ぴくの〜ほかんこ

物語

【ぴくし〜のーと】 【ほかんこいちらん】 【みんなの感想】

[720] 〜BLUE FANTASY〜「完結」

エヌオズ #1★2005.10/10(月)09:26
第1話 闇

「…着いた…。ここが人間界か…。
・・なんだこの邪気は…
とてつもない…闇は…。
任務以外にも、まさか別の闇が…」


キーンコーンカーンコーン
「ふぅ〜、終わったぜぇ〜」
彼の名はジン。ポケモンが好きな普通の男の子だ。
この学校はポケモントレーナーのための学校で、ジンもここに通っている。
ジンはトレーナーとしては結構強い方なのだが、成績はあまりよくないようだ。
ジン「さて、さっさと帰るか。」

ジンは帰る準備をし、さっさと教室を出て行った。
今日は金曜日、つまり明日は休みということで、ジンもさっさと帰って遊びたいようだ。

[帰り道] 
ジン「帰ったらこいつらの面倒見てやんねぇと。なんか最近調子悪いみたいだしな。」
ジンはバックをあさっている。
ジン「というかさっき店でむしよけスプレーとか買ってみたが…」
ジンはバックからスプレーを取り出し、ジロジロと見た。

ジン「使い方わかんねえよ…。説明書かなんかねえのか?」
説明書は店のレジで置いてあったぞ。
ジン「まあいいか。明日誰かに聞けばいいし。」
そういう問題ではないが…

ジンはスプレーをしまい、さっさと家に帰ろうとした。

ドコォォォッ!!

ジン「なんだ?」
急に物音がした。公園のほうだ。
ジンは音がしたほうへ走っていった。

「へっへ、こいつは金になりそうだぜ…。」
「兄貴、さっさといきましょうぜ。」
ジン「お前ら何やってんだ!!」
行ってみると、そこにはいかにも悪そうな大人の男が二人、ジグザグマたちを襲っている。
男1「みりゃわかんだろ。このめずらしいジグザグマを捕まえてるんだよ。」
ジン「めずらしいジグザグマ?」
ジンはそのジグザグマをよ〜くみた。

よく見ると、そのジグザグマはやけにオレンジっぽい色をしている。普通ならもっと茶色っぽい色のはずだ。
ということは…

ジン「そうか、色違い!!」
男2「ああ、そこでこいつらの住処を見つけてよお。そんで捕まえて売りさばこうってこったぁ!!。」
男はジグザグマたちを網に入れた。
ジン「やめろぉ!!」
ジンはベルトからモンスターボールを取ってポケモンを出そうとした…
が…

ダァァン!!

ジン「が…」
男が銃でジンの肩を撃ったのだ。ジンのモンスターボールは地面にポトリと落ちた。

男1「わりぃな。俺たちゃポケモン使ってるひまはねぇんだよ。」
男は銃から出る煙をふっとふいた。
ジン「く…そ…」
ジンはまだ子供。もちろん銃なんかで撃たれたことはなかった。
だからあまりの痛みで立てないのだ。
男2「さあて兄貴、さっさと乗せましょう。」
男は銃をしまい、ジグザグマを車に積み出した。
ジン「ま…で…ッ…」
ジンはついに男たちを止めることができず、その場で気絶した。


「…見つけた…闇を…」
ゴォォォォォォ!!
男1「!!?」

そのとき、すごい光があたりを包んだ!!
その光はとても強烈で、男たちの目をくらませた。
男2「な…なんだこの光は!!?」
男たちはあまりの光に戸惑った。
男1「くっ、なんだんだ!!」
「闇は…消え去れ!!」

光はどんどん強さを増していく。
そしてついには誰の姿も見えなくなり、すべてを光で覆い隠した…。
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エヌオズ #2★2005.06/17(金)17:21
第2話 正体

ジン「う…」
さっき銃で撃たれて倒れていたジンが、目を覚ました。ジンは体を起こし、あたりを見回した。

さっきのジグザグマたち、そして男たちがいなくなっていた。
ジン「さっきの大人たちは…?」
ジンは目をこすり、もう一度よく見てみたが、やはりさっきの男たちはいなかった。
一体どこへ…?

「気が付いた?」

ふと言われたので、後ろを振り返ってみると、そこにはジンと同じくらいで、青い髪をした少年がいた。

「さっきの人たちなら追い払っておいたよ。」
ジン「え、追い払った?」
「警察には通報しておいたし、ジグザグマたちも逃がしておいたよ。」
ジン「…」
ジンは不思議そうな顔をすると、ふと思い出したかのように自分の肩を見た。
傷がないのだ。確かに銃で撃たれたはずなのに、きれいに服だけに穴が空いていて、体にはまったく傷がついていない。
ジン「え…なんでだ?」
ジンはその部分を触ってみた。痛くもかゆくもない。完全に消えている。

「その傷は僕が治しておいたよ。」
ジン「治したって…どういうことだよ!?」
青い髪の少年は少しジンに近づき、小声で話し始めた。
「あまり…言いたくはないんだけど、僕は人間じゃない。」
ジン「!!。じゃあなんなんだ!!?オニか?悪魔か?怪物か?」


「ポケモンだよ…。」


ジン「…へ?」
いきなりポケモンだと言われたので、ジンも戸惑いを隠せなかった。
この子がポケモン?そしてこの子がたった一人であの男たちを?
ジンの頭の中にはそういった考えがぐるぐる回っていた。
「信じてもらえないかもしれないけど、ほんとにポケモンなんだ。今は正体がばれないように人間の姿をしてるけど、ほんとにポケモンなんだ。」

ジン「正体がばれないようにって…。」

「ほんとは、言いたくなかった。ばれることはほんとは許されないことだから…。」

ジン「…」

「けど、きみにならばれても大丈夫だと思った。だから教えたんだよ。」

信用されたというのか?正体がばれることは許されないことだと知っている。そのことを知っていて、この子はジンを助け、そして正体を教えてくれた。


ジン「…まあ…心配すんな。俺は絶対にお前のことはばらさねえからよ。お前は俺の恩人だからな。」

ジンはとびきりの笑顔で答えてやった。
「ありがとう。」
少年もニコッと笑顔を見せた。


ジン「そういえばお前、名前聞いてなかったな。なんていうんだ?」
ジンが少年に質問した。少年は少し黙って答えた。

「僕の名はリクス。ドリームアイランドのリクスだ。」
リクス。これが彼の名前…。
ジン「俺はジンだ。よろしくな。」
ジンも答えた。二人は互いに笑顔を見せ合った。


一方…
「ケッケッケ…。リクスの野郎、人間界にきやがった。」
「俺たちを連れ戻しに来たんだろう。リクスが来ることくらい分かっていた…。」
「ケッケッケッ、楽しくなりそうだぜ…ケッケッケッ…」
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エヌオズ #3★2005.06/19(日)13:01
第3話 任務

あのあとジンはリクスと別た。
気が付くと夜だったので、帰るのが遅いということで母にボコボコにされたそうだ。(あ)

[学校・コンピューター室]
ジン「昨日は大変だったな〜。変なやつらにはやられるし、母さんにはボコボコにされるし…。
でもまあ、リクスって言う友達できたしいいか。」

ジンはパソコンでインターネットをしているところだ。

なぜかというと、あのあとジンは気になるところがあったからだ。リクスが言ってたドリームアイランドという場所についてである。
なんかリクスはあの後、そこに帰ったっぽいので、場所さえわかればまた会えるかもしれないからだ。

ジン「おっ、出たな。」

検索結果・145件中20件表示

ジン「へぇ〜、結構あるもんだな。有名なのかな?」
ジンは感心して見ていた

が…

[夢を買いましょう。ドリーム宝くじ]
[みんなで見よう。素敵な夢。]
[ドリームさんの家訪問。]



ジン「…なんかマップかなんか出てくると思ったのに、期待はずれだな。」

…残念ながら145件中、ドリームアイランドについては、一件もなかった。
期待は大はずれに終わった…。

ジン「…なんなんだ。ドリームアイランドってどこなんだよ…。」
ジンはもう愕然とした顔丸出しだった…
はたしてドリームアイランドとはどこなのか、ネットで一件も出てこないとは思わなかったからだ。

「へぇ〜、人間界のネット情報はこんなものか。」
ジン「ああ、もう何がなんd…」

「…」
ジン「…なぜお前がここにいる?」
そう、ジンのとなりにはいつのまにかあのリクスがいたのだ。
どこから入ってきたのかは知らないが…。

リクス「え、僕がいちゃダメかい?」
リクスが何気にかわいらしい顔でたずねてきた。
ジン「いや…ここ学校だし、そもそもお前ドリームアイランド帰ったんじゃなかったのか?」
ジンがまたパソコンをやりだした。
ただもうネットする気はうせていたので、マインスイーパーをやっていた。

リクス「え?僕帰るなんて一言も言ってないよ。」
確かに、昨日リクスとは別れたが、帰るとは言っていない。

ジン「じゃあ何しにここへ?」
マインスイーパーを早くも仕上げたジンは、パソコンを消してリクスの方を見た。

リクス「…
ここには…人間界には、ある任務で来たんだ。」
ジン「ある任務?」

このあと、リクスの話を聞いたジンは、すごく大変なことに巻き込まれることになる…。
ある組織の存在を知ることによって…。

「ケッケッケッ、リクスの野郎、さっそく人間に俺たちのことを…。
そろそろあっちに行ったほうがいいか…。

あと、ついでにあの人間も殺っておくか…。」
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エヌオズ #4★2005.06/19(日)20:32
第4話 ダーク団

リクス「じゃあ、まずはドリームアイランドについて話したほうがいいかな。」
リクスはドリームアイランドについて話そうとした、

が、ジンが止めた。
ジン「あのさ〜、一応ここ学校だからほかの生徒もくるしさ、あとで話さねえか?」
ジンが周りをちらちら見ながら心配そうに言った。

リクス「けど、もう僕がここに来たことは知られてるだろうから、いつ襲ってくるか分からないよ。」
ジン「襲ってくるって…どういうことだよ…。」
ジンはまだ周りを見ている。
幸い今は誰もいなかったが。

リクス「闇に隠れてまだそんなに知られていない悪の組織、ダーク団。」
ジン「ダ、ダーク団?」
ジンは周りを見るのをやめた。
リクス「簡単に言うと、ドリームアイランドってのはポケモンだけが住んでいる、ここの世界とは違う空間にある異空間。そこから来てきた悪しきポケモンたちの集団がダーク団。」
ジン「ということは、全員ポケモン?」

リクス「いや、そのダーク団に入れようとするきっかけの人間が一人いると聞いている。
そして、僕はそのポケモンたちを連れ戻すためにここに来た。」

リクスは、ほぼすべてのことをあっさりと話してしまった。

ジン「そうか、ドリームアイランドってのは異空間なのか。通りでネットで出てこないわけだ。」
ジンは納得した。

リクス「まあ、ドリームアイランドのネットワークなら人間界の情報も入ってくるけどね。」
リクスがフフッと笑いながらパソコンの電源を入れた。
ジン「それって人間界をばかにしてねぇか?」
ジンは機嫌を少し悪くしたようだ。
しかしリクスはまるで聞いていない様子…。
ジン「…聞いてる?」
聞いてません。


リクス「ん?ちょっと見てみてよ。検索結果3件だって。」
ジン「何が?ん?」

ダーク団での検索結果・3件中3件表示

ジン「…あったんだ…」
リクス「ダーク団の被害者の証言かな?それとも発見者?」

キーンコーンカーンコーン…

ジン「やば!!じゃあ俺教室戻るわ。」
リクス「あ…うん…」

ジンはコンピューター室を出て行き、急いで教室に戻った。

リクス「…これは…」
リクスは一人で調べている。


「ケッケッケッケッ…ひさしぶりだな…リクス。」
リクス「!!お前は…」
リクスは驚いて後を見た。誰かがいるのだ。

「さっそくだが、消えてもらおうか…。ケッケッケッ…」


一方…
先生「はい、では皆さん。今日は調べ学習をするため、コンピューター室に移動します。」
生徒「は〜い。」

ジン「え…ええ〜!!」
ジンはものすごく慌てた。何て言ったってあのコンピューター室にはリクスが…

そして、ジンにはまだ知る余地もない、闇の影の存在があったからだ…。
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エヌオズ #5★2005.06/21(火)16:36
第5話 二重ピンチを乗り切れ!!

