夏実 | #1★2004.09/20(月)21:10 |
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第1話 鳥の目覚め ……今日は雨。朝からザーザーと喧しい音が鳴り響いている。ここは、地図にも載っていない町、ヤマノタウン。そこに1人の男の子が、傘を差して立っていた。 男の子「あ〜あ、今日も雨かよ〜。最近雨が多いな〜。」 その男の子は、ウンザリした様に空を見上げた。するとそこに、今度は男の子と同い年ぐらいの女の子が走ってきた。 女の子「エドく〜ん!」 男の子「?ああ、リナか。」 どうやら男の子の名前はエド。そして、女の子の名前はリナ。 リナ「ねえねえ、エド君。こんな所でのんびりしてる場合じゃないよ。テレビを見て!」 エド「テレビ?う〜ん、まあ、いいけどさ……。」 リナ「さあ、早く早く!」 そして2人は、なかなか新しい感じのする家に入っていった。その家は、リナの家らしい。 エド「ふう。テレビがどうしたんだよ……?」 テレビ「…オーキド博士は、これからも調査を続けるとの見解を示しました。では、次のニュースです。」 エド「何だよリナ、終わっちまったじゃねえか。」 リナ「エド君が早くしないからでしょ!」 エド「まあまあ、そう言うなよ。それより、リナが言いたかったことって何なんだ?」 リナ「それがね、新種のポケモンが発見されたんだって!」 エド「?ああ、そうか。」 リナ「もう、何言ってるのよ!新しいポケモンなのよ!」 エド「ふう〜ん……。って、え???新しいポケモン?」 リナ「そうなの。まだ誰も見た事がないポケモンなんだって!」 エド「す、すげえ……。」 リナ「それでね、もっと凄いのが、そのポケモンが、ヤマノタウンに向かってるんだって!」 エド「!し、信じられない……。」 リナ「さ、エド君も興味あるでしょ?」 エド「あ、ああ……。早くカズ先生のところに行こうぜ!」 カズ先生と言うのは、この町から遠く離れた学校の先生で、ポケモンの研究もしているのだ。 リナ「そうね!さあ、行きましょう!」 ……その頃。ヤマノタウンから500キロ程離れた上空を、青く光る鳥ポケモンが飛んでいた。果たして、エドとリナの元へ向かう鳥。これは果たして何なのか? |
夏実 | #2☆2004.09/20(月)21:29 |
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第2話 3匹遭遇 カズ先生の元へと向かった2人は、自転車に乗り、細い道路を走っていた。 エド「ふう。そろそろ着くぜ。」 リナ「そうだね……。」 そう言っている間にも、2人は大きな家の前に着いていた。 エド「よし、リナ、着いたぞ。」 リナは自転車を降りて、門に着いたベルを鳴らした。 ピ〜ンポ〜ン……。誰も何も言わない。 リナ「あれれ?おかしいなあ……。」 エド「どうした?カズ先生いないのか?」 リナは黙って、もう一度ベルを鳴らした。 ピ〜ンポ〜ン。またもやベルの音が鳴り響くだけ。 エド「……。まあ、仕方ないな。今は学校にいるのかも。」 リナ「う〜ん、でも、重大ニュースなのに……。」 エド「大丈夫だって。きっとカズ先生もニュースぐらい見てるさ。」 リナはしばらくためらっていたが、しばらくして再び自転車に乗った。 エド「おい、リナ。行くのか?」 リナ「うん。行こう、エド君。」 2人は自転車に乗り、ヤマノタウンへの道を走っていた。 その時。エドとリナは気付いていないが、はるか上空を、3匹のポケモンが飛んでいた。 1匹は、テレビで報道された青い鳥。 2匹目は、黄色く、バチバチという音を鳴らして空を飛んでいる。 3匹目は、赤く燃えており、飛ぶ度に火の粉のようなものが地面に舞い散っていった。 その名を、「フリーザー」「サンダー」「ファイヤー」。 サンダー「フリーザー。お前も間抜けな奴だな。」 ファイヤー「人間に見つかってるようじゃな。」 フリーザー「うるさい。俺はただ、この島に新しい領土を作りたかっただけだ。」 ファイヤー「はん?それがどうした。いずれにせよ、人間に見つかったんじゃねえか。」 サンダー「確かにファイヤーの言うとおりだな。フリーザー、負け惜しみはやめろやめろ。」 フリーザー「ヘッ。もうお前らとは愛想が尽きたぜ。アバよ。」 そう1声言うと、フリーザーは2匹とは別の方向へと飛び去っていった。 その頃のエドとリナ。 2人はヤマノタウンへと辿り着き、雨がやんだのを確認し、2人で海に釣竿をたらしていた。 エド「……。あ〜あ、カズ先生に、電話してくれって伝言しときゃあよかったなあ。」 リナ「あ、そうだね。今さら言っても仕方ないけど……。」 エド「まあ、明日ぐらいでもまた行こうぜ。……おっ、引いてるぞ!」 リナ「えっ?本当!?」 エドは、竿をグイグイ引っ張った。しかし、全く竿はこっちにこず、逆に引っ張られそうになった。 エド「ああ、もう駄目だ〜!」 エドは、釣竿をヒョイと海に放り投げた。 リナ「あっ、エド君、勿体無いなあ……。」 エド「だってよう、あんな大物釣れる訳ないだろ!きっと、400キロはあるぜ。」 リナ「アハハ。そんなはずないよ!」 しかし、エドの言った事は大袈裟ではなかった。何故なら、エドが釣ったポケモンは体重398.0Kgだったのだから……。 果たして、フリーザー、サンダー、ファイヤーの3匹の目的は?そして、エドの釣ったポケモンは何なのか? |
夏実 | #3★2004.09/22(水)20:30 |
