ぴくの〜ほかんこ

物語

【ぴくし〜のーと】 【ほかんこいちらん】 【みんなの感想】

[692] farst adventure

月上ルナ #1☆2005.05/15(日)14:56
プロローグ

お前らは何かを信じることはあるか?俺はまだない。
だって、守りたい仲間達が居ないし。俺にはそんな力もない。
だが、きっと「何か大きい事をしてみたい」みたいな感情はあると思う。
そう、だから俺は今この場所に居るんだ。
なんでかって?ま、俺の話をよく聞けよ。話はこれからだ。

あ、ついでに俺の名はレッド。よろしくな。
俺は猛烈に今急いでいる、そう学校という嫌な所に行くんだ。
え?なんでそんなに嫌なのに行くのかって?ま、いいじゃん。
というわけで、俺は古びた屋敷みたいな学校の中にダッシュで入った。

「お、お、お、遅ーいっ!十八分も遅刻だぁ!お前は一体何をしt」
こんな変なハゲ教師に怒鳴られながらも、俺は席に着いた。
「おはよう、レッド。今日も遅刻?そんなんじゃ卒業できないよ?」
今机に腕を付きながら、俺に喋りかけてきたのがブルー。
俺の小さい頃からの親友で、結構可愛くて気になるヤツ。
「ったく、うるせーな。おめーが遅刻してこなきゃ、ちょっとはマシだったのによ。」
少々愚痴も入りながら話してんのが、グリーン。
こいつも同じく俺の幼なじみ、結構世にいうイケメンだ。
「…あの、早くしないと。先生にまた怒られますよ…?」
このちょっと大人しい、女みたいなやつがイエロー。
一応男っぽい、男の分かるのと喋るまでに三ヶ月もかかったがな。
「っつーか、早くはじめねーと。十八分ならまだいいが、三十分かかっぞ。」
そう、俺は世に言う面倒くさがりやってやつだな。
だが、こんな五月蝿い先公ともこの糞学校とも明日でおさらばだ。

そう、俺は明日から冒険に出るのだから。
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月上ルナ #2★2005.06/19(日)11:04
第一話

よう、俺レッド。ちゃんとお前ら人の話聞いてるのかよ?
ならそういう訳で、あらすじとかゆーのを説明してやるか。

俺は急いで学校へ行っていた訳で、そしたらブルーやグリーンやイエローに会ったのさ。
でも明日、つまり今日は俺達がここのマサラタウンを出て、冒険するんだ。
え?分かりにくい?なら最初っからもう一度聞きなおしな。

っつーわけで、また空気の抜けきったチャリで空気入れようとか思いながら学校へ行く事になった。
まあ、こんな事すんのも今日で最後だな。
でも俺は冒険とかいう意味をまだ知らんかった訳。
で、それが学校よりどれだけかったるいかを知らなかった。

「うし、どうにか間に合ったぜ。」
心の中で自分にガッツポーズを入れながら、俺はブルーの後ろに潜りこんだ。
「うわ、遅刻魔登場じゃん。早く早く、もうヅラ校長の話始まってる。」
ひそひそ声なのに、失礼な事を言いやがるなと思いつつ俺は話を聞く。

ごんっ

鈍い音がした、ん?後頭部が痛い。これは殴られたのか。
誰だ、どこのどいつだ。このニヤケ面はなんなんだ。思い出せない。
んっ、俺すら思い出せない。ここはどこ、私は誰。
「なにアホな事言ってんだよ。」
こいつか。
「ん?お前も遅刻か?珍しいな、グリーンが遅刻とは。これはネタになr」
「黙れ。」
一蹴された、くそ。だからコイツはムカつくんだ。
へそから虫が出てきそうなくらい、腹が立っていた俺。
だが、50%くらいの期待が50%の怒りをぶッ殺した。

「という事で、これからポケモンを選んでもらいます。」

校長の声に俺は我に帰った。次々に歓声が飛んでくる。
「…やったね、レッドくん。」
細々と上目遣いで覗くこいつ、イエローだ。こいつは男なのか?

