコに首を突っ込んじゃダメだ。早く帰れ。」
ディア「・・ダメ。私はこの事件を止めるために来たんだから。」
フェルス「今までもそういう奴はいたけど、全員やられたんだ。」
ディア「大丈夫よ。」
フェルス「やられたら死ぬか、住民同様こき使われるんだぞ?」
ディア「そう言う彼方は、何でココにいるのよ?」
フェルス「それはさ、まぁ・・。」
ディア「他の町の人に助けを求めてきたんじゃないの?」
フェルス「・・ぅん。」
ディア「だったらいつまでも逃げてたらダメなの。」
フェルス「無理だ。」
ディア「いいわ、私がコガネシティの町民を救ってあげる。彼方はココで待ってて。」
フェルス「はっ?・・ってオイ! 」
 フェルスが止めようとしたときにはもうディアは階段を駆け上がり、上のドアを開けていた。一緒に行こうとしたフェルスの心に何か声が響いた。
    『アイツなら救えるかもしれない。』
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リンリン #17☆2004.07/03(土)22:52
16話〜反乱団、リウォルト団(前)

 ディアは緑色の目を真っ直ぐ前に向ける。顔は真剣そのものだ。静かに頂上にある扉を開けた。

 中はコガネの住民達でいっぱいだった。材料を運ばされている人、機械を造らされている人、など大勢人が動いている。扉を開ける時は静かに開けたので誰もディアに気づいていないみたいだ。そぅっと中に入ったディアは物陰のそばに潜んだ。ディアは息を潜めて様子を見た。反乱団の団員らしき人が来る・・なんとかこっちには気づかず去っていった。
ディアが見た限り、反乱団らしき人影は今こちらにはいない。

 今だ!・・ディアはさっと飛び出した。いきなり出てきたディアに住民は思わず声を漏らす。
ディア「あそこのドアから逃げてください!」
住民A「あいつらは今は居ない・・だけど戻ってきたら・・。」
住民B「だが私たちはこの状況を拒んでいる。だからと言って余所者にまで迷惑はかけられない。」
ディア「逃げてください!」
住民A「逃げよう。いつまでも奴等の言いなりにはなってられない!」
住民達「そうだ、そうだ!!」
 ディアの一言で住民達は一斉に扉目指して走り出した。扉のそばにいたフェルスにも手伝ってもらって住民の大半は逃げれたようだ。あと数十人だけだ。反乱団に気づかれないように扉を開け、最後の数十人を外に出して逃がそうとした時だった。

???「おい、何してんだ?」
ディア「気づかれたっ!!」
フェルス「ヤバイよ、ディア!」
 恐る恐る振り返った2人が見たものはこちらを睨みつけている数十人の反乱団・・リウォルト団だった・・。
 

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リンリン #18★2004.07/23(金)23:57
17話〜反乱団、リウォルト団(中)

???「お前等は何者だ?」
 睨み付けている1人が言う。ディアは重い口を開いた。
ディア「私はディア。彼方達の暴動を抑えるために来たの。」
???「俺たちは誰の手に掛かってもとまらない。そっちの小僧は?」
ディア(フェルス、アンタは住民なんだからそう答えて。)
フェルス(分かったよ。)
???「コソコソするな!」
 ディアとフェルスを睨みつけながらリウォルト団の1人が叫ぶ。
フェルス「・・ただの住民だよ。」
???「へっ、ただの住民が俺たちにそんな口を聞くんじゃない。」
ディア「それより、彼方達リウォルト団のあなたは何者?」
???「俺か?俺はライクだ。このリウォルト団幹部だぁ!」
ディア「そう、幹部って言うんなら話が早いわ。このコガネの住民達を
開放して!」
 真剣な顔でディアが叫ぶ。ライクはディアを見るとフンと呟いて一言言った。
ライク「ヤダ。」
フェルス「子供みたいなこと言うなよ・・。」
ライク「そこ、黙れ。俺等はこの世界に不満を持ってるんだ。この世界は悪い奴らばかり権力があり、マトモに盾突こうとした奴らは全くと言っていいほど力がない。俺たちは力が欲しい。」
ディア「そんな理由だけで、関係ないコガネの住民まで傷つけるの?」
ライク「あぁ、みんな俺たちに従ってたらいいんだ。」
フェルス(なんてやつらだ。)
ディア「そんなこと・・私が許さない!」
ライク「止めれるもんならやってみな。」
ディア「分かったわ。」
 ゆっくりとディアはライクを睨み返す。ライクも鋭い目つきでディアをにらみ返す・・。
ライク「やはり勝負をつけるんならバトルに限る。お前、ポケモンバトルは出きるよなぁ?」
ディア「できるわよ。」
 なんとなくディアは少し顔が青くなったような気がする。何故ならディアはバトルというものをしたことが無いのだから。そんなディアを見てフェルスがそっと声をかける。
フェルス(おい、大丈夫か?)
ディア(バトル・・やっぱりやらなくちゃダメになっちゃった。)
フェルス(どうしたんだよ?)
ディア(私・・バトルしたことないの・・。)
フェルス(!!)
ライク「どうした、早く始めるぞ!・・今さら逃げるとか言うなよ?」
ディア「・・逃げる事はしない。」
 今、ディアのはじめてのバトルとなるリウォルト団との戦いが切って落とされた。
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リンリン #19☆2004.07/14(水)21:23
18話〜反乱団、リウォルト団(後)