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第3話 大地を駆け巡る者 それから2時間後。2人は釣りを終えて、それぞれの家へと帰っていた。ここはエドの家の中。 エド「あ〜あ、疲れた〜。カズ先生はいないし、釣りをしてもな〜んも釣れないし……。今日はついてないな……。」 エドはそう言いながら、家のベッドに寝転がった。 エドの母「エド〜!エド〜!、カズ先生から電話よ〜!」 エド「えっ?マジで!?」 エドは慌てて電話のある1回へ降りてきた。 エド「もしもし、カズ先生?」 カズ「おお、エド君か。私だよ。カズだ。」 エド「先生、どうしていきなり俺の家に電話なんか?」 カズ「実はだね、エド君ももう知ってるかもしれないが、どうやらこのアツタカ島に、新のポケモンが近づいているようなんだ。」 エド「ああ、知ってる。実は、今朝、俺とリナでそのことをいいに行こうとして、カズ先生の家に行ったんだぜ。」 カズ「ああ、そうだったのか。ゴメンよ。その時はきっと学校にいたはずだから。」 エド「うん。多分そうでしょ。」 カズ「ところでだね、話しを本題に戻そうか。実は、オーキド博士から、そのポケモンを捕まえてくれないか、と頼まれたんだ。」 エド「へ〜。」 カズ「そこでだね、君とリナちゃんにも助けを借りたいんだ。」 エド「ええ、いいの?」 カズ「ああ、頼むよ。」 エド「う〜ん、俺はいいけど。リナはどうかな〜。」 カズ「じゃあ、リナちゃんにもエド君から言ってくれないかい?」 エド「オッケー。」 カズ「じゃあ。」 プチッ。そこで電話は切れた。 エド「さて、リナの所に行くか。」 その時、1匹孤立していたフリーザーは、地面に立ちはだかっているポケモンと向かい合っていた。 そのポケモンは、頭に宝石のような物を付け、体中にヒモのような物をまとっていた。このポケモンは、「スイクン」。 スイクン「フリーザーか。」 フリーザー「何をやっているんだ、スイクン。」 スイクン「フッ。お前のような奴に教える気はない。」 フリーザー「何を、生意気な!」 スイクン「?もしかしてお前、俺とやる気か?」 フリーザー「必要とあれば、やってやろうじゃないか!」 スイクン「よし、なら来い!と言いたいところだが、今はそんな暇はない。」 フリーザー「何?まあ、お前にやる気がないのなら。」 スイクン「勝負しても、勝つのはどっちか決まっているからな。」 フリーザー「………。」 スイクン「アバよ!」 スイクンは、その場を去っていった。それを見て、フリーザーもその場を飛び去った。 その丁度同じ頃。 ファイヤー「?おいサンダー。目の前にいるのは……俺の目がおかしくなければ、ライコウとエンテイじゃないか?」 サンダー「ああ、そうだな。だが、俺達にはやらなきゃならないことがあるだろ?あんな奴らを相手している暇はない。」 ファイヤー「……ああ、そうだな。だが、どうしてあいつ等が……。」 サンダー「まさか、あいつ等もこのことに感づいているのか……?」 ファイヤー「まあ、いいじゃないか。無視しよう。」 サンダー「…ああ…。」 同じ頃のエンテイとライコウの会話。 エンテイ「おい、ライコウ。あれはサンダーとファイヤーだな?」 ライコウ「ああ、そうだ。」 エンテイ「まさかあいつ等も警戒しているのか?」 ライコウ「さあな。」 エンテイ「さて、どうする?」 ライコウ「放っておけ。」 エンテイ「いいのか?」 ライコウ「あいつ等がいても、邪魔にはならん。」 エンテイ「まあな……。」 そして、サンダー、ファイヤーと、ライコウ、エンテイはお互いに通り過ぎあった。まるで、何もなかったかのように……。 果たして、ライコウ、エンテイ、スイクンは何をしにやって来たのか?そして、警戒しているとは、何のことなのか?カズ先生とエド達の旅はどうなるのか? |
夏実 | #4☆2004.09/21(火)21:38 |
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第4話 冒険へ出発 エド「お〜い、リナ!お〜い!」 ここはリナの家の前。チャイムを鳴らしてエドが叫んでいる。 リナ「?ああ、エド君。どうしたの?」 エド「今カズ先生から電話があった。あのポケモンを捕まえに行くんだってさ!」 リナ「えっ?今朝テレビで写ってたポケモンを?」 エド「そうさ、その通りさ!」 リナ「う〜ん、でもどうして私達が?」 エド「そりゃあ、このヤマノタウンで俺達しかポケモンを持ってないからさ。」 リナ「それでどうすればいいの?」 エド「とにかく、カズ先生の所に行こうぜ!」 リナ「うん。そうだね。」 そして2人は、荷物を積んで自転車に乗り、カズ先生の住む村、タケニシ村へと向かった。 そしてそれからしばらく。2人はカズ先生の家の前に立っていた。 エドは、チャイムを鳴らそうとしたが、家の前で、すでにカズ先生が2人を待っていた。 カズ「やあやあ、エド君にリナちゃん。よく来てくれたね。」 リナ「カズ先生、一体何をすればいいの?」 カズ「ああ、リナちゃんにはまだ話していなかったね。」 そして、カズ先生は、リナに事情を話した。 カズ「……ということなんだ。」 リナ「ふうん。でも、そんな珍しいポケモンをいきなり捕まえるなんて、出来るの?」 エド「そうだよ、それは俺も気になるところだなあ。」 カズ「大丈夫。君達には心強いポケモン君がいるじゃないか。」 リナ「でも……。私のポケモンはそんなに強い訳じゃないし……。」 