なぎさ | #1★2004.07/06(火)19:46 |
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第1話。。渚の父 真っ白な町マサラタウン。 こんな田舎町から3年前レッドとグリーンという 2人のトレーナーが生まれた。 2人のトレーナーが打ち立てた数々の偉大なものは この町に受け継がれてきた。 そして。 再びこの町から、新たなトレーナーが生まれようとしていた。。 渚 ほんの3年前、 俺の父は、マサラタウンのはずれにある闇の草むらに 入っていったきり、 とうとう帰ってこなくなった。 草むらの入り口には、血が付いた服の切れ端が 落ちていた。。 町では、 繁殖期のザングースのせいだと言って片付けられた。 俺は納得がいかなかったが、 その時から俺は、俺は、俺は ポケモンが嫌いに成ったんだ。 |
なぎさ | #2★2004.07/17(土)13:29 |
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第2話 危険な夜 ある日の学校で、 なんも変哲のない日に突然1人の転校生がやってきた。 名前は、ウミ。 出身は、ジョウト地方の町ヒワダタウン。 突然の事情で引っ越してきたそうだ。 こういうのでよくありがちなパターンだが、、、 俺の隣の席に彼女が座った。 ウミ 「こんにちは!あなたの名前はなんていうの?」 渚 「なぎさだけど・・」 ウミ 「よろしく渚君!」 渚 「あのさぁいきなり気安く呼ぶのやめてくんない?」 ウミ 「あぁごめんごめん。。あ!ところで、あなたポケモンだったら何が好き?」 渚 「…」 ウミ 「嫌い、、、なの?」 渚 「あぁ。色々あってさ。でも、君に話すようなことじゃないからさ。。気にしないで。」 ウミ 「ところでね、私ね、学校の登校途中のはずれにすっご〜い気味が悪そうな草むら見つけっちゃったの!今度、肝試しに行くつもり!あなたも一緒にどう?」 渚 「おい!!あの草むらは、はずれの草むらといって立ち入り禁止なんだぞ!危険なポケモンも繁殖してるし!怪我したくなかったら絶対近寄っちゃだめだ!」 ウミ 「あなたに強く言われてますます行きたくなったっちゃった!私は独りで行くわ。私を止めたいんならあなたも一緒に来ることね!」 渚 「おい…。冗談だろ。。」 〜その日の夜〜 ウミ 「よ〜し。。おじいちゃんにピジョンを借りてきたわ。試しに何匹か捕まえてやるわ。。おじいちゃんには、オーキド博士のところに行って来るって言っておいたし。。」 ??? 「ギャオ〜ス、、ゴゴゴゴゴ、、、」 ウミ 「きゃぁっ、何今の声。。やっぱり夜に独りで来るんじゃなかった。。あぁぁ!」 その時、ウミは持っていた懐中電灯を落っことしてしまった。そして、落ちた衝動で懐中電灯は壊れてしまった。。 その頃、渚はやはりウミが心配だった。この日は、2年前のあの日と同じ、夜で、ザングースの繁殖期であったからだ。。 つづく★ |
なぎさ | #3★2004.07/15(木)22:34 |
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第3話 一筋の光 渚は、駆け出した。ただひたすらに。ウミを助けるために。 渚 「ウミ〜!!どこだ?待ってろよ!今行くから!」 ウミ 「渚!ここよ!こっち!きゃぁ〜!」 その時、一匹の得体の知れないものがウミを襲った。 渚は、ウミの叫び声を聞いた。走って行くと、そこには肩に深い傷を負ったウミがぐったりと倒れていた。 渚 「くっそ〜!」 ザングース 「ぎゃあぉ〜〜!」 渚 「俺も、このまま父さんみたいに死ぬのかな・・」 無情にもザングースは、無抵抗な渚を襲った。 だが、そこに一筋の光が現れた。全てを包み込む優しい光が当たり一面を覆ったのだ。渚は、目を瞠った。そこには、見たことのないようなまるで妖精の様な姿のものがあった。するとそれはザングースにこう言った。「立ち去れ、立ち去れ」そして、強い光を発するとトキワの森の方へ飛んでいったのだった。 渚 「なんなんだ、あれは・・」 恐れを成したザングースは暗がりへと消えて行った。急いで、渚は深く傷ついたウミをジョーイの元へ運んでいった。次の朝、ウミは博士にこっぴどく叱られていた。 ウミ 「すみません。。もうあんな過ちは起こしません。ごめんなさい。本当にごめんなさい。。」 オーキド博士 「あんな目にあいたくなければ、もう二度とあんなことはするな。ピジョンは、君のおじいさんに返した。全く。。君はなんて娘なんだ。」 ウミは、わんわん泣いていた。ウミがこっぴどく叱られた後、ウミはまるでさっき泣きじゃくっていたのが、嘘かの様に渚の耳元でこう呟いた。 ウミ 「ねぇ、あの光ってるポケモン見た?渚君、どう思う?トキワの方へ飛んで行ったわよね。う〜ん、気になるわ。」 ウミの言葉を聞いた時、渚は思った。「さっきの涙は嘘泣きか!この性悪娘!」 つづく★ |