ジン「あ、読者の皆様こんにちわ。ジンです。本日も読んでくれてありがとうございます。
前回のあらすじですが、リクスが微妙にピンチです。
何で俺までハラハラしなきゃならんのだ…」


[コンピューター室]
リクス「さっそく来たんだね。」
見た目からして30代くらいの男が、リクスの前に立っていた。
どうやらダーク団の一員らしい。
「ケッケッケッ、もう厄介なことになるまえにお前らを消しておこうと思ってな。」
リクス「ら…?」

男の目がギロリと光った。
「あの人間だよ。唯一お前のことを知っている、あの人間だ。」
リクス「ジンか!!彼は関係ない!!」
リクスが言うと、男は笑みを浮かべながら答えた。
「ケケッ、関係ない?冗談じゃねぇ。
あいつは俺らダーク団のこと、そしてお前のことを知ってるんだぜ!!」
リクス「そ…それは…」
リクスが詰まるが、男は話を進めた。
「そんで関係ないとかよく言ってられるよなぁ。あいつも立派な関係者なんだよ!!
だからもう関係ないとかそういう発言はまったく無意m・・」

ドガァァァァン!!
リクスが放った光に、男は壁を突き破り、外にぶっ飛ばされた。

「ふ…不意打ち…か…」

男がくるりとまわり、うまいこと地面に着地した。

リクス「…それ以上しゃべるな。任務により、お前を捕獲する。」


一方…
ジンとその他の生徒はコンピューター室に移動していた。
ジン(やべぇよなぁ、あんなとこにコンピューターしてる知らないやつがいたら絶対にあやしまれるよなぁ…)
ジンは列の先頭にいる。もしかしたら入った瞬間ジェスチャーか何かで伝わるかもしれない。
いや、これは流石に無理がある。並んで次々と来ている時点でアウトだ。

だとしたら…ここはみんなに悪いが…

ジン「いけっ!!ゲンガー!!」
モンスターボールからポ〜ンと飛び出したのは、黒い体とギロリとした目を持ったゲンガーというポケモンだ。
生徒「おい、ジン。何してんd…」
ジン「ゲンガー、さいみんじゅつ!!」
ゲンガーが放った超能力の波動に皆があたり、次々と倒れていった…。
ジン「すまん、みんな。」
ジンは手を合わせた後、コンピューター室に向かって走っていった。
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エヌオズ #6★2005.06/21(火)22:41
第6話 ピンチ交代?

ドォォォォッッッ!!
二つの力がぶつかり合う…。

リクス「はぁ…はぁ…」
リクスは男から、結構ダメージを受けていた。
少ししゃがんで、呼吸を整えている。
「ケケェッ!その程度か?」
男は机の上に立って、リクスを見下ろしていた。
リクス(…ここじゃ狭すぎる…
外に…外に出ないと…)
リクスが動き始めると、男は素早くリクスを攻撃した!!

ズバァァ!!

リクス「ぐっ…」
「ケケケ!!どうだ俺のつばめがえしの味は!!」
しかしリクスは動きを止めなかった。
いや、むしろ走り出した。
「ん?なんだ?」
リクスは素早く窓に飛び込み、すごい速さで落ちていった。
「ケッケッケッ。外でやる気か?おもしれぇ。
俺は空中戦の方が得意なんだよ!!」
男も素早く窓から飛び出した。
そのスピードはリクスよりも速い。
あっという間に間合いを詰められた!!
「もらったぁぁ!!」
男はさっきのつばめがえしをもう一度繰り出した。
が…

ふわっ…

リクスは突然空中で止まった。
「ケケェェエェ!!」
男はそのまま下に落ちていった。
これで二回目だ。

「はぁ…はぁ…
とりあえず、ここはもっと戦いやすいところへ…」
リクスはとりあえず屋上へと飛んだ。


一方…
ジン「な…なんだ!?」
コンピューター室についたジンは、その光景を見て驚いた。
もはやほとんどのコンピューターが壊れていて、煙をもくもくと噴いている…。
そして、壁は破壊され大きな穴があいているのだ。

ジン「こりゃいったいどういうことだよ?」
ジンは壁にあいた大きな穴から下を見た。
リクスと戦っていた、さっきの男が下にいる。

ジン「誰だあれ?」
ジンがもっとよく見ようと身を乗り出すと、男がすごいスピードでジンのところに来た!!

ジン「うぉぉ!?」
びっくりしたジンは、後に吹き飛ばされた。
「よぉ…人間…」
男がジンにグッと顔を近づけた。
ジン「誰だよ…あんた…」
男が顔を近づけるたびにジンはどんどん後に引き下がった。
「ケケケッ、俺のことをまだ聞いてねぇか。」
ジン「え?聞いてないって?」

「俺の名はブライド。闇の組織ダーク団の一人だ…」
ジン「え…ダーク団…」

さっきまでリクスがピンチだったが、今度はジンがピンチに…。
果たしてどうなるのか…!!
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エヌオズ #7☆2005.06/24(金)23:53
第7話 開放

ジン「…ダーク団って…ほぼ全員ポケモンって集団か!」
ブライド「ああ。もちろんこの俺もポケモンだ。ケケ。」
ブライドはまだ笑っている。
ジン「んで、俺に何か用でもあるのか?」
ジンが聞くと、ブライドは急に真剣そうな顔になった。


ブライド「消えろ…」

ジン「え…」
ブライドはそう言うと、ジンに襲い掛かってきた。
ジン「うおわっ!!」
ジンはとっさにかわして、ベルトからモンスターボールを一つはずして投げた。

ジン「いけ、バシャーモ!!」
モンスターボールが開き、光の中から出てきたバシャーモは大きく鳴き声をあげた。戦闘開始を体全体に伝える気合の咆哮と、相手への威嚇の意味があるのだろう。
ただ、そんな威嚇にブライドは表情ひとつ変えなかったが…

ブライド「ケケ、威勢のいいことよ…。」
ブライドはそういうと、思いっきり高く飛び上がった。
ここはコンピュータ室だが、学校自体が結構大きいほうなので天井も結構高いのだ。
そして、ブライドは天井につくと、ものすごい速さでバシャーモに飛び掛ってきた。

ドガァァァァァァン!!

ジン「バシャーモ!!」
ブライドはバシャーモの上に乗っかり、ニヤニヤと笑っている。
ブライド「ケケケ、こんなものか?」
ブライドは右手を上に上げ、素早く振り下ろした。
その威力はまるで刃物のよう!!

ズバァァァ!!

ジン「バシャーモ!!」
ブライドの攻撃で、バシャーモは飛ばされ壁に激突した。

ブライド「ケッケッケッ、どうだ俺のつばめがえしの味は?
格闘であるバシャーモには効果抜群だろう…」
ジン「く…」
バシャーモはしばらくすると立ち上がった。
ジン「俺のバシャーモはこんなもんじゃねーぜ!!
バシャーモ、かえんほうしゃだ!!」

バシャーモはまた大きな咆哮を上げ、すごい威力のかえんをふいた!!
ブライド「ケッケッケッ、そんな攻撃があたるかぁ!!」
ブライドがまた飛び上がり、今度は手をふりまわし無数の星を発射した。
ジン「スピードスターか!」
バシャーモには直撃した。スピードスターのあまりの速さによけることができなかったようだ。
ジン「大丈夫か、バシャーモ!!」
バシャーモは懸命に立ち上がろうとするが、力が入らないようだ。

ブライド「ケェッケェッケェッ!!そろそろおわりにしようか!!」
ブライドが天井からバシャーモに突進してきた!!バシャーモはよけきれない!!
ジン「バシャーモ!!」

ドガァァァァァン…

すごい音がしたが、攻撃をうけたのはバシャーモではなかった。
ものすごい攻撃をうけ、ぶっ飛ばされていたのはブライドのほうだった。
ジン「え…」
ジンがまるで誰かに呼ばれたかのように振り向いた。

リクス「なかなか来ないから心配になってきてみたら、こんなことになってたなんてね…」
屋上にいたリクスが、ここに降りてきたのだ。

ブライド「く…リクス…」
ブライドは立ち上がってリクスのほうを見た。
リクス「ジン。」
ジン「ん、なんだ?」
ふと呼ばれたので、ジンは返事をした。
リクス「例えばジンがボクシングをやるとしたら、きぐるみを着ながらはやりにくいよね?」
ジン「はぁ?それがどうしたんだよ?」
何かと思ったら、こんなことかとジンは思ったが、リクスは真剣な顔をしている。

リクス「きみがそうなように、僕も人間の姿じゃやりにくくてね…。
幸い誰もいないし、やってもいいかなと思ったんだ。」
リクスから無数の光が漏れ始めた。
ジン「え、それって…リクス?」


リクス「人化を…解く…!!」
リクスがそういったころには、リクスからは大量の光が出ていた。

そして…
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エヌオズ #8☆2005.06/25(土)20:26
第8話 ポケモンとして… 

ジン「…リクス?」
ジンが気が付いたときには、そこにリクスの姿はなく、あるポケモンの姿があった。
ブライド「ケッケッケッ、人化を解きやがったか!!ケケ、おもしれぇ!!」
ブライドはまた高く飛び上がり、リクスに突っ込んでいった!!

