ぴくの〜ほかんこ

物語

【ぴくし〜のーと】 【ほかんこいちらん】 【みんなの感想】

[587] POKEMON☆GET

風龍 #1★2004.12/18(土)20:47
第一話     図鑑作りの第一歩

ガサガサッ…。
草むらが微妙に揺れる。
「ライチ、電気ショック」
「ラァイ」
バチッ…。   ドサッ・・。
「なぁんだ。また、ハブネークか・・」
草むらから倒れたハブネークをモンスターボールに収めながら、一人の少女がつぶやく。
「ふぅ。ライチ、父さん所行こ」
「ライ」
ーどこかの研究所
「父さん、捕まえてきたよ。ハブネーク。後、ザングースとチルット、タネボーにコノハナ、ハスボーにハスブレロ、マリルに・・イシツブテ・・うん。これで全部」
「おぉ!たくさん捕まえてきてくれたんだな!」
「まーね。今日は、ハジツゲ付近まで足伸ばしたの」
「ハジツゲね・・。なぁ、ナツキ、一つお前に頼みがあるんだ」
「何?父さん」
「お前に、この地方にいないポケモンを探して欲しいんだ。」
「・・つまり、別の地方に行って、ポケモンを捕まえて来いと?」
「まぁ…そういうことだ。」
「どこの地方に行けばいいの?」
少女、ナツキはショルダーバッグを持ち、青の上着と緑のバンダナとクローバーのブローチつきのスカーフを着けた。
「ここ、ジョウトという地方だ。ジムもたくさんあるから、腕試しにはいいだろう」
「ふ〜ん・・。じゃあ、ミナモから船乗って、そのジョウトにいけばいいわけね」
「そうだ。ポケモン図鑑はナツキのに、プラスしておいた。まず、ウツギ博士という私の友人に会って、詳しいことを聞くといい。彼は、ワカバタウンというところに住んでいる。いいね?」
「うん。じゃ、いってくる!」
ナツキは、研究所の扉を開けた。
「・・オダマキ博士からの言付けって言っとくね」
バタン・・。
ナツキは外に出た。
「えーと、持ちポケは、ライチ、シャモ、チル、ラプ、フィン、キノ・・っと」
ナツキは、カバンを地面に置き、カバンの中にある、ライチュウのライチ、バシャーモのシャモ、チルタリスのチル、ラプラスのラプ、エーフィのフィン、キノガッサのキノのボールを確かめる。
そして、そのうちの一つを取り出し、空に投げた。
ボン!
「チルゥ!」
出てきたのはチルだった。
「チル、ミナモシティまで超特急で!」
そういいながら、ナツキはカバンを肩に掛けなおし、チルに飛び乗る。
「チルゥ!」
チルはナツキを乗せ、空に飛び上がった。
    ー数十分後、ミナモシティが見えてきた。
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風龍 #2★2004.12/18(土)19:51
第二話   アクア号の船旅
ーミナモシティ
「ここら辺はあんまり野生ポケモンいなかったから、来るの久しぶりね〜・・あ。戻って、チル」
シュン…。
ナツキは、チルをボールに戻して、船乗り場へと歩いていった。
ー船乗り場
「すいませーん。ジョウト行き一枚お願いします」
「はい。一万五千円です」
「高ッ!」
少々文句を言いながら、一万五千円を財布から出し、チケット売り場の人に渡す。
「では、二百五番の部屋の鍵です。」
「部屋の鍵?」
「はい。ジョウトまでは、一日掛かりますので」
「わかりました。」
ナツキは、鍵をチャラチャラもてあそびながら、船のほうへ向かっていった。
ー船内
「ふ〜ん・・これがアクア号か・・」
船室でくつろぎながら、ナツキは窓の外を見る。
一面青。どこまでいっても青。
「ん・・?あれは…」
ナツキが見たのは、銀色の影。
深海にいるのだろう。姿は良く見えなかった。
良く見ると、その影は、アクア号とともにジョウトへ向かっている。
「…ま、いっか。」
ナツキは、窓から部屋の中へ目を移した。
が、少し気になったのか、また窓をのぞく。と、その影は無かった。
そこから数キロの場所で、銀色のポケモンが海中から飛び出すのを見た。虹色のポケモンが空を飛んでいくのを見た。という人がたくさん出た。
そんなことは何も知らず、ナツキはアクア号とともに、ジョウト地方へ向かっている。
アクア号の走った後には白い波が立ち、その波の中から水ポケモンたちが飛び出す。
そう。この世界にはまだ誰もみたことがないポケモンがたくさんいるのだ。
ーこれから、ナツキの旅が始まる。
    この先、彼女の先に何が待っているのか、誰も知らない。
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風龍 #3☆2004.12/18(土)20:45
第三話     ジョウト地方到着
ーピンポンパンポンー
船内にアナウンスがこだました。
『あと数分でジョウト地方へつきます。ご乗船の方は、荷物の確認をお願いします』
ーアサギシティ
ナツキは、アクア号から降り、港町、アサギシティについていた。
「ふぅ・・。ここがジョウトか〜・・」
ナツキは辺りを見回す。
「えーと・・ワカバ・・だったね。チル!」
ボン!