エド「大丈夫さリナ。いざとなったら、俺が守ってやるから。俺のリナは、誰にも触らせやしないぜ。」 リナ「えっ?」 エド「い、いや、何も……。」 エドは、そう言いながらも、顔が赤くなるのを感じた。 カズ「まあ、とにかく、出かけようか。」 エド&リナ「さんせ〜い!」 カズ「よし、では、私の車に乗ってくれ。」 そして、エドとリナは、カズ先生の車に乗り込んだ。 カズ「よ〜し、それじゃあ、出発するよ?」 エド「いいよ、先生。」 ところが。出発しようとしたその矢先、いきなり強い雨が降り出してきた。当然車に乗っている分には支障はないが。 リナ「うわ〜っ、いきなり大雨だ。」 カズ「う〜ん、最近、こういうのが多いねえ。」 エド「………………。」 カズ「まあ、そのうちやむと思うよ。」 リナ「ところでさ、何処に行くの?」 カズ「お、そういえば、まだそれを言ってなかったね。今日はまず、北上して、ウエスタウンへ行く。そこから中の川を渡って、イースタウンに行く……つもりだよ。イースタウンにはホテルがあるし、今日はそこで一泊しよう。」 エド「えっ?ホテルに泊まるの?」 カズ「ああ、そうだけど?どうかしたの?」 エド「いや、別に……。」 リナ「まあ、とにかく行こっ!」 カズ「よ〜し、出発だ!」 果たして、エド、リナ、カズを待ち受けているものは?そして、エドの言った、「俺のリナは、誰にも触らせやしないぜ。」この言葉の意味は? |
夏実 | #5☆2004.09/21(火)22:00 |
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第5話 恋の行方 カズ先生の運転する車は、1時間ほど走り、なかなか大きめの町、ウエスタウンにやって来た。この町は、カズ先生の勤める小学校、さらに中学校と高校がある。その他にも、ポケモンセンターやフレンドリイショップ等の建物が点在している。その頃には、雨はやんでいた。 リナ「ねえ、カズ先生、ちょっと休憩させてよ。」 エド「そうだな。俺もそれに賛成。」 カズ「よし、お2人さんがそう言うんなら、ちょっと休憩しようか。」 リナ「うん。そうしよ。」 カズ「よし、じゃあ、先に車から降りていなさい。20分ほどしたら出かけるよ。いいね?」 エド&リナ「は〜い。」 そして、エドとリナは車を降りた。 リナ「あ〜あ、疲れた〜。」 エド「………………。」 リナ「さっ、エド君。私ね、アイスクリーム食べたいんだけど。」 エド「………あ、そうか?じゃあ、俺もアイスクリーム食べるよ。」 リナ「じゃあ、私が買って来るよ。」 エド「お、サンキュー。多分あっちで売ってるぞ。」 リナ「じゃ、買ってくるね。」 そしてリナは、アイスクリームを買って、すぐに戻って来た。 リナ「はい、エド君。チョコ味だよ。」 エド「お、ありがと。」 リナ「(ペロペロペロ)」 エド「……………。」 エドはリナの顔を、じっと眺めていた。 リナ「?どうしたの?エド君。早く食べなよ。」 エド「あ、ああ。フゥ〜〜〜。」 リナは、エドの様子がおかしいなと思いつつも、もしやという思いに、心を弾ませていた。 2人はアイスクリームを食べている間、終始無言だった。 カズ「お〜い、エド君、リナちゃん、急ごう。また雨が降ってきそうだぞ〜!」 エド「え?そうかな?まあ、いいや。おいリナ、急ごうぜ。」 リナ「え?あ、うん。」 エドは、リナばかり見ていたので、殆ど手付かずのアイスクリームをヒョイとゴミ箱に放り込み、車に向かった。 リナも、最後の1口を口に放り込み、エドに続いた。 カズ「よし、じゃあ次の目的地を目指すけど、忘れ物ないね?」 エド「オッケーさ。」 リナ「私も。」 カズ「よし、次の目的地、中の川に出発だ!」 果たして、エドとリナの間には一体何が?そして次の目的地、中の川とはどんな所なのか? |
夏実 | #6☆2004.09/22(水)20:21 |
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第6話 川の持ち主 3人を乗せた車は、東へと走り続け、アツタカ島を東西に分ける川、中の川へと辿り着いた。 エド「お、川まで来たぞ。」 カズ「橋を渡って、イースタウンまで行こう。」 だが、そううまくはいかなかった。最近降り続いている大雨の影響で、橋が崩れてしまっていたのだ。 カズ「ああ!は、橋が〜!」 リナ「?どうしたの?」 エド「橋がどうしたんだよ?」 カズ「く、崩れてる……。」 エド&リナ「え、え〜っ!」 エド「カズ先生、どうすんだよ!」 カズ「う、う〜ん。」 エド「……………。」 カズ「仕方ないね。エド君とリナちゃんのポケモンで波乗りしていこう。」 リナ「でも、私はヒノアラシとワニノコとチコリータしかポケモンを持ってないよ。」 エド「大丈夫。俺のポケモンで行こうぜ。」 カズ「エド君は何のポケモンを?」 エド「へっへっへ、それはラグラージさ!」 リナ「へえ〜。凄いなあ、エド君。」 エド「い、いや、それほどでも。」 カズ「ん?エド君、顔が赤いよ?」 エド「き、気にするなって!」 リナ「とにかく行こうよ。」 エド「よ〜し、いけえ!ラグラージ!」 ラグラージ「ラグ〜!」 エド「よ〜し、ラグラージ、俺達を乗せて川を渡ってくれえ!」 ラグラージ「ラグラグ!(任せろ!)」 そしてラグラージは、ドッボ〜ンという豪快な音と共に、水に消え去った。その日は、水の流れも速く、水温も低かった。 ラグラージ「ラ〜グラグ!(早く乗りなよ!)」 