しかしリクスはよける気がないようだ。むしろ反撃を狙っている。
ジン「リクス!!」
ブライド「ケッケッケッ。もう遅い。俺の攻撃をよけることはできねぇぜ、ケッケー!!」
ブライドはもちろん止まる気はなかった。
そして、やはりリクスもよける気はない。
このままでは激突してしまう。

リクス「ブライド。」
ブライド「ん!?」
リクスは光を溜め始めた。

リクス「僕はダーク団には負けない。
もちろんジンも。」
するとリクスは一瞬でブライドの視界から消えた。
ブライド「なっ・・!」
ブライドが気が付いたときには、リクスはブライドの後にいた。
そして、既にリクスの光はかなり大きいものとなっていた。
リクス「くらえ、ブライド、

ラスターパージ…!!」


5分後…
ジン「ん?」
いつのまにか、ジンは気を失っていたようだ。
そして体を起こすと、コンピューター室にいたのは人間姿のリクスとジンだけで、ブライドはいなかった。
リクス「あ、起きたんだね。」
リクスがニコッと笑顔になった。
ジン「あいつは?」
ジンはあたりを見回したが、やはりブライドはいなかった。

リクス「あいつは逃げた。
あいつも弱くはないから、僕も倒すのが大変なんだ。」

リクスは窓に手を置き、外を眺めた。


ジン「あのさ、リクス。」
リクス「ん?」
ジンは深刻な顔だった。

ジン「お前みたいなポケモン、俺見たことなかったんだけどよ、お前は何なんだ?」
リクスは少し黙ってしまったが、口をあけた。
リクス「僕はここでいう伝説の存在、ラティオス。
見たことがないのも、無理はないよ。」
ジン「ラティオス…お前って伝説のポケモンだったのか。
ドリームアイランドのポケモンとはいえ、やっぱお前はすげーよ。」
ジンはリクスを見た。

リクス「ありがとう。けど…伝説と言っても僕は極普通のポケモンでありたいんだ。
伝説だからといって、僕がポケモンであることに変わりはないんだからね。」
ジンはその言葉によって少し黙ってしまった。
ジン「悪かったな。伝説だからって特別扱いしちまって…」
しかしリクスは笑顔だった。
リクス「大丈夫だよ。ジンは悪くない。
ジンはポケモンのことをすごく良く思ってくれてるから。
だからあのときジグザグマを助けたんでしょ?」
下を向いていたジンは、上を向いてリクスを見た。

ジン「サンキュ、リクス。」
ジンも笑顔になった。
リクス「さあ、早くもどr」
そのとき、

先生「いったいどうなってるのだ、生徒がみんな寝ているなんて…。しかもコンピューター室からすごい音がしたような。」
先生の靴の音がしてきた。
ジン「うおっ、やべ!!先生きやがった。
おいリクス、逃げるぞ!!」
ジンはリクスを連れて窓から飛び降りた。
ジン「いけっ、オオスバメ!」
ジンはモンスターボールからオオスバメを出し、その上に乗りゆっくり降りていった…。


一方…
「ブライド、ブライドはどこに行った。」
「多分リクスを倒しにいったんだろう。だが少々リクスを甘く見すぎたようだがな。」
「あいつが失敗して素直に戻ってくるとは思えない。どうする?」
「ほっておけ。俺たちはボスの命令を待つだけだ…」
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エヌオズ #9☆2005.06/26(日)20:41
第9話 転校生?

ブライドが来てから、三日が経った。


ブッブ〜

バスの音が鳴り響く。
坂道を通り、くだりを通る。
時にはガタンゴトンと揺れ、みんなを揺らす。
そして…


[バロイ研究所]
先生「はい、皆さんつきました。ここが古代のポケモンの研究者、バロイ博士の研究所です。」
生徒たちがわいわいと言っているが、そんな中ジンはというと…

ジン「あのさぁ。」
「ん、なに?」
ジンが隣にいる生徒と話をしていた。
ジン「なんでお前がここに来たんだよぉ…」
そう、ジンの隣には、あのリクスがいたのだ。
今までの流れを説明すると…


[学校]
先生「ジン君、これはどういうことですか!!?」
先生はジンがみんなにさいみんじゅつをかけたことに怒っていた。
ジン「たぶんあれは俺じゃありません。その時俺はトイレにいってたからです。」
ジンはとぼけたような顔をしていた。
先生「けどみんなはジン君はいたって言ってましたよ。」
ジン「多分メタモンかドッペルゲンガーか俺の生き別れの兄です。」
ジンはやはりとぼけた顔をしていた。
先生「うそつきなさい!!誰があなたなんかに化けるんですか?」
ジン「じゃあドッペルゲンガーか生き別れの兄です。」
先生「だから。」

キーンコーンカーンコーン

ジン「あ、やべ、授業だ。」
ジンはそういいながら逃げた。
先生「こらぁぁ!!」


[教室]
ジン「はぁ、あのブライドとかいうやつのせいで俺ありえねぇ嘘ついちまったぜ。」
ジンは窓を眺めていた。

ガララ…

先生がドアを開けて入ってきた。
先生「皆さん、今日は転校生が来ています。」
みんなわいわいと騒ぎ出した。
ジン(ふ〜ん、転校生か。
そういや俺のとなり空いてるな。たぶんここに座るのかな。)
ジンが予想していると、転校生が入ってきた。

先生「え〜、彼はキンセツシティのリクs」
ジン「って…
ええぇぇ!!?」
ジンは思わず大きな声をあげて立ち上がってしまった。
ジン「あ…」
先生「どうしたのですか、ジン君?」
先生と、そして生徒全員の目がジンに向いた。
リクスはジンを見てニコニコしているが。

ジン「いや、なんにもないです。」
ジンはみんなから目をそらしながら座った。
そして、予想通りリクスはジンの隣に座った。


そして、現在ここに至る。
ジン「んで?なんでお前うちの学校に来たんだ?」
ジンが尋ねると、それまでニコニコしていたリクスの顔は急に真剣になった。
リクス「僕は、いつでも人間であるきみの近くにいたいと思ってる。
そして、周囲から怪しまれずに人間界で生活するには、やはり学校にいたほうがいいと考えた。
これなら学校できみと堂々と喋ることが出来て、いつでもきみを守ることができるでしょ?」
ジン「まあ、そうだけど。」
ジンはなにやら合ってるような、違うようなという迷った顔をしていた。
リクス「けど、僕が思ってたよりきみの戦闘能力は結構高いみたいだ。だから場合によってはダーク団とも対抗できるかもしれない。」
ジン「そうか?」

リクス「大丈夫。ダーク団が襲ってきても、きみなら対抗できると思うよ。」
リクスがまた笑顔になった。

先生「は〜い、では皆さん。研究所に入りますよ。」
みんなはまだわいわいしている。
わいわいしながら、みんな研究所に入っていった。


一方…
「やれやれ、なんの作戦も立てずにいきなり突っ込んでくるとは。やはりブライドはバカだ。
ここはこの私のように、作戦を立てて合理的に行動するべきなのだ。
安心しろブライド。リクスとあの人間は私が倒す…」

暗闇の中でまたもや闇が…
はたしてジンとリクスはどうなるのか…?
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エヌオズ #10☆2005.06/28(火)20:59
第10話 バロイ博士

ジン「うわ…」

研究所に入った瞬間、いままでわいわいしていたみんなが急に静になった。
研究員の数はそんなに多くはないものの、その仕事ぶりからはかなりの緊張感が感じられる。

全員無表情で、ものすごい量の資料を素早くまとめたり、指が見えなくなるほど素早くキーボードを打ったり、さらには全員白衣でメガネという…。

みんなが黙るのも無理はなかった…

研究員「ん?あなたたちは。」
一人の研究員がみんなに気付いた。

先生「あ、はじめまして。
私たちは今日バロイ博士に会いに来ました。」
先生は頭を下げた。
研究員「あ、バロイ博士ならこちらの部屋にいますよ。」

みんなは研究員に案内され、バロイ博士の部屋に行った。
ジン「ポケモンの博士かぁ。
こんな機会めったにないぜ。」
ジンの目がいつも以上に輝いていた。
リクス「ポケモンの博士…」
ジン「ん、どうした?」
リクスはなんだか元気とは言えなかった。
リクス「…ごめん、なんにもないよ。」


[バロイ博士の部屋]
先生「失礼します。」
みんなが博士の部屋に入った。

バロイ「皆さんはじめまして。
私がここの研究所のバロイです。」
バロイ博士がパソコンを止め、こっちに来た。

バロイ「さあ、生徒さんたちこちらへ。
いろんなものを見ていってくださいね。」
バロイ博士はみんなを案内し始めた。

リクス「…」


[展示室]
ジン「へぇ〜、いろいろあるんだなぁ〜」
ジンだけでなく、ほかの生徒、先生もみんな感心していた。

・グラードンの爪
・カイオーガの放った水
・レジロックの体に付いていた岩

など、いろんなめずらしいものが飾られていた。

ジン「ん?」
みんなが驚いている中、リクスはやはり元気がないようだ。
ジン「どうしたんだよ?さっきから元気ねえぞ。」

リクス「いや、なにもない。」
それでもリクスの顔には変化がない。
ジン「…そっか…」
ジンは他のところへ行った。


リクス「ごめんよ。ジン…」


見学から2時間がたった。
ずいぶん長い時間だったが、その分見るものはたくさんあったので、結構短気なジンも快適に過ごすことが出来た。

先生「ではみなさん。今日はここで宿泊します。」
生徒「は〜い。」
この学習は泊り掛けでバロイ博士にいろいろ学び、ポケモンについての知識をより深めることが目的だ。
今日は休み、また明日いろんなことを学ぶのだ。


[研究所の宿泊室]
バロイ「では皆さんこちらで…」
バロイ博士は部屋を案内したあと、また研究室に帰っていった。

ジン「お、リクスと同じだな。」
ジンは部屋の割り振り表を見ながら言った。
リクス「…」

ジン(今日のリクスなんか変だなぁ。)
ジンはそう感じていたが、結局なにもしてやれなかった。
そして、明日のため今日はみんなすぐに眠った…。


一方…
「クックックッ…計画通りだ…。
このままうまくいけばリクスもあの人間も…

もうすぐだ。もうすぐ邪魔者は消える。
これで私の夢もかなうのだ…」
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エヌオズ #11☆2005.06/29(水)21:59
第11話 衝撃の質問

―――…―――

リクス「ジン、起きてよ。」
リクスがジンの体を揺すっている。
ジン「ん…」
ジンがコロコロと寝返りでリクスから離れた。
リクス「ジン、起きてよ、ジン。」
リクスが近寄ってまた体を揺すった。

ジン「え、カツ丼三太郎?
ちげーよ俺は安藤 ジn…」
ジンは意味の分からない寝言を言っている…。
リクスもこれにはあきれたらしい。顔をやれやれという感じに振っている。

リクス「ジン、ねえジン!!」
リクスがジンを強く揺すると、ジンの体がピクッと動いた。
リクス「ジン?」
ジンの体がぐぐっと起きた。
ジン「ん、なんだ?こんな遅くに…」
ジンが頭をボリボリと書き、大きなあくびをしている。
ちなみに今は夜中の2時。

リクス「ジン、お願いがあるんだ。いいかな?」
リクスが真剣な顔で寝ぼけたジンに言った。
ジン「なんだよ。」
ジンは起こされたせいか少し機嫌が悪いようだ。
まだあくびをしている。