「チルゥッ…?」
いつもの雰囲気と違う雰囲気に、チルも戸惑い気味だ。
「ここがジョウトだよ。チル」
周りの人は、ナツキとチルを不思議そうに眺める。
「珍しいんだね。きっと」
「チル・・?」
「さ、ワカバまで乗せていってよ。チル」
「チル!」
ーワカバタウン上空
「わっ!何これ!?」
ナツキがハチのようなポケモンを指して言う。
ピピ・・スピアー どくばちポケモン・・
「どくばちぃ…!チル、急いで急降下っ!」
「チルッ!」
ーワカバタウン研究所
…ドスッ!
「な、なんだぁ!?」
一人の白衣を着た人が外へ飛び出す。
バタンッ!
「なんだ!?泥棒か!?」
博士の目に飛び込んできたのは、草むらの木に引っかかっている、一人の少女とチルタリス。
そう、ナツキとチルだ。
「こんにちわ〜。ちょっと助けてくださ〜い…」
ー数分後 研究所
「そうか、君がオダマキ君の娘のナツキちゃんかぁ!」
「えっと・・ウツギ博士でしたっけ?」
「うん。ナツキちゃん、なんでもジム制覇とポケモン捕獲に来たんだって?オダマキ君から聞いたよ。で、そこで君にお願いがあるんだよ。」
「え?」
「なんでも、うちにも年頃の息子がいるんだよ。ゴールドって言うんだが、一緒に連れて行って欲しいんだ!」
「別にいいですけど…」
「そのかわりと言っちゃなんなんだが、ジョウトのポケモンを一匹上げるよ!好きな子を選んでよ!」
「ありがとうございます!」
「ヒノアラシは、ゴールドが選んでね、二匹しかいないんだが・・。」
「じゃあ、この子で!」
ナツキは一つのモンスターボールをとった。
「それはチコリータというんだよ。」
「チコリータか・・。進化系は?」
「ベイリーフ、メガニウムというんだよ」
「メイ・・うん。メイにしよう!」
「気に入ってくれるとうれしいよ!ちょうどゴールドは明日、かえって来るんだ。なんでも友達とキャンプとかでね。今日はうちで休んでいくといいよ。」
「はい!ありがとうございます!」
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風龍 #4★2004.12/19(日)13:59
第四話   いよいよ旅へ!
ー翌日、研究所
「ただいま〜父さん。」
研究所のドアを開けて、一人の少年が入ってきた。
年は、ちょうどナツキと同じくらいだろうか。
赤と黒と黄を貴重とした帽子や服を着ている。
「ん?そのこ誰?」
少年が、白衣を着た少女を指差して言う。
「ん?」
なつきは、青い髪をなびかせながら振り返った。
「あ、ひょっとして、君がゴールド?」
「え?あ、うん。そうだけど…」
ゴールドは、少し首をかしげた。
「なんで俺の名前知ってるんだ?」
「ゴールド、今日からお前は旅に出るだろう?」
「うん。まぁそうだけど・・」
「ヒノアラシをみせてくれないか?状態を見るから」
ウツギ博士がゴールドに言う。
「うん。いけ!」
ボン!