「炎影レッド!来なさい!早く、じっくり選べ!」

運命の時が来た。
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月上ルナ #3★2005.06/19(日)11:02
第二話

よう、俺レッド。今ポケモンを選んでいるんだ。
色々と考えながらも俺は校長と変な白髪爺の前に立った。

「んーっ…あんた誰?教頭だっけ、まさかハゲ教師?」
つややかな黒い髪をぽりぽり掻きながら、俺は見知らぬ爺に問いただす。
「わしゃ、オーキド博士。お前のよく知っているやつの、爺じゃ。」
自分から爺と名乗るやつなんていんのか?
「ん?ブルーか?違うな…イエローじゃねえし。
 ま、まさか…」
「そうじゃ。」
「俺の死んだおじいちゃん!」
いや、俺は本気だったんだ。きっと俺は正気だったんだ。
こいつらがおかしくなっているんだ、きっと俺は正しいんだ。
「嘘つけ。」
また、グリーンに一蹴された。くそ、こいつは一蹴の名人だな。
「つか、なんでお前ここに居るんだよ。草風だから、まだだろ?」
「アホ、じいちゃんから先にもらったんだよ。
 身内だから早くもらえんだぜ。」

ん?とゆーことは。まさか、俺とグリーンはいとこ同士だったのk

「アホ、いい加減目を覚ませ。爺ちゃんは俺のだ、お前のじゃねえ。」
ハァ?なっ、何を言うんだ。僕は、僕は。
「あなたは喋りすぎたのですよ、だから僕に貴方の存在を…
 じゃねえよ、だから俺の爺ちゃんとお前とはなんも関係ねーの。」
「先にいえよ。」
そうやって口論していくうちに、爺三人の顔が太陽のように赤くなっていく。

「早く選べ!ガキ!」

赤くなって爺三人は昇天するかと思ったが、そうはいかなかった。
「くそ、じゃあこれだ。いいだろ?」
まあ、爺三人が赤くなったので赤いヒトカゲというポケモンにした。

炎影レッドとヒトカゲ、エンカゲとヒトカゲ いいだろ?
まあ、俺のセンスは置いておいて。

水鏡ブルーはゼニガメ、雷雲イエローはピカチュウにしたらしい。

今日はこいつらが、俺の守るべきものになった日だ。
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月上ルナ #4☆2005.06/19(日)11:29
第三話

よう、俺レッド。今、俺は遅刻は珍しくしていない。
だが、遅刻寸前のように急いでいる。え?なんでかって?
くそ、チャリでくれば良かった。アイツに追われてんだ。

「待ってください!レッド様ぁ!」
来た!レッドの俺様的ブラックリスト、ナンバー001のアイツ!
俺が後ろを振り返ると、後50m位は間があいている。
「レッド様ぁ!待ってください!
 一緒にカントーでのバカンスを楽しみましょうっ!」
50m以上は間があいたが、桃色の柔らかな髪が見え隠れしている。
あれ?だんだん、顔が見えてきた。や、やべえ!

「どうしたのよ?レッド。」
チャリで登場したのは、ブルーだった。
この時、俺はブルーを天使と見間違えた。救世主はブルーとも思った。
「ブルー、助けてくれ。ピンクに…桃山ピンクに追われてんだ!」
今追ってきている、ピンクのツインテールは桃山ピンク。
何故か俺の事を毎朝毎朝追って来る。
「で、どう助けろって?」
「チャリに、チャリに乗せてくれよ!」
俺は一生分の願いを、ブルーに託した。だが…
「見つけましたわっ!レッド様ぁっ!…
 …そちらはまさか、忌々しい小娘のブルー!」
俺とブルーとピンクは急に立ち止まり、ケンカが始まった。
「レッド様は、私のものですわ!貴方なんかに、渡さないんだから!」
「は、はぁ?」
ん?これはなんだ?俺の所有者はピンクなのか?
いや、俺のはずねえんだよ。第一俺はモノじゃねえし。
「それはこっちのセリフよ!レッドはみんなのものでしょっ!」
だから俺はものじゃねえんだよ、すべり台じゃねえんだから。
「レッド様は私のものですわ!さあ、私と旅立ちましょう?」
「ならこっちにも考えがあるっつーの!レッドは私のもの!」
だから、俺はみんなのモノ…っつーか俺は人だっつーの。