なぎさ | #4★2004.07/17(土)11:50 |
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第4話 ウミのこれから。。 ウミはマサラタウン病院の病室で静かに寝ていた。渚がようやく手持ち無沙汰に成るとそこにオーキド博士がやってきた。オーキド博士はウミが起きていないことを確かめると早口で渚にこう伝えた。 博士 「ちょっと、私の研究所に来てくれないかな。」 渚 「はい。。」 博士 「ウミ君が起きると面倒だ。なるべく早く来てくれないか。」 博士はそう言い残すと足早に去っていった。渚は、ウミが寝ているのを確かめるとその後を追った。渚が研究所に着くとそこにはすでに先客がいた。 渚 「ルビー!」 ルビー 「よっ!元気か渚!」 渚 「おまえもか、ルビー?なんで博士は俺たちのこと呼んだんだろうな?知ってるか?」 ルビー 「あっ、博士が戻ってきた。」 渚 俺の友達のルビー。彼もウミの様につい最近転校してきた少年だった。彼は素性を明かしてくれなかったが、俺たちは良き友達になった。そして、同時に良きライバルでもあった。 博士 「二人とも!ちょっと!こちらに来なさい。」 こつこつこつこつこつ… 渚・ルビー 「あぁ!ポケモンだ!」 そこには、透明なボールに入った3つのポケモンがいた。博士は二人に好きなポケモンを選ぶように促すと、二人は熱心にポケモンを眺めて、長い時間の末に渚はフシギダネ、ルビーは、ヒトカゲをそれぞれ選んだ。残ったゼニガメを机の上にそのまま出しっぱなしにした博士はこう切り出した。 博士 「君たちに今それぞれポケモンを渡した。わかるかね。君たちはいつまでも狭いマサラタウンに閉じこまっててはいけないということだ。君たちには前途、未来がある。各地のジムでバッチを集め、ポケモンリーグを制覇するのだ。二人になら絶対できる!私が見込んだ二人だ。さぁ、今から家に帰って家族に伝えるのだ。但し、渚、ウミには決して旅立ちのことは言うな。彼女はまた必ず無茶をする。せめて彼女の怪我が治るまではそっとしておきたいからな。」 渚 「俺だけ旅をしてウミを置いて行くのはなんだか寂しい。せめて、別れの挨拶だけでもして行こう。」 ウミ 「帰ってくるの遅かったわね。どこ行ってたの??あのね、あの光ってたポケモンの正体のことなんだけど…」 渚 「ウミ。。あのさぁ・・」 ウミ 「渚君、どうしたの?」 渚 「俺さ、博士からポケモンもらったんだ。明日の朝には旅立ちするから、ウミに別れの挨拶を言いに来たんだよ。短い間だったけど本当に楽しかったよ。これからは無理をしちゃだめだからね。怪我早く治るといいね。じゃぁ。」 ウミ 「…。」 つづく★ |
なぎさ | #5★2004.07/16(金)20:45 |
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第5話 脱走! そして、長い沈黙を破ってウミがこう切り出した。 ウミ 「わかったわ。私を置いて行くのね。私を置いて。。。いいわよ。渚君、明日あなたを見送りに行くわ。私の分までがんばって!」 渚 「ウミ。。君とは一緒に旅をしたい。だが、君はポケモンを持ってないだろう。それに、肩には怪我をしているし。治るまでの辛抱だよ、ウミ!君とはまたどこかで会えるよ。絶対に。明日見送り来てくれよ!じゃぁ。」 ウミはその夜、医者がウミに肩の怪我が全治1週間で、それまでは絶対安静にするようにと告げたのを聞いて、ぐっすりと寝た様なフリをした。深夜、病院全体が寝静まり静かになったのを見届けると、荷支度をしていつでも発てる様にしておいた。そして、ウミは肩の痛みをこらえながら服に腕を通すと大きく深呼吸して病院をこっそりと抜け出した。そして、博士の研究所の裏口が運良く開いていることに気づきこっそりと研究所の中に侵入した。 ウミ 「ずるい!渚ばっかり!博士は渚にばっかりひいきする!私だって十分一人前だわ!肩の怪我くらい全然平気なのに。私だってひとり立ちをしたいわ。できれば、渚と。渚は生涯初めてできた親友なのに。あんまりだわ!あの、白髪ハゲ頑固ポンコツじじい!もういいわ。ちょっと荒いやり方だけど仕方がない。」 ウミが明かりの無い真っ暗な研究所の中を物色していると、突然人の気配がした。それは、博士の持つ特有の気配ではなかった。ウミがとっさに身構えると、その人の気配はウミに気づいたのか急いで机の上に無防備に置かれたモンスターボールをつかんだと思うと、窓ガラスを割って逃げて行った。 ウミ 「なんなの今のは。。」 すると、後ろの部屋から博士が出てきた! 博士 「何じゃー今の音は!!泥棒か!出て来い!姿を現せ!」 ウミ 「くっ。。まずいわ。このままだと見つかって私が犯人になっちゃうわ!」 ウミは、とっさに真正面の部屋に入った。すると、そこにはたくさんのモンスターボールが飾ってあった!よーく見ると一つ一つ全てにポケモンが入っていた! ウミ 「こんなにたくさんのポケモンをいっぺんに見たことはないわ!あっ!棚からモンスターボールが落ちてるわ!あっ!割れてる!」 ウミは、無意識の内にその壊れたモンスターボールを拾ったと思うと、博士の(コレクションルームと思われる)部屋の窓ガラスを割るとそこから脱出を果たしたのだった。 つづく★ |