「ヒノォ!」
「わぁ!これがヒノアラシか。えっと、バクだっけ?」
ナツキが、図鑑を出してつぶやく。
「なぁ、お前なんで俺たちの名前知ってて、何でここにいるんだ?」
ゴールドがナツキに問いかける。
「このこがナツキちゃんだよ。ゴールド。昨日電話で話しただろう?」
ウツギ博士が言うと、ゴールドはハッとして言った。
「じゃ、じゃあ、この子が俺と一緒に旅に出る?」
「そう。私、ナツキっていいます。よろしく」
ナツキは軽く礼をした。
「あ、こちらこそ!」
ゴールドもそれにつられて。
「ナツキちゃんは結構トレーナー暦長いんだって。とっても育成上手の戦闘上手だよ。」
「え?何で?」
ゴールドが問いかける。
「だって、昨日僕があげたチコリータ、もうベイリーフに進化させちゃったんだもの」
「嘘だろ〜っ!?」
ゴールドが、目を丸くする。
「本当よ。これ、証拠ね。メイ!」
ボン!
「ベェイ!」
ナツキが投げたボールから出たのは、間違いなくベイリーフだった。
「すっげぇ…」
「ふふ。じゃ、いきましょうか」
ナツキは、白衣をするりと脱いだ。
「え?もう?」
「うん。早く行かなきゃ日が暮れちゃう!」
「お、おう!」
ゴールドも、帽子をかぶりなおし、リュックを背負いなおした。
「あ、そうだ。ウツギ博士、メイが入って七匹になっちゃうんで、ラプ、転送しといてください」
ナツキは、かばんからモンスターボールを一つ取り出し、ウツギ博士に渡した。
「あ、うん。わかったよ」
「あと、オダマキ博士によろしく!」
ナツキは、ドアを開けて、外に出ようとした。
「あ!そうだ!ナツキちゃん!ゴールド!一つ頼みがあるんだ!」
ウツギ博士が叫ぶ。
「なんですか?」
ナツキは何も無かったかのように振り向く。
ゴールドはかなりびびっていたが、ナツキにとっては、普通のことだったのだろう。
「実は、カントーからオーキド博士が来ていてね、途中で会いに行って欲しいんだ。」
「はい。わかりました」
「ヨシノシティの先にいるはずだから…」
「まかせとけって!」
ゴールドがウツギ博士に向かって、親指を立てる。
ー二人は、研究所から出て行った。
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風龍 #5☆2004.12/19(日)14:29
第五話  ポケモンGET!
ー29番道路
ゴールドとナツキはワカバタウンを後に、草むらを意気揚々と歩いていた。
ガサガサッ…。
草むらがあちこちでゆれる。
「ここら辺には、オタチ、コラッタ、ポッポ、ホーホーなんかがたっくさん住んでるんだぜ!」
ゴールドが得意げに言う。
「ふ〜ん・・。あ!あれは・・?」
ナツキがしっぽで立っているポケモンを指差す。
「アレは、オタチ。なんか女子に人気あるんだ」
「あれは?」
ナツキは次々とポケモンを指差す。
「左から、ポッポ、コラッタ。」
「ふ〜ん・・。ホウエンじゃ、ジグザグマとかポチエナとかだけど、こっちじゃ全然違うのね〜」
「ジグザグマとか、ポチエナって?」
ゴールドが聞く。
「こっちのポケモンよ。」
「ふ〜ん・・」
「じゃ、さっそく捕獲しましょうか!」
ナツキがカバンからボールを二つ取り出し、空に投げた。
ボボン!
「ラァイ!」   「ノガァ!」
出てきたのは、ライチとキノ。
「ライチュウと・・なんだあれ・・」
「キノガッサっていうポケモンよ。ライチ、でんじは!」
「ラァイ!」
ブゥーン・・。
野生のポケモンたちは麻痺した。
「キノ!マッハパンチでしとめて!」
「ノガァッ!」
ドゴドゴドゴッ!
「いっけぇ!モンスターボール!」
ボムッ!