「さあ、あなたはどっち!?」
二人の声が珍しくそろった、そしてなんで料理のように言われてんだ。
しいて言えば、俺はしょうゆラーメンかな。
「もういいわっ!バトルで解決しましょ!ねえ?レッド。」
「そうですわ!レッド様、そうしましょう?」
なんなんだ、お前ら。だから、俺がどっちのモノか、バトルするんだと。

そして、俺のパートナーが決まるらしい。
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月上ルナ #5☆2005.07/02(土)13:28
第四話

おう、みんなのモノ・レッドだ。じゃなかった、俺はモノじゃねえ。
っつーわけで、平和なような平和じゃないような理由で、バトルが始まっている。
ったく、カントーっつのはこんなに危ないのか。
平和なトコに行きたいな、ムー大陸とか。

というわけで、バトルをするはずなのに静まり返っている。
なんでも、ブルーとピンクは動きやすい服に着替えるらしい。
女っていうのは難しいな、ピンクだってドレスだったが走れただけいいじゃねえか。
ブルーだってタンクトップにジーパンだったし。
ってか俺がまっさきに着替えるべきじゃねえか?汗だくなんだよ。
「お待たせしましたわ!」
「ごめんねー、待った?」
ピンクはノースリーブに半端なたけのパンツ。
ブルーは半袖Tシャツにショーパン。どっちも中々似合っていた。
「な、なんなんだ。お前ら。」
思わず心の声がこぼれた、夏な姿の二人が睨みつけた。
おもわず俺は肩をすくめる、多分モアイ像だってこの立場におかれたら海へと帰っていくと思う。
「じゃあ、バトル開始しましょ?でもいつもと違うバトルがいいわね。」
「お互いのポケモンを交換して戦うと言うのはどうです?」
色々と盛り上がっている、俺はこの時点で居なくてもいいんじゃないか?
「じゃあ、くじびきで決めましょ!」
ん?くじびき?ファミコンでももらえんのか?
「違うわよ、ポケモンよポケモン。」
古代ギリシャではくじびきで政治家決めてたらしいが、これは他人のポケモン達もくじびきの犠牲になんのか。
「じゃあいくわよ!」
「せーの…」

これぞ、運命だ。
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月上ルナ #6☆2005.07/09(土)14:05
第五話

暑い、暑い。灼熱の炎天下とはこの事だ。
一瞬だけ、この俺の名を付けた親を殴りたくなった。レッドだよ。
暑いな、俺も。そして、狂った太陽と地球も。

くじびきに命を懸けると言うのは、貧乏なヤツしかいないと思うが。
命を懸けているお嬢様と、一般人がここに居た。
くじという危険な紙切れが入っているダンボールは、暑さに耐え切れず糊が剥がれてしまっていた。
俺もこのノリでいけるか心配だ、今のはダジャレじゃねえぞ。
「っせーの!」
ブルーだけの声が響く、ピンクは声をあげない。
「で引くのよ!」
なんなんだ、幼なじみにここまで腹が立ったのは、多分俺が一位を取れる。
「では、次は3,2,1,でいきますわよ!」
皆汗だくだ、汗が出ていないのは多分俺のヒトカゲだけだ。
あー、暑さや寒さの無い所に行きたい。それか、温度を感じない所とか。
寒いが、もう温度が感じない位に凍りたいな。海王星にでも行くか。
はっ、そういえば人は月より向こうには行った事ねーんだよな。
「ちょっと、ちゃんと見なさいよ!」
いい加減にしろ、海王星には行けるか考えてるんだ。
「レッド様!ピンクの雄姿を見ていてください!」
あー、分かったよ。さっさとやれよ。

「3,2,1,せーの!」

決まった、ポケモンは次の通りだ。

ブルー ピッピ ゼニガメ
ピンク ピカチュウ プリン

ピンクの方が有利に見えるのは気のせいだな、うん。
俺は幻を見ているに違いない、これじゃあピンクとカントーのバカンスじゃねえか。
これは傑作だ、はっはっは。
「やりましたわ!これはもう勝ったも同然!」
「いや、待ちなさい!そのピカチュウは私のよ!
 あんたなんかの言う事、聞くわけないでしょ!」
ガヤガヤしている、ん?ガヤガヤって死語だっけ。
ちょっと辞書で調べるから、俺一旦帰るわ。そして、辞書を探す旅に出よう。

「アホ!」

早く進まねえかな。
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月上ルナ #7☆2005.07/15(金)19:27
第六話

よう、俺はレッド。そして、こいつは辞典の英和と、漢字…ん?