エド「よ〜し、じゃあ、カズ先生、リナ、俺がまず上に乗るよ。」 エドはそう言いながら、ラグラージの上に降り立った。川の深さはなかなかのもので、水面は岸辺から1、5メートルほどのところだった。 エド「よ〜しいいぞ!リナ、先生、早くこいよ〜!」 リナ「じゃあ、先生、私が先に行くよ。」 リナは、慎重に岸辺から水面へ向かって崖を下っていった。しかし、次の瞬間、リナが足を滑らせて、真っ逆さまに落ちてしまった。 リナ「キャア〜〜〜〜〜〜!」 エド「おいリナ!」 カズ「うわあ、ど、どうしよう!」 そう言っている間にも、リナは水面に叩きつけられてしまった。 ドボン。鈍い音がして、リナは流されてしまった。 エド「ラ、ラグラージ!急げ!リナを探しに行くぞ!」 カズ「お、お〜い、エド君、何処へ行くんだ〜!」 しかし、エドの耳には、カズ先生の言葉も届かなかった。リナを助けたい、その一心で、必死にラグラージにしがみついた。 その頃、流されたリナは、まだ流され続けていた。必死にもがいて、何とか水から這い出ようとするが、陸があるのは1メートル以上も上。どうやっても、這い上がれるはずはない。大量に水を飲み、必死にもがいていたためか、リナには疲れがたまってきた。水の冷たさも加わり、意識が遠のいて行く……。リナは必死で、エドの名を呼び続けた……。エド君!エド君、エド…君…。 リナは、気を失って、更に流され続けた。 そんなリナの前に、大きな何者かの影が。その影は、急な流れにも逆らい、軽々とリナの元へやってくる。果たして、リナはどうなるのか?エドはリナを助けられるのか? |
夏実 | #7★2004.09/23(木)22:07 |
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第7話 スーパールーキー登場 エド「くっそ〜、リナは何処まで流されてしまったんだ!」 ラグラージ「ラグ、ラグラグ。(まさか、もう死んじゃったのかなあ?)」 エド「バカヤロー!何てこと言うんだ!」 エドは、心の中でこう叫び続けていた。 (リナが、俺の大切なリナが、死んじゃうなんて、そんなのありえないよ!) しかし、何処まで行っても、リナの姿は見当たらなかった。 その頃。流されたリナは、意識を失い、なおも流され続けていた。そこへ、さっきの怪しい影が。 その影は、ポケモンだった。名を、シザリガー。 シザリガーは、この川のポケモンを操り、思うがままにしていた。いわば、中の川の支配者だ。 シザリガー「シザ?シザシザ?(ん?何か流れてくるぞ?)」 それは、勿論リナのことだ。シザリガーは、荒れ狂う川の流れなど全く関係なしというかのように、簡単に流れに逆らってリナの元へやって来た。 シザリガー「シザ?シザリガ!(どれどれ?あっ、これは人間という生き物じゃないか!)」 そしてシザリガーは、自慢のはさみでリナを突っついた。リナは、それで気が付いた。 リナ「?キャア!これはシザリガー?だったっけ……。」 しかしリナは、すぐにまた溺れそうになり、必死にもがいていた。すると、それを見たシザリガーは、はさみでリナを川からつまみ出した。 シザリガー「シザ、シザシザ、シザリガ!(もう2度とここに来れないようにしてやる!)」 そして、シザリガーは、その大きなはさみを振り回し、リナを投げ飛ばそうとした。その時、リナはとっさにワニノコのモンスターボールを投げた! ワニノコ「ワニ〜ッ!」 シザリガー「シザ?シザ〜シザリガ〜!(何だ?邪魔者か?よおし、皆、やっちまえ〜!)」 シザリガーが1声叫ぶと、周りからヘイガニが大量に現れた。ワニノコは、そのヘイガニに必死にかみついて攻撃していた。しかし、それでもキリがない。 リナ「もう駄目だ……。エド君、エドく〜ん!」 リナは叫んだ。シザリガーははさみを振り回して、今にもリナを投げ飛ばしそうだ……。 その時、ラグラージに乗った何者かが……。それはエドだった。エドは、必死にリナの元へやってきて、こう叫んだ。 エド「いけえ!ライチュウ!」 エドは、モンスターボールを投げ、ライチュウをラグラージの上に出した。 ライチュウ「ラ〜イライ!」 エド「ライチュウ、10まんボルトだ!」 ライチュウ「ラ〜イ、チュウ〜!」 間一髪だった。なんとかライチュウの放った10まんボルトは、シザリガーに命中した。 シザリガー「シ、シザリガ〜!」 その時、シザリガーは思わずリナを手放してしまった。リナは、水の中に落下していく。エドは、ここでリナを見失ったら、大変なことになる、と思い、何とかリナを助けようとした。 エド「リナ〜!」 リナ「エ、エドく〜ん!」 しかし、リナはぐんぐん落ちてゆく……。 ピジョット「ピジョ〜!」 エド「えっ?」 ピジョットだった。ピジョットが現れ、リナの下に入り込んだ。危機一髪、リナは救われた。 エド「だいじょーぶか〜!」 リナ「ハアハアハア……。あれ?私無事だったの?」 しかし、何故ピジョットが……。 ???「よ〜し、いいぞピジョット!」 エド「あ、あなたは誰?」 そのトレーナーは、ピジョットに乗ってラグラージの上のエドの所へやってきた。 ???「あ、まだ自己紹介をしていなかったね。僕はタダヒト。宜しく。君は、エド君で、こちらのお嬢さんはリナちゃんだね。」 エド「どうして俺達の名前を……。」 タダヒト「そりゃあ、君達の様子を空から見ていたからね。おっと、シザリガーがお目覚めだぞ。」 タダヒトの言う通りだった。シザリガーが、皆の前に立ちはだかっていた。 