三匹は、見事にボールに収まった。
ゴールドはその様子をポカンとして見ていた。
「へへ。やったね」
ナツキはイタズラっぽく、舌をぺロッとだす。
「さ、ご苦労様。戻って!」
ナツキはライチとキノをボールに戻し、カバンに入れた。
「凄い・・」
「まぁ、ざっとこんなもんかな〜」
「おい、お前ら!勝負しろ!」
突然、後ろから声をかけられ、二人は振り返った。
「バトルの申し込みか?」 「多分」
二人はぼそっと会話をした。
「別にいいけど。ゴールド、アンタの腕を見てみたいな」
「え?お、おう!いけ!バク!」
ボン!
「ヒノォ!」
「ゆけ!アーマルド!」
ボン!
「グォ!」
相手が繰り出したのは、なんとアーマルド。
「あなたもホウエン出身?」
「そうだ!俺様は、クロード!貴様の名は!」
「俺は、ワカバのゴールドだ!バク!たいあたり!」
「ヒノォッ!」
「かまいたち!」
ドシュッ!
アーマルドのかまいたちはバクにクリーンヒット!
「戻れ!バク!」
「なんだ。もっと強い相手と戦いたいぜ!」
「じゃあ、お手合わせ願います!」
進み出たのは、ナツキ。
「なんだ?お前みたいなガキが。」
その瞬間、ナツキはハッとして、クロードを見た。
「まさか・・お前・・アクア団!?」
「…ちっ。バレちまったか。」
クロードは服を脱ぎ捨てた。
と、青ずくめの服が出てきた。
「そう!俺はアクア団幹部、クロードだ!」
「ゴールド!立って!」
ナツキは、座っているゴールドを無理やり立たせた。
「こいつ、アクア団だったのよ!」
ナツキは、クロードを指差して、叫んだ。
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風龍 #6☆2004.12/19(日)22:32
第六話   悪の組織、登場!

「・・なんだ?アクア団って」
「知らないの!?」
「あぁ・・。ホウエンの・・?」
「そう。アクア団って言うのは、ポケモン窃盗、密輸の組織で、ただいま、ホウエンで指名手配中!」
ナツキが怒鳴るように説明する。
「そ、そんなに怒らなくても…」
「あ。ごめん。つい、カッとしちゃって」
「まさか、ホウエン出身のトレーナーに見つかるとは・・。しかも、ブラックリストの奴に…」
クロードが舌打ちをして言う。
「「ブラックリスト?」」
おもわぬ言葉に、ゴールドとナツキが声を合わせる。
「そうだ。俺の仲間はお前から思わぬものを発見した。」
「私から!?」
ナツキは、自分を指差す。
「そうだ。お前からは我らが探す…」
「どけどけ!邪魔だ!」
突然、見知らぬ男数人に背を押され、ナツキは草むらにかぶさった。
「いった〜・・。ちょっと、いきなりなにすんのよ!」
「こ、こいつら・・ロケット団だ!!」
「ロケット団?」
「そう!ナツキで言う、アクア団のやつらだよ!」
「ってことは・・悪の組織?」
「うん。おまけに、めっちゃ強いとか・・」
「ワニュ〜ッ!」
二人の会話を、一匹のポケモンが出す声がさえぎった。
「なんかどっかで聞き覚えあるんだけど…」
ナツキは、目を閉じて考えている。
「俺も・・。ついさっき聞いたような・・」
二人は、しばらく考えてから、同時に叫んだ。
「「ワニノコ!」」
二人はさっと立ち上がると、ロケット団とアクア団をにらみつけた。
「さては、ワニノコを父さんの研究所から盗み出したな!」
「そのとおり。我らに逆らうなら子供だからといって、容赦はしない!」
「逆らってやろうじゃん!」
ナツキが強い口調で言った。
「よし。それならしかたあるまい!ハッサム!エレブー!」
ボボン!
「ハッサム!」   「エレェ!」
「ゴールド、ここはあたしに任せて。シャモ!フィン!」
ボボン!
「シャァ!」  「フィィッ!」
「あたしは、バトルは自信あるわよ!なめてかかると、痛い目見るわよ!」
ナツキが叫ぶ。
「ほぅ・・。バトルは自信あり・・か。それなら・・!