リクス「バロイ博士に聞きたいことがあってね。
けど今日はもう遅いし、ジンについてきて欲しいんだ。」
ジン「えぇ〜、じゃあ明日聞けばいいじゃいいじゃん。」
ジンはまだあくびをしていた。
ついでに頭もかいている。

リクス「みんなの前では言えないことなんだ。」
リクスが下を向く。
ジン「…分かったよ…ったく…。
聞いたらすぐ帰るからな。」
ジンが目をこすりながらドアを開けた。
リクス「ありがとう、ジン。」
リクスがニコッと笑顔を見せた。
ジン(あ、笑った。なんかひさしぶりに笑ったな…)


[バロイ博士の研究室]
ドアの前にいても、カタカタとキーボードを打つ音が聞こえる。
流石はポケモンの博士、こんな時間でも研究してるんだな〜と、ジンは感心した。

リクス「じゃあ、開けるよ…」
リクスがゆっくりとドアを開けた。

バロイ「誰だ!!?」

ドアの音がした瞬間、バロイ博士は立ち上がって振り向いた。
ジン「うぉぉ!!」
ジンは驚いて吹っ飛んでしまった。
しかしリクスはピクリとも動かずドアを開けていた。

ジン「リ…リクス?」
リクスは一言も喋らずバロイ博士の部屋に入っていった。
ジン「お…おいリクス!せめて許可をもらってからだな…」
ジンが止めようとしたが、リクスは無視して入っていった。

バロイ「なんだ、きみたちか…」
バロイ博士がほっと安心したように言った。
バロイ「いやぁ、ここには重要資料がたくさんあるからね。怪しい人たちが来ないようにいつも身構えておかないと…

リクス君?」

リクスはバロイ博士の言葉がまったく耳に入っていないようだ。
そして、どんどん進んでくる。

ジン「お…おい、リクス!!お前なぁ…」
ジンも部屋に入ってリクスを止めようとした。


リクス「夜遅くすいません。バロイ博士…
ちょっと聞きたいことがあるんです。」
リクスがバロイ博士の目をじっと見た。
バロイ「なんだい?
私が答えられることならなんでも聞いていいよ。」
バロイ博士はニコリと笑った。

ジンは気になっていた。あのリクスがどんな質問をするのだろうと。
みんなにはいえないこと。まさか正体を明かすとかないだろうなと、ジンは思っていた。

リクス「博士…


あなた…ダーク団ですよね…?」

バロイ「え…」
ジン「は…?」

突然の質問に、ジンもバロイ博士も言葉が詰まってしまった。

ジン「博士が…ダーク団?」

そして、ジンの眠気もすっかり覚め、頭の上に?マークがいくつも浮かんでいた…。
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エヌオズ #12☆2005.07/02(土)20:31
第12話 偽者

バロイ「私が…ダーク団だって?」
バロイ博士はまだ驚いている。
ジン「おい、リクス。どういうことだよ?」
ジンはリクスに質問するが、リクスは無表情のまま答えた。
リクス「どうもなにも、彼は…博士はダーク団なんだ。」
リクスはそういうと、一瞬の内に姿を消した。
そして気付いたときにはバロイ博士の後にまわっていた。

バロイ「え…」
ドガァアァアァアァアン!!

ジン「は、博士!!」
バロイ博士はリクスのラスターパージで、壁に叩きつけられた。
そして、リクスは攻撃の手をゆるめず、次々とラスターパージを放っていった。

バロイ「ぐわぁ!!」
リクス「さあ、トドメだ!!」
リクスは手に光を貯め始めた。
が…


ジン「バシャーモ、かえんほうしゃだ!!」
すごい勢いの火炎が、リクスに直撃した!!
リクス「うぐ…」
リクスは空中でバック転して着地した。
バロイ「ジ…ジン君…」

リクスはよろよろとしながら立ち上がった。
リクス「どうして。どうして邪魔をするんだ?
彼はダーク団なんだよ?」
リクスはそういうが、ジンの顔には怒りが見えた。
ジン「…お前…リクスじゃねーだろ?」
ジンはギロっとリクスをにらみつけた。
リクス「何を言ってるの?僕はどっからどう見てもリクs」

ジン「黙れ!!」
ジンは大声で叫んだ。
ジン「俺にはわかる。お前からはリクスのオーラを、ラティオス独特のオーラを感じねぇんだ!!」

バロイ「ジン君…」
ジンがそういうと、リクスは下を向いてククっと笑っていた。

「…流石はいつもリクスと一緒にいるだけのことはある…。だが。」
そういうとリクスはドロッと液体状になり、紫色のプルンとしたポケモンとなった。
ジン「こ…こいつは…」
ジンとバロイ博士は、そのポケモンから少し離れた。

「へへ、僕はメタモンのピリン。
お前をやっつけてやる!!」
ピリンというポケモンはその液状の体である形を作った。
それに色が付き、変身したポケモンがだんだん分かってきた。

ジン「バ…バシャーモになりやがった…」
ジンのバシャーモは偽者を見て、大きな咆哮をあげた。
そして、さっきよりも大きな炎を放った!!
文字状の炎、だいもんじだ。

ピリン「とお!!」
ピリンは素早いスピードでよけ、素早くかえんほうしゃを発射した!!
ジン「バシャーモ、近寄ってスカイアッパー!!」
バシャーモはそれを大きなジャンプでかわし、近づいてスカイアッパーを放った。
ピリン「ふぎゃああ!!」
もともとノーマルタイプであるピリンは変身してもそれに慣れていないらしく、大きな勢いで吹っ飛ばされた。

ピリン「う…許さないぞ。うぉ〜!」
ドガアァアァアァン!!

ジン「な…何だ?」
壁際にいたピリンは外から放たれた爆風によって、天井を突き破りそのまま吹き飛んでいった。
ピリン「や〜ら〜れ〜た〜」

ジン「リクス、来たのか。」
爆風の煙の中から現れたのは、本物のリクスだった。
リクス「気付いたらジンがいなかったから、どうしたのかなと思って…。
それで研究所のほうを見たら、メタモンと戦ってたみたいだね。」
ジン「あのメタモン、ダーク団だったのか…」
ジンが壊れた天井から空を見上げながら言った。

リクス「いや、ダーク団にメタモンがいるなんて聞いてない。
たぶんいたずらだったんだろう。まあそれでもドリームアイランドのポケモンだったみたいだけどね。」
リクスも空を見上げている。

リクス「もっとも、彼の言ったことは全部正しかったみたいだけどね…。」
ジン「え?」
ふとジンはバロイ博士のほうを見た。

しかしそこにはもうバロイ博士の姿はなく、一匹のポケモンがこっちをにらみつけていた…。

ジン「ゴルダック!!?何でこんなところに?」
リクス「ドリームアイランドの天才科学者と言われていた、ゴルダックのバロイ…。
けど今は闇に身を投じたんだ。」
リクスはゆっくりとゴルダックのほうを見た。
ジン「え、博士がダーク団だってことはほんとだったのかよ!!」
ジンはさっきよりもびっくりして、ゴルダックのほうを見ていた。


バロイ「リクス…我が夢の実現のため、お前には消えてもらうぞ…」
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エヌオズ #13★2005.07/06(水)22:38
第13話 騙しと怒り 

ジン「う〜い、皆さんこんにちは。(正確にはこんばんは)
いつのまにかこの物語10話超えてたんだよなぁ〜。作者よくここまで続いたなぁ…。
さて、そんなことはいいとして、前回のあらすじですが、すごく優しそうだと思ってたバロイ博士はなんとダーク団のゴルダックだったのです!!
こりゃビックリだぜ!!」


外では冷たい沈黙の空気がただよう。ヨルノズクやホーホーの鳴き声や、それらが飛び回る音、今夜はそれだけだった。

ジン「なんでだよ…。バロイ博士!!なんでダーク団なんかに!!」
バロイ博士、いやバロイは、それを聞いてククッと笑った。
バロイ「ジン君。人生はこんなものだよ…。きみがどう言おうが私の考えは変わりはしない。」
バロイはそう言って、今度はリクスの方を見た。

バロイ「リクス。お前の存在、そしてお前がブライドを追い払ったこと、全て知っていた。
だが―――

ブライドはバカだ。何も考えずにただ力だけで突き通す。
あんなやつが何故ダーク団にいるか理解できん。
ブライドには、お前らを扱うのは少々荷が重かったようだな。」
リクス「仲間を、バカにするのか?」
真剣な目のリクスを見て、バロイはまた笑った。

バロイ「クク…仲間?まあ、表面ではそうかもしれないな。
だが、私たちはいつもボスの信頼を奪い合うという存在だ。
ボスは私たちに希望を与えてくれた。」
ジン「どういうことだよ?」
さっきから黙ってたジンが、やっと喋りだした。

バロイ「願いだよ。ボスは気に入ったポケモンの望みをかなえてくれるのだ!!」
バロイは強く言い切った。

バロイ「そういうことだリクス。私はブライドのようにはいかんぞ!!」
バロイはそういって強力なねんりきを放ってきた!!

リクス「ジン、よけて!!」
リクスとジンはそれぞれ横に跳んだ。

ジン「しかたねぇ。いけ、フライゴン!!」
ジンが投げたモンスターボールからは、すごく巨大な羽を持ち、赤い水晶のような目をもつフライゴンだ。

バロイ「くらえ!!れいとうパンチ!!」
バロイの手が凍りに包まれ、そのまま素早く動きリクスを殴った。
リクス「うわぁぁ!!」
リクスは壁にぶつかった。
リクス「う…」
リクスが腕を押さえている。

リクス、もといラティオスはドラゴンタイプ。だから氷にはすごく弱いようだ。

ジン「リクス!!」
ジンがリクスのほうへ寄った。
バロイ「人の心配をしてる場合じゃないぞ!!」
バロイがまたれいとうパンチで攻めてきた。
標的はジン!!

ジン「うわぁぁ――――!!」

ゴォォォォォォッ!!

フライゴンのりゅうのいぶきがバロイに直撃!!

バロイ「ぐうう…」
バロイは飛ばされたもののなんとか耐えたようだ。
ジン「博士、いや、バロイ!!
お前を倒す!!」
ジンはバロイに向かってビシッと指を指した。

バロイ「ぐ…人間。
お前も一緒に殺ってやる…」
バロイは少々怒っているようだが、ジンのほうはピリンのとき以上に怒りを感じられた。
みんなを騙しリクスを倒そうとしたこと、これに反応したようだ…。

―――夜は…まだ明けないようだ…―――
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エヌオズ #14☆2005.07/12(火)20:01
第14話 力

――夜は未だに暗闇を保ち続けている――


ジン「フライゴン、りゅうのいぶき!!」
フライゴンはジンの命令を聞くと、一瞬で口からいぶきを放った!!

バロイ「ふん。」
バロイはさらりとよけ、両手でパワーを溜めれいとうビームを発射した。

ドゴォォォ!!