タダヒト「よし、デンリュウ、行け!」 デンリュウ「デ〜ンリュウ!」 タダヒト「よし、デンリュウ、かみなりだ!」 デンリュウ「デ〜ンリュウ〜!」 デンリュウの雷は、見事命中。シザリガーは、横倒れになって水中に消えていった。 エド&リナ「す、凄い……。」 タダヒト「よし、戻れデンリュウ。さ、お2人さん。カズ先生が待っているよ。」 エド「あ、有り難う。でも、君は一体?」 タダヒト「君達、僕を知らないの?君達と同い年なんだけど?同じ学校の生徒さ。」 リナ「えっ、隣のクラスのタダヒト君?」 エド「そうだったのか……。だから俺達の名前を知ってたんだ。」 タダヒト「実を言うとそうだね。」 そして、3人は、タダヒトのピジョットで陸に上がった。 カズ「お〜い、エド君、リナちゃん、大丈夫だったか〜?」 カズ先生がこちらに走ってきた。 エド「おう、大丈夫さ!」 しかし、リナは寒さに体を震わせていた。おまけに、服もビショビショ。 タダヒト「よし、先生。これからイースタウンに行くのなら、僕のピジョットで行こう。」 カズ「ああ、そうか。そうしてくれるか。有り難いよ。あ〜、エド君、リナちゃん。私とタダヒト君は、車をどうするかちょっと考えてくるよ。しばらくの間、ここで待っててくれ。」 エド「オッケー。」 そして、カズとタダヒトは何処かへ行ってしまった。 リナは、寒さのあまり震えている。 エドは、そのリナをじっと見つめた。その時、エドは思わずアッと声を上げそうになった。果たして、一体エドはどうしたのか?そして、これからの旅の行方は? |
夏実 | #8★2004.09/23(木)22:06 |
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第8話 事実と真実 エド「…………あ、あっ……。」 リナ「ど、どうしたの、エ、エド君。(ブルブル)」 エド「お、おいリナ、う、後ろ……。」 リナ「えっ?」 リナは、後ろを振り向いた。するとそこには───。 スイクンがいた。まさかのまさかだった。エドは、驚いて、声も出なかった。リナも、とても驚いた様子だった。 リナ「な、何これ……?」 エド「さ、さあ……。」 スイクンとリナの間には10メートルほどの距離があったので、2人は近づき、声が聞こえないようにしていた。 スイクン「おい、そこの2人。」 エドとリナは更に驚いた。いきなり自分達に話しかけてきたのだから。しかし、エドもリナも、驚いて声が出ない。 スイクン「おい、聞こえないのか?」 ようやくエドが口を開いたのは、20秒ほどしてからだった。 エド「な、何だお前は……。」 スイクン「フン。俺のことを知りたいのか?」 エド「あ、ああ。お前はそもそも、何なんだ?生き物なのか?」 スイクン「ああ、そうだとも。俺はポケモンさ。」 リナ「え?ポケモン?」 スイクン「ああ、しかも、誰も知らないポケモンだ。」 エド「お前の名前は?」 スイクン「我が名は、スイクン。」 エド&リナ「スイクン?」 スイクン「そうさ。」 エド「でも、何でお前がこんな所に……。」 リナ「まさか、ずっとアツタカ島に隠れて住んでたの?」 スイクン「フッ。馬鹿馬鹿しい。そんなことはない。話せば長くなるが、聞きたいか?」 エド「ああ。勿論。」 スイクン「よし。ならば聞かせよう。」 そう言うと、スイクンは語り始めた。 スイクン「お前達も知っての通り、このアツタカ島は非常に無名だ。そこに、何故俺が来たか。それは、カイオーガの影響だ。エド、お前は今朝、釣りをしていた。その時に釣ったものを覚えているだろう?」 エド「えっ?あ、ああ。そうだった。かな〜り重いものを釣ったんだけど、あれはポケモンだったのかどうかさえ……。」 スイクン「それはポケモンだ。間違いない。俺が保障する。そいつはカイオーガというポケモンだ。」 エド「カイオーガ?またもや初耳だなあ。」 スイクン「それもそのはずだ。カイオーガというのは、ホウエン地方の伝説に語られている古代ポケモンだからな。そのカイオーガは、グラードンというポケモンと争っていた。そして、今は再び目覚め、海を広げようとしている。カイオーガというのは、雨を降らすんだ。そして、グラードンは日照りを起こす。普通はカイオーガは雨を降らすだけで、海を増やそうなんてことはしない。しかし、長年眠っていた時に、怒りをためていたんだろうな。」 リナ「でも、どうしてそこに君が関係するの?」 スイクン「よくぞ聞いてくれた。それは、カイオーガが絶対的な力を取り戻すと、俺達の居場所がなくなるからな。カイオーガという奴は、今はきっと怒り狂っているのだろう。そして、その怒りを海を増やす為に使っている。すると、この小さなアツタカ島はどうなるか。当然、沈めて海にしてやろうと思っているわけだよ、カイオーガって奴は。」 エド「じゃあ、カイオーガが今、俺達の生活を脅かしている?」 スイクン「鋭いな。その通りだ。カイオーガも、目覚めたばかりだから、今は絶対的な力は得ていない。だから、今のうちにカイオーガを叩こうってわけだ。勿論、俺1人じゃあない。強力な仲間もいるさ。」 リナ「仲間?誰なの?それは?」 スイクン「その仲間の名前とは、ライコウとエンテイだ。今は俺と別の場所にいるが、カイオーガが姿を見せた時を狙って、攻撃を仕掛けるだろうな。俺もそのつもりだ。」 エド「じゃあ、テレビで言ってた新種ポケモンって、お前のことか?それとも、カイオーガのことか?」 スイクン「残念だが、どちらもハズレだ。