ハッサム、メタルクロー!エレブー!かみなりパンチ!」
ゴォォッ!バリバリッ…
「シャモ、守る!フィン!みきり!」
ナツキは二匹に指示する。
「ポケモンに指示していていいのか?」
ロケット団の男がニヤリと笑って言う。
「ど、どういうこ・・!!」
ナツキは真正面を見た。
なんと、ハッサムとエレブーがこちらに向かってきている。
それを見たゴールドが叫んだ。
「ナツキ!よけろ!あいつらはポケモンを攻撃しようとしてるんじゃない!ナツキ自身を攻撃しようとしているんだ!」
「なんですって!?」
もうそのときには、二匹はナツキの目の前まで来ていた。
…もうだめっ…。
ナツキがそう思ったときだった。
ゴォォォォォッ!!
空から強力な炎がエレブーとハッサムを襲った。
「何・・?」
ナツキは、空の上を見た。
と、同時に腰のベルトにつけているモンスターボールが熱くなった。
「あっつ・・」
空の上には、すでに何者もいなかった。
あったのは、美しい虹だけ。
ナツキが視線を戻すと、そこにはロケット団も、アクア団の姿も無かった。
「・・なんか、一気に疲れちゃった。はやくポケセンいって休もうよ」
ナツキがため息をついてゴールドに言う。
「ポケセン?」
「ポケモンセンターの略よ」
「あぁ。うん。」
数分後、二人はヨシノシティにつき、ポケモンセンターに一目散に入り込んだ。
そのときには、もう日がどっぷりと暮れていた。
その日、二人はポケモンセンターでゆっくりと眠りに付いた…。
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風龍 #7☆2004.12/21(火)20:16
第六話   ナツキの秘密
ー翌日。
「ふぁ〜あ・・。よく寝たぁ…」
ゴールドがベッドの上で背伸びをする。
「ふぅ・・。シャモ、ここにちょっとだけ火炎放射」
「シャァ」
ボォォッ…。
「うん、ありがと。あと、こっちにもお願いね」
「シャァ」
ナツキが、何かをしている。
かなり前からおきていたらしく、ベッドはきちんと片付けられていた。
「・・何やってるんだ?ナツキ」
ゴールドが、声をかける。
「わっ!・・な〜んだ・・。ゴールドか」
ナツキが、青い玉と紅い玉をベルトにつけながらゴールドを見る。
「何やってんだ?」
「いや、なんにも!」
「・・?」
「起きるの、遅かったね。」
「へへ・・。昨日は疲れてたからな・・」
「うん。お互い様。」
ナツキはニッコリしていう。
だがゴールドは、ナツキが、どこか作り笑いのような気がした。
「・・何か、隠してる・・?」
「え?・・ううん。何にもかくしてない」
「…お前、無理してるだろ」
その言葉に、ナツキはハッとした。
「…お前、ゴールドじゃないな!」
「何言ってるんだ?俺は・・」
「・・じゃあ、クイズ。今私がしていたことは何?」
ナツキは、落ち着いて言った。
「簡単!ナツキは藍色の玉と紅色の玉を・・」
「・・残念。私は、ゴールドに玉のことを話してないの。」
「…。」
「さぁ、正体を現しなさい!・・マグマ団!」
「・・フフ・ハハハハ!さすがではないか。ナツキ」
「・・その声は確か・・!!ラード!」
「ご名答!俺様はマグマ団幹部、ラードだ!」
ラード。ナツキは彼を知っていた。
その話は、後にわかるだろう。
「・・ラード、ゴールドはどこ?」
ナツキはラードをキッとにらみつけて言う。
「あのガキか?・・人質だ。」
ナツキは、なんとか落ち着こうとして、言う。
「・・私と取引をしようと?」
「そのとおり。今日の午後12時・・チョウジタウン、饅頭屋だ。」
「・・いいわ」
ナツキは、そっとつぶやくように言った。
「・・では、さらば!」
ゴォォォッ!
ラードの周りに炎の渦が現れ、消えたときにはラードの姿はそこに無かった。
ー午後八時
ナツキたちは、チョウジタウン、ポケモンセンターにいた。
「・・ハァッ!」
「シャァ!」
ゴォォォッ!