なぎさ | #6☆2004.07/17(土)11:23 |
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第6話 夜の一時、旅立ちを迎える希望の朝 その夜、渚の家の門を叩く一人の少女があった。 ウミ 「渚君、ちょっといい?」 渚 「こんな遅くに何のようだよ、ウミ。たまたま、俺の母さんはトレーナーズスクールの講師やってて今日はかえってこないって言ってたから家にいないからよかったものの。。。ま、いいよ。上がって。」 ウミ 「うん。ありがとう。」 二人は、リビングを抜けると奥にある階段を上り渚の部屋に入った。渚の部屋は整理されとても綺麗だった。部屋には、すっきりと荷支度された荷物と図鑑、そして博士にもらったポケモンのフシギダネがボールに入りすやすやと眠っていた。渚は、ウミの大きな荷物に目をつけるとこう言った。 渚 「どうしたの?この大きな荷物?」 ウミ 「渚君、無理なお願いだとわかっている。それでも、渚君に質問してもいい?」 渚は、悟った。ウミは俺と一緒に旅をしたいんだと。渚は彼女の気持ちを汲み取るとこう切り出した。 渚 「行こう、一緒に。目指そう、世界一を。君が、けがをしてそのままなわけは無いって思ってた。君はいつも無理ばっかりする。俺はそんな君を放って置くわけにはいかないから。」 ウミ 「あっ、ありがとう。渚君・・」 渚 「町からウミが消えたことがわかれば、町はきっと大騒ぎになる。今のうちからマサラタウンから抜けよう。俺は大丈夫!母親には、トキワシティのスクールに着いたらもう一度事情を話すから。さぁ、行こう!長いたびになるかもね。途中色々な困難に会うかもしれない。でも、君となら行ける!俺はね、あの日見た光ったポケモンを見て、なんだ。ポケモンって、怖いわけでもなんでもないんだって。俺は長い間誤解してたよ。ポケモンの全部が全部悪い奴じゃないんだってことを!」 ウミ・渚 「さぁ、行こう!」 明け方にウミと渚は旅立った。これから、二人に襲う数々の困難を知らずに。。そして、町の人々がウミの姿が無いことに気づいたのは、それからすぐのことだった。 つづく★ |
なぎさ | #7☆2004.07/17(土)11:50 |
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第7話 トキワジムの裏口から。 明け方、マサラタウンを抜けた二人は外には広い世界があることを改めて痛感した。草むらからは、ポッポ、コラッタが勢いよく飛び出してきた。二人は驚いたものだった。フシギダネは、体は小さいもののタフであることに気がついた。渚は道中で彼を「フッシー」と名づけた。 ウミ 「トキワシティが見えてきたわよ!」 町についた頃には夜はすっかり明けていた。トキワシティは、とても小さな町だったが緑がいっぱい溢れ綺麗に整備された町だった。渚が彼の母親に事情を伝え終えると町の高台にあるジムへと向かった。 ウミ 「ジム、人気が無いわね。どうしたのかしら?」 渚 「あ!ドアに張り紙がしてあるぞ!」 [誠に勝手ながらジムはしばらく閉鎖します。 トキワシティジムリーダー] 通りがかりのおじいさん 「ずっと前から閉鎖されておる。無駄じゃよ。帰りなさい、お若いさん。」 ウミ・渚 「え〜!閉鎖!?どうしよう・・せっかくトキワシティに来たのに!」 渚 「しょうがないから、トキワの森を抜けてニビシティに向かうしかないな。」 ウミ 「ねぇ、ちょっと静かにして。見て、誰もいないはずのジムの裏口に人の気配がする。。」 ウミと渚が草むらに身を潜めると、裏口から黒尽くめの男たちがこそこそと出てきた。男たちは、辺りに人がいないことを確かめると、トキワの森へと向かった。随分前から閉鎖されていたはずのジムになぜ・・と、思った二人は好奇心に駆られてあとをつけることにした。。 ウミ 「綺麗な森ね!木々が陽によってきらきらと輝いているわ!これこそ、永遠の色だわ。」 渚 「ウミ!後をつけるとかいったのは君だろう!森なんて見てる場合じゃ・・」 つづく★ |
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