ジン「フライゴン!!」
れいとうビームはフライゴンに命中し、フライゴンは吹っ飛び壁に激突した。

バロイ「さて、これで分かっただろう。この私を倒すことは不可能だと。」
バロイはジンに近づいてきた。

バロイ「終わりだ…」
そしてバロイは手にパワーをため、れいとうパンチを放った!!
ジン「うわぁぁ!!」

――その時…――

バロイ「――!!――」

バロイは何かの波動に吹っ飛ばされた!!

ジン「リクス…」
さっきバロイの攻撃を受けたものの、リクスはなんとか立ち上がれたようだ。
ただし、今のリクスは人間ではなくラティオスの姿をしていた。

バロイ「お…おのれ…」
バロイは立ち上がって、リクスをにらみつけた。
リクス「無駄だよ、バロイ。
さっきはブライドのことを悪く言ってたけど、結局はきみも力に頼って暴れているだけだから。」
バロイ「な…なんだと?」
バロイの怒りはたまっていく。
それはバロイの表情からよく分かった。

リクス「このまま続けても、きみでは僕には勝てない。きっと。」
リクスの目は冷たかった。ジンはいままでリクスのこんな表情はみたことがなかっただろう。

バロイ「う…うるさい。
お前ら二人とも消えろぉぉ!!」
バロイの目はついに怒りに染まり、リクスにれいとうパンチで突っ込んできた!!

リクス「バロイ、どうやら聞く耳を持たないようだね。残念だよ。

――ラスターパージ!!――」





バロイ「ば…馬鹿な。」
ドサァァ!!
バロイは力尽き、大きな音を立てて倒れた。

リクス「ふぅ…」
バロイが倒れると、リクスは一瞬で力が抜け、人化してその場に座り込んだ。

そして、手から一つのモンスターボールを出現させた。

ジン「リクス、それは?」
ジンは見たこともないモンスターボールをじーっと見ていた。
リクス「これはドリームアイランドで罪を犯したポケモンを入れるボール、ロックボール。」
ジン「ロックボール…」
ロックボールと呼ばれるそのボールは、全体的に灰色をしている。まさに牢獄をイメージしたボールだ。

リクスはそのボールにバロイを入れた。
するとそのボールは光となって消え去った。
ジン「あれ、消えたぞ?」
リクス「ドリームアイランドに送られたんだよ。
僕が持ってても意味ないから、あっちで対処してもらうんだよ。」
ジン「あ、そういうことか。」
ジンは納得すると、フライゴンをモンスターボールに戻した。

ジン「んで、リクス。」
リクス「なに?」
リクスは振り向いた。
ジン「バロイについてはみんなにどう説明するんだよ?」

リクス「あ…」

二人に一筋の汗が流れた。

リクス「それは人間のきみが説明しといてよ。」
リクスはニコッとしてジンの方を見た。
ジン「うおおい!!また言い訳するのかよ!!言い訳っていいわけ!!?」

リクスの心に吹雪が起きた。

リクス「さてと、じゃ僕行くね♪」
リクスは部屋まで飛んでいった。

ジン「おおーい!!まだ話終わってねだろぉぉ!!」

ジンの呼び声はむなしく、夜は静かな暗闇を取り戻した。
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エヌオズ #15★2005.07/18(月)13:19
第15話 世界

あの後、バロイ博士が消えたということが人々に知れ渡り、新聞やニュースにも取り上げられたりした。いったい博士はどこにいったのかということで、警察はもう捜査に移っているところだった。

そしてその後日、博士の部屋がひどく荒らされていたことから、それの傷口を別の博士たちが細かく調べた結果、ポケモンが繰り出した技によりできた傷跡だということが分かり、博士は謎のポケモンに連れさらわれたと推測された。

推測としてはこうなったものの、未だに捜査のほうは続いている…。


[学校]

ジン「はは、「バロイ博士消失事件」は永遠にとけないだろうな。」
ジンは新聞を見ながら笑っていた。
他の生徒から見れば完璧な変なやつ状態だ。

リクス「ジン、何してるの?」
リクスがジンのほうを向いて聞いてきた。
ジン「何って、新聞読んでるのだが。」
ジンは何を言ってるんだというふうな顔でリクスを見た。
しかし、ジンはあることに気付いたようだ。

ジン「あ、もしかして新聞知らないのか?」
リクス「…うん。」
どうやらドリームアイランドの住人は、人間界のことをあまりよく知らないようだ。
この人間語を喋るのも苦労しただろうし、リクスは影で結構努力しているのかもしれない。
そう考えると、ジンたちの敵であるダーク団も、結構頭のいいヤツがたくさんいる可能性がある。あのいきなり突き進んできたブライドでさえ、隠れた知能があるのかもしれない…。

ジン「リクスってさ、もう結構人間界のこと覚えたのか?」
ジンが質問してみた。
リクス「え〜と、とりあえずここの場所の言葉は完璧にしたつもりだよ。」
ジン「あ、やっぱりな。」
ジンが腕を組みながらうなずいた。
リクス「それとここのネット使って、まあアメリカ地方の言葉とか。」
ジン「あ〜、アメリカ地方は覚えておいたほうがいいよな〜。」
ジンはまたうなずいた。

リクス「あとは、え〜と中国地方でしょ、スペイン地方でしょ、フランス地方、ドイツ地方、あと、ベンガル地方の言葉も覚えたっけ。」
リクスは指を折りながらなんか楽しそうに数えている。
ジン「おいおいおいおいお―――い!!お前そりゃ頑張りすぎだろ―――が!!」
ジンが必死で止めようとした。


ジン「何でそんなに言葉がいるんだよ…」
ジンはなぜか汗をかいていた。
リクス「…ダーク団はどこにいるか分からない。バロイはたまたまこの辺を住処にしてたみたいだけど、ほんとは世界中に散らばっていてもおかしくないんだ。」
リクスは壁に貼ってある世界地図を見ながら言った。

ジン「ふーん、大変だなあ…。

って…もしかして…まさか…リクス…?」
ジンの汗がどんどん増えていく。

リクス「僕の任務はダーク団を全員連れ戻すこと。
もちろんどこにだって行く気だよ。」
リクスの目に冗談など一つもなかった。

ジンは予想していたらしく既に愕然としていた。
ジン「や…やっぱりか…」
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エヌオズ #16☆2005.07/24(日)16:44
第16話 別地方への旅立ちは…  

―――…―――

「バロイはやられたようだな…」
「まあ、大体の予想は付いていたが…」
「まあな。ところでブライドはどうした?」
「知らん。もうどこにいるか分からなくなってる…」
「…」
ダーク団本部ではいろいろと雑談が行なわれていた。
リクスが来てから、ダーク団の状況は大きく変動していたからだ。

「これからどうする?」
「こんなときに限ってボスはいない…。もう俺たちでやるしか…」
ダーク団の空気は暗かった。
そのとき…

「な〜にしてるの〜?みんな暗いよ〜!!」
一つの影が、本部に戻ってきた。
「お前はいつもそんなのでいいな…」
他の団員は飽きれていた。
「だってぇ〜、暗いとおもしろくないじゃん!!
それより、ちゃんと情報は持って帰ってきたよ!!」
「ん、なんだ?」
他の団員が集まってきた。


「リクスたちは、これより別の地方に飛ぶそうで〜す。」


一方…
[ジンの部屋]

ジン「あのな、リクス。」
リクス「ん、なに?」
リクスはジンの部屋でジンと話をしていた。
ジン「別の地方に行くといってもさ、こっちにも学校とかあるんだぞ?そもそも俺ほかの地方の言葉わかんねーし。」
ジンが説得する中、リクスはパソコンをやっていた。

リクス「大丈夫だよ。学校には夏休みがあるし、それにこの言葉でも通じるみたいだし。」
ジン「あ、そりゃ良かった…


リクスは…なんのために…別の言葉を調べたんだろう…」
ジンはまたリクスへの疑問を見つけたようだ。

リクス「最初はいると思って調べたけど、いらないみたいでね。まあ趣味の一環になるのかな。
あ、けど流石に世界中にダーク団がいたなら別だけど。」

リクスはさらっと言い返し、パソコンでなにかの地図を印刷していた。
ジン「なんだそれ?」
ジンが地図を見た。
リクス「別地方の地図。
夏休みはもうすぐだから、明日学校が終わったら出かけるよ。」

ジンは、リクスは何やらしてもできそうだなぁーと、改めて実感した。
それと同時に、リクスはほんとにすごいなぁと、思ったようだ。

リクス「まあ、夏休みの宿題はちょっとずつやっていくとして…。」
ジン「ああ、問題ねえよ。
やらねえから。」
ジンにとってはそれが当然のようだ。

リクス「…そう。
けど人間界って大変なんだね。宿題があって。」
ジン「え?ドリームアイランドにはねえのか?
つか学校あんのか?」
ジンは驚き、頭は夢のような話で満ち溢れた。

リクス「きみが思う以上に、ドリームアイランドは結構いいところなんだよ。」
ジン「ドリームアイランドか。」
ジンはそのときから、ポケモンに生まれてくれば良かったかなぁと、ちょくちょく思うようになったという…。
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エヌオズ #17☆2005.07/28(木)21:09
第17話 出発

[学校]

先生「えーつまりポロックというのはポケモンと仲良くなるための近道につながるかもしれないということです。学校にもきのみブレンダーを置きましたので皆さんも作ってみてください。」
先生がポロックの授業をしている中、ジンはというと…。

ジン「えーと、ここがゴージャスシティ、ここはえーと世界でもかなりゴージャスな町といわれていて、みんな金持ちで…」
先生「ジン君…」

ジン「ここはジミーシティ。世界でかなり地味な人たちの町。
んでここがボーボーシティ。町中みんなヒゲボーボー。」

先生「ジン君!!」

ジン「うおぉ!!?」
いきなり先生が怒鳴ったので、ジンの反動でいすが倒れた。
ジン「ぐほぉ!!」
ジンは頭を打ったようだ。
リクス「あ…」
リクスが心配そうにジンを見下ろしている。


授業後…
ジン「リクス!!」
ジンがリクスを呼んだ。
リクス「なんだい?ジン。」

ジン「なんだい?じゃねぇよ。授業うけないならその間地図の場所覚えろって無理だろ!!
なんか変な場所あったしよぉ。」
ジンが言ってるのはボーボーシティとかのことである。

リクス「けど人間って本気になれば短時間でいくつも覚えられるって言うし…」
ジン「人間そう簡単にほんきになんかなれねえよ。」
ジンははぁとため息をついた。

リクス「それよりジン、準備はできたかい?」
ジン「ん?ああ、まあできたかな。」
リクスが急に話題を変えたが、ジンはそれほど動じなかった。

リクス「じゃあ、また後できみの家に行くから…」
リクスとジンは別れ、家に帰っていった。
ここで偵察していたものがいるとも知らずに…


「ケッケッケッ…、面白れぇことになって来たぜ…。
今度こそあいつらをやらねえとなあ…」


一方…
「んで、リクスの件についてはどうする?」
「はは、決まってるじゃん。ちゃ〜んと捕まえてボスに届けるんだぁ♪」
一人は何か楽しそうである。
「お前、ほんといいよな。悩みなくて…」
ある一人はダラ〜っとして見ていた。
「悩みぃ?だってそんなもんあったって楽しくないもん。」
「ふう、まあいいか。とりあえずそいつらの目的地わかってんのか?」
「知ってるわけないでしょ。言ってなかったし。」
「…」
「でも大丈夫だよ。あいつらの居場所ははっきりしてるしね♪」