「・・作戦すら立てさせてくれないっていうのね!」
次から次へと現れ暴れる、ズバット、デルビルを倒し続けながら、ナツキは息を荒げる。
「はぁ・・はぁ・・。こうなったら・・フィン!」
ボン!
「フィィッ!」
「サイコキネシスで動きを止めて!」
キィィィィィッ…。
「チル!」
ボン!
ナツキはすぐさま、チルにまたがり、シャモとフィンをボールへ戻し、部屋から飛び去った。
ー空中
「・・はぁ・・。真っ暗で・・見える?チル」
チルは、申し訳なさそうに首を横に振る。
「あ、誤らなくていいからさ。チルは鳥だし」
ナツキは慰めるように、チルに言う。
「・・それより、何か聞こえない?」
ナツキは、無言で耳をすます。
と、そのときだった。
「アチッ…」
突然、腰につけた玉が熱くなった。
と、同時にまた強力な炎が空から降ってきた。
今度は、ナツキに向かって。
「…何がおこるっていうの…」
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風龍 #8☆2004.12/22(水)15:41
第七話         襲撃
「玉が熱い・・。さらに・・炎…」
ナツキは、目を閉じて考えている。
ヒュゥ・・。
ナツキを風がなぜた。
「!!チル、急降下!」
「チッ…」
ビュォォォォウ!!
チルはどんどん降りていく。
「ふぅ・・。チル、もういいよ」
だが、チルはそのまま降りていく。・・いや、落ちていっているのだ。
「・・チル?…チル!?」
ナツキは、チルの異常に気づき、チルを呼ぶ。
…ドサッ。
鈍い音とともに、ナツキとチルは、地面にたたきつけられた。
「・・電撃。何かがここに、いる・・。チル、戻って」
ナツキは、チルを戻し、周りを見回す。
「・・シャモ」
ボン!
「シャァ」
ナツキはシャモを出し、戦闘体勢に入る。
「…何かがいる。とてつもなく、大きな物が…」
ゴォォォッ!
突然、木々の中から炎が飛び出してきた。
「シャモ、火炎放射で応戦!」
「シャァ!」
ゴォォォッ!
「よし・・!いいかん・・!!」
バリバリッ!
突然、ナツキの背後から電撃が飛び出した。
「!!」
ナツキはすぐさま、後ろを振り返った。
「ライチ!応戦よ!」
ボン!
バチバチィッ!
ビュォォォウッ!
「今度は吹雪!?メイ!にほんばれ!」
ボン!
「ベェイ!」
カッ…。
ベイリーフのメイによって、日が強く照りつけ、吹雪は威力を失った。
「次はなにかしら・・」
ドサッ!
「!?シャモ!ライチ!」
音に気づいてナツキが振り向くと、そこにはボロボロになったライチとシャモがいた。
「もどって!」
シュシュッ…。
「フィン!キノ!」
ボボン!
ドサッ!
「メイ!?戻って!」
ナツキは、メイをボールに戻し、あたりを見回した。
「・・っ・・速い・・」
そこには、倒れたフィンとキノの姿があった。
「戻って!」
シュシュッ…。
「・・それで貴様の手持ちはいなくなったな?」
木々の中から、どこからか不気味な声がした。
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風龍 #9☆2004.12/22(水)19:46
第八話   悪の組織再び!
ナツキが後ろに振りかえった。
そこにいたのは、一人の男。
黒い服の真ん中に、紅い文字でRと書いてある。
「…何者」
ナツキはつぶやくように言う。
「俺はロケット団幹部、ラーディだ」
「…ロケット団?」
ナツキは首をかしげる。
「・・貴様、我らを知らんのか?」
「…えぇ。」
そういいながらも、ナツキは体勢をくずさない。
「…まぁ、それもよかろう。やれ」
ラーディの声とともに、何かが空中から舞い降りてきた。
「コォォ!」「シャァァ!」「フォォォウ!」
「…あちっ…」
腰につけた玉が、熱くなる。
ナツキは、三匹に図鑑を向けた。
「…フリーザー、サンダー、ファイヤー…か。見たところ、雷、氷、炎・・ってところかしら」
「そのとおり。」
「・・こうなったら、私のパートナー、教えてあげる。」
そう言って、ナツキは三つのボールを空高く投げ上げた。
ボボボン!!
