ぴくの〜ほかんこ

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[371] 生きている理由

青空 青春 #1★2004.06/03(木)17:47
第1章 第1話「引越しの家」
 話の始まりはある秋のこと。
まだ暖かさに恵まれた,9月の始め……。
その出来事 は,私が10歳の時起こった。それは今私の住むホウエン地方に来る前……ジョウト地方にいる時のこと。
 いつもの朝日が私の顔に降り注ぐ。
「朝……そうか,今日やっと夢にまでみたホウエンに……」
と,私はつぶやいた。そう,今日引越しをする予定だったのだ。
こうしちゃいられない,と私は立ち上がり,ふと時計に目をやる。
 7時 47分………
きっともう,お母さんはしたの階でしたくをしているんだろうな。
私の心は………勝手にそういっていた。


「ほら,もう行くわよ!」
お母さんが私に言った。
したくもおめかしもすっかり終わったお母さんは,人のしたくのことなんか,考えるすべもないんだろう。
「わかってる,もう終わるから。さあ,いくよイーブイ。」
私の相棒,イーブイ。ある事件のせいで,喋れなくなってしまった,
かわいそうなポケモン。私が3歳の時,お父さんが拾ってきたのだ。お母さんは,
「もう,早くしなさいって言うの!リニアが言ってしまわないうちに行かなくっちゃならないのよ!」
と,また私に怒鳴る。お母さんの怒鳴りつけにはもう飽きたなあ。

リニアに乗って………
どのくらいかかったかな。3時間……4時間……
時間は過ぎていくばかりで,ちっともとまらない。
とにかく、相当かかった。なんでわかるかって,そんなの当たり前。
やっとのことでホウエンについたときには,もう夜の6時過ぎだったんだから………。

「越してきた家、なかなかいいでしょ?ね,マドカ。………マドカ?」
と,お母さん。言い忘れたけど,私はマドカって言うの。
「ん?ああ,うん,そうね。でも,この家……」
私は言い返した。なんかこの家………とてつもなく霊気を感じる………私これでも昔っからの霊感小女なんだ。なんか自分でも怖いけど……。
                 《続く》
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