そのポケモン、エド、君がテレビで見たポケモン、それはフリーザーというポケモンだ。フリーザー、サンダー、ファイヤー。3匹揃って、カントー地方では昔から伝説がある。」 リナ「じゃあ、そのフリーザー達もカイオーガを倒しにここへ?」 スイクン「そうだ。だが、カイオーガの奴は強力だ。そう簡単には倒せない。」 エド「なるほど……。大体は分かったよ。今回のことが。だから最近こんなに雨が多かったのか。」 スイクン「その通り。俺の言いたいことはそれぐらいだ。」 その時。 カズ「お〜い、エド君、リナちゃん、そろそろ行こう。車はタケニシ村に持って帰ったぞ〜!」 エド「え?もう?早いな〜。」 すると、スイクンがエドの耳元に来て囁いた。 スイクン「フッ、それは俺達の仲間がちょっと細工したのさ……。」 そういうと、フッと笑って、スイクンは何処かへ消え去った。 カズ「さあ、タダヒト君のピジョットで、川を渡って、次の目的地、イースタウンへ行こう!」 日が暮れかけていた。 エド&リナ&タダヒト「よ〜し、行くぞ〜!」 果たして、スイクンは敵か味方か?そして、イースタウンではどんなことがエド達を待ち受けているのか? |
夏実 | #9★2004.09/24(金)17:53 |
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第9話 鳥との接触 エド、リナ、カズ、タダヒトの4人を乗せたピジョットは、中の川を渡って、イースタウンへと向かっていた。 タダヒト「よ〜し、そろそろ着くんじゃないかな。」 カズ「そうだね。」 そして、ピジョットは更に飛び続けた。すると、その時、向こうから、何かが……。 エド「ん?何だ、あれ?」 カズ「え?どれだい?」 リナ「あ、ほんとだ。何かが飛んでくるよ?」 タダヒト「しかも、2匹いるね。」 その物体は、ピジョットの方へもの凄い勢いで飛んできた。翼を赤く煌かせ、飛ぶ度にバチバチと音を鳴らしながら。 そう。それはサンダーとファイヤーだった。 エド「何なんだ?」 カズ「さあ……。」 タダヒト「ポケモンにしてはおかしいよな……。」 サンダーとファイヤーは、更に速度を上げ、迫ってきた。 エド「お〜い、お前らは何者だ?」 すると、サンダーとファイヤーは一瞬、空中で止まった。それを見て、タダヒトもピジョットを止めた。 サンダー「ああ、君がエドか……。」 ファイヤー「頼んだぜ。カイオーガを倒せるのは、君達かもしれないんだから……。」 そう言うと、何処かへ飛び去ってしまった。 カズ「えっ?あれで終わり?一体全体何なんだ?」 リナ「全然分からないね。」 エド「俺の名前を知ってた……。どうして……。しかも、カイオーガって言ってた……。」 カズ「えっ?何だ何だ?何だか私にはよく分からないんだけど……。」 エド「イースタウンのホテルで話すよ。さあ、タダヒト、急ごう。」 タダヒト「あ、ああ……。よし、ピジョット、行け!」 ピジョット「ピジョ〜!」 そして4人は、改めてイースタウンへ向かった。 果たして、サンダーとファイヤーは何故エドの事を知っていたのか?そして、本当にエドはカイオーガと戦うことになるのか? |
夏実 | #10☆2004.09/25(土)14:06 |
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第10話 謎のおばあさん エド達はピジョットに乗り、イースタウンに着いた。イースタウンは、ホテル、映画館、デパート、レストランなど色々な建物があり、この町の北にあるコロナシティと並んで、アツタカ島でも1、2を争う大きさの町だった。 みんなは、晩御飯を食べるため、レストランに入った。そこで、エドは全てを皆に話した。 エド「だから、カイオーガというポケモンが暴れて、アツタカ島を襲ってきそうなんだって。」 カズ「ほう。話しは分かった。でも、エド君がカイオーガってのを倒すのか?」 エド「そんなのは知らないけど、俺と関係があるのかもしれないなあ。」 リナ「ところで、さっきのポケモンは何だったの?」 タダヒト「カイオーガがどうのこうの言ってたね。」 カズ「うん、何やら2匹とも光っていたなあ。」 ??「そいつはサンダーとファイヤーじゃろう。」 皆「えっ?」 見ると、すぐそこに腰の曲がったおばあさんが立っていた。 カズ「あのう〜、どちら様でしょうか?」 ??「なんじゃ、私を知らんのかえ?」 カズ「はあ……。お会いした覚えはないんですが……。」 ??「私はあんたのこと知っとるよ。カズじゃろ?ウエスタウンの小学校教師でポケモン研究家。」 カズ「まあ、仰る事は確かですが、一体貴方はどちら様なのですか?」 ??「フォッフォッフォ。私はイースタウンの西、フジササタウンに住む、自称お節介ばあさんじゃよ。」 リナ「フジササタウン?そんな町あったっけ?」 タダヒト「空を飛んできたから通らなかっただけだよ。」 カズ「はあ、そうですか……。(自分でお節介だなんて……。)」 リナ「おばあさん、私達に何の用なの?」 ばあさん「いやな、お前さんたちがサンダーやファイヤーのことを話しておったからな。」 エド「サンダーにファイヤー?聞き覚えがある名前だな……。」 リナ「そうだ、あのスイクンってポケモンが言ってたんじゃない?」 エド「うん、そうだよ。カイオーガってやつを倒しに来た、カイオーガキラーだ!」 タダヒト「へえ。そうなのか。僕もスイクンってポケモンにお目にかかりたいよ。」 エド「ダメダメ。あいつは俺を見込んで俺の前に現れたんだから。」 