ライク「勝負はポケモン1体で決めるぞ。俺のポケモンは・・行けっ、アサナン!」
ディア「バトルはやりたくなかったけど、今はみんなを救うためだから
やるしかない!行って、ルアト。」
 両者、ポケモンの入ったMBを投げる。『ポン』〜MBが開き、2人のポケモンが出てきた。
ライク「俺等は負けない、アサナンみきり!」
 アサナンは攻撃を避ける体制を取った。次はディアの番だ。
ディア「ルアト、影分身っ。」
 ルアトは高速で動くといくつもの影を作り出した。防御の体制を取っていたアサナンもこれに体制を緩めた。
ライク「アサナン、体制を崩すなよ・・そのまま念力!」
 念力がルアトの影を次々と消していく。
ディア「ルアト、背後に回ってそこから念力!」
 丁度アサナンとルアトの念力がぶつかり合った。だが相性だと格闘タイプが入っているアサナンの方がダメージを受ける・・。『パタリ』
静かな音がしてアサナンは倒れている。ライクやリウォルト団は唖然と
している。ライクは風も無いのにざわざわと何かが揺れる音を聞いた。

ライク「・・俺たちはまだ負けたわけではない!・・撤収だ!」
 そう言うとリウォルト団は突如消えた。
フェルス「ディア、凄いよ!・・っディア?」
 MBにルアトを戻しているディアにフェルスが声をかけた。ディアが
黙って振り返る。フェルスはディアの緑の瞳に何か感じた。
ディア「フェルス、どうしたの?」
フェルス「なんでもないよ。それより、町のことありがとう!」
    (今のは一体・・?)
とにかくリウォルト団の手からコガネの住民達を助けたディアでした。


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リンリン #20☆2004.07/16(金)19:19
19話〜仲間と一緒に

フェルス「本当にありがとな。」
ディア「いいよ、別に。それより行かなくちゃ、私。」
 そう言うとディアは荷物を持って歩き出そうとする。
フェルス「待った!」
 1歩踏み出したディアの前にフェルスが立ちふさがる。
フェルス「僕も行く。アンタの旅に付き合ってやろうじゃないか!」
ディア「・・いいわ、それはそうと早く出発しよう♪」

フェルス「次の町は?」
ディア「エンジュシティ。」
フェルス「その前にいいトコがあるんだよ、少しだけだからさぁ。」
ディア「急がなきゃダメな旅なんだよ。」
フェルス「まっ、来てみりゃいいって。」
 足早に行こうとするディアの手を引いて、フェルスが向かった先は・・
『フラワーショップ』だった!

ディア「何ココ?」
フェルス「見ての通りだよ、さっ入ろう。」
 ガラガラ・・お店のドアが開く。
???「いらっしゃいませ。」
フェルス「あっ、フリア!最近の様子は?」
フリア「フェルスかぁ。ん〜微妙なトコね。そっちの子は?」
フェルス「こっちはディア、僕の仲間。」
ディア「ディアです。宜しく。」
フリア「ディアちゃんね。こちらこそ、宜しく♪このお店に初めて来た
お客様にはこの『ゼニガメジョウロ』をあげてるの。ディアちゃんも、
どうぞ。」
ディア「ありがと。」
フェルス「さぁ、ゼニガメジョウロも手に入ったし、行こう!」
フリア「フェルス・・このためだけに来たの?」
フェルス「うん。」
フリア「フェルス・・(今はディアちゃんがいるから怒らないけど今度
こんなことしたらタダじゃおかないわよ!)」
 心の中の思いは外にも見えていたようだ。ディアは普通だが、フェルスはガタガタ震えている。
フェルス「じゃっ!(ディア、早く行こう!)」
 そう言うとさっさと2人はフラワーショップから出た。

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リンリン #21☆2004.07/18(日)21:58
20話〜ディアの秘密

ディア「フェルス・・フリアさん、様子が変だったけどいいの?」
フェルス「旅、急ぐんじゃなかったのか?」
ディア「そうだけど。(なんか変?)」
 2人はフラワーショップを出て、エンジュシティを目指して歩いていた。

