ぴくの〜ほかんこ

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[564] 天空のつばさ〜あこがれた自分

帆志 #1☆2004.11/21(日)14:54
プロローグ   天空とのつながり

少女が立っていた処は、神秘的な天空だった。
青空の半分を白くおおった雲の切れ間から、いく筋もの光が崇高な直線を落としている。
それは、大空とつながる『はしご』のようだった。
昇る、降りるだけでなく、『つながる』はしご――。
それは、遠く感じる大空を、近く感じる瞬間だった。

少女は、前を見つめた。
――自分がいる。
本当の自分とは違う、『あこがれ』の自分が――。

『スゥ…一緒に行こう?』
そう言い、『あこがれ』の自分は、背中に生えた純白の翼で飛び立った。
翼の生えない『スゥ』は、その様子を見ているだけしか出来ない。
そしてスゥは、意識が蘇ってゆくのを感じた。
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帆志 #2☆2004.11/21(日)17:29
第一話   姫君の事情

鳥の歌声や朝の日差しが、テントの中いっぱいに広がる。
そして、まだ眠そうに目をこすりながら、スゥが体を起こす。
『あ、スゥ起きたの?おはようっ!』
一匹のピクシーが、スゥに駆け寄る。
スゥの正式な名前は『スイート』。スゥ自身も自分を『スゥ』と称するので、
スゥの知人の殆どは『スゥ』と呼んでいる。
「おはよう、ティーン♪」
そしてスゥはテントの外へと出た。二人は、旅人なのだ。
『スゥ、王様にこのことがバレるのも、近いかもしれないね。』
ティーンは、苦笑いしながら言う。
実はスゥは、フロアシティの姫なのだ。しかし、その生活が嫌になり、出て来たのだった。
「大丈夫よ!そのときはそのとき。今は今を楽しまなきゃ!!」
スゥは、いつものマイペースな答えを返す。
『…スゥらしいよ。』
そしていつものように、二人はテントを畳む作業に入るのだった。
今日は、とあることがあるとは知らずに…。
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[564]

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