ばあさん「コラ!私を無視するんじゃないよ!まったく、これじゃから若者は……(ブツブツ)」 エド「お、すまねえなばあさん。で、ばあさんはサンダーとかファイヤーを知ってるのか?」 ばあさん「ああ、知っとるとも。だから言ったじゃろう、私は詮索好きのばあさんじゃって。」 リナ「えっ?さっきと言ってたことが違う……。」 ばあさん「まあまあ、気にせんでよい。ところでお主ら、カイオーガと戦いに行くのかえ?」 エド「まあね。俺はカイオーガを倒すんだ!」 エドは、得意気にそう言った。 ばあさん「ホウ。そうか……。じゃが、カイオーガ完全復活の日は近い。急ぐのじゃ。」 エド「何処に行けばいいんだ?カイオーガを倒すには?」 おばあさん「フム。それはじゃな、とにかく南へ行け。南に行けば霧の山脈がある。その山脈には、クマの森があるが、そこを抜けて行くのじゃ。更に行けば、遺跡の都に着く。そこまで行け。何かあったら、いつでも私の所に戻ってくるがええ。」 リナ「じゃあ、出発はいつ?」 ばあさん「それは、明日じゃ!さあ、早く料理を食べんか。早く寝て、明日に備えるのじゃ!」 それを聞いて、なんとなく4人は急いで晩御飯を食べた。そして、ホテルに行き、夜を過ごした。 翌日。 エド「よ〜し、霧の山脈へ出発だ!」 果たして、謎のおばあさんは一体何者なのか?そして、霧の山脈では何があるのか?カイオーガとの対決は実現するのか? |
夏実 | #11★2004.09/25(土)18:07 |
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第11話 エドの敵(かたき) エド達は、ブラブラと歩いて、イースタウンを出た。そして、霧の山脈へと向かった。 カズ「やれやれ。昨日は色んなことがあったから、まだ疲れが取れていないよ。」 エド「うん。俺も同感……。」 リナ「あ〜あ、どうして歩いてるのかな……。こんなに疲れてるのに……。」 タダヒト「仕方ないよ。川を渡るために車はタケニシ村に置いてきたんだし。」 そのタダヒトの言葉を最後に、4人は黙り込んでしまった。時々、大きな口を開けて欠伸をするだけ。 1時間も歩いただろうか。不意に、辺りに霧が立ち込めてきた。 カズ「ん?霧だ……。かなり濃いぞ。」 リナ「霧の山脈に近づいてるのかなあ。」 タダヒト「どうやらそうらしいよ。前を見てみな。」 タダヒトの指差した方向を見ると、大きな山々が連なった山脈が見えた。 エド「お〜、あそこが霧の山脈か。」 リナ「あの山の上にクマの森があるんだね。」 カズ「クマの森には、ジグザグマやヒメグマ、その進化系も生息しているよ。」 エド「じゃあ、リングマなんかもいるわけ?」 カズ「勿論。」 リナ「え〜っ、恐いなあ……。」 エド「大丈夫だって。俺が付いてるから……。」 リナ「うん……。って、え?」 エドは、またでしゃばり過ぎたと思った。顔を赤くして、 エド「ハハハ、ほんの冗談さ……。」 とだけ力なく言った。しかし、リナは熱い眼差しをエドに向けていた。 そうこうしているうちにも、一行は霧の山脈に到着した。 カズ「ふう。着いたぞ。ここが霧の山脈だ。」 タダヒト「凄い霧だね。視界が遮られている。」 エド「夜みたいだなあ。」 カズ「霧が凄いから、みんな気を付けて。何としても全員でこの山脈を越えよう!」 そして4人は、山を登り始めた。初めのうちは、それほど急な坂道ではなかった。緩やかな上り坂が続くだけ。エドは、リナに自分のポケモンのことを話しているほど余裕があった。 エド「それでさ、俺はラグラージとライチュウ、ネイティオとドンファン、ジュカインとバシャーモを連れてきてるんだけど、このバシャーモがまたさ……。」 しかし、その時、タダヒトが2人を制した。 タダヒト「おしゃべりはやめ。ここからはクマの森だぞ。呑気に話してたら、クマに見つかってやられるぞ。」 しかし、カズが笑いながらタダヒトに言った。 カズ「いやいや、タダヒト君。それは間違いだよ。クマってものは、こっちが音を出していると、逆に警戒して襲ってこないものなんだ。だから、陽気に行こうじゃないか。」 タダヒトは、それを聞いてシュンと縮まってしまった。 4人は、賑やかに山を登っていく。 しかし、霧は濃くなり、木が生い茂りで、先が見えなくなってしまった。 エド「うわ〜、殆ど先が見えないなあ。どうしよう?」 カズ「う〜ん、進むしかないね。無理やりだけど、木を掻き分けて進もう。」 すると次は、断崖絶壁。 タダヒト「よ〜し、僕の持ったこのロープを体に結び付けて、慎重に登っていこう。」 そう言いながら、タダヒトはエドの体にロープを結び付けた。 そして、リナの体にロープを結び付ける時、改めてタダヒトはリナの顔を直視した。その時、何かがタダヒトの体を駆け抜けた。そしてタダヒトは、こう思った。 可愛い。 タダヒトは、顔が赤くなるのを感じた。それでも何とかリナの体にロープを結び付け、崖を登っていった。 そして、山の頂上に辿り着いた。 エド「ヤッホ〜!」 早速お決まりの台詞で叫ぶエド。それを見て、タダヒトはフンと小馬鹿にしたように笑った。そして、こう思った。(リナちゃんがコイツに惹かれることはない)と。 カズ「さあ、早速降りよう。」 そして、山を乗り越えるため、反対側へと下る事になった。 先頭を切って、カズが行く。 その時、目の前に大きなクマが……。それは、リングマだった。リングマは、大きい目でこちらを睨んでいる。今すぐにでも襲い掛かってきそうな形相だ。 エド「ヤ、ヤバイんじゃないか……?」 カズ「あ、ああ。危険だ。どうしよう……。」 リングマは、こちらを相変わらずギラリと睨んでいる。よく見ると、エド達がやられてもおかしくないほどの数がいる。リングマは群れだった。 果たして、エド達はリングマを避けることが出来るのか?そして、エドとタダヒトの関係は……? |