フェルス「ディアは今、ポケモンどんなの持ってる?」
ディア「ルアトと・・あっ、そうだ!」 
 何かを思い出したのかごそごそとリュックを探る。ディアは静かに取り出したのは丸くてコロコロとしている不思議なものだ。
フェルス「何?」
ディア「ポケモンの卵なんだって。」
フェルス「ふぅん。」
ディア「あともう1匹いるんだけど・・(明かしていいのかな?)」
   『その少年は安全・・大丈夫だ。』 
 手がGSボールに触ると同時にリーフの声が聞こえた。ディアはGS
ボールをポケットから出した。
フェルス「何か不思議なボールだね。」
ディア「フェルス、このことを秘密にしてね。出てきて、リーフ!」
 GSボールの中からは光と共にリーフが出てきた。
フェルス「!?」
ディア「このポケモンはセレビィ。私がココに来られたのはリーフのおかげといえるわ。」
フェルス(ディアって不思議なポケモンばかり持ってるよな。)
リーフ「我、リーフ・・これから世話になる・・。」
 その後、ディアはコレまでの事をフェルスに話した。フェルスは話の途中に頷きながらも今はこのことを秘密にすると約束してくれた。
ディア「ありがとう。」
フェルス「それにしても、不思議な事だよな・・。この世界を救うためにもがんばろう!」
 その言葉を聞いて安心したのかディアはリーフを静かにGSボールに戻した。

フェルス「僕の手持ちのポケモンは・・出てこい!」
 そう言ってフェルスが投げたのは2つのMBだった。
フェルス「こっちがガーディのディンで、あっちがデリバートのカイン
だよ。」
ディア「フェルスは、2人友達がいるのね・・。」
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リンリン #22☆2004.07/21(水)14:07
21話〜謎の人物

 2人は道路で野宿をしていた。真夜中だが、星がキラキラと明るく輝いている。

ディア(あと1週間と少しの間しか、ココに居られない。どうすれば、
争いは止められるの・・?)
 闇の中、1人ディアは考えていた。物思いにふけっているディアの後ろで足音がする。ディアは気付くそぶりを見せない。
???「あの、あなたこんな真夜中どうしたの?」
ディア「へっ?・・あなたこそ誰ですか?」
???「わたしは、ルイム。」
ディア「私はディア、ここで野宿しているだけよ。」
ルイム(それにしてはあの真剣な瞳は何?異常な空気に囲まれているの
は何故?おかしすぎる・・この感覚は10年前のあのヒトと会った時以来の感覚・・。)
ディア「なんなの?」
ルイム「あなた、顔見せてちょうだい。」
 そう言うとルイムはディアの顔を覗き込む。
ルイム(やっぱり!これはあの『クリス』そっくり!)
ディア「どうかしたんですか?」
ルイム「あなたなら争いは止められる。何たってクリスにそっくりだもん。絶対止めれる・・そんな気がするわ。」
ディア(何で私が争いを止めようとしているのを知ってるの?)
ルイム「クリスは知ってるわよね?何てったって有名だもの。そんなアナタに私からプレゼント。」
 ルイムはそう言うと1つのMBをディアに差し出した。
ディア「へっ?」
ルイム「アナタとはまた会う事になる・・そんな予感がするわ。」
 そんな一言を残してルイムは去っていった。1人考え込んでいるディアを残して・・。

ディア「クリス・・前に1度変な集団からこの世を救ったヒトだ!」
    過去に居られる時間:あと12日間
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リンリン #23★2004.08/18(水)18:27
22話〜新しい仲間

   『ディア、起きろ・・重大なことだ。』
ディア「何?」
 朝・・一応朝だが、まだ太陽も半分しか出ていない。
リーフ『リォルト団の情報が分かった。』
ディア「本当?」
リーフ『反乱団はこの地方の中心、エンジュに行くつもりらしい。』
ディア「エンジュ・・これからの目的地よ、それ。」
リーフ『それなら話が早い。早くそこにいるフェルスを起こして、行かなければ。』
ディア「分かった。」
 そう言うとリーフは勝手にGSボールの中に戻っていった。

ディア「・・にしても眠い・・。そうだ!」
 何を思いついたのかディアはポケットを探る。昨日、ルイムから貰ったMBをポケットの中にしまっておいたのだ。
ディア「出てきて!」
 MBを軽く投げると同時にすぐにポケモンが出てきた。
???『アブッッ!』
ディア「これは、アブソル?」
??? ー俺はアブソルのソア,お前は誰だ?ー
ディア「へっ?」
ソア  ー聞いている,俺が喋れるのは生まれつきだー
ディア「私はディア。」
ソア  ーフン、一応宜しくー
ディア「うん♪」