[ジンの家の前]
ジン「リクス、遅ぇなあ…」
ジンは時計を見ながら、リクスを待っていた。

ジンは大きなリュックを背負って、帽子を被っていた。
そしてもちろん、自分のポケモンはちゃんとベルトに付けていた。

リクス「おまたせ〜!!」
リクスもリュックを背負って、手を振りながら走ってきた。

ジン「遅ぇよ…」
リクス「ごめんごめん。じゃあ、さっそく行こっか。」
ジン「…ああ…」
ジンは最後にゆっくりと家を見上げて、
ジン「行って来るぜ…」
と言い、リクスと一緒にここを後にした。
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エヌオズ #18☆2005.08/07(日)19:46
第18話 緑の町 モロタウン

そのあと、俺とリクスはこの地方を出て行き、地図を見ながらも別地方へ足を踏み入れた。
そして、今はとりあえず町を目指してせっせと歩いているわけだ。


[平野]
ジン「けど驚いたぜ。どこを見てもなんにもないような広いとこを歩いてるなんてな。」
ジンはこの平野に感動していた。今までは学校ばかりで、とてもこんな広々とした世界を見ることは出来なかったからだ。
リクスに出会ったこと、そしてダーク団を追う旅に出たことも、案外良かったのかもしれない。

リクスは地図を見ながらなにやら言っていた。
リクス「う〜ん、もうそろそろついてもいいと思うんだけどなぁ。」
ジン「てかリクス、俺らはどこに向かってるんだ?」
ジンは肝心なことを知らなかったのだ。
リクス「あれ、ジン知らなかった?」
ジン「聞いてねえよ。」
ほぼリクスの話を聞いてなかったというべきだろう。
リクス「僕らが向かってるのは、緑の町モロタウン。」
ジン「へぇ、緑かぁ。見てみてえなあ。」
ジンがぽぉ〜っとなってるとき、リクスは地図をパッと見た。
リクス「あ、この平野に来たってことは、もう町が近いのかもしれない。」
リクスは地図を下に下ろして、その平野を見て言った。
ジン「おお!ほんとか!!?」
リクス「うん。平野といえばここって有名な、モロ平野だ!!」



ジン「なんかどっかで聞いたことあるような気が…
しかもなんかシャレっぽいし。」

平野といえばここ→誰が見ても平野→どっからどう見ても平野→モロ平野

リクス「この平野の町は畑で栽培をやってるらしくて、中でもカボチャがおいしいんだって。」
ジン「モロ平野なのにか?」
リクス「え、なんで?」
リクスは純粋に疑問に思っているようだ。
ジン「いや、なんでもねえ。」
ジンはあきらめることにした。


[モロタウン]
ここモロタウンは、緑に囲まれた自然豊かな町。
川のせせらぎが途絶えることを知らず、その辺では普通にナゾノクサやマダツボミが楽しそうに走り回っている。
どちらかというと、町というよりは村に近いかもしれない。
ジン「こんどはシャレになってねぇのか…」
リクス「え、どういうこと?」
ジン「なんでもね…」

ジン「ところで、なんでわざわざここなんだ?」
ジンが聞いた。
リクス「まあ理由はあるにはあるけど、できれば起きてほしくないな。」
ジン「え、起きてほしくないってなんだよ?」
リクスは黙ると、少ししてから答えた。
リクス「ダーク団の中で、この村に来そうなのがいてね。」
ジン「え、それって…?ん!!」
ジンがなにやら張り紙をみつけた。

「今日4時からモロタウン、ポケモンバトル大会を行ないます。
エントリーは2時まで」

ジン「お、これおもしろそうじゃん。リクスやっていこうぜ!!」
ジンが急に元気になった。
リクス「まあ、僕は出れないんだけどね。まあダーク団が来るのを待ってるのも暇だし、いいんじゃないかな。」
ジン「おっしゃぁぁ!!じゃあエントリーしてくるぜ!!」
ジンはものすごい速さで走っていった。
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エヌオズ #19☆2005.08/25(木)23:31
第19話 憂鬱

ジンとリクスは、緑の町モロタウンに到着した。
ここでダーク団が出そうとのことだが、ポケモンバトル大会がここであるらしいので息抜き気分でそれに参加することにした。

4時38分・モロ大会実行中

ジン「バシャーモ、かえんほうしゃ!!」
ズゴォォォォ!!
「アゲハント戦闘不能。勝者、安藤・ジン!!」
ジンはバシャーモを戻して、自分の席にもどった。

リクス「ジンすごいね。これで何勝くらい?」
ジン「へっへ〜、軽く10勝はしたんじゃねーのか?
俺バトルには自信あるしな。」
ジンはおもいっきり威張って見せた。
ジン「ところで、ダーク団は出たのか?」
ジンはジュースを飲みながら聞いた。
リクス「いや、まだ来てないよ。」
ジン「ふ〜ん、そうか。」
ジンは少し心配そうな顔になった。
リクス「でも大丈夫だよ。出てきたときはそのときでいいし、今は大会に集中しなよ。」
リクスは笑顔でいった。
ジン「そうだな。
ま、ダーク団が来ても軽くぶっ飛ばしてやらぁ。」
ジンは次のバトルにいった。

リクス「彼がいれば、なんとかなるかもしれない…」

リクスはジンの方を見てひとり言を言った。
そして、深刻な顔になり、だんだんと暗い顔になってきた。
リクス「どうしたんだろ、僕…」
リクスは、はぁ、とため息をつき、ずっとうつむいていた。

リクス「ん?」
リクスは急に立ち上がり、下を見た。
今まで座っていた地面が、急に盛り上がったのだ。
そして、土がはがれて中から出てきたのは、小さなディグダだった。
リクス「ディグダ?」
ディグダは土にもぐり、次にまた離れたところに顔を出した。まるでリクスについて来いと言ってるかのようだ。
リクス「なんだろう?」
リクスはディグダのあとをついて行った。
やがてリクスはどんどん森の中に入っていった。


リクス「あれ、ディグダは?」
途中、リクスはディグダを見失った。
そしてそのころには、森のかなり深いところまできていた。
リクスはポケモンなので、一応なんとかして帰ることは可能だ。
しかし、あのディグダはなにがしたかったのだろう?

とりあえず、リクスはジンのところに戻ることにした。
ディグダが出たときはまたそのときだと、そう考えたのだ。

リクス「!!?」

リクスは急にあたりをきょろきょろと見回した。

出口が…分からないのだ…
リクスは分かってたつもりだった。
けどいざ帰ろうとしても、どうすればいいのかわからなくなっていた。
リクス「こ…これは…」
頭がくらくらしてきた。
何もかもがわからない。
今自分がどういうことになっているのか、なにをされているのかも。

ただ、確実なことは、既に敵の攻撃が開始されている、これだけだった…。
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エヌオズ #20☆2005.09/22(木)20:04
第20話 一人の少女 

―――…―――

ここは…僕は一体…

ものすごく頭が痛くなって、何も見えなくなって…
それから、覚えてない…。



ここはどこ?


「気が付いたかい?」
リクスは暗闇から目を覚ました。
ここはさっきいた森とは違い、周りにはさまざまな機械が置かれていた。起動してすごい勢いで動いているものや、もう長い間使われてなくて、ほこりが被ってるものなどもあった。
そして、リクスは体を起こして、自分の目の前に誰かいるのに気が付いた。

「あはは、やっと起たんだね。リクス☆」
目の前にいたのはピンク色のポニーテールに、リクスよりちょっと背の低い女の子だった。

リクス「きみは…」
「アタシ?アタシはダーク団の幹部の一人だけど。」
リクス「…ダーク団…」

「それより、あなたをここに呼んだのにはわけがあるの。」
女の子は急に話題を変えて、話し出した。
「あなたさぁ、ダーク団に入らない?」
リクス「!急になにを…」
リクスはこんなことを言われたのは初めてだった。
もちろん入る気などない。
リクスはさっさと断ろうとした。

「やっぱり入る気ないんだ…」
リクス「え…!!」
リクスは驚いた。心を読まれてるのか!?
一体どんなポケモンなのか…

「分かるんだ。あなたの考えてることくらい。昔からそうだったもん。」
リクス「昔…?」

「覚えてないの…?もう頭の中は任務でいっぱいになっちゃったの?」
なんだか女の子は悲しそうな顔をした。
リクス「…任務…」
リクスは頭を振った。今はダーク団を倒すことが目的なのだ。
そして、この子も一応ダーク団だ。

リクス「ごめんね。今はゆっくりとは話してられないんだ。」
リクス(ジンのことも心配だ。とにかくここは早くこの子を…)
リクスはバトルの体勢になった。

「ふ〜ん、覚えてないんだ…。じゃあ消してあげよっか…」
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エヌオズ #21★2005.10/09(日)14:26
第21話 妹

ジン「ちぇー、負けちまったぜ。ベスト8で終わっちまった…」
ジンが席に帰りジュースを飲んだ。
ジン「あれ、リクス?」
ジンはあたりをきょろきょろと見回した。
リクスがいなくなったことに気付いたのだ。
ジン「あいつ、どこ行きやがったんだよ…。はぁ…」

「そこのきみ、ちょっといいかね?」
ジン「ん?」
ジンが振り向くと、一人の男の人が立っていた。
黒いスーツに黒いシルクハット、ジェントルマンだろうか?
ジン「なんスか?」
ジンはジェントルマンのような人の顔を見上げた。
するとその人は一匹のポケモンを出した。
ジン「え、ルナトーn・・」
「ルナトーン、さいみんじゅつ。」

「え、何を…」
何がなんだか分からない間にさいみんじゅつをかけられ、ジンはその場に倒れた。

「さて、向こうはちゃんとやってくれているのだろうかね…」


[謎の工場]
リクス「サイコウェーブ!!」
ドゴォォォン!!
サイコウェーブは敵に直撃した。
「う…」
女の子はふらふらしている。
しかしすぐに体勢を立て直し、リクスのほうを向いた。
「く、シャドーボール!!」
女の子はシャドーボールを放った。
しかしリクスはスルリと避け、シャドーボールを放った。
「きゃぁ!!」
ドゴォォォン!!
女の子はまた吹っ飛ばされた。


リクス「…?…?」
リクスは何か足りない気がした。
いつもの戦いとは何か違っていた。
敵が特別な術をかけてきたり、特別どこかが強いわけじゃない。


弱いのだ…

ダーク団幹部にしては、あまりに弱すぎる。
この子はほんとに幹部なのだろうか…?
それとも何か理由があるのだろうか?