夏実 | #12★2004.09/27(月)16:50 |
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第12話 次の目的地へ エド「お、おい、どうしよう……。」 エド達は、未だにリングマの群れと対峙していた。何も打つ手が無いと言えばそれまでだ。 エド「おい、タダヒト。お前何かポケモン持ってねえのかよ!」 エドがタダヒトを突く。しかし、タダヒトは首を横に振るだけ。 タダヒト「僕は飛行ポケモンばっかりだよ!持ってるポケモンって言えば!」 リングマ「リ〜ン!」 リングマが突然唸り声を上げた。その声に、4人とも体が震え上がってしまった。 そして、次の瞬間! リングマ「リングマ〜!(オリャア!)」 リングマが一斉に襲い掛かってきた。 4人「う、うわあ!」 ???「ボーマンダ!かえんほうしゃだ!」 ボーマンダ「ボー!」 突如、ボーマンダが現れた。タダヒトと同じような登場の仕方だ。 ボーマンダのかえんほうしゃで、リングマは撃退。しかし、山に火が付いてしまった。 カズ「マ、マズイよ。山が燃える!山火事だ!」 ???「皆、ボーマンダに乗ってくれ!」 その少年は、ボーマンダを巧みに操り、4人を見事山から連れ出した。 ???「よし、カメックス行け!」 カメックス「カメ〜!」 ???「カメックス、ハイドロポンプ!」 カメックス「カ〜メエ!」 そして、カメックスのハイドロポンプで、火を消した。少年は、カメックスをボールに戻した。 ボーマンダは、地上に降り立った。 リナ「あ〜あ、恐かった……。死んじゃうかと思った……。」 ???「皆大丈夫ですか?」 エド「助けてくれて有り難う。だけど、君は一体誰?」 ???「僕はノリトです。コロナシティに住んでます。ヨロシク。ところで、皆さんは?」 カズ「私は、タケニシ村の小学校の教師、カズだよ。」 エド「俺はエド。ヤマノタウンに住んでます。」 リナ「私はリナです。エド君と同じく、ヤマノタウンに住んでます。」 タダヒト「僕はタダヒト。タケニシ村の小学校に通ってます。」 ノリト「そうですか。皆さん宜しく。ところで、どうしてこんな危ない所にいたのですか?」 エド「それは……という事情があってなんです。」 ノリト「へえ。そうなのか。君達も大変だね。」 ノリトは、エド、リナ、タダヒトの3人より2、3歳年上の感じだ。なかなかハンサムな顔をしている。 ノリト「それじゃあ、遺跡の都に行きますか。」 リナ「えっ?ノリトさんも一緒に来るんですか?」 ノリト「いや、別にそういう訳じゃないけど、皆さんがご希望するのならご一緒させて頂きますよ。」 カズ「じゃあ、一緒に来てくれますか?非常に心強いので。」 タダヒト「また1人、仲間が増えたや。」 エド「よ〜し、遺跡の都に出発だ!」 そして、ノリトも加え、5人での冒険が始まった。果たして、遺跡の都では何が5人を待ち受けているのか? |
夏実 | #13★2004.10/03(日)12:47 |
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第13話 遂に……。 神々しい。この表現がピッタリ合う場所だ。ここは遺跡の都。あちこちに遺跡がある。遂に5人は遺跡の都に辿り着いたのだ。 エド「ふう。ようやく着いた……。」 カズ「皆疲れただろう。少し休もうか。」 カズがそういい、皆が思い思いの場所に腰を下ろした。 と、その時。 地面がグラグラ揺れ始めた。 タダヒト「な、何だ?地震か?」 カズ「落ち着くんだ。」 しかし、揺れは強くなるばかり。 リナ「ど、どうしよう。何とかならないの!?」 カズ「……。」 皆黙り込んでしまった。と、次の瞬間! ガガガガガ……。 地面が真っ二つに裂け、何かが地面から出てきた。とても大きく、威圧感のあるもの。赤い体に、ゴツゴツした棘の様な物が生えている。 ???「グラ〜!」 そう。その名は、「グラードン」。 カズ「な、何だあれは!」 ノリト「し、信じられない……。」 タダヒト「あれはポケモンなのか?」 ノリト「グラードンが……。」 リナ「えっ?」 ノリト「グラードンだよ。あのポケモンは……。」 カズ「グラードン……?」 ノリト「ホウエン地方の伝説ポケモン……。カイオーガの最大の敵……。」 エド「なに?あいつがカイオーガの敵?」 ノリト「そうだよ……。」 エド「ってことは、いよいよカイオーガのお出ましか?」 グラードン「ふう……。カイオーガの奴はまだか……。」 5人は息を殺し、グラードンに見とれていた。 その時、後ろで声がした。 ???「おい、グラードン。」 リナ「えっ?何?」 そこには、岩のような物が立ちはだかっていた。 グラードン「何だ?……ほう。レジロック、レジアイス、レジスチルか……。」 レジロック「お前も打倒カイオーガか?」 グラードン「ああ。もう少しで奴はくる。」 その後は、誰も話さなくなった。 果たして、グラードンはレジの味方なのか?そして、カイオーガは現れるのか? |
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