ディア「私の仲間も紹介するね。出てきてルアト、リーフ!」
ルアト『このポケモン、仲間になったの?』
リーフ『GSボール内で見ていたが・・。』
ソア −コイツ等も喋れるのか?−
ディア「そうよ。」
 だいぶソアは驚いたようだった。
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リンリン #24☆2004.08/04(水)11:18
23話〜英雄のやり残したこと

ディア「起きてよ・・ねぇってば!」
ソア ーコイツもお前の仲間か?ー
ルアト『そう。フェルスっていうの。』

 なんだ、この声はディアかな?今起きるってば。
  『フェルス…まだ目覚めちゃダメ。』
 誰だこの声?アンタ、誰?
  『私はルイム。彼方クリスは知ってるでしょう?』
 知ってるも何も3年ほど前にロケット団を壊滅させた英雄じゃん。
  『彼方はディアと共にエンジュに向かいなさい。』
 ディアと?何故エンジュ?話がつかめないよ・・。
  『争いの原因はソコにある。反乱団リウォルト団もそこにいる。』
 リウォルト団・・コガネを支配していた集団・・。
  『そう、熱くなるな。彼等を恨んではいけない。』
 コガネの住民を支配した悪い連中なのにか?僕の故郷なのに・・。
  『彼等は国のためを思ってやっているの。彼等が倒そうとしている  のは、政府。守ろうとしてるのは国。』
 政府?どんな目的があって・・?
  『3年前も世界は暗黒に包まれた。沢山のトレーナーが止めようと
 立ち上がったときも・・政府は決して動かなかった。ソレに対して人々 は反乱の心を持った。ソコにクリスが来てロケット団を壊滅させた。 だが、奴等のしたことは人々の心に悪意を生ませていた。英雄クリス
 でもソコまでは止められなかった。反乱団はクリスには感謝してる・・
 だが何もしようとしなかった政府は許せない・・たぶんそれで政府に反 抗しようとコガネの町を・・。』
  じゃ、僕達の倒すべき相手は政府なの?
  『そう言える。彼方ならできる・・私はこれを伝えに来た。彼方なら
 できる・・私の代わりになるポケモンを彼方の守護神にして彼方達を
 力の限り守ってあげる。彼女、ディアにも同じことを昨晩したわ。
 彼女の守護神はアブソル。彼方の守護神はこのMBに入って・・』
  
  そこで声は途切れ、フェルスは目を覚ました。
ディア「やっと起きた!早くエンジュに出発するわよ!」
フェルス「おい、待ってよ!」
 そう言うとフェルスは駆け出した。ポケットのMBが揺れるのを感じながら。
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リンリン #25★2004.08/18(水)18:29
24話〜いざエンジュへ!

 2人はエンジュに向かうため、走っていた。
ディア(あと11日間しか居られないのに・・早くしなくちゃ。)
フェルス(このMB、何が入ってんだろう?)
 考えてる事は微妙に違うが、目的は同じだ。だから、走りつづけた。

フェルス「休憩・・。」
ディア「これで3回目だよォ?」
フェルス「まっ、少し待てって。」
 そう言うと2人は腰を下ろす。ディアの場合仕方無いと感じだが。
腰を下ろしたとたん、フェルスはポケットのMBを投げた。

???「ミャッ!」
フェルス「・・コレは・・なんだ?」
 ズテッ  どうやらディアがこけたようだ。紫色の尖った耳、円らな瞳・・そのポケモンは軽やかに飛び出てきた。
ディア「コレは、エネコロロでしょ?人をズッコケさせないでよ。」
フェルス「ふぅん。(コイツが僕の守護神?)」
エネコロロ ー私はエネコロロのノイン、♀です。ー
フェルス「・・喋った?」

 丁度その時、ディアのポケットから、MB1つ転がり出た。
ソア ーノインか?ルイムの差し金か・・まぁ俺もそうだけどさ。ー
ディア「ぅわっ!いきなり出たらビックリするよぉ!」
ソア ーすまん。ー
ノイン ー久しぶり、ソア。ー
 そう言うとノインはフェルスの方を向く。
フェルス「な・何だよ?」
ノイン「ルイム様から彼方・・フェルス様に差し上げたいモノが・・。」
 ドコからかイヤホンのような物を取り出す。
フェルス「これは?」
ノイン「ポケットヘルパー・・ポケモンの声が聞こえるようになる道具です。私は元から喋れますが、彼方のポケモンは喋れないはず。ー
フェルス「ありがと。」
 静かにポケットヘルパーを耳につけたフェルスだった。
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ぴくの〜ほかんこ