暗転。そして、目を開けた瞬間の罵声。
ここはどこなんだ、俺は誰なんだ。ん…まさか、電子辞書大王にやられたのか!

「起きろ!そして見ろ!瞬きなんかすんじゃねえ!」
ブルーの罵声、そしてピンクの目には炎。手には金属バット。
うん、普通に怖い。片隅には血だらけ、タンコブ付きのとしお君がいそうだ。
きっとこの状態で居たら、あれだろうな。やられるな。
やられるのに突っ立っている人が居たら、そいつはなんらかの理由で動けない人か、保険金詐欺師だな。
ったく、さーてとなら見ててやるよ。さっさとやれ。

「じゃあ、行きますわよっ!」
ショーパンの腰の部分についていた、モンスターボールを取り出す。と、真中を押し、大きくなったボールを投げる。
いい感じのフォームで投げ、ボールはコツンと良い音を立てて、プリンが出てきた。
そこで、ちょっとしたアピール。流石ぶりっこ、耳に付いた赤いリボンが可愛らしい。
「じゃあ、頑張ってね!」
ブルーも既に大きくしていたボールを投げた。
ギャルっぽく、ボールにはビーズやらでデコレーションしてあった。
チャリっと音がしてから、ゼニガメが出てきた。
軽く水鉄砲をしてから、キリっとした表情を見せる。

「では、この勝負勝たせて頂きますわ!
 プリン!おうふくビンタ!精一杯ぶっちゃってくださいな!」
プリンはふわっと飛んで、ゼニガメの前に降りた。
一瞬ニヤっと笑ったかと思うと、おうふくビンタが開始される。
パシパシとぶっていると、右に顔が行けば左でぶつという作業を繰り返している。
「っく…ゼニガメ!勢いよく水鉄砲よ!」
ぶっていたプリンが、ゼニガメの水により吹き飛ばされる。
5m程ふっとび、背中から落ちた。
どうやら受身をしたらしく、すぐに立った。お嬢様は違う。

中盤戦の模様はまた後でな。
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月上ルナ #8☆2005.07/24(日)13:24
第七話

よう、バトルもいよいよ中盤戦。やっと帰れるぜ。
というわけで、いつの間にか、カラスがカアカア言い出す時間になっていた。
空は水色とオレンジが混ざったような、いい色合いになってきた。
どんどん、涼しくなっていく。そして、風が優しい。
「じゃあ、あんたのポケモンでトドメさしてあげる。」
「ふん、望む所です。では、私も貴方のピカチュウで。」
二人同時にポケモンを戻し、そしてボールを投げた。
ブルーはピッピ、そしてピンクはピカチュウだ。
「先手必勝!ピッピ!ゆびをふる!」
ピッピはとにかくバトルがしたかったようで、すぐに指を振った。
出てきたのは、針だった。ピカチュウにプスっとささった。
途端にピカチュウが苦しみだす、どうやら毒針だったようだ。
「あと、体力も残り少ないわね。次で終わりね。」
ブルーは自分のポケモンだと言うのに、倒すには手加減しないようだ。
俺はいくらなんでもそれは酷いと思った、そしてピンクに勝ちをと一瞬思った。
「ぴ、ピカチュウ!でんきショックよ!」
ピカチュウは、どうにか起き上がった。そして、全神経を真中に集め、電気を放った。
どうやら、急所にあたったらしく。ピッピ戦闘不能。
「やりましたわっ!ピカチュウ、頑張ったわね!…」
一瞬ピンクは微笑んだ、そしてすぐに表情が曇った。
そう、ピカチュウも毒に侵され戦闘不能。ピクピクと痙攣しながら、息絶えた。
いくら他人のポケモンだったが、ブルーにもピンクにも涙が出ていた。
俺の目にも、涙が溢れてきた。
最初は、ただ旅の友の取り合いだったのに、バトルに発展し、そして…
バトルをするのは簡単だ、戦闘不能だったポケモンも、センターに連れて行けば、生きれるけど。

でも、やはり動物を殺すのは少し、抵抗ができたような気がした。
何度でも、再生できるけど。可哀想で…
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[692]

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ぴくの〜ほかんこ