帆志 | #1☆2004.11/21(日)14:54 |
---|
プロローグ 天空とのつながり 少女が立っていた処は、神秘的な天空だった。 青空の半分を白くおおった雲の切れ間から、いく筋もの光が崇高な直線を落としている。 それは、大空とつながる『はしご』のようだった。 昇る、降りるだけでなく、『つながる』はしご――。 それは、遠く感じる大空を、近く感じる瞬間だった。 少女は、前を見つめた。 ――自分がいる。 本当の自分とは違う、『あこがれ』の自分が――。 『スゥ…一緒に行こう?』 そう言い、『あこがれ』の自分は、背中に生えた純白の翼で飛び立った。 翼の生えない『スゥ』は、その様子を見ているだけしか出来ない。 そしてスゥは、意識が蘇ってゆくのを感じた。 |
帆志 | #2☆2004.11/21(日)17:29 |
---|
第一話 姫君の事情 鳥の歌声や朝の日差しが、テントの中いっぱいに広がる。 そして、まだ眠そうに目をこすりながら、スゥが体を起こす。 『あ、スゥ起きたの?おはようっ!』 一匹のピクシーが、スゥに駆け寄る。 スゥの正式な名前は『スイート』。スゥ自身も自分を『スゥ』と称するので、 スゥの知人の殆どは『スゥ』と呼んでいる。 「おはよう、ティーン♪」 そしてスゥはテントの外へと出た。二人は、旅人なのだ。 『スゥ、王様にこのことがバレるのも、近いかもしれないね。』 ティーンは、苦笑いしながら言う。 実はスゥは、フロアシティの姫なのだ。しかし、その生活が嫌になり、出て来たのだった。 「大丈夫よ!そのときはそのとき。今は今を楽しまなきゃ!!」 スゥは、いつものマイペースな答えを返す。 『…スゥらしいよ。』 そしていつものように、二人はテントを畳む作業に入るのだった。 今日は、とあることがあるとは知らずに…。 |
このページは http://www1.interq.or.jp/kokke/pokemon/commu/story/564.htm のアーカイブです。