「ハァ、ハァ。負けないから。
絶対に勝って連れ戻すんだからね!!」

リクス「つ…連れ戻す?」
リクスは、女の子の突然の発言にわけが分からなくなった。
その時…

「そこまでだ、ティア。」
一人の男が入ってきた。何かを担いでいるようだが、リクスはそれより今の言葉に驚いた。

リクス「ティア!!?なんでここに…?」
リクスは女の子の方を見た。

ティア「ずっと…ずっと待ってたんだよ…。


…お兄ちゃん…」
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エヌオズ #22☆2005.10/06(木)20:39
第22話 最後の敵

ジン「な…なにぃぃ!!リクスの妹おぉぉ!!?」
リクス「え、ジン!?」
「ほう、起きたようだね。ジン君。」
男が肩のほうを見た。そして、肩のものを下ろした。
今までかついでいたのはジンだったのだ。

ジン「あ、お前は俺を眠らせたやつだな!!いきなりなにすんだ!!」
ジンは起きた瞬間からいきなり怒り出した。

「ふん、一応最後の時になるだろうからな、こうやってギャラリーとしてきみを呼んだという訳だ。」
ジン「え、最後?」

「リクスのな…」

男はフフッと笑った。
リクスは男をにらみつけていた。

リクス「ダーク団リーダー、デルス…」
ジン「な、リーダーだと!?」
リクス「そうか、ここはダーク団の本拠地だったんだ。」
リクスとジンはあたりを見回した。

リクス「ところでデルス。」
デルス「ん?」
リクスは質問をした。
リクス「なんでティアがここにいる?ティアはドリームアイランドにいたはずだ。」
リクスはティアのほうを見た。

デルス「フフッ、ティアか。」
デルスもティアのほうを見た。

デルス「ティアはな、お前に会いたくて仕方なかったのだよ。お前が我がダーク団を倒すべく修行している間から、ティアは一人ぼっちになった。

そこで私はチャンスだと思ったのだ。伝説のポケモン、ラティオスの妹である彼女を我が味方にすることで、ダーク団の戦力も上がると思った…。

しかし、現実はというとこれだ。ティアはまったくといっていいほど戦力がない。ただの時間稼ぎに過ぎなかった。まあ一応いままで置いておいたわけだが…」

リクス「…ティア…お前…」
ティアは下を向いて言った。
ティア「お兄ちゃん、ダーク団を倒せって言われたときから、いつものお兄ちゃんじゃなくなっちゃったから…。いつも任務任務って…。それで私、ここに…」

ズギュゥゥゥン!!

ティア「きゃぁぁ!!」
一筋の青いビームが、ティアに命中した。
リクス「ティア!!」
ティアは吹っ飛ばされた。

デルス「さて、面会時間はここまでだ。」
デルスの前には、さっきジンを眠らせたルナトーンがいる。
ルナトーンが冷凍ビームを放ったのだ。

デルス「さてリクス、そろそろ消えてもr・・」
ズゴォォォォン!!
ジン「リクス!!?」
デルス「ほう…」
リクスがすごいパワーのラスターパージを放ち、ルナトーンをぶっ飛ばした。

デルス「さすがはブライドとやり合うだけある。なめてかかると痛い目に会うかもな。」

リクス「お前は許さない…。ティアの思いを利用するなんて…」
リクスの目は怒りに染まっていた。

デルス「フフフ、怒りの目は美しい。人の心情を真っ裸にしてくれる目だ…。」
デルスはモンスターボールを取り出した。
そこから一匹の巨大なポケモンを繰り出した。

「グォォォォォォォ!!」

リクス「!!これは…?」
ジン「…でけぇ…」

巨大な巨体に、青いボディ、機械のようなその姿。
伝説のポケモンに次ぐ強さを持つといわれるポケモン、メタグロスだ。

デルス「フフフ、楽しませてくれよ…」
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エヌオズ #23☆2005.10/07(金)23:06
第23話 決戦開始 リクスVSメタグロス

ジン「リクス、来るぞ!!」
メタグロスがこっちにゆっくりと近づいてきた。
リクスは人化を解き、もとのラティオスの姿に戻った。

デルス「メタグロス、シャドーボール!!」
メタグロスのクロスになったところが黒く光り、そこから黒い球体を飛ばした。
リクス「リフレクター!!」
リクスの周りに緑色のバリアが現れ、シャドーボールを防いだ。
リクス「ぐ、なんてパワーだ…」
リフレクターを張ったとはいえ、その反動のダメージは受ける。
しかも相手はメタグロスだ。攻撃力が並外れている。

デルス「メタグロス、高速移動だ。」
メタグロスがその巨体を超能力で素早く動かし、リクスとの距離を一瞬にしてなくした。
リクス「!!」

デルス「メタグロス、コメットパンチ…」
メタグロスは巨大な足を腕のように構え、リクスに向かってコメットパンチを放った。
リクス「うわぁぁ!!」
コメットパンチはリクスに直撃し、リクスは吹っ飛ばされた。
ジン「リクス!!」

デルス「メタグロス、すてみタックル。」
リクス「!!」
メタグロスはその巨体で、リクスに向かって突進してきた。

ドガァァァァン!!

リクス「ぐはぁぁっ!!」
またもやメタグロスの攻撃は直撃し、リクスのリフレクターははがれ、その場に倒れた。
リクス「ぐ…」
デルス「フフフ、リフレクターを使っておいてよかったな。使ってなかったら今頃どうなっていたことか…」
デルスがリクスに近づき、リクスを見下ろした。
デルス「まあ、それも時間稼ぎに過ぎなかったようだがね。もはやお前は戦えまい…」
リクス「…」
リクスがデルスをにらみつけた。

デルス「ここでトドメをささせてもらおう。
メタグロス、コメットパンチ!!」

「グォォォォォォ!!」

リクス「く…ここまでなのか…」
リクスは目をぎゅっと閉じた。
大きな音が響きわたった。

しかし、リクスにはいつまでたっても攻撃が来なかった。
リクスはゆっくりと目を開けた。
そこには…

ジン「へへ、ギリギリだったな。」
リクス「ジン!!」

ジンのバシャーモが、リクスの目の前でメタグロスの攻撃を足で受け止めていたのだ。

ジン「バシャーモ、ブレイズキックだ!!」
「バシャァァァ!!」
メタグロスを支えていた足を思いっきり伸ばし、メタグロスをぶっ飛ばした。

「グォォォォォォ!!」
デルス「く…まだこいつが残っていたか…」
ジン「リクス、あとは任せてくれ。」
ジンはそういうと、デルスのほうを見た。
ジン「デルス!!テメーはこの俺がぶっ飛ばしてやるぜ!!」
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エヌオズ #24☆2005.10/08(土)22:55
第24話 夢幻(∞)の心

デルス「フフフ、このメタグロスをぶっ飛ばすと…。
そんなことができるのかね?」
デルスはメタグロスを見上げた。メタグロスはまだまだ元気だった。
ジン「ああ、絶対に倒す。今に見ろよ。
バシャーモ、火炎放射!!」
バシャーモは口にパワーをため、ものすごい勢いの炎を吹いた。
「グォォォォ!!」
炎はメタグロスに直撃した。
ジン「いいぞ、バシャーモ!!」
ジンはガッツポーズをした。

デルス「メタグロス、シャドーボール!!」
メタグロスのクロス部分が黒く光り、バシャーモめがけて黒い玉を発射した。
ジン「バシャーモ、避けろ!!」
バシャーモはシャドーボールの軌道を見切り、さらりとかわした。
デルス「く…」
ジン「バシャーモ、ブレイズキックだ!!」
バシャーモは空中で蹴りの体勢に入り、メタグロスに向かって一直線に突っ込んでいった。
「グゴォォォォォ!!」
バシャーモの蹴りはメタグロスにこれまた直撃し、その巨体をぶっ飛ばした。
ジン「よっしゃぁぁ、いいぞバシャーモ!!」

デルス「ふん、タイプ的には不利か…。
ならばメタグロス、サイコキネシス!!」
デルスが命令した瞬間、メタグロスの体が光った。そして超能力の力でバシャーモを捕らえた。
「バシャァァァ!!」
バシャーモの体はゆっくりと上がっていく…。
ジン「バシャーモ!!」
デルス「どうだ、こいつのサイコキネシスの味は。」
デルスはバシャーモを見上げた。バシャーモは締め付けられてもがいている。

デルス「メタグロス、破壊光線!!」
ジン「何!!」
メタグロスはまたクロスの部分にパワーをため、そこから超特大のビームを発射した!!


ビームはバシャーモに直撃した…!!。
バシャーモが空中から落ちていく。


ジン「バシャーモ!!」
ジンはスライディングでバシャーモを受け止めた。
もはや戦闘不能だった…。

デルス「はっはっはっ!!どうした?ぶっ飛ばすのではなかったのかね!?無残な姿になったものだな!!」
デルスは今までにないくらい大きな声で笑った。
ジン「く…くそぉ!!」

デルス「さて、次はどいつで来る?こいつに勝てるやつはいないだろうがなぁ…」
デルスはまた不気味に笑った。

リクス「…くっ…どうすれば…」
リクスは戦闘不能になりながらも、ジンの戦いを見ていた。
ティア「お…お兄ちゃん…」
ティアがリクスに近寄ってきた。
リクス「ティア、大丈夫か。」
ティア「うん…もう平気…」
そう言ったものの、ティアは今にも気絶しそうだった。

リクス「ごめん、ティア。僕は…お前を…守ってやれなかった…」
リクスの目には大粒の涙が浮かんでいた。

ティア「違う、お兄ちゃんは悪くないよ…。私が勝手に巻き込まれただけだから…」
リクス「ティア…」

ティア「そうだ、お兄ちゃんにお守りをあげるよ。」
リクス「お守り…?」
ティアは神秘的な光りを放つ玉を出した。
ティア「お母さんからもらったんだ。これがあればどんなときでも乗り越えられるって。これを持ったポケモンは心が強くなれるんだって。」
ティアはその玉をリクスに渡した。
リクス「心が…強く…なれる…?」
ティア「うん…。お兄ちゃん、大丈夫だよ…。それがあれば、たとえ追い込まれたとしても、絶対に…乗り越え…ら…r…」
ドサッ…

リクス「ティア?ティア!ティアァァ!!」
リクスはティアの体を揺すった。
返事がない…。
気絶したようだ…


リクス「ティア…」


ジン「ぐぉあ!!」
ジンはデルスに押さえつけられた。
デルス「さて、お前の役目も無残に終わった。残るはリクスだけだな。フフフ…」
メタグロスがゆっくりとリクスに近寄ってくる。

リクス「…たとえ追い込まれたとしても、絶対に乗り越えられる…」
リクスはさっきの玉を見つめた。
デルス「フフ、死期が近づいたな。リクス。」
メタグロスがもうリクスの目の前に来ている。
デルス「メタグロス、最後だ。破壊光線…」
メタグロスがパワーをためた…。


   ―――どんな時でも、乗り越えられる…!!―――


ゴォォォォォォォォ!!
デルス「な、なんだ!!?」
リクスが突然光り出し、メタグロスを吹き飛ばした。
そして、ゆっくりと空中に上がっていった。

デルス「!!それは…」
リクスの目の前にはさっきティアからもらったお守りが浮いていた。
デルス「それは心のしずく!!夢幻の証を持つポケモンだけが使いこなせる、幻の宝石!!」
デルスは後ずさりした…。

リクス「デルス、お前もここまでだ…


   ―――ラスターパージ…!!―――
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エヌオズ #25☆2005.10/09(日)15:04
第25話 最終決戦?