「リザァ!」「ガメェ!」「バナァ!」
出てきたのは、三匹のポケモンたち。
「・・リザードンのリザ、カメックスのメック、フシギバナのギナ。・・これが、私の本当のパートナーよ!」
ナツキは叫ぶように言った。
「ふん。増えたからといって同じこと。フリーザー、吹雪!サンダー、十万ボルト!ファイヤー、火炎放射!」
三匹は技を放つ。
「リザ、フリーザーにブラストバーン!メック、ファイヤーにハイドロカノン!ギナ、サンダーにハードプラント!」
カッ!!
六つの技がぶつかり合い、大爆発を起こした。
「きゃっ…」
ナツキは、爆風に飛ばされ、意識を失った。
ー数分後
「ん…?ここは…」
ナツキが目を覚ましたのは、どこかの建物の中だった。
天井にはむきだしの蛍光灯が冷たく光っている。
いたるところに、猫の形をかたどった銅像がおかれている。
銅像の目は、紅く光っていた。
そして、ナツキの周りには、ギナ、リザ、メックの三匹が、立っていた。
「・・ずっと、見張っててくれたんだ…」
ナツキは、三匹に抱きつく。
「・・と。こんなこと、してる場合じゃないね」
三匹は、コクリとうなずく。
「・・あとのこは、皆やられちゃったから・・、今日は、久しぶりに暴れてもらうわね!」
「「「ギャァァ!」」」」
三匹の声を聞くと、ナツキは、ニッコリして、言った。
「ギナ、一緒に来てくれる?あとは、戻っといてくれないかな」
シュシュッ…。
ナツキは、ギナを残し、リザとメックをボールに戻した。
「・・これから、何が来るかわからないからね。警戒していこう」
ナツキは、そういいながらギナの上にまたがる。
チカッ。
「…今、何か光らk」
ザザッ!!
ナツキがそういい終わらないうちに、ナツキの周りを黒ずくめの集団が取り囲んだ。
「ズバット!」「デルビル!」「ビリリダマ!」
あちこちから、モンスターボールを投げる音がする。
「よっと。ギナ、まとめて相手しちゃいな」
ナツキは、ギナから飛び降り、言う。
「バナァ!」
ギナは、ツルを出し、戦闘態勢に入った。
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風龍 #10☆2004.12/23(木)18:19
第九話     捕獲、そして…
「デルビル!火炎放射!」
「ガァウ!」
ゴオォッ!
周りにいたデルビル数頭が、火炎をはく。
「ギナ!じしん!!」
「バナァ!」
グラグァッ…。
「ギャァ!」
「効果はばっつぐ〜ん!」
周りにいたデルビル、ビリリダマはひんし。
残るは、ズバットだけとなった。
「さてと。ギナ!つるのムチでズバットを叩き落としちゃって!」
シャシュッ!バシッ!
ギナは、つるで確実に、ズバットを叩き落していく。
ドサッ…。
最後の一匹が落ちた。
「くっ・・戻れ!」
団員達はポケモンをすぐに戻し終えると、向き直った。
そして、ボールを一つ取り出し、投げた。
「ゆけ!サンダー!」
ボン!
