ぴくの〜ほかんこ

物語

【ぴくし〜のーと】 【ほかんこいちらん】 【みんなの感想】

[706] テトラポットの上で

ティクネット #1★2005.05/29(日)16:07
プロローグ 美しい海と戦争

今でこそ穏やかで美しい海、ティアル海。
しかしここは、ルギアが永遠の眠りについた海でもあった―

星が輝く夜のティアル海に、テトラポットの上に座っている一人の少女がいた。
名前は「ユキ」。背の高い、小学生ぐらいの子だろう。
少女の隣に2体のポケモンが居た。

どうやら、片方はネンドールのようだ。
わんぱくな性格なのだろう。地面タイプなのに水遊びをしている。

もう一体はトロピウスのよう。何も言わずただそこに座っていた。
立派な羽の持ち主だ。逞しい感じがするが、ポロックをあげたような感じはない。

ユキはジムやコンテスト目当てのトレーナーではないようだ。
図鑑は持ってないし、トレーナーカードもない。

…なぜだろう。
ユキはもう夜なのに家にも帰らない。どうしてだろうか。

そう、ユキには家もなく、両親も兄弟も、友達もいないのだ。
ユキにとってポケモンが親みたいなもの…

ユキだけじゃない。他の子供も、両親や兄弟が居ない。
10年前の戦争により、ルギアと共にこの世を去っていったのだ…


―ティアル海に囲まれたこの島は、孤児が住む島である。
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ティクネット #2★2005.05/30(月)16:26
第一話 「あたらしいともだち」
>フレーラーさん、キャラ提供有り難うございました。

「たいちょう、これからどうしよう。暗くて何も見えないよ・・」

「ん…そうだな。星を頼りに別の場所へ行くとするか・・」

「おいらも行くー!・・でも、何処へ?」


ユキとトロピウスの「たいちょう」・ネンドールの「ねんどまん」は悩んでいた。

ユキには家がないし、辺りは真っ暗だ。
別の場所に移動しようとは言っても、星しか見えないここは危険である。

「ん・・?なんだ?あの光は。」
「ポケモンだよ!なんだかこっち見てる!」

ユキの手持ちの2体のポケモンが、いっせいに振り向いた。
確かに、電気のような光が見える。

「敵か!?姿を現せ!」
たいちょうは戦闘態勢でユキの前に立ちふさがった。

「どういうこと!?」
ユキはパニック状態だった。何が何だかわからなくなった。


「…ちがう。僕は敵じゃない…」
そういって光は近付いてきた。

「その手にのるわけないもん!おりゃー!!」
ねんどまんは破壊光線を放とうとした。 その時―

「ねんどまん!ちょっと待ってよ!」
「!?」


ユキの先には一匹のデンリュウと、それに照らされたキノガッサが居た。
その隣には、一人の子がいた。

「すまない…」
光に照らされた彼は、髪の長い、男みたいな感じだった。

「いいんです…でも、どうしてここに?」
ユキは彼に話しかけた。

「ああ…道に迷って、このデイル、ドールと共にさまよっていたんだ。」
そういうと彼は、デンリュウの「デイル」とキノガッサの「ドール」の頭をポンとなでた。

「そうだったんですか…すいません・・あ、お名前は?
 私はユキです。そして隣は、ねんどまんとたいちょうです。」

「そうか・・俺はセイル。戦いは好まないけど、いつか悪の組織を倒すような人になりたいなとか思ってる。」
セイルと名乗る彼は、ため息をつきながらも自己紹介をした。

その後セイルは、デイルの明かりを頼りにして、どこかに行こうとしていた。

「ねぇ、ちょっと待って。私もつれてって。」
ユキは走るようにセイルの後を追う。
「・・そうだな。お前には灯台の代わりもいないし。
 よし、俺について来い。」

そういうとセイルとユキは、ほこらのある森の方へと行った。
 
                          続く
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ティクネット #3★2005.06/01(水)16:05
第3話 「ほこらの伝説」

「…ふぅ。やっと着いた。」
セイルはほっとして腰を下ろした。
「・・結構時間掛かりましたね…」
ユキもため息をついて切り株の上に座った。


「そういえば、ここにほこらがあるんだよね。
 えーと、どっちの方だっけ?」
ねんどまんは顔の周りの目を光らせて、きょろきょろしている。
「ねんどまん、あっちじゃないかな。」
デイルは光っている尻尾を東の方向に向けた。

「…あ、そこですね。」
「あー、そこね。予想外れてた。」
ドールとたいちょうはデイルの方を向いた。


「行って見るか。」
「そうですね…」
セイルとユキもほこらへ向かうことにした。



ほこらには、ルギアの形をした、なんとも不思議な色に輝く置物、
銀色の葉や、アクアマリンの飾りがあった。

「たしかこれが、儀式に使う道具だったな。」
たいちょうは賢げに言う。うろ覚えのくせに。
「そう。戦争がある前は、ルギアは海の神として、この島を飛び交っていたの。」
ユキは何かを思い出すように言った。

「…で、”ほこらの伝説”って、一体何なの?」
ドールは首をかしげて言った。

「それは、昔から受け継がれている話だ。
 どうせまゆつばの話だろうけど、まぁいいや。説明しよう。」
セイルは飽きれ顔でこう話した。
「この島が出来る前…500ほど前は、
 ティアル海は、空の色を跳ね返さない不思議な海だった。
 その原因は、まだ幼いルギアのいたずらだったんだ。
 それを見たある船の船長は、ルギアを捕まえようとしたんだけど、
 その船は沈没してしまったんだ。これはルギアの罠に引っかかって沈没したらしい。」

「へぇ…ルギアって、子供の頃から、賢かったんだねー。」
ねんどまんは関心して聞いている。

「で、その後…」
セイルが続きを言おうとしたその時―

シュシュッ!!

向こうの茂みが揺れた。

「何だ!」
たいちょうは素早く戦闘態勢になり、他のポケモン達も警戒した。

「ククク…貴様達を喰いに来た…」

「何者だ!姿を現せ!」
デイルは尻尾を鉄のように光らせている。

「クク…一人も残らず喰ってしまおう…
 覚悟しな!」

シャシャッ!


茂みからポケモンの姿が飛び出した!
その茂みから現れたポケモンとは!?
                    続く
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[706]

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