―――…―――

ジン「ん…」
ジンは目を覚ました。
頭を左右に振って、あたりを見回した。
ジン「あれ、俺どうしたんだっけ…?
たしかデルスにやられて、なんかリクスが光ってなんか言ってたような…」
ジンが目の前を見ると、さっきまでジンを押さえつけていたデルスが倒れていた。デルスのメタグロスも、電源が切られた作業用機械のように動かなくなっている。
ジン「…そうだ、リクス。リクスはどこだ?」
ジンは後を見た。リクスとティアが倒れている。

ジン「リクス、リクス!!」
ジンがリクスを起こした。
リクス「う・・ん…僕は一体…」
リクスは体を起こし、頭を左右に振った。
リクス「そうだ、デルス、デルスは!?」
ジン「デルスなら、あの通りだ。」
ジンは、倒れているデルスを指差した。
ジン「何があったのか、よく覚えてねえんだ…」
リクス「僕もだよ。なんか急にすごい力が僕に流れ込んできて、そこから自分が何をしていたのか分からなくなったんだ…。」
リクスはティアからもらったお守りを拾った。
その玉は既に輝きを失っていた。
リクス「このお守りが、僕を助けてくれたんだね…」
リクスはそのお守りを大切にしまうと、ティアの体を揺すった。

リクス「ティア、ティア!」
ティア「ん…」
ティアはゆっくりと体を起こした。
リクス「ティア、立てるかい?」
ティア「うん、なんとか大丈夫…」
ティアはリクスの手をかりて、なんとか立ち上がった。
ジン「一応きずぐすりあるけど、使うか?」
ジンはリュックからきずぐすりを取り出した。
そしてティアにふきかけてあげた。
ティア「いっ…」
ジン「ちょっとしみると思うけど、大丈夫だ。」
ジンは使い終わったきずぐすりをリュックにしまった。
リクス「へぇ、意外と几帳面なんだ。」
リクスがクスクスと笑った。
ジン「ほっとけ、これくらい当たり前だっての。」
ジンがプイっと顔を横に振った。


リクス「さて、とりあえずダーク団のリーダーはやっつけたんだ。彼のポケモンを回収して、彼をポケモン警察に送り届ければ任務は終わる。」
ティア「じゃあお兄ちゃんは戻ってこれるんだよね!!」
ティアはうれしそうにぴょんぴょんと飛び跳ねた。
ジン「はぁ、いろいろ大変だったけど、これでようやくダーク団壊滅か…」


「…ダーク団壊滅?何を寝ぼけたことを…」


リクス「!!」
3人が振り向くと、デルスが立ち上がっている。
ジン「デルス…」
デルス「フフフ、きみたちは何か勘違いしているようだね。」
リクス「勘違い?」

デルス「私のポケモンであるメタグロス、こいつを勝手に切り札だと思い込んだことだ…」

リクス「何!それじゃあ他にも…」
リクスがそう言うと、デルスは後を向いて話し出した。

デルス「そもそもきみたちは、我がダーク団の真の目的を分かっていない…」
リクス「真の目的…?」

デルス「ダーク団の目的、それはあるものを我が手に収めることだ。」
ジン「そのあるものって?」
ジンがそう聞くと、デルスは前を向いた。
デルス「使った生物に最強の力を宿すという、ダークプリズム!!」
ジン「ダ、ダークプリズムだと!?」
デルス「そう、長年の旅を乗り越え、ついに手に入れたのがそのダークプリズムだ。そして私はあらかじめ、あるポケモンにその力を使っていた…」
リクス「あるポケモン…?」


「俺のことだよ、リクス!!」


リクス「!!」
3人は空中を見上げた。
あるポケモンが闇のオーラをまとい、空中を飛び回っている。

リクス「ブライド!!」

デルス「そう、私は他のダーク団にもこいつを逃げたということにし、その間極秘でこいつを闇の力に染めていたのだ…」
デルスはそう言うと、上を見上げた。

ブライド「ケッケッケ!!うれしいぜリクス。
リーダーのおかげで俺は最強になれたのさ!!」
ブライドはケタケタと笑いながら空中を飛び回っていた。

デルス「さぁブライド!!そいつらをやってしまえ!!」
ジン「く…」

ブライド「ケ〜ッケッケッケ!!


    ―――断る!!―――  」


ブライドはデルスに向かってつばめがえしを繰り出した!!

ズバァァァァァ!!

デルス「ぐぁ…なぜだ…ブライd…」
どさっ…

ブライド「人生な、そんなに簡単にいくもんじゃねえぜ、デルス…」
ブライドが地面に着地した。
リクス「え…どういうこと…?」
ジン「つまり…ブライドが助けてくれたってのか?」
ブライドはリクスたちの方を見た。
ブライド「ケケケ…体が勝手に動いちまったぜ。きみを見てると、お前らは殺れねえぜ…」
ジンとリクスがブライドの視線を追うと、ティアがいた。
ジン「…?」

ティア「分かってた。ブライドさんはあんなことするポケモンじゃないって。」
ティアの目には涙が浮かんでいた。
hcccbcac96e.bai.ne.jp
エヌオズ #26☆2005.10/10(月)09:25
第26話 日常へ…

リクス「どういうこと?」
ジン「ブライド…?」
ジンとリクスはわけが分からなかった。
ブライド「ケケ、分けわかんねぇか。無理もねえよなぁ。」
ブライドはそういうと、またティアのほうを見た。
ブライド「大きくなったな、ティア…」

ティア「…」
ティアは黙ってリクスのほうを見た。
ティア「お兄ちゃん。お兄ちゃんが修行でいなくなったときから、私は一人になったって言ってたよね?」
リクス「あ…うん。デルスの話によるとそうらしいけど。」
ティアはそういうと、またブライドのほうを見た。
ティア「ブライドさんは、ほんとはいい人なの。
お兄ちゃんがいない間、ずっと遊んでくれてたから…」
ジン「え、ブライド…。お前…」
ジンはブライドのほうを見た。
ブライド「まあ、その通りといえばその通りだな。
いつものように遊んでたよ…」
リクス「じゃあ何でこんなことに。」

ブライド「あれは運命の日とでもいうのかね。あいつが来た日だ。」
リクス「あいつって?」
ブライド「ダーク団リーダー、デルスがドリームアイランドに来た日だ。あいつはティアをダーク団に入れに来たんだ…」
ブライドは後を向いた。
ブライド「そして、なんとかしてティアを助けられないか…。俺は考えてなぁ。
そして、考えた末行き着いたのがこの結果だ…。俺自身がダーク団に入ることで、ティアを助けられないかと…。」
リクス「ブライド…」
ブライド「ケケ、俺の頭じゃあこれが限界だったんだよ。もしお前のことを、ティアの兄貴だと知ってたら、戦わずにすんだかもしれんな。」
リクス「…」
リクスがブライドの方へ近づこうとした。
そのとき…

ゴゴゴゴォォォォ!!

ジン「な、なんだこの揺れは…!」
急に基地が激しくゆれだしたのだ。
ブライド「ケケ、実はお前らに姿を見せる前に、この基地を壊滅させるプログラムを作動させておいた。10分後にはこの基地は沈む。」
リクス「何!!」
ブライド「さっさと逃げろ。早くしないと生き埋めになっちまうぜ!!」
リクス「けどブライド、お前は…」
ブライドはデルスのところに行った。

ブライド「俺はここで消える。あとちょっと早けりゃ一緒に脱出できたかもしれんが…。
こいつにダークプリズムを埋め込まれちまった今の俺に、生きる資格なんかねぇんだ。」

ゴゴゴゴゴォォォォ!!

ブライド「さっさと逃げろ、早く!!」
ティア「けどブライドさん!」
ブライドはティアのところまで行き、ティアを抱きしめた。


ブライド「分かってくれ、ティア…。闇に満ちたポケモンが、どれだけ生きるのがつらいものかを…」

ティア「ブライドさん…」
ジン「ち…しかたねえ。ここはブライドに任せよう。」
ジンはそういうと、モンスターボールからオオスバメを出した。
ジン「ティア、こいつに乗れ。」
ティア「…うん。」
ティアはジンと一緒にオオスバメに乗った。
ジン「リクスは自分で出られるか?」
リクスはジンのほうを向かずに答えた。
リクス「うん、なんとかなるよ…」
ジン「そうか、じゃあ行くぜ!!」
ジンはティアを連れて基地の外に飛んでいった。

リクス「ブライド…」
ブライド「ティアを頼んだぞ…」

ゴゴゴゴゴォォォォ!!

リクス「ブライド…ありがとう…」
リクスはジンを追って飛んでいった。


―――…―――


あれから何ヶ月かたった…。
ダーク団は壊滅し、ダーク団の隊員たちもドリームアイランドに連れ戻された。
けどブライドとデルスだけは見つからなかったらしい。

あと、俺がダーク団と戦ったってことは、一応秘密にしてる。
そうしねえと、あいつからなんか言われそうだし…。

そうそう、あいつ転校しちまってよ。
行き先は先生にも教えてないとか。まあ当たり前だけど。

ん、悲しいかって?んなわけねえじゃねえか。
これで今までの日常に戻れるんだぜ!
これからは友達とポケモンバトルやりまくるぜぇぇ!!
はは、ははは、はは・・、は…。
…。

楽しかったな、いろいろと…。


[学校]

先生「は〜い、今日から新学期です。みなさん夏休みでだらけてませんでしたか。」
ジン(なまけるわけねえだろ、いろいろ旅してたんだからよ…)

先生「それでは、夏休み頑張ったという証を出してください。」
ジン(ん、なんじゃそりゃ…。俺けっこう頑張ったけど証なんか。
…あ、やべぇ、宿題やってねえ!!)
ジン「あの〜先生。」
先生「ん、何?」


ジン「熱が67度もあるので帰りまぁぁす!!」
先生「ぶっ倒れてるわ!!まてぇぇえ!!」





「わーいわーい」
「待ってよ!いつの間にそんなに早くなったんだよ。」
「お兄ちゃんがいない間ずっと走ったりして遊んでたから。」
「はは、けど僕もまけないぞ!!」
「うわっ、お兄ちゃん早いよぉぉ!!」
「ははは」
「えへへ…」


(終)


エヌオズ「はい、みなさまこれで終わりです。
どうだったでしょうか?
ほんと予想よりずっと短かったけど、完結しちゃいました…。
とりあえず〜BLUE FANTASY〜は、これで終了です。
はぁ…長かったなぁ…(え)」
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[720]

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ぴくの〜ほかんこ