「シャァ!!」
「!サンダー!?」
団員が繰り出したのは、まぎれもなく、先ほど戦ったあのサンダーだ。
「さぁ、サンダー!雷の神と呼ばれる力をみせつけてやれ!」
「シャァ!」
その言葉に、ナツキははっとした。
「…どうして、神なのに玉が熱くならない・・?」
「・・バナァ」
「…そうか!正体をみせなさい!偽神め!!」
ナツキはサンダーを指差し、叫んだ。
「・・私が偽者だと?ふざけるな!」
どこからか、低い声が聞こえた。
「・・誰・・!?」
「私だ。お前の目の前にいる」
ナツキはサンダーを見た。
「…偽者。いくら私をごまかそうとしたって、私にはこの、玉があるからわかるの。正体を現しなさい!」
すると、サンダーは、ニヤリと笑っていった。
「・・お前は、その玉が偽者とは考えないのだな?」
「!」
ナツキは、いそいで腰につけた玉を見た。
「偽者・・?どこが・・」
ナツキは、サンダーのほうを見た。
が、そのときには電撃が目の前まで来ていた。
ーその後、ナツキは意識を失った。
ー一方ゴールドは…。
「すいませ〜ん。オーキド博士いますか・・?」
ガチャ・・。
ゴールドは、家のドアを開けて中へ入る。
「おぉ!君がゴールド君と、ナツキちゃんかね?」
「はい!」
ゴールドは、元気良く返事をする。
「こんにちは!オーキド博士、初にお目にかかります!」
隣にいるナツキも、挨拶する。
「え〜・・。実はだね、二人にこれを渡したい。」
オーキド博士はそういって、二つの丸いものを二人に手渡した。
「これは・・?」
ゴールドが博士に問う。
「それはだね、ポケモンの卵・・だよ」
「ポケモンの卵〜!?」
それにかかわらず、ナツキは卵をじっと見ている。
「・・ナツキ?」
「・・え?あ、ごめんなさいね。ちょっと・・」
ナツキは、ドアを開け、外に出て行った。
「・・おとなしい子なんだね。ナツキちゃんって」
オーキド博士がゴールドに言う。
「ん〜・・。なんか、今日のナツキ変なんだよな・・」
ゴールドが、あきっぱなしのドアを閉めて言う。
「え?」
「だから・・普段はもっと、活発って言うか・・」
ーピッピカチュウ♪
突然、ピカチュウの鳴き声がした。
「?」
「これは、わしのパソコンの着メロじゃ」
「(着メロ?)」
ゴールドは首をかしげながらも、画面を見る。
「なんて書いてあるんですか?」
「どれどれ…」
画面をクリックして、メールを開く。
画面には、大きくこうかいてあった。
         「SOS」
「エスオーエス…これは…」
さらに下を見ていくと、詳しいことが書かれていた。
「今、私はある場所に捕らえられています。相手はR団と名乗っており、伝説のポケモンらしき三体を操っています。
私は、今はこうしてメールを送ることしか出来ません。
ですが、ウツギ博士にこう、伝えてください。
ゴールドが誘拐された。と。
ここはおそらく、チョウジタウン付近だと思います。
オーキド博士、ウツギ博士になるべく早く、伝えてください。
私は、ここを脱出する手を考えます。
ですが、ポケモンを奪われてしまいました。
このことは、博士には決して言わないで下さい。
誰にも迷惑をかけるつもりは無いので。…では。
                         ナツキ」
「ナツキからのメール!?俺が誘拐された!?おまけに、ナツキが捕まってる・・?」
「ゴールド君、つまりこれは、ロケット団のしわざ。と考えてはどうじゃろうか。」
オーキド博士が深いため息をついて言う。
「・・そうとしか、考えようがありませんよ。」
ガチャ。
そのとき、ドアが開いてナツキが入ってきた。
「ふぅ。おまたせしました、博士。」
「・・ちょっと待てよ。何でナツキがここにいるんだ・・?」
「え?」
「わかった・・!お前、偽者だな!?」
「わ、私が偽者?何言ってるの。ゴールド?」
ナツキは明らかに、動揺していた。
「今、本物のナツキからのメールが来た!」
ゴールドは叫ぶように言った。
「メール?私はそんなもの送ってないけど」
ナツキは真剣な目つきで言った。
「・・あの娘め。メールなどもっていたか」
ナツキがそうつぶやいたのを、ゴールドは聞き逃さなかった。
「今の言葉聞いたぞ!お前、何者だ!!」
「…我らロケット団に逆らう娘がいると聞き、お前を利用させてもらった。正体がばれればもはやこれまで。貴様もあの娘と同じ目にあわせてやろう。・・戦う気があるのなら、チョウジまでこい。」
ビュォォォウ!
次の瞬間、ナツキはいなかった。
「…俺に挑戦状を叩きつけるって言うのか。」
ゴールドは、足元にバクを出した。
「バク、必ずナツキを助け出そうぜ。」
「ヒノ!」
「じゃ、さようなら!オーキド博士!」
ダッ!!
ゴールドは、後ろを一度も振り替えず、走り出した。
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